運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1982-03-26 第96回国会 衆議院 大蔵委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十七年三月二十六日(金曜日)     午前九時三十九分開議  出席委員    委員長 森  喜朗君    理事 大原 一三君 理事 粕谷  茂君    理事 小泉純一郎君 理事 中西 啓介君    理事 伊藤  茂君 理事 沢田  広君    理事 鳥居 一雄君 理事 和田 耕作君       相沢 英之君    麻生 太郎君       今枝 敬雄君    臼井日出男君       太田 誠一君    木村武千代君       北川 石松君    熊川 次男君       椎名 素夫君    白川 勝彦君       中村喜四郎君    中村正三郎君       平沼 赳夫君    藤井 勝志君       毛利 松平君    森田  一君       柳沢 伯夫君    山中 貞則君       山本 幸雄君    与謝野 馨君       大島  弘君    佐藤 観樹君       塚田 庄平君    戸田 菊雄君       野口 幸一君    堀  昌雄君       柴田  弘君    玉置 一弥君       正森 成二君    蓑輪 幸代君       小杉  隆君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君  出席政府委員         大蔵政務次官  山崎武三郎君         大蔵省関税局長 垣水 孝一君         大蔵省証券局長 禿河 徹映君         大蔵省銀行局長 宮本 保孝君         大蔵省国際金融         局長      加藤 隆司君  委員外出席者         経済企画庁調整         局調整課長   海野 恒男君         外務大臣官房外         務参事官    佐藤 嘉恭君         文部省管理局私         学振興課長   坂元 弘直君         農林水産省経済         局国際部長   塚田  実君         農林水産省畜産         局食肉鶏卵課長 鶴岡 俊彦君         通商産業省通商         政策局国際経済         部通商関税課長 横堀 恵一君         郵政省人事局給         与課長     西井  烈君         日本専売公社管         理調整本部職員         部長      丹生 守夫君         日本国有鉄道常         務理事     吉井  浩君         大蔵委員会調査         室長      大内  宏君     ————————————— 委員の異動 三月二十六日  辞任         補欠選任   笹山 登生君     太田 誠一君   平泉  渉君     北川 石松君   藤井 勝志君     中村喜四郎君   柳沢 伯夫君     臼井日出男君 同日  辞任         補欠選任   臼井日出男君     柳沢 伯夫君   太田 誠一君     笹山 登生君   北川 石松君     平泉  渉君   中村喜四郎君     藤井 勝志君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣  提出第四六号)      ————◇—————
  2. 森喜朗

    ○森委員長 これより会議を開きます。  関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。戸田菊雄君。
  3. 戸田菊雄

    戸田委員 時間がありませんので、まず質問の要旨だけ一括して申し上げて、回答いただきたいと思うのであります。  その一つは、いま米欧日本に対する批判は、日本市場閉鎖性に集中しておると思います。農産物を中心とする残存輸入制限を初め、輸入検査手続関税行政指導あるいは不況カルテルといった日本独特の産業政策まで、貿易摩擦とみなされているようであります。米欧は、単に物の貿易にとどまらず、金融、保険、データ通信、外国為替政策まで、枠を広範に広げてきていると思います。個別対策では対応できないのではないかと考えますが、この点について通産外務両省見解をまずお伺いしたいと思います。  二番目は、その時期ですね。これはパリのいわゆるサミット会議までに決着をつけなさいということ、訪米している櫻内外務大臣あるいは東京の代表者会議でのアメリカ通商代表部見解など、こういうことで、まず期間的には三カ月くらいしかないと思うのでありますが、この中ですべて整備をしてきなさいというのがアメリカ考えではないかと思うのでありますが、そうしなければ結果的には相互主義法案というものをアメリカ議会で抑えることはできない、こういうアメリカ政府見解ではないかと思うのでありますが、この辺に対する通産省外務省、そして大蔵大臣見解をお伺いしたいと思います。  それから、これらに対して日本としましては、具体的には一つ関税改定によりまして農産物残存輸入制限二十二品目、実質的には百品目以上あると思うのでありますが、これを超える緩和撤廃、こういうもので対処しようというのが一つだと思います。もう一つ先端技術分野での日米欧共同研究開発、これで世界的な経済活性化を図っていこう、こういう考えではないかと思うのであります。もう一つ内需の盛り上げであります。いわゆる消費、購買、そういうものを向上させて内需主導型というものを徹底して経済浮揚政策を図っていく、こういうことにあるのではないかと思うのでありますが、これらに対する納得のできる対応策というのはあるのかどうか、この辺についても通産省外務省見解を承っておきたいと思います。  それから、資料をけさいただきました。日本産業国内市場でのシェアはどうなっているか。また、世界市場でのシェアはどういうことになっているか。さらに、今日まで日本輸出主役自動車家電産業等々にあったと思うのでありますが、この自動車とか家電産業自主規制でもって若干鈍化の傾向に現在あると思うのでありますが、今後は、こういった主役にかわって、どういう輸出品主役として日本考えておるのか、この辺の見解通産省から承りたいと思います。  ことに、各産業シェアの問題でありますが、アメリカの「ビジネス・ウイーク」一九八〇年六月三十日号、これによりますと、米国産業現状として、一九七九年国内市場でのシェア鉄鋼が八六%、自動車が七九%、無機化学品八一%、靴六三%、電気製品八〇%、衣料が九〇%、工作機械七四%、農業機械八一%、繊維機械五五%、計算機五七%、家庭用エレクトロニクス器具四九%。さらに世界市場でのシェアでありますが、これは一九七九年の世界輸出全体中の割合であります。航空機、もちろん日本にはありませんが、アメリカとしては五八%、有機化学品が一五%、農業機械二三%、繊維皮革機械七%、非電気機械二〇%、鉄道車両一二%、プラスチック製品が一三%、工作機械一四%、医療器具、薬品が一七%、電気通信機器一五%。  日本通産省調査によりますと、日本国内市場シェア割合鉄鋼で九八%、自動車が九九%、無機化学九〇%、靴が九八%、電気製品九九%、衣料が八八%、工作機械九三%、農業機械九四%、繊維機械六一%、計算機五五%等々になっておりますから、日本の方は国内市場シェアにおいては少し高目ではないかという気がします。それから国際市場でのシェアでありますが、これはアメリカの半分くらい、けさ拝読しましてそのような感じを受けます。  こういったシェア状況からいけば、日本のいまの状況は、アメリカ指摘批判をするような状況では決してないのではないだろうかというような気がいたしますけれども、こういった見通しに対する見解を承っておきたいと思います。  三番目といたしまして、貿易摩擦解消のための農作物残存輸入制限緩和撤廃、ことに大豆大麦小麦等いわゆる転作奨励作目、こういうものに集中的にきていると思うのでありますが、そういうことになりますと、今後これらの転作作物に対する生産方向をどういうふうに持っていくのか、農林省としての見解を明確にお聞かせ願いたいと思います。  ことに「八〇年代の農政基本方向」ということで、農政審議会で五十五年十月に一定結論を見ておるわけです。この中身を拝見いたしますと、たとえば第三章の「農業生産展開方向需要動向に応じた農業生産の再編成と生産性の向上−」こうありまして「1、農業生産基本方向」あるいは1、として「米、野菜については」「果実については」「畜産物については」「輸入依存度が極めて高い小麦大豆については」どういうふうに対処するかということがありますが、これは今日の激変対応措置に見合わないのじゃないかという気がします。だから、これらの基本方向については再検討の要がありはしないか、こういうふうに考えるのでありますが、この辺の見解を承りたい。  それから、もう一つ価格政策についてでありますけれども、これも農政審議会の五十五年十月の基本方向の中でいろいろと言われている。四十ページでありますが、「農業所得の確保」「流通の合理化消費者利益保護」「農産物内外価格差への配慮」等々、幾つかの項目で事細かに一定方向を出しておるわけでありますが、いま、たとえば転作奨励作目大豆大麦小麦転作としてなかなか発展しない。かつて三%ないし四%のものが辛うじて今日八%程度まで上がっておると思うのでありますが、それは農民の大変な苦労、出血生産によって今日までやってきているのが現状だと思うのです。  ことに酪農等の問題につきましては、私は、三日ほど前に農業団体皆さんと一緒に大蔵省に行きましたけれども、たとえば稚内の酪農家のある人は、大体、乳牛百頭、肉牛五十頭、これで構造改善事業として八千六百万円程度借財を背負った、総体の年収は六千八百万だ、年収でおおむね二千万円程度赤字生産だ、こう言う。これは北海道に限らず東北においても九州においても、酪農家はいまほとんどそういう状況にあると思うのです。後継者として息子さんが酪農を引き継いでやったけれども、大体二千万の借財を背負って、そして実際赤字酪農経営というようなことで友達とか何かには自殺した者もあるし、危機などという状況は越えていると思うのです。自殺一歩手前というような状況にまで追い込まれている。  恐らく、きょう畜産審議会で乳価の価格引き上げ等の問題についていろいろ論議をされて結論を出されると思いますが、わずかに五十銭と聞いている。五十銭の値上げでは、いまの物価上昇経済動向からいって一体どんなものかという気がするのです。だから、われわれ給料取りが五年前の給料でずっと生活しなさいというのと同じ状況になっているわけですね。だから、こういう問題に対する政策を今後価格政策として明確なものを打ち出してもらわないと困るのではないか、私はこのように考えるわけでございます。  ことに、関税改定等によりまして、今回、牛肉は十七万七千トン入ってくるわけでしょう。そうしますと、国内生産としては四十一万八千トンですから、大体四割近いものが今度は国内に入ってくる。値段はまさに二分の一ないし三分の一のコストで入ってくるわけですから、国内生産品目というものは大変な痛手をこうむる、こういう状況にあるというような気がいたします。こういった問題にどう一体対応をしていくのか。あるいは小麦大麦大豆等々、こういったものも、指摘した内容についてどう一体対処していくのか等の問題が数多くあろうかと思いますので、こういった対応措置について、ひとつ明確に回答をいただきたいというふうに考えるわけでございます。  大臣、時間がありませんから一括質問して、後で御回答をいただきますから御了解いただきたいと思います。  それから、そういう状況でありますから、何らかの形で農業振興政策に対する助成体制というものをとっていく必要があるのではないだろうか。国内においても、臨調等では、いまの農政は過保護だから補助金等を切り捨てろという非常に厳しい状況にある。しかし、かつて石炭産業斜陽産業に陥ったときに、これらに対して石炭特別会計というものをつくって、そして一定産炭地振興政策を図って、現在もそれは行われておるわけですね。農民の言い方をかりるならば、農業工業の犠牲になっているのだ、家電とか自動車でいっぱいもうけているのだから、そういった一部のマージンをこっちへ回して、一定の制度的な振興対応助成体制というのをつくったらどうかという気がいたすのですが、その辺の見解は一体どう考えておられるか。  それから第五番目といたしましては関税率審議会の問題でありますが、中身はよく伺ってわかりました。ただ、法律上は四十五名以内ということでありましょうが、三十六名あるべきものが現在三名欠員になっているようでありまして、これは早期に補充するべきものと考えますが、この辺の見解についてお伺いしたいと思います。  六番目は、税関労働者が、最近大阪の港地区松本康司さんという人が、まだ原因がわからないのでありますが、海に落ちて死亡した。それも韓国船麻薬輸入その他に対しての警戒巡回中だった、こういうことです。大体麻薬に関与している皆さんというのは暴力団が多いようでありますね。ですから、そういう面では非常に危険性が伴う。こういう問題に対する労働条件なりあるいは身分保護等の問題について、どういう対応措置を立てておられるのか、この辺について明確な御回答をお願いいたしたいと思います。  以上、第一段の質問といたしまして六項目ほど一括質問いたしましたので、それぞれ各省の御見解大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  4. 渡辺美智雄

