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1982-03-26 第96回国会 衆議院 大蔵委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
昭和五十七年三月二十六日(金曜日) 午前九時三十九分
開議
出席委員
委員長
森 喜朗君
理事
大原 一三君
理事
粕谷 茂君
理事
小泉純一郎
君
理事
中西 啓介君
理事
伊藤 茂君
理事
沢田 広君
理事
鳥居 一雄君
理事
和田 耕作君 相沢 英之君 麻生 太郎君 今枝
敬雄
君
臼井日出男
君
太田
誠一
君
木村武千代
君
北川
石松
君 熊川 次男君 椎名 素夫君 白川 勝彦君
中村喜四郎
君
中村正三郎
君 平沼 赳夫君
藤井
勝志
君 毛利 松平君 森田 一君
柳沢
伯夫君
山中
貞則
君 山本 幸雄君 与謝野 馨君 大島 弘君
佐藤
観樹君
塚田
庄平君
戸田
菊雄
君 野口 幸一君 堀 昌雄君 柴田 弘君 玉置 一弥君 正森 成二君 蓑輪 幸代君 小杉 隆君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣
渡辺美智雄
君
出席政府委員
大蔵政務次官
山崎武三郎
君
大蔵省関税局長
垣水
孝一君
大蔵省証券局長
禿河
徹映君
大蔵省銀行局長
宮本 保孝君
大蔵省国際金融
局長
加藤 隆司君
委員外
の
出席者
経済企画庁調整
局調整課長
海野 恒男君
外務大臣官房外
務参事官
佐藤
嘉恭
君
文部省管理局
私
学振興課長
坂元 弘直君
農林水産省経済
局国際部長
塚田
実君
農林水産省畜産
局食肉鶏卵課長
鶴岡 俊彦君
通商産業省通商
政策局国際経済
部通商関税課長
横堀
恵一君
郵政省人事局給
与
課長
西井 烈君
日本専売公社管
理調整本部職員
部長
丹生 守夫君
日本国有鉄道常
務理事
吉井 浩君
大蔵委員会調査
室長 大内 宏君
—————————————
委員
の異動 三月二十六日
辞任
補欠選任
笹山
登生
君
太田
誠一
君
平泉
渉君
北川
石松
君
藤井
勝志
君
中村喜四郎
君
柳沢
伯夫君
臼井日出男
君 同日
辞任
補欠選任
臼井日出男
君
柳沢
伯夫君
太田
誠一
君
笹山
登生
君
北川
石松
君
平泉
渉君
中村喜四郎
君
藤井
勝志
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
参考人出頭要求
に関する件
関税暫定措置法
の一部を改正する
法律案
(内閣 提出第四六号) ————◇—————
森喜朗
1
○森
委員長
これより
会議
を開きます。
関税暫定措置法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。
戸田菊雄
君。
戸田菊雄
2
○
戸田委員
時間がありませんので、まず
質問
の要旨だけ一括して申し上げて、
回答
いただきたいと思うのであります。 その
一つ
は、いま
米欧
の
日本
に対する
批判
は、
日本市場
の
閉鎖性
に集中しておると思います。
農産物
を中心とする
残存輸入制限
を初め、
輸入検査手続
、
関税
、
行政指導
あるいは
不況カルテル
といった
日本
独特の
産業政策
まで、
貿易摩擦
とみなされているようであります。
米欧
は、単に物の
貿易
にとどまらず、
金融
、保険、データ通信、
外国為替政策
まで、枠を広範に広げてきていると思います。
個別対策
では
対応
できないのではないかと
考え
ますが、この点について
通産
、
外務両省
の
見解
をまずお伺いしたいと思います。 二番目は、その時期ですね。これは
パリ
のいわゆる
サミット会議
までに決着をつけなさいということ、訪米している
櫻内外務大臣
あるいは東京の
代表者会議
での
アメリカ
の
通商代表部
の
見解
など、こういうことで、まず期間的には三カ月くらいしかないと思うのでありますが、この中ですべて整備をしてきなさいというのが
アメリカ
の
考え
ではないかと思うのでありますが、そうしなければ結果的には
相互主義法案
というものを
アメリカ議会
で抑えることはできない、こういう
アメリカ政府
の
見解
ではないかと思うのでありますが、この辺に対する
通産省
と
外務省
、そして
大蔵大臣
の
見解
をお伺いしたいと思います。 それから、これらに対して
日本
としましては、具体的には
一つ
は
関税改定
によりまして
農産物
の
残存輸入制限
二十二
品目
、実質的には百
品目
以上あると思うのでありますが、これを超える
緩和
と
撤廃
、こういうもので対処しようというのが
一つ
だと思います。もう
一つ
は
先端技術分野
での
日米欧
の
共同研究開発
、これで世界的な
経済
の
活性化
を図っていこう、こういう
考え
ではないかと思うのであります。もう
一つ
は
内需
の盛り上げであります。いわゆる
消費
、購買、そういうものを向上させて
内需主導
型というものを徹底して
経済
の
浮揚政策
を図っていく、こういうことにあるのではないかと思うのでありますが、これらに対する
納得
のできる
対応策
というのはあるのかどうか、この辺についても
通産省
、
外務省
の
見解
を承っておきたいと思います。 それから、資料をけさいただきました。
日本産業
の
国内市場
での
シェア
はどうなっているか。また、
世界市場
での
シェア
はどういうことになっているか。さらに、今日まで
日本
の
輸出
の
主役
は
自動車
、
家電産業
等々にあったと思うのでありますが、この
自動車
とか
家電産業
は
自主規制
でもって若干鈍化の傾向に現在あると思うのでありますが、今後は、こういった
主役
にかわって、どういう
輸出品
を
主役
として
日本
は
考え
ておるのか、この辺の
見解
を
通産省
から承りたいと思います。 ことに、各
産業
の
シェア
の問題でありますが、
アメリカ
の「ビジネス・ウイーク」一九八〇年六月三十日号、これによりますと、
米国産業
の
現状
として、一九七九年
国内市場
での
シェア
、
鉄鋼
が八六%、
自動車
が七九%、
無機化学品
八一%、靴六三%、
電気製品
八〇%、
衣料
が九〇%、
工作機械
七四%、
農業機械
八一%、
繊維機械
五五%、
計算機
五七%、
家庭用エレクトロニクス器具
四九%。さらに
世界市場
での
シェア
でありますが、これは一九七九年の
世界輸出
全体中の
割合
であります。航空機、もちろん
日本
にはありませんが、
アメリカ
としては五八%、
有機化学品
が一五%、
農業機械
二三%、
繊維
、
皮革機械
七%、非
電気機械
二〇%、
鉄道車両
一二%、
プラスチック製品
が一三%、
工作機械
一四%、
医療器具
、薬品が一七%、
電気通信機器
一五%。
日本
の
通産省
の
調査
によりますと、
日本
の
国内市場
の
シェア
の
割合
は
鉄鋼
で九八%、
自動車
が九九%、
無機化学
九〇%、靴が九八%、
電気製品
九九%、
衣料
が八八%、
工作機械
九三%、
農業機械
九四%、
繊維機械
六一%、
計算機
五五%等々になっておりますから、
日本
の方は
国内市場シェア
においては少し
高目
ではないかという気がします。それから
国際市場
での
シェア
でありますが、これは
アメリカ
の半分くらい、けさ拝読しましてそのような感じを受けます。 こういった
シェア
の
状況
からいけば、
日本
のいまの
状況
は、
アメリカ
が
指摘
し
批判
をするような
状況
では決してないのではないだろうかというような気がいたしますけれ
ども
、こういった
見通し
に対する
見解
を承っておきたいと思います。 三番目といたしまして、
貿易摩擦解消
のための
農作物残存輸入制限
の
緩和
と
撤廃
、ことに
大豆
、
大麦
、
小麦等
いわゆる
転作奨励作目
、こういうものに集中的にきていると思うのでありますが、そういうことになりますと、今後これらの
転作作物
に対する
生産
の
方向
をどういうふうに持っていくのか、
農林省
としての
見解
を明確にお聞かせ願いたいと思います。 ことに「八〇年代の
農政
の
基本方向
」ということで、
農政審議会
で五十五年十月に
一定
の
結論
を見ておるわけです。この
中身
を拝見いたしますと、たとえば第三章の「
農業生産
の
展開方向
−
需要
の
動向
に応じた
農業生産
の再編成と
生産性
の向上−」こうありまして「1、
農業生産
の
基本方向
」あるいは1、として「米、野菜については」「果実については」「
畜産物
については」「
輸入依存度
が極めて高い
小麦
、
大豆
については」どういうふうに対処するかということがありますが、これは今日の
激変対応措置
に見合わないのじゃないかという気がします。だから、これらの
基本方向
については再検討の要がありはしないか、こういうふうに
考え
るのでありますが、この辺の
見解
を承りたい。 それから、もう
一つ
は
価格政策
についてでありますけれ
ども
、これも
農政審議会
の五十五年十月の
基本方向
の中でいろいろと言われている。四十ページでありますが、「
農業所得
の確保」「流通の
合理化
と
消費者利益
の
保護
」「
農産物
の
内外価格差
への配慮」等々、幾つかの
項目
で事細かに
一定
の
方向
を出しておるわけでありますが、いま、たとえば
転作奨励作目
で
大豆
や
大麦
や
小麦
が
転作
としてなかなか発展しない。かつて三%ないし四%のものが辛うじて今日八%
程度
まで上がっておると思うのでありますが、それは
農民
の大変な苦労、
出血生産
によって今日までやってきているのが
現状
だと思うのです。 ことに
酪農等
の問題につきましては、私は、三日ほど前に
農業団体
の
皆さん
と一緒に
大蔵省
に行きましたけれ
ども
、たとえば稚内の
酪農家
のある人は、大体、乳牛百頭、肉牛五十頭、これで
構造改善事業
として八千六百万円
程度
の
借財
を背負った、総体の
年収
は六千八百万だ、
年収
でおおむね二千万円
程度
の
赤字生産
だ、こう言う。これは北海道に限らず東北においても九州においても、
酪農家
はいまほとんどそういう
状況
にあると思うのです。
後継者
として息子さんが
酪農
を引き継いでやったけれ
ども
、大体二千万の
借財
を背負って、そして実際
赤字酪農経営
というようなことで友達とか何かには自殺した者もあるし、危機などという
状況
は越えていると思うのです。自殺一歩手前というような
状況
にまで追い込まれている。 恐らく、きょう
畜産審議会
で乳価の
価格引き上げ等
の問題についていろいろ
論議
をされて
結論
を出されると思いますが、わずかに五十銭と聞いている。五十銭の値上げでは、いまの
物価上昇
、
経済動向
からいって一体どんなものかという気がするのです。だから、われわれ
給料取り
が五年前の
給料
でずっと生活しなさいというのと同じ
状況
になっているわけですね。だから、こういう問題に対する
政策
を今後
価格政策
として明確なものを打ち出してもらわないと困るのではないか、私はこのように
考え
るわけでございます。 ことに、
関税改定等
によりまして、今回、
牛肉
は十七万七千トン入ってくるわけでしょう。そうしますと、
