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1981-11-20 第95回国会 衆議院 環境委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十六年十一月二十日(金曜日) 午前十時三十分
開議
出席委員
委員長
山崎平八郎
君
理事
粕谷
茂君
理事
近藤 鉄雄君
理事
玉生 孝久君
理事
中村正三郎
君
理事
野口
幸一
君
理事
馬場 昇君
理事
岡本 富夫君
理事
中井 洽君 池田 淳君 戸沢
政方
君
橋本龍太郎
君 畑 英次郎君 藤波 孝生君 山本 政弘君 藤田 スミ君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
環境庁長官
)
鯨岡
兵輔君
出席政府委員
環境庁長官官房
長
山崎
圭君
環境庁企画調整
局長 清水 汪君
環境庁企画調整
局環境保健部長
七野 護君
委員外
の
出席者
議 員
野口
幸一
君
環境委員会調査
室長 綿貫 敏行君 ――
―――――――――――
委員
の異動 十月二十八日
辞任
補欠選任
吹田
愰君
粕谷
茂君 十一月二十日
理事吹田愰君十月
二十八日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
粕谷茂
君が
理事
に当選した。 ――
―――――――――――
十一月十日
公共施設周辺
の
騒音対策等
に関する
陳情書
(第二三六号) 湖沼の
水質保全
に関する
法制定等
に関する
陳情
書 (第二三七号) は本
委員会
に参考
送付
された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
理事
の
補欠選任
環境影響事前評価
による
開発事業
の
規制
に関す る
法律案
(
土井たか子
君外二名
提出
、第九十四
回国会衆法
第五号)
環境影響評価法案
(
内閣提出
、第九十四回国会 閣法第七一号) ――――◇―――――
山崎平八郎
1
○
山崎委員長
これより
会議
を開きます。
理事補欠選任
の件についてお諮りいたします。 去る十月二十八日
理事吹田愰君
の
委員辞任
に伴い、現在
理事
が一名欠員になっております。これよりその
補欠選任
を行いたいと存じますが、先例により、
委員長
において指名するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山崎平八郎
2
○
山崎委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決しました。 それでは、
粕谷茂
君を
理事
に指名いたします。
山崎平八郎
3
○
山崎委員長
土井たか子
君外二名
提出
、
環境影響事前評価
による
開発事業
の
規制
に関する
法律案
及び
内閣提出
、
環境影響評価法案
の両案を
議題
とし、順次
趣旨
の
説明
を聴取いたします。
野口幸一
君。 ――
―――――――――――
環境影響事前評価
による
開発事業
の
規制
に関する
法律案
〔
本号末尾
に
掲載
〕
野口幸一
4
○
野口議員
ただいま議題となりました
環境影響事前評価
による
開発事業
の規制に関する
法律案
につきまして、提案の理由及びその内容の
概要
を御
説明
申し上げます。 われわれ人間は、自然の
生態系
の一部であり、
自然環境
との調和なくして生存できないのであります。この厳然たる自然の法則に逆らい、目先の繁栄と便利さを追うならば、いずれは手痛い報復を受けること必定であります。 ところが、
わが国
におきましては、人間の生存と
自然環境
との調和を忘れて、自然の
浄化能力
を無視した
間度経済成長政策
の遂行を急いだため、不可避的な自然の
破壊
と汚染が准行し、日本は世界に類を見ない
公害実験国
と言われているのであります。 今日の
公害
、
環境破壊
をこのまま放置し、これまでのように無分別な
開発行為
が
実施
されるならば、
わが国
のような狭隘な国土という
環境
上の制約のもとでは、人間の生存の基盤が危機にさらされ、現在及び将来の
国民
がこの国土に生き残ることすら困難な事態に立ち至るのは、時間の問題と言えるのであります。
胎児性水俣病
の例は、まさに厳しい警告と言えるのであります。一たび進行し始めた
環境破壊
は、とどまることなく進行し、一たび失われた自然や健康は、今日の人間の英知をもってしても、回復することがきわめて困難であることは事実が証明しているのであります。 かくて、限られた国土の中で、後代の
国民
の生存をもかけ、
開発事業
を規制していくためには、どうしても、