    渡辺国務大臣 答弁の順序が前後いたしますが、参議院の関係もありますので、お許しを得て先にやらしてもらいます。  外務大臣アメリカから帰ってまいりまして、ただいまいろいろ閣議での報告が行われたわけでございます。この経済問題についてはいろいろと活発な論議をしたけれども向こうとしては、日本関税一括引き下げというものは高く評価をする、それから今後議会相互主義立法等動きがあるが、向こう政府としても、余り保護主義になる、保守主義になるということについては、これは歓迎しない、しかし、日本側についても要するに市場開放等を積極的にやってくれというお話だった。  日本としては、ベルサイユサミットまでにできる限りの市場開放努力をしてほしいという向こうからの期待が表明されたが、わが国市場開放については、すでに一連の措置をとってきたということを外務大臣説明するとともに、ベルサイユサミットを念頭に置いて可能な限りの努力を続けますということを明らかにいたしました、したがって、外務大臣としては、日本の自主的な立場から市場開放問題に一層積極的に取り組んでいくべきものであるので、各省大臣等においては何分の御協力を願いたい、こういうような話がいまあったばかりでございます。  いずれにせよ、戸田委員のおっしゃるように、われわれとしては主張すべきものは強く主張しなければならないし、貿易問題については御指摘のように全体のグローバルで考えることが当然のことだということは、通産大臣がこの間行ったときにアメリカ側には強く言っているわけです。日米間は赤字かもしれぬけれどもアメリカ全体としてはとんとんにいっているからいいじゃないか、日本だって対OPEC諸国とはみんな赤字ですよ、したがって、日本最大の問題は石油輸入ということなんですから、それならアメリカアラスカ石油なんかを日本にどんどん売る、日本はその分だけほかから買うのを少なくする、メキシコから少なくしてもいい、アメリカから買ったらいいじゃないか、そうすれば、要するに日本貿易にとっても同じだ、アメリカの対日貿易は、もし二国間だけで言うなら改善をされる、それもだめだ、あれもだめだというのでは困りますというやりとりがかなりあるようであります。  しかし、いずれにいたしましても、日米関係同盟国でもあるという状況にかんがみて、ここでお互いの両国民が対立するような状態に持っていくことは、大きな目で見ると両国民にとってでかいマイナスになるということであるから、お互い納得のいくようなところまで積極的な話し合いを今後進めてまいりたい、そういうことでございまして、具体的にどうする、どうするということは、これから予算でも終わったらわれわれも至急に詰めてまいりたい、そう思っております。  以上でございます。
  5. 横堀恵一

    横堀説明員 先生から御質問のありました貿易摩擦関係の問題及び日本産業シェアというような点につきまして、簡単に御説明させていただきたいと思います。  第一点の貿易摩擦関係のことについて、それぞれ六つの問題点というのは関連があると思いますが、一口で言いますと、原因というのは、一つには欧米諸国におきまして失業問題が高まって、経済もうまくいっていないという点、それに比べて、まだ日本の方は比較的恵まれているという点があろうかと思います。これに加えまして、先方から見ますと、誤解もあるわけでございますが、いろいろ輸入等の面においてなかなかむずかしい問題もある、こういうようなことかと思います。  日本につきましては、資源もありませんし、相当部分を輸出で稼いで輸入を賄っていくということに徹しなければいけません。具体的に言いますと、たとえば自動車なんかでは現在半分以上輸出に頼っておる、そして自動車のような工業につきましては、非常にすそ野の広い産業でございまして、単に自動車業界ということだけではなくて、いろいろ関連する分野も大きい。そういうようなことから考えますと、相手国経済との協調といいますか、そういうことも必要になろうかということでございます。  そういうようなことで、私どもといたしましても、先ほど大蔵大臣がお答えになりましたように、主張すべきことは主張すると同時に、相手の挙げてくるいろいろな問題点につきまして、誤解に基づくものはこれを解き、それからいろいろ現実にむずかしい問題があって、彼らが当面している問題があり、かつそれをわれわれが解決することが可能であるというような事務的な問題も含めまして、手続面改善等につきましては、各省といろいろと御相談をして今後とも取り進めてまいりたいと思っております。  それから、日本産業シェア等関係でございますが、先生がさっきおっしゃったとおりでございまして、今後の輸出主役というものはどうなるかということは非常にむずかしい問題でございますが、大ざっぱに言えば、技術的な要素の高いものあるいは所得弾力性の高いものというようなものがだんだん大きく伸びていくのではないかと思います。ただ、これもたとえば工作機械の例で言いますと、NCつき工作機械というようにいままでの考え方とは違う新しい要素を加えたものがだんだん出てきておりますので、いまこの段階でどういうものだということはなかなか申し上げにくいかと思いますけれども、大ざっぱに言えばそういうことだと思います。  それから、日本輸出シェアといいますか、それが個別の業種で見たら必ずしも大きくないではないかということは、まことにそのとおりでございます。ただ私どもも、特定の分野について集中的に輸出シェアをふやすとかそういうことじゃございませんで、なるべくバランスのとれたかっこうで、かつ、日本国内におきましても雇用の拡大ということに資するような方向での輸出努力というものを引き続き行っていくことが大事かと思います。  はなはだ簡単でございますが、お答えいたします。
  6. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  大蔵大臣から外務大臣閣議における報告についてお話がございましたので、私から御答弁するのもまことに僭越なわけでございますが、若干補足をさせていただくということでお許しをいただきたいと思います。  外務大臣におかれましても、わが方がこれまでとってきました市場開放努力等につきましては十分御説明になったわけでございますし、その間、アメリカの困難な経済環境を背景といたしまして、日本のすぐれた経済パフォーマンスを見ていて、もっと積極的な役割りを期待したいというのがアメリカ側の要望であり、特にアメリカ競争力を有する分野における産物の日本市場への参入ということについて強い関心の表明があったわけでございます。大蔵大臣からも御説明がございましたように、外務大臣からは、パリサミットまでにできる限りの努力をするという御見解表明がございました。私どもとしては、外務大臣の指示を仰ぎながら、これからの対応考えてまいりたいと思っております。  それから、相互主義についてのお尋ねもございましたが、二十四日にいわゆるダンフォース法案についての公聴会がございました。この公聴会におきましては、アメリカ関係議員からも、あるいはアメリカ政府関係者からも発言がございまして、やはりガットの原則に反するおそれのある法案というものは、アメリカとして考えるべきじゃないのじゃないかという意見が強く出されたというふうに承知しております。この法案をめぐる議会動きがどう発展していくかというのは、現状におきましてもにわかに判断しがたいわけでございますが、私どもとしては、機会をとらえまして、こういう動き保護主義に発展しないように意見を述べていくつもりでございます。  それから、サービス貿易の件についてお尋ねがあったかと思いますが、私どもとしては、この分野はまだ未知の問題点が非常に多くあろうかと思っております。したがいまして、OECDその他の国際的な会合におきまして、いろいろなこの問題点を整理していくという段階がまず必要ではないかと思います。いずれにしても、新しい分野でございますし、重要な分野でございますので、こういった分野についても、開放的な貿易体制というものが組まれていくことが重要ではなかろうかととりあえず考えております。
  7. 塚田実

