○井上計君 皆さん方のお答えも大体もう出尽くしておりますし、時間もありません。それから私自身が去る三月から当
委員会あるいは予算
委員会の分科会等で基礎
産業の
不況対策についてはしばしば提言をしたりあるいは質疑を行っておりますし、またわが党では去る三月からすでに素材
産業不況対策特別
委員会を設けまして、
政府に対しましてまた各方面に対しましても要望を立て、また
アルミ、特に
紙パルプにつきましての
不況対策の政策もつくっておりますから、いろいろと私お聞きすることはないわけであります。ただ、時間もありませんけれ
ども、ここでお答えというよりもむしろ私はお三方
参考人、特に
松永参考人と
田中参考人には大変御無礼でありますけれ
どもあえて苦言を呈して、まあお答えをいただければお答えをいただいて結構でありますが、申し上げたいと思います。
大変表現が適切かどうかは別ですが、病気にたとえますと、もう
アルミ業界は危篤と言うと失礼でありますからあえて重体と申し上げておきましょう。それから紙パ
業界は重症で、まだ重体には陥っていないかと、こう思います。しかし、いずれにしてもある日突然こういう問題がやってきたわけじゃないわけなんですね。すでにこういう
事態の起きることは数年前から当然予測されておったと、こう思うのです。特に
アルミ業界は一番大きな問題は
電力の問題でありますが、
電力費等については先般も
アルミ業界からわれわれに対する要望としては、キロワット大体八円ならやっていけると、ぜひ八円の線をということで労使双方の御要請がありました。しかし、いま八円にすることはこれは不可能なわけですよ。ところがそういう
状態が来ることはもう数年前から予測されておったのです。もちろんいろんな事情としては不可避的な問題もあったと思いますけれ
ども、しかし
石油価格の値上がりについて特に
アルミ業界はやはり
見通しを誤られた、あるいはそれについての対応策がおくれておった、あるいは
自助努力がおくれておったということが私は現在この
事態を招いておる大きな理由だというふうに、いままで何回か皆さん方とも
お話し合いをし、あるいは直接
アルミ工場も見学をさしていただいて、その結果私はそういうふうな判断をしておるのです。といっていまさら死んだ子の年齢を数えても仕方がありませんからそれをどうとかこうとかと言いませんけれ
ども、しかしこれからどうやっていくかという中には、やはり従来の反省の上に立ったそれこそもう一歩も退くことができないという
自助努力をもっとお考えいただく必要がある、こう思うのですね。先ほどから
松永参考人のお答え、御説明を聞いておりますと、とにかくいまの
アルミ業界を救済するためには、政策をあるいは政治のあり方をということが多いわけでありますけれ
ども、やはりもっと
自助努力をどうするのか、これからの対応策をどうするのか、さらにこれからの先取りをどうするのかということをもっとお考えをいただく必要があるんではなかろうかというふうに思います。これ以上申し上げると御無礼でありますから、これ以上申し上げません。
そこでもう
一つ、
自助努力を怠ったということについて、私、これは申し上げたいと思いますが、先般も労使双方、特に労働組合からの御要請の中に、とにかく
電力費さえ安くすればわれわれの雇用が守れる、こういう御要望があったんですね。それで、私その労働組合の代表に申し上げたのですけれ
ども、あなたたちは
電力費を安くしてくれという要望をされる。一面では、別の運動ではありますけれ
ども、
電力費を高くする運動をやっているではないか、こう私はあえて指摘をしたわけですよ。すなわち原子力発電の反対をしておる、そういう運動に参加しておられる労働組合が
アルミ業界にあるわけですよね。この反省はやはりすべきですよということをあえて申し上げました。先ほどから
松永参考人は原子力発電による
コストの
低減以外にないということを言っておられます。したがって、そういう面についても
業界自体がもっと御
努力をしていただく必要があるんではなかろうか。あえてこのことを、ひとつせっかくの
機会であります、失礼でありますけれ
ども、
松永参考人に御要望をし、苦言を呈しておきます。
田中参考人にでありますが、紙パのことは私も内輪みたいなものでありますから詳しく申し上げていると切りがありませんし、また先ほど来のお答えについては大体いままでのである
程度承知をしておることでありますが、しかし、
需要の
見通しについて、先ほど
田中参考人が、これから
需要はふえるであろう、とすると九〇%
程度の
