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小笠原貞子君
炭鉱地帯と言えば九州と
北海道でございまして、私は
北海道でございますけれども、九州もずっと
筑豊そして
田川にも伺いました。それで
田川へ伺ったときには、もう本当にこれは大変な
状態だなということを痛感して心を痛めてまいりました。いよいよこの
法律がきょうかかるということでいろいろと役所の方にも
実情を伺いまして、私はやっぱり
田川というのがあのときの印象ではどうしても心に残る、どうなっているんだろうと伺ったら、いや、先生いらしたときから見ればずいぶん家も建ちかわっておりますし、あの暗いイメージはございません、こういうようなお答えでございましたので、少しは明るいお話があるかなと思いましたけれども、具体的にきょうのお話を伺いますと決してそんなものではない、このつめ跡というのは二十年たってもいよいよまだ深く残っているんだということをしみじみと痛感させられてきたわけでございます。
また、お三方いろいろお伺いいたしまして、後から副
知事さんにもお伺いしたいと思うんですけれども、やっぱりこれからのこの
法律が十年延びた、十一億のお金もついたということは、一見ちょっとここでほっとするということになるかもしれないけれども、私はこれは十年たってこの十一億のお金で一体どれだけこれが
解決していくのだろうかということを考えると、非常に私は暗い感じじか持てないということなんですね。そのためには、まず
現状を正しく
調査する、そしてこれについてどういう政策を実行していくかという、その
現状を正しく認識するということが一番大事なことだと思うわけです。しかし、私はここで最初にまず申し上げたいことは、
現状を正しく認識する前に、なぜこんなことが起こったのかというその原因というものを、私はここではっきりと
政府においても、また
企業においても各
市町村においても、みんなそこのところに戻って私ははっきり考えてもらいたいと思うわけでございますよ。いまこそエネルギー問題が大きくなって石炭見直しだ何だというけれども、
日本の政治の中でエネルギーをどういうふうに位置づけていたか、石炭をどう位置づけていたか。特に
北海道の場合なんかには、まだ石炭があるにもかかわらず、
エネルギー革命だなんていってどんどんつぶしていってしまったでしょう。そして、いま
エネルギー革命の後始末としてこういう問題も起きている。そしてまた、
北海道では、先ほどもおっしゃったけれども、羽幌なんかへ行ったら、もう町長さん行くたびに陳情されるわけです。もうほとんど露天掘りに近いところで掘れるんです。そして、この
地域の燃料は全部賄えます、掘りたいんですとおっしゃる。穂別へ行けば、穂別の町長さんも、ここも
炭鉱掘れるんです、掘りたいんです、そうおっしゃる。しかし、これも全部鉱区買い上げられてしまって掘るということがいますぐできないんだとおっしゃる。山は
閉山になった、そのときに石炭の大
企業は損をしたか、買い上げてもらってちゃんともうけているわけですよね。そしていまになってこの後始末をどうするんだと言われたときに、国民の税金を使って
地域住民の創意性とそして
市町村の自発性でもっていろいろと考えるという結末にきているわけなんですね。だから、私はここで申し上げたいのは、やはりこういう事態を引き起こした
政府の責任というものをはっきりさせて、皆さんも
対策をお考えになるべきだし、決してもらうんだからというような弱気で対処される必要はない、私はそのことをまずはっきり申し上げたいと思うんです。
具体的に私もいろいろ考えてみました。
そこで、質問に移りたいと思いますけれども、まず先ほどから言われたように、
炭鉱住宅が廃屋になっています。そしてそこで
非行の問題、それからいろいろの災害の問題がございます。見ますと、廃屋ですから大したことないです、これつぶしちゃえばいいということになるんだけれども、つぶせないんだという問題、御承知のとおりでございます。幾重にも抵当権が設定されているということからこれがつぶせないんですね。そうすると、この抵当権が解除されない限り
炭鉱の廃屋というものはつぶすことも何することもできない、
跡地利用したくたってできない、こういうわけでしょう。そうしたら、一体これをどうしたらいいのかというところです、問題の根本は。私もいろいろと皆さんと考えたり、お知恵もいただいた。私は、たとえばここまできているんであったとするならば、する道は
一つしかないと思うんですよ。つまり、抵当権を買い取って
解決するなんという力がないとするならば、やはり
地域振興整備公団というようなものがございますから、そこでこれを買い上げる。たくさんのお金かかるかもしれない、しかし、つくった原因である、その原因は一体何かということから考えれば、それくらいのお金出しても私は当然だと思うんです。そうやって買い上げて、そうして
市町村の財力の許す範囲で少しずつ分けて、そしてこの廃屋を整理して
