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弓削田政府委員 何点かの御質問があったわけでございます。
最初の炭価問題でございますが、
先生御
指摘のとおり、本年七次答申が本決まりになりまして、必要な合理化法の延長等もなされました。そういう意味におきまして、
先生おっしゃるとおりことしは重要な時期だというふうに私
ども実は考えているわけでございます。御
案内のとおり国内炭の炭価につきましては、
石炭鉱業合理化臨時措置法の中で毎年
通産大臣が
石炭鉱業審議会の
意見を聞きながら、
石炭の
生産費、
石炭の輸入価格あるいは
石炭以外の燃料の価格等を参酌しながら決定をしていく、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、五十七年の基準炭価の決定に当たりましても、御
指摘のありました七次答申の趣旨を踏まえながら、賃金あるいは採炭コストの動向、海外炭価格の動向等と合わせまして国内炭の需給動向等を考慮しながら、
石炭鉱業の収支改善と国内炭の需要確保、こういう観点もあわせ考えながら基準炭価を決定してまいりたい、実はかように考えているわけでございます。
お尋ねの炭価決定の時期の問題でございますが、現
段階でいつだということは明示できないわけでございますが、実は先週の金曜日にも需給・価格部会の専門
委員会を開きまして
関係者の
意見を徴したところでございまして、私
どもとしてはできるだけ早い
機会に基準炭価を決定したい、こういうふうに考えておりますので、御
理解いただきたいと思います。
それから二点目に、灯油価格と暖房炭との関連の問題等につきましての御質問が実はあったわけでございますが、灯油の小売価格は総理府小売物価統計
調査によりますと、東京の区部におきましては一缶、これは十八リッターでございますが、配達料込みの価格で、昨年十月以来この七月まで千七百四十円というラインで推移をしてきているわけでございまして、一方、札幌市などでは六月まで千六百五十円、こういう前後で推移してきている現状でございます。
なお、大部分の石油元売り会社におきましては、七月下旬から八月にかけまして六千八百円から七千円、これはキロリッター当たりでございますが、この値上げを各特約店に通告いたしたわけでございますが、果たして今回の値上げが末端の価格にどう影響していくか等につきましては、現在流通
段階におきまして値決めの
交渉が進行中でございます。現
段階では、まだはっきり申し上げることが実はできないわけでございます。
灯油価格と関連をいたしまして暖房炭がどうだという問題でございますが、暖房炭の需要はいまから十年前、
昭和四十八年度当時で
年間百四十万トン
程度の需要が実はあったわけでございます。以後、灯油の場合は御
案内のとおり非常に使用に当たっての利便性があるということで、灯油の進出に押されまして毎年暖房炭の需要は減ってまいりまして、五十七年度の見通しは四十五万トン
程度、こういうふうな数字になっているわけでございます。価格面では確かに暖房炭価格は灯油の価格に比較いたしまして三分の一
程度でございますが、それでもなおかつ先ほど来申しておりますように、灯油の価格の変動いかんにかかわらず暖房炭の需要は減っているということでございます。こういうような最近におきます暖房炭の需要動向からいたしましても、私
どもとしては、今後果たして暖房炭需要が灯油価格等の上昇につれてふえてくるのかどうか。これまでの傾向を見ますと、どうもその辺、そういうような
状況にないんじゃないかというふうに実は考えているわけでございます。
それに関連しまして、暖房炭の供給の方でございますが、五十六年度で暖房炭の
生産量は五十一万トンでございまして、そのほか
一般炭に転用されているものもございますので、従来は減り続けておりますが、若干ふえることがあっても、いまの
生産量で暖房炭の需要につきましては十分賄えるんじゃないか、かように考えている次第でございます。