国内生産
としては四十一万八千トンですから、大体四割近いものが今度は
国内
に入ってくる。値段はまさに二分の一ないし三分の一のコストで入ってくるわけですから、
国内
の
生産品目
というものは大変な痛手をこうむる、こういう
状況
にあるというような気がいたします。こういった問題にどう
一体対応
をしていくのか。あるいは
小麦
、
大麦
、
大豆
等々、こういったものも、
指摘
した内容についてどう一体対処していくのか等の問題が数多くあろうかと思いますので、こういった
対応措置
について、ひとつ明確に
回答
をいただきたいというふうに
考え
るわけでございます。
大臣
、時間がありませんから一括
質問
して、後で御
回答
をいただきますから御了解いただきたいと思います。 それから、そういう
状況
でありますから、何らかの形で
農業
の
振興政策
に対する
助成体制
というものをとっていく必要があるのではないだろうか。
国内
においても、
臨調等
では、いまの
農政
は過
保護
だから
補助金等
を切り捨てろという非常に厳しい
状況
にある。しかし、かつて
石炭産業
が
斜陽産業
に陥ったときに、これらに対して
石炭特別会計
というものをつくって、そして
一定
の
産炭地
の
振興政策
を図って、現在もそれは行われておるわけですね。
農民
の言い方をかりるならば、
農業
は
工業
の犠牲になっているのだ、
家電
とか
自動車
でいっぱいもうけているのだから、そういった一部のマージンをこっちへ回して、
一定
の制度的な
振興対応助成体制
というのをつくったらどうかという気がいたすのですが、その辺の
見解
は一体どう
考え
ておられるか。 それから第五番目といたしましては
関税率審議会
の問題でありますが、
中身
はよく伺ってわかりました。ただ、
法律
上は四十五名以内ということでありましょうが、三十六名あるべきものが現在三名欠員になっているようでありまして、これは早期に補充するべきものと
考え
ますが、この辺の
見解
についてお伺いしたいと思います。 六番目は、
税関労働者
が、最近大阪の
港地区
で
松本康司
さんという人が、まだ
原因
がわからないのでありますが、海に落ちて死亡した。それも
韓国船
の
麻薬輸入
その他に対しての
警戒巡回
中だった、こういうことです。大体
麻薬
に関与している
皆さん
というのは暴力団が多いようでありますね。ですから、そういう面では非常に
危険性
が伴う。こういう問題に対する
労働条件
なりあるいは
身分保護等
の問題について、どういう
対応措置
を立てておられるのか、この辺について明確な御
回答
をお願いいたしたいと思います。 以上、第一段の
質問
といたしまして六
項目
ほど一括
質問
いたしましたので、それぞれ
各省
の御
見解
と
大蔵大臣
の御
見解
をお伺いしたいと思います。
渡辺美智雄
3
○
渡辺国務大臣
答弁の順序が前後いたしますが、参議院の
関係
もありますので、
お許し
を得て先にやらしてもらいます。
外務大臣
が
アメリカ
から帰ってまいりまして、ただいまいろいろ
閣議
での
報告
が行われたわけでございます。この
経済
問題についてはいろいろと活発な
論議
をしたけれ
ども
、
向こう
としては、
日本
の
関税
の
一括引き下げ
というものは高く評価をする、それから今後
議会
で
相互主義立法等
の
動き
があるが、
向こう
の
政府
としても、
余り保護主義
になる、
保守主義
になるということについては、これは歓迎しない、しかし、
日本側
についても要するに
市場開放等
を積極的にやってくれという
お話
だった。
日本
としては、
ベルサイユ
・
サミット
までにできる限りの
市場開放努力
をしてほしいという
向こう
からの期待が
表明
されたが、
わが国
の
市場開放
については、すでに一連の
措置
をとってきたということを
外務大臣
が
説明
するとともに、
ベルサイユ
・
サミット
を念頭に置いて可能な限りの
努力
を続けますということを明らかにいたしました、したがって、
外務大臣
としては、
日本
の自主的な立場から
市場開放
問題に一層積極的に取り組んでいくべきものであるので、
各省大臣等
においては何分の御協力を願いたい、こういうような話がいまあったばかりでございます。 いずれにせよ、
戸田委員
のおっしゃるように、われわれとしては主張すべきものは強く主張しなければならないし、
貿易
問題については御
指摘
のように全体のグローバルで
考え
ることが当然のことだということは、
通産大臣
がこの間行ったときに
アメリカ側
には強く言っているわけです。
日米
間は
赤字
かもしれぬけれ
ども
、
アメリカ
全体としてはとんとんにいっているからいいじゃないか、
日本
だって対
OPEC諸国
とはみんな
赤字
ですよ、したがって、
日本最大
の問題は
石油輸入
ということなんですから、それなら
アメリカ
も
アラスカ石油
なんかを
日本
にどんどん売る、
日本
はその分だけほかから買うのを少なくする、メキシコから少なくしてもいい、
アメリカ
から買ったらいいじゃないか、そうすれば、要するに
日本
の
貿易
にとっても同じだ、
アメリカ
の対
日貿易
は、もし二国間だけで言うなら
改善
をされる、それもだめだ、あれもだめだというのでは困りますというやりとりがかなりあるようであります。 しかし、いずれにいたしましても、
日米関係
は
同盟国
でもあるという
状況
にかんがみて、ここで
お互い
の両
国民
が対立するような状態に持っていくことは、大きな目で見ると両
国民
にとってでかいマイナスになるということであるから、
お互い
に
納得
のいくようなところまで積極的な話し合いを今後進めてまいりたい、そういうことでございまして、具体的にどうする、どうするということは、これから予算でも終わったらわれわれも至急に詰めてまいりたい、そう思っております。 以上でございます。
横堀恵一
4
○
横堀説明員
先生
から御
質問
のありました
貿易摩擦関係
の問題及び
日本
の
産業
の
シェア
というような点につきまして、簡単に御
説明
させていただきたいと思います。 第一点の
貿易摩擦関係
のことについて、それぞれ六つの
問題点
というのは関連があると思いますが、一口で言いますと、
原因
というのは、
一つ
には
欧米諸国
におきまして失業問題が高まって、
経済
もうまくいっていないという点、それに比べて、まだ
日本
の方は比較的恵まれているという点があろうかと思います。これに加えまして、先方から見ますと、
誤解
もあるわけでございますが、いろいろ
輸入等
の面においてなかなかむずかしい問題もある、こういうようなことかと思います。
日本
につきましては、資源もありませんし、相当部分を
輸出
で稼いで
輸入
を賄っていくということに徹しなければいけません。具体的に言いますと、たとえば
自動車
なんかでは現在半分以上
輸出
に頼っておる、そして
自動車
のような
工業
につきましては、非常にすそ野の広い
産業
でございまして、単に
自動車業界
ということだけではなくて、いろいろ関連する
分野
も大きい。そういうようなことから
考え
ますと、
相手国
の
経済
との協調といいますか、そういうことも必要になろうかということでございます。 そういうようなことで、私
ども
といたしましても、先ほど
大蔵大臣
がお答えになりましたように、主張すべきことは主張すると同時に、
相手
の挙げてくるいろいろな
問題点
につきまして、
誤解
に基づくものはこれを解き、それからいろいろ現実にむずかしい問題があって、彼らが当面している問題があり、かつそれをわれわれが解決することが可能であるというような事務的な問題も含めまして、
手続面
の
改善等
につきましては、
各省
といろいろと御相談をして今後とも取り進めてまいりたいと思っております。 それから、
日本産業
の
シェア等
の
関係
でございますが、
先生
がさっきおっしゃったとおりでございまして、今後の
輸出
の
主役
というものはどうなるかということは非常にむずかしい問題でございますが、大ざっぱに言えば、技術的な
要素
の高いものあるいは
所得弾力性
の高いものというようなものがだんだん大きく伸びていくのではないかと思います。ただ、これもたとえば
工作機械
の例で言いますと、
NCつき工作機械
というようにいままでの
考え
方とは違う新しい
要素
を加えたものがだんだん出てきておりますので、いまこの
段階
でどういうものだということはなかなか申し上げにくいかと思いますけれ
ども
、大ざっぱに言えばそういうことだと思います。 それから、
日本
の
輸出シェア
といいますか、それが個別の業種で見たら必ずしも大きくないではないかということは、まことにそのとおりでございます。ただ私
ども
も、特定の
分野
について集中的に
輸出
の
シェア
をふやすとかそういうことじゃございませんで、なるべくバランスのとれたかっこうで、かつ、
日本
の
国内
におきましても雇用の拡大ということに資するような
方向
での
輸出
の
努力
というものを引き続き行っていくことが大事かと思います。 はなはだ簡単でございますが、お答えいたします。
佐藤嘉恭
5
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。
大蔵大臣
から
外務大臣
の
閣議
における
報告
について
お話
がございましたので、私から御答弁するのもまことに僭越なわけでございますが、若干補足をさせていただくということで
お許し
をいただきたいと思います。
外務大臣
におかれましても、わが方がこれまでとってきました
市場開放
の
努力等
につきましては十分御
説明
になったわけでございますし、その間、
アメリカ
の困難な
経済環境
を背景といたしまして、
日本
のすぐれた
経済パフォーマンス
を見ていて、もっと積極的な
役割り
を期待したいというのが
アメリカ側
の要望であり、特に
アメリカ
が
競争力
を有する
分野
における産物の
日本
の
市場
への参入ということについて強い関心の
表明
があったわけでございます。
大蔵大臣
からも御
説明
がございましたように、
外務大臣
からは、
パリ
の
サミット
までにできる限りの
努力
をするという御
見解
の
表明
がございました。私
ども
としては、
外務大臣
の指示を仰ぎながら、これからの
対応
を
考え
てまいりたいと思っております。 それから、
相互主義
についての
お尋ね
もございましたが、二十四日にいわゆる
ダンフォース法案
についての
公聴会
がございました。この
公聴会
におきましては、
アメリカ
の
関係議員
からも、あるいは
アメリカ
の
政府関係者
からも発言がございまして、やはりガットの原則に反するおそれのある
法案
というものは、
アメリカ
として
考え
るべきじゃないのじゃないかという
意見
が強く出されたというふうに承知しております。この
法案
をめぐる
議会
の
動き
がどう発展していくかというのは、
現状
におきましてもにわかに判断しがたいわけでございますが、私
ども
としては、
機会
をとらえまして、こういう
動き
が
保護主義
に発展しないように
意見
