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政府委員(
藤井貞夫君) あらゆる職場でもそうでございますが、特に重要なのは、
公務を執行してまいります
公務員の職場というものについて、これは
人事管理の総合的な運営というものをやっていかなければならない必要性が最も大きいということは申すまでもないことだろうと思います。そういう観点からあらゆる措置を用意して、これの万全を期すように
努力を従来からも続けてまいっておると思うんであります。
制度について、ここで細かく列挙して申し上げることは、先刻来から
お話も出ておりますので、省略をいたさしていただきますけれ
ども、
一つは、やはりいまお述べになりましたような組織とのかかわり、組織機構の問題、
仕組みということ、これは大変重要でございましょう。そういう
意味では、やはり
人事管理というものと
行政管理というものは、それこそ車の両輪で密接不可分でもって運営をさしていかないと非常に片ちんばな、がたがたしたことになりかねない、これは非常に重要なことであろうと思います。
それから、直接に
人事管理の部面になりますと、何としてもやはり
一つは
能率を発揮させるためにいろんな施策をやっていかなきゃならないと同時に、それだけに職員がその地位に安んじて大変意欲的に仕事に取り組んでいくと、そういう
気持ちを起こさせなきゃならない、これは当然のことであります。そのためには、やはりそれにふさわしい待遇、処遇というものをやって後顧の憂えなく職務に専念していただくという体制をあらゆる面からやっていかなければならぬというふうに思います。
その観点から見ますと、いろいろいままでも御意見も伺いながらわれわれはわれわれなりに
努力をしてまいりましたが、もう十分でこれ以上はやることがないというものではございません。なかんずく福利厚生等の面について申しますと、世の中にいろいろの批判はございますけれ
ども、しかしまだまだ十分ではないと、特に
民間の企業のかなり進んだところと比べますと、まだまだというような部面が率直に言って残ってございます。そういう点は、さらに
情勢の変化とも対応して、金のかかる面もございますけれ
ども、できるだけ伸ばしてやっていかなきゃならぬというふうにわれわれも考えております。
そういうことを総合的に勘案しながら、
制度とそれから運用の両面を駆使してやっていかなければならぬというふうに思いますけれ
ども、今度のお願いをいたしておりまする
定年制というのは、御説のように一定の年齢に到達をいたしましたならば、その個人個人の能力、意思等と一応関係なくその職を去っていただくという
制度でございます。そういう
意味から言えば、見方の
一つとして、やはりあくまで職員の能力というものは客観的に個々のものについて検討していかなきゃならぬものであって、一律にただ年齢だけでもってやっていくということはいかがなものであろうかという議論は確かにあり得ると思うんです。
ただ、
定年制というものは、そういうものの検討の上に長年の経験から編み出されました
一つの方法でございまして、これは私から申すまでもなく、
民間においてもすでに定着をいたしておりますし、また外国においてもその
制度は取り入れられて長きにわたってやってきておるというような
経緯もございます。それと、いま非常に急速に展開、また動いております社会経済の諸
情勢、なかんずく高年齢化の現象というものをながめてまいりますると、やはりこの際そういうような
制度を導入をしてまいることが、長期的に見た場合に
人事管理の
計画化というようなこと、また新陳代謝の促進というようなことその他を見まして、これを通じて総合して見れば、職員の
公務サービスの徹底を図っていくという点から見てやはり好ましいことと認めるべき時期に来ておるのではないかというような判断からこれをお願いをしたいというふうに考えた次第でございまして、現行法上のたてまえは、これは
お話になりましたように、また私の過去のいろいろ言説等についてお取り上げの方々がございまして、それに
関連しては申し上げましたけれ
ども、現行法上はまさしくそういうようなたてまえのもとに新しい
公務員制度というものができ上がってまいったと思いますけれ
ども、その後における三十余年にわたる
情勢の変動というようなものから見まして、やはりこの際そういう
定年制というものを導入することが通勤であるという時期に来ておるのではないか、そういう観点に立ちまして
定年制を導入することが意義があるというふうに
人事院としても決断を下したというところでございます。