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政府委員(三角哲生君) 本
文部省の、本日のこの委員会で小野委員の御指摘の
非行あるいは校内暴力の問題に対しましての取り組みにつきまして御発言があったわけでございますが、この取り組みは、やはり第一義的にはそれぞれの
学校におきまして校長を中心として
先生方に特に真剣に事に当たっていただくということでございますが、そういうことで
文部省がじかに個々の事例について、警察のような体制ではございませんので、手を伸ばしていくということは直接にはないわけでございます。ただ、御指摘にございましたように、やはり
教育というサイドからの取り組みとしては、どうしても長期的視野というものに立ちまして基本的な取り組みというものをしっかりさせていく、こういうことが重要でございますし、
先ほど来の御
質疑応答にもございましたように、そもそも校内暴力というような不幸な事例の発生を見ないように、平素からのいろいろな
学校の中での
指導なり、あるいは
教育内容の工夫なりということで取り組んでいくということが肝要でございますし、あるいは不幸にして問題になる
傾向が見られますような場合にも、できるだけ未然に事件の発生の防止を図ると、こういう取り組みが必要でございます。
そういう
意味で、長期的視野ということでございますが、私どもといたしましては、取り組みの基本につきましては前からも申し上げております通達を出しておりますが、それに基づきましての
全国的な
意味での結束を図り、かつこれに対する体制をつくっていくということで
教育関係の諸機関のあらゆる会合を通じまして、このことをまず最重要議題として取り上げまして、今年に入りましてからもやってまいりまして、たとえば都道府県の
教育長、
教育委員長の会議などは数回ございましたし、それから都道府県の直接の担当でございます
指導主管部課長の会議は三回これを招集いたしましてこの問題に取り組んでおります。そのほか直接の
指導主事の会議、あるいは各
学校段階別のそれぞれの
学校長会の総会の場をおかりいたしましたり、あるいは町村
教育長の会、あるいは都市
教育長の会、あるいは市町村
教育委員会連合会の会等、二十回近い
機会を通じましてこの問題に対する取り組みの強化並びに体制の確立の徹底を図った次第でございます。
それから、長期的な視野に立ちまして、私どもとしては個々の事例についてもしっかり分析をして、そしてまあ東北筋のように校内暴力のないような、まだ起こっておらないような県でもいろいろとやはり対応を
考えておく必要がございますので、これを
全国的にやはり
一つの材料として共有にしていこうというような構えての作業も進めてまいっておりますし、それから今年度といたしましては、生徒
指導を担当します教師の資質の向上が非常に具体的には重要でございますので、そのために生徒
指導講座、それから、これはわが国の場合には若干まだ進んでおらない分野かと思いますが、いわゆる
教育相談と申しますか、カウンセリング技術の
指導講座を開催いたしております、それから、小中
高等学校の教師用に生徒
指導資料というものを十数
種類刊行いたしておりますが、今年度は特に、
昭和四十年度に刊行いたしまして、その後も政府刊行物センターの方でかなり需要のございます「生徒
指導の手引」というものの改訂版を先ごろ発行いたした次第でございますが、さらに新しいもの三
種類を目下編さん中でございます。
それから、小野委員も御承知いただいておると思いますが、
学校全体が地域と一緒になってこの問題に取り組むための生徒
指導研究推進地域の指定や、あるいは実験的に取り組むための研究推進校、これも充実をして、今年度引き続き実施しておる次第でございます。なお、さらに来月の上旬には、各都道府県
教育委員会の生徒
指導担当者をまた臨時に招集をいたしまして、校内暴力などの
青少年の
非行問題について特にまた改めてこの
時点での研究、協議をいたしますとともに、そこでのまた対策の検討も一緒になってしていこう、こういうふうな
考えで進めておる次第でございます。
御指摘の、まとまった研究所の問題につきまして、
先ほど大臣から御答弁を申し上げた次第でございますが、私どもといたしましてはいろいろな場で、それから
先ほど申し上げましたような
資料の編さんの場合にも、現実のケースを研究し、分析し、
調査をしてやっていく必要がございますが、その際にはそれぞれのその道の
専門家の御協力も得まして、そういうところでその検討を深めてまいりたい。そういったあらゆる場面での
調査研究の成果、あるいは各界の御意見を十分に集約いたしました上で、そして
青少年非行の問題は、
先ほど来御指摘のように警察庁、法務省、
文部省、厚生省などの
関係官庁が、やはり相互に連絡、協力をする必要もございますので、これらの省庁と十分密接に連絡をとりながら、いま申し上げました
施策をさらに深めてまいるための工夫、努力をいたしたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。