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1982-05-27 第96回国会 衆議院 外務委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十七年五月二十七日(木曜日)     午後一時三十二分開議  出席委員    委員長 中山 正暉君    理事 愛知 和男君 理事 稲垣 実男君    理事 奥田 敬和君 理事 高沢 寅男君    理事 土井たか子君 理事 玉城 栄一君    理事 林  保夫君       石原慎太郎君    木村 俊夫君       鯨岡 兵輔君    小坂善太郎君       佐藤 一郎君    竹内 黎一君       浜田卓二郎君    松本 十郎君       山下 元利君    井上 普方君       河上 民雄君    小林  進君       草野  威君    岡田 正勝君       金子 満広君    野間 友一君       伊藤 公介君  出席国務大臣         内閣総理大臣  鈴木 善幸君         外 務 大 臣 櫻内 義雄君  出席政府委員         防衛庁装備局長 和田  裕君         外務大臣官房長 伊達 宗起君         外務大臣官房外         務参事官    都甲 岳洋君         外務省アジア局         長       木内 昭胤君         外務省北米局長 淺尾新一郎君         外務省中南米局         長       枝村 純郎君         外務省欧亜局長 加藤 吉弥君         外務省条約局長 栗山 尚一君         外務省国際連合         局長      門田 省三君         通商産業省機械         情報産業局長  豊島  格君  委員外出席者         外務大臣官房外         務参事官    遠藤 哲也君         外務委員会調査         室長      伊藤 政雄君     ————————————— 委員の異動 五月十九日  辞任         補欠選任   草川 昭三君     大久保直彦君 同月二十六日  辞任         補欠選任   渡辺  朗君     岡田 正勝君   東中 光雄君     金子 満広君   伊藤 公介君     楢崎弥之助君 同日  辞任         補欠選任   金子 満広君     東中 光雄君   楢崎弥之助君     伊藤 公介君 同月二十七日  辞任         補欠選任   大久保直彦君     草野  威君   東中 光雄君     金子 満広君 同日  辞任         補欠選任   草野  威君     大久保直彦君   金子 満広君     東中 光雄君 同日  理事渡辺朗君同月二十六日委員辞任につき、そ  の補欠として林保夫君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  国際情勢に関する件  第二回国際連合軍縮特別総会に関する件      ————◇—————
  2. 中山正暉

    中山委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  理事渡辺朗君が昨二十六日委員辞任されましたのに伴いまして、現在理事が一名欠員になっておりますので、この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中山正暉

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事林保夫君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 中山正暉

    中山委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥田敬和君。
  5. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 総理大変御苦労さまでござい  ます。  私たちも、昨日来、本日の午前中も含めて約十五時間余にわたりまして各党大変活発、慎重な意見の交換がございまして、ようやくりっぱな全会一致軍縮決議案作成することができたわけでございます。総理、御苦労でございますが、一足先に、一週間後には大変熱い外交スケジュールを控えておられるわけでございます。ベルサイユ・サミット軍縮総会、熱い国民の注視と世界の目がみんなそこに向けられると思います。そこで、きょうは核の問題について一、二点総理の御所信をお伺いいたしたいわけでございます。  申すまでもなく、わが国世界唯一被爆国であるということから、核廃絶を願う国民心情は他国に比べてまことに切なるものがあります。しかしながら、現実情勢に目を向けるときに、究極的な核廃絶はわが民族、国家の悲願でありますけれども現実社会核バランスによってそれがまたある意味における戦争抑止力として働いておるということも無視するわけにはまいりません。そこで、毎年のように国連においては核の不、使用の問題をめぐって話題になり、討議されるわけでございますけれども現実協定としてあるいは核兵器廃絶への歯どめとしての国際的な実効ある措置というのは、道はなかなか遠いというのが現状でございます。しかし、今度の第二回国連軍縮総会におきましても核不使用の問題が取り上げられるやに聞いておるわけでございます。政府は、核廃絶を願う国民心情を踏まえ、またこういった厳しい国際情勢現実面とを踏まえられまして国連総会でどのように対応されるおつもりなのか、お伺いをいたします。
  6. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 唯一被爆国でございますわが国におきましては、国民を挙げて核の惨禍が二度と繰り返されてはならないと願っております。私も先般被爆記録映画を見まして改めてその感を深くいたしたような次第でございます。政府としては、終始一貫して核の惨禍が繰り返されないことを願っておりますことは申し上げるまでもございません。しかし、どのようにして核が現実使用されることがないようにするかが問題でありまして、核兵器使用しないという約束については核兵器生産禁止、貯蔵の削減などの具体的な軍縮措置による裏づけのない限り実効性のある確実な——どもはどうしても実効性を確保しなければならないという基本的な考え方に立っておるものでございます。また、このように実効性を確保し得ない約束をすることについては、現下の国際社会の平和と安全が核の抑止力に依存しておる事実にかんがみまして困難であると考えております。したがって、政府としては核の廃絶を含めた全面完全軍縮究極の目標として掲げつつ核実験全面禁止、核不拡散体調の強化など現実国際関係の中で実現可能な、かつ検証措置を伴う具体的措置一つ一つ積み重ねていくことが肝要である、このように考えております。  第二回国連軍縮特別総会等におきまして核不使用問題が審議される場合には、個々の提案内容国際情勢との関連当該提案の持つ安全保障上の意味合いなどを総合的に考慮してわが国の対応を決定していく所存でございます。
  7. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 ただいま総理は御所信の中で現実国際関係の中で実現可能な措置一つ一つ積め重ねていくとお聞きしたわけでございますけれども、具体的にどうなさるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  8. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 御承知のとおり、従来よりわが国軍縮分野において核軍縮を最優先すべきであるとの立場から、核兵器の開発の歯どめとなる核実験全面禁止実現を訴えてきております。最近では、従来のわが国努力もあり、軍縮委員会においてその検証と遵守に関する作業部会が設置されました。本件に関し、効果的な交渉を行い得る枠組みが整えられたところでございます。  また、米ソ間では、昨年十一月末より中距離核戦力交渉が行われており、さらに六月末までに戦略兵器削減交渉を開始する旨の米国の提案に対し、ソ連もこれに応ずる姿勢を示しております。わが国としては、引き続き核実験全面禁止条約早期実現のために積極的に努力するとともに、米ソ間の交渉の進展を訴えていきたいと考えます。  次に、非核軍縮分野においては、核兵器に次ぐ大量殺戮兵器であり、甚大かつ広範な被害をもたらす化学兵器禁止早期実現のために、軍縮委員会等の場において引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。  さらに、実現可能な軍縮措置一つ一つ積み重ねていくという観点からは、すでに多数の国の合意を得て作成された軍縮条約を締結し、軍縮分野における国際協力に貢献することが重要であり、また国際的な責務でもある、このように考えております。  かかる観点から、いまこそ通常国会には、大量殺戮兵器一つである生物兵器禁止条約を初めとする軍縮関係の三条約を提出しているところでございまして、これら条約につきましても早期に御審議をいただけるように、特にお願いを申し上げたいと存じます。
  9. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 大変ありがとうございました。私たちも、この決議案をもって総理をお送りするということだけじゃなくて、現在本委員会審議中の軍縮関連条約も含めて、できれば批准した状態の中で総理をお送りし、国連総会におけるスピーチに花を添えていただきたかったわけでありますけれども、御存じのとおりの状態の中で大変残念に思っております。  私の持ち時間が参りましたので、サミット、そして総会中南米諸国訪問等々、大いにがんばってきていただきたいことを特にお祈りを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  10. 中山正暉

  11. 高沢寅男

    高沢委員 総理、また来月は第二回の国連軍縮総会、まことに御苦労さまでございます。どうか唯一被爆国民としての日本国民の要望をしょって、またニューヨークのその総会には、日本政府ではないが、各階層を代表するいわゆるNGOの代表も大ぜい行かれるわけでありますから、そういう人たちをも代表して、核軍縮の前進のために大いにひとつ積極的な働きをしていただきたいということをまずお願いを申し上げる次第であります。  さて、そういう前提に立ちまして、先ほど奥田委員からも触れられましたが、今回の軍縮に関する決議作成は、非常なむずかしい経過を経て、そしてお互いの最大の善意を持ち寄って、とうとう結果としては満場一致というふうな形に決議ができ上がってまいりまして、後ほど委員長から本委員会にもこれは提案されるわけでありますが、この決議は恐らくすでに総理もお目を通されておる、このように思います。そういう決議を踏まえて、そして今回の国連軍縮総会出席される総理の御決意を最初に総論としてお尋ねをいたしたいと思います。
  12. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 第二回の国連軍縮特別総会を前にいたしまして、軍縮、特に核軍縮を初めとする完全な、全面的な核軍縮を希求する国民の願いを込めて、当外務委員会におきまして非常に真摯なお気持ち決議案文を御作成いただいた、私はその御努力に対しまして深く敬意を表したいと存じます。  また、その中には、政府におきましてもぜひ主張いたしたいという点もほとんど漏れなく織り込まれておるわけでございまして、当委員会における決議として、さらに本会議における決議として成立をいたしました際には、その御趣旨を踏まえて、政府としては最善努力を傾ける所存でございます。
  13. 高沢寅男

    高沢委員 その総理最善努力というふうなことに触れて、以下多少具体的にお尋ねをいたしたいと思いますが、何分大変短い時間の制約の中でありますので、大変失礼ながら、総理にはできるだけイエスノーかというふうなお答えでいただきたいと思います。  まず、総理わが国安全保障についてのお考えは、私の拝見するところでは、一つ三段論法に立っておられる、こう思うわけであります。それは、日本アメリカとの安保条約を結んでおる、そのアメリカ核兵器の体系を中心世界戦略を展開しておる、したがって、わが国アメリカの核の抑止力に頼る。こういう一つ三段論法、これが総理のお立場ではないかと思いますが、いかがでしょうか。イエスでしょうか、ノーでしょうか。
  14. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 イエスノーかだけでは誤解を生んでもいけませんが、私は第一義的に、わが国安全保障につきましては、憲法の範囲内におきまして、基本的防衛政策に基づいて自分の国は自分で守るということが第一でございます。そして、それを超えるような他からの侵略に対しては日米安保体制の円滑な運営によって防衛を図っていく、こういうことでございまして、その中にはやはり核の抑止力というものが存在をするということは、そのとおりでございます。
  15. 高沢寅男

    高沢委員 さて、その核の関係で、総理はもう一つ三段論法を持っておられると私は思います。それは、わが国唯一核被爆国である、したがいまして、日本国民は二度と核兵器の洗礼は受けてはならぬ、したがって、わが国核兵器はつくらない、持たない、持ち込ませない、非核原則、こういうまた三段論法総理安全保障政策の中にははっきりとある、これがわが国のいわゆる国是である非核原則である、このように私は理解いたしますが、イエスでしょうか。いかがでしょうか。
  16. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 そのとおりでございます。
  17. 高沢寅男

