○都甲
政府委員 先生御
指摘のように、
わが国が
締結しております
文化関係の取り決めのうち、
文化協定として
国会で御
承認をいただいて取り決めておりますものが二十ございまして、それにさらに二十一日に批准が予定されておりますギリシャとの
文化協定を含めますと二十一、それに今回御審議をいただいております二本の
文化協定を加えますと、二十三カ国との間で
文化協定を
締結するということになるわけでございます。
それからさらに、
文化取り決めとして行
政府限りで処理させていただいておるものとしては、ソ連、ハンガリー、モンゴル等、主として社会主義国との取り決めで行っておるものがございます。
御承知のように、いま
文化協定というものは、締約当事国たる両国間の
文化交流を
政府、民間双方のあらゆるレベルを通じて促進するということで、それによって両国間の相互
関係を増進するということを直接の
目的としておりますが、究極的にはこのような
交流を通じて、
相互理解を通じて両国間の友好
関係を増進するという
目的を持っておるものでございまして、そういう意味では、広範にわたる両国の基本的な
関係を法的に規定する意味を持っておりますので、いわば友好
条約的な
性格を持っておるものというふうに言えるものだろうと思います。そういう意味で、両国間の友好
関係を象徴するものとして、政治的に非常に重要な意義を持つものということで、従来ともこのような協定には批准条項を置いて
国会の御
承認をいただくことにしているということは、従来から
政府が答弁で申し上げているとおりであります。
したがいまして、そのような包括的な
関係を規律するものが
文化協定でございますが、他方、先ほど申し上げましたような行政取り決めとして取り扱っております
文化取り決めは、両国の
政府間の特定の分野における
交流を法律あるいは
予算の範囲内でこれを実行するということで、いわば限られた
目的のための取り決めを
政府間限りで交わすことにしているわけでございます。それで、特に社会主義国との間でこのような行政取り決め的なものが多いわけでございますけれ
ども、これは主として社会主義国におきましては
文化の分野におきましても
政府がそれを主として主管する部面が多いわけでございますので、このような
政府間の取り決めで特定の分野において
交流を進めれば大体の
目的を達し得るということはございますので、そのような取り決めで従来処理してきているということでございます。そういう意味で、
文化協定とするか、行政取り決めとして限定的な
目的のための取り決めで処理するかということは、両国間の
関係を十分に考慮し、あるいは
文化交流実績等を考慮して判断した上でそのような実績となってきているというふうに申し上げられると思います。
なお、このようなものを離れましても、たとえば韓国との間には大韓民国との間の
文化財及び
文化協力に関する協定というようなものがございますし、
日米間では
日米教育
交流計画協定というようなものがございます。これはいずれも
国会の御
承認をいただいたものでございます。
それからさらに、行政取り決めとしては、米国との間には、公の刊行物の交換に関する取り決めであるとか、
文化教育
協力合同
委員会設立取り決めであるとかというようなものがございますし、ベルギー、
フランスとの間にも公の刊行物の交換に関する取り決め等を行政取り決めとして処理しているということがございますので、そのような限られた範囲のものにつきましては行
政府限りでやる場合もございますし、それから特定の
目的のものについても、その
内容によって
国会の御
承認をいただく必要があるというものについては、
文化協定という広範なものでなくても
国会の御
承認をいただいて取り決めているというような例もございます。