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1982-04-02 第96回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十七年四月二日(金曜日) 午前十時三十一分
開議
出席委員
委員長
川俣健二郎
君
理事
工藤
巖君
理事
渡辺
秀央君
理事
池端
清一
君
理事
木島喜兵衞
君
理事
柴田 弘君
理事
横手
文雄
君 今井 勇君
木村武千代
君
木村
守男君 笹山
登生
君 田村 良平君
高橋
辰夫
君
近岡理一郎
君
戸井田三郎
君
三ツ林弥太郎
君
阿部
未喜男君
田中
恒利
君
福岡
義登君
草野
威君
薮仲
義彦君
野間
友一
君 林 百郎君
石原健太郎
君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
国土庁長官
)
松野
幸泰君
出席政府委員
国土庁長官官房
審議官
川俣
芳郎君
委員外
の
出席者
北海道開発庁地
政課長
大窪 敏夫君
科学技術庁研究
調整局地震予知
研究調整官
成松 佑輔君
国土庁長官官房
防災企画課長
楢崎 泰道君
国土庁長官官房
震災対策課長
小松原茂郎
君
文部省管理局教
育施設部指導課
長
福岡純一郎
君
文部省管理局教
育施設部助成課
長 逸見
博昌
君
厚生省環境衛生
局水道環境部水
道整備課長
田中
収君
農林水産省構造
改善局建設部防
災課長
吉川 汎君
通商産業省機械
情報産業局産業
機械課長
見学
信敬
君
通商産業省生活
産業局日用品課
長 坂本 春生君 中小企業庁小規
模企業部参事官
熊澤 正光君
運輸省港湾局防
災課長
浦江
恭知
君
気象庁予報部長
期予報課長
渡辺
正雄君
気象庁観測部地
震課長
山川 宜男君
労働省労働基準
局監督課長
岡部 晃三君
建設省河川局防
災課長
狩野
昇君
建設省道路局企
画課長
萩原
浩君
建設省住宅局建
築
物防災対策室
長
梅野捷一郎
君
建設省国土地理
院地殻調査部長
藤田 尚美君
自治大臣官房参
事官
鶴岡 啓一君
消防庁震災対策
指導室長
松田 有弘君
日本国有鉄道旅
客局サービス課
長 佐野 実君
日本国有鉄道施
設局土木課長
村上 温君
—————————————
委員
の異動 四月二日
辞任
補欠選任
阿部
昭吾
君
石原健太郎
君 同日
辞任
補欠選任
石原健太郎
君
阿部
昭吾
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
昭和
五十七年
浦河沖地震
による
災害
について説
明聴取
災害対策
に関する件(
浦河沖地震
問題)
派遣委員
からの
報告聴取
————◇—————
川俣健二郎
1
○
川俣委員長
これより
会議
を開きます。
災害対策
に関する件について
調査
を進めます。 まず
最初
に、
昭和
五十七年
浦河沖地震
による
災害
について、
政府
から
説明
を聴取いたします。
国土庁川俣審議官
。
川俣芳郎
2
○
川俣政府委員
五十七年
浦河沖地震
による
災害
につきまして、その
被害状況
及び
政府
として現在講じつつあります
対策
について御
説明
申し上げます。 三月二十一日十一時三十二分ごろ、
北海道浦河
町
西方沖
二十キロメートル、深さ十キロメートルの海底で、
マグニチュード
七・三の
地震
が発生いたしました。
各地
の
震度
は、
北海道浦河
で
震度
六の
烈震
、
小樽
、
苫小牧
、
札幌等
で
震度
四の中震であり、その他広い範囲にわたって
地震
動があり、また、
北海道
、
東北地方
の
太平洋岸
で小
規模
な津波が
観測
されました。 三月二十九日十五時現在の主な
被害状況
は、
死者
、行方不明はございませんで、
負傷者
百六十九名、
うち重傷者
二十名、
全壊
十二棟、半壊十九棟、一部損壊六百七十二棟となっております。また、
道路
につきましては
国道
二百三十五号線で、
鉄道
につきましては
国鉄日高本線
で一部が
不通
となり、その他
各地
で
停電
、
断水等
が発生いたしました。 本
災害
に対処するため、
北海道
庁に
北海道地震災害対策連絡本部
を、
浦河
町ほか七
市町
に
市町災害対策本部
を設置し、
消防機関
による
防災活動
、
北海道警察
による
災害警備活動
、
自衛隊
の
災害派遣
を行うなど、万全の
応急対策
を講じたところであります。
政府
におきましては、
関係省庁
において係官を
現地
に
派遣
し、
被害状況
、
復旧工法
の
調査
を行い、また、三月二十三日及び三月三十日には
災害対策関係省庁連絡会議
を開催し、
被害状況
の把握に努めるとともに、諸
対策
について協議をいたしました。 これまでの
復旧
の
状況
及び今後の
対策
は、以下に申し上げるとおりであります。 まず、交通、通信、
公共施設等
の
復旧
についてでありますが、
停電
、
電話回線
の
不通
につきましては、直ちに
復旧工事
を行い、
地震発生
の翌日二十二日には
復旧
をいたしました。
断水
につきましては、
自衛隊等
の
給水車
により
応急給水
を実施する一方、
復旧工事
を急ぎました結果、三十日までに
全面復旧
をいたしました。
国鉄日高本線
の
うち
、現在
不通
の区間については鋭意
復旧工事
が進められておりまして、
静内
−
浦河
間は四月五日、
浦河
−様似間につきましては四月下旬を
めど
に開通を図ることといたしております。
国道
二百三十五号の
うち
、現在
不通
の
静内橋
につきましては、鋭意
応急復旧
が進められておりますが、四月中旬を
めど
に
小型車
の
通行
の
確保
を図ることといたしております。 以上のほか、被災した
道路
、
港湾
、
漁港等
の
公共土木施設
、
農業用施設
、
公立学校施設
、
社会福祉施設等
につきましては、
応急復旧
を行いますとともに、
現地
の
体制
が整い次第、できる限り速やかに
災害査定
を実施し、
早期
に本
復旧
を行うことといたしております。 次に、
被災者等
に対する
援助
であります。
住宅被災関係
につきましては、
住宅被災者
に対する住宅金融公庫によります
災害復興住宅資金
の
貸し付け
を行うことをすでに決定いたしております。
中小企業関係
につきましては、
被災中小企業者
に対し、
政府系中小
三
機関
によります
災害復旧貸し付け等
の
措置
を行うことといたしております。 また、
地方財政
上の
措置
につきましては、
被害状況
を把握し、
財政状況
を勘案の上、
地方債
、
特別交付税等
の
措置
を
検討
することといたしております。 今後とも、今回の
地震
による
災害
につきましては、
関係省庁
間の密接な
連携
をとりまして、その
対策
に万全を期してまいりたいと考えておるところであります。 以上でございます。
川俣健二郎
3
○
川俣委員長
これにて
説明
は終わりました。
—————————————
川俣健二郎
4
○
川俣委員長
次に、去る三月二十九日、
昭和
五十七年
浦河沖地震
による
被害状況調査
のため
北海道
に本
委員会
から
委員
を
派遣
いたしましたので、
派遣委員
から
報告
を聴取いたします。
工藤巖
君。
工藤巖
5
○
工藤委員
調査
のため、議長の承認を得て、三月二十九日
北海道
に
派遣
されました
派遣委員
を代表いたしまして、
調査
の概要を御
報告
申し上げます。 当日の
調査
に参加いたしましたのは、
川俣委員長
を初めとして、
日本社会党
の
池端清一
君、公明党・
国民会議
の
草野威
君、民社党・
国民連合
の
横手文雄
君、
日本共産党
の
野間友一
君、新自由クラブ・
民主連合
の
阿部昭吾
君、そして私、自由民主党の
工藤巖
の七名でありました。なお、
関係省庁
からも同行を求めまして、
現地
の
被害
の実情をつぶさに
調査
してまいったのであります。 まず、
地震
の
発生状況
について申し上げます。 去る三月二十一日午前十一時三十二分、
北海道浦河
町沖の
西方
約二十キロの地点で
地震
が発生いたしました。
気象庁
の
観測
によりますと、その
規模
は
マグニチュード
七・三で、震源は浅く、深さ十キロであったとしております。
各地
の
震度
は、
浦河
町において
震度
六の
烈震
を記録したのを初め、
小樽
、
苫小牧
、
札幌等
で
震度
四、また、
北海道
のほぼ
全域
並びに
東北地方
においても強い
地震
に見舞われました。 次に、このたびの
地震
による
被害
の
状況
並びに国や地方自治体の
対応
につきましては、ただいま
政府
から
説明
がございましたので、この際省略させていただきますが、一言申し上げるならば、
死亡者
がゼロであったことと、
地震
による二次
災害
として一番恐れられている
火災
が起こらなかったことが、不幸中の幸いであったと思います。 次に、
視察
いたしました
個所
の
現況
について、
視察
の順序に従って御
説明
申し上げます。 まず初めに、
静内
町から申し上げますと、
国道
二百三十五号における地割れ、
陥没等
の
被害
は、まさに今回の
地震
の強さを見せつけられる思いでありました。 特に、
静内橋
は、
橋脚
の八基中六基に
損傷
の
被害
を受け、その中でも
静内
町側から三番目の
橋脚
の
損傷
は特にひどく、斜めに
亀裂
が入り、
横揺れ
によるずれが見られる
状態
でありました。これらの
破損部分
については、
政府
では、
仮設橋脚
を設け、
復旧作業
に取りかかり、とりあえず四月中旬には
小型車
は
通行
できるようにし、その後、
完全復旧
に努めたいとしております。 現在の
車社会
において、
地元
の
方々
にとっての
生命線
ともいうべき
基幹国道
が
不通
となり、
迂回路
として十五キロの
山回り
を余儀なくされております。緊急を要する車両や、間もなく始まる新
学期
を控え、遠距離を迂回しなければならない小中学生の
送迎バス
などのことを考えますと、一日も早い
復旧
が望まれるところであります。 次に、三石町について申し上げます。 まず、三石
漁港
についてでありますが、ここでは
護岸胸壁
が傾斜し、
岸壁
の
エプロン
が陥没いたしておりました。 続いて、三石小学校につきましては、
木造平屋建て
の校舎である教室の壁は崩れ落ち、
窓ガラス
は割れ、トイレに至っては
天井
や壁が崩れ落ちまして、足の踏み場もない
全壊
の
状態
でありました。また、同敷地内にある
校長住宅
に至っては、やっと家屋の原型を保っている
状態
であり、床は波打ち、内部の壁、ふすま、
天井
も崩れ落ちておりました。
教育施設
の
被害
を見るにつけ、今回の
地震
が日曜日で児童のいなかったことに不幸中の幸いを感じるとともに、新
学期
には速やかに授業が開始できるよう、万全な
措置
を講ずることが望まれるところであります。 引き続き、
スポーツセンター
について申し上げますと、体育館の床が
すり鉢状
に沈下し、
全面張りかえ
が必要と思われました。ここにおいても
地震
の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。 次に、
浦河
町に入り、
浦河
町大通五丁目の常盤町
商店街
を
視察
いたしました。 そこは二階あるいは三階
建て
の建物がずらり並んだ
商店街
で、ある家は大きく傾き、またある家は外壁が崩れ落ち、ショーウインドーが壊れてベニヤ板で
応急
処置してある
状況等
から、このたびの
地震
の激しさをうかがい知ることができたわけですが、なお店内を見せていただいた
建築資材店等
では、家の柱が折れ、商品が散乱し、まさに
震度
六を証明しているかのようでありました。 こうした
被災商工業者
に対しまして、一刻も早く
低利
かつ
長期
の
融資
の必要を感じた次第であります。 続いて、
浦河
港について申し上げますと、ここでも三石
漁港
と同様、
護岸壁
が大きく傾き、また、
埠頭エプロン
の
中央部分
が沈下し、大きな段差や
亀裂
が生じておりました。 これにつきましても、その利用に際しての安全の
確保
と
施設機能
の
回復
の面からも、一日も早い
復旧
が望まれるところであります。 以上、
被害
の
現況
について述べてまいりましたが、
地元
の
日高町村会
、
日高総合開発期成会
からは次の七項目の
要望
がございましたので、この際、御
報告
させていただきます。 一、
国道
二百三十五
号静内橋
の
早期復旧
と
応急
仮
橋等
により、
国道
の
通行
可能な
措置
を早急 に実施されたい。 二、
公共施設災害復旧事業
の
全面採択
と
早期施
行を実施されたい。 三、
被災住宅
の
復旧
に対する
長期低利
の
融資措
置を講ぜられたい。 四、
被災商工業者
に対する
長期低利
の
融資措置
を講ぜられたい。 五、
浦河測候所
の
機能整備
と
地震予知体制
を確 立されたい。 六、
国鉄日高本線
を
早期
に
復旧
されたい。 七、
特別交付税
、
地方債等
による
地方財政対策
を講ぜられたい。以上であります。
最後
に、
現地調査
を終え、
現地
で感じましたことを申し述べたいと思います。 まず初めに、今回の
地震
で最も特筆すべき点は、戦後三度目と言われる
震度
六の
烈震
であったにもかかわらず
死者
がゼロであり、また、
火災等
の二次
災害
も発生せず、その
被害
を
最少限
に食いとめたことであろうと思われます。これは、
日高地方
が
地震
常
襲地帯
であり、
地域住民
が日ごろ徹底した
防災訓練
を積み重ねるとともに、
町当局
においても、
新築住宅
には筋交いを多く使用する等の
耐震構造
にするよう指導したり、
防災
に関する小冊子を配布したり、いわゆる
町ぐるみ
の
防災体制
をとってきた成果であり、この
地震
が残した
教訓
は今後の
防災面
に生かされなければならないと思います。 次に、
地震予知体制
についてでありますが、
政府
では、今回の
浦河沖地震
が発生した
地域
は
地震予知連絡会
による
指定地域
に含まれていないので、同
連絡会
における専門的な
検討
を経て、その結果を踏まえ、適切な
対応
をしたい、また、
マグニチュード
七・三クラスの
地震
はその
発生機構等
が十分に解明されていないので、その
予知
はきわめて困難であるとしております。しかしながら、今回のような
地震
がもし大都市に近いところで起これば甚大な
被害
が避けられないということにかんがみ、
政府
は積極的にこの問題を
検討
すべき時期に来ていると思います。 第三に、
被災者等
に対する
財政金融
上の
措置
についてでありますが、今回の
地震
による
被災地
は、昨年の八月にも台風十五号により大きな
被害
をこうむったところであります。したがって、
現地
ではたび重なる
被害
で過重な負担が強いられている
現況
にかんがみ、
政府
は、
被災自治体
に対する
特別交付税
の
交付
並びに
被災者
に対するより
長期
で
低利
な
災害復興貸し付け等
についても特段の配慮をすべきであると思います。 以上、
現地
を
調査
いたしまして感じました点を申し上げましたが、これらの点につきましては、
現地
からの
要望事項等
ともあわせまして、今後十分
検討
し、適切なる
措置
を講ずる必要があると思います。 なお、
政府
におきましても、
現地
の
要望
につき、その実現に最大限努力されるようお願い申し上げます。
最後
になりましたが、
被災地住民
の
生活
が一日でも早く
回復
されるよう切望するとともに、日夜
復旧活動
に当たられている
関係者
の御労苦に深く敬意を表し、感謝申し上げまして、私の
報告
を終わります。(拍手)
川俣健二郎
6
○
川俣委員長
以上で
派遣委員
の
報告
は終わりました。
派遣委員各位
にはまことに御苦労さまでございました。
—————————————
川俣健二郎
7
○
川俣委員長
本日は、特に
浦河沖地震
問題について
質疑
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
高橋辰夫
君。
高橋辰夫
8
○
高橋委員
質問に先立ちまして、今回被災されました
地域
の
方々
に心からお
見舞い
を申し上げます。また、
災害対策特別委員会
の
委員長
を団長とする
調査団
がいち早く
現地
を
視察
してくださいましたことに対して、深く感謝申し上げる次第でございます。また、わが党においても
現地
に
視察団
を
派遣
をいたしまして、つぶさに
視察
をしてまいった次第でございます。 三月二十一日に
北海道全域
と
東北
、関東を襲いました
浦河沖地震
は、
マグニチュード
七・三という強大なものでありました。
浦河沖地震
は、
北海道
では初めて、全国的にも戦後三度目という
震度
六を記録し、
札幌
、帯広、
苫小牧
市などでも
震度
四を記録いたしました。ちょうど私もそのとき
苫小牧
市の
自宅
におりまして、あの
苫小牧
市で
震度
四でございましたが、一瞬、樽前山が噴火したのかというような気持ちにもなり、私の
自宅
でもテレビが十四、五センチずるというような
状態
でございました。 当日は
現地
とも
電話連絡
がとれず、ようやっと十二時前後に
現地
の
方々
と電話することができました。私は次の日、二十二日に
浦河
町に参りまして、被災された町内をつぶさに
視察
をし、お
見舞い
を申し上げたような次第でございますが、このたびの
被害
は、
負傷者
百六十九名、
うち
十八名の
重傷者
がございます。
被害住宅
が七百三棟、
うち全壊
が十二棟、
被害総額
は五十六億六千六百万円にも上るものでありますが、
浦河
町に関して言えば、不幸中の幸いといいますか、一人の
死者
もなかったということであり、また、一件の
火災
も出していないのでございます。当日の
新聞報道
によれば、東京が同
規模
の
地震
に襲われたとすれば、
死者
は三万六千人、二十三区の三二%が焼失するだろうと言われております。
密集地帯
でないとはいえ、
住民
の
方々
の冷静な行動というものが
被害
を
最小限度
にとどめたと言えるであろうと思います。
浦河
町を中心とする
被災地帯
は、御承知のとおり、昨年の夏には二、三度の
集中豪雨
、暴風雨により大変な
打撃
を受けたところであり、かつまた、二年連続の冷害を受けたところでございます。十日間に近い余震が続いておりまして、その間、
被災住民
は本当に不安におののいておったと言っても過言ではございません。被災された
住民
の
方々
に報いるためにも、国が手厚い保護の手を差し伸べてもらいたいと念願する次第でございます。 まず、
国土庁長官
に、今回の
地震災害
に対する決意をお伺いいたしたいと思います。
松野幸泰
9
○
松野国務大臣
お答えいたします。 今回の
地震
は
マグニチュード
七・三の大きな
地震
であったにもかかわらず、
死者
、行方不明がなく、
地震
につきものの二次
災害
としての
火災
もなく、
被害
が
最小限
にとどまったことは、不幸中の幸いであります。このような
被害
が
最小限
にとどまった大きな理由として、
住民
が
十勝沖地震等
の過去の
地震
の経験にかんがみ、
防災訓練等
を通じて、
地震
が起きたときにはまず火を始末するなど、
地震
に対する心構えが十分できていたことが挙げられると思います。私といたしましては、この
教訓
を今後の
地震対策
に十分生かしていくとともに、今回の
地震被害
につきましては、
関係省庁
との密接な
連携
のもとに、
被害者
に対する
援助
、
施設
の
復旧等
、その
対策
に万全を期してまいりたいと考えております。
高橋辰夫
10
○
高橋委員
まず
最初
に、
公共災害
からお聞きをいたしたいと思います。 今回の
公共災害
の中で、
公共土木施設
の
被害
と、その
復旧対策
にどのように取り組んでおるのか、お伺いしたいと思います。 特に、
浦河港等
の
地方港湾
の
調査
、
査定
を速やかに行ってもらいたいと思いますが、いつごろ判明するのか、お伺いをいたしたいと思います。
狩野昇
11
○
狩野説明員
お答えします。 まず、
被害
の
状況
でございますが、三月二十一日に発生した
浦河沖地震
による
建設省所管
の
公共土木施設
の
被害額
は、三月三十一日現在の
報告額
で、
直轄災害
では
静内橋
を含む
国道
二百三十五号線にかかわるもの八億円、
補助災害
にかかわるものについては
河川
、
道路等
八億円、合計約十六億円となっております。 次に、
復旧対策
でございますが、
直轄災害
にかかわるものは、
静内橋
について
橋脚
の
復旧工事
を進めており、五十七年度内に全体の
復旧工事
を完了させる方針でございます。
補助災害
につきましては、
被害個所
の
うち
緊急に
復旧
を要する
個所
は
応急復旧工事
を行う等の
措置
により
工事
に着手し、また、
早期復旧
を図るため、
被災地方公共団体
の
準備
が整い次第、早急に
査定
を実施する予定でございます。 以上でございます。
浦江恭知
12
○
浦江説明員
浦河
港の
被害状況
につきまして御
説明
申し上げます。 現在までの
調査
によりますと、今回の
地震
によりまして、
浦河
港の
被害
は、
外郭施設
であります防波堤と、
係留施設
であります
岸壁
や
物揚げ場
に発生しております。その
被害額
は約八億円
程度
ではなかろうかと推定しております。
災害復旧
についての現在までの進みぐあい、今後の
対応
でございますが、民生安定上
早期
に
港湾施設
の
機能回復
を図る必要から、
現地
におきます
準備