    高沢委員 そういたしますと、いま総理がお認めになりましたその三段論法関係で言うと、私はこの二つの三段論法は実は両立しがたい関係にあるんじゃないのか、こう思うのであります。一方においてはアメリカの核の抑止力に頼る、しかし他方においては、アメリカの核の持ち込みは認めない、こういうふうな関係は論理上まことに矛盾している関係にある、こういう状態というものはいつまでも続くことはできないんじゃないのか、こう私は思うのであります。  そこで、この矛盾を解決する方法は、このぶつかる三段論法のどちらかを捨てる、こういうことではないかと思います。もちろん、私は社会党の立場から、核の抑止力に頼る、こういう立場を捨てて、そしてわが国非核原則を守る、こういう立場にはっきりと立つ、これを私は総理の大きな御決意、御所見としてひとつお尋ねしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  18. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 その点だけは残念ながら高沢さんに同調するわけにはまいりません。と申しますことは、私は、非核原則を堅持しておりましてもアメリカ安保条約に基づく核の抑止力によって自衛を超えるところの巨大な侵略に対しては対抗できる、このように考えます。わが国の領土、領空、領海の中に核兵器を持ち込まぬでも、アメリカの核の抑止力というものは十分機能しておる、私はこう考えておるからでございます。
  19. 高沢寅男

    高沢委員 私は、総理が認められた、わが国非核原則国是として堅持する、こういうお立場、これは別な言葉で表現をすれば、いわゆる非核武装地帯という言葉がありますけれどもわが国は現在すでに実際上非核武装地帯という状態になっておる、こう言って間違いないと思いますが、この点、総理、いかがでしょうか。
  20. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 わが国非核原則国是といたしておりますし、核の持ち込みは厳にこれを禁じておりますから、非核地帯である、これはそのとおりでございます。
  21. 高沢寅男

    高沢委員 その点は私は総理と全く自分も同じ見解であります。  そこで、そういう前提に立ちまして、もう一歩進めてお尋ねをいたしたいのでありますが、今回まとまりました軍縮決議の中の第四項にはこういうふうな部分があるわけであります。それは、非核武装地帯の設置が実現するように、われわれは、日本は、国際的な努力を進める、そして同時に、そういう非核武装地帯に対して核保有国から核攻撃が行われるということのない保証をとりつけること、こういうことがきょうまとまりましたこの決議の中にあるわけであります。  これは、要するに非核武装地帯というものに対して核保有国から核攻撃対象にしない、そういうことを国際的保証——この場合には国際的保証というのはいろいろの決議とか条約とか協定とか、そういういろいろなものを内容に含むと私は思いますが、そういうことをきょうまとまった決議の中で明らかにしているわけでありますが、そうすると、いま言われた非核原則のもとにある日本は、事実上非核武装地帯と同じ状態である、とすれば、この日本に対して、核保有国から何らかの核攻撃対象にされるようなことがあってはならぬ、当然こういうことになると思いますが、この点は総理、御所見、いかがでしょう。
  22. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 非核保有国に対する核攻撃がなされてはならない、その安全保障の問題、これは非常に重要な問題でございます。私どもは、そうあるべきだというその状態をつくり出すために、軍縮委員会におきまして、関係国と一体になりまして、いまそういう条約案作成等につきましてお互いに力を合わせて努力をいたしておるということでございます。私は、核を保有する国々も、この人類の核からの被害を防止するという観点に立って、話し合いが十分つくように念願をしておるところでございます。
  23. 高沢寅男

    高沢委員 そのいまの総理お答えを受けて、またもう一歩お尋ねしたいわけです。  つまり日本周辺にある核保有国、フランスやイギリスは非常に遠く離れております、これは一応別といたしまして、日本のごく近い隣にある核保有国といえば、結局ソ連中国ということになります。そういたしますと、いまの総理お答えを踏まえて、非核武装地帯と同じ状態にある日本非核原則のもとにある日本に対して、ソ連からあるいは中国からの核攻撃対象にするということはあってはならぬ、私はこう思うわけです。  そこで、この点については御承知のとおり、ソビエト自分の国の核兵器を先に使うことはしないという態度を明らかにしております。中国も同じように、自分の国の核兵器を先に使うことはしないという態度はすでに明らかにいたしております。  そういたしますと、具体的にジュネーブ軍縮委員会でのいま総理の言われた努力をまとめるということは大いにやっていただきたい、同時にそれを促進するためのわれわれのできる努力として、日本ソビエト日本中国、この二国間において、われわれは非核原則を守る、この義務を受ける、そのかわりあなた方は日本核攻撃対象にしないという義務を受ける、こういう総合的な協定日ソの間、日中の間で結ぶということを、私はぜひこの際踏み切っておやりになるべきじゃないか。これは大変大きな核軍縮に向かっての日本の貢献になる、こう私は思いますが、総理、いかがでしょう。
  24. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 いま日本周辺北東アジア極東におけるこの核保有国の対峙という厳しい状況下におきまして、高沢さんから御提案がございましたが、そのほかにアメリカの核の抑止力という問題がやはり背景にあるわけでございます。したがって、私は、このアメリカソ連中国核保有国の間におきましても、十分話し合いというものがなされなければならない、合意に達するところがなければこれは実現可能性というものはきわめて薄い、こう思っておるわけでございます。そして、ただ約束だけをいたしましても、実際にそれらの国が核の生産なりあるいは貯蔵なり、あるいはそれを検証するという信頼関係、そういうようなものについて十分裏づけされたものでないと、本当に高沢さんおっしゃるような理想の非核地帯実現ということは困難である、私はそのように考えておるところでございます。
  25. 高沢寅男

    高沢委員 本当に時間がなくて残念ですが、もう一問だけ、総理お尋ねします。  アメリカの核の抑止力に頼るという総理のお立場は、つまりソ連も核があるぞ、日本を向いているぞ、こういうことが前提だと私は思います。そのソ連日本を向いているぞという核を、こちらは非核原則、相手は日本核攻撃をしないというような形でこれにかぎをかけるということが、アメリカ核抑止力との関係において言うならば、これができればアメリカ核抑止力というものもまた必要のないという状態が出てくる、こういうところから米ソ中を含めた三者の間における全体としての核軍縮のステップが進む、私はこう思うわけでありますが、その場合には、その糸口をつくるのはいま言った二国間のそうした協定に踏み切る、まさに日本のイニシアチブがそうした関係を前進させる糸口になるのじゃないのか。そういう意味において、きょうまとまったこの軍縮決議というものを踏まえて、総理にいままでと違う一歩を踏み出してもらいたい、日本としてこれだという一歩を踏み出してもらいたい、こういう気持ちお尋ねをしておるわけでありますが、この点、もう一度総理からのお答えをひとつお願いしたいと思います。
  26. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 前段で申し上げましたように、ジュネーブにおける軍縮委員会におきまして、私どもは、全体の核の不使用条約、それができますように努力をいたしておるところでございます。  また一方、米ソの間におきましても、戦略核兵器削減の問題あるいは中距離核戦力制限交渉の問題、そういう問題で、アメリカは、ソ連の全領域の中からSS20のような陸上発射中距離ミサイルを撤去するということであればアメリカもその配備をしない、こういう提案をいたしておるところでございますが、そういう軍縮というものが米ソの間になされれば、自然に極東におけるところの核の脅威というものが減殺をされる、こういうことに相なるわけでありまして、私は、核の不使用協定の前に、この核軍縮というもの、米ソ中心としてこれが達成できるように私どもは強く働きかけていきたい、このように考えております。
  27. 高沢寅男

    高沢委員 きょうはわが党は、この後土井委員小林委員とリレーで質問いたしますので、私の質問はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。
  28. 中山正暉

  29. 土井たか子

    土井委員 鈴木総理大臣は、もうすでに、わが党の武藤議員質問お答えになりまして、核兵器はもう議論の余地のない絶対悪であるという表明を国会答弁の席においてなされているわけであります。申し上げるまでもないことですが、そういうことを認識されている総理大臣でありますから、将来において核兵器廃絶されるということを望まれるのはもう至極当然のことだと思いますが、これはもちろん御異論はございませんね。
  30. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 いま国会で、私、しばしば御答弁申し上げておりますように、究極において核兵器廃絶を目指したところの完全な、全面的な核軍縮というものを目指して、私どもは今後一層の努力を積み重ねてまいりたい、このように考えております。
  31. 土井たか子

    土井委員 そこで、努力をしたいという御意思のほど、御決意のほどを披瀝されているわけでございますが、きょう、その第二回国際連合軍縮特別総会に向けての当委員会における決議案を採択するまでの努力の過程の中で、実は、当外務委員会質問の席を通じてこういうことがあったのです。五月十三日に、宮澤官房長官に、核兵器使用またその使用による威嚇、これはしょっちゅう問題になるのですけれども、これは核軍縮が達成されるまでの間は、核兵器使用核兵器使用による威嚇は禁止されるべきである、こういう一般的な考え方に御賛成なさいますかと私は質問したのです。そうしたら、宮澤官房長官は、そのとおりだとお答えになったのです。その翌日、五月十四日、今度は、ただいま御出席櫻内外務大臣に対しまして同様の質問を私は繰り返しいたしました。そうしたら、御答弁は、議事録に即して申し上げますと「一般的考え方として、核廃絶実現するまでの間、核兵器が使われることがあってはならないということについては、私も同様に考えます。」とお答えになっております。これは総理大臣の閣僚がこのようにお答えになっている。特に担当の外務大臣がこのようにお答えをはっきりなすっていらっしゃるわけでございますから、総理大臣もこのことについては御異論があろうはずはなかろうと私は思いますが、そのように考えてよろしゅうございますね。
  32. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 一般的にはそのとおりであるということを外務大臣答弁をしたということをいまお聞きいたしましたが、私は、お気持ちとしては、土井さんのおっしゃることは私どももよく理解もでき、また多くの国民の皆さんもそのように希望しておられる、要望しておられる、このように受けとめておりますが、ただ、核を、核兵器使用しない、不使用という約束だけをいたしましても、その裏づけ、核軍縮についてのはっきりした裏づけがないというようなことになりますと、やはりそこに不安というものが存在をする、それが問題であろうか、こう思うわけでございまして、外務省からも、その点は、今日まで外務委員会等を通じてよく御説明申し上げておるところと思います。
  33. 土井たか子

    土井委員 総理大臣核軍縮に対しての努力はみんなが積み重ねていくのですよ。しかし、核廃絶というのは、きょうかあしたにできることじゃない。軍縮というのは、核廃絶に向けて努力をするということなんです。核廃絶に向けて軍縮努力をしている間、核廃絶に向けての努力の途次、この廃絶実現するまでの間はどういうことが必要かを考えてみれば、これが実現するまでの間は、核を使用することを認めない、禁止する、これがまず第一歩ではないかという問題なんです。  いま、総理大臣の御答弁を承っておりますと、まるでためにする、おためごかしの詭弁のように聞こえてなりません。要は、何にもしないという御答弁ですよ、約して言うと。そういう程度で国連軍縮会議にいらしても、本当に意のある国民の意思というのは国連総理の口から伝わらない、総理の姿勢からは伝わらないということではないかと思います。これはいかがです。もう一度その辺をはっきりさせてください。
  34. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 土井さんのおっしゃっておることと私の申し上げておることと余り隔たりはない、こう思っておりますが、それは、高沢さんに先ほどお答えを申し上げましたように、核不使用という問題、使用を禁止するという問題につきましては、いまジュネーブ軍縮会議等において、日本も参加をしまして、本当に熱心に関係国と討議を進めておる、作業を進めておる段階でございます。私どもは、そういう点、ただ漫然と手をこまねいておるのではなしに、そういう点に努力をしておるということを高沢さんにお答えをいたしたところでございます。
  35. 土井たか子