開発事業
の
実施
前に、自然的・社会的諸
条件
の分析や、
事業実施過程
における
環境
への
影響予測
、
事業完成
後の
施設
の操業や
交通事情
の変化、人口の移動など将来における
環境
への
影響予測
などを、
計画段階
で多角的・科学的に判断し、
環境
への
悪影響
が生ずるおそれがないもののみを許すという方途を講ずることが必要になるのであります。 他方、
開発行政
は、本来、
国民
や
住民
の利益のためになされるべきものであり、その大方の合意なくして行われることは許すべからざるものであります。しかるに、従来の
開発行政
は、
行政庁
が勝手に判断したものを
公共性
の名のもとに無理やり
国民
や
住民
に押しつけるというやり口がまかり通り、
開発
こそは善であり、これに逆らうことは悪であると強弁してきたのでありますが、その実は、
国民
や
住民
の利益など眼中になく、ときには人の生命、健康すら犠牲にして、終局的には
開発利益
を受ける
企業
の立場のみを代弁してきたというのが
行政庁
の
開発行政
の実態に対する
評価
であります。また、たまたま
環境アセスメント
を行ったとしましても、
国民
や
住民
の目の届かないところで、形ばかりの
調査
を行い、お
ざなりの評価
をしたため、
実施
後日ならずして大きな
環境汚染
が発生し、
農漁民
の
生活
や
住民
の健康を脅かしておりますし、ときには、いわゆる沼沖・
三島コンビナート
の例にも見られますように、政府の権威ある
科学者
を動員して行われた
調査
結果が、
高等学校
の一教師による地道な
調査
でひっくり返ったという実績もありまして、
国民
の
行政不信
は抜きがたいものとなっているのが実情であります。 これに加えまして、
水俣病
の例に見られましたように、
企業
は
有機水銀中毒
の発生を実験で知りながら、これを長期にわたって放置しただけでなく、実験結果をも秘密にして自己の責任を否定し続け、ついに大量の生命を失わしめ、今日なお被害の発生が引き続き、広範囲にわたる
関係住民
の
生活
と健康を不安に陥れているというようなことから、
国民
の
企業
に対する
不信感
もまた根強いものがあるのであります。 このような
行政不信
、
企業不信
のもとでは、真に
国民
のため、
住民
のだめに必要な
開発事業
すら、行えなくなっているのが今日の現状でありまして、
国民
・
住民
の大方の合意を取りつけつつ、本当の
公共性
を持った
開発事業
のみを進めていくことが必要なのであります。そして、このためには、
開発事業
の
事前評価
に当たりまして、できる限り
国民
、
住民
が参加できる方途を開き、これによって
国民
、
住民
の大方の合意と、真の
公共性
の実現とを期さなければならないのであります。 本
法案
は、以上のような観点に立ちまして、
開発事業
の
実施
に先立って、これに伴う
環境
の汚染と
破壊
を未然に防止するため、
国民
、
住民
をできる限り参加させつつ、また、公開の場で論議をさせつつ、多角的・科学的に
環境
に対する
影響
を
評価
する
手続
を整備し、その結果に基づいて
開発事業
の
実施
を規制し、現在及び将来の
国民
の生存と快適な
生活
を確保しようとするものであります。 以下、本
法案
の
概要
につきまして御
説明
申し上げます。 まず第一に、この
法律案
におきまして行おうとする
環境影響事前評価
とは、
開発事業
の
実施
前における
関係地域
の自然的・社会的諸
条件
の
調査
、その
開発事業
の
実施
によって生ずる
環境
に対する
影響
の
予測
、その
開発事業
の
実施
によって完成した
施設
もしくは土地及びその土地に設けられると予定されている
施設
の
利用等
によって将来生ずる
環境
に対する
影響
の
予測
、その
環境
に対する
悪影響
の
防止策
の効果についての
予測等
に基づいて、
開発事業
の
実施
前に、その
開発事業
の
事業計画
及びその
代替案
を多角的に検討して、
評価
することをいうものといたしておりまして、これを経て、
開発事業
の
実施
の
認可
、不
認可
が決定されるわけであります。 第二に、この
法律案
におきまして、
適用対象
とされる
開発事業
とは、
工業用地
の造成、
土地区画整理事業
、新
住宅市街地開発事業
、
市街地
再
開発事業
、新
都市基盤整備事業
、
住宅街
区
整備事業
、
流通業務団地造成事業
、
公有水面
の埋め立てまたは干拓、
飛行場
の
設置
またはその
施設
の
変更
、鉄道、軌道または索道の建設またはこれらの
施設
の
変更
、道路または
自動車道
の新設または改築、林道の開設または改良、
廃棄物処理施設