が整い次第、四月中を目途に実施することを考えております。また、
災害復旧
につきましても、その
調査
結果に基づきまして
早期復旧
のために努力してまいりたいと思います。
高橋辰夫
13
○
高橋委員
ただいまの
静内橋
のことも、今月中旬には何とか通したいというようなことがございましたが、
日高管内
は橋梁が非常に多いわけなんですけれ
ども
、その中で
静内橋
が
被害
をこうむったというような
状態
でございます。この橋は四十七年完成ですから、十年たった橋がこういう
状態
になったということは、私も橋の
状態
を見てみましたが、この橋の
復旧
というものが、一体今後
地震多発地帯
におけるその
地震
に耐えられる補修ができるかどうか、その
工法
を研究して
復旧
に当たっておるのかどうかということをお伺いいたしたいと思います。
萩原浩
14
○
萩原説明員
お答え申し上げます。
先生
御
指摘
のように、
国道
二百三十五号線は
日高
の
海岸線
を結ぶ唯一の
幹線道路
でございます。この
幹線道路
の中の一つの
静内橋
が、今回の
浦河沖地震
によりまして非常に大きな
被害
を受けてございます。八基あります
橋脚
の
うち
、三基についてはかなり大きな
破損
、その他の三基については比較的軽微な
損傷
を受けてございます。したがいまして、現在、
歩行者
及び自転車を除き
通行
どめになっておりまして、
地域
の
方々
に多大の御迷惑をおかけ申し上げて、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。 本橋の
応急復旧
につきましては、先ほ
ども
総括の御
説明
にございましたように、致命的な
被害
を受けました第三番目の
橋脚
のそばに
仮設橋脚
を設置いたしますと
小型車
が通せる、こういうふうに考えております。それを四月中旬までに行いまして、四月中旬には
小型車
が
通行
できるようにいたしたいと思います。 本格的な
復旧
につきましては、
被害
の大きい三基の
橋脚
につきまして
橋脚
を取り除いた後に新たな
橋脚
を設置するなどの
措置
を行いまして、あるいは軽微な
損傷
にとどまったものにつきましては補強を行うなどの
工法
によりまして、五十七年度中には全体の
復旧
を完了いたしたい、こういうふうに考えてございます。 ただいま
高橋先生
から御
指摘
がございましたように、あのように大きな
被害
を受けるということについて
一体復旧工法
あるいはその他の問題はないのかという御
指摘
でございますが、確かに私
ども
は、今度の橋の一部が致命的な
破壊
を受けたということにつきましては非常に大きな
ショック
を受けております。
構造物
といたしましては、大体二百
ガル
の
水平加速度
を受けるということを想定いたしまして設計いたしました橋でございますが、今回は
現地
から七十キロほど離れております広尾町で二百ないし三百
ガル
の
水平加速度
が作用したという
強震計
の記録がございます。したがいまして、
予想
よりはかなり大きな
水平加速度
が作用したということが言えるのでございますが、この
程度
の
予想
よりオーバーするような力によりまして壊滅的な
破壊
を受けるというようなことは、ちょっと考えられないことでございます。軽微な
損傷
は確かに受けますが、このP3に見られますような壊滅的な
打撃
を受けるということについては、非常に私
どもショック
を受けまして、部内で技術の
検討グループ
を設けまして、懸命にこの問題点について解明をいたしたいと思っております。それを本
復旧
の設計にも反映させたい、このように考えておる次第でございます。
高橋辰夫
15
○
高橋委員
このたびの
地震
というものはそういう結果があるわけでございますが、個人的な
災害
が非常に大きな
状態
でございます。
公共災害
の
被害
は二十四億円であるのに対して、住宅の
被害
の三億五千万円と商工業の
被害
の十二億円、合わせて十五億五千万円という個人
災害
の
被害
が大きな割合を占めておるわけでございまして、それが今回の
災害
の特色でもあろうかと思います。 そこで、住宅
被害
を受けた
被災者
に対して住宅金融公庫による
災害
復興住宅の資金
貸し付け
を行ったと聞いておりますが、その概要をお伺いいたします。
梅野捷一郎
16
○梅野
説明
員 お答えいたします。 私
ども
といたしましても、
被害
の実情の把握に努める一方で、いま
先生
から御
指摘
ございましたような住宅の
被害
に対する
復旧対策
の
検討
を進めていたわけでございます。住宅の
被害
が金融公庫の
災害
復興住宅の資金
貸し付け
の発動条件に該当するということが判明いたしましたので、直ちに同
貸し付け
の適用をすることを住宅金融公庫に対しまして指示したところでございます。 この
災害
復興住宅の資金
貸し付け
といいますのは、一般の住宅
貸し付け
に比べまして幾つかの点で有利な条件でお手伝いしていこうということでございます。たとえば、利率は一般の住宅
貸し付け
が五・五%というものに対しまして、
災害
復興住宅は五・〇五%ということでございます。また、貸付限度額につきましても、
北海道
地域
におきます場合には、一般の場合には木造で五百七十万円、耐火構造で六百七十万円ということでございますが、この対象になりますと、木造では五百七十万円が七百三十万円、耐火の場合には六百七十万円が八百四十万円というような限度額になるわけでございます。また、償還関係の条件も、年限そのものは変わりございませんが、三年以内という据え置き期間をつけております。 そのほか、補修につきましても似たような有利な条件でございまして、利率は六・〇%を五・〇五%、
貸し付け
の限度額も二百七十万円を三百六十万円というような条件のものでございます。 この
災害復興住宅資金
の
貸し付け
というものを発動しろということで、先ほど申し上げましたように住宅金融公庫に指示をしたわけでございますが、早速その
準備
に取りかかりまして、三月二十六日までに
地元
の
町当局
に対する御
説明
とか罹災者の
方々
に対する周知方というような
準備
を進めまして、現在この
貸し付け
の
準備
を終えておるという
状況
でございます。
高橋辰夫
17
○
高橋委員
北海道
では八百四十万円にしてもらいましても、これはもう手の届くところではございません。特に先ほ
ども
調査団
からも
報告
があったわけでございますけれ
ども
、
防災訓練
を徹底してやって、それが
被害
を
最小限度
にとどめたというようなことでもございますし、そういった
全壊
等の建物に対しては、これは規定がございましょうけれ
ども
、もう少し弾力的な運用をして、今後そういった
地震
に対処できるような住宅を
建て
るように金利等も十分ひとつ考えていただきたいと思います。 次に、中小企業に対する
措置
でございますけれ
ども
、
被災中小企業者
対策
として、国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫の
災害
貸し付け
がございます。この金利は八・二%になっておるわけでございますが、特に私は
北海道
で有珠山
対策
委員長
をやりまして、当時福田総理にも直訴いたしまして閣議で特別な
措置
をしていただいたわけでございますけれ
ども
、今度の
被害
は商工業者の個人
災害
が大変大きな
状態
でございましたので、これらの商工業
対策
としてさらに低い金利の
融資
を行うことを考えているかどうかをお伺いいたしたいと思います。
熊澤正光
18
○熊澤
説明
員 お答えいたします。 中小企業庁といたしましては、現在、
被害状況
の
調査
をいたしますとともに、すでに
先生
から御
指摘
ございましたように、三月二十五日に
政府系中小
企業金融
機関
でございます中小公庫、国民公庫によります
災害
貸し付け
を発動しますとともに、商工中金につきましても
被災中小企業者
に対する
融資
条件の緩和を実施いたしております。この
災害復旧
貸し付け
につきましては、その実施に当たりまして既往貸付金の返済についても弾力的に対処するという
措置
をあわせて行うことになっております。 また、同時に、三十日、三十一日に、
被災地
におきまして
政府
系三
機関
の支店も参加いたしまして
被災中小企業者
の金融相談を実施いたしまして、どの
程度
の資金が必要かというようなことにつきまして
調査
して、現在取りまとめ中でございます。
先生
御
指摘
のさらに
低利
の
融資
制度を実現できないかという点につきましては、こういう
地域
的に大きな事故が起こる場合に備えまして中小企業体質強化資金助成制度がございまして、これは都道府県と国とが協力いたしまして、
災害
等がございました場合に経営等が不安定になっております中小企業者に対しまして
低利
の
融資
をするということで、基準金利につきましては昨日から七・四%でございますけれ
ども
、一%
程度
の引き下げもできることになっておりますので、
地元
北海道
庁の意向も酌みながら鋭意
検討
をしてまいりたいというふうに考えております。
高橋辰夫
19
○
高橋委員
次に、医療
施設
並びに社会福祉
施設
の
復旧
についてでございますけれ
ども
、公的医療
機関
は
災害
補助が二分の一ありまして、私的医療
機関
は特別
融資
のみであります。これを
早期
に優先的に
貸し付け
てもらいたいと思いますし、また、償還期限の延長等の
措置
は考えているのかどうか。 次に、老人ホーム、福祉センター等には、一般補助扱いではなく、
早期
査定
による速やかな国庫補助を考えてもらいたいと思いますが、これに対してお伺いをいたします。——それでは、別の課長さんが来ていますから、ひとつ十分な
対策
をしてもらうように言っておいてください。本当は通告してあるのですから、当然来ておると思ったのでありますけれ
ども
……。 次に、水道関係でございますが、一週間
断水
をして、
自衛隊
の出動で給水を非常に効率的にやっていただきました。水道は御承知のように
生活
に不可欠な問題でありますけれ
ども
、
浦河
町は早いのは
昭和
二年に管を埋めたというふうに言っておりますが、そういったことで大変管が割れたりひびが入ったりというようなことで
断水
になったわけでございます。これらの今後の水道の
復旧等
についても
災害
に強いものが考えられてしかるべきだと思うが、そのような方法はあるのかどうかをお伺いいたしたいと思います。
田中収
20
○
田中
説明
員 かなり水道の
施設
は耐震的であるということが水道法の方でも規定されておるわけでございますけれ
ども
、水道のパイプは地中に埋設してございますので、
地震
が来ますと
被害
を多少とも受けるわけでございます。特に新潟
地震
の場合には大きな
被害
を受けましたし、宮城沖
地震
の場合も大きな
被害
を受けております。したがいまして、それらの経験を経まして、その都度耐震
工法
の基準というものを改善してきておるわけでございます。また、水道用の資機材の面につきましても改良が進められておりまして、水道
施設
の耐震化につきましては、
工法
並びに資機材の面からかなり強化が図られているわけでございます。 しかしながら、先ほどおっしゃいましたように、
浦河
町の
施設
は布設年次が比較的古いものが多うございまして、そういう意味で漏水
個所
が約百五十カ所ほど生じまして、
地震発生
後完全に
復旧
いたしましたのが三十日の夕刻、十日目、その間は部分的に
断水
して
応急給水
活動をしたわけでございますが、
復旧
に際しましては新しい資機材を使い、新しい耐震
工法
を用いて
復旧
すべきものであるというふうに考えている次第でございます。 以上でございます。
高橋辰夫
21
○
高橋委員
今後とも、水道
復旧
あるいは水道の管を埋めることについて、十分ひとつ方法を講じていただきたいと思います。 先ほど
調査団
からも
報告
がありましたように、
公立学校施設
の
被害
というものは部分的、
地域
的にも大変ひどいところがあったわけでございますけれ
ども
、その
災害復旧
事業にかかわる国庫補助の実態をひとつお伺いいたしたいと思います。
逸見博昌
22
○逸見
説明
員 御
説明
いたします。
公立学校施設
の
復旧
につきましては、
公立学校施設
災害復旧
費国庫負担法に基づく補助を行うわけでございますが、いまのところ、四月中旬までに設置者の方から
災害復旧
事業計画書が提出される予定でございます。これを受けまして、四月下旬までに
現地調査
を行い、引き続き速やかに所要の
措置
をとる、こういう手順でございます。
高橋辰夫
23
○
高橋委員
次に、
地方財政対策
でございますけれ
ども
、
被災地
方の公共団体は、税の減免、徴収猶予等による減収に加え、
災害対策
のための特殊財政需要が大変増大し、財政運営に影響を与えることが
予想
されるわけでございます。これらの問題に関連して、
特別交付税
、
地方債等
による財源
措置
の用意はあるかどうか、また、国民健康保険の保険料の減免が
予想
されるが、特別調整
交付
金の
交付
について考えているかどうかをお伺いいたしたいと思います。
鶴岡啓一
24
○鶴岡
説明
員 今回の
災害
に関係します地方団体の財政
措置
の関係でありますが、まず、
特別交付税
につきましては、省令の定めるところによりまして、公共
災害復旧
事業費、罹災世帯数、損壊家屋数、それから農作物
被害
面積、
死者
、行方不明者等、あるいは
災害
救助費の額等に応じまして従前から所要の額をそれぞれ
措置
してきているところでありまして、今回の
災害
につきましても、関係地方公共団体の
被害状況
あるいは
財政状況
を勘案しまして適切に対処してまいりたいと考えております。 また、地方団体が実施いたします
災害復旧
事業につきましては、
災害復旧
事業債を各省の
災害査定
等と合わせながら実施してまいりたいと思っております。
高橋辰夫
25
○
高橋委員
交通
対策
としてお伺いいたしたいのでありますが、先ほどの
説明
で
日高
本線の
復旧
の見通しがございましたが、その中で、
浦河
地区は四月下旬になるようなお話でございました。現在は
浦河
の高校は春休み中でございまして、いまバス運行をやっておりますけれ
ども
、学校が始まればバス運行を増発しても大変混雑をするような
状態
にあるのじゃないか。特に
浦河
高校では、新入生を含めて生徒九百九十五名の
うち
三分の一に当たる三百二十名が汽車通学の予定であり、始業式が四月八日、入学式が四月九日に迫っているわけでございますけれ
ども
、こういった
状態
からすると、バス運行でも一般利用客にも大変迷惑をかけることになるわけでございまして、昨年も
集中豪雨
で
長期
間
不通
であったような
状態
でもございます。特にそういう通学生
対策
もあるわけでございますから、一日も早い開通を望むわけでございますけれ
ども
、先ほど
報告
されましたより早く
復旧
ができるかどうかをお伺いをいたしたいと思います。
村上温
26
○村上
説明
員 お答えいたします。
日高
本線でございますが、三月二十一日の
地震
で線路、それから橋梁、トンネル、建物等で約百四十件
被害
がございました。鋭意
復旧
に努めまして、
静内
までは翌日すぐ開通をいたしましたし、それから
浦河
までは、先ほど国土庁から御
説明
がありましたように、四月五日の新
学期
からということで鋭意努力をしておりましたが、幸い進捗
状況
が非常によく、一部徐行
個所
を残してはおりますが、実は昨夕遅く開通することができました。
浦河
から様似までの間でございますが、この間は橋梁が四カ所ばかり壊れておりまして、現在、橋梁の改築をやっております。一応四月下旬という見通しはほぼ確実と思われますが、一日も早く
復旧
をしたいというふうに考えてございます。 それから、輸送につきましては、担当の旅客の方から御
説明
いたします。
佐野実
27
○佐野
説明
員
先生
御
指摘
の新
学期
の輸送でございますけれ
ども
、高校生の登下校に合わせましてできる限り増便をして対処するということで、開通までの間、
対応
してまいりたいと思います。
高橋辰夫
28
○
高橋委員
農業用施設
の問題でございますけれ
ども
、私も
浦河
、三石町を回っていろいろ
調査
したのでありますが、
農業用施設
の暗渠排水は、現在
被害
として
調査
もできませんし、また、
報告
もありません。これが農耕期になれば、水を入れて通らなかったとか、あるいはそれらの
被害
というものが出てくると思うわけでございますけれ
ども
、この
被害
報告
並びに
復旧
方針をひとつ。この春先、
北海道
はまだ雪が降っておりまして、それが農耕期になって出てくると思いますけれ
ども
、その
復旧対策
に対してどう考えておるかをお伺いしたいと思います。
吉川汎
29
○吉川
説明
員 お答えいたします。 今回の
地震
による
農業用施設
の
被害額
といたしまして、
北海道
庁から、四月一日現在におきまして
農業用施設
三十四カ所、四億一千五百九十万円の
報告
が出ております。ただいま御
指摘
のとおりまだ積雪もございますので、さらに道庁と密接な連絡のもとに
被害
の実態把握に努めるとともに、御
指摘
のとおり今春の作付等に支障を来さないように、事前に点検を行うとか、あるいは
早期
に
復旧
するべきものにつきましては
早期
に
対応
するというようなことで、強力な指導をしてまいりたいというふうに思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
高橋辰夫
30
○
高橋委員
最後
に、
地震
観測
体制
の整備についてでございますけれ
ども
、釧路周辺の道東
地域
が
地震予知連絡会
の特定
観測
地域
に指定されておるわけでございますが、どうも聞いてみますると
浦河
周辺はその指定が困難であるというようなことも聞いておるわけでございます。いろいろ規約、規制等から言うと何か大変むずかしいようなことを言っておりますけれ
ども
、要するに、
浦河
町はそういう
防災体制
を整えて訓練をしておったということで、今回人命もあるいは
火災
もそういう
被害
がなかったということにいたしましても、そんな規制からああでございます、こうでございますなんと言わずに、やはり、ここでは戦後三回大きな
地震
を経験をいたしておるわけでございますから——
地震
予知
なんということは私は非常にむずかしいと思います。私は噴火のときもいろいろ調べてみましたけれ
ども
、
予知
なんということははっきり言ってでき得ません。人間の生命の終局を
予知
できるのかということと同じことですから、それは
住民
に日ごろ
防災
というものに対してそういったことを植えつけておくことで
被害
が
最小限度
になるとするならば、そんな規定を度外視をしてこの
地域
を指定すべきだと私は思いますけれ
ども
、それについてお答え願いたいと思います。
藤田尚美
31
○藤田
説明
員
説明
いたします。 この
地域
の周辺では、一九五二年
マグニチュード
八・一の十勝沖
地震
、一九六八年
マグニチュード
七・九の十勝沖
地震
が相次いで発生しております。この
地域
周辺の地殻エネルギーは相当量解消しているというふうに考えられております。したがって、この
地域
で
マグニチュード
八クラスの巨大
地震
が発生する可能性は低いと見られております。また、この
地域
の陸上部では活断層がほとんどないというような理由によりまして、特定
観測
地域
の指定基準、四つございますが、そういう基準に照らしますと
地域
指定からは外れるという事情がございます。 昨日、
地震予知連絡会
の特定部会を開催いたしまして、その場で、今回の
浦河沖地震
に関する学術的
検討
とともに、
地域
指定についても専門的な見地から
検討
を加えました。その結果、今回の
浦河沖地震
が
マグニチュード
八クラスの巨大
地震
に結びつく可能性は低いであろうという結論を得ました。 しかし、この
地域
には、
北海道
大学で微小
地震
観測
網及び地殻変動
観測
所を設置しております。さらに、今回を契機にしまして、臨時に
地震
観測
網を展開しております。国土地理院でも、今年度早々に水準測量百十キロを実施いたします。今後も各種の
地震
観測
を強化するということで各
機関
の一致を見ました。同
地域
を特定
観測
地域
に指定するというまでには至りませんでしたが、実質的には特定
観測
地域
に準じた
観測
、測量を行っていきたい、こう考えております。
高橋辰夫
32
○
高橋委員
そういった四つの条件なんとか言わずして指定していただくようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
川俣健二郎
33
○
川俣委員長
この際、関連
質疑
の申し出がありますので、これを許します。
渡辺
秀央君。
渡辺秀央
34
○
渡辺
(秀)
委員
同僚議員の
浦河沖地震
に際しての質問の関連の一環として、この際、国土庁、建設省に考え方をお聞きいたしておきたいと思います。 いままでの質問の中にもるる出ておりましたとおり、まず、この
地域
は戦後三回の
地震
に見舞われた、いわゆる
地震
危険
地域
と言える
地域
であろうと思います。全国何カ所かこれらに相応する
地域
があるわけでありますし、また、非常に日ごろの日常
生活
に不安を来している
住民
の皆さん方のことを考え、あるいはまた、その
地域
における経済活動、教育活動等々、いろいろ考えてみた場合に、まず一つとして、公共事業あるいは公共建築物、こういうものに対して、言うならば全国一般平均一律の基準で建築をしたり、あるいはまた、公共事業の