    土井委員 そうすると、努力をなすっているのは、不使用協定実現に向けて日本提案者になるという御努力なんですか。どうなんですか。——いいですよ。国連局長はよろしいです。きょうはわざわざ総理大臣の御出席を仰いでいるのだから。
  36. 門田省三

    ○門田(省)政府委員 事実関係を補足させていただく必要があると思いますので、申し上げさせていただきたいと存じます。  先ほど高沢委員の御質問がございまして、それは、核を持っている国が核を持たない国に対して核攻撃をしないということについての国際的な合意、国際的に実効性のあるような合意、これをつくり上げようということで、ただいまジュネーブ軍縮委員会において作業部会を設け、検討しているのでございまして、総理が先ほど土井委員の御質問お答えになる中でおっしゃっておられます、核を使わないということの国際的な取り決めをつくるためにわが国も協力しているというのは、このジュネーブ軍縮委員会における作業部会の作業であるということを申し上げさせていただきます。
  37. 土井たか子

    土井委員 ジュネーブでの努力はそれはいいです。要は、どういう姿勢で今度の国連総会総理大臣自身が臨まれるかをきょうは質問する日なんであります。よろしいか。中途半端な姿勢で臨んでいただいたら困る。一体どういう御気分ですか。総理大臣、これは不使用協定に対して日本提案者になる心づもりをお持ちになって国連総会にお臨みになるのですね。総理大臣お尋ねします。
  38. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 ジュネーブ軍縮会議に臨む政府の基本的な考え方は、奥田さんや高沢さんにお答えを申し上げたように、この国会決議を十分尊重しそれを踏まえて、その精神の上に立って、国連総会で私は訴えてまいる、努力をしていくということを冒頭にお約束を申したところでございます。この中に、今回は核兵器の不使用の趣旨も盛り込まれておるということでございまして、そういう全体の決議の精神を踏まえながら、その点につきましても最大限の努力を払ってまいる所存でございます。
  39. 土井たか子

    土井委員 決意だけは結構です。具体的に何を提案なさいますか。そこが肝心だと思うのですね。それはそういう気分で臨んでまいりましたというその宣言ばかりをお題目を並べておっしゃったって、事は決して実効性を持たない。「実効ある」という言葉をつくるのに、さあ与野党でどれほど苦労したのですか。「国際的措置」という問題についても、日本が積極的に何を具体的に提案をし、努力をするかが問われているぞという意味を含めて、私たちはこの決議案文についての努力の積み重ねをやったのですよ。このことを受けて誠意を持ってこたえたいと総理はおっしゃるのですから、今度は軍縮総会に向けて何らか具体的な提案を手に携えていらして、それを披瀝して努力をしたいという御気分でおありになるであろうと思います。さあ、手の中にある具体的な提案は何でございますか。これをひとつお出しいただきます。
  40. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 具体的な提案努力といたしましては、かねてわが国が先頭に立って努力し続けておりますところの地下の核実験を初めとする包括的な核実験全面禁止、これはぜひすべての核軍縮前提としても実現努力を積み重ねていかなければならない、このように考えております。  またさらに、核の不拡散体制の強化でございますが、この点につきましても、いまだこれに加盟してない国もある。また不十分なこの措置につきましても今後努力する必要がある、こう考えております。  さらに、核兵器に劣らないような非常に甚大な被害を与えるような化学兵器等の禁止につきましても、具体的に提案をし、努力をしていきたい、こう思っております。
  41. 土井たか子

    土井委員 まあ、旧態依然たるものですね。新しく新たな決意を持ってこれに臨むということは、どうもただいまの御発言を承っていてぴんときません。  総理、よろしゅうございますか。先日は、超党派の女性の議員が寄りまして、広島、長崎の原爆の10フィート運動による映画「にんげんをかえせ」を総理大臣はごらんになりました。初めてだったと思うのです。衝撃的である、言葉もないとおっしゃった総理なんですよ。  そうして振り返って考えてみると、この広島に落とされた原爆の被災者の方々が、国家賠償法と憲法二十九条に基づいて補償すべき責任が政府にあるということで提訴をされた事件がある。昭和三十八年の十二月七日に判決が出ているのですが、この判決の中で、原爆は国際法違反であるときっぱり言った判決なんです。全世界の中に、広島、長崎以外に核が投下された例はまだないのですよ。世界唯一被爆国ということの重みは、ほかの国から考えたら想像に絶する重みを持っている。  そういうことから申し上げますと、旧態依然たるようなかっこうのままで、しかも残念なことには、鈴木さん、あなたが内閣総理大臣になられてから、核不使用決議に対して、いままで留保してきた、棄権してきた問題に対して、今度は核不使用に対する反対、この立場に回っておられる。従来から比べると、広島、長崎のこの日本独特の重みというものが全世界の目から見れば逆の方向に回って、むしろ核のあることを望む立場日本は立っているとしか言いようがないわけであります。  いかにして具体的にアメリカに向かって、ソビエトに向かって、核廃絶に向けての核軍縮努力日本がするかということが問われている。総理はこれに対して、具体的スケジュールを示してきっぱりと態度をお示しになるときであると思われますが、したがって、どういう御決意と具体的なことがあるかということを再度お尋ねしますよ。いかがですか。
  42. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 核不使用決議に対する御質問でございますが、これはしばしば政府として御答弁を申し上げておりますように、この決議内容、またそのときにおける国際情勢安全保障上の観点に立っての十分な慎重な配慮、そういうようないろいろな角度から総合的に判断をして態度を決めておるわけでございまして、わが国がそのためにこの核兵器廃絶軍縮について非常に態度が後退をしたとかそういうことではないことをこの際明らかにいたしておきたい、こう思います。
  43. 土井たか子

    土井委員 何だか言いわけがましい御答弁だけを聞かされるのでは、これは前向きじゃ断じてないわけでありまして、もう第一回の国連特別総会の最終文書の中でも、核抑止による平和は破産宣言されているのですよ。よろしゅうございますか。核抑止による平和というものはもう破産している。にもかかわらず、核の傘の下で核廃絶に対してむなしい物の言い方をしても、これは決して説得力を持つ、しかも具体的な努力にはならない。鈴木さんがこの節国連総会に出かけられて、ひとついままでと違って、日本が本来被爆国として全世界に訴えていく核廃絶に向けての具体的なプログラムが問われているときでありますから、もう一度この決議に従って、これを打ち出すという具体的な総理の御決断をここで聞かせていただいて、私は時間ですから終わりたいと思います。  そして再度申し上げますが、原爆については国際法違反であるという日本の裁判所のれっきとした判決があるということもひとつ御銘記願いたいと思うのです。よろしゅうございますね。
  44. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 国際法違反ではないかとの問題だけ、ちょっとお答えしておきます。  これは、政府の見解として、核兵器使用は国際法の根底にある人道主義には合致しないものであるが、国連憲章を含む実定国際法上これが禁止されているとまでは言えない、こういうことをかねがね申し上げておることを、ここで御指摘申し上げます。
  45. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 先ほど来申し上げておりますように、軍縮についての政府の基本的な考え方は、まず核軍縮を優先的に考える、しかし、さらにまた一般的な非核軍縮につきましても、同様に現実国際情勢等から勘案いたしまして、これに対しても私ども努力をしなければならない。その全体の軍縮、軍備管理ということに向かいまして、私どもは今後さらに一層の努力関係国と協調しながら努力をいたしてまいりたい。その際に核の問題につきましては、被爆国としての日本立場ということを十分踏まえて、これを世界に向かって力強く訴えていきたい、こう考えております。
  46. 土井たか子

    土井委員 時間が来ましたから終わりますが、先ほどの外務大臣の御答弁に対しては、私は反論を持っております、はっきり。国連憲章に言うところの文理上の問題とおっしゃいますが、国連憲章は国際法を無視して成り立っているものではございません。国際法に違反している中身を持っている中身は、国連憲章によっても違反であるということをはっきり認識すべきであります。  以上。
  47. 中山正暉

