○
岡田(利)
委員 私は、したがって、今次
災害が二千万トン体制ということが直接ストレートに結びつくのではなくして、それ以前、六次政策
段階においても、
北炭は
経営、生産が不安定という
状態はずっとこの五年間続いておるわけですね。だから、いまの既存の
炭鉱の中で、
北炭の
経営と生産が非常に不安定な
状況にある、特殊な
事情にある、正確に言えばこう言うべきだと思うのですね。わが国の
石炭産業の、いま
大臣との間に認識を統一したそのことが問題じゃなくて、それ以前から、
北炭の
経営と生産が不安定である、このことが問題なんだ、これをやはり正確に認識をしておく必要があるのではないか、こう私は思うわけです。
そこで、今次
災害の原因について、私も従来の経験からいろいろ
判断してみるのですが、大体
状況的に六つの点が強調されなければならぬと思うのです。
一つは、ここは初めから
ガス突出の警戒区域である。
第二には、立て入れナンバーワンは、着炭をしてそうしてゲート
坑道として掘進を進めておったわけですが、
マイナス八百十メーターではバージンフェース、処女切り羽であるということであります。
第三番目は、炭層は、山丈、炭丈はいずれにしてもいわばわが国の炭層
条件から言えば高厚層である、六メーターか七メーターの高厚層であるということであります。
第四点は、したがってこれは、上段と下段の二段払いの切り羽が設定される地域でありますから、沿層
坑道は直接天盤を受けて、天盤は非常にかたくて良好だ、いわば上段に
坑道が設定されている、これは常識だと思うのですね。したがって、約三メーター四十は、下に
石炭を踏んでいるということになるわけであります。断面積は、四・九六メーター掛ける高さが三・六メーター、したがって十七・八五六平米、これが想定される
現場の断面積であります。
ガス抜き規格はどうなっていたか。ここは、規格は二十五メーターにして六本以上掘る、先進ボーリングが行われたということは
現地で聞いておるわけであります。しかし、この
ガス抜き規格は
西部の区域の三メーターの炭層の場合も同じなんですよ。そして六メーターの炭層の場合にも、基準は以上となっていますけれ
ども同じなんですね。これは立方当たりの
ガス抜きから
考えると技術的に非常に問題がある。私は、そういう
意味で技術的ミスと言わざるを得ない内容を含んでいると思うのであります。
そして、バージンフェースであるがゆえに、たとえば隣の三菱の場合は、こういう場合は発破はあがり発破をかけるわけですよ。交代で時間がありますから、その間
ガス突出の可能性が非常に強いわけですから、三菱の場合は発破をかける場合は大体あがり発破、これが常識なんです・そして、発破施行後二十分ないし二十五分で
作業に入っているわけですね。
この六つの
状況的な、環境的なことを私は提起をいたしたわけです。
この
ガス抜き規格は、六本以上掘っているという証言もありますけれ
ども、たとえ六本以上掘っていたとしても、炭層が倍あるのでありますから、これは
ガス抜き
対策としては、特にバージンフェースであるという面からいって、立方当たりで計算すると基本的に間違っていたと言えるわけですよ。これがもし基本的な問題として提起をされるとするならば、
会社のミスだけではなくして、
保安監督の責任も免れないと私は言わざるを得ないと思うのですね。大体こういう点は常識じゃないかと私は思うのですが、どう
考えられますか。この点、規格は同じだということでありますから。