操業が可能だというふうな、そういう意味のお答えがありましたが、失礼ですが、ちょっと
田中参考人甘いのじゃないですかね。と言いますのは、私は御承知のような立場、
ユーザーの立場で考えて、
需要はそんなにふえない。やはり
現状の大体三%
程度、ふえても四%
程度しか今後
需要は
伸びぬであろう。逆に減る
要因があるんですね。先ほど
辻村先生が、先のことであるけれ
ども、今後の印刷媒体としての紙がほかのものにかわっていくというような
お話がありましたが、私はマイコンの普及によってかなり事務用品は減っていくであろう、こう思います。それからやはり書籍のフィルム化というものは今後四、五年の間に急速に進むのではなかろうか。そういうことを考えると、やはり紙の印刷用紙の
需要は、私はそう多くは望めない、
需要増は望めないのではなかろうか。とすると、今後
需要がそのうちにふえるであろう、ふえれば現在の操短をかなり緩和できるというふうなお考えがあるとするといささかどうであろうかなという気が実はいたしております。
それからもう
一つは、
不況カルテルに余りにも依存し過ぎておられる。先般も
業界のトップの方に申し上げましたけれ
ども、やはり
不況カルテルは緊急避難としてやむを得ないわけでありますけれ
ども、しかしいつまでも
不況カルテルに頼らなければ
業界の体質改善あるいは過当競争がなかなか御し切れないんだということになると、私はいささかどうであろうか、こう思います。
辻村先生は五百十一社という非常に大きな数の
企業があるから、なかなか内部
体制もうまくいかぬという、産構審の紙パ部
会長としての立場でそういうふうな
お話がありました。私は五百社や六百社なんというのはちっとも多くない。中小
企業の場合はもっともっと膨大な数の業者数を持った団体が非常に多いわけですね。中小
企業がもしこういう
事態になれば、世間ではあるいは
政府でもこれは中小
企業の放漫
経営である、誤りであるというようなことで、一切救済措置を考えてくれぬわけです。それから考えると、両
業界はまだまだ幸せだと、こう思うんですね。そういう意味では、ひとつもっとその点については十分なる
自助努力を
お願いいたしたい、こう思います。
それからもう
一つ、先ほど青木
委員からの御質問でありましたか、製紙メーカーの印刷あるいは紙器分野への進出であります。従来から一貫作業によって付加価値を高めるというお考えで紙器並びに印刷分野へ進出しておられる大メーカーが非常に多いです。これは結果においては自分で自分の首を締めるという結果になっておるわけですね。特にクラフト
需要が大幅にポリ袋に変わった
原因の
一つは、全部とは言いません、
一つはやはり製紙業者がクラフトを使う紙袋に大幅に進出された。そのために紙袋、紙器の中小業者はどうしてもメーカーの一貫作業に対抗し得ませんから、したがってポリ
袋等の転換のための
技術研究あるいは印刷機の
開発、それらをやったことがある
程度クラフトの
需要減をもたらしておる、私はこう判断しておるんです。したがいまして、今後やはり素材メーカーとしては素材メーカーとしての分野を守っていただく。自分で自分の首を締めるような、いわば関連するそのような印刷、紙器分野等への進出は自粛を
お願いいたしたい。たびたび申し上げていることでありますけれ
ども、せっかくの
機会でありますから、このことを申し上げておきます。
それからもう
一つ、きょうは通産の両局長お見えでありますが、局長にまだいまお答えを聞くことは差し控えますけれ
ども、特交法の
改正、見直し等について私は四月の当
商工委員会で当時の産政局長にそのことを提言したわけです。当時、産政局長は特交法の見直しの必要はない、個別
対策によってやっていく、こういうふうな御答弁があったわけですね。その後、
通産省はどう変わっておるか知りませんけれ
ども、私はこれは両局長への要望でありますけれ
ども、ぜひ特交法の見直しをやっていただかなければ、紙パだけではありません。紙パのほかにも重要な基礎
産業で、非常に特交法によらなければ問題の解決はできないという業種が幾つもほかにあるわけでありますから、そういう面につきましては
通産省、
政府内でその問題についてもぜひひとつ御検討を、御
努力をいただきたい。これは要望であります。時間もありませんし、もうあえて、冒頭申し上げましたように苦言ということで申し上げましたので、特にお答えを求めませんが、もし
松永参考人、
田中参考人あるいは
辻村参考人、お三方何かお答えいただくことがあればお答えいただければ結構でございます。以上です。