を述べていくつもりでございます。 それから、
サービス貿易
の件について
お尋ね
があったかと思いますが、私
ども
としては、この
分野
はまだ未知の
問題点
が非常に多くあろうかと思っております。したがいまして、OECDその他の国際的な
会合
におきまして、いろいろなこの
問題点
を整理していくという
段階
がまず必要ではないかと思います。いずれにしても、新しい
分野
でございますし、重要な
分野
でございますので、こういった
分野
についても、開放的な
貿易体制
というものが組まれていくことが重要ではなかろうかととりあえず
考え
ております。
塚田実
6
○
塚田説明員
お答えいたします。 ただいま
先生
の方から、
農業関係
につきまして、
大変数
多くの貴重な御
意見
、御
質問
をいただきました。私、
貿易
の側面からこの問題につきまして一括してお答え申し上げたいと思います。
先生
御
指摘
のように、
農林省所管
の
残存輸入物資
の数は二十二
品目
ございます。それらは、御案内のように
わが国
の
農畜水産業
の基幹をなす
作物
であり、また地域的に重要な
作物
でありまして、あるいは水産につきましては
沿岸漁業等
の
振興
上重要な
品目
に掲げられております。
農林水産省
としては、いずれも
自由化
が非常にむずかしいものばかりでございます。 そこで、確かに
米欧
、特に
米国等
から
市場開放
の
要求
が強いわけでありますけれ
ども
、私
ども
は、今後ともその
関係諸国
に
わが国
の
農業
のむずかしい
実情
を十分
説明
し、その
理解
を得ながら、
自由化
に手を染めることなく解決する方途を探求していきたいと
考え
ております。 実は先般の
日米貿易小委員会
におきまして、
残存輸入制限
問題に関する
作業部会
が設置されることになっておりますが、その第一回の
会合
が四月の中旬にも行われます。私
ども
は、こういう
機会
を通じて極力
わが国
の
実情
を
説明
し、
米側
の
理解
を得たいと思っておりますし、また
牛肉
、柑橘につきましては、
米側
は
自由化
の
要求
を強く迫ってきているわけでございますけれ
ども
、この
日米
の協議は本年の十月から行われることになっております。この
機会
もそうした重要な
機会
であると私
ども
考え
ておりまして、省を挙げて説得に努めたいと
考え
ております。 そのような角度から、私
ども
は、何はともあれ基本的には、一昨年の秋に
農政審議会
から答申をいただきました「八〇年代の
農政
の
基本方向
」及びこれを受けて
閣議
決定いたしました「
畜産物
の
需要
と
生産
の
長期見通し
」に沿いまして、
農業生産
の
展開
を図っていきたいと
考え
ております。また、
価格政策
についても、そのような態度から進めてまいりたい、また、まいるべきであると
考え
ております。 また、
先生
から北海道の
酪農
の厳しさについて御
指摘
がありました。私自身も非常に厳しい問題であるというふうに
考え
ておりますけれ
ども
、実はこの
酪農
も、
アメリカ
が主張するように
牛肉
を
自由化
いたしますと——
牛肉
の
輸入
というのは、
先生
御
指摘
のように
国内市場
の三割くらいはすでに
輸入
しております。それを
米側
が主張するように
自由化
いたしますと、
牛肉
の
生産
というのは実はその多くが乳牛から来ておるものでございますから、
酪農
にもはかり知れない打撃を与えるわけでございます。そういう意味で私
ども
、
牛肉
の
自由化
につきましては、すでに
米側
に
機会
をとらえて
自由化
はできないということを再三主張しているところでございます。 そのように私
ども
、先ほど申し上げましたけれ
ども
、あらゆる
機会
を通じて私
ども
の立場を主張し、そして
先生
御
指摘
のように、今後の
農業
の安定的な
振興
あるいは
国内
の
農業生産
と調和のとれた
農業
政策
の
展開
に支障のないように全力を挙げてまいりたいと
考え
ております。
垣水孝一
7
○
垣水
政府
委員
総括的なことにつきましては
大臣
から御答弁申し上げましたので、私から、
関税率審議会
の構成と大阪の事故の件について御答弁申し上げます。
関税率審議会
の構成につきましては、実は
関税
の
品目
が二千八百五十五というような多数にわたっておりまして、これを農産品と鉱
工業
品に分けますと四対一
程度
になりますので、学識経験者を除きまして業界代表というようなかっこうになっておりますので、農林
関係
の方が三名ということでございますけれ
ども
、きわめて強力な
先生
をお願いしている次第でございます。欠員につきましては、最近お亡くなりになったりあるいは期限が来ておやめになった方でございますが、御承知のように
関税率審議会
の本格的な審議が九月から始まりますので、そのときに期限切れの方等ともあわせて
考え
させていただきたいと思っております。 それから、大阪の事故につきましては、昨年の名古屋の事故に続きまして、特に二十歳というような若い職員を失ったことに対しまして、私
ども
としては本当に残念に遺憾に存じている次第でございます。 実は、昨年の事故以来、特に安全管理等勤務条件につきまして特段の再点検を行いまして、たとえば人事院規則に定められている安全管理者とか安全管理
委員
会あるいは安全教育の実施等の徹底をさらに見直すほかに、税関独自といたしまして、すでにつくっておりました安全手帳を再編成するということ、それから安全機器の整備を図るということ、あるいは税関の安全の日の設定というようなことのほかに、特に私
ども
独自に実はチェックリストをつくって、安全管理、監視に出かけていく前に、たとえば安全靴をはいているかとか、そういう安全機器を所持しているかというようなチェックリストまでつくってやっていたところでございます。 実は本件自体につきましては、二人で巡回に出たわけでございますが、ちょうどその倉庫の前後に別れて張り込みをいたしておりまして、私も現場を見たわけでございますが、その海側の倉庫の前には幾つかの荷物が置いてありまして、シートがかけられておりましたので、一人でも決して見張りをするのに危険ではなかったように常識的には
考え
られるわけでございます。いま警察で鋭意調べてはおりますが、なぜ海側にまで近づいたかということにつきましては、たとえば船内を捜索いたしまして逮捕いたしました
麻薬
の所持人が、どうも大阪市内にタクシーで昼間の間に出たというような
状況
もあって、複数の人間に襲われたのか、あるいは何らかの、元気のいい若者でございますので船側に近づいて事故に遭ったのか、その辺のことはまだつまびらかにはなっていないわけでございます。 いずれにしましても、一人で前に出ていたことにつきましては、私
ども
の安全教育が不足だったということで反省をいたしまして、見張りの場合にも、特に夜間でもございますし、
相手
がいつきばをむいてくるかわからないような、
麻薬
を積んでいるような船でございますので、とりあえず絶対に単独行動しないようにということを指示いたしましたけれ
ども
、今後さらに検討を進め、また勤務体制等につきましても余り過労にならないようにということを
考え
、今後ともさらにその点を詰めていきたいと
考え
ております。
戸田菊雄
8
○
戸田委員
委員長
、若干時間が延びて申しわけないと思います。どうもありがとうございました。
森喜朗
9
○森
委員長
この際、暫時休憩いたします。 午前十時十六分休憩 ————◇————— 午後二時三分
開議
森喜朗
10
○森
委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。 質疑を続行いたします。沢田広君。
沢田広
11
○沢田
委員
ちょっとのどを痛めておりますので、お聞き苦しい点があるかと思いますが、その点は
お許し
をいただきたいと思います。 最初に、いままで各
委員
を通じまして今日の
関税
の問題で議論がされてまいりました。そこで、
貿易摩擦
という言葉の
中身
、いわゆる
貿易摩擦
とは何を言っているのであろうか。玉虫色という言葉がありますが、片方から見ればおれの方が正しい、片方から見ればおれの方が正しい、そういう
状況
のことであるのか。現実的に、ECなり
アメリカ
などの言う、
日本
が一方的な閉鎖
状況
となっているのか。また、ウサギ小屋に住む働きバチと言われる諸要因あるいは生活環境、社会資本あるいは福祉あるいは勤務時間等々を含めて、いわゆる
日本
の
貿易
がダンピング
輸出
である、そういうような見方もなくもありません。あるいは先般来の
委員
の各
質問
の中にも、これに類似をいたします諸事項がございました。 そこで、
法案
を提出した
大蔵省
を初めといたしまして、
経済
企画庁、
通産省
、それぞれの立場から見た
貿易摩擦
というものの
原因
は何なのか、前に言ったものと重複しないで、三つずつ挙げてもらいたいと思います。
垣水孝一
12
○
垣水
政府
委員
私
ども
は、対外
経済
摩擦の背景としましては、
一つ
は、申し上げるまでもなく、
欧米諸国
に対する大幅な
貿易
黒字というものがあろうかと思います。第二には、今度は先方側に、非常な
経済
の困難、インフレあるいは失業の増大、特にEC、
アメリカ
とも一千万人に及ぶような失業の増大ということがございましょう。そして私
ども
の方にも、たとえば、今度
改善
しておりますが、税関
関係
の手続が彼らから見て少しなまぬるいというようなことがあると思います。 以上、三点を申し上げます。
海野恒男
13
○海野
説明
員 お答えいたします。重ならないようにというお言葉でございますので、なるべく重ならないように申し上げたいと思います。 通常、
貿易摩擦
あるいは
経済
摩擦と申します場合に、具体的に過去いつ起きたかと
考え
てみますと、昭和五十三年、それから昭和五十五年、五十六年と三回生じておりますけれ
ども
、五十三年の姿を見てみますと、経常収支が非常に大幅な黒字の中で起きた
経済
摩擦、
日本
がグローバルベースで経常収支が大幅の黒字になったとき。第二のケースは、五十五年でございますが、このときには、経常収支は
赤字
でございますけれ
ども
、
経済
成長の大半を外需に依存する、つまり、
輸出
が非常に伸びて
輸入
の数量が減るというような
状況
のために起きたケース。それから第三点は、その両方が重なるような五十六年型。三回あったと思います。 つまり、経常収支が大幅に黒字のケース、それから、経常収支が
赤字
だけれ
ども
、数量ベースで非常に
輸出
が伸び
輸入
が減ったというケース、第三は両方ということで、さらに世界
経済
全体が停滞しておるということが加わりまして、今回の
貿易摩擦
を非常に厳しいものにしているということだと思います。
横堀恵一
14
○
横堀説明員
お答えいたします。 重ならないようにというお言葉でございますので、簡単に申し上げたいと思いますが、一部分重なってくるところもあろうかと思います。
一つ
は、先方におきます、特にヨーロッパあるいは
アメリカ
におきます
産業
転換のおくれというようなことが長期的な問題の基盤にあるかと思います。それから
貿易
面におきましては、
日本
の
輸出
がこれまで増大し、かつその範囲も、