工法
といいましょうか、そういうことで果たしていいのであろうかということが、この際、真剣に考えられなければならないことではなかろうかと思うのです。私も
現地
を自由民主党を代表して
視察
をいたしてきた一人として、あの
現地
の
状況
を見たときに、いわゆる
災害
危険
地域
と想定される
地域
であるにもかかわらず、全く
工法
としては全国並みの、同じたとえば
道路
のアスファルトの厚さであるとか、あるいはまた学校の建築基準であるとかというようなことに、一つの疑問が出てまいったわけであります。 それらのことについて、今後一体これでいいかどうかということをまず一点お伺いを申し上げたいと同時に、先ほ
ども
、中小企業問題を初めとして住宅問題、いろいろ質問が出ておりましたが、言うならば激甚指定なりあるいは局地激甚指定なりという激甚指定基準の問題について、前々から豪雪
災害
においてあるいは地すべり
災害
においてよく言われてきたことでもありますけれ
ども
、この基準の見直しということについて
政府
は一体どう考えておられるか。
災害
が大きければこの基準に当てはまり、
災害
が小さければ当てはまらないという矛盾したこと、しかし、
災害
においては言うならば
被災者
の立場から見れば同じことではないか、あるいはまた、町村の
地域
においてもそういうことは言えると思うのでありますが、それらについて、財政当局との関連性もあろうと思いますけれ
ども
、この際の国土庁あるいは建設省の考え方、あるいは中小企業庁まではいかなくても、その辺のお考え方をただしておきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
川俣芳郎
35
○
川俣政府委員
激甚
災害
の指定基準の見直しについてのお話でございますけれ
ども
、御案内のとおり、
災害対策
には
災害
の予防あるいは
災害復旧
、
被災者
に対する
援助
等々の
対策
があるわけでございますけれ
ども
、これらは原則といたしまして、
災害対策
基本法なりあるいは
災害
関係の諸法令によってこれらの事業を実施する者がその費用を負担するという原則があると思うのでございます。ただ、その原則ばかりを貫きますと、甚大な
被害
を受けた
市町
村等におきましては財政的にも非常に困難が生じてくるというようなところから、実施責任者の費用負担の原則の例外といたしまして、国として
援助
すべきものがあるではないかというようなことで激甚法ができ、また
災害
救助法等があるというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、国として
援助
すべきものについてどの範囲のものを考えるかということになりますが、これはやはり一定の基準というものを設けなければならないということになると思います。そういったことで、激甚法に関連いたしますところの指定基準というものが現在あるというふうに思うわけでございます。現在の指定基準が果たして妥当なものかどうかということにつきましては絶えず
検討
しなければならない、私
ども
もさように考えております。現実に局地激甚につきましても、
先生
方の御理解を得まして、森林
災害
の
復旧
事業に対する補助が局地激甚の対象になっているわけでございます。 ただ、たとえば局地激甚の場合に、
公共土木施設
災害
については、現在、
査定
事業費と当該
市町
村の標準税収入を比較をいたしまして、それを超えるかどうかというところで基準に該当するかどうかを決めておるわけでございますけれ
ども
、これらについてもいろいろ見直しの御意見のあることは十分承知をいたしております。
市町
村の財政力というもの、あるいは地方団体の財政力をどう評価するかという問題とも関連いたすわけでございまして、私
ども
といたしましては、ただいまのお話につきましては
関係省庁
と十分協議をしながら慎重に
検討
させていただきたい、かように考えております。
萩原浩
36
○
萩原説明員
ただいま
先生
の御
指摘
がございました建造物に対する耐力の問題でございますが、御
指摘
のように、
地震多発地帯
とそうでない
地域
につきまして色分けをしました取り扱いを従来はやっておりました。今回問題になっておりました
静内橋
は、実はそういう色分けのもとでやりました設計でございます。ところが、その後研究が進みまして、最近では
地域
の色分けよりも地盤の
状況
が非常に大きく効くということで、地盤の要件をかなり大きく入れた設計に現在はなっておりますが、
静内橋
は当時は別のやり方で、
地域
でやっておりました。したがいまして、先ほど申し上げましたように、あのような壊滅的な
破壊
を受けるということについてはちょっと私
どもショック
を受けておりまして、この事実につきましてはいろいろ
検討
いたしまして、それなりの
対策
を今後講じていきたいと思っておる次第でございます。
渡辺秀央
37
○
渡辺
(秀)
委員
どうぞ御
検討
をお願い申し上げまして、終わります。
川俣健二郎
38
○
川俣委員長
これにて関連を含め
高橋
君の
質疑
は終了いたしました。 午後一時から
委員会
を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時四分
開議
川俣健二郎
39
○
川俣委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。
質疑
を続行いたします。
池端清一
君。
池端清一
40
○
池端
委員
私も、冒頭、今回の
浦河沖地震
によって被災された皆さん方に対し、心からお
見舞い
を申し上げる次第でございます。 さて、今回の
浦河沖地震
は、戦後では三回目の
震度
六という
烈震
でございました。しかし、先ほど御
報告
がございましたように、一人の
死者
もなく、二次
災害
で最も恐ろしい
火災
も発生しなかったということは、日ごろから
町ぐるみ
で
防災
に取り組んできておること、そして
住民
の冷静な行動によるところが大きいと思うわけでございまして、今後の
地震対策
の上でも大きな
教訓
を示したものだ、こう思うわけでございます。備えあれば憂えなしという言葉がございますが、しかし、この備えが国を初めとする行政の施策によってではなくて、もし個人の努力によって多く支えられているとするならば、それは大きな問題があるのではないか、こう思うわけでございます。そういう観点から、まず
最初
に、
地震
予知
の問題について幾つかお尋ねをしたいと思うのであります。 三月二十一日、この
浦河沖地震
の当日でございます、
北海道
大学の
地震
予知
観測
地域
センターによりますと、前震と見られる小さな
地震
が、午前六時三十六分から九時三十三分までの間に計六回
観測
されているのでございます。その
うち
有感
地震
、体に感じた
地震
は午前七時三十五分に発生をしておりまして、これは
マグニチュード
五・一でございました。
浦河
では
震度
三、帯広、広尾では
震度
一、これが記録されているのであります。私
ども
素人目で見まするならば、六回もの
地震
の前ぶれがあったということであるにもかかわらず、今回もその本震が
予知
されなかったというのは、やはりどこかに問題点があるのではないか、こういうふうに思うわけであります。 御承知のように、すでに三十年前の
昭和
二十七年三月四日には十勝沖
地震
が発生をしております。そして、十五年周期で大きな
地震
が起こっておる、こういう
地震多発地帯
、常
襲地帯
であります。また、
地震
の銀座であるというふうに言われておるわけであります。朝方にこのような前震があったにもかかわらず、なぜこの本震を
予知
できなかったのか、その理由は一体那辺にあるのか、その辺の事情についてまず
最初
にお尋ねをしたいと思うのであります。
山川宜男
41
○山川
説明
員 御
説明
申し上げます。
気象庁
では、全国的に
マグニチュード
三クラス以上の
地震
の
観測
を担当しておりまして、
マグニチュード
二クラス以下の小さい
地震
は、大学等の研究
機関
がその
観測
を担当することになっております。
北海道
大学で
観測
されました六回の
地震
の
うち
、ただいま
先生
御
指摘
の五クラスの有感
地震
以外は、いずれも
マグニチュード
が二クラス以下の微小
地震
であったと聞いております。 実は
気象庁
でも、この
うち
大き目の二つほどは
観測
をしたのでございますけれ
ども
、現在の
地震
学の技術水準では、この時点で、これらの
地震
が来るべき大きい
地震
の前震であるという判断はできなかったわけでございます。今回のように
マグニチュード
七クラスの
地震
は、発生機構も前兆現象のあらわれ方もまだ十分解明されておりませんので、残念ながらその
予知
はきわめて困難なのが現状でございます。
池端清一
42
○
池端
委員
重ねて端的にお尋ねをしますが、いまのお答えは、現在の科学技術のレベルでは
マグニチュード
七
程度
の
地震
予知
は一〇〇%不可能、こういうことですか。それとも、
北海道
は東海地方や首都圏に比べて
予知
体制
がおくれているので、今回は
予知
できなかったということなのですか、そのいずれですか。
山川宜男
43
○山川
説明
員
マグニチュード
七クラスの
地震
は、海洋型の巨大
地震
でございます
マグニチュード
八クラスの大
規模
地震
と異なりまして、先ほどの御
説明
でも申し上げましたように、発生機構が十分わかっていないということでその
予知
がきわめて困難でございます。そういう意味では、業務的に
予知
を行う段階には至っていないわけでございます。仮に東海地方のように
観測
網を充実いたしましても、現在の
地震
学の水準では、
防災
に直結するような
予知
を行うことはやはりきわめて困難でないかと考えております。
池端清一
44
○
池端
委員
政府
はそういう言い方をするのですけれ
ども
、
北海道
内の学者や研究者の皆さんは、一様にそういう
政府
の考え方に対して否定的な見解をとっております。はっきり申し上げますが、たとえば
地震予知連絡会
の
委員
でもございます
阿部
勝征北大理学部助教授は、いま
政府
が言われたようなことは決してない、もし東海
地震
並みの
観測
体制
がとられていれば今回の
地震
も
予知
できたということを、明快に言われているのであります。 また、
北海道
大学の
地震
予知
観測
地域
センター長であります島村英紀氏によりますと、これは
北海道
新聞の三月二十九日の論稿で明確に言われておるわけでありますが、「日本の
地震
予知
は、まだ、
マグニチュード
七クラスの
地震
には無力だと言わざるを得ない。これは、研究や手段のおくれ、というよりは、研究
観測
を密な網目の実用
観測
にもっていくための予算上の制約なのである。正直に言うと、
北海道
は、そのなかでも、東海地方や首都圏にくらべて中央の関心は低く、手当てが遅れている。」こういうふうに述べられているのであります。いま言われたように科学技術のレベルあるいは研究のおくれというようなものではない、要は
予知
体制
の問題だ、そのために金も人も惜しんではならない、こう言っているのでありますが、この見解については、それではどのようにお考えですか。
山川宜男
45
○山川
説明
員 たしか
阿部
先生
も
委員
をしておられます
地震予知連絡会
の特定部会というのが昨日開かれまして、そこでもこの問題が議論されたというふうに伺っております。その席上でも
委員
の
先生
方から、今回の
地震
を
予知
できるような前兆現象はとらえていなかったというふうに御発言になったと伺っております。 それで、私
ども
といたしましても、もちろんこの
程度
の
地震
の
予知
も
防災
的に非常に重要であると考えておりますので、
地震予知連絡会
等関係
機関
とも十分協力し合って、こういうものが
予知
できるように、今後も学問、技術水準の向上に努めていきたいと存じております。
池端清一
46
○
池端
委員
いや、学問、技術の水準というものは非常に向上しているのですよ。だから、これらの
先生
方は、われわれの
地震
学の到達の段階ではもうこれは十分
予知
できる、しかし、問題はこの
体制
がおくれていることだ、しかも、全体的には
北海道
は東海地方や首都圏に比べて非常に関心が低い、こういうところに問題があるのだということを言われている。そのことを謙虚に受けとめて行政に反映してもらわなければ、
北海道
民は浮かばれないわけですよ。いや、
北海道
ばかりじゃないのです。
マグニチュード
七
程度
の
規模
のものはいつどこで
地震
が発生してもおかしくないと言われる
地震
列島日本です。そういう
状況
で、いま、あなたのようなそれこそ非常に自信のない態度では、私
ども
としても全く遺憾に思う。このことだけははっきり申し上げておきます。 特に、私から申し上げるまでもなく、
浦河
沖から八戸沖にかけては、太平洋プレートが千島海溝と日本海溝の両方からいわばせめぎ合っているところなんです。そうして地球の中にもぐり込んでいる。ですから、ふだんから
地震
活動が大変活発で、世界でも有数の
地震
多発
地域
でございます。特にこの
浦河
沖というのは、
北海道
では平均年間約三千回の有感あるいは無感の
地震
が発生しておりますけれ
ども
、その
うち
四分の一がこの
浦河
沖で起こっている。まさに
地震
の巣なんですよ。ところが、先ほどの質問にもお答えがありましたように、特定
観測
地域
にもなっていない。釧路、根室、道東は特定
観測
地域
に指定はされているけれ
ども
、この
浦河
沖は全く無防備と言っていい
状況
なんです。研究
機関
があるのは、
浦河
の付近に北大の地殻変動
観測
所がわずかに一カ所あるのみであります。 しかし、先ほど申し上げましたように、一九五〇年代から七〇年代初めにかけて、
マグニチュード
七・四から八・一の
地震
が実に六回も起きているのですよ。その中の大きいのは一九五二年の十勝沖
地震
であり、一九六八年のこれまた十勝沖
地震
。文字どおり十五年周期で来ている。こういうことをとらまえて、
予知
体制
の強化というものが私は焦眉の急であると思うのであります。具体的には、
地震予知連絡会
の特定
観測
地域
に指定して
予知
体制
を強化する考えがないかどうか、この点を改めてお尋ねをしたいと思います。
藤田尚美
47
○藤田
説明
員
説明
いたします。 この
地域
の周辺では、いま
先生
が話されましたように、一九五二年の
マグニチュード
八・一の十勝沖
地震
、一九六八年の
マグニチュード
七・九の十勝沖
地震
というのが続発しております。この
地域
のいわゆる巨大
地震
の平均間隔は八十五年と見られております。それで、一九五〇年代、六〇年代、七〇年代に千島海溝沿いに巨大
地震
が軒並みに起きました。そういうことで、この
地域
周辺の地殻のエネルギーというのは相当量解放されていると見られております。 したがって、きのうの
地震予知連絡会
の特定部会の結論でございますが、いろいろ
検討
いたしました。これには北大の
阿部
先生
も出席されております。それで、いろいろ
検討
した結果、今回の
浦河沖地震
というのが
マグニチュード
八クラスの巨大
地震
に結びつく可能性はきわめて小さいという結論になりました。そして、えりも
観測
所の各連続
観測
についても、注意深い専門的な見地から
検討
が加えられましたが、
長期
的、中期的、短期的な明瞭な前兆現象はございませんでした。そして、そういった結果を踏まえて、指定基準、これは四つございますが、そういったものとの突き合わせで、この
地域
は特定
観測
地域
には該当しないという特定部会の結論になったわけでございます。 しかし、この
地域
には北大のえりも地殻変動
観測
所及び微小
地震
観測
点が九カ所展開しております。これはテレメーターで
札幌
に送られております。さらにこれを契機にして、微小
地震
観測
点十二カ所、これは臨時でございます、それから海底
地震
計、これは各大学共同で四カ所海底に設置いたしました。さらに
強震計
、プロトン磁力計、こういったものを追加してございます。 そういったことで、国土地理院でもこの四月、五月にかけまして
浦河
を中心に水準測量を百十キロ実施するということで、各種の
地震
観測
を特定
観測
地域
並みに強化してやっていきたいというふうに、きのうの特定部会では申し合わせがなされました。
池端清一
48
○
池端
委員
巨大
地震
に結びつく可能性はないということで、いかにも大
地震
が起こらないような言い方をしているのですが、あなた、
震度
六の
烈震
というのは、関東大震災も
震度
六ですよ。関東大震災はあれだけの大
災害
が起こった。今回はたまたま、先ほどからいろいろお話があるように、
住民
の
防災
意識、あるいはすぐストーブの火をとめた、こういう
生活
の知恵とかいろんなことがあって大惨事を招かなかった。不幸中の幸いなことだと思うのです。しかし、巨大
地震
が起きないからいいのだというような、そういう発想ではだめなんだ。
マグニチュード
七
程度
のものはもうしょっちゅう起きる可能性はあるし、特に
浦河
沖はそういう多発地帯だということであれば、やはり今度の経験に照らして
観測
体制
を強化する、そして、特定
観測
地域
並みになんというようなあいまいなことではなしに、これはこの間
委員長
も
地元
で言われておったお話でございますが、やはりこれはわれわれ政治の責任だ、こういう
状況
から特定
観測
地域
というようなふうにもぜひ持っていきたいということをおっしゃっておった。私も全く同感でございます。並みにとか、準じてとかと、あいまいな言葉ではなしに、明確にやったらどうですか。もう一回お尋ねします。
藤田尚美
49
○藤田
説明
員 お答えいたします。 昨日の
地震予知連絡会
の特定部会では、一応の結論は先ほど
説明
したとおりでございますが、この結論は五月二十四日の
地震予知連絡会
の総会に諮るということになっております。そこではっきり最終結論が出ようかと思います。
池端清一
50
○
池端
委員
先ほ
ども
言いましたように、
震度
六の
烈震
というのはあの関東大震災のときの
規模
と同じであります。国土庁にお尋ねをしますが、もしこの
震度
六の
烈震
が東京を襲ったとすれば、今日時点でどのような
被害
が発生したというふうに想定されておりますか。そういうような
調査
等がありましたならば、ひとつ明らかにしてもらいたい、こう思うのであります。
川俣芳郎
51
○
川俣政府委員
浦河沖地震
の
規模
は
マグニチュード
七・三であったわけでございますけれ
ども
、七・三の
規模
の
地震
が都心部に発生をいたしました場合の
被害
がどうなるかということは、残念ながらその
調査
をいたしておりません。おりませんが、大都市、特に南関東地区におきまして関東大
地震
クラスの大
地震
が発生した場合にどのような
被害
が生ずるかということにつきましては、私
ども
も重大な関心を持っておりまして、実は五十六年度、五十七年度の二年度間で、関東大
地震
の
規模
、つまり
マグニチュード
で申しますと七・九、約八でございますけれ
ども
、それと同じ
地震
が南関東に起こった場合の
被害
想定
調査
を現在実施中でございます。これが水道、電気等のライフラインに与える影響、地下街に与える影響、特にいわゆる社会的混乱が
予想
されますが、そういった点に重点を置いて現在
調査
を進めておるところでございます。この結果が出ましたならば、次には
災害
応急対策
システムの再
検討
に取りかかりたいと存じておるわけでございます。 ちなみに、五十三年の五月に、東京都の
防災
会議
が、二十三区区部を対象にいたしまして関東大震災級の
地震
が起こったという想定で
被害
想定をやっておりますが、この
調査
の数字を申し上げてみますと、焼失家屋数で四十七万棟、
死者
三万六千人、罹災者三百五十万人と想定されております。
池端清一
52
○
池端
委員
そういう大変な惨事を惹起する結果にもなるわけでありまして、もう一回、今度の
地震予知連絡会
の総会でございますか、この中で、今度の
浦河沖地震
というものをも
うち
ょっと重視をしていただいて、
予知
体制
の強化、
観測
体制
の強化に努める方向での結論をぜひ私はお願いをしたい、こう思います。これはひとり私、
池端
だけの個人の問題ではなしに、この間
浦河
に
視察
に行かれました皆さん方のお気持ちでもあろうかと思いますので、そういう点を十分体してひとつ御
検討
を賜りたいと思うわけであります。 そこで、
国土庁長官
にお尋ねをしたいわけでありますが、今回の
地震
は、
住民
の冷静な
対応
あるいは大都市と違った町並み、交通量に余裕があった、あるいは家屋が耐震性のものであった、こういうような条件によって、その
被害
は
最小限度
にとどまったわけであります。しかし、私は、これが大都市で起きた場合には、あるいは日曜日でなかったならば、夜間であったならばと、こういうふうに考えた場合、実に慄然たる思いに駆られるわけでございます。したがって、
地震予知体制
を含め
観測
体制
の強化、抜本的にやはり見直す必要があるのではないか。今日、行革が声高に叫ばれておりますけれ
ども
、一たん大
災害
が起きました場合のその
被害
を考えてみると、ここにやはり金や人を惜しんではならない、私はこう思うのであります。 そういう意味での
地震対策
の強化、人的な強化も含めて——聞けば、国土庁の震災
対策
