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1981-11-13 第95回国会 参議院 本会議 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十六年十一月十三日(金曜日) 午前十時二分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第八号
昭和
五十六年十一月十三日 午前十時
開議
第一
昭和
五十六年
分所得税
の
特別減税
のため の
臨時措置法案
(
衆議院提出
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、新
議員
の紹介 一、故
議員永野嚴雄君
に対し
弔詞贈呈
の件 一、故
議員永野嚴雄君
に対する追悼の辞 一、
裁判官弾劾裁判所裁判員辞任
の件 一、
裁判官弾劾裁判所裁判員
の
選挙
一、
国家公務員等
の
任命
に関する件 以下
議事日程
のとおり
—————
・
—————
徳永正利
1
○
議長
(
徳永正利
君) これより
会議
を開きます。この際、新たに
議席
に着かれました
議員
を御紹介いたします。
議席
第七十七番、
地方選出議員
、鳥取県
選出
、
小林国司
君。 〔
小林国司
君
起立
、
拍手
〕
徳永正利
2
○
議長
(
徳永正利
君)
議長
は、本
院規則
第三十条により、
小林国司
君を
逓信委員
に指名いたします。
—————
・
—————
徳永正利
3
○
議長
(
徳永正利
君)
議員永野嚴雄君
は、去る十月八日逝去されました。まことに
痛惜哀悼
の至りにたえません。 同君に対しましては、すでに
弔詞
を贈呈いたしました。 ここにその
弔詞
を朗読いたします。 〔
総員起立
〕
参議院
は
議員
正四位勲二等
永野嚴雄君
の長逝に対しつつしんで
哀悼
の意を表しうやうやしく
弔詞
をささげます ———
—————
—————
徳永正利
4
○
議長
(
徳永正利
君)
藤田正明
君から
発言
を求められております。この際、
発言
を許します。
藤田正明
君。 〔
藤田正明
君
登壇
〕
藤田正明
5
○
藤田正明
君 本
院議員永野嚴雄君
は、去る十月八日静岡県
伊豆韮山温泉病院
において、心不全のため逝去されました。 昨年六月の
衆参両院
の
ダブル選挙
に、
参議院議員
として再選を果たされた直後、
健康診断
のために
東京女子医科大学病院
に入院され、その入院中に
脳梗塞
で倒れられたと聞いたときは、驚き、早速に御見舞いに伺ったものでありました。その後病状は快方に向かわれ、最近は
機能回復
のため
伊豆
の
病院
で療養なさり、日一日と薄紙をはがすようによくなられつつあると聞いておりました。ようやく愁眉を開き、いずれ元気なお姿を院内で拝見できるものとして喜んでいたやさき、十月八日の夜の悲報に接したのであります。まことに痛措
哀悼
の念にたえません。 私は、ここに皆様の御
同意
を得て、
議員一同
を代表して、正四位勲二等故
永野嚴雄君
のみたまに対し、謹んで
哀悼
の言葉をささげます。
永野嚴雄君
は、
日本
の
政財界
に一時代を築かれた
永野護
氏の長男として大正七年
東京
で生まれられました。大変恵まれた家庭で育てられ、
旧制広島高等学校
を経て、
昭和
十六年
東京帝国大学法学部
を卒業、在学中に
高等試験司法科試験
に合格され、直ちに
海軍
に入隊をされました。
昭和
十八年
海軍主計大尉
に
任命
をされ、戦後は、
東京地方検察庁検事
、
法務総裁秘書官等
を歴任された後、一時民間の
会社経営
、あるいは弁護士として
活躍
をされたときもありましたが、
昭和
三十七年四十四歳の若さで
広島県知事
に当選、
知事
として三期十二年を務められた後、
昭和
四十九年郷土の
広島
県
地方区
から出馬し
参議院議員
になられ、今日に至ったものであります。 思えば、君の六十三年の生涯は、戦前は
海軍将校
として、戦後は主として
政治家
として懸命に生きられ、
社会
のために、
日本
のために
全力
をささげてこられました。
海軍主計中尉
当時に戦艦「扶桑」に乗り込まれ、後、
南方洋上
の海戦で遭難、負傷され、その名誉ある戦傷が今回の不幸の遠因となったものと推察をいたしますが、九死に一生という運命的な体験は、後に
政治家
として
社会
に貢献を志す大きな契機となったものと思われます。 君の
知事在籍
十二年の
功績
は枚挙にいとまがありません。
産業
の
発展
、
社会資本
の
充実
、
人的能力
及び
県民福祉
の向上を目指した
県勢振興基本計画
を短時日にまとめるや、その実現に向かって、持ち前の旺盛な
活動力
により多彩な施策を展開し、今日における
県政発展
の
基盤
を築き上げられたものであります。 特に、
基幹的交通網
の整備を積極的に推進するとともに、
基礎産業
の
誘致育成
、
公害産業
の
進出阻止
、教育、
福祉施設
の
充実
、
生活基盤投資
の拡大、
離島対策
の
促進等
に
全力
を尽くされ、また、
江川分水協定
により
広島都市圏
の
水不足解消
に大変な
功績
を上げられました。 御承知のとおりに、
広島
市は
原子爆弾被災
の地であります。あの廃墟の中から今日のようにビルが林立し、特に太田川のほとり、基町に建設された
高層アパート群
は、いまや
広島
の再建の象徴でありましょう。私は、
広島
のこの
発展
のシンボルを見るたびに、その礎をつくられた
永野知事
を即座に思い出さざるを得ないのであります。
県行政
の頂点に立つ
知事
に最も強く要求されるものは、すぐれた
バランス感覚
と人の掌握にあります。恵まれた資質と、
政治家
と言われるよりもよきマネージャーたらんことを口ぐせとしていた君は、信頼の厚かった
指導者
として、その
功績
とともに
広島県民
の心に長く、強く印象づけられていることでありましょう。
中央政界
に出られてからは、
参議院自由民主党
において数少ない
法務省関係
の
専門家
として
司法
の
発展
に尽くされ、また、
昭和
五十三年九月に
参議院地方行政委員長
に就任をされ、一年余にわたり豊かな
行政経験
を生かし、
地方自治
の
発展
に多大の寄与をされたことは、
関係者
の一様に熟知するところであります。