品目
別に見ましてもだんだん広がってきたというようなことがあろうかと思います。三番目といたしましては、
日本
の
市場
に関しまして必ずしも十分な情報を得ていないというような点、あるいは、それから起因しまして
日本
の
市場
におけるいろいろな販売の
努力
のむずかしさということがあろうかと思います。
沢田広
15
○沢田
委員
外務大臣
が帰ってきたばかりでありますが、その
報告
も聞いていると思いますが、今回の訪米等を通じまして、この
貿易摩擦解消
についてそれぞれ報道されている点もございます。そういう点を通じて、
外務省
としては、この
貿易摩擦
の
原因
を
現状
においてどうとらえているのか。これも重複しないもので三つ挙げていただきたいと思います。あなた、答弁が長過ぎますから、少し短くして急行でしゃべっていただきます。
佐藤嘉恭
16
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。 本日、
閣議
において
外務大臣
から訪米の御
報告
をされたわけでございます。現在の
経済
摩擦の
原因
というものについて、ただいままで
関係
省庁からお答えになった認識と私
ども
は同様な認識を持っておるわけでございますが、
外務大臣
からけさ御
報告
になりましたことは、やはり
経済
的に非常に発展した
日本
に対する期待あるいは要望というものが非常に大きなものになっているということが挙げられておるわけでございます。特に、
アメリカ
が
競争力
を有する産物につきまして、
日本
の
市場
にもう少し入りやすくしてほしいというようなことも話題になったわけでございます。
沢田広
17
○沢田
委員
今回の
関税
が二年前倒しで行うことになりました。 それで、
大蔵省
にまずお伺いをいたしますが、今回の提案は、この
貿易摩擦
とどういう
関係
にあって提案をしたのか。もっと言えば、この
関税
は、もうすでに
アメリカ
、ECはこの
法律案
を出したことは承知をしているものだと思うのですね。その承知をした上で、加えてさらになお厳しい
要求
がなされていると私たちは報道を通じて感じているわけです。では、今度のこの
関税
の
法律
が通過をするならば、あとは解決をしたと言えるのか、あるいはまだ未解決問題は残っているというのか。まず、それだけ先にお答えいただきたい。
垣水孝一
18
○
垣水
政府
委員
今回のいわゆる東京ラウンドの一律前倒しにつきましては、実は御承知のように、ECとの
関係
で、いわゆる稲山ミッションが帰ってまいりまして、そのときにもいろいろ個別に、たとえばウイスキー、ビスケット、チョコレート、メントール、革靴というようなことを、
関税
についてだけ申しましてもございました。それについて新聞等で、まあウイスキーとチョコレートぐらいはやらなければという感じが出ていたのだと私は判断いたしますが、
アメリカ
から、
日本
はその
程度
しか
考え
ていないんじゃないかということで、いわゆるバラクロフ書簡ということで、二十九
品目
につきまして全面的に
撤廃
しろというようなメモが参ったわけでございます。 これは非常にセンシティブなものばかりでございますので、私
ども
としましては、それを一々取り上げておりますと、もちろんできるものもございましょうが、とうてい短期間にやることができないということを
考え
ていたわけでございますが、そういうところで、それでは、ただいまの前倒しにつきましては千六百五十三
品目
でございまして、しかも、その中にはたとえばバラクロフ書簡で言われております二十九
品目
のうち約十数
品目
が入っております。 そういうようなことで、平均八%が六・七五という、一・二五%ではございますけれ
ども
、しかし広範囲にわたって
関税
の引き下げができる、さらに、単にEC及び
アメリカ
のみならず、東南アジアあるいはカナダ等についても広く均てんする、こういうことでこの
措置
がとられたわけでございまして、これにつきまして、実は十二月の初めの
日米貿易小委員会
においても、非常に前向きの
措置
であるということははっきりと評価をいたしておりますし、今日でもEC及び
アメリカ
でも、例の通関手続の問題と一緒に、
日本
政府
が前向きの
措置
をとったということは非常に評価する、しかしまだ足りないという言い方に変わってきている。そういう意味では、特に十二月の
段階
等では、私
ども
は
アメリカ
の鋭鋒をかなりそぐ勢いがあったと思いますが、その後、
貿易
収支が必ずしも
改善
しないというようなことで、さらに
要求
がある、こう
理解
している次第でございます。
沢田広
19
○沢田
委員
簡明にお答えいただきたいのですが、それでは、物の交渉というものは、たとえば今度前倒しをやりますと、
アメリカ
にこう示した。非常に結構です。ではこれでしばらくは行きますよ、ただ、
向こう
二年なら
向こう
二年は行きますよ。契約というのはそういうものだと思うのですね。少なくとも、これで一杯食ってみたらもう少し食いたいというので二杯。二杯食ってきたら、もう少し食いたいからまた三杯。いわゆるおんぶにだっこ、こういう論理が言われているのと同じようなことになってしまうので、そういう詰めは、これは
外務省
も一緒なんでしょうが、そういう外交折衝、
関税
折衝なんですか、実態が。その点ちょっと、そうなのかそうでないのか、要するに、物を決めるときにはある
一定
期間の保証というものがなければ、物を決める意味がないんじゃないかと思うのですね。その点の保証はどういう取りつけをしたのか、
関税
と
外務省
からお答えをいただきたいと思うのです。
垣水孝一
20
○
垣水
政府
委員
今回の
措置
につきましては、
相手
にこれをやるからということをあらかじめ議論してやった
措置
ではございません。したがって、わが方はこれだけの
努力
を払ったんじゃないかということで、それについては、先ほど申しましたように評価はする、しかし、もう少しこれとこれが足りない、こういう
関係
でございまして、このこと自体については、私
ども
は高く評価し、彼らのその
要求
の相当部分をそいだことになっていると
理解
しております。
沢田広
21
○沢田
委員
外務省
はどうですか。関知しないなら関知しないで結構ですから。
佐藤嘉恭
22
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。 ただいま
関税
局長
から御
説明
がありましたような経緯で今般の
措置
がとられたわけでございます。したがいまして、私
ども
としては、これは
日本側
が自主的にとった
措置
ということで、外交交渉といいますか
米側
との折衝におきましても、この
措置
を高く評価をすべきものであるということを強調してまいっておるわけでございます。
沢田広
23
○沢田
委員
ちっとも高い評価じゃなく、低い評価なんですね、少なくとも
現状
では。だから、かってに自分で思ったとおりやったのが
相手
にいいだろうと思って、何か人に品物でもプレゼントするつもりでこれをやったのかもしれませんが、
相手
はたくさんあるものをもらったのでよけい迷惑だ、こんなような感じになってしまう。要するに、
相手
の意向とこっちが
考え
た意向とは合致していなかった、こういう提案の仕方ということにならざるを得ないのですが、どうですか、
関税
局長
。
垣水孝一
24
○
垣水
政府
委員
この評価の問題については、実は私
ども
としましては、先ほ
ども
申し上げましたように、十二月の
日米貿易小委員会
におきましては、ほうよくやったなという感じを
相手
が持った発言であったことは、もうその交渉の途中で受けております。ただ、彼らの本当に欲するところのものは、私
ども
も本当に譲ることのできないものである、そういう点で衝突が残っている、
貿易摩擦
が残っていると
考え
ております。
沢田広
25
○沢田
委員
そうすると、問題を整理しますと、十分その点は配慮してやったんだ、しかし、
相手
の
考え
ている分が含まれてないので、それがまだ
貿易摩擦
があると
向こう
は言っているのだ、こういう
見解
の差であると
理解
しますと、では、残っている
問題点
は何なんですか、挙げてください。
垣水孝一
26
○
垣水
政府
委員
バラクロフ書簡で申しますと、コンピューター、合板、これは一部いたしました。木材、合板用単板、再生木材、これは一部いたしました。クラフト紙、マグネシウムの塊、ニッケルの管、シリコン、メントール、革、
自動車
部品、これは一部いたしました。
牛肉
、豚肉、レモン及びライム、オレンジ、グレープフルーツ、これは六%近く引き下げました。その他柑橘類の果実、フルーツジュース、鶏肉、バレイショ、ピーナツバター、ピスタチオナット、ホエイ、これが
アメリカ
の
要求
品目
の全体でございます。
沢田広
27
○沢田
委員
アメリカ
のはわかりました。 ECとの
関係
はどうですか。ECのことは触れておられないようでありますが、ECとの
関係
についてはどういう条件になっているわけですか。
垣水孝一
28
○
垣水
政府
委員
ECで具体的に挙げましたものは、ビスケット、チョコレート、砂糖菓子、これはビスケットとチョコレートについて一・数%ずつ下げました。アルコール飲料、これはウイスキーについて下げる
法案
になっております。肉製品、革靴、完成革、衣類、メントール、クエン酸、スキー、銅、カットダイヤモンド、カットダイヤモンドについては一律前倒しで若干下げました。 以上でございます。
沢田広
29
○沢田
委員
外務省
、いままでのこれが、
法案
を出して、その後外相が行ったり、江崎さんが行ったりして、まだ
貿易摩擦
は解消しなければならぬ、
保護主義
法案
が相当出てきている、そういうような
状況
になっていて、これだけの問題が残されているのですか。そうでない問題がいま残されていると解釈しているのですか。その点ひとつ
外務省
からお答えいただきたい。
佐藤嘉恭
30
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。
関税
についての
お尋ね
と了解いたしますが、ただいま
関税
局長
から
説明
したとおりと私
ども
も了解しております。
沢田広
31
○沢田
委員
外相が今度訪問してきて、このことを確認してきただけということですか。新たなる何かを求められたものではないのですか。
佐藤嘉恭
32
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。 今般の
外務大臣
の訪米におきましては、具体的に新たなものが提示されたというふうには私はまだ聞いておりません。
沢田広
33
○沢田
委員
今度の外相は、何ら負担なき外遊であった。しかし、報道
関係
その他を見ると、外相も相当追い詰められて、ずいぶん苦しそうな表現でいろいろ言ってきているわけでありますが、いまあなたの言っているのは、きょうの
閣議
で
報告
にあったことを今回受け売りしてここで言っているんだということになると、それは新たなる負担は何ら応じていない、こういうふうに解釈していいですね。これは
関税
だけとは言いません。
貿易
についてです。
佐藤嘉恭
34