課は十何人かでやっているというのですよ。これで日本の東海沖から首都圏からのあれを全部やるなんということはとうてい不可能であります。人的な配置も含めて財政的な投資を惜しむべきではない、私はこのことを強く求めたいと思うのでありますが、長官の御決意のほどを承りたいと思います。
松野幸泰
53
○
松野国務大臣
政府
の震災
対策
として重要と考えておりますのは、特に東海
地震対策
と大都市震災
対策
であります。
政府
といたしましては、中央
防災
会議
において決定された大都市震災
対策
推進要綱等に基づき、第一に、避難地、避難路の整備、建物の不燃化の促進等による都市
防災
化の推進、第二に、
防災訓練
、自主
防災
組織の充実等による
防災体制
の強化と
防災
意識の高揚、第三に、
地震
予知
の研究の推進に重点を置き、その推進に努めているところであります。
地震
による
災害
から国民の生命、身体及び財産を守ることはきわめて重要なことでありまして、私といたしましては、
災害
担当大臣としてこれまでも震災
対策
の推進について最善の努力をしているところでありますが、今回の
地震
を契機に、さらに科学技術の研究、
災害
予防、国土保全及び
災害復旧
等の各般にわたり、関係各省庁と十分
連携
をとりつつ、
防災体制
の整備に一層の努力をしてまいる所存でございます。 なお、現在、南関東
地域
地震被害
想定
調査
を実施しておりますので、この結果をまとめ、
災害
応急対策
活動システムについて
検討
し、
防災体制
の再点検をいたす予定であります。 また、国土庁におきましては
昭和
五十七年度より
防災
業務課を新設し、
災害対策
時における
対応
をさらに迅速かつ適確に進める
体制
を整備することとしております。
池端清一
54
○
池端
委員
大臣、私は、東海沖
地震対策
あるいは大都市における
地震対策
、これはもうゆるがせにできないと思うのであります。しかし、目がそういうところにばかり向いておって、地方がどうも切り捨てられがちではないか、こういうふうに思うのですね。先ほどから言っておりますように、M七
程度
の
地震
というのは日本列島のどこでもいつでも起きても不思議でないと言われているわけでありますから、東海沖
地震
に対する
対策
ももちろん強化しなければならないけれ
ども
、それぞれの
地域
別にやはりいろいろな問題点があるわけですから、こういう点もきちっと重視をしていくという姿勢を貫いていただきたい、そのために金も人も惜しんではならないよということを申し上げたのですが、くどいようですが、もう一回大臣の決意を聞きたいと思うのです。
松野幸泰
55
○
松野国務大臣
貴重な御意見として、最善を尽くすようにいたします。
池端清一
56
○
池端
委員
大臣はまだ食事もされておらないようですから、私、一応大臣に対する御質問を終わりましたので、どうぞお食事をなさってください。 必ずしも答弁は十分でありません。また改めてこの問題をやることにいたしまして、次の問題に移らせていただきます。 次は、
北海道
日高地方
における
幹線道路
の建設の問題でございます。
日高地方
唯一の幹線ルートであります
国道
二百三十五号線は、御承知のように、昨年夏の
集中豪雨
の際に随所で寸断されました。完全に麻痺したわけであります。あわせて、これに並行して走っております
国鉄日高本線
も
長期
不通
に陥ってしまった。地方
住民
はその足を奪われ、大変
生活
に困窮を来したわけでありますが、今回もまた、同様な
状況
にいま置かれているわけでございます。 そこで、いま
地域住民
から、
幹線道路
をいまの
国道
二百三十五号線のほかにもう一本つくってほしい、どうしてもあの
地域
ではもう一本
国道
クラスの
道路
が必要だ、そうでなければ大変なことになるという切実な声が沸き上がっているという
状況
でございます。具体的には、
日高管内
の門別町から様似町まで約百十キロございますけれ
ども
、既存の道道、町道をつなぎ合わせて
国道
並みに整備をしてほしい、こういう
要望
等がございまして、道議会でもいま
検討
中であります。これについて建設省としてはどういうふうにお考えなのか。もうすでに昨年、ことしと本庁からも皆さんが行かれて、あの
状況
はつぶさに御承知のことでございますので、第二
国道
というのでありますか、第二
幹線道路
といいますか、この建設についての御見解を承りたい、こう思うわけであります。
萩原浩
57
○
萩原説明員
先生
御
指摘
の
日高地方
の内陸部に
国道
二百三十五号線の代替的性格を有します道道というものがとりあえず必要ではないかということにつきましては、
北海道
庁からその概略について聞いております。道道の認定につきましては建設大臣の認可が必要でございますので、道道としての必要性であるとか、現実の
道路
の実態等につきまして
北海道
庁から詳細に
説明
を受けました後に、道道認定の要件を充足するかどうかということを判断いたしたい、こういうふうに存じておる次第であります。
池端清一
58
○
池端
委員
道議会としては、六月の道議会でも道道昇格の議決をするようにも聞いております。建設省はこの問題については前向きに対処してもらいたい。二百三十五号線一本だけが
日高
の
住民
にとっての
生命線
になっておるわけであります。今度のように、
道路
も寸断される、それから国鉄も
浦河
までは開通したけれ
ども
様似まではまだ四月いっぱいかかる、こういう
状況
でございます。したがって、あの
生命線
を
確保
するためにも、
幹線道路
の建設について建設省としては前向きに取り組んでもらいたいということを強く申し上げておきます。 次に、先ほ
ども
ございましたが、
静内橋
の
復旧
の問題でございます。 仮
復旧
をして、四月中旬を
めど
に
小型車
を通す、しかし、
全面復旧
までは約一年間を要する見込みだ、こういうことのようでございますが、も
うち
ょっと具体的なスケジュールについて、私はもっと早めてもらわなければどうにもならないと思うわけでございます。そういう観点から、今後のスケジュール等についてお聞かせをいただきたいと思っております。
萩原浩
59
○
萩原説明員
先生
御
指摘
のとおり、四月中旬を
めど
といたしましてとりあえず
小型車
の交通開放を図るということで、現在作業を急いでおるところでございます。これは先ほどから御
説明
申し上げておりますように、P3、右岸から三番目の非常に
破損
のはなはだしい
橋脚
に仮設の
橋脚
を設置いたしまして、とりあえず
小型車
を開放しよう、こういうものでございますが、引き続き
橋脚
の本
復旧工事
全体を完了いたすには五十七年度いっぱいを要するであろうという見込みでございます。 しかし、完全な全面の
復旧
まで大型車の交通開放ができないかどうかについては、まだ非常に
検討
を要するところでございます。
損傷
の著しい
橋脚
の三基の
復旧工事
をいたしますれば、とりあえず大型車の交通開放はできますけれ
ども
、その
損傷
の著しい
橋脚
三基の
復旧工事
の前にも大型車の交通開放ができないかということで、現在その方策について
検討
しているところであります。私
ども
としては、一日も早く一車線でも大型車の交通開放を急ぎたいということでいろいろ
検討
しているところでございますが、とりあえず
小型車
を通してから、その橋のいろいろなたわみの
状況
とかそういうものを
検討
した上で、はっきりした期日といいますか、予定が立てられるのではないかということで、とりあえず中旬までの
復旧
を急いでおるところでございます。
池端清一
60
○
池端
委員
御承知のように、あの
地域
は日本の七割の軽種馬を生産する
地域
でございまして、いま種つけのシーズンでございます。これからあの悪路によって一頭数千万円もする馬を運ぶということになれば、生産者にとっても大変なことなのであります。そういうことから、決して軽種馬農家の皆さん方だけではございませんが、一日も早い開通をというのが
住民
の悲願でございますので、昼夜兼行とは言いませんけれ
ども
、全力を傾注して一日も早い
復旧
を心から期待をいたしますので、ぜひそのように努力していただきたいということを申し添えておきます。 次に、
被災商工業者
に対する
融資
の問題でありますが、先ほどの御答弁では、
政府
系金融
機関
で
災害
貸し付け
を行っている、しかし、これは利率が八・二%なんであります。これはいかにも高いのであります。なぜ高いか。先ほど同僚
委員
からも御質問がありましたように、激甚災の発動もない、あるいは
災害
救助法その他の発動もないということで利率が高い。これでは、商品をめちゃくちゃにされ、家屋もほとんどいかれてしまった商工業者の皆さん方にしてみれば、浮かばれないのであります。激甚災であるとか、
災害
救助法とか、この発動が前提になるという仕組みは、本
委員会
においても十分
検討
していかなければならないのではないかと思います。 しかし、従来も、激甚災の指定がなくとも、たとえば有珠山の問題の場合、あるいは昨年の五六豪雪の場合、激甚災に準じた金融
措置
を行っているわけでありますから、
被害
規模
が小さかった、
地域
も非常に小さかったといっても、被災された方は一〇〇%被災されているわけでありますから、同様な扱いをすべきだ、これが
災害対策
の基本だ、こう思うのであります。そこで、激甚災に準じた
措置
がとられないかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
熊澤正光
61
○熊澤
説明
員 お答えいたします。 現在、
被災中小企業者
の
被害状況
について、道庁を通じまして
調査
中でございます。先ほど
先生
の御
指摘
がございましたように、
政府
系金融
機関
によります
災害
貸付
融資
を発動いたしておりますけれ
ども
、金利につきましては八・二%、御
指摘
のとおりでございます。そのほかの
対策
としましては、閣議決定によりまして金利を引き下げるという
措置
もございますけれ
ども
、ある
程度
小さい
地域
の
被害
につきましては、中小企業体質強化資金助成制度というのが設けられておりまして、これは都道府県と国とが協力いたしまして、
被害
の実情に応じまして機動的に
対応
するという制度でございます。この金利は今年度から七・四%が標準金利でございまして、そこから一%
程度
は引き下げができるということになっております。現在、
北海道
庁とも御相談いたしておりまして、道庁の資金
状況
がどうなるかという
状況
によりまして、この制度の活用を含めまして所要の
対策
を講じていきたい、かように考えております。
池端清一
62
○
池端
委員
八・二%ではどうにもなりませんので、激甚災に準じた
措置
をこれまでもとってきた経過が幾つもございますので、それらも十分参考にしながら、
被災商工業者
に対する十分な配慮をひとつお願いをしたい、こう思います。 時間が来ましたので、あと
要望
だけにとどめておきます。 公立学校の
災害復旧
。この間も三石小学校を見せていただきました。大変な
被害状況
であります。四月七日の新
学期
には
応急
措置
で何とか間に合うようではございますけれ
ども
、あの際、
川俣委員長
も、この学校で仮に
応急
措置
ができても、授業を再開するということについてはどうかなと、こういう御所見を述べられておりましたが、大変な
被害
の
状況
でございますので、これらの公立学校の
災害復旧
については、文部省としてもひとつ特段の配慮をしていただきたいということを
要望
申し上げておきます。 それからもう一つは、
日高
線の問題であります。先ほどの御
報告
にありましたように、
浦河
まではきのう開通したそうでございまして、本当に御苦労さまでございました。ただ、様似までは四月いっぱいかかるようでありますが、去年も四カ月もの間大変な苦しみを余儀なくされたわけでございますので、これも一日も早い
全面復旧
、全面開通ができるように、国鉄当局の一段の御努力をお願いをしておきたい、こう思います。 そこで、
最後
でございますが、実は前回の
委員会
で、ことしの農業気象の
状況
はどうなるか、農家の皆さん、生産者の皆さんは大変関心を持っているということで、
気象庁
にお尋ねをしましたところ、三月十日にならなければ、ことしの夏の気温の
状況
が判明しないということでございました。もうすでに三月十日を経過しておりますので、ことしの夏の気温の
状況
、農業気象についてどういう見通しを持っておられるか、これをお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
渡辺正雄
63
○
渡辺
説明
員 ことしの夏の気象の見通しということでございますが、お答えいたします。 ことしの梅雨期は、昨年と異なりまして比較的晴れ間が多く、気温は平年並みか、やや高いと見込んでおります。梅雨はほぼ平年並みに明け、夏らしくなりますが、暑さは長続きしない見込みであります。八月は北日本を中心に寒気が入り、このため局地的な大雨のおそれがあると見込んでおります。八月の平均気温は、全般に平年並みか、やや低いと
予想
しております。なお、秋の訪れは早いだろうと考えております。 以上のような見通しでございますので、ことしの夏は、一昨年、
昭和
五十五年のような北日本を中心にした異常冷夏はないだろうと考えております。 以上でございます。
池端清一
64
○
池端
委員
どうもありがとうございました。
川俣健二郎
65
○
川俣委員長
これにて
池端
君の
質疑
は終了いたしました。 次に、
草野威
君。
草野威
66
○
草野
委員
今回の
北海道浦河
沖大
地震
に際しましては、当
委員会
といたしましても、去る三月二十九日に
視察
をさしていただいたわけでございます。
現地
におきまして、時間の許す限り、いろいろな
個所
を
視察
をさしていただきましたし、また、
関係者
からも数々の陳情、
要望
等もつぶさに伺ってまいりました。 〔
委員長
退席、
渡辺
(秀)
委員長
代理着席〕 特に、
最後
の
浦河
町における合同陳情、また記者会見等におきましては、当
委員会
の
川俣委員長
からも、
災害復旧
に対して当
委員会
としても最大限の努力をしたい、このような力強いごあいさつもあったわけでございます。 そこで、各町長さん初め
関係者
からも具体的な陳情、
要望
があったわけでございますけれ
ども
、
北海道
の知事さんの方から、代表いたしまして
要望
事項が出ておりますが、これによりますと、
災害
の
早期復旧
、医療
施設
の
災害復旧
、また社会福祉
施設
の
災害復旧
等々、
地震
観測
体制
の整備についてに至るまで、十一項目の陳情があったわけでございます。 これらの点につきまして、初めに大臣にお伺いをしたいわけでございますけれ
ども
、まず、これらの
現地
の
要望
に対しまして、
被災地
に対する
援助
についての国の基本的な取り組み方、姿勢というものにつきまして、長官のお考えを承りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
松野幸泰
67
○
松野国務大臣
被災地
に対する
援助
につきまして、
政府
といたしましては、
関係省庁
と十分
連携
をとりつつ、できるだけの
措置
を講ずることといたしております。
草野威
68
○
草野
委員
長官に引き続き二、三お尋ねをしたいと思います。 今回の
浦河
沖大
地震
について、その
教訓
を大臣はどのようにお受けとめになっていらっしゃるか、また、この
教訓
を生かして、今後
地震
防災
という問題についてどのような重点的な施策を講ぜられようとしていらっしゃるか、この二点について御意見を伺いたいと思います。
松野幸泰
69
○
松野国務大臣
今回の
浦河沖地震
の
被害
が御承知のように
最小限
でとどまった大きな理由としては、過去の
地震
の経験や
防災訓練等
を通じて、
住民
に
地震
に対する心構えがしっかりできており、今回の
地震
の場合も、発生直後に各家庭で火の始末をするなど、適切な
対応
措置
がとられたことが挙げられると思います。
政府
としては、毎年九月一日の
防災
の日に総合
防災訓練
を実施して、国民の
防災
意識の高揚を図っておりますが、今回の
地震
の
教訓
を踏まえ、さらに、平時における
防災訓練
を重視して、大都市における震災
対策
を進めてまいりたいと思います。 なお、国土庁では、五十七年度から新たに、
防災
の日を含む一週間を
防災
週間として定め、各種の
防災
行事、訓練を実施して、国民の
防災
知識の普及に役立たせてまいりたいと考えております。
草野威
70
○
草野
委員
続いて、大臣にお尋ねしたいのですが、三月三十一日参議院の審議におきまして、わが党の藤原議員の質問に対しまして
松野
長官は、今回の
浦河沖地震
について激甚
災害
並みの適用を考えたい、こういうような趣旨の答弁をされたと伺っておりますけれ
ども
、この趣旨につきまして、具体的にどういうことを大臣はお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
松野幸泰
71
○
松野国務大臣
お答えいたします。 今回の
地震災害
に対する
対策
の具体的内容につきましては、先ほど
政府
委員
より御
報告
申し上げましたとおりですが、
被害者
に対する
援助
としては、第一に、住宅
被害者
に対し住宅金融公庫による
災害復興住宅資金
の
貸し付け
を行うこと、第二に、中小企業者に対し
政府系中小
三
機関
による
災害
貸し付け
等の
措置
を行うことといたしております。
政府
としてはできるだけの
措置
を講じてまいりたいと存じますが、
関係省庁
とも十分連絡をとって、御期待に沿うように努力いたします。
草野威
72
○
草野
委員
大臣からいろいろと御答弁をいただいたわけでございますが、ともかく当地は、昨年の風水害に続きまして今回の大
地震
ということで、大変なダブル
ショック
を受けたわけでございますので、先般来いろいろな御答弁がございましたけれ
ども
、ひとつ全力を挙げて
被災地
の
援助
に当たっていただきたい、心から御
要望
を申し上げたいと思います。 続いて、国土庁に伺いたいと思いますが、このような今回の
地震
程度
の
災害
が、東京とか横浜だとか、こういう大都市で起きた場合に
予想
される
被害
、また混乱
状態
、こういうものについての御見解をひとつ初めに伺っておきたいと思います。
川俣芳郎
73
○
川俣政府委員
東京、横浜等の大都市におきまして関東大震災クラスの
地震
が生じました際にどのような
被害
を生ずるかということについては、私
ども
も強い関心を持っておりまして、先ほ
ども
お答え申し上げましたように、五十六年度、五十七年度の二年度間にわたりまして、現在、
被害
想定
調査
を実施いたしております。
草野威
74
○
草野
委員
その内容について、もう少し詳しく御
説明
いただきたいと思います。
川俣芳郎
75
○
川俣政府委員
具体的な内容でございますけれ
ども
、南関東域内、一都三県ございますけれ
ども
、一都三県の地質、地盤、市街地
現況
等について可能な限りの即地的な
調査
を行いまして、関東
地震
と同
程度
の
地震
が発生いたしました場合の罹災者数、倒壊家屋数、焼失面積等を推計しようと考えております。なお、同
地域
は都市的機能が特に高度化しておる
地域
でございまして、電力、ガス、水道、電話等のライフライン
施設
の
破損
、中枢管理機能への影響、あるいはターミナル周辺の混乱、都心部滞留者の発生等のいわゆる社会的混乱も
調査
の対象として取り上げておるところでございます。 この
調査
がおおむね完了いたしました暁には、その結果をもとにいたしまして、情報収集伝達の中枢となります本部機能のあり方、消火あるいは警備等の初期活動のあり方、
応急
物資の調達の方法、
道路
及びライフライン等の
復旧
方法について総合的な
調査
をいたしまして、
地震発生
後の
応急対策
活動システムの
検討
に移ってまいりたい、かように考えております。
草野威
76
○
草野
委員
これは東京都の計算でございますけれ
ども
、関東大震災クラスの
地震
があったときに、東京区部だけで三二・五%が焼失して、三万六千人が死亡して、
負傷者
が六万三千人に上る、こういうふうな想定が出ております。これには、超高層ビルとか、それから高速
道路
、地下街、こういうようなところの
被害
、混乱
状況
というものは入ってないわけでございますので、実際の
被害
はこれを上回る、こういうような
予想
が出ておるわけですね。 今回の
浦河
の
地震
についても、われわれが
現地
へ行って一つ気がついたことは、
地震
の際のガラスの
破損
の仕方というのは意外にひどいものだということをまず一つ感じました。それから、自動車交通の問題ですけれ
ども
、実際に
地震
の当時運転していたドライバーに直接話を聞いたところでも、その瞬間には自動車を運転することが全く不可能なような
状態
であった、こういうような話も伺ったわけでございます。 そこで、この
程度
の
地震
がもしこういう東京等の大都市で起きた場合に、まずビル等から落下するガラスの破片、それからビルの屋上についている巨大な看板の落下、これによってまたかなりの
負傷者
が出るのじゃないか、こういうことが一つ心配されるわけでございます。 それからもう一点は、自動車の問題ですけれ
ども
、たとえば時速八十キロから百キロで高速
道路
を走っていた場合、たとえば
震度
六でもいいですけれ
ども
、
震度
六
程度
の
地震