の
設置
またはその
施設
の
変更
、下水道の
設置
または改築、
電気工作物
の
設置
または
変更
、
ガス工作物
の
設置
または
変更
、
原子炉施設
の
設置
または
変更
、
熱供給施設
の
設置
または
変更
、
石油精製設備
の新設、増設または改造、
石油パイプライン
の
設置
または
変更
、
ゴルフコース等
の建設、
河川工事
、
港湾工事
、
海岸保全施設
の新設または改良、鉱物の試掘または採掘(これには、付属する選鉱または製錬を含みます。)岩石の採取のほか、
環境
に
悪影響
を及ぼすおそれのある
事業
で
中央環境保全委員会規則
(以下では、
中央委員会規則
と略称いたします。)で定めるものをいうものといたしておりまして、これらの
実施
について
環境影響事前評価
を行うのであります。 第三に、本
法案
に基づく規制の
実施機構
でありますが、まず、国には、別に
法律
で定めるところにより、
内閣総理大臣
の所轄のもとに両議院の同意を得て任命される
委員
七人から成る
中央環境保全委員会
(これは以下では、
中央委員会
と略称いたします。)を
設置
し、さらにその機関として、
科学者等
の
学識経験者
の中から両議院の同意を得て任命される五十人の
審査員
から成る
中央環境影響審査会
(以下では、
中央審査会
と略称いたします。)を
設置
することといたしております。 また、
都道府県
には、国と同様に、それぞれ議会の同意を得て、
委員
五人から成る
地方環境保全委員会
(とれは以下では、
地方委員会
と略称いたします。)と
審査員
三十人から成る
地方環境影響審査会
(以下では、
地方審査会
と略称いたします。)とを
設置
することといたしております。 この
中央委員会
または
地方委員会
が、
中央審査会
または
地方審査会
による
環境影響事前評価
の結果に基づく
意見
を踏まえて、
開発事業
の
実施
の
認可
、不
認可
を決定するわけであります。 なお、
中央
と
地方
の
事務分担
は、
環境
に対する
影響
が二
都道府県
以上にまたがる場合や、
飛行場
、
原子炉
の
設置
、
変更等
や、五十ヘクタール以上の
工業用地
の造成のほか
環境
に著しい
影響
があるとして
中央委員会規則
で指定した
開発事業
については
中央
が所管し、その他の
開発事業
については
地方
が所管することといたしておりますが、
地方
はみずから所管する自案を
中央
に移送する方途も講じております。 第四に、
開発事業
を
実施
しようとする
事業者
は、その
事業計画
またはその
代替案
について
中央委員会
または
地方委員会
(以下、
委員会
と略称いたします。)の
認可
を受けなければならないものといたしております。 第五に、
委員会
によって
認可
または不
認可
の処分がなされるまでの
手続
の
概要
を述べますと、
手続
は、大きく分けまして
環境影響事前評価
のための
調査計画
の
承認
の
手続
と、その
調査計画
に基づいて
事業者
が行った
調査
結果による
環境影響事前評価
と、
開発事業
の
実施
についての
認可
のための
手続
という、三つの段階に分かれます。 まず、
開発事業
を
実施
しようとする
事業者
は、その
環境影響事前評価
を行うのに必要な
資料収集
のための
調査計画
について、
委員会
の
承認
を受けなければなりません。
事業者
は、
調査事項
、
調査方法
、
調査期間等
について
計画
を作成し、
委員会
に
承認
の申請をし、
委員会
はこれを
審査会
に送付します。この送付を受けた
審査会
は、これを公告し公衆の縦覧に供した上、
説明会
を開催します。この
説明会
は、おおむね人口二万人ごとに、少なくとも一回は開き、そこで
事業者
が
事業計画
や
調査計画
の
説明
を行います。その
説明
を聞いた上で、
関係住民
や
環境保全
を目的とする団体など
開発事業
の
実施等
に関し
環境保全
上の
意見
を有する者(これらを、
関係住民等
と略称いたします。)は、
審査会
に
意見書
を提出することができます。
審査会
は、これらを踏まえて、
公聴会
を開き、
関係住民等
の
意見
を聞かなければなりません。この
公聴会
は、やはり人口二万人ごとに少なくとも一回開催し、
意見
を述べようとする
関係住民等
には必ず
意見陳述
の機会を与えるとともに、陳述時間等について不当な制約をしてはならないことといたしております。
公聴会
がすべて終わった段階で、
審査会
は
調査計画
の可否について
意見
を決定し、これに基づいて
委員会
が
承認
をすることになります。 次に、
事業者
は、この
承認
を受けた
