○森井
委員 大体厚生年金というのは、始まりの意図はよくないのですよ。これは昭和十七年から始まっておりまして、それで本来福祉の目的も万分の一ぐらいはあったかもしれませんが、もともとが軍備調達資金がなかった。だから、そういう形で歴史的な経過は、厚生年金というのは昭和十七年に始まっておるのです。その証拠に、戦争が終わって今日までもう三十数年たっていますけれども、何と厚生年金の成熟度はまだ八%なんです。いかにのろのろとした発展を遂げておるかということはおわかりのとおりなんです。だから私はひょっと思い出すのですけれども、これは昔やった御用金の調達じゃないかという感じがしてならぬわけですね。大体、
大蔵大臣けしからぬですよ。借りるくせに、払う方法も何も全然言わずに、とにかく貸せや、こういう言い方ですからね。私が言いますその御用金の巻き上げと余り変わらぬ発想に見えて仕方がないわけです。
とにかく厚生大臣、私がいま持っておりますのは、
制度審にあなたの方から提出をされました
金額の
資料です。これはぜひとも議事録で明らかにしておきませんと今後のことがあるものですから、私は明確にしておきたいと思うのです。昭和五十七
年度から五十九
年度の国庫負担の減額分として厚生省が試算をしたものでございます。
それによりますと、昭和五十七
年度は保険給付費が四兆五千五百二十億円、そのうち国庫負担は本来ですと七千四百七十一億円、二〇%で計算しますとこうなるわけでございますが、それを約四分の一減らすものですから五千六百七十一億円、差し引き減額分は千八百億円になるわけです。
これは実は行管庁から聞いた
数字と違うのです。行管庁は国庫負担の減額分は今度の特例法案の中で、これは共済その他も入っているものですから、一体厚生年金に相当する部分は
幾らかと言ったら、千七百億だと言っている。ひょっとすると、これは国民年金と合計でこうなるのかどうなのか、ここらわからないのですけれども、明らかにしていただきたい。百億の違いがございますので。
い
ずれにいたしましても、そういうふうにいたしまして千八百億を厚生年金等から減額をされるわけですけれども、これは運用
収入相当分を含んだ
年度末合計額に直しますと千八百億じゃないのでございまして千八百六十七億五千万円、利子が入りますからこうなるわけです。もっともこの利子の計算は、
年度中央でしたものとして試算をしておられるようでございます。
千八百億は五十七
年度だけでして、今度は五十八
年度は成熟度も進んでくるものですから、したがって少しふえまして、保険給付費は五兆四千五百七十八億、それに対します国庫負担は本来で計算をしますと九千百六十二億、ところが、先ほど言いました約四分の三に減額をいたしまして、正味の国庫負担は五十八
年度は六千九百六十二億、減額分は二千二百億、したがいまして、昭和五十八
年度の運用
収入相当分を含んだ
年度末合計額、つまり貸した
金額というのは四千二百九十二億七千万円となるわけですね。
それから昭和五十九
年度、これは保険給付費が六兆五千四百三十九億、これを国庫負担に直しますと、一兆九百八十五億となるわけでございますが、四分の一減額をいたしまして八千二百八十五億。したがって減額分は二千七百億。運用
収入相当分を含んだ
年度末の合計額は七千四百二十一億九千万円、とりあえずこういう
数字が出てまいります。これをどういうふうにして返すかということが問題になるわけでございます。
つまり、ここまでの試算というのは、少なくとも厚生省と大蔵省違っては困ると思うわけでございまして、
大蔵大臣いかがでございましょうか。いま読み上げたもの、これは厚生省の
資料でございますが、
大蔵大臣も同じ御認識でしょうか。