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伊藤(茂)
委員 そういうことも五十七
年度全体をどう
運用していくか、そして来
年度にどう向かっていくのかというのにつながってくるわけでありますが、
シーリングが出た後、各種のいろいろな評論それから論説などを読んでみましても御案内のとおりに、何
新聞のタイトルは何ということを一々言いませんけれ
ども、相当手厳しい論評がなされている。御
承知のとおりであります。
何
新聞でしたか、私が一番感心したのは、解説のこういうタイトルでしたね。出たとこ勝負の
予算づくり、財政再建の理念なし、小手先細工になるおそれ、うまく言っているなというふうに思ったのですが、何も皆様方の能力と
努力を軽視する
意味じゃないですよ。現実に出てきているものですね。その中で出てきているのは、
予算編成の前提
条件を問うとか、こういうメニューの作業を始めて五十七
年度及びこれから先どうなるのか、五十九年
赤字公債ゼロというふうに言っているけれ
ども、これは完全に崩壊したではないか、一番大きな問題は、これから先財政
経済、
税制含めて
運営はこうしていくんですよ、そういう中で五十八
年度の
予算についてはこういう
シーリングでこうしていくんだという展望性を示すことが大事なんだけれ
ども、それが全然出ていない。まあ臨調もあり、
歳入欠陥もあり、マイナス
シーリングにしなくちゃならぬ。マイナス五%原則の結果が二千数百であったことは別にして、一体どうしていくのだろう、それがわからぬという
意味での論評が非常に多いということだろうと思います。とにかく非常に重要なときであるだけに、そういうことをどう示すかということ、これは皆様にお尋ねするだけではなくて、私
ども野党も含めて懸命に勉強しなくてはならぬというふうに実はよく私も思っているわけであります。
そういう角度から言いますと、政治家の
大臣の話よりも皆様方とここでもっと明確にきちんとしなくてはならぬ非常に大きな問題があるのではないだろうか。特に
赤字公債を減らす、五十九
年度ゼロにする、増税なき財政再建というメニューが行政の最高
責任者から依然として繰り返し言われているわけであります。みんなは疑いの目を持っているし、できるはずはない、破綻したというふうに思っている。この
情勢でありますから、鮮明な旗印を掲げて、この方向でみんながんばりましょう、
努力をしてください、よろしくお願いしますと言うべきところでありましょうが、その旗はすっかり色さめて何だかわからぬという
状況だろうと思います。それをどうするのかということが、私
どもを含めてみんなの大きな
責任ではないだろうかというふうに実は思うわけでありまして、その辺をもっとはっきりさせるべきである。報道を読んでいますと、何か同僚与党大蔵
委員、
理事の中で総理にちゃんと言いに行った人もいるらしいし、あるいは閣議の席でも有力閣僚の中からそういう意見が大分出たようであります。また、与党・
政府の協議の中でも重要
責任者の方からそういうことも相当強く出ているということのようであります。
そこで、一つの端的なシェーマとして一体どういうふうに考えられるかということでありますが、五十九
年度赤字
国債脱却、増税はしない。まあ小幅の増税が認められるかどうかは別にして、兆単位の新増税というようなことは考えない。この方程式を解くためにはどんなことになりますか、私もいろいろ
数字を並べたり勉強したりしてみたのです。
細かいことを言う暇はありませんが、ずっと並べてみて、たとえばこれからずっと毎
年度一般歳出の
伸び率は完全にゼロに抑える。ことしもマイナス
シーリングと言いながら
一般歳出はプラス一・四ですね。要するに、いまのマイナス
シーリングよりもより厳しくやるという
意味合いになると思いますが、
一般歳出の
伸び率ゼロをずっと続ける。それから
税収の毎
年度の
伸び率を一〇%増というふうに仮定をする。その一〇%増のためにはGNPはどうしても実質三・五ぐらい、名目六ぐらい、弾性値でいって一・五から一・六ぐらいというものがなければそれもできないと思いますが、そういうこれから毎年ずっと
一般歳出伸び率ゼロ、
税収は年一〇%
伸びるという仮定を置いてみて、ようやく六十一
年度に再建をされる。いろいろな並べ方がありますからあれですが、いろいろな
数字を並べながら考えてみたら、大体そんなことしか浮かんでこない。五十九年から二年延ばしということしか出てこない。
さらに極端な論理で言うならば、総理がおっしゃっている公約を実現するためにはとにかく五%、六%ではない、一〇%だとかそういう二けたのマイナス
予算を組むか、あるいは一〇%から二〇%近いぐらいの大増税をするか。そのほかに景気をよくして
税収を上げるということがありますが、これもさっき言った
数字のような問題でありまして、そこに大きく頼ろうとすれば名目一〇%以上、
税収は一七、八%以上ぐらい、当然大変なインフレ
経済の危険性が表面化するということになるのではないかと思いますが、そんな要素が前提になければ、いま公約で言っている方程式は解けない。
総理
大臣がどうとか大蔵
大臣がどうとかという遠慮は抜きにして、これは論理の問題ですから、あるいは政策論理としてこういうことがなければ達成できないのではないかという
考え方、論理の問題で聞いているわけであります。
主計局を初め皆様方のところでは、そういうさまざまのことは頭にいっぱい詰まって日夜考えていることだろうと思いますが、いかがでございますか。