    塚田説明員 お答えいたします。  ただいま先生の方から、農業関係につきまして、大変数多くの貴重な御意見、御質問をいただきました。私、貿易の側面からこの問題につきまして一括してお答え申し上げたいと思います。  先生指摘のように、農林省所管残存輸入物資の数は二十二品目ございます。それらは、御案内のようにわが国農畜水産業の基幹をなす作物であり、また地域的に重要な作物でありまして、あるいは水産につきましては沿岸漁業等振興上重要な品目に掲げられております。農林水産省としては、いずれも自由化が非常にむずかしいものばかりでございます。  そこで、確かに米欧、特に米国等から市場開放要求が強いわけでありますけれども、私どもは、今後ともその関係諸国わが国農業のむずかしい実情を十分説明し、その理解を得ながら、自由化に手を染めることなく解決する方途を探求していきたいと考えております。  実は先般の日米貿易小委員会におきまして、残存輸入制限問題に関する作業部会が設置されることになっておりますが、その第一回の会合が四月の中旬にも行われます。私どもは、こういう機会を通じて極力わが国実情説明し、米側理解を得たいと思っておりますし、また牛肉、柑橘につきましては、米側自由化要求を強く迫ってきているわけでございますけれども、この日米の協議は本年の十月から行われることになっております。この機会もそうした重要な機会であると私ども考えておりまして、省を挙げて説得に努めたいと考えております。  そのような角度から、私どもは、何はともあれ基本的には、一昨年の秋に農政審議会から答申をいただきました「八〇年代の農政基本方向」及びこれを受けて閣議決定いたしました「畜産物需要生産長期見通し」に沿いまして、農業生産展開を図っていきたいと考えております。また、価格政策についても、そのような態度から進めてまいりたい、また、まいるべきであると考えております。  また、先生から北海道の酪農の厳しさについて御指摘がありました。私自身も非常に厳しい問題であるというふうに考えておりますけれども、実はこの酪農も、アメリカが主張するように牛肉自由化いたしますと——牛肉輸入というのは、先生指摘のように国内市場の三割くらいはすでに輸入しております。それを米側が主張するように自由化いたしますと、牛肉生産というのは実はその多くが乳牛から来ておるものでございますから、酪農にもはかり知れない打撃を与えるわけでございます。そういう意味で私ども牛肉自由化につきましては、すでに米側機会をとらえて自由化はできないということを再三主張しているところでございます。  そのように私ども、先ほど申し上げましたけれども、あらゆる機会を通じて私どもの立場を主張し、そして先生指摘のように、今後の農業の安定的な振興あるいは国内農業生産と調和のとれた農業政策展開に支障のないように全力を挙げてまいりたいと考えております。
  8. 垣水孝一

    垣水政府委員 総括的なことにつきましては大臣から御答弁申し上げましたので、私から、関税率審議会の構成と大阪の事故の件について御答弁申し上げます。  関税率審議会の構成につきましては、実は関税品目が二千八百五十五というような多数にわたっておりまして、これを農産品と鉱工業品に分けますと四対一程度になりますので、学識経験者を除きまして業界代表というようなかっこうになっておりますので、農林関係の方が三名ということでございますけれども、きわめて強力な先生をお願いしている次第でございます。欠員につきましては、最近お亡くなりになったりあるいは期限が来ておやめになった方でございますが、御承知のように関税率審議会の本格的な審議が九月から始まりますので、そのときに期限切れの方等ともあわせて考えさせていただきたいと思っております。  それから、大阪の事故につきましては、昨年の名古屋の事故に続きまして、特に二十歳というような若い職員を失ったことに対しまして、私どもとしては本当に残念に遺憾に存じている次第でございます。  実は、昨年の事故以来、特に安全管理等勤務条件につきまして特段の再点検を行いまして、たとえば人事院規則に定められている安全管理者とか安全管理委員会あるいは安全教育の実施等の徹底をさらに見直すほかに、税関独自といたしまして、すでにつくっておりました安全手帳を再編成するということ、それから安全機器の整備を図るということ、あるいは税関の安全の日の設定というようなことのほかに、特に私ども独自に実はチェックリストをつくって、安全管理、監視に出かけていく前に、たとえば安全靴をはいているかとか、そういう安全機器を所持しているかというようなチェックリストまでつくってやっていたところでございます。  実は本件自体につきましては、二人で巡回に出たわけでございますが、ちょうどその倉庫の前後に別れて張り込みをいたしておりまして、私も現場を見たわけでございますが、その海側の倉庫の前には幾つかの荷物が置いてありまして、シートがかけられておりましたので、一人でも決して見張りをするのに危険ではなかったように常識的には考えられるわけでございます。いま警察で鋭意調べてはおりますが、なぜ海側にまで近づいたかということにつきましては、たとえば船内を捜索いたしまして逮捕いたしました麻薬の所持人が、どうも大阪市内にタクシーで昼間の間に出たというような状況もあって、複数の人間に襲われたのか、あるいは何らかの、元気のいい若者でございますので船側に近づいて事故に遭ったのか、その辺のことはまだつまびらかにはなっていないわけでございます。  いずれにしましても、一人で前に出ていたことにつきましては、私どもの安全教育が不足だったということで反省をいたしまして、見張りの場合にも、特に夜間でもございますし、相手がいつきばをむいてくるかわからないような、麻薬を積んでいるような船でございますので、とりあえず絶対に単独行動しないようにということを指示いたしましたけれども、今後さらに検討を進め、また勤務体制等につきましても余り過労にならないようにということを考え、今後ともさらにその点を詰めていきたいと考えております。
  9. 戸田菊雄

    戸田委員 委員長、若干時間が延びて申しわけないと思います。どうもありがとうございました。
  10. 森喜朗

    ○森委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十時十六分休憩      ————◇—————     午後二時三分開議
  11. 森喜朗

    ○森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。沢田広君。
  12. 沢田広

    ○沢田委員 ちょっとのどを痛めておりますので、お聞き苦しい点があるかと思いますが、その点はお許しをいただきたいと思います。  最初に、いままで各委員を通じまして今日の関税の問題で議論がされてまいりました。そこで、貿易摩擦という言葉の中身、いわゆる貿易摩擦とは何を言っているのであろうか。玉虫色という言葉がありますが、片方から見ればおれの方が正しい、片方から見ればおれの方が正しい、そういう状況のことであるのか。現実的に、ECなりアメリカなどの言う、日本が一方的な閉鎖状況となっているのか。また、ウサギ小屋に住む働きバチと言われる諸要因あるいは生活環境、社会資本あるいは福祉あるいは勤務時間等々を含めて、いわゆる日本貿易がダンピング輸出である、そういうような見方もなくもありません。あるいは先般来の委員の各質問の中にも、これに類似をいたします諸事項がございました。  そこで、法案を提出した大蔵省を初めといたしまして、経済企画庁、通産省、それぞれの立場から見た貿易摩擦というものの原因は何なのか、前に言ったものと重複しないで、三つずつ挙げてもらいたいと思います。
  13. 垣水孝一

    垣水政府委員 私どもは、対外経済摩擦の背景としましては、一つは、申し上げるまでもなく、欧米諸国に対する大幅な貿易黒字というものがあろうかと思います。第二には、今度は先方側に、非常な経済の困難、インフレあるいは失業の増大、特にEC、アメリカとも一千万人に及ぶような失業の増大ということがございましょう。そして私どもの方にも、たとえば、今度改善しておりますが、税関関係の手続が彼らから見て少しなまぬるいというようなことがあると思います。  以上、三点を申し上げます。
  14. 海野恒男

    ○海野説明員 お答えいたします。重ならないようにというお言葉でございますので、なるべく重ならないように申し上げたいと思います。  通常、貿易摩擦あるいは経済摩擦と申します場合に、具体的に過去いつ起きたかと考えてみますと、昭和五十三年、それから昭和五十五年、五十六年と三回生じておりますけれども、五十三年の姿を見てみますと、経常収支が非常に大幅な黒字の中で起きた経済摩擦、日本がグローバルベースで経常収支が大幅の黒字になったとき。第二のケースは、五十五年でございますが、このときには、経常収支は赤字でございますけれども経済成長の大半を外需に依存する、つまり、輸出が非常に伸びて輸入の数量が減るというような状況のために起きたケース。それから第三点は、その両方が重なるような五十六年型。三回あったと思います。  つまり、経常収支が大幅に黒字のケース、それから、経常収支が赤字だけれども、数量ベースで非常に輸出が伸び輸入が減ったというケース、第三は両方ということで、さらに世界経済全体が停滞しておるということが加わりまして、今回の貿易摩擦を非常に厳しいものにしているということだと思います。
  15. 横堀恵一

