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説明員(宇野
則義君) お答えいたします。二点につきましてお答えしたいと思います。
一つは料金の問題でございますが、ただいま冒頭に
先生から御
指摘がございましたように、現在の車検問題が、実質的にはと申しますか、かなりのウエートを占めまして
整備工場の
整備料金等の問題が大きな問題になっている点ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。私
どもこれまでもこの点には注意をいたしておったところでございますが、御承知のように
自動車の
整備は、車が、車齢、構造あるいは使用形態等によりまして非常に傷み方が違ってまいります。そういうところから、その結果出てまいりますところの
整備内容につきましてはいわば千差万別の
状態にあるわけでして、そういう
状態を
整備した結果、
整備料金というものは同じような車であってもなかなか一定しがたいという点がございます。
先生もお調べになっておりますが、大体私
どもの調べでも、マイカーの場合に平均的にいいまして
整備料金が六万円前後の数字になっております。
〔理事坂倉藤吾君退席、
委員長着席〕
その
調査の過程では高いものもあれば低いものもございます。現在の
自動車の定期点検的な
整備につきましては、規則に定められた項目に従って基準に基づいた点検を行い、それに従って必要な限度において適正な
整備を
実施するということで、いやしくも過剰
整備になるとか、あるいは逆に手抜き
整備をするということのないようにこれまでも
指導してきたところでございます。特に、指定工場という民間車検工場がございますけれ
ども、ここに対しましては、国の検査を実務的に代行する形になっております
関係上、特に監督を厳しくしてまいりました。五十四年の実績で申し上げますと、一工場当たり一・七回というような回数で立入監査を
実施してきております。必要に応じて、おかしなところがございますれば行政処分をするというようなこともございました。そういうような監督をしながらしてきたわけでございますけれ
ども、依然としてお客さんの御理解がなかなか得られないというのが現実ではなかろうかというふうに考えておりまして、私
どもも業界を
指導するに当たりまして、車の
整備の依頼を受けた場合に、まず受け入れの
段階で一応概算的な見積もりをして、およその目安をお客さんにお知らせしておくということから始まりまして、途中でいろいろな
整備をしている過程におきまして、当初予定しなかったような部品、装置等の交換が出てまいりますれば、特に金額の張るものにつきましてはその
段階で再びお客さんの了解を得るというようなことだとか、あるいは料金の請求をする場合には、一式というような形ではなくて、個別の項目を挙げながら交換部品がどれどれだ、あるいは工賃が幾らだというような形で、明細化した請求をすることによってお客さんの理解をいただくようにというような、わりに細かい
指導もしでまいっておるわけでございます。
一方におきまして、業界の団体であります振興会の連合会、これは中央にございますけれ
ども、ここにおきましても
整備工場がばらばらな
整備料金を要求するということは好ましくないわけでございますので、それぞれの車についての点検の標準時間というようなものを算定いたしまして、会員である
整備工場にも配布をして徹底させるというようなこともこれまでやってきておるわけでございます。
さらに、そういう業界に対します不満あるいは苦情といったようなものが出てくるケースがあるわけでございますけれ
ども、業界は業界なりにその苦情
相談の窓口を設けるように
指導してまいっておりますし、私
ども国といたしましても、それぞれの陸運事務所に
相談窓口を設けまして
整備等に関するところの苦情処理に当たっておるわけでございます。今後ともこういう体制の強化ということを念頭に置いて適正な
整備工場の運営ができるように
指導してまいりたいというふうに考えております。