    中山委員長 小林進君。
  48. 小林進

    小林(進)委員 私は、今度の第二回の国連軍縮総会には、第一回と違いまして、何か、いまのところはまだ明確ではありませんけれども、イギリスのサッチャー首相も出るのではないか、あるいはミッテランはまだ明確じゃないそうでありますが、シュミットも出る、それからベルギーの首相、イタリーの首相等、ましてアメリカのレーガン大統領も、ここで格調の高い演説をやるために、いま心魂を傾けて演説の草稿を練りつつあるという。いま米ソの核競争の世界の世論をアメリカに引きつけたいということで大変苦労しているという。これは華々しい舞台になると私は思いまするし、言うまでもなく、また人類を挙げて、この核の恐怖、生命の恐怖にさらされて、四年前の第一回の軍縮の時代とは変わった空気がいま醸成されているのであります。非常にこれは重要視しなくちゃいけない。その中に世界のただ一つ被爆国総理として御出席になるのでありますから、世界の注目も総理に集まりましょうし、われわれもまたこの舞台に、レーガンやサッチャーやシュミットやミッテラン等と同一でない独特の、しかし人類の平和を願う、そういう崇高な哲学に基づく鈴木総理の姿勢と演説を心から祈らざるを得ないわけであります。  僕はこの立場からお願いにかえて質問するのでありますが、第一回目に、そのときは総理おいでにならないで、園田外務大臣が行かれた。ところが、これが評判いいのですよ。国内にも評判がよかったが、対外国にも評判よかった。私は、帰ってきて、言葉をきわめて彼を称賛をいたしました。いいことはいいのですから、私は、鈴木総理だって、時間があればほめることはいっぱいありますからほめたいのでありますが、あなたのルーツは社会党だから、実にわれわれが共鳴する点は非常に多いけれども、時間がないからやっていられないけれども、私は、いいことは、常に総理のことを称揚賛嘆をしているところがあるのでありますが、その意味におきまして、僕は園田さんを賛嘆をしたら、彼は言ったのです。小林さん、これにはコツがあるのだ、おれは外務官僚が書いた原稿は、私は心骨を傾けて、手直しして、いわゆる私の信念をあの中に入れたのだ、あれは官僚の作文だけ書いたら大変なことになった、その手直しをしてみずから信ずる道を書いた、それが国内、国外にアピールしたんだと、やっぱり外務大臣あるいは一国を担う者はこれでなくちゃいかぬと彼は言ったのでありますが、これをいま私は総理に進呈したいのであります。  いま私が一番心配しているのは、二つの点がある。この国連総会に臨まれて総理は、第一番目には、この頑迷なる官僚が書いた文章を国連の場でまたそのままお読みになるんじゃないか。これは重大な世紀の舞台を失うことになる。これはあっちゃいかぬ。時間がありませんけれども、何しろ日本の官僚ほどだめなものはない。外務官僚は特にだめですよ。門田君なんか、あの二十一日の、何ですか。あの日ソの事務レベル交渉の中で、ソ連みずからが、いま高沢君が言ったこの核の不使用の問題も、協定ならソ連は進んで応じますよという申し出があるにもかかわらず、彼は拒否している。これくらい頑迷なんですよ。しかも私は、いかに官僚というものが時勢の波を知らないかということを経験しているのです。かってケネディとニクソンと争ったときに、どっちが勝つかというので、私はアメリカを一巡して官僚の情報を聞いて歩いたんです。これはワシントンはもちろん、ロサンゼルスからサンフランシスコへ行ったところでわずかですけれども、皆ニクソンが勝つ、ケネディは勝たないと言う。これが官僚の情報だ。ふたをあけてみたら、ちゃんとケネディが勝っている。この前のときだってそうです。この前のときも、佐藤総理も、最後は歯を食いしばっていられた。あの中国と台湾との重要事項指定方式だ。あくまでも国連における重要事項指定方式で台湾支持に回らして、最後は負けて恥をかいた。これが官僚情報なんです。今度またアメリカへ行って、いま私は心配するのは、この官僚は何と言ったか。アメリカの世論は圧倒的にレーガンの核拡大のこの均衡政策を支持してますと、これがアメリカの世論ですと言った。総理、これが誤る道なんですよ。いまアメリカの世論は、挙げてこのレーガンの核均衡抑止政策、抑止政策に名をかりた核拡大政策にみんなふるえ上がっているんですよ。これをいま日本の官僚はみんな間違って、アメリカは圧倒的にレーガンの核政策を支持してますと言う。これに乗っちゃったなら間違うから、私はそこで官僚罵倒論をいま一席やったのは、これなんですよ。乗っちゃいけない。  いまアメリカには、この核に対する三つの世論がありますね。第一番目は、何といってもケネディ。ケネディは何ですか。米ソ両国の核を現状において凍結をしようじゃないかというのです。これがいまアメリカの世論の中を占めているのです。これは大変な政策です。いま一つは、マクナマラ元国防長官以下四高官が、これは核不使用だ。先制不使用をしつつアメリカはやらなければならない、これもアメリカにおける圧倒的な世論ですよ。その世論を——おればかり演説やっちゃまずいけれども、いまあなたに質問するために前ぶれを言っているんですよ。前ぶれを言っているんだけれども、この世論に対して、核不使用に対する——これはアメリカの世論なんだ。これはニューズウイーク誌の最近の世論調査なのでありますけれども、時間がありませんから失礼しますが、圧倒的に、いわゆる核戦争の脅威に対して不安を感じているというのが六八%。まず核使用に基づく戦争の危険がないというのは二五%です。レーガンのこの核抑止拡張政策に不安を感じている者が六八%、不安を感ぜざる者が約三〇%。これは最近のアメリカの世論の調査です。なお、他の世論調査では、八三%がレーガンの均衡核抑止政策に不安を感じているという調査が出ている。ここへ乗り込んでいって、一体鈴木総理がどんな主張をなさるのかということなんですよ。私は、ケネディ、ハットフィールド、この諸君の核兵器の凍結運動のアメリカの世論をひっくるめて世界の世論、これを重要視してあなたの演説の骨子をつくっていただきたいというのが第一のお願いです。いいですか。  そのときに、一体あなたは、先ほどから抑止力抑止力とおっしゃるけれども、そのレーガンの抑止力の筆頭は、アメリカの方は核において、戦略核においても、限定核、いわゆるSS20においてもソ連に負けていると言っているけれども、ケネディ自体があるいはハットフィールド自体が、そんなことはない、核は断じてアメリカソ連に負けていないと言う。これに対してアメリカの専門家はいまけんけんがくがくの議論であって、決して、レーガンが言っている、アメリカが核ではソ連に負けているなんということを肯定している、その世論は一致しておりません。それくらい核に対する両国の力の均衡なんというものはだれもわからない。そんなところへ総理が乗っかって、レーガンに口調を合わせて、レーガンの後押しをし、追随をするような演説をもし間違ってニューヨークの国連の舞台などでおやりになるならば、日本国民世界の嘲笑を浴びなくてはいけない。これをひとつ御注意をいただきたいということです。決してレーガンなんかには追随しないぞ、われはわが道を行く、こういう毅然たる姿勢をお願いいたしたいと私は思うのでございます。  アメリカで、米ソの核戦力は均衡している、いやむしろまだアメリカが優位に立っているという前提に立っている人の中には、ケネディだけじゃないのだ、ゲアリー・ハート上院議員、ウォールター・モンデール前副大統領あるいはジョン・グレン上院議員等、いずれもアメリカを代表する人々、マクナマラなどももちろんでありますが、こういう人たちは全部まだアメリカの核の優位性を公然と論議をしておられるという実情であります。この中にはジャクソン、ウォーナーなどという、私もアメリカに行って会ってきましたけれども、こんな一部の人の……
  49. 中山正暉

    中山委員長 小林議員に申し上げますが、約束の時間が参っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
  50. 小林進

    小林(進)委員 それでは御質問いたしますが、その意味においてまず総理に御要望申し上げる。  第一は核先制不使用の宣言を、マクナマラの、アメリカの世論を体して、どうしてもこれを入れてもらいたい。第二番目は核の現状凍結と生産の停止です。これはケネディさんの言っている言葉であります。時間が来ましたからもう長いことはやりませんけれども、第三番目は核実験の、これは総理はお約束になりました、実にごりっぱ、地下実験、これは堂々と言うと言われましたが、私は声を上げて賛成をいたしました。これが第三番目です。  それから、ソ連の核の現状凍結あるいはヨーロッパからのSS20以下を現在凍結してもよろしいというこの主張だ。どうも政府答弁を聞いていると、同じ核でもアメリカの核はよい核、ソ連の核は悪い核という前提で物を言っておられる。そのアメリカの核も、レーガンの言う核はよい核、ケネディやあるいはマクナマラの言う核は悪い核、こういう前提があります。  時間が参りましたからやめますけれども総理はパティ・デービスさんというお嬢さんを御存じでございましょうか。御存じなければ申し上げますが、これはレーガン米大統領の末娘です。この末娘が今月の十九日、いいですか、彼女の友人である音楽家のグラハム・ナッシュ氏と一緒に二人で共同声明を発表した。その共同声明の中で核兵器の現状凍結、即時生産停止を強く訴えておるのであります。その話を聞きますと、いわゆる限定核戦争もあり得るなどという父親の核政策と真っ向から対立をいたします、私は反対だ。こんな核の限定戦争はあり得るというレーガン、自分の父親のこの主張には反対だという。いいですか。そしてパティさんは、限定核戦争という考えは不合理だ、一たん核が使われれば、限定も生存もあり得ないと一刀両断に父親を切っている。そして核兵器増強を口にしながら軍縮を語るなどということはあり得ない、こういうふうに正しく自分の父親を批判しておりますが、これがアメリカの世論であり、世界の世論であります。こういうところをきちっと総理、腹に入れて、われわれの尊敬する鈴木総理が晴れの国連の場において人類を信頼せしめるような大演説を訴えていただきたいと思いますが、これに対する所見をお伺いいたしたいと思います。
  51. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 小林さんから外務省の意見だけをそのままうのみにするのでなしに各方面の軍縮核軍縮に関するところの意見を十分耳を傾けて、そして日本国民全体の立場に立ってこれを主張すべきであるという御趣旨の御鞭撻また御叱正等がございましたが、したがいまして、私は、今度の総会には率先して私自身が出席をするということを申し上げたこの熱意は御理解を願いたいということが一つ。  さらに、各方面の御意見を逐次お聞きをしております。各党の党首との会談もいたしますし、また署名運動等を熱心におやりになっていただいた方、広島、長崎の市長、そういう方々の切なる御希望、御要請というものも十分拝聴いたしております。そういうぐあいに謙虚に各方面の御意見を踏まえてこの軍縮総会に臨んで日本立場を明確にしたい、私はこういう気持ちで取り組んでおることを申し上げておきます。
  52. 小林進

    小林(進)委員 では、総理の御健闘を祈りまして、これで質問を終わります。
  53. 中山正暉

    中山委員長 玉城栄一君。
  54. 玉城栄一

    ○玉城委員 鈴木総理は来月三日から十八日まででございましょうか、サミット並びにただいまの国連軍縮特別総会、その後、中南米親善訪問と大変御苦労さまでございます。  そこで、この第二回国連軍縮総会総理が臨まれるわけでございますが、ただ御出席されるということそのものにも大変意義があるわけでございます。ただ、いま核兵器廃絶軍縮という問題、これはもう抽象論の段階ではなくて、まさに具体的かつ実効ある措置と申しますか提言、そういう具体的なものが非常に必要な段階であると思うわけでございます。  そこで、最初に総理のこの総会に臨まれる、そこで時間をかけて主張されるわけでございますから、その基本的な項目、柱、どのような点を考えていらっしゃるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  55. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 わが国は、御承知のように平和憲法のもとに核軍縮中心とするところの平和国家としての立場を貫いております。そして非核原則国是として堅持をしておる、そういう立場に立ちまして軍縮というものを人類の平和と生存のために強く訴えていかなければならない、これが私どもの基本的な考え方でございます。  そして、いまお話もございましたように、ただ美辞麗句やまたその意見だけを述べ合うのではなしに、実現可能な具体的な措置一つ一つ積み上げていく努力が必要であるという観点に立ちまして、実行可能な軍縮への道行きというものを頭に置きながら、日本軍縮に対する提案というもの、また主張というものを私は述べていきたい。それは先ほども土井さんにもお話を申し上げましたように、核兵器の新しい分野を開拓しよう、開発しようとする核実験の全面的な禁止をわれわれはさらに一層強く推進をしていかなければいけない。さらにまた生産、貯蔵、運搬あるいは使用等の問題等につきましても、今回の国会決議というもの、その精神を十分実現できるように努力をいたしたいと考えておりますし、さらにまた核兵器に劣らない甚大な被害を与えるであろう化学兵器等の禁止につきましても、これを強く訴えてまいりたいと考えておるところでございます。
  56. 玉城栄一

    ○玉城委員 いま世界は莫大な金を軍事費に投入しているわけですね。今度の国連総会総理は、そういう軍事費を削減して開発援助費に回すべきであるというようなことについても訴えたいということも聞いておりますが、その点いかがでしょうか。
  57. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 そのとおりでございます。これはぜひ強く訴えてまいりたい、こう思っております。
  58. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこで、そのようにお訴えされるとともに、それでは具体的にどのようにした方がいいという具体的な提言も当然されると思うのですが、いかがでしょうか。
  59. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 もう申し上げるまでもなしに、現在開発途上国、第三世界等は大変深刻な財政経済の状況下にございます。インフレ、そして失業の問題あるいは食糧難等々によりまして、それが一つのその地域における社会の不安定要因になっている、紛争の導火線にもなっているということからいたしまして、私はこの軍縮によって生じましたところの余力をもって経済協力をし、これらの国に援助をしていくということが世界の平和と安定に大きく寄与するものである、このように考えておるわけでありまして、日本自身はこの点につきましてはODAの五年間倍増というような国際的な約束もございますし、また技術協力等も一生懸命やっておりますことは御承知のとおりでございます。これらの点を通じ、国力、国情にふさわしい貢献をやってまいりたい、このことを具体的に訴えたいと思っております。
  60. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこで、世界の総軍事予算のうちのたとえば一割なら一割はそういうところに回すべきである、あるいはその予算を新たな基金に回すべきであるとか、そういうような具体的なお考えはいかがでしょうか。
  61. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 これは数字まではいま固めておりませんが、オタワ・サミット、さらにカンクンにおける南北サミットにおきましても一貫して日本政府の主張として私が訴えてきた点でございますので、この点をさらに敷衍をし、具体的な形において再度提起してまいりたい、こう思っております。
  62. 玉城栄一

