○嶋崎均君 いまお話をお聞きになっておわかりになりますように、租税負担率は、昭和四十五年のときには一八・九%であったのが二四・二%、五・三%高まっておる。それから
社会保険料の保険料を含めたところで見ますと、先ほどお話がありましたように二四・三%というのが三四・三%という数字に相なっておるわけでございます。これは諸外国と比べても私は相当低い水準であるということは、先ほどの説明からも
皆さん方も御理解いただけておるというところだろうと思うのでございます。しかし一方、
国民総生産に占める財政のウエートというのも非常に高く上がって、一二・二%も伸びておるというような状況になっておるんです。
いま現在の水準を
考えまして、過去十年間伸びた部分がもし将来に同じように伸びるというようなことを
考えますと、実はその数字というのは大変なことになるのではないかというふうに思うのでございます。たとえば保険料を含めたところでは一〇%上がっておりまして、現在の水準が三四・三%でありますから、従来と同じ傾向で伸びたとすれば何と四四・三%というのが将来十年の数字になるわけでございます。そんなことはないと思いますけれ
ども、そういうことになるわけでございます。また、財政のウエートにしましても、一二・二%ふえて、いま昭和五十四年で三一・七%でありますから、それをそのままはね返して
考えますと四三・九%というような驚くべき数字が出るわけでございます。そうなりますと、西欧先進国のいまの負担の状況とほぼ近いもの、あるいはそれをわずかに下回るというような姿に相なるわけでございます。
そこまで
考えてみますと、この十年間本当に財政施策というものは十分に行き届いてきておるように私は思うんです。そして、いま本当に財政は大変な危機的な状態を迎えておるというのが現実の姿だろうと思うんです。ここでやはり行財政再建というものはどうしてもやらなければならぬというような事態に立ち至っているということが十分認識されるわけでございます。しかし将来この財政の増加を来すような要因が余りないというのなら私はそう問題はないと思うんですが、一体そういう状況であるかどうかということについて、私は非常に問題が多いところであるというふうに思っておるわけでございます。
御承知のように、
日本の国というのは面積の大きさから言うと世界の〇・二五%の面積しかないんです。その面積の上に二・五%の人間が住まいしているわけでございます。しかも
日本は七割は山地である、耕地面積になるのは面積の一五%であると言われておるわけでございます。そういう状況の国であります。しかも、その
日本が全世界の総生産の一割を生産をしておるという国柄になっておるわけでございます。
非常に象徴的に数字を並べ立てて恐縮でございますが、そういうような状態に、なってきたときに、本当に将来この
日本、財政の支出を求められるような要因がないかどうかということを
考えてみますと、私は相当あるのではないかと思わざるを得ないのでございます。すなわち、いまのような状態にあるときに、アメリカの核のかさの中で
日本の防衛費は一%で結構ですと、いつまでも長期的にそういう姿が貫けるのか、そういうことが本当に言い切れるのだろうか、私は非常に多くの問題をそこに抱えておるのではないかと思うのでございます。また仮に、
日本の国柄としまして自衛隊の方は防衛だけでございますから、どんどん外国に出兵することがありませんから、それは諸外国にあるように三%なり六%というような負担はあるいはないかもしれません。
しかし、そうなると、全世界の一割の
国民総生産を持っている国が、海外の援助であるとかあるいは国際的ないろんな活動について
責任を持つというようなことを避けて通ることができるだろうか。いまの経済援助についてもある程度の要望が出ているということは事実でありますし、
日本も倍増をしようというようなことを言っておるというような状況になっておるわけでございます。この自由な経済体制を維持しなければ、
日本は外国からどんどん物を輸入してくるわけでございます。そして、それを加工して輸出をするわけでございます。そういうなりわいを立てていこうというならば、当然世界が自由主義の経済体制の中におらなければならないと思うのでございます。
私は石川県の生まれでございますけれ
ども、石川県、裏
日本を開発しなければならぬと、
言葉は適当であるかどうか、そういう努力を従来してきておりますけれ
ども、相手側は全部閉鎖的な経済をやっておられる国柄でございます。伸びる経済も伸びられない、そういうのが私は実態だと思います。そういうことを
考えますと、やっぱり自由な経済体制を守り抜いていく必要がどうしてもあるというふうに思うのでございます。
そういうことを
考えますと、今後わが国の安全保障あるいは外交上のいろんな諸施策、あるいは経済協力の拡大、そういうようなことを
考えて、どうしてもある程度の経費増というものは避けられないのではないだろうかと私は思うのでございます。仮に、わが国がもしそういうことを怠るというようなことになれば、
日本は島国でございますからそういうことにそうぎすぎすした感じを一般の人は持たれないかもしれませんけれ
ども、外国の人から大変な
批判というものが出てくるのではないかと私は思うのでございます。そういう点について外務
大臣、どういうようにお
考えですか、お答えを
願いたいと思います。