が発生した場合、高速
道路
にどの
程度
の
被害
がまずあらわれるのか、それによって発生する交通事故だとか混乱だとか、こういうものについてはどういうことをいま想定されていらっしゃいますか。
川俣芳郎
77
○
川俣政府委員
ただいまお話のございました高速
道路
にどのような
被害
が生ずるか、高速
道路
の構築物が実際壊れるのかどうか、こういった点につきましても、先ほど申し上げました
被害
想定の
調査
項目として取り上げて、
検討
をしておる段階でございます。 また、ガラスの
破損
の問題も、きわめて私
ども
といたしましても注目をしておるところでございまして、たとえば東海
地域
におきましても、いわゆるビニールの被膜を張りまして、それでガラスの飛散を防止するといったような施策もいろいろ考慮されておりますし、実は私
ども
は、今年度も既存の建物についてビニールの被膜を張った場合において税制上の優遇
措置
を講じてもらえないかというような
要望
も関係県から受けているようなことでございまして、ガラスの問題についても今後十分に
検討
をいたさなければならないというように思っております。 また、現在のふくそうする都市の交通事情からいたしまして、
地震
発災時における自動車の問題も確かにございます。こういった点も、私
ども
としては現在
調査
の対象として
検討
しておる段階であります。
草野威
78
○
草野
委員
その
調査
は、いつごろ結果が発表されますか。
川俣芳郎
79
○
川俣政府委員
先ほどから申し上げておりますように、
被害
想定
調査
は五十六、五十七年度の二年度でおおむね完了するようにいたしたいということで、いま鋭意努力をしておるところであります。
草野威
80
○
草野
委員
続いて、建設省にお尋ねをしたいと思います。
国道
二百三十五号の
復旧
問題でございますが、われわれも
現地
に行きまして、比較的新しい
静内橋
の
橋脚
が六基
破損
をしているということで、非常に驚いて
現地
を
視察
したわけでございます。 そこで、特に三番目の
橋脚
が大きな
破損
をしたわけでございますけれ
ども
、なぜこれだけの
破損
があったのだろうか。お隣の国鉄の橋については何でもなかったわけでございますけれ
ども
、この新しい橋がどうしてあれほど
破損
をしたのだろうかと、ちょっとわれわれ素人としては異常に思えたわけです。やはりこれは設計構造上に何か問題があったのじゃないかな、こんなような気がしたのでありますけれ
ども
、この点についてどうなんでしょうか、建設省の御見解をひとつ聞かせてください。
萩原浩
81
○
萩原説明員
お答えを申し上げます。
先生
御
指摘
のように、
静内橋
の
うち
の
橋脚
三基がかなり大きな
被害
を受けておりますが、特にその
うち
の一基、三番目の
橋脚
が非常に壊滅的な
被害
を受けております。これが完全な剪断
破壊
を起こしておりまして、すでに九センチの沈下を起こしておるわけでございます。あと数センチ沈下をいたしますと橋げたに影響が及ぶということで、現在、交通をとめざるを得ない
状況
になっておるわけでございます。 本橋の設計に当たりましては、水平方向の加速度を二百
ガル
と想定をいたしております。ところが、広尾町の
強震計
のデータからもわかりますように、今回の
地震
で三百
ガル
以上の加速度が作用いたしまして、剪断
破壊
を起こしたものであろうというふうに考えられます。 今回の
地震
によりまして、特に
静内橋
だけが著しい
損傷
を受けた原因の究明に当たりましては、今後さらに詳細な
調査
が必要と思われますけれ
ども
、現在までのところ、おおむね次のようなことが考えられるというふうに思えるわけでございます。 それは、本橋の
橋脚
は上部工の構造を考慮いたしますとわりあいスレンダーな構造になっております。一般的に、このような構造になりますと剪断抵抗力が
構造物
の最終耐力を支配する、こういうことになってまいります。鉄筋コンクリート
構造物
の剪断抵抗力につきましては、実は従来十分な解明がなされておりませんでした。最近に至りまして、いわゆる剪断の許容応力度を下げるべきであるというような議論が出まして、ごく最近でございますが、これを下げるような規定の改定が行われたいきさつがございます。したがって、この
構造物
の形体等を考慮いたしますと、その安全度二百
ガル
の
水平加速度
では絶対に
破壊
をいたしませんけれ
ども
、通常はそれを超えてもまだかなり安全度があるわけでございますが、その安全度が少なかったのではないだろうかというふうに考えられるわけでございます。 先ほどからも申し上げましたが、一般的には設計荷重以上の荷重が作用いたしましても、すぐにそれが壊滅的な
打撃
に及ぶというようなことはないわけでございます。これはいろいろまだ余裕があるわけでございますが、この余裕が余りにも少なかったのではないかということの予測ができるわけでございますので、技術関係の
検討グループ
を設置をいたしまして、早急に
検討
いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
草野威
82
○
草野
委員
いま
調査
検討
中ということでございますけれ
ども
、ともかく橋が壊れたということは事実でございまして、大きな問題であろうかと思います。いまの御
説明
によりますと、
工事
上の問題ということではなくて、やはり安全設計上のどこか狂いがあったのではないか、こういうような気がするわけでございます。そこで、この問題に関連をいたしまして、全国の
河川
について総点検などをする必要も起きてくるのではないかという気がするわけでございますけれ
ども
、全国の他の
河川
の
橋脚
に対して、特に
地震
の多発地帯における総点検、そういうお考えはありますかどうか。
萩原浩
83
○
萩原説明員
ただいま申し上げました技術
検討グループ
におきましては、とりあえずこの
静内橋
の三番目の
橋脚
がどういうことでこういう
状況
になったのかということの解明をいたします。その結果によりまして、同時期の同じような
構造物
について同じような危険があるのかどうかということがわかってまいりますので、もし危険があるということになりますれば、それの危険を除却するためにどういうような
対策
をするかというその
対策
まで、この
検討グループ
で仕上げたいと思っております。 なお、
先生
先ほどおっしゃいましたが、設計上の問題であるかどうかということにつきましても、総合的に
検討
をするつもりでございまして、現在のところ、設計上の問題であるというふうに断言できる段階にはございません。
草野威
84
○
草野
委員
次に、
港湾施設
の問題についてお伺いをしたいと思います。 各
漁港
の
港湾施設
がこれもかなり
被害
を受けたわけでございますけれ
ども
、簡単に
被害状況
、
復旧
の見通し、また、この
復旧作業
中において漁業に支障が出るかどうか、出なければ出なくて結構でございますけれ
ども
、その点について伺いたいと思います。
浦江恭知
85
○
浦江説明員
運輸省で所管しております
浦河
港につきまして御
説明
申し上げます。 現在までの
調査
によりますと、
外郭施設
の防波堤に若干、大部分は
係留施設
の
岸壁
とか
物揚げ場
に生じております。現在の
被害状況
は、いま水中部を含めまして
調査
が完了したばかりでございまして、内容の
検討
まで十分に行われておりません。ただ、感覚的なもので申し上げますと、本体部分をどうこうするというところまで行かずに処置できるのではなかろうかというような心証をいま持っておりますけれ
ども
、これはこれから技術的に詳細な
検討
を待って結論を出すことだ、こう思っております。 現在利用されております漁船関係の部分の
漁港
区につきまして、これは管理者と十分に御相談しながら、安全性の方とのにらみで使用を制限する場所が出てくれば、その部分につきましては制限をする、こういうことで
対応
してまいりたいと考えてございます。
草野威
86
○
草野
委員
他の
港湾施設
についてはどういう
状況
でしょうか。
浦江恭知
87
○
浦江説明員
ほかの商港部分の
施設
につきましても、
亀裂
部分とかございます。そういった部分につきまして、空隙部分があるとかないとか、そういったところにつきまして十分に
調査
を進め、安全性に問題がないかどうかを確認した上で、使用制限とかその辺に対する処置をすることにしておりまして、現在その
調査
を進めている段階でございます。
草野威
88
○
草野
委員
復旧
の見通しはいつごろでしょうか。
浦江恭知
89
○
浦江説明員
一連の
調査
を四月中に終えたいと思っております。
草野威
90
○
草野
委員
調査
じゃなくて、
復旧
の見通しなんですが。
浦江恭知
91
○
浦江説明員
現在
調査
中と申し上げましたのは、
災害査定
のための
準備
を含めてでございまして、その完了次第、早急に
復旧
の方の手だてに入りたい、努力してまいりたいと思います。
草野威
92
○
草野
委員
そうしますと、現段階において
復旧
の見通しは全く立ってない、こういうことですね。そういうことだと、あれだけの大きな
被害
ですから、漁業においてもかなりの支障が出てくるのじゃないか、こういう心配がされるわけなんですけれ
ども
、この辺のところをもう少しはっきり御答弁いただきたいのですが。
浦江恭知
93
○
浦江説明員
運輸省といたしまして、
災害
が発生いたしましてから直ちに本省からは
災害対策
室長が
現地
に参りまして、それから
現地
では
北海道
開発局及び道の技術者が
現地
に乗り込みまして特別の
調査
班を編成しまして、水中部も含めまして現在まで精力的に
調査
を進めてまいりました。その結果がやっと現在まとまりつつございますので、これから
施設
の一つ一つにつきまして、水中部、基礎部、そういった部分につきまして技術的な点検を早急に進めるということでございまして、現在までそういった
調査
に対する努力を最大限度やってきた、こう考えてございます。
草野威
94
○
草野
委員
支障の問題、どの
程度
の支障が出るかということについて、どうもはっきりしたお話がないのですけれ
ども
、実際これから技術
検討
が終わって、それから
復旧作業
に入るわけですね。そうすると、その間、どの
程度
あの
漁港
、
岸壁
が使用できなくなるのか。 〔
渡辺
(秀)
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 実際使用できなくなるとかなりの支障が出てくるわけですけれ
ども
、そういう点について具体的な見通しをひとつ示していただきたい、こういうことなんです。
浦江恭知
95
○
浦江説明員
先ほど、心証的には本体部分にそれほど
被害
が及んでないのではないかと思っているということを申し上げましたけれ
ども
、そういった点から考えまして、安全に留意しながら各
施設
について係留する
程度
のことはいけるのじゃないかというような見通しをいま持っております。
草野威
96
○
草野
委員
では、次に入ります。 文部省関係をお願いしたいと思いますが、まず初めに、今回の
被災地
の学校
施設
の
被害状況
、
復旧
の見通しについて、簡単にひとつ
説明
をしてください。
福岡純一郎
97
○
福岡
説明
員 御
説明
申し上げます。 今回の
浦河沖地震
による学校
施設
の
被害状況
は、三月三十一日現在で公立学校百七校、
被害
金額は約七千三百万円、私立学校四校、
被害
金額約一千万円でございます。 公立学校につきましては、
公立学校施設
災害復旧
費国庫負担法の規定に基づきまして、これから四月中旬に国庫負担の事業計画書が設置者かち提出されますので、それを待ちまして直ちに
現地
立会
調査
を行い、所要の手続をとる予定でございます。 私立学校につきましては、通常の場合、日本私学振興財団からの
融資
で
復旧
をする予定になっております。
草野威
98
○
草野
委員
かなりの学校がいろいろな
被害
に遭われたわけでございますけれ
ども
、われわれが当日
視察
をさせていただいたのは三石町の三石小学校、この学校を
視察
させていただきまして、余りにその
被害
が大きいので大変驚いたわけでございます。 全体的に言えることは、まず新
学期
を目前にしてその
対策
は十分に間に合うかどうかという問題でございますけれ
ども
、特にこの三石小学校の場合、
被害
が相当ひどいということで、しかもまだ余震が続いているという中で果たしてここで新
学期
を迎えることができるのかどうか、こういうような心配も
現地
でしたわけでございますけれ
ども
、そういう点はいかがでしょうか。
福岡純一郎
99
○
福岡
説明
員
先生
御
指摘
の三石小学校でございますが、
復旧
につきましては設置者と十分協議をいたしまして、十分安全な
復旧
方法をとるように指導してまいりたいと思っております。 なお、これは一般の学校でございますが、
応急
のためにガラス等を入れかえて新
学期
の授業に差し支えのないようにすでに指示をしてございますし、また、三石小学校につきましては、
先生
御
指摘
のように、
応急
の
対策
につきましては設置者とも十分相談をいたしまして遺漏のないようにいたしたいと考えます。
草野威
100
○
草野
委員
十分にひとつやっていただきたいと思いますが、いまの
応急
の
対策
ということはどういうことか、ちょっとわからないのです。たとえば
応急対策
をしてあの学校でそのまま新
学期
を迎えるのか、それとも、かなりの大がかりの
復旧工事
だと思いますので、それを済ますまではどこか他の学校に一時通わせるのか、そういう問題についても恐らくもうはっきり方針が決まっておると思うのですけれ
ども
、どうなっているのですか。
福岡純一郎
101
○
福岡
説明
員
現地
で設置者の
説明
によりますと、当面はあの校舎を
復旧
して使いたいということでございましたが、
先生
並びに
委員長
から御
指摘
のありましたように、それでよろしいか、もう一度十分
検討
をさせていただきたいと思います。
草野威
102
○
草野
委員
その点はひとつ十分に
現地
とも連絡して
対策
を立てていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それからもう一点、交通関係の問題になるのですけれ
ども
、これは文部省の方でいいのです。 現在、
日高
本線の
浦河
町と様似町の間が
不通
になっているわけでございます。こういう本線が
不通
になっているところは、バスによる代替輸送とか何かいろいろやっていると思いますけれ
ども
、当然のこと、そういう通学生に対する交通費の負担の増というようなことも現実には出てきているのじゃないかと思いますが、ここら辺の
対策
について何か考えられていることがあるのですか。
村上温
103
○村上
説明
員 お答えいたします。
先生
御
指摘
のように、昨日、
浦河
まで開通いたしましたが、
浦河
と様似の間はまだ
不通
でございます。この間に高等学校が二つございますが、通学生のふえる時間帯、朝と夕方に列車の代行のバスをふやすという計画になってございます。これは通学定期でそのバスに乗れることになってございますので、一応いまのところは通学費の負担の増というのはないというふうに考えております。
草野威
104
○
草野
委員
いまのその
浦河
−様似間、これは四月中開通の予定というように先ほど伺いましたけれ
ども
、連休前には間違いなく開通いたしますか。
村上温
105
○村上
説明
員 橋梁が四カ所ばかり壊れておりますが、
地震
でけたが動きまして橋台を押し壊したというもので、現在、
地元
の建設会社が入って鋭意
復旧
に努めております。ほぼ確実に
復旧
すると思いますが、
工事
のことでございますので今後の天候その他にもよるわけでございますが、とにかく一日も早く開通させたいというふうに考えております。
草野威
106
○
草野
委員
次に、通産省に伺いたいと思います。 まず一点は、石油ストーブの問題でございますけれ
ども
、今回の
地震
で
現地
のお話をいろいろ伺いますと、現在では石炭ストーブはまるっきり使ってない、すべての家庭が石油ストーブを使っている、こういうことでございまして、
地震
の瞬間には対震装置が作動する前にほとんどの人たちが火を消しとめた、また、対震装置についても、これがついているおかげで非常によかったとか、こういうような話も出ておりました。そこで、石油ストーブはいま全国的に普及しているわけでございますけれ
ども
、現在発売しているすべての石油ストーブには対震装置というのはついているのかどうかということが一つ。 それから、この対震装置の基準といいますか、どの
程度
の
規模
の
地震
が起きたとき、何秒間で消えるようになっているのか。 それからもう一つは、対震装置のついた石油ストーブでもかなり時間を経過した古いもの、こういう古いものについても作動はきちんとするのかどうか、これら三点についてひとつお伺いいたします。
坂本春生
107
○坂本
説明
員 お答えさせていただきます。 まず、三点の
うち
最初
の問題、すべてのストーブに対震自動消火装置がついているかどうかという点でございますが、これは現在、対震自動消火装置はJISの基準として四十七年に取り入れられまして、それ以降、四十八年、五十五年の改正を経まして、現在もJISの基準として入っております。それで、石油燃焼器具につきましては、財団法人日本燃焼器具検査協会というのがございまして、ここが全部検査をしまして合格証を張って発売するということになっておりまして、ここの基準はJISを準用いたしております。ですから、石油ストーブにつきましてもここで検査を受けた上で市場に出ておりますので、ほぼ一〇〇%合格証を張ってありますし、そのものについては対震自動消火装置はついております。 それから、第二点目でございますが、基準につきましてはいま申し上げましたJISの基準でございますけれ
ども
、これは先ほど申し上げましたように数回の改正がございましたが、現在では、対震自動消火装置が作動しますのは下限が百
ガル
、上限が二百
ガル
、この間で作動するということが決められております。それで、そういう揺れがありましたときに十秒以内に作動するのがJISの基準でございます。 それから、三番目の御質問、古いものはどうかということでございますが、これにつきましても、ただいま申し上げましたように、四十七年にJISの基準として取り入れられておりますので、それ以降のものにつきましては、基準値は若干違いますが、対震自動消火装置はつけられているものが大部分と思います。同様に、先ほど申し上げました日本燃焼器具検査協会でも、四十七年よりこの対震自動消火装置の取りつけを義務づけて合格証を発行しておりますので、四十七年以降のものについては間違いないと思います。それ以前のものについては若干問題があるかもしれません。 以上でございます。
草野威
108
○
草野
委員
続いて伺いますが、今度は石油ストーブではなくて一般の家具類の問題でございますけれ
ども
、今回の事故におきましても、たんすが倒れたとか戸棚が倒れたということで負傷された方がいるように聞いております。東京都内なんかの場合に、団地等におきまして、テレビだとか、ピアノだとか、たんす、戸棚、こういうものが部屋じゅうにたくさんあるわけでございまして、
地震
が発生した場合にそういうものが倒れてきて負傷するというケースが十分に考えられるわけでございます。こういう家具等に対する安全
対策
というのですか、事実、今度
現地
におきましても、そういう家具には何か装置がついていたけれ
ども
、実際にはそれが全部外れて倒れてしまって、けがをした、こういうケースが起きているわけですが、こういう家具類に対する安全
対策
はどうなっているかということが一つ。 それからもう一つは、自動販売機の問題でございます。これは設置基準が決まっておりますけれ
ども
、現実には、今回
現地
においても自動販売機が倒れているという
状態
が大分出ております。この設置基準について、現状どおりでいいのか、見直す必要があるのかどうか、こういう二点についてお伺いをいたしたいと思います。
坂本春生
109
○坂本
説明
員 第一点の家具の問題について私からお答えさせていただきます。 家具につきましては、とめ金をしっかりとめるということが現在の
対応
策として考えられているわけでございますが、実は家具類をとめる金具の問題につきましては、どれだけの金具をつければ安全かということを現在はっきりさせるのがむずかしゅうございます。と申しますのは、やはり家具自身の置き方とか家の構造とかいろいろ違うわけでございますので、困難はございますが、
先生
御
指摘
のとおり、その辺は
地震
の際にたびたび問題になるところでございますので、今後JISの中でその基準を考えていきたいということで
対応
いたしたいと思っております。 以上でございます。
見学信敬
110
○見学
説明
員 自動販売機についてお答えいたします。 自動販売機の安全
対策
につきまして、安全設置の問題でございますが、
先生
御
指摘
のとおり、
昭和
五十四年の十二月来、JIS規格によりまして自動販売機の据えつけ基準というものを設けておりまして、この中には、
地震
の問題につきましてもそれを反映させていただいておるわけでございます。そのほか、自動販売機安全推進月間等を設けまして、その据えつけ基準の普及徹底を図っているところでございます。 御
指摘
の見直し問題につきましては、私
ども
自動販売機安全推進
委員会
というものを機情局長の私的諮問
機関