    ○玉城委員 今回四年目のこの第二回国連軍縮特別総会になるわけですが、この国連特別総会をたとえば三年とか二年とかというふうに定期的に持つべきである、そのような具体的な提言などについてはお考えになっていらっしゃいませんか。
  63. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 私はそういう点につきましても、国連事務総長及び日本と特に関係の深い西側の国々あるいはASEANその他の開発途上国の代表的国々の御意見等も十分聞きながら、この問題については前向きで取り組んでまいりたいと思っております。
  64. 玉城栄一

    ○玉城委員 第一回国連軍縮総会最終文書後、その後具体的な実効ある措置がとられていない。ただ開いたということであっても一ですから、今回の第二回国連総会としてはやはり具体的な一つ一つ前進したものが必要だと思うわけであります。その一つの問題として、いま申し上げましたこういう総会の定期化、定期的に持つべきではないかということは、やはりぜひお訴えしていただきたいとも思うのです。  それともう一点は、これはわが党も一千万以上の反核署名、軍縮、これをやったわけであります。いま国内世論は非常な高まりがあるわけですが、こういう国内世論の高まりについて、総会において総理は何らかの言及をされ、それを反映されるようなお考えがあるのかどうか。いかがでしょうか。
  65. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 軍縮、特に核軍縮に対する国民世論が非常に高まっております。きょうもこの委員会が終わりましてから、総評、地婦連その他の代表の方々が約三千万人の署名を集められて私のところにそれを申し入れをする、御要請があるということで、お会いすることにいたしておりますが、こういう真摯な国民の方々の声というものを十分私の国連演説の中では訴えてまいりたいと思っております。
  66. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこでもう一つは、先ほども総理御自身も言及されておられましたが、例の米ソ間の戦略核兵器削減交渉、機運が大分高まっております。それの推進についても言及されるおつもりであるのかどうか。いかがでしょうか。
  67. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 御承知のように、この前の国連総会におきまして、園田外務大臣がヘイグ米国務長官、グロムイコ・ソ連外相に対して、この米ソ両国の軍縮交渉の再開、これを強く訴えたところでございます。そういう努力を私どもは進めておりますが、ソ側に対しましても、先般の高級レベルの事務当局の交渉におきましても、日本側からソ連に提起をいたしたところでございます。サミットその他の場合におきましても、アメリカ大統領その他の各国の西側の首脳ともこういう問題についても忌憚のない意見の交換をいたしたいと考えております。
  68. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこで、これまで国連における核不使用についての決議等一連の決議について、国民の側から見て大変わかりにくい点がたくさんありますし、またわが国の特殊な立場からして、そういう態度でいいのかどうか。たとえば十回だったでしょうか、一回しか賛成しないで、あとは棄権であるとか反対であるとか、先ほどその点についても御説明があったんですが、やはり今後わが国立場からすれば、そういう核についてのあらゆる国の決議については賛成の方向で行くべきだと私は思うのですが、総理のお考えはいかがでしょうか。
  69. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 この点は繰り返し申し上げておるところでございますが、再び核の惨禍を繰り返すようなことは絶対に避けなければならないという国民感情、私はこれは非常に大事な点である、こう考えております。と同時に、現在の世界の平和と安定というものが現実の問題として核戦力を含む軍事バランスの上に保持されておるという厳しいこの状態というものも念頭に置かなければならない、これは戦争をするためのものではなしに戦争を抑止するために私はその面も重視しなければいけない、このように考えておるところでございます。したがって、アフガニスタン以降の厳しい国際情勢を考慮し、また決議案内容あるいはその安全保障に及ぼす影響、そういう点を総合的に勘案をして、その都度私どもはこの問題については投票態度を決定してまいる、このことを御理解をいただきたいと思います。
  70. 玉城栄一

    ○玉城委員 これ以上この問題ではなんでしょうけれども、ぜひこういう態度は改めていただきたいと思うわけであります。これは先ほども議論がありましたが、例の核兵器の先制不使用取り決めをすべきではないかということなんでございますが、総理の先ほどのお考えではそういうことに何か同調できないようなことでございますが、いかがでしょうか。このことは核防条約核兵器保有国の軍縮義務を履行させるという点においても非常に大切なことである、この点がこれまではずっと決議をつくる段階でいろいろな議論になったわけでありますけれども、もっと前進したお考えというものを持っていらっしゃらないのでしょうか。
  71. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 これはもう申し上げるまでもないことでございますが、日本核保有国ではございませんし、また非核原則国是として堅持しておるという国でございます。私ども核保有国に対してそういう核兵器使用しないようにという求める側でございます。これには粘り強い話し合い、折衝、それから国際世論、こういうものの高まりの中で核保有国に対してそういう方向に進んでもらいたい、このようにわれわれは考え、努力をいたしておるところでございます。そういう意味で、先ほど高沢さんや土井さんにもお答えを申し上げましたように、ジュネーブ軍縮委員会においていま熱心に行われておる非核保有国に対する安全保障の問題、核兵器は絶対に使用しない、こういう条約作成について日本が先頭に立って努力をしておるというのもその一つの証左であるというぐあいに御理解をいただきたいと思います。
  72. 玉城栄一

    ○玉城委員 最後に、時間が参りましたので、今回の国連軍縮総会日本の国の総理大臣出席をされてそこで演説をされるということは世界に与える説得性の面で非常に大きな影響があると思います。同時に、いまの世界的な反核、いわゆる軍縮の世論の高まり、同時にわが国国内においてもそうでございますし、各政党、各団体、あらゆる関係者の方々が総会に向けて出席しようといういわゆる準備の態勢に入っているわけでございます。そういう意味におきまして総理は、わが国はそういう被爆国である、先ほどもおっしゃいました憲法の問題、あるいは非核原則等非常に説得力のある立場わが国はあるわけでございまして、その最高責任者として御出席されるわけであります。今回の第二回国連軍縮総会というのは世界は非常に注目していることであるわけですから、その中で前進した具体的なものをぜひともやっていただきたいということを私最後に強く要望しておきたいのですが、決意はいかがでしょうか。
  73. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 全く御趣旨のとおりでございまして、国会決議もそういう御趣旨の上に立っての御鞭撻であると私は心得ております。その国会の御趣旨、御期待にこたえるように最善を尽くすつもりでございます。
  74. 玉城栄一

    ○玉城委員 以上です。
  75. 中山正暉

  76. 林保夫

    ○林(保)委員 総理外務大臣、御苦労さまでございます。  国際情勢が大変厳しいと申しますか、きな臭くなっております。と同時に、また何とか手がかりをつかんで大きなことのないよう、大事に至らないようにという配慮も国民あるいは国としてやっている時期でございます。したがいまして、まず最初に注文で恐縮でございますけれども、ぜひ実効のある成果をお二方の外遊によって、特に国連軍縮総会の場においてやっていただくことを党としてひとつ御期待申し上げたいと思います。きょうは時間がございませんので、総理だけの御答弁で結構です。二カ所ほど事務局の方にお願いしたい点もございますが、どうかひとつさしで総理にどうしても答えていただきたい、こういうこともございますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。どうかひとつそういった意味で今度のいま私が申し上げましたような実効のある成果が一ただ演説するだけではだめだと私は思うのです。何か期待できるものかどうか。とってきてやろう、総理、こういうふうに国民にお約束していただければなおいいのでありますが、ひとつ御決意のほどをまず承りたいと思います。
  77. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 先ほど来申し上げるように、わが国が核武装でもしておりますと率先して核軍縮をするという立場にございますが、日本はそういう立場にはない、核保有国に対して要求をする側に立っております、実行を迫る立場に立っております。そういう点を国連の皆さんそれから世界の世論の背景の上に立ってこれを国連の場に強く訴えていきたい、こういう考えでございます。
  78. 林保夫

    ○林(保)委員 いまおっしゃいましたように、核を持ってないから訴えるだけだ、これは一つどもも理解できるわけでございます。それじゃ質問の順番を変えまして先へやらしていただきます。  ところが、国民から見ますと、軍縮軍縮というのだけれども、いまの政府の姿勢では軍縮の要求が実にならぬのではないだろうかという感じを実は持っております。なぜならば、これは通常兵器の面でございますけれども、ちょっと数字を言った方が正確だと思いますが、ゼロシーリングの予算の中で防衛費を七・七五四%上げる、そして防衛費を二兆五千八百六十一億六千万ですか、これは決して軍縮の方向ではなくて防衛力をふやすという方向でございますね。本来総理がお出かけになるときに、今日のような決議をやる前に、いろいろと検討いたしました、一〇%だけ日本は譲歩いたしていきましょうかあるいは五%にするかというような、日本が下がるということで総理が行かれればそれなりの説得力があると私は思いますし、国民の多くの皆さんはそう思っております。しかし、なおまた後でも申し上げますけれども、そうできないような日本の事情があると私は思います。それらの二つを踏まえまして、日本は七%の防衛力を増強しながら——これは総理、きついと思います。軍縮を核、通常兵器ともに総理は言われると思いますけれども、言わなければならぬ立場総理はどのように国民に、こうでございます、できます、これは口頭禅ではございませんと言われるかどうかをひとつはっきりとお答えいただきたいと思います。
  79. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 核軍縮、これは核軍縮だけではなしに非核の分野における軍縮も含めてでございますが、私は、軍拡競争をエスカレートさせていくというようなことになれば、これはむしろ平和への脅威になり、大変な、戦争というような破局的な状態を招来をする、これは避けなければならない。これはむしろ均衡を保持しながら低位に軍備管理なり、軍縮を進めていく、そして、それから生まれたところの余力をもって経済の発展なりあるいは第三世界等に対する協力にも向けていく、これが世界の平和のために必要である、こういうところから私は軍縮という問題が出てきておると思うわけでございます。  わが国におけるところの、平和憲法を踏まえてのこの基本的防衛政策に基づいて軍事大国にはならない、必要最小限度の自衛のための防衛力を保持する、非核原則を堅持する、こういう立場での最小限度の防衛力の整備というものは、これはいま申し上げたような戦争への道ということでは絶対にないわけでございまして、この点は国民の皆さんがよく御理解をいただいておると思います。私は注意深く新聞その他のアンケートによる世論調査の結果を見ておりますが、おおむね現在のような防衛力の、日本の自衛力の整備というのは妥当であるという国民の皆さんの認識、私はこれに御理解をいただいておるのだなということを見て安心をいたしておるところでございます。
  80. 林保夫

    ○林(保)委員 総理、それはそのとおりだと思うのです。私たちは裸で自分の安全を守れるとは一億一千万人のだれも思っていないと思います。しかし日本の国内事情とそれから外に対する、総理が先ほど来言っておられる強く訴えるということに対する説得力、実効のあるような、効果のあるものにしていただきたい、私はこのようにお願いしたいわけでございますが、その点の矛盾でございますが、総理はどういうようにお考えになりますでしょうか。
  81. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 その点は、私、矛盾とは実は考えておらないわけでございまして、日本の平和憲法なりあるいは近隣諸国に脅威を与えるような戦力を持たない、専守防衛に徹するんだ、非核原則を堅持するんだ、こういう日本のあり方というものは世界の国々に十分理解をいただいておる、特にASEANその他の東南アジアの国々においては十分理解をいただいておる、このように私は信じております。しかも被爆国である日本核軍縮中心として軍縮を訴えていこうということでございますから、決して矛盾をしておるものとは思っておりませんし、またそういう矛盾と考える方面が一部にありますならば、十分日本立場というものを説明して御理解をいただくつもりでございます。
  82. 林保夫

