○有馬委員 私は
外務大臣とはさきの、第一回目の
外務大臣のときにも軍縮問題で実は御縁がございました。五十三年の五月に本院で、軍縮特別総会に関する決議がなされました。そのときに、五党
提案の決議案でございましたが、私が趣旨説明に立ちまして満場一致で決議がなされたわけでございますが、これを受けて、五月三十日に、大臣が国連総会で
わが国の
立場を鮮明に表明され、自来三年半になりますが、その間における軍縮努力、いかになされたかということを時間があったら逐一聞きたいのですけれども、きょうはございませんから、当面問題になっておるヨーロッパにおける戦域核の配備と交渉の問題について、そしてまた、それは
わが国に当然はね返る問題でございます、一体で考えなければならない問題でございますから、
わが国がこれにどう対処していく考え方であるのか、その点を主として
お尋ねしたいと思います。
そこで、先月の中旬、十二日から十六日まででございましたが、西ドイツのミュンヘンでNAA、北大西洋評議会というのがございまして、私ども衆議院から八名の有志議員がオブザーバーとして出席したわけでございます。自民党から竹内
先生、椎名
先生、平沼
先生、それに
栗山先生と私の五人、それから公明党から渡部
先生、民社党から西村
先生、新自由クラブから石原
先生、合計八名が有志議員として、しかも去年に引き続いてオブザーバーとして出かけてまいりました。私は、今度の二回目でオブザーバーとしての地位は定着してまいったと
判断をいたしております。もちろん中にはフランスの議員のように、NATOの
地域外である
日本から何でオブザーバー面して参加するんだ、こういうふうな空気もございまするが、大勢としては、
日本がアジアからオブザーバーとして参加することについては、積極的に歓迎をしていただきました。私はこれは非常に大事なことだと思います。
NAAの従来からの活動ぶりは御承知だと思いますが、
アメリカ、カナダの二カ国並びにヨーロッパの十三カ国、合計十五カ国から成る二百名を超す国
会議員から構成されておる、これは大事な評議会なんです。
日本ではNATOという軍事機構が正面に出るだけですが、その背後といいますか、それと対等な
立場で、むしろ政治的にはNAAが重要な意思決定をしておる、こういう背景のもとに軍事機構であるNATOが動いておるという実態でございますから、これらについての御
認識は外務御当局はもう十分持っておられると思います。
私はこのことを云々するのじゃございませんけれども、今度のミュンヘン
会議に行った時期に、ちょうど
わが国の
政府派遣で稲山ミッションが経済摩擦の解消のためにヨーロッパへ大デレゲーションを繰り出しており、われわれはわずか八名で、しかも有志という私的な
立場で出かけておるわけでございますから、私どもの存在はきわめて影の薄いものであったと思いまするが、しかし、その中においても、現地の出先機関は、われわれに対して接遇関係等においては非常に万遺漏なきを期していただいたわけでございます。このような大きな問題がことしのNAAにおいては議題になっているわけですから、もっと
外務省の取り組み方といたしましても、現地のミュンヘンの一総領事館任せということでなしに、もちろん後からブリュッセルから西崎公使が駆けつけてくれましたけれども、もっと全欧的な体制で、経済摩擦以上に安保摩擦は大事なんですから、そういう御
認識でこれは取り組んでいただきたいと思います。
大臣、現地からもいろいろな報告が来ておると思いますけれども、今回のミュンヘンにおけるNAAの総会に対する評価をひとつお聞かせ願いたいと思います。