として設けておりますので、ここで今後とも
検討
を続けていきたいというふうに思っております。
草野威
111
○
草野
委員
時間が参りまして恐縮でございますが、
最後
に一問だけお願いしたいと思います。
予知
体制
の問題でございますけれ
ども
、今回の
地震
について一部の学者の方に、
浦河沖地震
は
震度
五
程度
の強震ではないか、こういうような説もあったようでございます。これについては、その学者の方の話では、
被害状況
から見ると
震度
五の強震と判定するのが妥当、
烈震
に対するイメージが今回の
地震
で誤って定着しては今後の
防災
上マイナスになる、こういうようなお話でございますけれ
ども
、この問題は私は重要であると思いますので、この点に対する
気象庁
、国土地理院等の御見解をいただきたいと思います。 なお引き続き、こういう問題がございますので、今回の
地震
に対して特に
日高地方
は特定
観測
地域
に指定する必要があるのではないか、このように私も強く感じるわけでございますけれ
ども
、国土地理院の御見解をいただきたいと思います。 もう一点、M八級の大
規模
地震
についてはかなり強力な
予知
体制
がございますけれ
ども
、M七級の
地震
に対する
予知
体制
というものは全くなしと言っても過言ではないと思います。この点については、現在でも年一同
程度
のM七級の
地震
が発生しているわけでございますので、どうしてもこの
予知
体制
を強化すべきである、このように強く感じるものでございますが、この点についての
政府
の御見解をいただきたいと思います。
山川宜男
112
○山川
説明
員
震度
の問題についてお答え申し上げます。
震度
六、
烈震
の
気象庁
で出しております定義によりますと、多くの人が立っていられない
程度
の震動、地割れが生ずる
程度
の
地震
、それから家屋の倒壊が起こるような
地震
というふうに
震度
六を定義しております。報道
機関
等の、それから先ほどから御
報告
になっております
先生
方からの御
報告
によりましても、たとえば
地震
が襲いましたときに
浦河
の市民の皆様方ほとんどの方が立っていられなかったというふうに報道されております。それから、地割れあるいは家屋の倒壊も生じておりますので、私
ども
は、
浦河測候所
の
震度
六の判定は正しかったと確信いたしております。
藤田尚美
113
○藤田
説明
員 お答え申し上げます。 特定
観測
地域
に指定する件につきましては、昨日の特定部会では、一応の結論といたしまして、その基準に該当しないという結論になりましたが、これは五月二十四日の
地震予知連絡会
の総会でさらに議論されることになります。その際、先ほどからの
先生
方の御意見も十分反映して議論をさせていただきたい、こう考えております。 それから、七クラスについて絶体絶命の
状態
ではなかろうかという御
指摘
でございますが、国土地理院で行っております精密測地網測量という測量がございまして、これは水平及び上下の測量を五年を
めど
に全国的に繰り返していきたいという計画でございます。これの目的は、七クラスといっても、たとえば新潟
地震
が
マグニチュード
七・五でございますが、七半
程度
以上の
地震
をつかまえようということで鋭意努力中でございます。
地震
は、タイプによりまして地殻変動が出やすい場合もあるし、出にくい場合もあります。そういう非常に微妙な問題もございますが、できるだけ七クラスの
地震
について測量し、なおかつ、十分研究を進めていきたい、こう考えております。
草野威
114
○
草野
委員
いま
気象庁
の方から、
震度
六
程度
の
地震
であると確信を持って言える、こういうお話です。確信を持って言えることは結構なんですけれ
ども
、それを裏づける
観測
体制
をきちっと整備しなさい、こういうふうに言っているわけですね。ですから、いまこの特定
観測
地域
の指定にもされないようなお話でございましたけれ
ども
、大臣、ぜひこれは特定
観測
地域
に指定するようにあなたからもひとつ努力をしていただきたい。
要望
いたします。 それから、M七級の
観測
の問題についても、M七級だからといって決して安心できるものじゃなくて、特に直下型
地震
についてはもう予測の方法もないくらいなんですから、この問題についても、
政府
は金を惜しまないで十分に
予知
体制
を強めるように努力をしていただきたい、このことを
要望
して、質問を終わります。ありがとうございました。
川俣健二郎
115
○
川俣委員長
これにて
草野
君の
質疑
は終了いたしました。 次に、
横手文雄
君。
横手文雄
116
○
横手
委員
去る三月二十一日突如襲ってまいりました
浦河沖地震
は、
北海道
日高地方
を中心にして大きな
被害
をもたらしたのであります。私も本
委員会
の
調査団
の一員として、その
災害
のつめ跡を
視察
した一人であります。
被災者
の皆様方に心からお
見舞い
を申し上げると同時に、
復旧
の一日も早からんことを念じつつ、以下、御質問を申し上げます。
視察
の
現地
におきまして、
北海道
当局並びに
浦河
町、三石町、
静内
町の皆様から御陳情を受けました。その中からの幾つかについて御質問を申し上げたいと思うのでございます。 まず、一つは、
観測
網を充実し、
地震
予知
対策
を強化してもらいたい、こういうことがございました。先ほど来多くの
方々
から論じられていることでございますけれ
ども
、わが国は世界で
地震
の多発国であり、その研究も世界のどの国よりも進んでいると聞いておるのであります。そして、巨大
地震
の発生のおそれあり、それが最も高いと言われる東海沖に対して大
規模
地震対策
特別
措置
法がつくられて、これに基づいて
予知
体制
はつくられております。さらに、この法律以外で
地震予知連絡会
が設置をされ、特定
地域
を指定し、
対策
が進められているのでございますけれ
ども
、その
地域
についてまずお答えをいただきたいと存じます。
成松佑輔
117
○成松
説明
員 お答えいたします。 わが国の
地震
予知
につきましては、内閣に科学技術庁長官を本部長とする
地震
予知
推進本部を設置いたしまして、これは五十一年十月でございますが、以来、各省庁間の連絡協議を図りまして、
観測
網の整備、
地震発生
機構の研究、新しい
観測
技術の研究などについて積極的な推進を図っているところでございます。
観測
網につきましては、
地震
計、傾斜計、地下水の測定等、こういった
地震
予知
に必要な
観測
点がこれまで全国で六百五十点ほど整備されておる
状況
でございます。
地震
予知
にかかわる
観測
研究としましては、
気象庁
において全国の
地震
観測
及び関東、東海における体積ひずみ
観測
、国土地理院におきまして全国の測地測量、地質
調査
所におきまして地下水
観測
、活断層
調査
、海上保安庁水路部におきまして海底地形、地質の
調査
が行われております。これとともに、大学において基礎的な研究が行われておるところでございます。また、科学技術庁におきましては、国立
防災
科学技術センターにおきまして、共通的、基盤的な研究としまして、
地震発生
機構の解明のための研究、新しい
地震
予知
観測
技術の開発研究等を行っておるとともに、
関係省庁
の協力のもとに、科学技術振興調整費という研究費がございますが、これを使用しまして、関東及び首都圏におきまして海溝型の
地震
及び直下型の
地震
に関する研究を総合的に行っております。これらの研究成果は、わが国の他の
地域
におきましても
地震
予知
の確立に非常に寄与するものと考えております。
観測
研究の現状につきまして御
説明
いたしました。
横手文雄
118
○
横手
委員
特定
地域
に指定されております各
地域
、全国八カ所と聞いておりますが、その
地域
を明らかにしてもらいたい。
成松佑輔
119
○成松
説明
員 これは、
地震予知連絡会
は国土地理院が事務局をなさっておりますが、ここで指定されておりまして、強化
観測
地域
としまして南関東及び東海。特定
観測
地域
としまして、
北海道
からまいりますと、
北海道
東部。
東北
では、宮城県東部、福島県東部。三番目が、秋田県西部、山形県西北部。次に、新潟県南西部、長野県北部。それと、長野県西部、岐阜県東部。次が、名古屋、京都、大阪、神戸地区でございます。中国にまいりますと、島根県東部。それと、
最後
に伊予灘及び日向灘周辺、この
地域
でございます。
横手文雄
120
○
横手
委員
先ほど来
指摘
がされておりますように、特定
地域
の中に今回起こりました
地域
は入っていないわけであります。しかし、この
地域
、つまり十勝、
日高
沖は
地震
の多発地帯であるということはお認めになっておりますし、現実にそういう
地域
になっておるわけでございますけれ
ども
、この
地域
が入っていないということに対して先ほど来疑問が投げかけられております。私も大変そういうぐあいに思うわけであります。 そこで、全国的に見て、こういった今回起こりました十勝、
日高
沖のように、
地震
の多発地帯であるけれ
ども
特定
地域
に指定をされていない
地域
は、ほかにどんなところがございますか。
藤田尚美
121
○藤田
説明
員
予知
連で
地域
指定しております特定
観測
地域
、これは
昭和
四十五年に指定されまして、その後、
昭和
五十三年に見直しがなされました。それで、特定
観測
地域
の指定の基準というのは、過去に大
地震
があって、最近大
地震
が起きていない
地域
というのが一点でございます。二番目に、活構造
地域
、三番目、最近地殻活動の活発な
地域
、四番目、東京などの重要な
地域
、こういう四つの基準がございます。 それで、見直しに際しましては、全国的に総点検いたしましてこの基準で洗ったわけでございます。
昭和
五十三年に洗った結果が、特定
観測
地域
が全国に八カ所、それから
観測
強化
地域
が南関東、東海の二カ所でございます。それで、この基準に二つ以上該当する
地域
を選んだわけでございます。 第一につきまして、過去に大
地震
があって、最近大
地震
が起きていないということは、現在の
予知
技術のレベルも考慮しまして、太平洋沿岸につきましてはいわゆる
マグニチュード
八クラスの巨大
地震
を一応想定しておるわけでございます。この
浦河
地区につきましては、一九五〇年、六〇年、七〇年代に千島海溝沿いに八クラスの
地震
がずっと並んで起きた、それの平均間隔が八十五年ということで、一応いわゆる八クラスの大
地震
は起きない、ただし、その八クラスの中に若干のすき間がございまして、
マグニチュード
七になりますとエネルギーは三十分の一であります。したがって、そういうすき間に七クラスが起きる可能性はあるわけであります。それの地殻変動あるいは
地震
活動あるいはその他の諸現象に、前兆としてあらわれやすい場合もあるし、あらわれにくい場合もある。八の場合には前兆が広範囲に大きな量として出てきます。
長期
間出ます。したがって、
観測
を充実させると非常に把握しやすいのでございますが、七になるとそれがぐんと小さくなるというような困難性もございまして、七については、目下のところかなり困難であるというふうに言われております。
横手文雄
122
○
横手
委員
いや、私がお伺いをいたしましたのは、こういう十勝あるいは
日高
沖でも、その七クラスのものはたくさん起こっておるということがあるわけですね。しかし、その特定
地域
の中に入っていない。それは八ほどのものが予測できないからだ、こういうことですね。ならば、日本のほかの
地域
に、これに似たようなことで、
地震
は多発しておるけれ
ども
特に特定
地域
には指定をしていない、こういった
地域
がありますか、あったらどこでございますか、こういう質問でございます。
藤田尚美
123
○藤田
説明
員 お答えいたします。
地震
の多発地帯といいますと、たとえば千葉県中部とか茨城県南西部、ここでは常時
地震
が起きておりますが、この
地震
は幸いにも数十キロ−八十キロというようなかなり深いところで起きているので
被害
を及ぼさないというような、似たような
地域
がございます。しかし、そこは、千葉県中部につきましてはたまたま南関東の
観測
強化
地域
の区分の中に入りますが、茨城県南西部になりますと境目
程度
でございます。
横手文雄
124
○
横手
委員
ほかにはございませんか。いま十勝沖と同じような形のが千葉あるいは茨城、こういうことでございますけれ
ども
、よその
地域
にはないわけですね。
藤田尚美
125
○藤田
説明
員 特には、ないかと思います。
横手文雄
126
○
横手
委員
この
予知
連では、それぞれ特定
地域
が指定をされ、そこで地殻あるいは地下水の問題、その他いろいろの資料が集められて、それを年四回持ち寄って
検討
する
会議
が開かれておるというぐあいに聞いておるわけでございますけれ
ども
、最近の例では、年四回の定例が二月の一日に開かれたというぐあいに聞いておりますが、その中におけるいろいろの
検討
資料の中で、今回の十勝沖の
地震
の発生だとかあるいはおそれがある、こういったものは、一切資料としては出されなかったし、議題にもならなかったのでございますか。
藤田尚美
127
○藤田
説明
員 お答え申し上げます。 二月一日の
地震予知連絡会
では、それが終わりますと、通常、記者レクチュアと申しまして新聞記者、テレビに対して
説明
をいたします。そこで出るのが、
予知
連の中で議論された主な問題がピックアップされまして発表になるわけでございますが、最近では、通常、東海
地域
の水準測量あるいは伊豆半島北東部の地殻変動、そういったところが主なトピックスでございます。
予知
連では、
北海道
から始まりまして九州鹿児島に至るまで、いろいろ最新情報を各
機関
から提供していただきまして、それを
検討
するということをやっております。 そこで、この地区につきましては、最近
地震
活動はかなり活発で、そういった
報告
が
北海道
大学からなされております。それから、前々回の
地震予知連絡会
では、国土地理院の水準測量の結果等も出ております。
横手文雄
128
○
横手
委員
さらにこの
予知
連は、いまお話の中にございますように、特定
地域
以外のところでも、ほかの大学の研究室だとか、あるいはそれぞれの自治体等で行っている地表の隆起、あるいは地盤沈下、あるいは地下水の水位の異常、こういったことがあれば特定部会が開かれるといった機構になっておるというぐあいに聞いております。 それで、昨日、今回の
地震
に対して部会が開かれた。きょうの新聞にもそのことが報道をされておりますけれ
ども
、「これが新たな巨大
地震
の前兆とは考えられず、
日高地方
一帯を特定
観測
地域
に指定することは考えない」こういう結論であったということが新聞の報道としてはなされているわけでございます。こういうことについて、その他この
会議
の中で議論をされたようなことがあったのか、あるいはこれにつけ加えなければならないような議論が何か行われたのか、その模様についてお聞かせをいただきたいと思います。
藤田尚美
129
○藤田
説明
員 お答えいたします。 特定部会の部会長は力武日大教授でございます。きのうは浅田
予知
連会長も出席されまして、
北海道
からはオブザーバーとして
阿部
先生
に御足労願ったわけでございます。そこで
気象庁
を初め地理院、水路部、地質
調査
所、もちろん
北海道
大学からこの
地震
に関連するいろいろなデータを交換いたしまして、
検討
がなされたわけであります。 そこで、はっきりした結論というのは、
北海道
大学のえりも
観測
所、これは今度の
浦河沖地震
の震源から約六十キロ離れた点に設置されてございますが、そこでの土地の傾斜計、伸縮計あるいは
地震
活動、そういったものの
長期
的、中期的、短期的な記録を
検討
したわけでございますが、はっきりした前兆というのは見出すことができなかった。あの付近には、水路部の所属の
浦河
の験潮所がございます。験潮所、海面の上下を記録した記録でございますが、それを見ますと、一九七八年ごろからかすかに変動があるようにも見えるのですが、これも誤差の範囲内ということで、顕著な現象ではないという結論になりました。 そのほか、余震の
状況
につきましては、余震の減り方が若干鈍いというような
報告
が北大の方から出されましたが、こういった特徴は海溝沿いのある
地域
では見られるというような
指摘
もございまして、はっきりした前兆と言えるものはないというような結論になりました。
横手文雄
130
○
横手
委員
地震
が起こった後、その資料を持ち寄ってこれからの
予知
対策
のために資料とするということも大変大事なことでございます。最も大事なことは、これが起こる前に異常が発見できなかったかということなのでございますけれ
ども
、いまの話を聞きますと、この特定部会を開くような、この
地域
に何かがありそうだという前兆がなかった、したがって起こった後であるけれ
ども
この
会議
は開かれたのだ、こういうぐあいに私は理解をするところであります。さすれば、この
地震
の
予知
というものは大変むずかしいものだという気がつくづくとするわけであります。 現在、先ほど申し上げましたように、この法律に基づいて東海沖にはかなりの機具が海中に、あるいは地中に埋められて
観測
が行われているわけでございますけれ
ども
、これだけの
観測
網をしいて、どの
程度
の
地震
なら
予知
できる、こういうことはいかがですか。
山川宜男
131
○山川
説明
員 御
説明
申し上げます。 大
規模
地震対策
特別
措置
法によりまして、
地震
防災
対策
強化
地域
に指定されております東海地方につきましては、現在の技術水準で必要とされるかなり綿密な、詳しい
観測
網をしかさせていただいているわけでございまして、
気象庁
としても、そういう施策をとらせていただいているわけでございますけれ
ども
、それ以外に、大学等他
機関
からのデータもテレメーターしていただいて、
気象庁
の現業室で二十四時間監視をしているわけでございます。これにつきましては、私
ども
、発生機構が十分解明されております
マグニチュード
八クラスの海洋型巨大
地震
につきましては
予知
ができると考えているわけでございますけれ
ども
、このような
地域
でございましても、
マグニチュード
七クラスの
地震
は、現状ではまだ確実に
予知
できる段階には至っていないというふうに考えているわけでございます。
横手文雄
132
○
横手
委員
先ほど来、多くの
方々
が述べられて、
地震
の
予知
については今後とも万全の
体制
を期していきます、こういう御答弁をされておるわけでございますけれ
ども
、いまお話を聞きますと、あれだけの
観測
機を入れて、そして海の中にも入れ、あるいは陸地にも入れる、それだけやっても、なお七以下を
予知
することはできません、これが現在のわが国における
地震
の
予知
の実力だ、こういうことでございますか。
山川宜男
133
○山川
説明
員 御
説明
申し上げます。 先ほどからいろいろとおしかりをちょうだいいたしております。(
横手
委員
「いや、怒っておるのじゃない。実力はどうだと言っておるのだ」と呼ぶ)私
ども
といたしましては、温かい励ましのお言葉というふうに受け取っております。 確かに、御
指摘
のとおり、日本付近には年一回、
マグニチュード
七クラスの
地震
が起こっているわけでございますので、その
地震
を
予知
して
防災活動
に役立てるということは大変大事なことだと思っております。残念ながら、現状ではそれができませんので、
気象庁
といたしましても、大学等関係
機関
あるいは
地震予知連絡会
等とも緊密に連絡をとり、そういうものが可能になるための
観測
データを得るような整備を進めているわけでございます。また、それ以外にも、発生機構の解明、それから前兆現象のあらわれ方等の研究もやっているわけでございますので、こういうものが技術的に開発された段階におきまして、
気象庁
の
予知
業務に取り入れていきたいと思っているわけでございます。
横手文雄
134
○
横手
委員
人類は宇宙に飛んでいって、火星の、あるいは金星の地表がどうなっておるかというところまで知るほど科学は発達いたしましたけれ
ども
、肝心の、自分が住んでおる地球の中はどうなっておるのか、そして、われわれの生命と財産を奪う
地震
のメカニズム、それが
マグニチュード
七
程度
だったら、まだ起こってみなければわかりません、これが今日の人類の科学の実力だ、こういうことでございますか。
成松佑輔
135
○成松
説明
員 先ほど地
震課長
の方から御
説明
がありましたとおり、海溝型につきましては
マグニチュード
八
程度
と予測されておりますので、これまでの各省庁
連携
しました研究と大学の成果等を入れまして、
予知
体制
はかなりの確度でできるというところまでに達しておるわけです。直下型につきましては、現在科学技術振興調整費でやっておりますが、これにつきましては、地
震課長
からの
説明
にありましたとおり、きわめてむずかしい。これは内陸に起こる
地震
がかなり
マグニチュード
七付近にあるということで、内陸の
地震発生
メカニズムにつきましては、現在の
地震
学の水準でも発生機構をつまびらかにすることはできないという現状でございます。そういうことで、関係
機関
が協力しまして直下型
地震
の
予知
技術の確立を図るということで、技術的な指針を得る新しい
観測
方法あるいは測量方法あるいは活断層の
調査