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。 このたびの
外務大臣
の訪米におきまして、
日米
間の
貿易
の問題、通商の問題について
お話
し合いがあったことは事実でございますけれ
ども
、個別の問題につきましてつけ加えた話があったというふうには
理解
しておりません。
沢田広
35
○沢田
委員
理解
してないことはあなたの勝手なんでありますが、私がいま聞いていることを、では新たなる確認をした上で、あなたの
理解
が正しいかどうか改めて確認した上で
回答
してもらえる、こういうふうに解釈していいですか。あなたは
理解
しているのですが、その
理解
に間違いがなければいいのでありますが、間違っているか間違ってないかだけを確認した後で、これは個人的になるかもしれませんが、
委員長
のところへでも私のところへでもその確認の結果を
報告
していただきたいと思うのですが、よろしいですか。首を縦に振っているから、イエスという返事として、先に行きたいと思います。 そこで、いま、
外務大臣
は新たな負担は負ってない、こう言っておられるわけですが、いまの
状況
では、この
関税
の前倒しがたとえば国会を通過して発効したとしても、
貿易摩擦
の
原因
はすべて解消したということにはならない、今後また引き続いて
貿易摩擦解消
のいろいろな手だてが必要である、こういうふうにこれも
理解
しているというか
考え
ておるのですが、
関税
局長
と
外務省
はどう
考え
ておりますか。
垣水孝一
36
○
垣水
政府
委員
先ほど申し上げましたように、
向こう
のセンシティブなものについてはなかなかわが方もセンシティブで、譲ってない部分がございますので、これをやっていただきましても、なお残ると思います。
佐藤嘉恭
37
○
佐藤説明員
関税
局長
から御答弁のあったとおりと私
ども
考え
ております。
沢田広
38
○沢田
委員
そうすると、五月なり六月ごろにさらにこの
貿易摩擦解消
のための対策が必要であると報道はされております。いままでのこれは、
大臣
がいないからということになるのか、それとも知らないのか、知っていても言わないのか、しらばっくれているのか、そのいずれかに該当するわけなんでありますが、五月なり六月なり、
サミット
の前に何らかの
措置
を講じなければならないということは承知をしているんですか。承知をしてないんですか。これは、しているか、してないかだけで
回答
してください。
垣水孝一
39
○
垣水
政府
委員
関税
だけの
措置
ではございませんので、何らかのプラスの
措置
が要るかと承知しております。
佐藤嘉恭
40
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。
先生
御案内のとおり、
サミット
におきましては、その時点における世界
経済
の主要な問題につきまして七カ国の首脳が相集まって討議するという場でございます。したがいまして、現下の世界の
経済
情勢を見ますときに、いかにしていまの不況の
状況
から脱却していくか、いわば世界
経済
の再
活性化
といった問題であるとか、あるいは自由
貿易体制
のもとに、いかにしてこの
貿易
を拡大していくかということが関心事項であろうかと思われるわけでございます。そういうことでございますので、この
サミット
に臨むに当たっては、このような
サミット
の場における討論ということも当然頭に置いていかなければならないことかと思いますし、かような観点からいろいろな検討を加えていかねばならないかと、かように承知しておるわけでございます。
沢田広
41
○沢田
委員
どうも外交はある
程度
の秘密を必要とするということは
理解
をしないではないのでありますが、要すれば、この
法律案
を国会へ出してこれで何の保証があり、
国民
に何の担保を与えたのかということを私たちはいま知りたいのですね。この
法律案
によって
政府
は何の責任を果たしたのだ。
国民
にこれから後何の負担を求めようとしているのか。いや求めないのだ。求めるとすれば、あと
考え
られるものは何ですか。こういうことを明らかにしていく責任があると私は思うのです。ですから、この
関税
法案
が通っても、なおかつ続いて
貿易摩擦解消
の諸施策が必要である。概念的にそう言える。では何が出てくるのだろう。どう
国民
生活に影響してくるのだろう。それぞれの
産業
はそれぞれの
産業
で自衛的な
措置
を講じなければならぬ。そういうことに対して知らせる義務を
政府
は持っていると私は言えると思う。 そこで、いま申し上げたように、今度の
関税
で果たす
役割り
は何なのだ、果たした
役割り
は何だ、次に来る
貿易摩擦解消
の
問題点
は何であるのか、これを
国民
はそれぞれ被害を受ける立場にあるものとして
考え
ていかなくちゃならぬと思う。その
中身
をわかりやすく
国民
に知らしてやる、こうなるかもしれませんよ、こういうことになるかもしれませんよということをやはり予告してやる必要性はあると私は思うのです。 同時に、この
法案
は未成熟な
法案
なんですから、今後続いて出てくるというわけでしょう。
関税
で出てくるか何で来るかわからないとしても出てくる。とすれば、これは一部分の提案である。そうすると、これは何を果たして担保としたのだろうか。何をこれによって得たのであろうか。
国民
は何の利益を得たのであろうか。全くわからない。その点をちょっとはっきりしていただかないと、何か半分だけ食った菓子をよこしたみたいなもので、あと残りは食うのか捨てるのか、あるいはまだこれは人にやるのかわからぬ。まんじゅうの半分食い逃げみたいな提案の仕方、こういうことになってしまう。
関税
の方で、いま言ったようにこの
関税
の
法案
を通してくれればこういうことになります、こういう結果が
国民
の前には出ます、これはやはりひとつ担保として確認をしていただきたいと思うのですね。はっきりお答えいただきたいと思う。
垣水孝一
42
○
垣水
政府
委員
アメリカ政府
におきましても、ECにおきましても、
わが国
の国会制度というのは十分承知しているわけでございます。 したがって、今回の一律前倒しにつきましても、十二月中に
政府
の方におきましては
関税率審議会
等の手続を経、さらに二月の初めまでに
法案
にして提出しなければ、新年度からの
関税
率というのは動かないのが原則であるということは十分承知の上で、彼らは、なるほど五十七年度にはこれだけやってくれたかと、そういう点を評価しているわけでございまして、今後の問題について、もちろん彼らはいろいろなことを言っておりますが、それは私
ども
は、これから本年の十二月までまたかけまして、できるものはできる、できないものはできないということを、
関税
率についてだけ申し上げればそういうことかと存じます。
沢田広
43
○沢田
委員
いま言ったことでは僕にもさっぱりわからないのですが、要するにこの
法律案
を出しました。期間であるのか、質であるのかあるいは量であるのか、それぞれ
国民
にこれだけのものは効果が上がります、そういうものが出なければならぬだろうというふうに思うのですね。これは何もないのに
法律案
を出してきたわけじゃないだろう。だから、それにはある
一定
の担保をとるための、あるいは
相手
側の精神的といいますか不安を除去するための
措置
であるのかもわかりませんけれ
ども
、
一つ
の目標があったはずである。その目標をはっきりしておいてほしいというのを言っているわけで、どうもその辺が話がすれ違ってしようがないので、時間が惜しいのでありますが、要すれば、この
法律
によって
国民
に与えられるメリットは何なんですか。
経済
界に与える効果は何なんですか。では、それだけお答えいただきたい。
垣水孝一
44
○
垣水
政府
委員
この
経済
摩擦自体が昨年の秋から特に取りざたされるようになったわけでございまして、との点で、先ほどから申し上げておりますように、かなりその鋭鋒を割いて
日本
もやることはやったということで、繰り返して申し上げますが、
日本
はその重要な第一歩を踏み出したということで、前倒し等のこの
法案
に盛られている引き下げ並びに非
関税
関係
の手続の簡素化について評価しているわけでございまして、その分については
貿易摩擦
がそれだけ大いに減殺されている。しかし、なおかつ彼らには不満が残っているということでございますが、まあ不満を私
ども
としては半分なり三分の二なり解消したと
考え
ております。
沢田広
45
○沢田
委員
こういう
努力
は
大蔵省
を通じて
相手
側に知らされるのですか。
外務省
を通じてPRをされていくべき筋合いのものなんですか。その系統だけちょっとお答えをいただきたい。これは、どちらが
アメリカ
なりECなりに伝えて、こういう
努力
をしております、御
理解
を賜りたい、こういうことでそれぞれ行くのだろうと思うのですが、その点は
外務省
がやっているのですか、そちらでやっているのですか。
垣水孝一
46
○
垣水
政府
委員
大蔵省
といたしましても、たとえば一月に
向こう
の
関税
局長
が参りまして懇談いたしましたときなどは、大いに直接PRをいたしておりますが、その本来の役目は
外務省
だと私
ども
は
考え
ております。
沢田広
47
○沢田
委員
じゃ
外務省
、答弁。
佐藤嘉恭
48
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。
わが国
がとってまいりました
貿易
問題における
努力
、なかんずく
関税
問題についての
努力
でございますけれ
ども
、これらにつきましては、
アメリカ
につきましては在米大使館、館を挙げてPRに努めているわけでございます。また、北米大陸に十数カ所の総領事館を置いてございますけれ
ども
、これらの公館におきましても、
日本
のとってきた
措置
についてのPRをしておるわけでございます。これは行
政府
のみならず、米国
議会
の
関係
者にも直接
説明
をしているところであり、また一般の
関係
者にもPRをするということで、シンポジウムを開いたりあるいはセミナーを開くなど、公開の場をもちまして
説明
をしている
状況
でございます。
沢田広
49
○沢田
委員
余り効果が上がらないから、また追っかけて注文が来たのだろうと思うのです。 若干時間の
関係
がありますから、それはちょっとおいておきまして、今回の
関税
の前倒しによりまして
国内
産業
に与える影響、これも非常に各般にわたる影響が
考え
られるわけであります。これも時間の
関係
で三つずつ挙げてもらいたいのでありますが、ダブるものは省略をさしていただきたい。
大蔵省
、
経済
企画庁、
農林省
、
通産省
、それぞれの
分野
を通じて前倒しにより
国内
産業
のどの
分野
に影響が与えられるのか、その点お答えをいただきたいと思います。一、二、三の順位でお答えをいただきたい。
垣水孝一
50
○
垣水
政府
委員
影響の大きい順位ということについてはちょっと判断がいたしかねますが、たとえば
大蔵省
関係
でいいますとウイスキー、それから農林
関係
で特に木材等あるいはビスケット等菓子業界に影響があると思います。
海野恒男
51
○海野
説明
員
産業
別の影響につきましては後ほど