    横堀説明員 お答えいたします。  重ならないようにというお言葉でございますので、簡単に申し上げたいと思いますが、一部分重なってくるところもあろうかと思います。  一つは、先方におきます、特にヨーロッパあるいはアメリカにおきます産業転換のおくれというようなことが長期的な問題の基盤にあるかと思います。それから貿易面におきましては、日本輸出がこれまで増大し、かつその範囲も、品目別に見ましてもだんだん広がってきたというようなことがあろうかと思います。三番目といたしましては、日本市場に関しまして必ずしも十分な情報を得ていないというような点、あるいは、それから起因しまして日本市場におけるいろいろな販売の努力のむずかしさということがあろうかと思います。
  16. 沢田広

    ○沢田委員 外務大臣が帰ってきたばかりでありますが、その報告も聞いていると思いますが、今回の訪米等を通じまして、この貿易摩擦解消についてそれぞれ報道されている点もございます。そういう点を通じて、外務省としては、この貿易摩擦原因現状においてどうとらえているのか。これも重複しないもので三つ挙げていただきたいと思います。あなた、答弁が長過ぎますから、少し短くして急行でしゃべっていただきます。
  17. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  本日、閣議において外務大臣から訪米の御報告をされたわけでございます。現在の経済摩擦の原因というものについて、ただいままで関係省庁からお答えになった認識と私どもは同様な認識を持っておるわけでございますが、外務大臣からけさ御報告になりましたことは、やはり経済的に非常に発展した日本に対する期待あるいは要望というものが非常に大きなものになっているということが挙げられておるわけでございます。特に、アメリカ競争力を有する産物につきまして、日本市場にもう少し入りやすくしてほしいというようなことも話題になったわけでございます。
  18. 沢田広

    ○沢田委員 今回の関税が二年前倒しで行うことになりました。  それで、大蔵省にまずお伺いをいたしますが、今回の提案は、この貿易摩擦とどういう関係にあって提案をしたのか。もっと言えば、この関税は、もうすでにアメリカ、ECはこの法律案を出したことは承知をしているものだと思うのですね。その承知をした上で、加えてさらになお厳しい要求がなされていると私たちは報道を通じて感じているわけです。では、今度のこの関税法律が通過をするならば、あとは解決をしたと言えるのか、あるいはまだ未解決問題は残っているというのか。まず、それだけ先にお答えいただきたい。
  19. 垣水孝一

    垣水政府委員 今回のいわゆる東京ラウンドの一律前倒しにつきましては、実は御承知のように、ECとの関係で、いわゆる稲山ミッションが帰ってまいりまして、そのときにもいろいろ個別に、たとえばウイスキー、ビスケット、チョコレート、メントール、革靴というようなことを、関税についてだけ申しましてもございました。それについて新聞等で、まあウイスキーとチョコレートぐらいはやらなければという感じが出ていたのだと私は判断いたしますが、アメリカから、日本はその程度しか考えていないんじゃないかということで、いわゆるバラクロフ書簡ということで、二十九品目につきまして全面的に撤廃しろというようなメモが参ったわけでございます。  これは非常にセンシティブなものばかりでございますので、私どもとしましては、それを一々取り上げておりますと、もちろんできるものもございましょうが、とうてい短期間にやることができないということを考えていたわけでございますが、そういうところで、それでは、ただいまの前倒しにつきましては千六百五十三品目でございまして、しかも、その中にはたとえばバラクロフ書簡で言われております二十九品目のうち約十数品目が入っております。  そういうようなことで、平均八%が六・七五という、一・二五%ではございますけれども、しかし広範囲にわたって関税の引き下げができる、さらに、単にEC及びアメリカのみならず、東南アジアあるいはカナダ等についても広く均てんする、こういうことでこの措置がとられたわけでございまして、これにつきまして、実は十二月の初めの日米貿易小委員会においても、非常に前向きの措置であるということははっきりと評価をいたしておりますし、今日でもEC及びアメリカでも、例の通関手続の問題と一緒に、日本政府が前向きの措置をとったということは非常に評価する、しかしまだ足りないという言い方に変わってきている。そういう意味では、特に十二月の段階等では、私どもアメリカの鋭鋒をかなりそぐ勢いがあったと思いますが、その後、貿易収支が必ずしも改善しないというようなことで、さらに要求がある、こう理解している次第でございます。
  20. 沢田広

    ○沢田委員 簡明にお答えいただきたいのですが、それでは、物の交渉というものは、たとえば今度前倒しをやりますと、アメリカにこう示した。非常に結構です。ではこれでしばらくは行きますよ、ただ、向こう二年なら向こう二年は行きますよ。契約というのはそういうものだと思うのですね。少なくとも、これで一杯食ってみたらもう少し食いたいというので二杯。二杯食ってきたら、もう少し食いたいからまた三杯。いわゆるおんぶにだっこ、こういう論理が言われているのと同じようなことになってしまうので、そういう詰めは、これは外務省も一緒なんでしょうが、そういう外交折衝、関税折衝なんですか、実態が。その点ちょっと、そうなのかそうでないのか、要するに、物を決めるときにはある一定期間の保証というものがなければ、物を決める意味がないんじゃないかと思うのですね。その点の保証はどういう取りつけをしたのか、関税外務省からお答えをいただきたいと思うのです。
  21. 垣水孝一

    垣水政府委員 今回の措置につきましては、相手にこれをやるからということをあらかじめ議論してやった措置ではございません。したがって、わが方はこれだけの努力を払ったんじゃないかということで、それについては、先ほど申しましたように評価はする、しかし、もう少しこれとこれが足りない、こういう関係でございまして、このこと自体については、私どもは高く評価し、彼らのその要求の相当部分をそいだことになっていると理解しております。
  22. 沢田広

    ○沢田委員 外務省はどうですか。関知しないなら関知しないで結構ですから。
  23. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま関税局長から御説明がありましたような経緯で今般の措置がとられたわけでございます。したがいまして、私どもとしては、これは日本側が自主的にとった措置ということで、外交交渉といいますか米側との折衝におきましても、この措置を高く評価をすべきものであるということを強調してまいっておるわけでございます。
  24. 沢田広

    ○沢田委員 ちっとも高い評価じゃなく、低い評価なんですね、少なくとも現状では。だから、かってに自分で思ったとおりやったのが相手にいいだろうと思って、何か人に品物でもプレゼントするつもりでこれをやったのかもしれませんが、相手はたくさんあるものをもらったのでよけい迷惑だ、こんなような感じになってしまう。要するに、相手の意向とこっちが考えた意向とは合致していなかった、こういう提案の仕方ということにならざるを得ないのですが、どうですか、関税局長
  25. 垣水孝一

    垣水政府委員 この評価の問題については、実は私どもとしましては、先ほども申し上げましたように、十二月の日米貿易小委員会におきましては、ほうよくやったなという感じを相手が持った発言であったことは、もうその交渉の途中で受けております。ただ、彼らの本当に欲するところのものは、私どもも本当に譲ることのできないものである、そういう点で衝突が残っている、貿易摩擦が残っていると考えております。
  26. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、問題を整理しますと、十分その点は配慮してやったんだ、しかし、相手考えている分が含まれてないので、それがまだ貿易摩擦があると向こうは言っているのだ、こういう見解の差であると理解しますと、では、残っている問題点は何なんですか、挙げてください。
  27. 垣水孝一

    垣水政府委員 バラクロフ書簡で申しますと、コンピューター、合板、これは一部いたしました。木材、合板用単板、再生木材、これは一部いたしました。クラフト紙、マグネシウムの塊、ニッケルの管、シリコン、メントール、革、自動車部品、これは一部いたしました。牛肉、豚肉、レモン及びライム、オレンジ、グレープフルーツ、これは六%近く引き下げました。その他柑橘類の果実、フルーツジュース、鶏肉、バレイショ、ピーナツバター、ピスタチオナット、ホエイ、これがアメリカ要求品目の全体でございます。
  28. 沢田広

    ○沢田委員 アメリカのはわかりました。  ECとの関係はどうですか。ECのことは触れておられないようでありますが、ECとの関係についてはどういう条件になっているわけですか。
  29. 垣水孝一

    垣水政府委員 ECで具体的に挙げましたものは、ビスケット、チョコレート、砂糖菓子、これはビスケットとチョコレートについて一・数%ずつ下げました。アルコール飲料、これはウイスキーについて下げる法案になっております。肉製品、革靴、完成革、衣類、メントール、クエン酸、スキー、銅、カットダイヤモンド、カットダイヤモンドについては一律前倒しで若干下げました。  以上でございます。
  30. 沢田広

    ○沢田委員 外務省、いままでのこれが、法案を出して、その後外相が行ったり、江崎さんが行ったりして、まだ貿易摩擦は解消しなければならぬ、保護主義法案が相当出てきている、そういうような状況になっていて、これだけの問題が残されているのですか。そうでない問題がいま残されていると解釈しているのですか。その点ひとつ外務省からお答えいただきたい。
  31. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  関税についてのお尋ねと了解いたしますが、ただいま関税局長から説明したとおりと私どもも了解しております。
  32. 沢田広

    ○沢田委員 外相が今度訪問してきて、このことを確認してきただけということですか。新たなる何かを求められたものではないのですか。
  33. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  今般の外務大臣の訪米におきましては、具体的に新たなものが提示されたというふうには私はまだ聞いておりません。
  34. 沢田広