方法といったものを現在鋭意研究しておるところでございます。
横手文雄
136
○
横手
委員
いま一連の答弁を聞いておりまして、私が理解をしておりますのは、M八
程度
のいわゆる巨大
地震
であったならば、これは前兆も確かなものがあろう、したがって、それをつかまえるということは可能だ、しかし、それ以下のもの、特に直下型等についてはいまのところ
予知
するのはほぼ不可能である、それで、多くの前兆がある、これがM七
程度
につながるのかどうかということも、起こってみなければわからない、結果としてあれがいわゆる前兆であったということを知るためには、起こってみなければわからないといったところまでしか科学の水準は来てないのだなという感じを持ったわけであります。さすれば、私は、そういった研究もこれから鋭意開発をしてもらわなければならないのは当然のことでございますけれ
ども
、それを待つと同時に、国民の一人一人が、
地震
が起こってしまったときにみずからが第二次
災害
をいかにして防ぐか、そして、みずからの生命をみずからがどうやって守っていくかということの周知徹底は大変大事なことだということを、つくづくと感ずるわけであります。そのために、先ほど長官も、九月一日を
防災
の日と定めて、いろいろの訓練を行い、国民に対しても啓蒙を行っておるということを発表になったわけであります。 今回、
北海道
地震
で私
ども
が行く前から、すでに
地震
が
予知
をされている
地域
の皆さん方が
北海道
を訪ねておられました。それは、今回第二次
災害
、つまり
火災
が起きなかった、そして
死者
が出なかった、これに対して各自治体の、そして一人一人の心構えはどうであったのか、テレビを見たら、子供がはいずっていってストーブを消した、奥さんはテーブルにつかまりながらもガスを消した、あれが第二次
災害
を防いだ、これは大きな
教訓
だということで、たくさんの
方々
がその実態を知りに来ておるというようなことも聞いたわけであります。大変大事なことであります。そして、出席された皆さん方はもらってこられたわけでありますけれ
ども
、こういったものが
静内
町では各戸に配布されておる。子供がぐらっときたときに瞬間的にストーブに飛びついていって火を消したということは、よほど日ごろからの訓練ができていなければできないことだろうというぐあいに思います。そこまで徹底をされた自治体の皆さん方に、心から敬意を表するわけでございます。 もしこういったものが大都会で起こったときに、これほどの訓練ができているであろうかということを心配するわけでございますけれ
ども
、これは消防庁になりますか、この辺の
対策
についてお聞かせいただきたい。
松田有弘
137
○松田
説明
員 お答えいたします。 ただいま
先生
御
指摘
になられましたように、
災害
発生直後におきます行政なり市民の
対応
いかんが、その後における
被害
を拡大するかしないかを大きく左右するポイントになるわけでございます。 今回の
浦河沖地震
に関しまして私
ども
が得た情報でも、かなりの
被害
がある中で
死者
ゼロ、それから
火災
発生ゼロということでございまして、
被災地
域の
市町
村の日ごろの啓発の
状況
を調べてみましたところ、まず火を消すこと、二番目にあわてないこと、三番目にすぐ外に飛び出さないこと、この三点がかなり市民の間に徹底をしておりまして、その結果がこういう結果をもたらしたというふうに私
ども
考えておる次第でございます。したがいまして、
地震発生
と同時に、その後におきますところの同時多発
火災
にいかように
対応
しようとするか、これはまずもって
住民
が火の始末をする、初期消火等につきまして適切な
防災
行動をとるということが一番肝要になるわけでございます。 そうした意味合いにおきまして、消防庁といたしましては、
住民
の
防災
意識を高揚するということに力点を置きまして、さらにまた、意識だけではなくて、それをみずからの行動力として体得をしておくために、テレビ、ラジオ等の媒体を通じまして、あるいはまた出版物等を利用いたしまして、
防災
知識の普及啓発に努めているところでございます。さらに、地方公共団体に対しましても、やはり初期的な
住民
の
対応
が肝心でございますので、自主
防災
組織というものをできるだけつくっていただき、そうした自主
防災
組織を通じまして、次いで実践的な
地震
防災訓練
を実施する、こういうふうなことでただいま私
ども
は努力をしておるところでございます。 今回の被災
市町
村におきましても、
地震発生
時刻におきまして大体七割の家庭が火を使っておったそうでございます。その七割の家庭の中で大体六五%の方がすぐに火を消されたということでございますので、こういった実践例等を今後の震災
対策
の上に十分に生かしまして、自主
防災
組織の育成強化等を初めといたしまして、さらに訓練等を含めて積極的に国民の
防災
行動力、
防災
意識の向上に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
横手文雄
138
○
横手
委員
大変むずかしい、答えにくい質問かもわかりませんが、あえて御質問さしていただきますけれ
ども
、いま御
指摘
のとおり、この
地域
ではいま数字を並べられたようなことで各自が初動の
対策
に当たったということでございますが、もし大都会でこういった
地震
が起こったら、大体どのくらいがそれをやってくれるに違いないという自信がありますか。
松田有弘
139
○松田
説明
員 たとえて申しまして東京で考えました場合に、まだ自主
防災
組織は六割
程度
の組織率でございまするし、さらにまた、
地震発生
直後における
道路
あるいは二次
火災
の
発生状況
等によりまして、あるいはまた、避難地
確保
と避難路の
確保
もございますが、そういった面からいたしましてどの
程度
このようなみごとな
対応
ができるか、私
ども
いろいろ
予想
はいたしますが、この
程度
のことはできるというような確たることはちょっとお答えいたしかねるわけでございます。
横手文雄
140
○
横手
委員
みごとな
対応
をした、こういう評価をしておられるのですけれ
ども
、いまも言われたように、幾つかのメニュー、各自治体はこういうことをやります、そして一人一人の意識の喚起を促します、こういうことはあしたにでもできることであります。要は、それを一人一人の心構えの中にいかに入れるか。
地震
が起こってから広報活動はできないのでございます。したがって、常日ごろから一人一人の心の中に
準備
をさせておくことが最も大事なことであります。幾らメニューを並べるか、幾ら訓練をするかということよりも、たったその一つが大変なことでありまして、まさにそれが勝負であります。そして、まことにみごとであったという評価を受けられる、そのことの実現のためにいかなる
対策
を今後とろうとしておられるのか、このことについてお伺いをいたします。
松田有弘
141
○松田
説明
員 お答えいたします。 やはり先ほど申し上げましたような自主
防災
組織を中心とする啓発活動あるいは訓練というものをさらにきめ細かく全国的に展開していくということが、まず第一に必要ではなかろうか。私
ども
の
調査
によりますと、啓発活動はかなり普及をしてまいっております。しかしながら、訓練ということになりますと、今日までに
被害
地震
を経験したかしないか、都市なりあるいは
住民
の関心度によりまして若干の差がございますので、やはりそういう点を克服しながら、今後
先生
御
指摘
のとおり、積極的に
防災
行動力を国民の一人一人が体得していく、高い
防災
意識に支えられたものとして行動力を高めていくという点に、最大限、
関係省庁
並びに地方公共団体を通じまして施策を展開してまいりたい、かように存じます。
横手文雄
142
○
横手
委員
私は、このことがきわめて大事なことだというぐあいに考えます。それは何を言うかではない、何をなすかだということにかかっておるというぐあいに思うわけであります。みごとであったという評価をされるその啓蒙が全国に行き届いて、そして、M七
程度
だったら
予知
ができないという実態にかんがみ、国民の一人一人がそれに備える心構えをまさに国民運動として、一人一人の生命と財産を守る運動として徹底していただく、その具体的な方策を地方自治体あるいは地方自治体の下の
地域
の自衛団あるいは町内会、こういったところまできちっとおろしてこれが徹底できるように、日本全国がみごとであるというような
体制
になるようにひとつ御努力をお願い申し上げる次第であります。 時間が参りましたが、あと一、二点お伺いをいたします。 先ほど来、中小企業
対策
、特に
商店街
の皆さん方に対する
融資
等の問題がございましたが、今回は激甚
災害
の指定を受けておりません。したがって、他の方法によってこれを救っていこうということが披瀝をされたわけでございます。激甚
災害
、特に中小企業の場合には、その前提として
災害
救助法が発動されていなければならない、あるいは中小企業者の所得の一〇%以上に
被害
を及ぼす、このときに激甚
災害
を発動する、そのときのメニューといいましょうか、救済の種類は、一つは
貸し付け
の金利を六・〇五、あるいはひどいところには三%ということで金融
措置
を見る、もう一つは、賃金保障の別枠を設ける、あるいは設備近代化資金の返還猶予を設ける、こういった三つの
措置
があろうと思いますけれ
ども
、今回、何らかの形でこれを救済するということでございますが、こういったメニューをお示しになる用意があるのかどうかということをお聞かせいただきたい。
熊澤正光
143
○熊澤
説明
員
被害
の実情につきまして、現在、道庁を通じまして
調査
中でございまして、まだ結果は判明いたしておりませんけれ
ども
、結果をもとに、御
指摘
のような点を含めまして、現在用意しておりますのが中小企業体質強化資金制度でございますけれ
ども
、これの活用も含めまして、できるだけ
被害
の実情に応じて救済
措置
が講ぜられるよう
検討
してまいりたい、かように考えております。
横手文雄
144
○
横手
委員
これから
被害
の実態を調べてということでございますけれ
ども
、いまのところ、激甚災の指定には遠かろうという見方ですね。これから
被害
調査
をしてみても激甚
災害
指定にいくまでには至らないであろうということが、ほぼ結論づけられているような感じがするわけでございます。そうなりますと、他の自治体と共同した形での
対策
、そういったものがこれからとられなければならないというぐあいに考えておるわけです。 私は、先ほどから議論になっております中小企業の一〇%の
被害
の見直しということも大変大事なことであろうというぐあいに考えておりますけれ
ども
、それ以下の人たちをどこかで線を引かなければならない。そうすれば、線を引いたその下の人たちを一体全体どうするのかということが大変議論になってくるわけであります。この法律というものは、そういうことで発想したということよりも、むしろ
被害
が小さいときには自治体がこれに
対応
していく、そして一定限度以上になった場合には、自治体ではとてもその
対策
をすることはできないであろう、したがって国が直轄的にこれの救済に乗り出す、こういう形のものが激甚災の法律ではないかというような気がするわけであります。 しかし、もう時間が参りましたので、次の機会にでももう一遍ここら辺は議論をしてみたいと思いますけれ
ども
、そのことについて一言でいいですからお考えをお聞かせいただきたい。
川俣芳郎
145
○
川俣政府委員
被災者
に対する援護の問題あるいは
被災地
方団体の
災害対策
に関する経費の負担の問題は、ただいま
先生
が御
指摘
になりましたような考え方で現在の制度は成り立っておるというふうに考えております。
横手文雄
146
○
横手
委員
時間が参りましたので、これで終わります。ただ、私も行ってまいりました、そして
地元
の皆さん方からたくさんの願いを聞きました。しかも、それはまことに切実な願いでございました。そのことについては先ほど来触れられたとおりでございますし、
政府
としてもこれらに対処するために力を尽くすというようなお約束の決意が述べられたわけであります。どうか、
被災地
の皆さん方が勇気を持ってつち音高く復興への道を歩まれるように、国もこれに対して大きな力添えをしていただきますように心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
川俣健二郎
147
○
川俣委員長
これにて
横手
君の
質疑
は終了いたしました。 次に、
野間友一
君。 〔
委員長
退席、
池端
委員長
代理着席〕
野間友一
148
○
野間
委員
最初
に、いわゆる
浦河沖地震
に関して、大変な
被害
を受けられた皆さんに心からお
見舞い
を申し上げますとともに、先ほどからも言われておりますように、日ごろの大変な訓練、努力によって、あれだけの大きな
地震
であるにもかかわらず、
死亡者
がゼロ、
火災
発生がゼロということで、今日まで非常に努力された
関係者
の皆さんとそれぞれの
被災者
の皆さんに、この点についても心から敬意を表したいと思います。私も
調査団
の一員として
現地
をつぶさに見てまいったわけでありますけれ
ども
、
死者
がゼロだというようなことで軽視をせずにこの
委員会
で
調査団
を
派遣
したということは、非常によかったと思います。私たちはいろいろな
教訓
を学んできたと思います。私は、その中で幾つかの点を取り上げまして御質問をいたしておきたいと思います。 まず、激甚
災害
の問題でありますけれ
ども
、
被害
実態がいまだんだん明らかになりつつありますが、これについて指定の可能性があるというふうにお考えなのかどうか。もしいまの法律の弾力的な運用によっても困難だということであれば、この激甚
災害
の指定制度そのものについて、いまの時期にもう一遍
検討
し直す必要があるのじゃないかと思いますけれ
ども
、この点についてどういうふうにお考えなのか、
国土庁長官
にまずお伺いしたいと思います。
川俣芳郎
149
○
川俣政府委員
詳細な
被害
の
状況
が判明いたさないと、本激甚
災害
なり局地激甚災に該当するかどうか判断いたしかねるわけでございますけれ
ども
、現在のところでは、局地激甚の指定基準に該当することはないのではなかろうかと思っております。 激甚災の指定につきましては、本激甚の場合におきましても、あるいは局地激甚の場合におきましても、指定基準が明確に定められておりますので、激甚の指定について弾力的な運用というものはないわけであります。 見直しの話がございますが、先般もお答え申し上げたのでございますけれ
ども
、たとえば
公共土木施設
等の
災害復旧
費につきましては、
被害額
と当該地方団体の標準税収入額、つまり財政力とを比較して決めるという仕組みに相なっておるわけでございます。これらの点について、地方団体の財政力とそれからいまの
被害額
との相関関係をどう考えるかということについては絶えず
検討
をしなければならないと考えておりますけれ
ども
、いろいろむずかしい問題がございますので、私
ども
としては慎重に取り組みたいと考えておるところでございます。
野間友一
150
○
野間
委員
長官、いまの見直し、
検討
はいかがですか。
松野幸泰
151
○
松野国務大臣
いろいろな角度から
検討
をしておりますけれ
ども
、やはり現段階では非常にむずかしいように聞いております。
野間友一
152
○
野間
委員
ぜひ
検討
をお願いしたいと要求しておきます。 関連して、
災害
資金等について先ほどからも、あるいは
現地
でもたくさんの要請を私
ども
は受けてきたのですけれ
ども
、有珠山の場合は、御案内のとおり法律にとらわれずに、適切なと申しますか、具体的な要求にこたえる施策を行ってやってきたわけであります。有珠山の場合には閣議にかけてここでやったわけですね。
国土庁長官
、先ほどからも要求があったやに思いますが、ぜひこのケースにならって、閣議にでもかけて、
被害者
の
復旧
あるいは救済に支障のないようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
熊澤正光
153
○熊澤
説明
員 事実関係でございますので、前もって御
説明
させていただきます。 有珠山の場合につきましては、五十二年八月に噴火がございまして、八、九月継続して噴火活動があったということから、十一月に閣議決定いたしまして、激甚
災害
並みの
低利
融資
をするということが決定されたわけでございます。今回につきましては、
被害状況
につきまして現在鋭意
調査
中でございまして、
被害状況
の判明によりまして、
北海道
庁の意向等も聞きながら、
連携
をとりながら
対応
してまいりたいと考えております。
野間友一
154
○
野間
委員
いかがですか、長官。
松野幸泰
155
○
松野国務大臣
ただいまお答えいたしましたように、適切な処置がとられるように最善を尽くしてみたいと考えております。
野間友一
156
○
野間
委員
国鉄の
日高
本線、それから二百三十五号の
国道
、この
早期
開通についてはもう皆さん要求されましたし、
現地
でも私たちは聞いてきたわけです。これについての一定の行政の
対応
は私
ども
も承知しております。 これに関連して、一つは、これは
池端
委員
もやられたわけですが、通称第二
国道
、これをぜひつくってほしい、
災害
に弱いいまの線ではどうにもならぬ、こういう声が
現地
では非常に強いわけであります。これについてぜひ
住民
の要求にこたえてほしい、こう思いますけれ
ども
、建設省、どうでしょうか。
萩原浩
157
○
萩原説明員
先生
御
指摘
のように、現在の
国道
二百三十五号線は、
日高地方
の
海岸線
を結びます唯一の
幹線道路
でございます。したがいまして、もう一本、内陸部にその代替的性格を有する道道が必要ではないかというようなお声が
北海道
から出ておりまして、
北海道
庁からもその概略についてお聞きをしている次第でございます。 道道の認定は、道議会の議決を経て道から御申請をいただいた後に、建設大臣の認可が必要でございます。道道としての必要性あるいは現実の
道路
の実態というものを踏まえまして、
北海道
庁から詳細に
説明
をお聞きして
検討
をいたしたい。しかる後に、道道認定の要件を満たすかどうかということを判断することになろうと思います。今後も
検討
させていただきたいと存じます。
野間友一
158
○
野間
委員
いわゆる
静内
の大橋についてお伺いします。
現地調査
の結果でも明らかになりましたように、特にP3、この
橋脚
はいわゆる座屈していましたね。専門家の目で見ますと、ああいう現象は、鉄筋の帯筋あるいは横帯筋の間隔が長過ぎる、あるいは取りつけについて何か弱かった、いわゆる欠陥ではなかろうかということが専門家の問でも言われているわけです。 これは建設省にお伺いしますけれ
ども
、この原因等について
調査
されることのようですが、設計、施工、特にいま私が
指摘
したような点について問題があると専門家は言っておるわけです。これについていまの時点でどう思うのか、これらも含めてぜひ
調査
すべしというふうに要求したいわけですが、いかがでしょう。
萩原浩
159
○
萩原説明員
この
静内
大橋は、二百
ガル
の
水平加速度
を目標といたしまして、それを想定いたしまして設計いたしたものでございます。今回の
地震
は、広尾町の
強震計
のデータなどでもわかりますが、大体三百
ガル
以上の
水平加速度
が作用したであろうということが十分
予想
されるわけでございます。その結果、あの橋は剪断
破壊
をいたしておりまして、座屈ではございません。その剪断
破壊
の機構につきましては、鉄筋コンクリートにつきましていまだ従来解明されてない点がございました。その点で、今回の橋がどういう形でこのような決定的な
破壊
を起こしたかということについて、技術的な
検討グループ
を設けて
検討
いたそう、こういうことになっております。 いま御
指摘
の帯鉄筋でございますが、これは主鉄筋ではございませんで、計算に乗らない鉄筋でございます。いわゆる用心鉄筋と言われているものでございます。この用心鉄筋であるとか、あるいはいわゆる許容応力度と
破壊
応力度の間には差がございます。そこにわれわれ安全率と称するものを持っているわけでありますが、この安全率と用心鉄筋との関係というようなものはまだ解明が非常にむずかしい、計算に乗らないということでございますので、この用心鉄筋が即今回の
破壊
につながったかどうかということも含めまして十分な
検討
をいたしたい、しかも早急に
検討
をいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
野間友一
160
○
野間
委員
昨年の大雨と今度の再度の
災害
について、建設省にお伺いしたいと思います。
浦河
町で、たとえば小絵笛川が去年の八月の大雨で
被害
を受け、この三月やっと完成する予定ですが、この床止めに
亀裂
が入り、町では取りはずしてやり直すしかない、こう考えておるわけです。これはちゃんと
災害査定
をするべきだと思いますが、この点についてどうなのかということ。 もう一つ、ウロコベツ川、これも大雨との関係で
被害
がある。こっちはもうすっかり
復旧
が完成した護岸の壁が崩れたり、はみ出したりしておりますが、これは約二十メートルに及んでおります。これらの点について
早期
に
復旧
をしてほしい、こういう強い要請があったわけですが、これについて簡潔に答弁いただきたいと思います。
狩野昇
161