    ○林(保)委員 私も国民を代表する一人として、はっきりと大臣の軍縮に対する強い訴えの効果という点について意見が違うということを私は申し上げたいと思います。と同時に、こういうふうな立場にならなければならなかった日本というのは悲しいな、私はこのようなことも思います。みずから今日までやるべきことをやらずにおいて、三十七年たってみたら大変になっておった。いまもよその国から、自分の国の資源あるいは人、それを運ぶシーレーンでございますが、これをきっちりやれよと言われなきやならぬということ自体私はおかしいと思います。幾ら経済大国になっても自分のことが処置できないということはおかしいと思います。  そしてまた、いろいろございますけれども、残念ながら、櫻内外務大臣には、いつか日ソ漁業交渉のときに、どうも地図の上では日本海があってもソ連海になっているというような状況じゃないかということで、大変くどうございましたけれども、例の日本の二百海里内に、ここにございますけれどもソ連の漁場がすぽっとできた。政府は慎重審議された、これは私は御理解したいと思います。しかしなお、慎重審議しなきゃならぬほど問題があったということにもかかわりませず日本国民には余り伝わっておりません。新聞の皆さんは熱心にこれを報道されました。しかしなお大臣、私があれ以来歩いてみましたけれども余り知りませんね。知った人はびっくりして、こんなことを自民党政府はなぜやったんだとみんな言います。私があのとき問題にいたしましたのは、ソ連の国内において内圧があったからやらざるを得なかった、しかし日本の漁場がオホーツク海の北の方へ広がるから、これはやはりいいことでもあるし、イカ釣りの漁船の皆さんをことしの七月からですか、十二月まで、抑えてでもやった方がいい、時間もございませんでしたのでわずかな質問でしたけれども、二十分か三十分間こればかりやらしていただいた。ほかの質問もしたかったのですけれども……。そういう問題があって、国民のみんなは本当に心配しておるのです、こういう問題で。これはきちっとした約束のもとにできているからいいようなものの、演習一つできない、あるいは民間の飛行機あるいは船でも行けそうにないという状況が出ているという訴えを私どもはあちこちで聞くわけです。  そういった点を踏まえまして私は昨年の予算委員会で、総理御就任直後、日ソ問題をどうされますか、北海道へ行かれますかという国民の心を踏まえての承りをしまして、ぜひ機会があったら行きたいと、ソ連問題、私専門家でございますからとは言われませんでしたけれども、たびたび交渉の結果を踏まえて、お任せください、このようにも総理は言っておられました。きょうの機会を実は待っていたわけです。総理はこれについてどのような御見解を持たれて、七月以降十二月までの操業について日本国民に心配ないと言えるのか、あるいは漁業補償そのほかについてきっちりやり、なおかつこれを、この前の委員会質問の結果では継続しないというような御答弁も事務当局からございました、来年はこれを取っていただけるかどうか、この点を総理軍縮の問題とは無縁でもございませんので、ぜひお答えいただきたいと思います。
  83. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 これは林さんのよく御理解願っておる点であろうかと思うのでありますが、漁業交渉、漁業の漁獲量の割り当てあるいは操業海域の設定あるいは漁期等をどうするかという問題は、私は、政治的な圧力や駆け引きで決められるべきものでなしに、資源の維持、持続的な生産性をいかにして確保するか、こういう科学的根拠の上に設定されるべきものだ、こう考えております。したがって、今度の日ソの漁業交渉において一部の漁場において日本側が従来に比べて漁場を狭めたところもございます、譲ったところもございますが、それは、ことしはカラフトマスその他資源が非常に圧迫を受けてきておる、そういうようなデータその他に基づきましてその漁場について操業期間等について配慮した、こういうことでございますから、ソ連の圧力に屈した、そして日本の漁民に迷惑をかけた、そういう性質のものではない、また資源状態がよくなればその漁場はまた開放するように交渉もする、こういうことでなければならぬ、こう思っております。
  84. 林保夫

    ○林(保)委員 総理、そうしますと、状況がよくなればというか、来年ぐらいはまたもとへ戻るというふうに理解してよろしいのでございましょうか、その点はどうなんでしょうか。
  85. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 いま申し上げたように資源状態が回復すれば私はこれは十分交渉ができる、こう思っております。
  86. 林保夫

    ○林(保)委員 私は、その交渉がむずかしいという判断で、この前も櫻内大臣にいろいろと申し上げてえらい恐縮をしておりますけれども、なおそういう問題があることを総理もう一度ひとつ御念頭に置かれまして、国民は本当に心配しておるのです、この点につきまして十分な対応を。  私はソ連の圧力と言ったわけではなくて、ちょっと訂正させていただきたいのですが、ソ連国内で漁業交渉担当者が下からの圧力でどうにもならなくなったという御答弁があったのを指して申し上げたわけで、日本がこれを受け入れるについて、日本国民が何らの圧力なしで政府に対する支援もしなかったのかという問題を実は申したかったわけでございますので、その点は誤解のないように。ソ連から圧力があってこっちが負けてしもうた、こういうことではなくて、ソ連の圧力が強いからソ連の強い要求になってきた、こういう問題であったと私は理解しておりますので、御理解いただきたいと思います。  そこで、率直に申し上げまして、国民はみずからを守ると言いながらなかなか守り切れるものじゃありません。銃砲刀剣の保持は禁じられておりますし、敵がどこにおっても行けるわけじゃございません。これはやはりきっちりした組織で、そして国が、政治がやらなければいかぬと思います。大変残念ながら、今日の事態はみずからちゃんとやることをほっておいて、大事なときになって日本が譲歩する材料なしに総理が出かけていかれる。私は、逆に総理はお気の毒な立場にあろうかと思うのです。なお、こういうことを繰り返してはならないという戒めもここにある。これは、政治家として考えざるを得ない問題であろうと私は思います。  そういうことでひとつ御理解いただきまして、がんばっていただきたいのでございますが、これと関連いたしまして、私ども日本国連に加入いたしまして、正確に申しますと二十六年、四半世紀がもうすでに過ぎたと思います。そこで、私は過去の議事録などをちょっと読んでみたわけでございますが、当時、重光外務大臣でございますが、大変国連に対する期待の強い演説をしております。これは新聞のまとめを拝借いたしますが、「国連世界平和政策の推進力。日本は東西のかけ橋になる」こう言っておられます。そしてまた佐藤総理は、国連二十五周年記念総会で「平和と正義に基づく人類の進歩と調和のために全面協力する」このようなことでおっしゃっておられ、なおかつ日本の歴代政府の外交方針の中に、国連中心外交という言葉がずいぶん出てまいっております。そこで、鈴木総理はやはり同じような姿勢でお行きになられるのかどうか、そして国連をどのような立場として日本はすがるのかすがらないのか、その辺のところを、根っこのところをひとつ承らせていただきたいと思うのです。
  87. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 国連憲章並びに国連の諸原則、私は、人類が希求する世界の平和をこの国連の場において話し合いによってこれを達成をしよう、こういうところにあるわけでございますが、しかし果たして十分に国連が平和維持機構としてその機能を十全に発揮しているかどうかという点については、評価の分かれるところであろうか、こう思います。しかし私どもは、何といってもただ一つ世界の大多数の国が加盟したところの機構でございますから、この国連の平和維持機構というものをできるだけ充実をするように、日本は安保理事国でもございますから、一層努力を今後とも続けていかなければいけない、このように思っております。
  88. 林保夫

    ○林(保)委員 私は、当面そういう総理の姿勢で結構だ、このようにはっきり申し上げたいと思いますが、なお国民立場からはっきり申し上げますと、御承知のように分担金だけは大変日本は多く、米、ソ、日本の順でございますか、そしてフランス、西独があって、それらが全体で六〇%ぐらいの分担金を出しておる。一方、職員が少ない。適正基準というのがいろんな委員会の中で出ておりますが、その辺に対しては日本は少ないというような問題がある。一方ではまた、安全保障理事会の理事国になっておる、こういうことであり、かつまた憲章再検討委員会がいろいろと苦心して憲章の見直しをやっておられることも、よく承知をしております。  その中で、どうしても総理にひとつお答えいただかなければならないことは、戦後三十七年たちました。しかしなお、あの憲章の中に敵国条項というものが入っていることは、総理もう御承知のとおりだと思います。五十三条、百七条でございますが、これらをやはり何らかの形でいつの日かきっちりさせながら、新しい本当の平和維持機能——本来の目的はやはり連合国を結束させるということと同時に、私どもの理解では、第二次大戦後の国際秩序を連合国のいいようにやろうとすることが原点になっての国連であったと思うのでございます。しかしそこらに、ほかに機関がないからといって頼り、また軍縮総会を足場として大事にするという立場は、現在やむを得ないと思います。しかしなお、そういう敵国条項そのほかございますが、総理は政治家としてこれをどのようにお考えになり、国民的な期待からいきますと日本も敵国条項のないようにいけるようになるのか、この点をどうしても承っておきたいと思うのでございます。
  89. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 御指摘の五十三条、百七条については、わが国国連に加盟をするということについては憲章第四条に言う平和愛好国として国連加盟が認められた、そのことによってこの五十三条、百七条は適用がなくなったものと考えておるのでありますが、しかし御指摘のような規定が憲章に残されておるということは望ましくない、こう考えますので、加盟国の理解と支持を得まして、この憲章改定に際しましてはすっきりしたものにすべきではないか、このように考えます。  なお、先ほど国連における分担金の割合に応じて日本人の職員の数がどうか、こういう点にもお触れになりましたが、これらの点につきましては国連の事務総長を初め最高幹部に、機会があればそのことを指摘して改善を求めておるところでございます。
  90. 林保夫

    ○林(保)委員 総理、一言だけ。いまの外務大臣の御答弁で、それはそれなりに評価していいのでございますが、総理としては敵国条項についてどのようにお考えになり、これをどうしようとされるのか、国民の前にひとつはっきり本音をお示しいただきたいと思います。
  91. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 私は、国連憲章の中に敵国条項のようなものがいまだに残っておるということを、非常に残念に思うわけでございます。いま外務大臣から申し上げましたように、憲章の見直し、改定の際におきましては、ぜひこの点は改定をするように、最善努力をいたしたいものと考えております。
  92. 林保夫

    ○林(保)委員 ありがとうございました。これは国民の悲願でございますので、ぜひその改定の努力最善努力をひとつやっていただきたい。もう戦後もはるけくなってまいりましてなおあるということは、これはやはり軍縮に本当に取り組めるかどうかという問題の大きな一つになっていると私は思います。しかしなお、こういう場でもなければこれは行く場がないのでございますので、総理の御健闘を期待いたしたいと思いますし、わが党も大ぜいの仲間と一緒に、自由と平和と人権を守り核軍縮を進めるアピール、署名を二千万以上集めまして、わが塚本書記長を中心に同僚の党と一緒になりまして行きまして、総理の御後援も兼ねましてやる、このことを申し上げまして、本日の質問を終わりたいと思います。  御苦労でございますが、どうかがんばってくださいますように心からお願い申し上げます。ありがとうございました。
  93. 中山正暉

  94. 金子満広

    金子(満)委員 第二回国連軍縮特別総会関連して総理に若干の質問をしたいと思うのです。  最初に確認しておきたいことがあります。これは当然のことだと思うのですが、第一回の特別総会の諸決議、最終文書については、これを今日も土台にし、そして第二回の特別総会をその発展の上に成功させる、こういうことで変わりはない、こういうように思いますが、総理、どうですか。
  95. 門田省三