    ○沢田委員 今度の外相は、何ら負担なき外遊であった。しかし、報道関係その他を見ると、外相も相当追い詰められて、ずいぶん苦しそうな表現でいろいろ言ってきているわけでありますが、いまあなたの言っているのは、きょうの閣議報告にあったことを今回受け売りしてここで言っているんだということになると、それは新たなる負担は何ら応じていない、こういうふうに解釈していいですね。これは関税だけとは言いません。貿易についてです。
  35. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  このたびの外務大臣の訪米におきまして、日米間の貿易の問題、通商の問題についてお話し合いがあったことは事実でございますけれども、個別の問題につきましてつけ加えた話があったというふうには理解しておりません。
  36. 沢田広

    ○沢田委員 理解してないことはあなたの勝手なんでありますが、私がいま聞いていることを、では新たなる確認をした上で、あなたの理解が正しいかどうか改めて確認した上で回答してもらえる、こういうふうに解釈していいですか。あなたは理解しているのですが、その理解に間違いがなければいいのでありますが、間違っているか間違ってないかだけを確認した後で、これは個人的になるかもしれませんが、委員長のところへでも私のところへでもその確認の結果を報告していただきたいと思うのですが、よろしいですか。首を縦に振っているから、イエスという返事として、先に行きたいと思います。  そこで、いま、外務大臣は新たな負担は負ってない、こう言っておられるわけですが、いまの状況では、この関税の前倒しがたとえば国会を通過して発効したとしても、貿易摩擦原因はすべて解消したということにはならない、今後また引き続いて貿易摩擦解消のいろいろな手だてが必要である、こういうふうにこれも理解しているというか考えておるのですが、関税局長外務省はどう考えておりますか。
  37. 垣水孝一

    垣水政府委員 先ほど申し上げましたように、向こうのセンシティブなものについてはなかなかわが方もセンシティブで、譲ってない部分がございますので、これをやっていただきましても、なお残ると思います。
  38. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 関税局長から御答弁のあったとおりと私ども考えております。
  39. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、五月なり六月ごろにさらにこの貿易摩擦解消のための対策が必要であると報道はされております。いままでのこれは、大臣がいないからということになるのか、それとも知らないのか、知っていても言わないのか、しらばっくれているのか、そのいずれかに該当するわけなんでありますが、五月なり六月なり、サミットの前に何らかの措置を講じなければならないということは承知をしているんですか。承知をしてないんですか。これは、しているか、してないかだけで回答してください。
  40. 垣水孝一

    垣水政府委員 関税だけの措置ではございませんので、何らかのプラスの措置が要るかと承知しております。
  41. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  先生御案内のとおり、サミットにおきましては、その時点における世界経済の主要な問題につきまして七カ国の首脳が相集まって討議するという場でございます。したがいまして、現下の世界の経済情勢を見ますときに、いかにしていまの不況の状況から脱却していくか、いわば世界経済の再活性化といった問題であるとか、あるいは自由貿易体制のもとに、いかにしてこの貿易を拡大していくかということが関心事項であろうかと思われるわけでございます。そういうことでございますので、このサミットに臨むに当たっては、このようなサミットの場における討論ということも当然頭に置いていかなければならないことかと思いますし、かような観点からいろいろな検討を加えていかねばならないかと、かように承知しておるわけでございます。
  42. 沢田広

    ○沢田委員 どうも外交はある程度の秘密を必要とするということは理解をしないではないのでありますが、要すれば、この法律案を国会へ出してこれで何の保証があり、国民に何の担保を与えたのかということを私たちはいま知りたいのですね。この法律案によって政府は何の責任を果たしたのだ。国民にこれから後何の負担を求めようとしているのか。いや求めないのだ。求めるとすれば、あと考えられるものは何ですか。こういうことを明らかにしていく責任があると私は思うのです。ですから、この関税法案が通っても、なおかつ続いて貿易摩擦解消の諸施策が必要である。概念的にそう言える。では何が出てくるのだろう。どう国民生活に影響してくるのだろう。それぞれの産業はそれぞれの産業で自衛的な措置を講じなければならぬ。そういうことに対して知らせる義務を政府は持っていると私は言えると思う。  そこで、いま申し上げたように、今度の関税で果たす役割りは何なのだ、果たした役割りは何だ、次に来る貿易摩擦解消問題点は何であるのか、これを国民はそれぞれ被害を受ける立場にあるものとして考えていかなくちゃならぬと思う。その中身をわかりやすく国民に知らしてやる、こうなるかもしれませんよ、こういうことになるかもしれませんよということをやはり予告してやる必要性はあると私は思うのです。  同時に、この法案は未成熟な法案なんですから、今後続いて出てくるというわけでしょう。関税で出てくるか何で来るかわからないとしても出てくる。とすれば、これは一部分の提案である。そうすると、これは何を果たして担保としたのだろうか。何をこれによって得たのであろうか。国民は何の利益を得たのであろうか。全くわからない。その点をちょっとはっきりしていただかないと、何か半分だけ食った菓子をよこしたみたいなもので、あと残りは食うのか捨てるのか、あるいはまだこれは人にやるのかわからぬ。まんじゅうの半分食い逃げみたいな提案の仕方、こういうことになってしまう。関税の方で、いま言ったようにこの関税法案を通してくれればこういうことになります、こういう結果が国民の前には出ます、これはやはりひとつ担保として確認をしていただきたいと思うのですね。はっきりお答えいただきたいと思う。
  43. 垣水孝一

    垣水政府委員 アメリカ政府におきましても、ECにおきましても、わが国の国会制度というのは十分承知しているわけでございます。  したがって、今回の一律前倒しにつきましても、十二月中に政府の方におきましては関税率審議会等の手続を経、さらに二月の初めまでに法案にして提出しなければ、新年度からの関税率というのは動かないのが原則であるということは十分承知の上で、彼らは、なるほど五十七年度にはこれだけやってくれたかと、そういう点を評価しているわけでございまして、今後の問題について、もちろん彼らはいろいろなことを言っておりますが、それは私どもは、これから本年の十二月までまたかけまして、できるものはできる、できないものはできないということを、関税率についてだけ申し上げればそういうことかと存じます。
  44. 沢田広

    ○沢田委員 いま言ったことでは僕にもさっぱりわからないのですが、要するにこの法律案を出しました。期間であるのか、質であるのかあるいは量であるのか、それぞれ国民にこれだけのものは効果が上がります、そういうものが出なければならぬだろうというふうに思うのですね。これは何もないのに法律案を出してきたわけじゃないだろう。だから、それにはある一定の担保をとるための、あるいは相手側の精神的といいますか不安を除去するための措置であるのかもわかりませんけれども一つの目標があったはずである。その目標をはっきりしておいてほしいというのを言っているわけで、どうもその辺が話がすれ違ってしようがないので、時間が惜しいのでありますが、要すれば、この法律によって国民に与えられるメリットは何なんですか。経済界に与える効果は何なんですか。では、それだけお答えいただきたい。
  45. 垣水孝一

    垣水政府委員 この経済摩擦自体が昨年の秋から特に取りざたされるようになったわけでございまして、との点で、先ほどから申し上げておりますように、かなりその鋭鋒を割いて日本もやることはやったということで、繰り返して申し上げますが、日本はその重要な第一歩を踏み出したということで、前倒し等のこの法案に盛られている引き下げ並びに非関税関係の手続の簡素化について評価しているわけでございまして、その分については貿易摩擦がそれだけ大いに減殺されている。しかし、なおかつ彼らには不満が残っているということでございますが、まあ不満を私どもとしては半分なり三分の二なり解消したと考えております。
  46. 沢田広

    ○沢田委員 こういう努力大蔵省を通じて相手側に知らされるのですか。外務省を通じてPRをされていくべき筋合いのものなんですか。その系統だけちょっとお答えをいただきたい。これは、どちらがアメリカなりECなりに伝えて、こういう努力をしております、御理解を賜りたい、こういうことでそれぞれ行くのだろうと思うのですが、その点は外務省がやっているのですか、そちらでやっているのですか。
  47. 垣水孝一

    垣水政府委員 大蔵省といたしましても、たとえば一月に向こう関税局長が参りまして懇談いたしましたときなどは、大いに直接PRをいたしておりますが、その本来の役目は外務省だと私ども考えております。
  48. 沢田広

    ○沢田委員 じゃ外務省、答弁。
  49. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  わが国がとってまいりました貿易問題における努力、なかんずく関税問題についての努力でございますけれども、これらにつきましては、アメリカにつきましては在米大使館、館を挙げてPRに努めているわけでございます。また、北米大陸に十数カ所の総領事館を置いてございますけれども、これらの公館におきましても、日本のとってきた措置についてのPRをしておるわけでございます。これは行政府のみならず、米国議会関係者にも直接説明をしているところであり、また一般の関係者にもPRをするということで、シンポジウムを開いたりあるいはセミナーを開くなど、公開の場をもちまして説明をしている状況でございます。
  50. 沢田広

    ○沢田委員 余り効果が上がらないから、また追っかけて注文が来たのだろうと思うのです。  若干時間の関係がありますから、それはちょっとおいておきまして、今回の関税の前倒しによりまして国内産業に与える影響、これも非常に各般にわたる影響が考えられるわけであります。これも時間の関係で三つずつ挙げてもらいたいのでありますが、ダブるものは省略をさしていただきたい。大蔵省経済企画庁、農林省通産省、それぞれの分野を通じて前倒しにより国内産業のどの分野に影響が与えられるのか、その点お答えをいただきたいと思います。一、二、三の順位でお答えをいただきたい。
  51. 垣水孝一

