○山崎昇君 いまお聞きして、聞けば聞くほど明るい材料は
一つもない。
たとえば農業で言えば、減反政策がいまわんわん大騒ぎですね。それから
食管法の改正でこれからまた大変なことですね。畑作転換やらせていろんなものをつくらせりゃ、それは価格で全然だめになる。それから農業の
基盤整備が一体どうなっているかというと、これもそううまくいってない。そして私は、この間ある農業
関係の方に聞くと、昔と大変な違いは、たとえば水田
一つとってみても、昔は稲わらというのが使えたですね。いまは機械で刈って、そのまま根っこだけ残りますから、四年もたつと水はけが悪くなるというんですね。結局、だからそのたんぼを手入れしなければだめになってくる。そういう
意味で言うならば、あえて減反政策やらぬでも、四年に一遍ぐらいは四分の一ぐらいずつ転換できるではないかという意見もあったりしました。
しかし、私は専門でありませんからその点よくわかりませんが、いずれにいたしましても、農業もいまのままでいったら行き詰まっちゃって、一体これはどこへ行くんだろうか。いまあなたの
説明を聞いておっても、どうも私はよくわからない。そういう
意味で、本当にこれは農業
一つ考えても、相当根本から改めなければどうにもならぬのじゃないだろうか。ただ、米だけに終始しまして、そして減反減反で大騒ぎやっていればいいというものじゃないんじゃないんだろうか、こういう気がします。
それから林業にいたしましても、ようやくいまごろになって、山が坊主になって、それによってマツクイムシも発生してみたり、あるいは大変だという話ですね。学習
指導要領に治山治水のことが何も書かれてないとか、いまそんな話であります。小学校から教えて、これからやっていくなんていったら気の遠くなるような先の話ですね。一体今日まで林業政策というのは何をとってきたんだろうか。私は、やっぱり素人でありますけれ
ども、疑問に思いますね。
それから、いま水産業の問題も出ました。私も水産業の問題については、これも
専門外でもありますけれ
ども、かつて中国を約一カ月半ほど私は社会党の漁業視察団長で視察したことがありまして、中国の場合はほとんど養殖ですね。沿岸は少しやりますけれ
ども、日本のような大資本がおりまして、世界の海をまたにかけて、とれるだけ、とり上げるだけとるなんていうそういう漁業はやっておりませんね、中国の場合には。あれを見て私は、いまからこれ十年ほど前でありますけれ
ども、そのころから中国はもう養殖にかなり力点を置いて、育てて、つくってそれを食べる、そしてたん白資源というものを大事にしている。
こういうことを私は見るときに、日本の水産のあり方
一つとってみましても——また少し私のことで恐縮ですが、河野謙三さんが参議院の議長時代に一遍一緒に私は外国へ行きました。スペインの沖にラスパルマスという島がありまして、あそこでいろんな話を聞いたときに、日本の日本水産だとか大手の水産会社が一体外国の海で何をやっているか、それはもう底びき船で根こそぎとって、それでとり上げたもので要らないものはその海で捨ててくる。だんだん、十年もたちましたら漁獲高が半分に減る。出漁の距離が倍行かなければとれなくなった。こういう
説明をぼくら受けてきました。
言うならば、日本の水産というのは、これは
技術もいいんでしょうけれ
ども、乱獲もいいところですね。そういうことについてもほとんど何にも政策らしいものがない。いまお聞きしまして、鯨の話聞きました。鯨の話どころじゃないんですね。しかし、実際問題として二百海里の問題が起きたり、さまざまなことありましたけれ
ども、水産資源そのものはそんなに、かつてのようにとれないわけじゃないんですね。そういう
意味で言うと、私は水産の政策についても相当これ
考え方というのを変えなければ、いまのような大資本に任せておいて、そのままとりたいほうだいだけとらしておいてやらせるというやり方はどうだろうかという気がいたしますね。
また、最後の畜産でありますが、私は畜産は少し経験があります。中学出るまで私は農家でありましたから、当時でありますけれ
ども、豚五十頭ぐらい飼っておりました、私自身で。いまのように買ってきたえさで私
どもは育てませんでした。一軒一軒私
ども残飯もらって、残飯を煮て食わした。いまそんなことすぐできるわけでありませんけれ
ども、いずれにいたしましても何か養鶏、養豚に力を入れるような話で、飼料の問題が大変重要だと。確かに重要でありますけれ
ども、そういう
意味で言うと、いまの畜産
行政そのものについても私は何とはなしにそぐわない
感じを持ってしようがないんです。
そういう
意味でいまあなたの——きょうは私は聞く
程度にしておきますけれ
ども、いずれにいたしましても、先ほどのアンケートでありませんが、国民の五人に一人は大変
皆さん方の
行政というものに目を向けながら、そして強力な官庁だというふうに信じながら、これからの日本の食生活というものをやろうとしているわけでありますから、当然これは
行政機構とも絡みますけれ
ども、どうぞひとつ農政の全般についてもう少し、私、いままでの何かちょこちょこっといじくるようなやり方だけではしようもないんじゃないんだろうか、そういう気がいたします。
そこで、
一つだけ具体的にお聞きしますが、私はいま社会党で責任者でもありますために、北海道の貝殻島のコンブ漁の問題について、四年ばかり毎年モスコーへ参りまして、漁業相あるいはまた貿易相あるいはソ連共産党中央
委員会の国際局ともかなり激論やっているんですが、ここ三年ぐらいとだえちゃってどうしようもないわけなんですが、一体
農林水産省としては、この貝殻島のコンブ漁についてどういうふうにいま把握をして、今後これをどういうふうに打開をしていこうというのか。本来なら、これは外務省にも来てもらって私は聞きたいと思っておりましたけれ
ども、とても全体的な時間がありませんので外務省呼んでおりません。したがって、農水
大臣から
現状と今後の
方針についてお聞きをしておきたいと思います。