跡地利用するという、こういう手だてが私はいま必要になっているのではないか、これを国の責任でやっていただくことになるわけですけれども、私はそうすべきではないかということをまず伺いたいと思います。これは副
知事さんにも伺いたいし、それからまた、お二人の
参考人の方も御
意見があったら、この問題についてもお伺いしたいと思います。時間がございませんから、
三つ質問します。いまの
一つでございます。
次の質問は、先ほどこれも
田川市長さんおっしゃいました。離島問題は
北海道も抱えておりますし、九州も離島問題たくさんございます。それと比較なさいますけれども、まさにおっしゃるとおりだと思うんですね。だから、こういうことから考えましても、やはりいろんな知恵は出します、甘えてはいけないという意味のことを
笹生参考人おっしゃいました。私も甘えてはいけないと思う。それこそみんなで知恵を出し合わなければならないと思う。しかし、出された知恵を実行するためには、本当に知恵だけでは実行できないわけですよ。さっきの
筑豊に大学二つ持ってこいなんてなかなかいいアイデアだけれども、これがいいアイデアだけれども、果たしてこれが実行できるかと言ったら、御承知のように
法律で国立も私立も大学はしばらく建てないという
法律がいま文教にかかるところですよね。そうすると、これは政治の問題であり、また、
国鉄ローカル線の問題から何から考えると、これまた経済との
関係で大変な問題になるわけですよね。そうするとアイデアだけではどうにもならないということを私は言わなければならないと、先ほど伺っていてつくづく思ったんです。
北海道も調べてみました。
産炭地域の歳入総額に対する地方税の割合、元ほどもおっしゃいましたけれども、五十四年度平均で一七・九%、すなわち
自治体財源わずか一七・九%だ。それで、たとえば泊、いま原発ができるとか何とかいって騒いでいます泊茅沼
炭鉱があるところですけれども、この泊村に至っては四・三%なんですよ。それから石狩にあります浦臼なんか六・七%なんですね。だから、いろんな知恵を出してやろうと思っても、地方
自治体の財源がわずかにこういうものであったならば、このやろうとする力が全然出てこないということですよね。もう幾ら善意で
努力してもこんな
財政状態でやれと言う方が無理ではないか。そこで、私は特定公共
事業などについても国とも
市町村の
実態に応じてこれはもう相当の補助率の引き上げたとか、具体的な
財政援助というものがない限り、私はこれは不可能に近いというふうに言わざるを得ないと思うんです。その点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
それから
三つ目の問題は、
産炭地域振興法の目的にある鉱工業の立地についていろいろお話がございました。現在
工業団地をつくる場合に
企業が入ってきます。
団地をつくってそうして
企業が入ってくる、そういう場合には
設備資金と申しますか、建物だとか機械だとかいろいろな土地を買ったりというようなときに、
地域振興整備公団から融資を受けるわけですね、そうして入ります。そうしてその融資を受けて入った
企業が運転資金で困るよと言った場合には、運転資金も貸してくれる、融資の対象になるということでございます。しかし、いやそんな借りなくてもここんところで、ひとつ
北海道でうちの
企業はやってみようじゃないかと言って、この
地域振興整備公団からその設備費などを借りないで、自力でもしがんばって入ったというような場合ですよね、このときには、運転資金が困ったときにはこの
整備公団から運転資金を借りることができないわけですね、対象にならないというような矛盾があるわけですね。大きな
企業がそんな金借りなくてもいいといって入った場合なら別だけれども、良心的にひとつ協力しようといって入った小さい会社が借りなかったということは、これはプラスになりますね。それだから借りなかったといって、借りないで協力をしたのに、いよいよ運転資金が足りないというようなときには、あなたのところはうちから借りてないから融資の対象になりませんよといったら、まるで恩をあだで返すような姿になるのではないか。そうすると、こういうようなところにも運転資金の融資が借りられるようにすべきではないかと私は思うんでございますけれども、いかがお考えになるかお答えをいただきたいと思います。
笹生先生にまた
一つお伺いしたいんですけれども、いろいろいま後始末が大きな内容になっておりますけれども、やっぱり後始末というよりも
北海道の場合なんかはさっき言ったようにまだ炭がございます。そうしますと、これらをどう
発展させていくか、これらの
北海道における出炭率をどうやって上げるかというような、そういう本来の意味の、よそから持ってくるのじゃなくて、本来の石炭
産業をどう
発展させるかというようなことについて、小
委員会の中でいろいろ先生御
審議なすったと思いますけれども、そういうような御
審議の中で問題点が出されていたら、そういう問題についてお聞かせをいただきたいと思うわけです。
以上で質問終わります。