    垣水政府委員 影響の大きい順位ということについてはちょっと判断がいたしかねますが、たとえば大蔵省関係でいいますとウイスキー、それから農林関係で特に木材等あるいはビスケット等菓子業界に影響があると思います。
  52. 海野恒男

    ○海野説明員 産業別の影響につきましては後ほど農林省通産省等からお聞きいただきたいと思いますが、私ども産業を所管しておりませんが、全体のマクロ的な日本経済に与える影響という点からお話し申し上げますと、私どもは、今回とった措置がもともと八七年までに予定しておりましたのを二年繰り上げるということでありますのと、それから日本経済分野における非常なる活力というものを考え合わせますと、各個々の産業にはそれぞれ違いがあると思いますけれども、全体としては非常に大きな影響はないであろうというふうに考えております。
  53. 塚田実

    塚田説明員 お答えいたします。  対象となります農林水産物は百二十三品目に上っておりますけれども、その前倒しの幅は一%程度という小幅のものでございます。海外価格の動向どもありますので、数字的にその影響について計測することは困難でございますが、総じて言えば大した影響はないというふうに考えております。
  54. 横堀恵一

    横堀説明員 お答えいたします。  通産省所管物質につきましては約千五百品目あるわけでございますが、三つということでございますので、かなり幅が大きいものということで申し上げますと、たとえばカラーフィルムは九・三%が六・六%で二・七ポイントということでございます。こういうものはわりに少なうございまして、その他のもので、たとえばカメラは五・九から五・八で〇・一ポイントの引き下げ、それからVTRでございますが、これは五・六から四・九%へ〇・七ポイントの引き下げということでございまして、具体的な引き下げ幅というのは必ずしも大きくございませんで、本措置だけでの影響というものは一般には余り大きくないのではないかと思います。もちろん、今後私どもといたしましても、業種によっては所要の対応措置も必要であるというものについては、いろいろそれも考えていかなければいかぬと思いますけれども、いま申し上げましたように、具体的な引き下げ幅自体で見ますと、必ずしもその影響というのは本措置のみでは大きくないのではないかと存じております。
  55. 沢田広

    ○沢田委員 いままで聞いた範囲においては、大した影響はないという御返事なんでありますが、農林なんかでは、この間も各委員が来て、これは大変な震度七くらいの激震の話としてここでは議論をされていたわけであります。農林省それ自身は、影響が少ないというふうに考えていられるようでありますが、これは本音と受け取っていいのですか、それとも適当にここだけ、法律に賛成してもらわなくちゃならないから、そういうふうに言っているのですか、掛け値なんですか、どっちなんですか。
  56. 塚田実

    塚田説明員 お答えいたします。  私どもは日ごろ農業団体と接触する立場にあるわけでございますが、農業団体が本前倒しにつきまして非常な懸念を示しましたのは、これを契機にして農畜産物自由化への前提となるのではないかという意味で懸念を表明したというふうに私は理解しております。
  57. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、今度の関税に対して農林部会が、牛肉、オレンジを含めて柑橘類等について決議するなんといううわさもあるわけでありますが、そういうこと自身は誤った方向である、それほど影響のないものを大げさに取り扱っているのだ、こういうふうにもなると理解をするわけですが、その程度のものであると解釈していいですね。
  58. 塚田実

    塚田説明員 お答えいたします。  農業団体が非常な不満なり懸念を示しましたのは、この関税の前倒しの決定の手続でございます。事前に農業団体には相談がなかったという、その決定の手続に不満がありまして、そういうことが自由化についても行われれば事はきわめて重大であるというような角度から、そういうものはまた一部決議でも出てこようということで私は理解しております。
  59. 沢田広

    ○沢田委員 いまの答弁は、農林委員会においても同じような答弁が行われるものと解釈してよろしいですね。
  60. 塚田実

    塚田説明員 そのとおりでございます。
  61. 沢田広

    ○沢田委員 続いて、こういうことで措置をしてそれぞれ努力を払ってきて、外務省もそれぞれPRをし、それぞれの国に説得をしてきた。ところが今日の段階では、さらに一括方式というようなことも含めて、政府もこれから何とかしなければならぬのではないかということを、それぞれ報道紙は報じているわけであります。これからそれじゃ何をやろうとするのか。積み上げ方式はだめだ、米商務長官等の発言の中では、とにかく一括で貿易摩擦の解消をやってもらわなければ困る、こういうことが言われているわけであります。これについては次に考えられる措置というのは、相手側が求めているものはどんな形なんですか、それから、日本政府考えているものはどんな形のものなんですか、その二つをお答えいただきたいと思います。
  62. 垣水孝一

    垣水政府委員 関税につきましては、少なくとも現状まででは精いっぱいなことをやったわけでございますので、先ほど申し上げましたように、今後十二月までかかってできるものがあればもちろんやることにやぶさかではございませんが、東京ラウンド等の申し合わせを大きくはみ出さないようなことを考えながらいきたいと思いますが、そのほかの点については、私ども、まだどういうことをやるということについてコンセンサスができていないと思っております。
  63. 沢田広

    ○沢田委員 外務省はどうですか。
  64. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  私どもの承知しておりますところでは、三十日に経済対策閣僚会議が予定されているとのことでございまして、そこの場におきまして外務大臣から訪米の御報告がなされると承知しているわけでございます。そういうような過程を踏まえながら、これからの対応大臣の御指示も仰ぎながら考えてまいりたいと考えているところでございます。
  65. 沢田広

    ○沢田委員 対応はゼロから百まで、あるいは百五十までということになりましょうが、百以上は一応除外して、ゼロから百という分量でいきますと、この関税法案貿易摩擦を解消する役割りというのは何%ぐらいで、貿易摩擦を全面的に解消するために必要な、全部やるわけにはいかないでしょうけれども、どの程度役割りを次に担っていると考えているわけですか。印象で結構です。この関税貿易摩擦の解消の程度は何割程度であるか。それから、次の措置を講ずることによって何割程度解消するか。一〇〇%というのは恐らくないと考えますが、その点で、関税でも外務省でもいいですが、お答えいただきたい。
  66. 垣水孝一

    垣水政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、私どもは十二月の段階では半分あるいはそれ以上、感じということでございますので、それ以上のことをやったと思っておりますが、そのうちにアメリカ、EC等の景気がますます悪くなるというようなこと、それから先方のいろいろな政治情勢等もございまして、むしろ向こう要求自体がふくれた感じでございますので、ただいま幾らかという感じはちょっと私はつかみかねております。
  67. 沢田広

    ○沢田委員 こういう努力をしている間に相互主義法案が十何本も出てくる。それはそれぞれの州の実態、産業構造の違いあるいは民族的なものもあるでしょうし、あるいは技術のおくれというようなものもあるでしょうし、いろいろな理由はあるでしょうが、そういうものが出てきているということは、PRが悪かったのか、この関税だけの貿易体系としての手順が十分でなかったのか、相手要求が独善過ぎるのか、この三つのうちのどれに属するわけですか。この相互主義法案がたくさん出てきたというものは。
  68. 佐藤嘉恭

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、アメリカ議会におきましてはかなり多くの法案が出ているわけでございますが、おとといでございましたか、二十四日にダンフォース法案公聴会がまずあったわけでございます。  これらの法案がどういう背景で出てくるかという御質問かと理解いたしますけれども、やはり現在のアメリカ経済の置かれている非常に苦しい立場、州によって、地域によって違いますけれども、全体として一千万に近い失業者を抱えているというきわめて困難な経済状況というものを背景にし、かつ日本からの輸出というものが目に見えた形で存在しているというような背景から、それぞれの議会の方々が法案を提出しているのではないかと観察しております。
  69. 沢田広

    ○沢田委員 これは答弁にならないのだけれども、それはいいです、しようがない。  そこで、では日本関税アメリカと比較してどうなのか。ECと比較してどうなのか。その点についてはどういう見解をお持ちですか。
  70. 垣水孝一

    垣水政府委員 関税率の比較というのはいろいろなとり方がございまして非常にむずかしいわけでございますが、端的に申し上げますと、たとえば関税収入と総輸入額との比率、総輸入額の中で関税を幾ら取ったかという比率で見ますと、現在米国、ECもそろっております数字で申しますと、一九七九年度でございますが、日本が三・一、米国が三・九、ECが三・九という数字になっております。なお、米国、ECの数字はございませんが、一九八〇年では日本はその数字が二・五になっております。
  71. 沢田広

    ○沢田委員 これは総量を加重平均か何かした数字だと思うのでありますが、いわゆる品目別に日本関税が高いのか相手関税が安いのか、その点を明らかにしなければ、結果的には日本が閉鎖的なのか開放的なのかその目安はつかないわけでありますから、幾つかの例を挙げながらそれは明らかにしていく必要性があると思います。  そちらにお持ちかどうかわかりませんが、乗用車がどうか、カメラがどうだろう、チョコレートはどうだろう、いま問題になっているビスケットはどうだろう、オレンジはどうだろう、牛肉はどうだろうか、そういうような程度のものだけでも、とにかく挙げて、日本とEC、それからアメリカとの相関関係を一応お聞かせいただきたい。
  72. 垣水孝一