調査計画
に基づいて
調査
を
実施
し、その結果に基づいて
環境影響事前評価
を行い、これを
環境影響事前評価報告書
に作成することになります。これで、初めて、
開発事業
の
実施
について
認可
の申請ができることになります。なお、この
事業者
の行う
調査
には、
関係住民等
の立ち会いも認められております。
認可
の申請を受けた
委員会
はこれを
審査会
に送付し、
審査会
は、これを公告し公衆の縦覧に供した上、
審査
の
手続
を開始することになります。
審査
の
手続
は、期日に、公開して行われ、
関係住民等
の
代表者
もこれに出席して、
意見陳述
、質問、
物件提出
をすることができることになっております。また、
審査会
は、この
審査手続
の中途で、おおむね人口二万人ごとに二回以上
公聴会
を開き、
関係住民等
の
意見
を聞かなければならないことになっております。この場合においても、
関係住民等
の
意見陳述権
は保護されることになっております。 以上の
手続
を経た上で、
審査会
は、
審査
の
手続
を終了し、
事業者
の
事業計画
またはその
代替案
について、
環境影響事前評価報告書
の記載、みずから行った
調査
の結果、
審査手続
中に明らかになった事実と
意見
及び
公聴会
における
意見
を基礎として、みずから
環境影響事前評価
を行い、
認可
すべきかどうかの
意見
を決定し、これを
委員会
に文書で送付することになります。なお、
事業者
は、
審査
の
手続
の中途で、
事業計画
の
変更
を申し出ることも認められております。
審査会
の
意見書
の送付を受けた
委員会
は、その
意見
に基づいて、
認可
、不
認可
の処分をすることになりますが、良好な
環境
の確保上支障が生ずるおそれがあると判断したときは、
認可
をすることはできないことになっております。
委員会
は、
認可
の処分をするときは、
条件
を付することができることになっておりますが、この
条件
につきましては、
関係市町村
の
住民
は希望する
条件案
を
住民投票
に付することができることになっており、
委員会
は、この
住民投票
の結果を配慮して
条件
を付するわけであります。 なお、ここに述べました
調査計画承認
の
手続
及び
認可
のための
手続
に要する費用は、すべて
事業者
の負担とし、その細目は、別に
法律
で定めることといたしております。 第六に、以上のような
手続
を経て、
認可
を受けた後、
実施
の段階で
事業者
が
事業計画
を
変更
しようとする場合には、第五で述べましたのと同じ
手続
を経て、
事業計画
の
変更
についての
認可
を受けなければならないことといたしております。 第七に、第五及び第六で述べました
手続
は、いわゆる
適正手続
、デュー・プロセス・オブ・ローの要請にこたえるためには必要不可欠のものでありまして、本来は、
法律
に詳細な規定を設けなくとも、そのように実行されなければならないのでありますが、
わが国
におきましては、
行政
も
企業
も
法律
で書かない限りは、できるだけめんどうなことを避けようとする風潮が顕著でありまして、この弊害を除去するためには、やむを得ないことと判断したわけであります。したがいまして、このような
手続
に
手続違背
がありました場合には、それを理由として、すべての
手続
が無効となるように
不服申し立て
及び訴訟の制度を整備することといたし、
関係住民等
にも訴えの提起を認めることといたしております。 第八に、偽りその他不正な手段によって
認可
を受けたり、
条件違反
のあった場合に
認可
の
取り消し
がなされることはもちろんのこと、無
認可
の
開発事業
や
条件違反
の
開発事業
については、
委員会
は、
停止命令
、
原状回復命令等
の
命令
をすることができることとしております。また、たとえ
認可
を受けたといたしましても、その後、
開発事業
の
実施
によって良好な
環境
の確保に支障が生じたり、生ずるおそれがあると認めるときは、
委員会
は、
審査会
の
意見
に基づいて、
認可
の
取り消し
をしたり、
停止命令
や
原状回復命令等
の
命令
をすることができることといたしております。なお、
関係住民等
も
委員会
に対して、このような処分をするよう申し立てることができることといたしております。 第九に、
委員会
及び
審査会
は、
関係行政機関
の長や、
地方公共団体
の長に対して、資料の
提供等
の協力を要請できることといたしております。また、国は、この
環境影響事前評価
の制度の充実のため、
試験研究体制
の整備、手法の
開発
、
専門技術者
の
養成等
