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安恒良一君 本来でありますならば、いま
提案をされました
法律の中身に、直ちに
質疑に入らなきゃなりませんが、
委員長からも特別に御
発言をされまして、
大臣に
報告を求められました問題について、まず私はそのことについてきょうはひとつ
質問をせざるを得ません。それはなぜかと言うと、
厚生行政に対する
信頼の問題でありますから、
信頼のないところに
法律の
審議をやってもまた裏切られてはいけませんので、あえてそういうルールを百も
承知をしながら、きょうは
薬価問題について
質問をしたいと思います。
まず第一に、いま
大臣は
大変部下をかばわれまして
食言をしたとか、自分が事務的に
告示ということについてそれまでの
日程とか
手段、そういうことを
十分承知しない、そこに問題が起こった、こういう
部下をおかばいくださる気持ちはよくわかります、しかし
大臣、それはそういうことにはならないのであります。
昨年の十一月十八日の
議事録第七号をひとつ開いてお読みをいただきたいと思います。そのときにはそういう
手段、
方法等も含めて私は
質問をいたしています。たとえば
大和田君は、「第六次
経変の結果、
薬価算定の
補正作業が十二月いっぱい」、こう言っています。そして、それ以降
日程がこれだけかかりますということで、
薬価改定の
影響率、それから作成、
薬価基準の
告示まではやはり二カ月はかかります、こういうことを
大和田君は言ったわけです。そういうことを受けた中であなた自身が、「私の判断では今
年度末か来
年度初め、一日も早く
改定したいと思いますが、いまのところの
見当では今
年度末か来
年度初め」とならざるを得ないでしょうということに
やりとりがはっきりしておるわけです。
というのは、私も
昭和三十七年から中医協の
委員を
国会議員になるまでやっておりまして、
薬価改定にどういう
作業、
手段が要るか、どれだけの日時がかかるかというのは専門的に
承知をいたしています。そういう角度からあなたにそのことを詰めて、しかもこの
原稿は非常に重要だということで、
大臣答弁は、当時
事務局が起草をして
大臣が御
答弁になっているのであります。でありますから、その限りにおいて、いまあなたがおっしゃったような、私が
食言をしたとか、事務的に詳しくわからなかったからぼくが誤りを起こした、こういうおかばいは間違いであります。そこで、これは真相を明らかにせざるを得ません。
それからさらに、三月十二日、私は
予算の
総括質問をする前に
保険局長を呼んでいます。同じく十八日にこの問題で
大臣と明らかに
やりとりをしております。この
議事録もひとつ読んでいただくと、やはりその中でも明確に、若干は、少しおくれたがしかしやりたいということが、まず
大臣は、私がこの前の
国会の
議事録を引用して
質問しましたが、「
答弁したことも覚えておりまするし、
安恒さんの御意見もよく覚えております。当時と変わりはございません。」、こういうことを
答弁されています。そして、「御指摘のとおりに
作業がややずれ込んでおりますが、それでもいろんな情勢からぜひ
年度内には
作業の解決を終わりたい」と思いますと。そしてさらに、「
年度内にこれを仕上げるように全力を挙げます。」と。そこで私は「
年度内には必ず
約束どおりやっていただく。」と、こういう
やりとりを実は三月十八日にいたしました。それで、このときに初めて公式の席上であなたから、いわゆる
引き下げ率についておおむねこの
見当ということが言われているわけであります。
続いて、四月一日であります。
新聞にどうも六月ということが一部報道されました。そこで、私はわが党の
和田委員の
締めくくり発言でそのことを
確認する必要があると思いましたから、一日、
予算委員会終了後直ちにあなたのところに参りまして、あなたがいま言われたとおり、
大臣、六月と書いてあるが
約束が違うじゃないか、どういうことなんだと言ったら、いや三月三十一日はもうずれたけれ
ども、できるだけ四月早くやりたい、これで了解をしてもらいたいと、こういうことでございました。そこで、私
どもは四月二日の
総括の
締めくくりのときにその
質問はやらなかったわけであります。