    ○門田(省)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまおっしゃられましたように、第一回特総において採択されました最終文書は生きております。
  96. 金子満広

    金子(満)委員 そういう点は総理から答えてもらえばいいのですが、生きていたのならやはりそれは生かしていくということが当然要求されるわけです。たくさんあるのですけれども一つだけ申し上げます。たとえばこの十三項に「永続する国際の平和と安全は、軍事同盟による兵器の蓄積の上に築き得るものではなく、また、不安定な抑止力の均衡又は戦略的優越の教義によって支えられるものでもない。」非常に明確に、疑問の余地なく書いてあるわけであります。ところが実際にどうかといえば、日本政府にとってみれば、三月の下旬、ワインバーガー国防長官が来たときに総理は、日本の基本的見解として「西側が軍事力の面で優位に立つことは、軍事的抑止力となり、軍縮交渉にも役立つ」のだという態度を表明いたしておりますし、また、このことに関連して国会での答弁では、報道は若干のニュアンスの違いがあるということを言いながら、アメリカが軍事力を増強するということについては肯定的に深い理解を示しております。しかも同時に、本日の答弁の中でも、アメリカ核抑止力、この抑止力によって平和の維持があるということを言われておるわけでありますけれども、これは国連の最終文書に対して間違っておる、こういうことだと私は思うのです。もちろんこの最終文書は国連の総意でやられたわけですから、国と国との間、その関係を律するものであり、国際間における義務を持っているものだ、こういうことだと思いますが、その点、総理はいまどう考えているか、この違いについて説明していただきたいと思うのです。
  97. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 第一回の特別総会における最終文書、これは世界の平和確保という非常に高い理想に向かって前進をしよう、こういう立場に立っての決議であり、最終文書である、私はこういうぐあいに理解をいたしておりまして、そういう方向で国連の加盟国はみんなが努力をしなければならないもの、このように考えております。厳しい現実というものが一方においてございますが、そういうものを一つ一つ克服しながら、努力を積み重ねて、いまの最終文書の理想に向かって到達するように努力すべきものだ、このように考えております。
  98. 金子満広

    金子(満)委員 みんながやらなければということを聞いているのではなくて、日本政府がやらなければならぬということを私は申し上げているのです。そういう点で、第一回の総会の最終文書を第二回に生かすとすれば、この間においてとってきた日本政府態度というのはそれに違反をしているのだから改めなければならぬということを私は申し上げているのです。これは意見ですから、指摘だけして次に移ります。  次は、核戦争の危険の問題です。  きょうのテレビを見ておりましたら、きのうのことでもそうですけれども、広島、長崎の知事さんが参られた、市長さんが参られた、そういう中で核戦争の危険ということを非常に強調されておりました。総理もその点は、声は聞こえませんでしたけれどもうなずいていたのですから、核戦争の危険というのがある、また現実にあるからヨーロッパでもまた国内でも大きな運動が起きているわけですが、限定核戦争の危険が現実にあると認めるのか、そういうものはないと考えるのか、情勢、現状に対する総理の認識を伺っておきたいと思うのです。当然われわれは、そういう危険があるからこそ限定核戦争というもの、その構想には反対すべきだ、国連でもこの点は明確に指摘すべきだと思いますが、その点を二番目にお伺いしたいと思います。
  99. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 限定核戦争があるかないかということよりも、あってはならない、そういう方向でわれわれは平和的な努力を続けなければいけない、こう思います。
  100. 金子満広

    金子(満)委員 それを聞いているのじゃない。危険があるかないかというので、危険があると思っているから軍縮総会でもこの危険を取り除こうと言っているのだから、そういう点で、総理も当然危険がある、これはそれなりに理解はされていると思いますが、もしそうでないとしたら情勢に対する認識のとんでもない間違いだ、こういうように思います。この点も指摘をしておきたいと思います。  それからその次は、ずっと質問の中で総理もいろいろ答えられておりますが、核兵器使用禁止、つまり不使用の問題です。  鈴木内閣になってから、八〇年、八一年と二回にわたって国連でこの核の不使用決議に反対をした。賛成した国は百二十一、反対十九、アジアではただ一つ日本ということで、非常に目立っているわけです。しかもこれが被爆国日本だということであり、その政府だと思うのですね。(発言する者あり)恥ずかしいことだと言われました。本当にそうだと思うのです。こういう中で、被爆国としてはこの決議に反対するということは絶対に許せないことだ。これはもう理由をどう述べても納得をしないと私は思うのです。だからこそ、三月の二十一日には広島に二十万、そして五月の二十三日には東京に四十万。そして先ほどもお話がありましたが、総理自身からも三千万の署名を持ってくると言われ、この後会うと言われましたけれども、その三千万の署名の中には何が書いてありますか。一番大事な中心一つは、核兵器使用は人道に反する犯罪として禁止する国際協定を結べと書いてあるのです。三千万と言えば国民の中の三分の一なのですよ。それにどうこたえるのかという点で、私は、次の点について端的に答えてもらいたいと思うのです。  今度の第二回の国連の特別総会総理は、日本政府を代表して核不使用の国際協定を結べという提案をみずからやるかどうか、これが一つ。それともやらないかということがもう一つ。中間はないのですから。あっちこっち見てから考えると言っても、演説するまでにもう二週間ないのですから、これから考えると言ったら被爆国国民が泣きますし、大変なことだと思うのです。みずから提案をするのかしないのか、このいずれか。  もう一つは、提案が出されたときに反対するのか賛成するのか、この点を答えだけ伺っておきたいと思うのです。
  101. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 核不使用の問題、この決議の扱いにつきましては、先ほど来るる御答弁申し上げておるとおりでございます。
  102. 金子満広

    金子(満)委員 その説明を何度聞いてもわからない。日本世界で最初にしてただ一つ被爆国ですよ。四十万近い人たちが一瞬にして亡くなっているのです。まだ三十万を超える人が被爆して原爆病で苦しんでいるのですよ。亡くなった人は核兵器使用を禁止してくれということを言えないじゃないですか。そのときに生きているだけじゃなくて、政治の衝にあり国の最高の責任者である総理大臣がみずから乗り出して国連へ行って核兵器使用禁止を訴えるのか訴えないのかと聞いているのに、わかったようなわからないようなことをずっと並べている。去年の暮れにはこの決議に反対をしているから、国民は今度総理がどういう態度をとるのか、この点でみんな注目をしているのです。三千万人の署名はこのことを聞いているんだから、いまこれにはっきり答えてください。答えられないことはないと私は思うのです。頭の中にはちゃんとあると思うのです。どうぞ答えてください。
  103. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 これは国会におきまして私からもしばしば明確に日本政府態度は申し上げておるとおりでございまして、この点は今後も変わりません。
  104. 金子満広

    金子(満)委員 明確に述べているということは、きょうのことで言えば総理はこう言いましたよ。使用禁止の裏づけがなければだめだと言うのです。使用禁止の裏づけとは何ですか。使わないということに裏づけは何にもないじゃないですか。ある限度まで減らすとか、何とかなら査察が必要であるとか、何かがどうだとかいろいろありますよ。アメリカに対してもソ連に対してもその他の核の保有国に対しても、使わないということを言うのが何で言えないのです。明確に説明したことがありますか。私は、自由民主党を含めて全国会議員が、この問題で非常に明確に鈴木総理が答えたという自信を持って言える人はないと思うのです。いろいろむずかしいことを言った、余りよくわからなかった、そして去年の国連総会では反対をしたという動かない事実だけはみんな知っていますよ。だからこれをどうするのかと聞いているのです。答えてください。言えないなら言えないでいいです、それも一つ態度ですから。どうぞ。
  105. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 同じ御質問に対しては同じ答弁しかございません。
  106. 金子満広

    金子(満)委員 いろいろあるのですけれども、先ほど総理の手元にもきょうこの後でかける外務委員会決議、本会議に出すものが出ていると思うのです。その中には「政府は、左の事項につき誠実に努力するよう要請する。」ということになっているのですから、これは誠実にやってもらわなければ困るし、同じことについては同じ答えしかできないと言えば、先ほどから総理言葉の中には究極的にはという言葉が何回か出ました。究極的にというのは委員長よく御存じのようにさっきなくなったんですよ。なくなったけれども、古いせりふがまだ総理の中に入っているんです。それで答弁をされているんですから、新しい事態にこたえて、しかもそういう中では「特に、核兵器が二度と使われることのないよう実効ある国際的措置をとることを強く訴えること。」、あなたが国連へ行って訴えることと言ってあるのですからこの点はぜひ、同じ答えです、同じ立場ですということでなく、具体的に答えていただきたいと思います。  その答えも含めて、時間がありませんから最後の質問をいたしますが、もう一つのことは核兵器の完全禁止あるいは全廃、廃絶、いろいろありますけれども核兵器を完全になくしていくという問題です。核兵器による惨禍を繰り返さないためにというのは総理もずいぶん先ほどから言われました。私もその点には全然異存はないのですが、繰り返さないためには繰り返させないことをさせなければいけないんだと思うのですね。そういう点から申し上げますと、まずこの核兵器を完全に禁止する、この点から言えば、これは遠い将来の問題、つまり先ほど申し上げましたが、究極的にはとかやがてはとかそのうちにとか、あるいは軍備が全部世界じゅうからなくなったとき、そういう段階とかいうものではない。こういう点で軍縮の中では最も優先的で緊急な問題が核兵器の完全禁止である、こういうように位置づけていかなければならないし、三千万人を超える署名もこの点を非常に明確にうたっております。そういう中で、この点についての総理の見解を伺っておきたいと思うのです。ですから、これが二つ目ですね。  最後に、核の抑止力の問題を言うわけです。つまり日本アメリカ合衆国との間における安保条約、これが核兵器がくっついている、その核兵器によって傘がかけられて守られている、だから核は必要だということになりますと、核兵器の完全禁止というのは優先的な緊急の課題にならないということになると私は思うのです。この点が非常に大事な問題であります。  以上三点について総理の見解を伺って、質問を終わりますが、今度の国連総会における総理の演説が、そしてまた諸決議、諸提案、諸文書に対する日本政府態度がどういうものであるかはわが国の進路にかかわると同時に、わが国世界の平和と安全にかかわる重大な問題でありますので、具体的にお答えをしていただきたいと思います。その答弁を聞いて、私の質問を終わります。
  107. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 今回当外務委員会におきまして、国連軍縮総会に向かっての政府に対する申し入れ、要求、そういうことが盛られております。私どもは、この決議内容というものは国民の多くの方々がいま、今度の特別総会に向かってぜひ主張してほしい、こういう点が遺憾なく盛られておるものであると評価をいたしておりますし、これが実現に向かいまして政府としては最善を尽くすつもりである。このことは先ほど来各党の御質問に立たれた方々に対して私から御答弁を申し上げたとおりでございます。この中にいま金子さんがおっしゃったいろいろの問題についての御意見、御要望というものは含まれておる、このように考えておりますから、国会決議を十分尊重し、誠実にこれを実行することをここに申し上げて答弁にかえます。
  108. 中山正暉