    垣水政府委員 いま先生が言及されました物を中心に申し上げますと、牛肉わが国の現行税率が二五%でございます。これが米国では従量税になっておりますが大体二・三%、ECは二〇%でございますが、その二〇%のほかに実は課徴金がかかっておりますので、二〇%プラスアルファで、日本並みないしはそれ以上になっているのじゃないかと思います。それからエビは日本では三・八でございますが、米国は無税、ECは九・三から二〇%というふうに非常に高くなっております。  オレンジは、日本は季節関税で六月から十一月までが二〇%、十二月から五月までが四〇%でございますが、米国は三・七%、ECは非常に細かくなっておりまして、四月が一三%、五月一日から十五日までが六%、五月十六日から十月十五日までが四%、十月十六日から三月三十一日までが二〇%ということになっております。
  73. 沢田広

    ○沢田委員 その辺でいいです、時間の関係がありますから。あとは、主要な品目日本アメリカとECとどういう格差を持っているのか、書類でお配りいただきたい。特にウイスキーなどでは、アメリカが二・九%に対して日本が四〇%、ECでも一三・六%というような状況もありますから、若干手直ししなければならない物もあるのじゃないかと言われている物もあると思います。コンピューターなども日本は九・一七%、アメリカは四・九%、ECは六・二%というようなことですから、なお改善をしなければならぬ余地はどうもあるような気がいたします。  しかし、いずれにしても、われわれが関税を議論する場合に、相手は開放的なのか閉鎖的なのか、それらを勘案しつつ、そのバランスをとっていくことが大切なことだと思いますので、これは追って資料として配付をしていただいて、なお今後の参考にしたい。委員長からお取り計らいをいただきたい、こういうふうに思います。  続いて、時間になりましたから次の問題にまいりますが、農産物の影響が少ないということで農林省はお答えになりましたけれども、後ろの方からもさっき、牛肉、オレンジ反対だなんという声が聞こえたくらいでありまして、この牛肉の問題については、畜産事業団等の貸借対照表等も拝見いたしますと若干問題なしとしませんけれども、先般の畜産審議会かなんかでも、また去年どおり価格据え置きということで決めたようであります。この間ある委員からもいろいろ質問がありましたが、牛肉などは三倍というようなことで、東京が一〇〇に対して、ニューヨークで四五、パリで八一、ロンドンで七三、ハンブルグでは八九、ちょっと高いかなという気がするのですが、こういうような数字で、日本の食事代が高い。  これだけでも若干質問したいことがあるのですが、外国の食事はエンゲル係数としては非常に低い、ところが日本のエンゲル係数は高い、こういう傾向があるわけであります。ですから、日本の食事代というものがわれわれの給与の中に占める割合を非常に多くとっている。その分だけ可処分所得が別な方向へは行かない分野を持っておるわけでありますが、そういう意味において、畜産事業団が牛肉を一括購入をして一括販売をしている。まあ結論まで言ってしまいますが、貸借対照表だけで拝見をいたしますと、一括購入して、高い肉を買っている国民に何らかの措置をもって還元をする分野があってもしかるべきではないかという気がいたします。農家の方々に、えさあるいは生産者補給、あるいは乳製品の補助、いろいろ農業対策をやられていることは結構なことだと思います。しかしそれはそれなりにして、資産の部に有価証券で四百一億もあり、棚卸し資産として五百七十億も持っている。それだけで合わせても九百七十一億ある。五十六年三月末で二百二十一億の純益金も持っている。しかも借入事業の分でもそれぞれ収入があるし、繰入金で六百四十五億ある。こういうようなことで相当収入がある。肉は高い。その半額程度は減税などに回すとか国民に還元をして、全体の国民が肉を高く買って、それが農家の方に行っているわけでありますから、農家の方だけでその利益を受けるのも正当ではない。国民全般にもその益金を及ぼしてもらうということも当然であろう、こういうふうに考えますと、少なくとも二分の一程度、四百億ぐらいは戻し減税で肉を買ってくださいとやるとか、あるいは生活保護世帯の方々だけにでも安い肉を提供するとか、あるいは身体障害者の方だけにやるとか、いろいろあると思う。  方法はいろいろあると思うが、とにかく畜産事業団でもうけている総額の中で、ある一定部分は国民に還元されてしかるべきものではないか、こういうふうに考えます。これは農林省関係でありますが、その点の考え方についてお答えをいただきたいと思います。
  74. 鶴岡俊彦

    ○鶴岡説明員 牛肉の価格につきましては、生産面で規模の拡大でありますとかそういうことで生産性の向上も進んでおりますし、また流通面でも部分肉でありますとか枝肉で流通をさせるというようなことで、安定的に日本牛肉価格は推移しています。  いま先生指摘のように、生産構造が基本的に違いますアメリカとか豪州に比べましては三倍とか倍とかいうふうになっておりますけれども、いまジェトロの調査で御指摘がありましたように、EC諸国との間ではかなりそれらの国の価格に接近していけるという時を迎えております。  私ども、基本的には牛肉政策の目的というのは、全体的なコストを低下させることによって安定的に国民牛肉を供給していくということにあろうかと思います。そういうことからいきますと、一般会計の予算におきましても、また事業団の牛肉の益金収入におきましても、そういう方向によってトータルとしてのコストを低減していく、あるいは安定供給に努めていくということが、生産者のみならず消費者、一般国民にとって最も基本的なことではないかということで、そういう方向に使っておるわけでございます。  ただ、それとともに直接消費者に還元しますという意味で、牛肉の値下げルートでありますとかあるいは特別販売事業等の施策につきましても相当の部分をつぎ込んでいるわけでございますけれども、何分牛肉の益金につきましても限度がありますし、それを有効的に使っていく。直接消費者に還元しますと、その効果が一時的になる、あるいは場合によっては不公平になるというようなこともございまして、基本的には、そういう消費者の直接還元ということも念頭に置きながら、生産のコストの低減あるいは流通コストの低減に使っていくのが国民的に最も効率的なのではないかという方向でやっておるわけでございます。
  75. 沢田広

    ○沢田委員 だから、農林省の答弁を聞いていても、そんな程度しか出ないのだろうと思うのだが、いわゆる大所高所に立って考えれば、いま高い肉であるから、それは下げなさいと言えば、日本の畜産業者に影響を及ぼす。だから及ぼさないで一定の価格をつくるのだから、それによって得た収入は、今度は国民一般に還元される。方法はいろいろあるだろうけれども、その二分の一程度国民に還元されるという方向をとることは妥当な考えではないのかということで、これは大蔵省政務次官、どうですか。そういう考え方が妥当じゃないか。畜産事業団だけでもうけていて、牛肉の一括購入で、独占企業でもうけて、そのもうけた分をある一定限度国民に還元をするということは当然至当な考え方ではないのか。それだけ高い肉を日本国民は食うているのですから、その食うている人に何らかの形で還元される。還元の方法はいろいろあるでしょう、そう言っておるのですが、その点いかがですか。
  76. 山崎武三郎

    ○山崎(武)政府委員 畜産振興事業団で得た利益を畜産農家に還元する方法がいいのかあるいは国民に還元する方法がいいのか、きわめてむずかしい問題をはらんでいるだろうと思うし、一概には言えなかろうというふうに思います。
  77. 沢田広

    ○沢田委員 考え方として、これは畜産農家の方へ出してはいけないなんて言ってない。いままでどおり出して結構です。しかし、余った分の二分の一程度国民に還元をしてもいいんじゃないのか、あるいは円高でもうかるときもあるし、あるいは損するときもあるから、もうかったときぐらいは国民に還元をする。方法は別です。方法はこれから詰めなければならぬだろうけれども、畜産事業団だけの措置ではなくていいのではないかということで一歩踏み込んで、これはいわゆる内部留保金だけで処理しないで、もっとオープン化したものにしていくべきではないか。さっきもちょっと肉の安売りデーなんということを言っているわけですから、そういうことも含めながら消費者の国民に還元をする、こういう必要性はあるんじゃなかろうか。もう一回お答えをいただきたい。
  78. 鶴岡俊彦

    ○鶴岡説明員 先ほどの答弁の繰り返しになるかもわかりませんが、消費者に牛肉を安く供給するというのは私ども政策の大きな課題だと思っておりますし、益金の相当部分を直接消費者対策あるいは流通対策にも使っております。  先ほど申しましたように、基本的に生産面の合理化を進めていくということが長い目で見て消費者あるいは国民のためになるということで、決して消費者のことを別に置いて益金を使っているわけではございませんので、そういう方向で今後とも進めていきたいと思っております。
  79. 山崎武三郎

    ○山崎(武)政府委員 牛肉等については関税が二五%かかっておりますし、このことは一般会計へ入っていますから、その分は国民に還元されているというふうな理屈は成り立つだろうと思う。しかし、畜産振興事業団で得た利益をどのように云々するかということについては、相当慎重に考慮すべき問題であろうというふうに思います。
  80. 沢田広