農林省
、
通産省
等からお聞きいただきたいと思いますが、私
ども
産業
を所管しておりませんが、全体のマクロ的な
日本
経済
に与える影響という点から
お話
し申し上げますと、私
ども
は、今回とった
措置
がもともと八七年までに予定しておりましたのを二年繰り上げるということでありますのと、それから
日本
経済
各
分野
における非常なる活力というものを
考え
合わせますと、各個々の
産業
にはそれぞれ違いがあると思いますけれ
ども
、全体としては非常に大きな影響はないであろうというふうに
考え
ております。
塚田実
52
○
塚田説明員
お答えいたします。 対象となります農林水産物は百二十三
品目
に上っておりますけれ
ども
、その前倒しの幅は一%
程度
という小幅のものでございます。海外価格の
動向
な
ども
ありますので、数字的にその影響について計測することは困難でございますが、総じて言えば大した影響はないというふうに
考え
ております。
横堀恵一
53
○
横堀説明員
お答えいたします。
通産省
所管物質につきましては約千五百
品目
あるわけでございますが、三つということでございますので、かなり幅が大きいものということで申し上げますと、たとえばカラーフィルムは九・三%が六・六%で二・七ポイントということでございます。こういうものはわりに少なうございまして、その他のもので、たとえばカメラは五・九から五・八で〇・一ポイントの引き下げ、それからVTRでございますが、これは五・六から四・九%へ〇・七ポイントの引き下げということでございまして、具体的な引き下げ幅というのは必ずしも大きくございませんで、本
措置
だけでの影響というものは一般には余り大きくないのではないかと思います。もちろん、今後私
ども
といたしましても、業種によっては所要の
対応措置
も必要であるというものについては、いろいろそれも
考え
ていかなければいかぬと思いますけれ
ども
、いま申し上げましたように、具体的な引き下げ幅自体で見ますと、必ずしもその影響というのは本
措置
のみでは大きくないのではないかと存じております。
沢田広
54
○沢田
委員
いままで聞いた範囲においては、大した影響はないという御返事なんでありますが、農林なんかでは、この間も各
委員
が来て、これは大変な震度七くらいの激震の話としてここでは議論をされていたわけであります。
農林省
それ自身は、影響が少ないというふうに
考え
ていられるようでありますが、これは本音と受け取っていいのですか、それとも適当にここだけ、
法律
に賛成してもらわなくちゃならないから、そういうふうに言っているのですか、掛け値なんですか、どっちなんですか。
塚田実
55
○
塚田説明員
お答えいたします。 私
ども
は日ごろ
農業団体
と接触する立場にあるわけでございますが、
農業団体
が本前倒しにつきまして非常な懸念を示しましたのは、これを契機にして農
畜産物
の
自由化
への前提となるのではないかという意味で懸念を
表明
したというふうに私は
理解
しております。
沢田広
56
○沢田
委員
そうすると、今度の
関税
に対して農林部会が、
牛肉
、オレンジを含めて柑橘類等について決議するなんといううわさもあるわけでありますが、そういうこと自身は誤った
方向
である、それほど影響のないものを大げさに取り扱っているのだ、こういうふうにもなると
理解
をするわけですが、その
程度
のものであると解釈していいですね。
塚田実
57
○
塚田説明員
お答えいたします。
農業団体
が非常な不満なり懸念を示しましたのは、この
関税
の前倒しの決定の手続でございます。事前に
農業団体
には相談がなかったという、その決定の手続に不満がありまして、そういうことが
自由化
についても行われれば事はきわめて重大であるというような角度から、そういうものはまた一部決議でも出てこようということで私は
理解
しております。
沢田広
58
○沢田
委員
いまの答弁は、農林
委員
会においても同じような答弁が行われるものと解釈してよろしいですね。
塚田実
59
○
塚田説明員
そのとおりでございます。
沢田広
60
○沢田
委員
続いて、こういうことで
措置
をしてそれぞれ
努力
を払ってきて、
外務省
もそれぞれPRをし、それぞれの国に説得をしてきた。ところが今日の
段階
では、さらに一括方式というようなことも含めて、
政府
もこれから何とかしなければならぬのではないかということを、それぞれ報道紙は報じているわけであります。これからそれじゃ何をやろうとするのか。積み上げ方式はだめだ、米商務長官等の発言の中では、とにかく一括で
貿易摩擦
の解消をやってもらわなければ困る、こういうことが言われているわけであります。これについては次に
考え
られる
措置
というのは、
相手
側が求めているものはどんな形なんですか、それから、
日本
の
政府
が
考え
ているものはどんな形のものなんですか、その二つをお答えいただきたいと思います。
垣水孝一
61
○
垣水
政府
委員
関税
につきましては、少なくとも
現状
まででは精いっぱいなことをやったわけでございますので、先ほど申し上げましたように、今後十二月までかかってできるものがあればもちろんやることにやぶさかではございませんが、東京ラウンド等の申し合わせを大きくはみ出さないようなことを
考え
ながらいきたいと思いますが、そのほかの点については、私
ども
、まだどういうことをやるということについてコンセンサスができていないと思っております。
沢田広
62
○沢田
委員
外務省
はどうですか。
佐藤嘉恭
63
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。 私
ども
の承知しておりますところでは、三十日に
経済
対策閣僚
会議
が予定されているとのことでございまして、そこの場におきまして
外務大臣
から訪米の御
報告
がなされると承知しているわけでございます。そういうような過程を踏まえながら、これからの
対応
を
大臣
の御指示も仰ぎながら
考え
てまいりたいと
考え
ているところでございます。
沢田広
64
○沢田
委員
対応
はゼロから百まで、あるいは百五十までということになりましょうが、百以上は一応除外して、ゼロから百という分量でいきますと、この
関税
法案
で
貿易摩擦
を解消する
役割り
というのは何%ぐらいで、
貿易摩擦
を全面的に解消するために必要な、全部やるわけにはいかないでしょうけれ
ども
、どの
程度
の
役割り
を次に担っていると
考え
ているわけですか。印象で結構です。この
関税
で
貿易摩擦
の解消の
程度
は何割
程度
であるか。それから、次の
措置
を講ずることによって何割
程度
解消するか。一〇〇%というのは恐らくないと
考え
ますが、その点で、
関税
でも
外務省
でもいいですが、お答えいただきたい。
垣水孝一
65
○
垣水
政府
委員
先ほど御答弁申し上げましたように、私
ども
は十二月の
段階
では半分あるいはそれ以上、感じということでございますので、それ以上のことをやったと思っておりますが、そのうちに
アメリカ
、EC等の景気がますます悪くなるというようなこと、それから先方のいろいろな政治情勢等もございまして、むしろ
向こう
の
要求
自体がふくれた感じでございますので、ただいま幾らかという感じはちょっと私はつかみかねております。
沢田広
66
○沢田
委員
こういう
努力
をしている間に
相互主義法案
が十何本も出てくる。それはそれぞれの州の実態、
産業
構造の違いあるいは民族的なものもあるでしょうし、あるいは技術のおくれというようなものもあるでしょうし、いろいろな理由はあるでしょうが、そういうものが出てきているということは、PRが悪かったのか、この
関税
だけの
貿易
体系としての手順が十分でなかったのか、
相手
の
要求
が独善過ぎるのか、この三つのうちのどれに属するわけですか。この
相互主義法案
がたくさん出てきたというものは。
佐藤嘉恭
67
○
佐藤説明員
お答え申し上げます。 御
指摘
のとおり、
アメリカ
の
議会
におきましてはかなり多くの
法案
が出ているわけでございますが、おとといでございましたか、二十四日に
ダンフォース法案
の
公聴会
がまずあったわけでございます。 これらの
法案
がどういう背景で出てくるかという御
質問
かと
理解
いたしますけれ
ども
、やはり現在の
アメリカ
経済
の置かれている非常に苦しい立場、州によって、地域によって違いますけれ
ども
、全体として一千万に近い失業者を抱えているというきわめて困難な
経済
状況
というものを背景にし、かつ
日本
からの
輸出
というものが目に見えた形で存在しているというような背景から、それぞれの
議会
の方々が
法案
を提出しているのではないかと観察しております。
沢田広
68
○沢田
委員
これは答弁にならないのだけれ
ども
、それはいいです、しようがない。 そこで、では
日本
の
関税
は
アメリカ
と比較してどうなのか。ECと比較してどうなのか。その点についてはどういう
見解
をお持ちですか。
垣水孝一
69
○
垣水
政府
委員
関税
率の比較というのはいろいろなとり方がございまして非常にむずかしいわけでございますが、端的に申し上げますと、たとえば
関税
収入と総
輸入
額との比率、総
輸入
額の中で
関税
を幾ら取ったかという比率で見ますと、現在米国、ECもそろっております数字で申しますと、一九七九年度でございますが、
日本
が三・一、米国が三・九、ECが三・九という数字になっております。なお、米国、ECの数字はございませんが、一九八〇年では
日本
はその数字が二・五になっております。
沢田広
70
○沢田
委員
これは総量を加重平均か何かした数字だと思うのでありますが、いわゆる
品目
別に
日本
の
関税
が高いのか
相手
の
関税
が安いのか、その点を明らかにしなければ、結果的には
日本
が閉鎖的なのか開放的なのかその目安はつかないわけでありますから、幾つかの例を挙げながらそれは明らかにしていく必要性があると思います。 そちらにお持ちかどうかわかりませんが、乗用車がどうか、カメラがどうだろう、チョコレートはどうだろう、いま問題になっているビスケットはどうだろう、オレンジはどうだろう、
牛肉
はどうだろうか、そういうような
程度
のものだけでも、とにかく挙げて、
日本
とEC、それから
アメリカ
との相関
関係
を一応お聞かせいただきたい。
垣水孝一
71
○
垣水
政府
委員
いま
先生
が言及されました物を中心に申し上げますと、
牛肉
は
わが国
の現行税率が二五%でございます。これが米国では従量税になっておりますが大体二・三%、ECは二〇%でございますが、その二〇%のほかに実は課徴金がかかっておりますので、二〇%プラスアルファで、
日本
並みないしはそれ以上になっているのじゃないかと思います。それからエビは
日本
では三・八でございますが、米国は無税、ECは九・三から二〇%というふうに非常に高くなっております。 オレンジは、
日本
は季節
関税
で六月から十一月までが二〇%、十二月から五月までが四〇%でございますが、米国は三・七%、ECは非常に細かくなっておりまして、四月が一三%、五月一日から十五日までが六%、五月十六日から十月十五日までが四%、十月十六日から三月三十一日までが二〇%ということになっております。
