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1981-03-20 第94回国会 参議院 科学技術振興対策特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十六年三月二十日(金曜日) 午前十時開会
—————————————
委員
の
異動
二月十四日
辞任
補欠選任
佐藤
昭夫
君
近藤
忠孝
君 二月十六日
辞任
補欠選任
玉置
和郎
君
藤井
孝男
君 二月二十四日
辞任
補欠選任
鍋島
直
紹君
西村
尚治
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
太田
淳夫
君 理 事 後藤 正夫君 林 寛子君 八百板 正君 塩出
啓典
君 委 員 長田 裕二君 片山 正英君 上條 勝久君 源田 実君 長谷川 信君
藤井
孝男
君 松前 達郎君
近藤
忠孝
君 小西 博行君
国務大臣
国 務 大 臣 (
科学技術庁長
官)
中川
一郎
君
政府委員
科学技術庁長官
官房長
下邨 昭三君
科学技術庁長官
官房会計課長
永井 和夫君
科学技術庁計画
局長
園山 重道君
科学技術庁研究
調整局長
勝谷 保君
科学技術庁振興
局長
宮本 二郎君
科学技術庁原子
力局長
石渡 鷹雄君
科学技術庁原子
力安全局長
赤羽 信久君
事務局側
常任委員会専門
員 町田 正利君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
科学技術振興対策樹立
に関する
調査
(
科学技術振興
のための
基本施策
に関する件) (
昭和
五十六年度
科学技術庁関係予算
に関する 件) (
派遣委員
の
報告
に関する件)
—————————————
太田淳夫
1
○
委員長
(
太田淳夫
君) ただいまから
科学技術振興対策特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る二月十四日、
佐藤昭夫
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
近藤忠孝
君が選任されました。 また二月十六日、
玉置和郎
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
藤井孝男
君が選任されました。 また二月二十四日、
鍋島直紹君
が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
西村尚治
君が選任されました。
—————————————
太田淳夫
2
○
委員長
(
太田淳夫
君)
科学技術振興対策樹立
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
中川科学技術庁長官
から
科学技術振興
のための
基本施策
についてその
所信
を聴取いたします。
中川科学技術庁長官
。
中川一郎
3
○
国務大臣
(
中川一郎
君) 第九十四回
国会
に当たり、
科学技術庁長官
といたしまして、
所信
を申し述べさせていただきます。 申すまでもなく、
科学技術
の
振興
は、
経済発展
の原動力であり、
国民生活向上
の
基盤
であります。 とりわけ、
石油
を初めとする物的な
資源
に乏しく、狭い
国土
に多数の
国民
が生活している
わが国
が、この厳しい制約を乗り越え、二十一
世紀
への
発展
の礎を築くとともに、
世界
の進歩に貢献していくためには、
わが国
民の英知と
創造性
の粋を尽くして
科学技術
を積極的に
振興
し、
科学技術立国
を目指すことが不可欠であります。 私は、このような基本的な考え方のもとに、
長期的総合的観点
に立って、次に述べる
昭和
五十六年度における
科学技術振興
のための諸
施策
を
推進
してまいる
所存
であります。 まず第一は、
科学技術会議
の
総合調整機能
の
強化
であります。
科学技術
の一層の
振興
を図るためには、
わが国
の
科学技術政策展開
の中核である
科学技術会議
が高い識見と広い視野に立って
総合調整
を行い、
わが国科学技術
に対する
指導的役割り
を
強化
していくことが重要であります。 このような
科学技術会議
の
総合調整機能
の
強化
の
一環
として、