    ○沢田委員 もう少し勇気のある政務次官かと思ったのですが、案外消極的なのでがっかりしたのでありますが、よく貸借対照表等を見て、これはこのままでいいと私は言っているわけですから、ただ棚卸し資産に載っているものをどう処分するとか、あるいは利益と上がったものについて一部国民に還元を考えたらどうか、こう提言しているわけですから。きょうはこのぐらいにします。  それで、大変きょうの審議その他を通じていろいろと問題になりました年度末手当の問題に若干触れます。  これでそれぞれおいでになっていただいておりますが、郵政も大変時間的な制約があるようでありますし、専売もそれぞれ制約がある、電電もそれぞれある、こういうことであります。とりあえず郵政、専売、要するに、いま財政再建をやっておるときでありますから、これは国鉄も含めてでありますが、それぞれが努力をしなければならぬ時期であることは十分わかるわけであります。その努力をするがゆえに、いわゆる諸手当というようなものを削減することによって再建することが可能となるのかどうかということを考えますと、かえって労使の摩擦を激化するだけであって、正常化を害し、かえって大きな目的を失う、鹿を見て山を見ずということわざに類することになるのではないかと思うのであります。時間の関係もありまして、日にちも期限も切れかかっているわけであります。それぞれ、この問題に対応して正常な労使関係を継続的にするためにも、それぞれの分野で、大蔵省のいる前で、大蔵省がいろいろ難癖をつけているようでありますが、そういうことは意に介せず、そういう大乗的な立場に立って、どう対応なさろうとしているのか、それぞれ御見解を承りたいと思います。
  81. 西井烈

    ○西井説明員 御説明いたします。  御質問の年度末手当につきましては、組合からの要求書の提出を受けまして、私ども、慎重に検討しつつ、目下労働組合と交渉中でございます。年度末手当のうち、いわゆる業績賞与の部分につきましては、御案内のとおり、大蔵大臣の承認を得て支給できる、こういうことになっておりまして、この部分につきましては、目下関係当局と協議中でございます。  郵政省といたしましては、事業の現状を見ますと、本年度は、郵便事業につきましても予定を上回る増収がございますし、また事業全般につきましても順調に推移しておるというようなことでもございますので、私どもといたしましては、労使関係等も考慮しながら、昨年並みの支給率で支給したいという考え方で、目下関係当局と鋭意折衝中でございまして、できるだけ早い機会結論を得まして解決を図りたい、こういうふうに考えております。
  82. 丹生守夫

    ○丹生説明員 御説明申し上げます。  現在、労働組合と交渉中でございますが、いま郵政の方からお話しございましたように、年度末のうち業績手当につきましては、私どもの今年度の業績見込みを考えますと、収入におきまして予定より相当上回る見込みがございます。同時に、支出につきましても、かなりの節減が行われる見込みでございます。職員の能率の向上というようなことの成果かと思います。昨年度に引き続きまして、業績手当につきましては〇・四カ月お願いしたいということで、大蔵省と調整中でございます。
  83. 吉井浩

    ○吉井説明員 私ども国鉄の場合には、最も問題も多く、始終御迷惑をかけておるわけでございます。この年度末手当の問題につきましては、ただいま各公社、現業からお話がございました。私どもも、何とか経費の節減に努めるということで、昨年並みもしくは公務員並みということをお願いしたいと思っておるわけでございます。  しかしながら、今回の現状はさらに厳しいということで、先生も御承知のように、現在再建計画ということで、今年度は運輸大臣から御承認をいただいた計画の初年度である、その中で、特に私ども天下にお約束いたしております一万二千人の合理化という大きな目標があるわけでございまして、この目標を達成しないで手当だけをお願いするというわけにはまいらない。現在、その一万二千人の合理化折衝がいよいよ大詰めを迎えました。昨夜あたりも徹夜でさらに詰めをしておるという状況でございまして、もう日もあとわずかでございますけれども、これについて確たる見通しを得た上で関係当局に御承認方をお願いしたいということでございまして、まだ具体的なお願いをいたしておらない、こういう状況でございます。
  84. 沢田広

    ○沢田委員 時間がありませんので、それぞれが従来の協約、慣行あるいは今後の再建方向に向けて、大蔵省も含めながら、これが不測の事態を生ずることのないように最大限の努力をしてもらうことを要請しまして、あと一言だけ言って、私の質問を終わります。  実は、これは投書的なものがあったわけであります。文部省が来ておられると思うのですが、横浜市の戸塚の方に六万坪の土地を明治学院大学が購入をして、私学振興資金から二十三億貸し付けを今年度末に出すということなんだそうでありますが、理事の中から反対で背任罪とかなんとかで告発というようなことも、いま出てきている状況にあるようであります。しかもその資金計画は百八十億くらいに及んでいるわけでありまして、果たして各金融機関、これは銀行局長にも関係するわけでありますが、三井から三菱、大体十社くらいから、現在九・七五くらいの金利で金を借りている。果たして学校に担保能力があるのかというと、子供がいるわけですから、差し押さえはできない。結果的には、担保能力としてはきわめて低い。それにもかかわらず、相当莫大な貸し付けが行われている。しかも理事の中からは、東急不動産との間に立った人たちのいろいろな黒いうわさも出ているというようなことでありますから、銀行局の方においても、不良債権であるかどうか、それの御検討をいただきたい。  それから、同時に私学振興資金。これも国民の税金であります。二十三億なんという莫大な金が出ていくことを、去年も見送られて、今年度は実施をする。しかし、申告の中にはうそがあるというような状況で、一つの例としては、二千坪くらいは全然できていないものを、できているというかっこうで申告をしているということも言われております。こういう時期でありますから、やはりこういう問題の取り扱いについては、より慎重に取り扱っていただきたい、こういうふうに願っております。  以上の点について、今後どのように処置なされるか、それぞれお考えを聞いて質問を終わりたいと思います。
  85. 坂元弘直

    ○坂元説明員 お答え申し上げます。  背任罪の問題につきましては私ども関知はしておりませんけれども、私学振興財団が貸し付けを決定するまでの間には、内部的な理事会、評議員会等の決定を得たということを確認いたしまして、最終的に貸付基準面積と現有面積との関係、それから担保能力の関係、それから純資産に対して貸付枠が三〇%を超えないかどうかというようなことを慎重に判断いたしまして、今月の初めに十九億三千四百万を年度末に貸すということを決定いたしております。  この大学の、戸塚の方に教養部を移す総計画というものは百三十七億の計画でございます。そのうち、財団から七十三億を借りたい。これは年次計画で行いますので、そういう計画でございますが、私どもとしましては、担保能力等があるかないかということを十分吟味して、今後とも慎重に対処してまいりたいと考えております。
  86. 宮本保孝

    ○宮本(保)政府委員 いま初めて伺ったケースでございますが、私ども、ちょっと学校の方を調べるわけにいきませんけれども、一般的には、厳重な審査のもとに金融機関が貸していると思います。ただ、具体的にまた文部省等から事実を把握いたしまして、調査いたしてみたいと思います。
  87. 沢田広

    ○沢田委員 時間ですから、以上で終わります。
  88. 森喜朗

    ○森委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  89. 森喜朗

    ○森委員長 速記を始めてください。  この際、申し上げます。  本日の関税暫定措置法の一部を改正する法律案の採決に当たっては、日切れ法案であることその他の事情に基づき、特に大蔵政務次官の出席をもって採決いたしますが、これは前例としないことにいたします。  これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  関税暫定措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  90. 森喜朗

    ○森委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  91. 森喜朗

    ○森委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、大原一三君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。沢田広君。
  92. 沢田広

    ○沢田委員 ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。  本法律案の審査の過程におきまして、東京ラウンド合意の一律二年分繰り上げ実施等により影響を受ける農林水産業、中小企業に対する対策、農畜産物輸入問題に関する対応、今後の貿易摩擦問題についての外交交渉のあり方、通関制度の簡素化の推進等について、特に熱心な論議が交わされたところであります。  本附帯決議案は、これらの論議を踏まえ、政府においてこれら諸問題の対処に万全を期するよう要請しようとするものであります。  個々の事項の趣旨につきましては案文で明らかでありますので、その説明は案文の朗読によってかえさせていただきます。     関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、左記事項について配慮すべきである。  一 今回の関税率の引下げに伴い、国内産業への影響を十分考慮し、特に農林水産業、中小企業の体質改善を早急に図る等その対策に万全を期すること。  一 農畜産物輸入問題の取扱いについては、国内生産農家への影響に配慮しつつ正常な貿易関係を維持するとともに、国民生活の安定に寄与するよう努めること。  一 今後更に激化する貿易摩擦問題の交渉及びガット閣僚会議等における検討に当たっては、自由貿易の原則にのっとり、円滑な国際経済関係を維持するよう外交上の対応に十分配慮すること。  一 関税率の設定に当たっては、産業の近代化等その実態を考慮し、整合性が保たれるようその調整に努めること。  一 税関職員の業務の多量化、複雑化に伴い、通関手続きの簡素化を更に進めるとともに、監視制度を重点的に充実するよう努めること。 以上であります。  何とぞ御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  93. 森喜朗

    ○森委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  94. 森喜朗

    ○森委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。山崎大蔵政務次官
  95. 山崎武三郎

    ○山崎(武)政府委員 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。     —————————————
  96. 森喜朗

    ○森委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 森喜朗

    ○森委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  98. 森喜朗

    ○森委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案について、来る三十一日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 森喜朗

    ○森委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る三十一日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十分散会