○
狩野説明員
お答えします。 第一点の小絵笛川の件でございますが、
先生
御
指摘
のように、昨年の七月の
集中豪雨
によりまして
被害
を受けております。
被害
の大きかった区間につきまして、
災害
関連事業で改良
復旧
により
復旧工事
中でございます。今回の
地震
によりまして、その
うち
の帯工の一部に
亀裂
が生じておるという
報告
を受けております。この分については、
先生
御
指摘
のように、三月末までにすでに竣工していた部分でございますが、これらにつきましては早速
調査
いたしまして、必要な
措置
を
災害復旧
事業ということで早急に実施することにしたいというふうに考えております。 それから、もう一つのウロコベツ川の
復旧対策
でございますが、
浦河
町の管理しておりますウロコベツ川の護岸につきまして、御
指摘
のように
被害
が発生しております。現在、
浦河
町におきまして、
査定
申請の
準備
と並行しまして、被災
個所
の
うち
緊急を要するものについて
応急復旧工事
に着手するための手はずを整えるよう指導もしております。建設省としましては、
早期復旧
を図るために、
現地
の
準備
が整い次第、早急に
査定
を実施することにいたしております。
野間友一
162
○
野間
委員
よろしくお願いしたいと思います。 次に、
国土庁長官
にお伺いしたいのは、
負傷者
に対する
見舞い
金の問題であります。 私
ども
日本共産党
では、
地震
直後からいろいろ
現地
の
調査
あるいは要求を聞き取りして、三月二十六日に共産党外尾静子
災害対策
本部長から
国土庁長官
にも御
要望
申し上げたわけですが、
負傷者
に対する
見舞い
金はないということですね。これは大変な問題であります。折々われわれもこれに対してどうするのかということで
検討
を進めておるわけです。
現地
へ行きまして、
浦河
の町長も言われておりましたが、ちょうどお彼岸で、お墓参りをして帰りにおそばを食べた、表へ出た途端に上から何か物が落っこって、そしておばあさんと娘さんがけがをされていま入院されておる、こういう
説明
がありましたが、こういう場合に、実際ないわけですね。この場合には、町が三万円
見舞い
金を出したというふうに聞いたわけです。こういう点から考えまして、自然
災害
の場合の
負傷者
に対してやはり適切な
見舞い
金を出すべきじゃないかというふうに思いますが、この点についての長官の見解をお聞かせいただきたいと思います。
川俣芳郎
163
○
川俣政府委員
事務的にわたる部分がございますので、まず
説明
をさせていただきたいと思います。 御案内のとおり、いわゆる
災害
弔慰金法がございまして、
災害
救助法等の適用がございますような自然
災害
で死亡された方につきましては、
災害
弔慰金の支給がなされておるわけでございます。現行制度のもとにおきましては、
負傷者
に対する
見舞い
金の制度はございません。いわゆる
災害
援護資金の
貸し付け
という制度がございますけれ
ども
、
負傷者
に対する
見舞い
金の制度はないわけでございます。ただ、仄聞いたしますところ、重傷の
負傷者
に対する
見舞い
金についていろいろ御
検討
がなされている向きがあるというふうには聞いておるところであります。
野間友一
164
○
野間
委員
それに対して、長官、所見を聞かしていただきたいと思います。
松野幸泰
165
○
松野国務大臣
いま事務当局から御
説明
しましたように、やはりちょっと矛盾した点があると思いますので、御意見に対しましてよく
検討
させていただきます。
野間友一
166
○
野間
委員
こういう複雑な社会情勢ですので、歴史的あるいはいきさつ、目的は違いますけれ
ども
、いわゆる無過失の場合のさまざまな救済
措置
が講ぜられておると思うのです。たとえば学校安全会法で、クラブ活動中の児童の負傷とか、あるいは運動場でけがをしたとかいうさまざまな問題に対する救済
措置
とか、あるいは交通事故の場合でも、いま引き逃げ等加害者がわからない場合でも国が立てかえて支払うという制度がありましたり、いろいろあるわけです。それからもう一つ、例の通り魔に対する
被害
救済がありますね、これはまだ不十分ですけれ
ども
。だから、それぞれの複雑な社会的な事象に対して適切に
措置
を講じていくというのが、やはりわれわれの任務だと思うのです。ですから、長官もいま
検討
したいというふうに言われましたけれ
ども
、こういうケースがこれからふえてくると思いますので、十分なそういう
措置
を講ぜられるように、われわれもやりたいと思いますけれ
ども
、ぜひ国の方においてもそれに対する
対応
をひとつお願いをしたいというふうに思います。 それから、
気象庁
に対してお伺いしたいと思いますけれ
ども
、今度の
地震
についてですが、
浦河
は
震度
が六、ところが、三石町あるいは
静内
町、これはまだ
気象庁
の方としては
震度
幾らということを出してないと思うのですけれ
ども
、三石の町長は、太田さんですが、証明書を出せと言われても困るが三石もたしか
浦河
と同じだ、こういうふうに言われております。ですから、これについて、
浦河
だけでなくて三石あるいは
静内
の
震度
は幾らか、お聞かせいただきたいと思います。
山川宜男
167
○山川
説明
員 お答え申し上げます。
気象庁
では、
震度
につきましては日ごろから
震度
観測
の訓練をいたしております
気象庁
職員が
観測
いたしましたものを正式の
震度
として採用しているわけでございまして、
地震発生
後、直ちに報道
機関
、
防災
機関
に発表いたしまして利用していただいているわけでございます。 いま御
指摘
の三石、
静内
町には気象官署がございませんので、
気象庁
の正式
震度
は出ないわけでございますけれ
ども
、私
ども
も、今回のような大
地震
が発生いたしますと直ちに
調査
員を
派遣
いたしまして
現地調査
を行って、その結果、聞き込みや
被害
も勘案いたしまして参考
震度
というものを求めまして、そのようなものを
震度
分布図というような形にあらわしていくことにいたしております。これまでもそういうことをいたしておりましたし、今回もそういうものをつくるつもりでおります。 〔
池端
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
野間友一
168
○
野間
委員
浦河
は
震度
六、それから
札幌
、帯広は
震度
四ですね。一体、六はこのほかにあるのかどうか、あるいは五の範囲はどうなのか、これがわかりませんと、
地震
の全体がつかまれないわけですね。
被害
との関係あるいは地盤との関係、これはやはり今後の
防災
対策
、特に関連して、たとえば建物を
建て
る場合でも、一つの
地震
があればそれに対して全体を科学的にとらえていくということは不可避じゃないかというふうに思うわけです。 そこで、お伺いしたいのは、いわゆるマイクロゾーニングというのでしょうか、面分布ですね、こういうもので科学的に
地震
の実態をつかまえるということの必要性ですが、その等震動線をぜひこの場合でも出していただいて、いろいろ手数はかかると思いますが、それをもとにして面分布図をぜひ
早期
につくってほしい、これが
防災
対策
として大変大事だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
山川宜男
169
○山川
説明
員 御
説明
申し上げます。
現地調査
の結果を解析いたしまして、そういうようなものをつくっていきたいと思っております。
野間友一
170
○
野間
委員
ケース・バイ・ケースでなくて、面分布の図面、実態を科学的にとらえるということを制度的にしなければならぬというふうに私は思うのですけれ
ども
、
国土庁長官
、いかがでしょうか。
川俣芳郎
171
○
川俣政府委員
ただいま申されたような
地震
の資料につきましては、私
ども
もそういうものを作成することは望ましいというふうに思うわけでございまして、
気象庁
の方でしかるべき
措置
がとられることを願うものであります。
野間友一
172
○
野間
委員
人員の増加は必要だと思います。われわれはもう力いっぱい応援したいと思いますので、ぜひそういう面で努力をしていただきたいと思います。 国土地理院、お見えですね。——
地震
の
予知
についてお伺いをしたいと思います。 前後の地殻の変動を調べることの必要性は言うまでもありません。この
浦河
の場合、水平方向の測量は特に大学は力を入れてやっておられるようですが、お聞きしたいのは上下方向の水準測量ですね。これについて測量あるいは分析はぜひする必要があるのではないかというふうに思いますが、これについてやられるのかどうか、それから同時に、五月の
予知
連の
会議
に結果を出す必要があるのではないかと私は思いますが、出されるかどうか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
藤田尚美
173
○藤田
説明
員 お答えいたします。 この
地域
では、
昭和
五十五年、五十六年の二年間にわたりまして水準測量を実施しておりますが、今回の
地震発生
にかんがみ、本年度早々、四、五月にかけまして、えりも町から門別町に至る水準路線百十四キロを再度実施いたす予定にしております。そして、
地震
の前後における地殻変動を
調査
する。これは
地震
の発生メカニズムを押さえる上できわめて貴重な資料になろうかと思います。四、五月に実施しまして、そして五月の
地震予知連絡会
に提出するように考えております。
野間友一
174
○
野間
委員
せっかくの努力を期待したいと思います。 八〇年、八一年の測量の前は、六九年の測量があるだけだというふうに私は思うわけですね。十年以上たっておる。地理院としては、五年に一回測定することになっておるはずなんです。特定
観測
の
地域
に指定されている根室でも、七四年から七六年ですか、ずっと測定している。その後八年もたつのに、次の測量の計画すらない
状況
だというふうに私は思うわけですが、この測量の強化についてもっと努力をしていただきたい。いま言われたわけですが、
地震
予知
のためのまさに基礎をなす仕事であるからであります。東海
地域
の
予知
対策
も、この地殻のひずみの変化、それから蓄積の把握から手がかりを得ていったという面もあると思います。これについていかがお考えになるか、お聞かせをいただきたいと思います。
藤田尚美
175
○藤田
説明
員 お答えいたします。 国土地理院としましては、五年周期の繰り返し測量を目標として努力しておりますが、いま
先生
御
指摘
のように、そういった目標に若干遠い面があることは事実でございます。根室
地域
の水準測量につきましては約六年、
浦河
地域
の水準測量につきましては約十一年という長い繰り返し周期でございまして、その間、
浦河
地域
につきましては、水路部の検潮記録あるいは
北海道
大学の地殻変動
観測
所における傾斜計による連続
観測
等により補完しつつ進めておるわけでございますが、今後は、両
地域
において重点的、機動的に測量を実施するように考えていきたいと思います。
野間友一
176
○
野間
委員
次に、津波
対策
についてお伺いしたいと思います。 今回の
浦河沖地震
の津波の第一波、これはいつというふうにお考えでしょうか。何時何分でしょう。
山川宜男
177
○山川
説明
員 第一波は、
地震発生
が十一時三十二分でございましたが、四十分ごろに来ているようでございます。ただ、この第一波の波高は二十センチ
程度
でございまして、十二時二十分に参りました最大波高八十センチと比べると、かなり小さかったようであります。
野間友一
178
○
野間
委員
そうすると、三十二分の
地震
後、四十分ですから、八分後に第一波が発生しておるわけですね。
気象庁
、津波についてですが、
気象庁
として津波警報を出されたのは何時何分でしたか。
山川宜男
179
○山川
説明
員 まず、
気象庁
で津波警報を出す作業についてごく簡単に御
説明
申し上げますと、(
野間
委員
「後で必要になったら聞きますので……」と呼ぶ)それでは、津波警報は十一時四十五分に発表いたしております。
野間友一
180
○
野間
委員
そういうことですね。第一波が来たのは十一時四十分、
地震
が三十二分ですね。警報が出されたのが十一時四十五分、こういうことになるわけで、そうしますと第一波の後ということになるわけですね。これはいろいろございまして、
気象庁
としては何とかできるだけ早く、発震後二十分以内にというふうに努力されておるということを私もよく承知しております。ところが、この間隙と申しますか、乖離と申しますか、実際に警報が発令される。ところが、本件の場合にもその前に第一波が来ておる。たしか関東大震災のときにも、
地震発生
の七分後に熱海に第一波の津波が来ておるわけです。そうしますと、二十分以内に警報を出すという大変な努力を皆さんはやられておるわけですけれ
ども
、それにしても間に合わないということが当然あり得るわけですね。これはあり得るということはお認めになりますね。
山川宜男
181
○山川
説明
員
気象庁
では、津波の警報作業を少しでも短縮するようにいろいろな努力をしているわけでございますけれ
ども
、確かに海岸近くで起こりました
地震
につきましては、
先生
御
指摘
のように、
地震発生
直後あるいは数分以内で襲ってくることもあるわけでございます。
野間友一
182
○
野間
委員
この間隙をどうするかということが一つの大きな問題でなかろうかと思うのです。ぐらっと来ますと、家の中で皆さんはテレビを見るわけですね。あるいはラジオを聞きますね。津波警報、われわれもよく経験しておりますけれ
ども
、そうするとあわてて避難する
準備
、段取りをしていく。ところが、実際に第一波が警報前に来るということになりますと、避難手だてをする段取りは逆になるわけですね。ですから、この間の矛盾を一体どうするのかということが一つの大きな問題ではなかろうかと思うのです。 そこで、お伺いしたいわけですが、最寄りの測候所か何かで
市町
村長、地方公共団体が十分協議して、生命、身体あるいは財産にかかわるような緊急な、しかも警報が間に合わないというような場合には、
市町
村長が何らか適切な警報、法律上の警報かどうかはともかくとしても、そういう
措置
ができるようなことが必要ではなかろうかと思うのですが、いかがですか。
山川宜男
183
○山川
説明
員
気象庁
では、沿岸の監視所につきましては緊急に必要な場合には津波情報を出すことができるようにしております。これにつきましては、確かに
先生
御
指摘
のように、どんなに努力しても津波予報作業というものは十数分はかかる作業でございますので、
気象庁
といたしましては、日ごろから機会あるごとに
防災
機関
とか海岸地方の自治体の皆様方にお願いをいたしまして、津波に関する教育をやっていただく、それから自衛
措置
をお願いしているわけでございます。たとえば、少なくとも強い
地震
を感じられましたような場合に、海岸
地域
の皆様方には、
気象庁
から津波に関する情報が届きます三十分ぐらいまでは自衛
措置
として海面を監視していただく、そういうようなことを機会あるごとにお願いしているわけでございます。
野間友一
184
○
野間
委員
避難する指示は
市町
村長が出すわけですね。これは警報の有無にかかわらず出せるわけですね。だから、警報についても制度的に何か、
気象庁
が非常な努力をされても科学的にそんなに全部が全部捕捉はできないわけですから、
市町
村長が適宜適切に判断してそういう
措置
ができるような制度が必要ではなかろうかと私は思うのですけれ
ども
、そういう点についてどうお考えでしょうか。
川俣芳郎
185
○
川俣政府委員
私
ども
の方でお答えするのが適当かどうかと思うのでございますけれ
ども
、
市町
村長が津波に関する警報を出すということについては、これはやはり
気象庁
の関係の法令との関係も調べないと、早計にそれができると申し上げるのは適当でないと思うのでございますが、いわゆる津波常
襲地帯
につきまして、発災後に
住民
の方が避難されるということは必要であろうと思うわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、
市町
村の
地域
防災
計画の中でいろいろその
措置
をすでに
検討
されているところもあると聞いておりますし、適切な
対応
措置
が
防災
計画の中に盛り込まれることが望ましいのではなかろうかと考えます。
野間友一
186
○
野間
委員
大変時間のかかる、じみな、非常に基本的な大事な仕事をされている
気象庁
やあるいは地理院の
方々
、これからもぜひよい仕事をしていただきたいと思います。人が足りなかったら、われわれができるだけふやす努力をしたいというふうに思います。
最後
に、地下街
対策
について、労働省がお越しですので、お聞きしたいと思います。 今度の
浦河沖地震
の後、マスコミは一斉に、あれだけ大きな
地震
だから、これがもし東京で起こったらどうなるのか、こういうようなことが
指摘
をされましたし、その中で特に問題になりましたのは地下街の問題だと思います。
防災
上これ以上地下街をふやさないというのが
政府
の地下街についての方針であるやに聞いておるわけですが、こういうようなことの中で、地下街の労働者の労働条件あるいは
災害
防止
対策
、これは非常に重視をしなければならぬ。例の静岡の駅前のガス爆発の事故の後、一斉に地下街の
調査
をされた。この中で、地下街の労働
対策
協議組織がまだつくられていないところが六カ所、それから非常
災害
時の避難及び消防作業等についてのマニュアルの作成すら行っていないところが十六カ所あるという
指摘
を、
調査
の結果発表しておりますね。これらはその後どうなっておるのか、簡潔にお答えいただきたい。
岡部晃三
187
○岡部
説明
員 地下街労働
対策
要綱の施行につきましては、私
ども
重点的にやっておるところでございます。いまお尋ねの
昭和
五十五年九月から十月にかけて行いました全国一斉監督の結果の中で、その柱でございます自主的管理活動を行うための協議組織の設置につきましては、監督実施地下街九十八の
うち
九十二ですでに設置されておりましたが、あと六地下街につきましてはまだ未設置であったわけでございます。しかしながら、その後改善指導いたしまして、現在すべてにつきまして設置が完了いたしております。 それから、避難訓練時に用いる避難及び消防作業についてのマニュアルの作成でございますが、これは九十八地下街中八十二地下街においてはすでに作成されておりましたが、なお十六の地下街につきましては未作成であったわけでございます。その後の改善指導の結果、現在までその十六の
うち
十一地下街につきまして作成が完了いたしております。残る五地下街につきましても、現在作成をいたす方向で
検討
をしておるというふうに聞いております。
野間友一
188
○
野間
委員
つい最近、労働省にこの結果について掌握しておるかどうか聞いたときには、まだ調べていないということでありましたけれ
ども
、きょうの時点までにお調べになったということで、それはそれで結構だと思いますが、やはり労働省がせっかくこういうことを要綱まで決めておるわけですから、こちらから
指摘
するまでもなく、すべてを十分に把握をしておく必要があると思います。 この地下街の労働
対策
が進んでいないということは、例のニュージャパンの
災害
でも、不当労働行為やさまざまな問題が労働者
対策
の中でもこの
災害
との関係でも論じられましたし、たくさんの問題があったと私たちは思います。監督署の人員をふやす、これも大変なことになると思いますけれ
ども
、やはり
調査
と指導の強化に必要な人員は何としても
確保
していかなければならぬ。 特に、聞きますと、この地下街二百六ですか、この中で働く労働者と、地下街を利用する
通行
者、お客さん、これらを合わせますと毎日千二百万人、大変な数ですね。人口の約一割が地下街に何らかの関係でかかわっておる。そうなりますと、実際にこういう
地震
の
災害
が発生しましたらこれは大変なことになりますから、きょうは労働省だけしかお呼びしておりませんけれ
ども
、労働省に対しては、労働者
対策
としても誘導もしなければなりませんし、みずからの
被害
から守らなければならぬという点からも、避難誘導等も含めて労働者に対する
対策
をきちっと立てていく必要がある。この点について
調査
あるいは指導監督を今後もさらに強化をしていくように要求したいと思いますけれ
ども
、この点についての御答弁と同時に、時間がありませんから
最後
に、国土庁に対して、地下街
対策
をぜひ強化していただきたい、これについての所見を承りまして、質問を終わりたいと思います。
岡部晃三
189
○岡部
説明
員 地下街
対策
につきましては、私
ども
は、来年度の行政運営方針の中でも実は重点の一つとして掲げたところでございます。今後とも関係行政
機関
とも
連携
をとりながら、地下街に働く労働者の
方々
の労働条件の十分な改善も含めて、私
ども
としては努力をしてまいりたいと考えております。
松野幸泰
190
○
松野国務大臣
地下街
対策
について貴重な御意見として、各省とも
連携
をとりながら最善を尽くしてまいります。
野間友一
191
○
野間
委員
終わります。
川俣健二郎
192
○
川俣委員長
これにて
野間
君の
質疑
は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時一分散会