沢田広
72
○沢田
委員
その辺でいいです、時間の
関係
がありますから。あとは、主要な
品目
が
日本
と
アメリカ
とECとどういう格差を持っているのか、書類でお配りいただきたい。特にウイスキーなどでは、
アメリカ
が二・九%に対して
日本
が四〇%、ECでも一三・六%というような
状況
もありますから、若干手直ししなければならない物もあるのじゃないかと言われている物もあると思います。コンピューターな
ども
日本
は九・一七%、
アメリカ
は四・九%、ECは六・二%というようなことですから、なお
改善
をしなければならぬ余地はどうもあるような気がいたします。 しかし、いずれにしても、われわれが
関税
を議論する場合に、
相手
は開放的なのか閉鎖的なのか、それらを勘案しつつ、そのバランスをとっていくことが大切なことだと思いますので、これは追って資料として配付をしていただいて、なお今後の参考にしたい。
委員長
からお取り計らいをいただきたい、こういうふうに思います。 続いて、時間になりましたから次の問題にまいりますが、
農産物
の影響が少ないということで
農林省
はお答えになりましたけれ
ども
、後ろの方からもさっき、
牛肉
、オレンジ反対だなんという声が聞こえたくらいでありまして、この
牛肉
の問題については、畜産事業団等の貸借対照表等も拝見いたしますと若干問題なしとしませんけれ
ども
、先般の
畜産審議会
かなんかでも、また去年どおり価格据え置きということで決めたようであります。この間ある
委員
からもいろいろ
質問
がありましたが、
牛肉
などは三倍というようなことで、東京が一〇〇に対して、ニューヨークで四五、
パリ
で八一、ロンドンで七三、ハンブルグでは八九、ちょっと高いかなという気がするのですが、こういうような数字で、
日本
の食事代が高い。 これだけでも若干
質問
したいことがあるのですが、外国の食事はエンゲル係数としては非常に低い、ところが
日本
のエンゲル係数は高い、こういう傾向があるわけであります。ですから、
日本
の食事代というものがわれわれの給与の中に占める
割合
を非常に多くとっている。その分だけ可処分所得が別な
方向
へは行かない
分野
を持っておるわけでありますが、そういう意味において、畜産事業団が
牛肉
を一括購入をして一括販売をしている。まあ
結論
まで言ってしまいますが、貸借対照表だけで拝見をいたしますと、一括購入して、高い肉を買っている
国民
に何らかの
措置
をもって還元をする
分野
があってもしかるべきではないかという気がいたします。農家の方々に、えさあるいは
生産
者補給、あるいは乳製品の補助、いろいろ
農業
対策をやられていることは結構なことだと思います。しかしそれはそれなりにして、資産の部に有価証券で四百一億もあり、棚卸し資産として五百七十億も持っている。それだけで合わせても九百七十一億ある。五十六年三月末で二百二十一億の純益金も持っている。しかも借入事業の分でもそれぞれ収入があるし、繰入金で六百四十五億ある。こういうようなことで相当収入がある。肉は高い。その半額
程度
は減税などに回すとか
国民
に還元をして、全体の
国民
が肉を高く買って、それが農家の方に行っているわけでありますから、農家の方だけでその利益を受けるのも正当ではない。
国民
全般にもその益金を及ぼしてもらうということも当然であろう、こういうふうに
考え
ますと、少なくとも二分の一
程度
、四百億ぐらいは戻し減税で肉を買ってくださいとやるとか、あるいは生活
保護
世帯の方々だけにでも安い肉を提供するとか、あるいは身体障害者の方だけにやるとか、いろいろあると思う。 方法はいろいろあると思うが、とにかく畜産事業団でもうけている総額の中で、ある
一定
部分は
国民
に還元されてしかるべきものではないか、こういうふうに
考え
ます。これは
農林省
の
関係
でありますが、その点の
考え
方についてお答えをいただきたいと思います。
鶴岡俊彦
73
○鶴岡
説明
員
牛肉
の価格につきましては、
生産
面で規模の拡大でありますとかそういうことで
生産性
の向上も進んでおりますし、また流通面でも部分肉でありますとか枝肉で流通をさせるというようなことで、安定的に
日本
の
牛肉
価格は推移しています。 いま
先生
御
指摘
のように、
生産
構造が基本的に違います
アメリカ
とか豪州に比べましては三倍とか倍とかいうふうになっておりますけれ
ども
、いまジェトロの
調査
で御
指摘
がありましたように、EC諸国との間ではかなりそれらの国の価格に接近していけるという時を迎えております。 私
ども
、基本的には
牛肉
政策
の目的というのは、全体的なコストを低下させることによって安定的に
国民
に
牛肉
を供給していくということにあろうかと思います。そういうことからいきますと、一般会計の予算におきましても、また事業団の
牛肉
の益金収入におきましても、そういう
方向
によってトータルとしてのコストを低減していく、あるいは安定供給に努めていくということが、
生産
者のみならず
消費
者、一般
国民
にとって最も基本的なことではないかということで、そういう
方向
に使っておるわけでございます。 ただ、それとともに直接
消費
者に還元しますという意味で、
牛肉
の値下げルートでありますとかあるいは特別販売事業等の施策につきましても相当の部分をつぎ込んでいるわけでございますけれ
ども
、何分
牛肉
の益金につきましても限度がありますし、それを有効的に使っていく。直接
消費
者に還元しますと、その効果が一時的になる、あるいは場合によっては不公平になるというようなこともございまして、基本的には、そういう
消費
者の直接還元ということも念頭に置きながら、
生産
のコストの低減あるいは流通コストの低減に使っていくのが
国民
的に最も効率的なのではないかという
方向
でやっておるわけでございます。
沢田広
74
○沢田
委員
だから、
農林省
の答弁を聞いていても、そんな
程度
しか出ないのだろうと思うのだが、いわゆる大所高所に立って
考え
れば、いま高い肉であるから、それは下げなさいと言えば、
日本
の畜
産業
者に影響を及ぼす。だから及ぼさないで
一定
の価格をつくるのだから、それによって得た収入は、今度は
国民
一般に還元される。方法はいろいろあるだろうけれ
ども
、その二分の一
程度
は
国民
に還元されるという
方向
をとることは妥当な
考え
ではないのかということで、これは
大蔵省
政務次官、どうですか。そういう
考え
方が妥当じゃないか。畜産事業団だけでもうけていて、
牛肉
の一括購入で、独占企業でもうけて、そのもうけた分をある
一定
限度
国民
に還元をするということは当然至当な
考え
方ではないのか。それだけ高い肉を
日本
国民
は食うているのですから、その食うている人に何らかの形で還元される。還元の方法はいろいろあるでしょう、そう言っておるのですが、その点いかがですか。
山崎武三郎
75
○山崎(武)
政府
委員
畜産
振興
事業団で得た利益を畜産農家に還元する方法がいいのかあるいは
国民
に還元する方法がいいのか、きわめてむずかしい問題をはらんでいるだろうと思うし、一概には言えなかろうというふうに思います。
沢田広
76
○沢田
委員
考え
方として、これは畜産農家の方へ出してはいけないなんて言ってない。いままでどおり出して結構です。しかし、余った分の二分の一
程度
は
国民
に還元をしてもいいんじゃないのか、あるいは円高でもうかるときもあるし、あるいは損するときもあるから、もうかったときぐらいは
国民
に還元をする。方法は別です。方法はこれから詰めなければならぬだろうけれ
ども
、畜産事業団だけの
措置
ではなくていいのではないかということで一歩踏み込んで、これはいわゆる内部留保金だけで処理しないで、もっとオープン化したものにしていくべきではないか。さっきもちょっと肉の安売りデーなんということを言っているわけですから、そういうことも含めながら
消費
者の
国民
に還元をする、こういう必要性はあるんじゃなかろうか。もう一回お答えをいただきたい。
鶴岡俊彦
77
○鶴岡
説明
員 先ほどの答弁の繰り返しになるかもわかりませんが、
消費
者に
牛肉
を安く供給するというのは私
ども
政策
の大きな課題だと思っておりますし、益金の相当部分を直接
消費
者対策あるいは流通対策にも使っております。 先ほど申しましたように、基本的に
生産
面の
合理化
を進めていくということが長い目で見て
消費
者あるいは
国民
のためになるということで、決して
消費
者のことを別に置いて益金を使っているわけではございませんので、そういう
方向
で今後とも進めていきたいと思っております。
山崎武三郎
78
○山崎(武)
政府
委員
牛肉
等については
関税
が二五%かかっておりますし、このことは一般会計へ入っていますから、その分は
国民
に還元されているというふうな理屈は成り立つだろうと思う。しかし、畜産
振興
事業団で得た利益をどのように云々するかということについては、相当慎重に考慮すべき問題であろうというふうに思います。
沢田広
79
○沢田
委員
もう少し勇気のある政務次官かと思ったのですが、案外消極的なのでがっかりしたのでありますが、よく貸借対照表等を見て、これはこのままでいいと私は言っているわけですから、ただ棚卸し資産に載っているものをどう処分するとか、あるいは利益と上がったものについて一部
国民
に還元を
考え
たらどうか、こう提言しているわけですから。きょうはこのぐらいにします。 それで、大変きょうの審議その他を通じていろいろと問題になりました年度末手当の問題に若干触れます。 これでそれぞれおいでになっていただいておりますが、郵政も大変時間的な制約があるようでありますし、専売もそれぞれ制約がある、電電もそれぞれある、こういうことであります。とりあえず郵政、専売、要するに、いま財政再建をやっておるときでありますから、これは国鉄も含めてでありますが、それぞれが
努力
をしなければならぬ時期であることは十分わかるわけであります。その
努力
をするがゆえに、いわゆる諸手当というようなものを削減することによって再建することが可能となるのかどうかということを
考え
ますと、かえって労使の摩擦を激化するだけであって、正常化を害し、かえって大きな目的を失う、鹿を見て山を見ずということわざに類することになるのではないかと思うのであります。時間の
関係
もありまして、日にちも期限も切れかかっているわけであります。それぞれ、この問題に
対応
して正常な労使
関係
を継続的にするためにも、それぞれの
分野
で、
大蔵省
のいる前で、
大蔵省
がいろいろ難癖をつけているようでありますが、そういうことは意に介せず、そういう大乗的な立場に立って、どう
対応
なさろうとしているのか、それぞれ御
見解
を承りたいと思います。
西井烈
80
○西井
説明
員 御
説明
いたします。 御
質問
の年度末手当につきましては、組合からの
要求
書の提出を受けまして、私
ども
、慎重に検討しつつ、目下労働組合と交渉中でございます。年度末手当のうち、いわゆる業績賞与の部分につきましては、御案内のとおり、
大蔵大臣