  109. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 実は昨日来私ども総理国連に御出発をするに当たりまして、いろいろ世界観も違いますし、また今日の核に対する対応も非常に違う、そういう政党の皆さんがいろいろな知恵を集めて日本国会で総意で決議案をつくろう、そういう努力委員長中心にしてやってまいりました。実は決議案がこの委員会の質疑の後に委員長から読み上げられると思いますけれども、その決議にあらわれているものは、できるだけ大ぜいの皆さんの合意でということでありますから、一つ一つの字句の中には非常に物足りないものを正直私ども感じております。しかし、その字句の谷間の中には大ぜいの皆さんが今度はたくさん市民運動とか、あるいは大ぜいの国民の皆さんからも署名が寄せられた。そういう国民の世論を背景にして、しかも唯一被爆国として国を代表して総理国連の演説の中で歴史的な演説をしていただきたいし、それだけではなくて、やはり日本自身がそういう姿勢でこれからも国際社会の中で信頼を得るように核のない世界に向けていろいろな努力をしてもらいたいという熱意が込もっているということを総理にはぜひ御理解をいただいておきたいと思います。  私はきょうの質疑をずっと聞いておりまして、また総理の御答弁も伺っておりまして、質問をされる同僚議員の皆さんが、日本はいま独自の立場なのだ、しかも国連という世界注目の舞台で——昭和三十年の時代には世界で非常に反核の世論の高まりがありましたが、広島、長崎の杉の子会といいますか、ああした原水爆反対の運動やいろいろな努力がようやく国際社会の中でも広まりを見せてきた。長い時間かかって盛り上がってきた国際世論の中で日本国連できれいな演説をするということだけではなくて、一体日本が何を訴え、何をするかということとあわせて、日本自身は世界に先駆けてこういうことはやらないのだという決意と行為というものが実はより説得力を持っているのではないかというふうに私は思うのです。  私は、日本の平和と安全の上では、たとえば日本の憲法、それから非核原則、そして日本はいずれの国にも武器を輸出しないという平和に関する宣言を一貫して国の外にも国民にもしてきたはずだと思うのです。そこで私は、最近いろいろ新聞紙上で私どもが見て、政府考え方あるいは平和に対する姿勢というものがなし崩し的に空洞化してきているのではないかという問題を非常に心配をいたしております。それは、日本は武器をいずれの国にも輸出しないということを政府は明言をしてこられましたけれども、外務省、防衛庁、通産省の中ですでにいろいろな作業が進められて、武器技術を外国に輸出するという方向が検討されているように伺います。きょうは総理に、この大事なときに国連軍縮会議に臨む日本総理大臣として、いままでどおり武器は一切輸出しないというかたい決意をまず伺って次の質問をさせていただきたいと思うのです。
  110. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 武器輸出禁止に関する三原則、また政府の方針、これは今後ともわが国としては堅持してまいる、その方針であるわけでございます。一方、御承知のように日米安保条約、また援助協定というものが日米の間には存在をいたしております。米側からはこれに基づきまして日本に武器技術の提供があるわけでございますが、それが一方通行であるというようなことで、米側から日本の方からも提供してもらいたいという要請がなされておりますことも御承知のとおりでございます。この武器輸出の三原則に基づく技術の問題もその方針の一環であるわけでございますが、一方、日米安保条約なり援助協定というものとの調和をどうとるか、調整をどうするか、この問題につきましていま関係当局において検討を進めておるという段階でございまして、私のところにその関係当局のまとまった意見というものがまだ出されてきておりません。私はこれに対しては十分慎重に検討を加え、自分自身としても判断をしなければならない、このように考えておりますが、現段階はまだそこまで至っていないということを御報告申し上げておきます。
  111. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 私は、核に対して日本が国際的な世論に訴えるということは大変大事なことだと思いますが、核の問題を含めて日本自身がどういう姿勢で臨んでいくかということを外国の人たちは見ているわけですから、自分たちは武器は輸出する、武器の技術も提供する、そして国連に来れば反核の演説をするということでは説得力はないと私は思うのです。私はきょう事務当局の御答弁は特別求めませんが、関係省庁の中ではすでにそういう作業が進んでいるといまお話も伺いました。非常に大事な問題ですから、日米安保の関係で、武器技術は将来アメリカに対して提供せざるを得ない、こう総理御自身としてはいまお考えなのですか、それともやはり方向としてはやるべきではない、こうお考えなのか。基本的なお考えだけぜひきょう伺いたいと思うのです。
  112. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 いま御答弁を申し上げたように、日米安保条約なり援助協定なりとのかかわり合いにおいて、この武器輸出三原則等を米側の要請に対してどのように応答をするか、どう扱うか、こういう問題が非常にむずかしい問題でございまして、ただいま関係当局においてあらゆる角度からいろいろ検討されておる。私はそれらの意見というものを十分そしゃくをしまして、自分自身として最終的な判断を下したいと思っておりますが、まだそこに至っていないということを申し上げておるわけでございます。
  113. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 これだけ大事な問題ですから、総理御自身が自分の方針としてはどういう考え方を持っていて、そして関係の各省庁に検討してくれ、こういうことだと私は思うのですよ。小林議員のお話ではないですけれども総理みずからの哲学とか日本のそうした大事な、基本的な問題に対する考え方というものは堂々と国民の前に披瀝してしかるべきだと私は思うのです。  なかなかはっきりしたお答えがありませんから、私はきょうのニュースでもっと具体的にお聞きをしたいと思いますが、菊水電子工業の発注がアメリカにされて、これはアメリカの空軍が直接調達をするということですでに第一位の入札が決まった、こういうわけです。そしてこれは汎用品というのではなくて空軍自身が直接日本からこれを買い受ける、こういうことですから、これはこれまであった経過とは若干違う、これは日本では認めるのですか、どうですか。
  114. 豊島格

    ○豊島政府委員 ただいま先生の御指摘の毎日新聞の記事でございますが、菊水電子工業からも中身を聞いておりますが、米国子会社を通じて米空軍に入札したオシロスコープというものは、すでに国内及び輸出も行われ、広く使われているものでございまして汎用品である、したがいまして、武器輸出三原則上の武器には該当しない、このように考えております。
  115. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 細かい議論はまた改めてさせていただきたいと思いますが、せっかく総理に御出席いただきましたので、最後にもう一問質問して終わります。  核をなくすという作業は、われわれはこういう議論をしながらも現実的に非常にむずかしい問題だということを承知をしながら、忍耐強くわれわれはこの運動を続けていきたいと思っておるわけでありますが、アメリカ世界最強の軍事力を持って、しかしベトナムでは戦いに勝てなかった。私はやはり、その一つの原因には国際世論というものが大きく影響したと思うのです。そういう意味では、いま世界でも日本の中でも反核に対する世論が非常に高まっている。そういうときに、鈴木総理総理であるとともに政府・自由民主党の総裁でもあるわけであります。その自由民主党総裁という立場で、いま各地方議会の中で核に対する決議が行われておる、しかしそれに対してブレーキをかけるという通達をされた。私は、非常に遠回りのようかもしれないけれども、市民運動とか草の根的な運動というものはやはり核反対に対する非常に大きな力になるのではないかというふうに思うわけでありますが、自由民主党の総裁として鈴木総理はどうお考えか、お答えを聞いて質問を終わります。
  116. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 自由民主党において、自民党の県連、支部その他にいろいろ指導的な意味合いの文書を流したということにつきまして、これは国民世論を抑圧するものではないか、こういう伊藤さんの御懸念でございますが、私は、自由民主党はそういう意味でやっておるのではなしに、この日米安保条約上のたてまえからいって、核の抑止力というものが平和と安全のために結ばれておる日米安保条約によって裏づけられておるという観点に立って、この点を十分頭に置いて対応してもらいたいということが一つ、それからもう一つは、これは老婆心ではあろうけれども、反核と反米というものを混同するような動きに対しては十分注意をする必要があるという考え方、いろいろの点から県連、支部等からの要請等もあって指導を加えたということでございまして、正しい軍縮、特に核軍縮等に対する国民世論を抑えようなどという考え方に立ったものではない、私はそのように理解をいたしておるところでございます。
  117. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 どうもありがとうございました。      ————◇—————
  118. 中山正暉

    中山委員長 この際、第二回国際連合軍縮特別総会に関する件について決議をいたしたいと存じます。  本件に関しましては、各会派の理事等の間におきまして協議を重ねてまいりましたが、その協議が調い、案文がまとまりました。  便宜、委員長から案文を朗読いたし、その趣旨の説明にかえたいと存じます。     第二回国際連合軍縮特別総会に関する件   核軍縮中心とする世界軍縮の促進は、恒久の平和を願い非核原則国是として堅持する我が国国民の一致した願望であり、真の平和と安全を希求する諸国民の共通した念願でもある。   かかる諸国民の共通の悲願にもかかわらず、現下の国際情勢は極めて厳しく、核兵器、通常兵器の区別なくはてしない軍備拡張が行われ、特に、限定・全面核戦争を問わず核兵器は人類の生存に最も深刻な脅威を与えており、広島、長崎の惨禍が再び繰り返されないよう、核兵器廃絶を求める声が近時世界各地に急速に広がつている。   このような国際情勢の中で、本年六月第二回国際連合軍縮特別総会が開催され世界的規模で軍縮問題が討議されることは、誠に意義深いものがある。   この総会において軍縮を一層促進させるため、政府は、左の事項につき誠実に努力するよう要請する。  一 人類共通の崇高な目標である世界の恒久平和と安全に到達するため、被爆国日本国民の悲願である核兵器廃絶を求め、すべての核兵器保有国に対し全面完全軍縮の一環として、核兵器の製造、実験、貯蔵、使用の禁止をめざし、特に、核兵器が二度と使われることのないよう実効ある国際的措置をとることを強く訴えること。  二 核兵器拡散防止の緊要性にかんがみ、中国、フランスをはじめとする核兵器不拡散条約未加盟国に対し、同条約への加盟を強く訴えること。  三 米ソをはじめとするすべての核兵器国に対し、核軍縮軍縮分野の最優先課題とし、地下核実験を含む核実験全面禁止条約早期実現を強く訴えるとともに、部分核実験禁止条約未加盟国に対し、同条約への加盟を訴えること。  四 非核武装地帯構想が、世界の平和の維持に重要な意義を有していることにかんがみ、適切な条件の整っている地域から漸次世界の各地域に非核武装地帯の設置が実現するよう国際的努力をするとともに、同地帯に核保有国による核攻撃が行われない保証をとりつけること。  五 国際人道法に反する化学兵器等の使用、開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄のための国際条約早期実現するよう強く訴えること。  六 際限のない軍備の増強は、現在の国際社会が看過し得ない問題であるため、通常兵器の国際移転の規制、軍事費の削減の必要性を各国に強く訴えるとともに、その結果生じた余力を開発援助を含め広く世界の経済的社会的発展に活用するよう強く訴えること。 以上でございます。  お諮りいたします。  ただいま読み上げました案文を本委員会決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  119. 中山正暉

    中山委員長 起立総員。よって、本件は本委員会決議とするに決しました。  この際、内閣総理大臣より発言を求められておりますので、これを許します。内閣総理大臣鈴木善幸君。
  120. 鈴木善幸

    鈴木内閣総理大臣 ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。  政府といたしましては、このような決議が採択されましたことを真剣に受けとめており、この決議を体しまして、第二回国連軍縮特別総会において努力する所存であります。
  121. 中山正暉

    中山委員長 お諮りいたします。  ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 中山正暉

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時散会