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草川委員 その図書館にあるものは私もここに持っておるのです。私が言っておるのは、これは一九八一年九月二十七日のニューヨーク・タイムズの内容でございまして、十三の
原子炉の耐圧容器が放射能のために急速にもろくなっているというのでNRCの調査が書かれてあるわけですが、これを見ますと、中性子照射による脆弱化、これはあたりまえのことですね、中性子が当たるわけですから脆弱化するわけです。そのために炉体が厚くしてあるわけですから、それは私
どもも別に驚くこともなくあたりまえのことだと思うわけですけれ
ども、問題は、中性子によるところの脆弱化という問題が予想外に速く進んでおるのではないか、これが
一つ。
それから二番目には、炉心というのですか、炉体の急冷化ということのアクシデントというのですか、そういう
状況下における
問題点があるわけでございまして、その緊急冷却水の注入というのは、スリーマイルの
事件以後十分予想はされるわけでございますので、それなりの
対応というのを、いわゆる緊急冷却水の注入ということは準備をされておるわけでございますから、もし緊急注入をした場合の熱衝撃と言うのですか、冷却によるところの破裂のおそれがあるのではないだろうかという、一般的な報告としては私
どもも十分関心を持たなければいけないことだと思うのです。
〔
委員長退席、愛知
委員長代理着席〕
さらに、さびの問題についても付加されておりまして、さびの場合は十六の
原子炉で蒸気発生器がさびで冒されていることがわかった。蒸気発生器が腐食すると
原子炉内の放射能が漏れるので、これを取りかえる必要があるというような問題提起もあるわけでございますので、別に大げさに騒ぐとかなんとかという
意味ではなくて、非常に慎重な
意味でもこの問題を取り上げなければいけないと思います。
専門誌の間にも、軽水炉圧力容器の照射脆化によるところの熱衝撃ということあるいは圧力容器に
破壊はあり得るかということについて、基本的にもう少し
わが国としても関心を持つべきではないだろうかというようなことが専門家の間にも慎重に議論をされておるわけでございますので、私
どももあり得ないということではなくて、あり得るという
立場、しかも現在のエネルギーの中で電気エネルギーの場合はすでに一六%も
原子炉の中から給電をされておるわけでございますから、全国でいま全部で十基でございますか、稼働をしておるわけでございますから、そういう事実の上に立って
わが国としても関心を持つのは当然だ、また当然でなければならないと思うのですが、本調査について、今後たとえば通産省としても
アメリカの方へ行き、NRCと向こうで共同研究とまでは申し上げませんけれ
ども、この報告書についてフォローをするというようなことがあってしかるべきだと思うのですが、その点はどのようにお
考えになっておられますか。