○国務大臣(
田中六助君)
一つは責任はどこにあるかということでございますけれ
ども、先ほど
森山長官からも申し上げましたように、私
どもは、
原子力発電所というものは長期エネルギー需給暫定見通しの中にも、十年後には油を半分にする、今回またさらにこれを見直して油は半分以下にするということになるわけでございますが、それだけに代替エネルギーの
原子力発電所の占める役割りというのは多うございます。
私
どもの計画は、いま二十三基動いておりますけれ
ども、これを三十五基にまで持っていって、これを十年後には五千二百から五千三百万キロワットという想定をしておるわけで、今回の問題でこれが挫折するようなことがあっては、日本経済はもちろんでございますが、国民の生活の安定度においても電気料金その他の問題を勘案しましても、
原子力発電はコストが他の発電関係の半分でございますし、外国の例を見ても鋭意
原子力発電所の数をふやしているような
段階でございますので、そういうさなかにあっての今回の
事故でございます。したがって、これは十分拳々服膺しなければなりませんし、こういうことのないようにすると同時に安全性、また信頼あるいは管理行政、そういうものにつきましてもより以上の安全の措置をとらなければならない、それから、
原子力発電所に働く人々の感覚と申しますか甘えとか、それからなれ、そういうものがないように、この人たちの管理行政と申しますか、審査、
検査を厳重にしなければならないというふうに思っております。
それからまた、
事故の具体的な項目というようなものをもう少し細部にわたってつくっておかなければ、何が
事故かということについても非常に
発電所の中ではむしろ奇異に感じているような、これは故障だ、
事故ではないというようなことを堂々と述べる人もあるんだそうです。私
どもは直接聞いておりませんけれ
ども、
事故隠しではない、故障を修繕したんだというようなことを、私
どもにはそんな放言はしませんけれ
ども、そういう感覚ではまさしく
原子力発電所の推進はできません。したがって、私
どもは、そういう点の審査、管理、そういうものについて厳正に持っていかなければいけないというふうに思っております。
それから、第二点の罰についてでございますが、おまえは告発すると言っておって、それは避けたではないかということでございますが、私が言っておったのは、やる、やらぬは別にして、告発を含めた厳正な措置をとりますと言っておったことで、それをインクルードした、つまり含めた罰を考えておるということであって、告発を必ずしますということではないことは、速記録を見てもわかると思います。
しかし、私が言いたいのは、告発が非常に厳しくて、半年の
運転停止が厳しくないとか、そういうような価値
判断はどういうところから出てくるのか、私は非常に奇異に思いますけれ
ども、御承知のように告発は十万円の罰金でございます。
運転停止というのはこれこそ伝家の宝刀を抜いた初のしろものでございまして、これは
発電所にとっては、あるいはこれを推進しておる
会社にとっては一番手痛いことだというふうに思っておりまして、私
どもはどちらが重い、どちらが軽いという考えはさらさらなく、どっちを選択するかということになったときに、半年の
運転停止といういままでにない厳重な、しかも厳正な罰則を、行政処分をしたわけでございまして、その点の配慮を御推察願いたいと思います。