の措置を講じなければならないことといたしております。 以上が本
法律案
の提案の理由及びその
概要
であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。(拍手)
山崎平八郎
5
○
山崎委員長
鯨岡環境庁長官
。 ――
―――――――――――
環境影響評価法案
〔
本号末尾
に
掲載
〕 ――
―――――――――――
鯨岡兵輔
6
○
鯨岡国務大臣
ただいま
議題
となりました
環境影響評価法案
について、その
提案理由
及び
内容
の
概要
を御
説明
申し上げます。
わが国経済
の目覚ましい発展は、
国民
の
生活水準
を飛躍的に向上させましたが、
他方
、
公害
や
自然環境
の
破壊
も進行いたしました。これに対しては、
公害
の防除や
破壊
された自然の復元のための種々の
施策
が精力的に講じられてきましたが、
国民
の健康で文化的な
生活
の
確保
のためには、これにとどまらず、
公害
や
自然環境
の
破壊
を起こさないよう、その
未然防止
を図っていくことが強く、要請されております。
環境影響評価
は、すでに諸外国でも行われておりますが、とりわけ、狭隘な
国土
に一億を超える
人口
を擁し、さまざまな
経済社会活動
が営まれている
わが国
において、
事業
の
実施
前に、適切な
環境影響評価
を行うことが重要であることは、申すまでもありません。
わが国
では、
昭和
四十七年の
閣議了解
以来、国や
地方公共団体
の行う
公共事業
などについて、各省庁の
行政運用
や
地方公共団体
の条例などにより、
環境影響評価
が行われてまいりましたが、国が
実施
し、または国が
免許等
で関与する大
規模
な
事業
については、
環境影響評価
を統一した
手続
により行うこととする必要があると考え、この
法案
を
提案
することといたしました次第であります。 以下、この
法案
の
内容
について、その棚上要を御
説明
申し上げます。 第一に、
事業
の
実施
前に
環境影響評価
を行うことが、
公害
の
防止
及び
自然環境
の
保全
上きわめて重要であることにかんがみ、
環境影響評価
に関し、国などの責務を明らかにするとともに、その
手続
その他
所要
の
事項
を定めることといたしております。 第二に、
対象
とする
事業
は、
道路
の
新設
などや
飛行場
の
設置
などの
事業
で、
規模
が大きく、その
実施
により
環境
に著しい
影響
を及ぼすおそれのあるものとして政令で定めるものといたしております。 第三に、
環境影響評価
に関する
手続
でありますが、まず、
事業者
は、
対象事業
の
実施
による
影響
について、
対象事業
の
種類ごと
に定められる指針に従って、
調査
、
予測
及び
評価
を行い、
環境影響評価準備書
を作成し、これを、
関係都道府県知事
が、
公告
・
縦覧
するものといたしております。 次に、
事業者
は、
環境影響評価準備書
の
縦覧期間
内に、
説明会
を開催するものとし、
関係地域
の
住民
は、
環境影響評価準備書
について
公害
の
防止
、
自然環境
の
保全
の見地から、
意見
を述べることができるものといたしております。また、
関係都道府県知事
は、
市町村長
の
意見
を聞いた上、
意見
を述べるものといたしております。 これらの
意見
が述べられた後、
事業者
は、
環境影響評価書
を作成し、これを、
関係都道府県知事
が、
公告
・
縦覧
するものといたしております。 第四に、
環境影響評価
の成果を国の
行政
に反映させるため、
環境影響評価書
の
行政庁
への
送付
、
環境庁長官
の
意見
及び
免許等
に際しての
配慮
について、
所要
の
規定
を設けております。 また、
事業者
も、適正な
配慮
をして
対象事業
を
実施
しなければならないものといたしております。 第五に、
都市計画
に係る
対象事業
、
指示等
により行う
対象事業
及び
港湾計画
について、
環境影響評価
の
手続
を行う場合の特例などにつき、
所要
の
規定
を設けております。 以上のほか、
地方公共団体
の行う
環境影響評価
に関する
施策
との
関係等
について、
規定
を設けることといたしております。 以上が、この
法案
の
提案理由
及び
内容
の
概要
でございます。 何とぞ、慎重に御
審議
の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
山崎平八郎
7
○
山崎委員長
以上で
趣旨
の
説明
は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十六分散会 ――――◇―――――