こういう
経緯から言いますと、いま
大臣がおっしゃいましたような、その事務的とか詳しく
手続を知らなかったということでおかばいですが、私は何かが動いていると思う。何かが動いている。というのは、私は
厚生行政というのに対して、ある場合には
医師会が
圧力をかけるとか、健保連が
圧力をかけるとか、もしくは被
保険者が
圧力をかけるとか自民党が動くとか、野党が動くとか、こういうことは
政治であります、しかし、私はやはり公平に
政治というものはやってもらわなきゃいかぬと思う、公平に。公の席上で、しかも重要な昨年の
健康保険法、何年越しの
健康保険法を上げるときの
一つの大きな条件として
約束されたことが、破られるということについては私はわかりません。
しかも、ことしに入って
予算委員会でしばしば
大臣にお尋ねをしている。その際も明確にされておるのが、実は四月の七日の日に突如として私の手元に
保険局の
医療課長と
業務局の
経済課長が参りました。私はいませんでした。秘書にこの
文書を置いて帰られました。それには「
薬価基準の
全面改定スケジュールについて」と書いてありまして、
薬価基準の
改定のため第六次
経時変動調査に基づく
最終の
改定作業は三月末日までにおおむね終了いたしました云々ということで三項目の
文書を置いていかれました。そこで私は、これは大変なことだということで八日の日に直ちにぼくのところに来るようにと、こう言ったら
経済課長だけが参りました。
医療課長はちょっと御都合があって来られない。そこで私は、何だと、こんな重要な問題をということで
山崎業務局長にまず電話をして話すと同時に、
保険局長に来るようにと言ったら、大蔵省に行っておってわかりませんということで、五時半ごろ私のところへ来ました。そしてこの
文書について初めて
説明を徴したわけであります。もしもこういうことになるんだったらどうして三月の十二日、十八日、
質問の前に
話し合いをしたときに話をしないのですか。
さらに四月一日の日に、
総括締めくくりのためにやらなきゃならぬことがありますから、わざわざ私は
大臣のところに伺って
新聞にそういうことが出ているがどうなんでしょうかということを聞いたときに、どうしてそれをおっしゃらないんですか。そして突然二人の
課長が私のところを訪ねてきて、この
文書を置いていく、こういうやり方は、私はそれはいけないことだと思う。
大臣、
官僚をおかばいになってはいけません。私から言わせると、そういう
約束を、
大臣が
国会の席上で
約束をされたことを故意に曲げて破るような
官僚がおるんならば、それは
厚生官僚として不適任であります。国民の
厚生行政を今後任せるわけにはまいりません。こういう問題についてひとつ
大臣のお
考え方と、それからこれは
大臣だけじゃありません、
事務当局として詳細にどういうことでどうなったのか、
作業日程がどうなったのか、なぜ
うそを言ったのか、
予算委員会のときにしばしば呼んで聞いたのになぜ
うそを言ったのか、
安恒さん、実はこういうことになっておりまして、これだけおくれますという話は全然ありませんでした。三月三十一日にはちょっとおくれる、できれば四月十日ごろになるかもわかりませんと言うから、それはまあ十日間ぐらいのことなら、
作業日程、
告示までにそんなことがあるだろうと思いました。しかしそういうときに話をしないで、一片の
文書を持ってきて、そしてこちら側が呼ばなければ来ない。私はそういう
政治的な姿勢はよくないと思う。
ですから、このことについてその間のいきさつをまず明らかにしてもらいたい。どこでどういうふうに
——あれだけ
国会でやかましく、というのは、
薬価の
改定については昨年の
予算委員会で問題になって、
通常国会終了までということの
やりとりがあるんです。その後、いわゆる第六次
経時変動調査をやるために遅くなるということで、それも十二月末には終わるということがしばしば
答弁をされて、そして
年度内、三月いっぱいということにこの
議論はなっているわけですから、もう去年の
予算委員会からずっと
経緯があるわけですから、それがこのようになるということは、私はいけないことだと、何が起こったんでしょうか、何があったんでしょうか、ひとつそのことを明らかにしてください。