の承認を得て支給できる、こういうことになっておりまして、この部分につきましては、目下
関係
当局と協議中でございます。 郵政省といたしましては、事業の
現状
を見ますと、本年度は、郵便事業につきましても予定を上回る増収がございますし、また事業全般につきましても順調に推移しておるというようなことでもございますので、私
ども
といたしましては、労使
関係
等も考慮しながら、昨年並みの支給率で支給したいという
考え
方で、目下
関係
当局と鋭意折衝中でございまして、できるだけ早い
機会
に
結論
を得まして解決を図りたい、こういうふうに
考え
ております。
丹生守夫
81
○丹生
説明
員 御
説明
申し上げます。 現在、労働組合と交渉中でございますが、いま郵政の方から
お話
しございましたように、年度末のうち業績手当につきましては、私
ども
の今年度の業績見込みを
考え
ますと、収入におきまして予定より相当上回る見込みがございます。同時に、支出につきましても、かなりの節減が行われる見込みでございます。職員の能率の向上というようなことの成果かと思います。昨年度に引き続きまして、業績手当につきましては〇・四カ月お願いしたいということで、
大蔵省
と調整中でございます。
吉井浩
82
○吉井
説明
員 私
ども
国鉄の場合には、最も問題も多く、始終御迷惑をかけておるわけでございます。この年度末手当の問題につきましては、ただいま各公社、現業から
お話
がございました。私
ども
も、何とか経費の節減に努めるということで、昨年並みもしくは公務員並みということをお願いしたいと思っておるわけでございます。 しかしながら、今回の
現状
はさらに厳しいということで、
先生
も御承知のように、現在再建計画ということで、今年度は運輸
大臣
から御承認をいただいた計画の初年度である、その中で、特に私
ども
天下にお約束いたしております一万二千人の
合理化
という大きな目標があるわけでございまして、この目標を達成しないで手当だけをお願いするというわけにはまいらない。現在、その一万二千人の
合理化
折衝がいよいよ大詰めを迎えました。昨夜あたりも徹夜でさらに詰めをしておるという
状況
でございまして、もう日もあとわずかでございますけれ
ども
、これについて確たる
見通し
を得た上で
関係
当局に御承認方をお願いしたいということでございまして、まだ具体的なお願いをいたしておらない、こういう
状況
でございます。
沢田広
83
○沢田
委員
時間がありませんので、それぞれが従来の協約、慣行あるいは今後の再建
方向
に向けて、
大蔵省
も含めながら、これが不測の事態を生ずることのないように最大限の
努力
をしてもらうことを要請しまして、あと一言だけ言って、私の
質問
を終わります。 実は、これは投書的なものがあったわけであります。文部省が来ておられると思うのですが、横浜市の戸塚の方に六万坪の土地を明治学院大学が購入をして、私学
振興
資金から二十三億貸し付けを今年度末に出すということなんだそうでありますが、
理事
の中から反対で背任罪とかなんとかで告発というようなことも、いま出てきている
状況
にあるようであります。しかもその資金計画は百八十億くらいに及んでいるわけでありまして、果たして各
金融
機関、これは銀行
局長
にも
関係
するわけでありますが、三井から三菱、大体十社くらいから、現在九・七五くらいの金利で金を借りている。果たして学校に担保能力があるのかというと、子供がいるわけですから、差し押さえはできない。結果的には、担保能力としてはきわめて低い。それにもかかわらず、相当莫大な貸し付けが行われている。しかも
理事
の中からは、東急不動産との間に立った人たちのいろいろな黒いうわさも出ているというようなことでありますから、銀行局の方においても、不良債権であるかどうか、それの御検討をいただきたい。 それから、同時に私学
振興
資金。これも
国民
の税金であります。二十三億なんという莫大な金が出ていくことを、去年も見送られて、今年度は実施をする。しかし、申告の中にはうそがあるというような
状況
で、
一つ
の例としては、二千坪くらいは全然できていないものを、できているというかっこうで申告をしているということも言われております。こういう時期でありますから、やはりこういう問題の取り扱いについては、より慎重に取り扱っていただきたい、こういうふうに願っております。 以上の点について、今後どのように処置なされるか、それぞれお
考え
を聞いて
質問
を終わりたいと思います。
坂元弘直
84
○坂元
説明
員 お答え申し上げます。 背任罪の問題につきましては私
ども
関知はしておりませんけれ
ども
、私学
振興
財団が貸し付けを決定するまでの間には、内部的な
理事
会、評議員会等の決定を得たということを確認いたしまして、最終的に貸付基準面積と現有面積との
関係
、それから担保能力の
関係
、それから純資産に対して貸付枠が三〇%を超えないかどうかというようなことを慎重に判断いたしまして、今月の初めに十九億三千四百万を年度末に貸すということを決定いたしております。 この大学の、戸塚の方に教養部を移す総計画というものは百三十七億の計画でございます。そのうち、財団から七十三億を借りたい。これは年次計画で行いますので、そういう計画でございますが、私
ども
としましては、担保能力等があるかないかということを十分吟味して、今後とも慎重に対処してまいりたいと
考え
ております。
宮本保孝
85
○宮本(保)
政府
委員
いま初めて伺ったケースでございますが、私
ども
、ちょっと学校の方を調べるわけにいきませんけれ
ども
、一般的には、厳重な審査のもとに
金融
機関が貸していると思います。ただ、具体的にまた文部省等から事実を把握いたしまして、
調査
いたしてみたいと思います。
沢田広
86
○沢田
委員
時間ですから、以上で終わります。
森喜朗
87
○森
委員長
これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
森喜朗
88
○森
委員長
速記を始めてください。 この際、申し上げます。 本日の
関税暫定措置法
の一部を改正する
法律案
の採決に当たっては、日切れ
法案
であることその他の事情に基づき、特に
大蔵政務次官
の出席をもって採決いたしますが、これは前例としないことにいたします。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
関税暫定措置法
の一部を改正する
法律案
に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
森喜朗
89
○森
委員長
起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
—————————————
森喜朗
90
○森
委員長
ただいま議決いたしました本案に対し、大原一三君外四名より、自由民主党、
日本
社会党、公明党・
国民
会議
、民社党・
国民
連合及び新自由クラブ・民主連合五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の
説明
を求めます。沢田広君。
沢田広
91
○沢田
委員
ただいま議題となりました
関税暫定措置法
の一部を改正する
法律案
に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、提案の趣旨を御
説明
申し上げます。 本
法律案
の審査の過程におきまして、東京ラウンド合意の一律二年分繰り上げ実施等により影響を受ける農林水
産業
、中小企業に対する対策、農
畜産物
輸入
問題に関する
対応
、今後の
貿易摩擦
問題についての外交交渉のあり方、通関制度の簡素化の推進等について、特に熱心な
論議
が交わされたところであります。 本附帯決議案は、これらの
論議
を踏まえ、
政府
においてこれら諸問題の対処に万全を期するよう要請しようとするものであります。 個々の事項の趣旨につきましては案文で明らかでありますので、その
説明
は案文の朗読によってかえさせていただきます。
関税暫定措置法
の一部を改正する
法律案
に対する附帯決議(案)
政府
は、本法の施行に当たり、左記事項について配慮すべきである。 一 今回の
関税
率の引下げに伴い、
国内
産業
への影響を十分考慮し、特に農林水
産業
、中小企業の体質
改善
を早急に図る等その対策に万全を期すること。 一 農
畜産物
の
輸入
問題の取扱いについては、
国内生産
農家への影響に配慮しつつ正常な
貿易
関係
を維持するとともに、
国民
生活の安定に寄与するよう努めること。 一 今後更に激化する
貿易摩擦
問題の交渉及びガット閣僚
会議
等における検討に当たっては、自由
貿易
の原則にのっとり、円滑な国際
経済
関係
を維持するよう外交上の
対応
に十分配慮すること。 一
関税
率の設定に当たっては、
産業
の近代化等その実態を考慮し、整合性が保たれるようその調整に努めること。 一 税関職員の業務の多量化、複雑化に伴い、通関手続きの簡素化を更に進めるとともに、監視制度を重点的に充実するよう努めること。 以上であります。 何とぞ御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
森喜朗
92
○森
委員長
これにて趣旨の
説明
は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
森喜朗
93
○森
委員長
起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、
政府
より発言を求められておりますので、これを許します。山崎
大蔵政務次官
。
山崎武三郎
94
○山崎(武)
政府
委員
ただいま御決議のありました事項につきましては、
政府
といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
—————————————
森喜朗
95
○森
委員長
お諮りいたします。 ただいま議決いたしました
法律案
に関する
委員
会
報告
書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森喜朗
96
○森
委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
—————————————
〔
報告
書は附録に掲載〕 ————◇—————
森喜朗
97
○森
委員長
この際、
参考人出頭要求
に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する
法律案
について、来る三十一日、参考人の出席を求め、
意見
を聴取することとし、その人選につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
森喜朗
98
○森
委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る三十一日水曜日午前九時五十分
理事
会、午前十時
委員
会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十分散会