永野
さん、君は信念の人であり、高邁なる理想と清潔な人格の持ち主でありました。信ずるところを明快に主張し、折り目正しく行動する人でもありました。
参議院
の友人の多くは君に敬慕の念を持ち、私に、同じ
広島
県
地方区選出議員
の一人として、
永野
さんの病気はどうですかと、たびたび聞かれたものです。そのとき私はいつも、日増しに元気になられていますよと答えたものですが、ついに不帰の人となってしまわれたのであります。
参議院議員
二期目の
活躍
が強く期待されていただけに、突然の逝去を惜しむ声は、
広島県民
はもとより、
政財界等
に広く切々たるものがあります。
永野嚴雄君
の高潔な人柄と輝かしい業績をしのび、院を代表して謹んで
哀悼
の意を表します。心から御冥福を祈ります。
—————
・
—————
徳永正利
6
○
議長
(
徳永正利
君) この際、お諮りいたします。
熊谷太三郎
君から
裁判官弾劾裁判所裁判員
を辞任いたしたいとの
申し出
がございました。 これを許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
徳永正利
7
○
議長
(
徳永正利
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、許可することに決しました。
—————
・
—————
徳永正利
8
○
議長
(
徳永正利
君) つきましては、この際、
裁判官弾劾裁判所裁判員
一名の
選挙
を行います。
堀内俊夫
9
○
堀内俊夫
君
裁判官弾劾裁判所裁判員
の
選挙
は、その手続を省略し、
議長
において指名することの
動議
を
提出
いたします。
小山一平
10
○
小山一平
君 私は、ただいまの
堀内
君の
動議
に
賛成
いたします。
徳永正利
11
○
議長
(
徳永正利
君)
堀内
君の
動議
に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
徳永正利
12
○
議長
(
徳永正利
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
議長
は、
裁判官弾劾裁判所裁判員
に
臼井荘一
君を指名いたします。
—————
・
—————
徳永正利
13
○
議長
(
徳永正利
君) この際、
国家公務員等
の
任命
に関する件についてお諮りいたします。
内閣
から、
原子力安全委員会委員
に
内田秀雄
君、
大山彰
君、
田島英三
君、
山本寛
君を、
公正取引委員会委員
に
渡辺豊樹
君を、
日本放送協会経営委員会委員
に
池田敬子
君、
高橋武彦
君、
永倉三郎
君、
吉武信
君を、
労働保険審査会委員
に
大塚達一
君を
任命
することについて、本院の
同意
を求めてまいりました。 まず、
原子力安全委員会委員
のうち
内田秀雄
君、
大山彰
君、
日本放送協会経営委員会委員
のうち
永倉三郎
君の
任命
について
採決
をいたします。
内閣申し出
のとおり、いずれも
同意
することに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
徳永正利
14
○
議長
(
徳永正利
君)
過半数
と認めます。 よって、いずれも
同意
することに決しました。 次に、
原子力安全委員会委員
のうち
田島英三
君、
山本寛
君、
日本放送協会経営委員会委員
のうち
池田敬子
君、
高橋武彦
君、
吉武信
君の
任命
について
採決
をいたします。
内閣申し出
のとおり、いずれも
同意
することに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
徳永正利
15
○
議長
(
徳永正利
君)
過半数
と認めます。 よって、いずれも
同意
することに決しました。 次に、
公正取引委員会委員
、
労働保険審査会委員
の
任命
について
採決
をいたします。
内閣申し出
のとおり、いずれも
同意
することに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
徳永正利
16
○
議長
(
徳永正利
君)
過半数
と認めます。 よって、いずれも
同意
することに決しました。
—————
・
—————
徳永正利
17
○
議長
(
徳永正利
君)
日程
第一
昭和
五十六年
分所得税
の
特別減税
のための
臨時措置法案
(
衆議院提出
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の報告を求めます。
大蔵委員長河本嘉久蔵
君。 〔
河本嘉久蔵
君
登壇
、
拍手
〕
河本嘉久蔵
18
○
河本嘉久蔵
君 ただいま
議題
となりました
昭和
五十六年
分所得税
の
特別減税
のための
臨時措置法案
につきまして、本
委員会
における
審査
の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案
は、
衆議院大蔵委員長提出
によるものでありまして、一年限りの
特例措置
として、
昭和
五十六年分の
所得税
について
特別減税
を行おうとするものであります。
特別減税
の額は、本人五百円、
控除対象配偶者
または
扶養親族
一人につき五百円とし、
特別減税
の
実施方法
については、
申告所得者
は
確定申告書
の
提出
の際に、
給与所得者
は年末調整の際に、
年税額
から
特別減税
の額を控除することとしております。 なお、
特別減税
による租税の
減収額
は約四百八十四億円と見込まれております。
委員会
におきましては、質疑、討論なく、
採決
の結果、
本案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
)
徳永正利
19
○
議長
(
徳永正利
君) これより
採決
をいたします。
本案
に
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
徳永正利
20
○
議長
(
徳永正利
君)
過半数
と認めます。 よって、
本案
は可決されました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時十七分散会