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堀内委員 財政のために
行革をやっているのではありませんが、
行革を実行、実現させるために財政の問題も絡んでくるということは、これまた事実だと思いますので、ひとつその点は
臨調においても、私が希望いたしますのはそういう問題を真剣に取り組んでいただきたいということでございます。
私は、ずっと見てまいりまして、
臨調ほどまじめに、真剣に勉強され
審議されている
審議会はないというふうに思います。また、これをサポートいたしております
中曽根長官を初めとする
行政管理庁のスタッフや
臨調の事務局のスタッフの
努力も大変なものだというふうに私は敬意を表しております。しかし、人力には限りがあるというふうに思います。そこで、来年三月まで時間があるわけでありますから、どうしても七月に間に合わないものは、当初予定にこだわらず、九月でも十月でも十一月でも、随時に
答申を出していけばいいと思うのであります。ただ、五十八年度予算で生かしたいもの、これだけは予算要求のスケジュールとの
関係で七月
答申でないといけないという問題があると思いますが、そういう問題に焦点をしぼるとすると、その他の問題は、十分煮詰まっているものの
答申だけを七月
答申にしぼっていただく。時間不足で抽象的な
答申というようなもので
答申があらわれてくるような形は避けるべきではないか。そういう
意味で、七月にこだわらずに議論を尽くして
答申された方がよいと私は思うわけであります。
このようなことを申し上げますのは、
一つの
理由がございます。先ほど
郵政省と
通産省の
データ通信についての答弁を承りましたが、ニュアンスは非常に前向きで取り組む姿勢だけは見せられましたが、何か奥歯に物が詰まっているような感じでありました。今回の
法案の中にある
データ通信の問題、私はこれは
内容が十分煮詰まっていなかったのではないかと思うのであります。これは私の推察でありますからそうでないかもしれませんが、煮詰まっていないものが出てきたために、その結果、何が起こったか。
郵政省と
通産省の権限争いという次元の話になってしまっているような感じがいたします。少なくとも新聞紙上ではそのように取り扱われているわけであります。私は、これは
中曽根長官が日ごろ言われておりますところの
行革の純粋性というものに反するのではないかと思います。
これから
行革は本番になってまいるわけであります。だんだんハードコアが出てまいりますが、
臨調対各省あるいは
行革担当
省庁である
行政管理庁対各省、こういうものの間で火花が散るのは、これはやむを得ないことだと思います。が、
行革の土俵で各
省庁の権限争いが始まって収拾がつかなくなってしまう、こういうことは私は避けなければならないと思うのであります。そのためには、
臨調が十分議論を尽くしてもらって煮詰めたものの
答申をもらわなければ困る。議論を煮詰めないまま
答申をすると、
データ通信のような混乱があちこちで生ずるのではないかというふうに私は心配するものなのであります。
国民的
課題である
行政改革を実現させ成功させるため、そういうものを
考えれば
考えるほど、この問題というのは真剣によく
考えていかなければならないと思うのです。こういった混乱を避けるためにも、
答申内容は具体的になるように十分煮詰めてもらう。ですから、五十八年度予算に絡むもの以外は随時
答申でもよいのではないかと私は
考えるのでありますが、いかがでありますか。