○戸
叶武君
鯨岡さんがやはり体を張って、いまの内閣の中において
公害問題の責任ある地位にあって、いま
人類を破滅に導く危険な
核兵器を最終的には使わない、
戦争を食いとめること、もう
一つは未来に対して
公害による害毒を未然にいま防いでいくことが大切であるという点、この二点に要約しております。
私は、昨年の二月、ストラスブルクにおいて開かれた
EC議会と
日本の国会の
代表との
懇談会、
ディスカッションの会に行きまして、その運営がみごとであって、フリーな
ディスカッションを行い、各国における多元的な
一つのソサエティーなりコミュニティーの
共同社会、文化的に経済的につくられているそのすべての
要請を取り上げて問題を煮詰めていく
態度に非常に打たれたのであります。そういう
意味において、私はいままでのプロシャ的な官僚、軍閥の明治憲法的な
政治行政単位よりも、もっと
住民の
生活と直接結びついたところの多元的な
国家観の上に立って、そうして
住民の平和と
生活を願う
要請を
政府が受け占めなければ、その
政府は必ず私は内から崩壊していくと思うのであります。
文明史観と哲学を持たない民族は必ず滅びるのであります。あの
奴隷支配の上に築き上げた、市民の繁栄のみを事にしたギリシャの崩壊でも、あるいは外征によってから得た名声が悪い
意味において祖国の
政治体制を崩してしまった
カイザリズムによるところのローマの
末路を見ても、カルタゴの
末路もそうですが、音を立てて崩壊していった実例、及び西洋的なルネッサンスが、あるいは法王の名によって、
メディチ家におけるところの財宝の力によって、あるいは
カイザリズムの野心ある
帝国主義によって
ヨーロッパ社会に暗黒の
時代をつくったことがあるのであります。
私
たちいまアジアにおいて、あなたはこの一月に
中国に行ってまいったはずですが、
日本や
中国が本当に
近代化の道を着実に大地に根をおろして歩むにしても、
ヨーロッパ社会を混濁に陥れた、宗教の名による、神の名による、あるいはツアーの名による、あるいはカイザーの名によるインチキな
奴隷支配の
国家体制というものがどれだけ中世期の暗黒をつくり上げたかわからないのでありまして、
日本と
中国はいままで幾多の過ちを犯したが、この反省の上に立って、新しいルネッサンス、コペルニクス的な発想の転換、真理以外にわれわれの世界を救うものはないという信念を貫いてやらなければならないときと思いますが、そういう
意味において、来年の
サミットには、アジアを
代表する唯一の
先進国の
日本は、
日本と
中国とが完全に自己批判と反省の上に立って新しい世界新秩序をつくり上げようと
努力しているのだという実績を
ヨーロッパ社会に示さないと、私は
日本自身がアジアの
先進国としての
役割りを果たし得ないと思うのであります。
そういう
意味において大臣は、このごろは
日本ではちょろちょろ内閣改造なんていう変な策謀が行われておりますが、大臣にだれがなるにしても、
環境庁の衆知を集めて実績をつくって、
日本はこうやってアジアにおける
公害の巣とも言われて、東南アジア諸国を背景としながらもこれだけのことはやり抜いていくのだ、金を持ったから金を方々へばらまくのだというのではなくて、われわれはそうした
意味における未来の先取りをする方向づけがいま
日本に課せられた最大の任務だと思います。乃公出ずんばという気持ちで二十一世紀へ向かってのブリッジの
役割りをするつもりで、
環境庁においても
長官自身においても、この一
年間において実績をつくり上げて、
ヨーロッパ社会に
日本の二十一世紀へ向かっての情熱、献身、世界に対する
一つの御奉公はこのようなじみな問題から出発するのだということを示してもらいたい。
いまのようなゴキブリ政治家が横行して、軍事費をやるならばうまいリベートも取れるなんていう考え方でうろちょろする向きもありますが、ついでにこういうゴキブリ政治家も消すのには、やたらに首をひねるわけにはいきませんから、もっと真剣に——
中国に私はこの四月と九月に行ってびっくりしました。マージャン賭博やあるいは赤坂にとぐろを巻いたり、そういう徒輩、ばくちや麻薬にうつつを抜かして、ついでに賄賂をも自由というような、アメリカのメジャーと軍需産業に毒され、ソ連の第五列の
役割りをするような者はほとんど
国民の中に存在しなくなったのであります。
日本と
中国とが一体となってアジアの新しいルネッサンスを、コペルニクス的転換によって新しい機運をつくろうとするときに、どこかにだれかこれを実践する以外に、真理は常に具体的に示す以外にないと思うのですが、私は大臣なんかなかなか適任者だと思うので、ひとつそういう
意味において、あなたの個人のヒロイズムというのでなくて、いま各省から集められた精鋭とともに、この一
年間で具体的な実績を示して
国民的な支持を得、世界からも感謝されるような方向づけをやる
役割りをしないと、一体
日本人はどこを見てどこに向かって走っているのか、どっちが前でどちらが後ろなのかわからない海坊主のような存在であるというふうにされてしまっては大変だと思いますが、
公害はゴキブリと海坊主を退治することから始めなければならないと思いますが、
長官いかがなものでしょうか。