昭和
五十六年度
予算
におきまして、
科学技術会議
の
方針
に沿って運用される
科学技術振興調整費
を創設することといたしております。 また、この
調整費
の一部を充当して、
次代
の
技術革新
を担う独創的な
科学技術
の
シーズ
の
探索研究
を
官学民
の力を結集する流動的な
研究システム
によって
推進
することといたしております。 第二は、
原子力研究開発利用
の
推進
であります。 現在の厳しい
エネルギー事情
にかんがみ、最も有望かつ現実的な
石油代替エネルギー
である
原子力
の
開発利用
を強力に
推進
する必要があり、このため、
安全確保対策
を一層
充実
し、
原子力
に関する
国民
の
理解
と
協力
を求めつつ
原子力発電
の
拡大
を図るとともに、将来にわたり
原子力
がより安定した
エネルギー源
となるよう
所要
の
研究開発
を積極的に
推進
することといたしております。 申すまでもなく、
原子力研究開発利用
の
推進
に当たっては、
安全性
の
確保
を図ることが大前提であり、
原子力安全規制行政
の
充実
、
安全研究
の一層の
推進
、
放射線障害防止対策
の
強化
など
安全対策
の強力な
展開
を図るとともに、万一の事故に備えた
防災対策
の
充実
を図ってまいります。 また、
原子力発電
の
拡大
に対応した自主的な
核燃料サイクル
を確立するため、
ウラン濃縮
の
技術開発
、
使用済み燃料
の再
処理対策
、
放射性廃棄物
の
処理処分対策等
を
推進
するとともに、
ウラン資源
の
有効利用
を図る
観点
から、
高速増殖炉原型炉
「もんじゅ」の
建設
などの
新型動力炉
の
開発
、さらには
人類究極
の
エネルギー
として期待される
核融合
の
研究開発等
を強力に
推進
いたします。
原子力船
の
研究開発
につきましては、
原子力船
「
むつ
」の
改修
及び総
点検
を鋭意
推進
し、定係港問題の
早期解決
を目指して地元の
皆様
との話し合いを進めるとともに、
船舶用原子炉
に関する
研究
を
推進
していくことといたしております。 第三は、
宇宙開発
の
推進
であります。
人類
の新しい
活動領域
である
宇宙空間
を
利用
することにより、
国民生活
の
向上
を図るとともに、
宇宙開発
の
世界的進展
の一翼を担うべく、
人工衛星
及びその打上げ
用ロケット
の
開発等宇宙開発
の積極的な
推進
を図ってまいります。 このため、
昭和
五十六年度におきましては、
静止気象衛星
二号を打ち上げるほか、
通信衛星
二号、
放送衛星
二号、
海洋観測衛星
一
号等
幅広い
分野
にわたる
各種人工衛星
の
開発
を
推進
いたします。また、将来の
大型人工衛星
の打ち上げに対処するため、
自主技術
により、高性能で
大型
のH−
ロケット
の
開発
に着手するなど、
人工衛星
打ち上げ
用ロケット
の
開発
の
積極的推進
を図ります。 第四は、
海洋開発
の
推進
であります。 四万を海に囲まれた
わが国
にとりまして、
海洋
の
開発
はきわめて大きな
意義
を有するものであります。 特に、
国連海洋法会議
も終結に向かい、本格的な二百海里
時代
を迎えようとしている今日、
国土
が狭く
資源
の乏しい
わが国
の将来を考えますと、
海洋
の豊富な
資源
、
エネルギー
、
空間
の
多角的利用
を目指して積極的に
研究開発
を進める必要があります。 このため、
昭和
五十六年度におきましては、
水深
二千メートルまで潜航可能な
潜水調査船
を完成させ、訓練のための運航を実施するほか、
水深
三百メートルまでの
潜水作業技術
の
研究開発等
の
総合海洋科学技術開発プロジェクト
を積極的に
推進
いたします。 第五は、
防災科学技術
の
推進
であります。
地震災害
、
雪害等
のさまざまな
災害
から
国民
の
生命
、財産を守る上で、
防災科学技術
の
推進
はきわめて重要な課題であります。 特に、
地震予知
につきましては、
地震予知推進本部
を通じて
関係
各
省庁
における
施策
の総合的な
推進
を図るほか、当庁といたしましても、
関東
・
東海地域
における
観測
、
研究
の
強化等
を積極的に進めてまいります。 また、
雪害対策
につきましても、鋭意
研究
を進めてまいります。 第六は、各般の重要な
分野
の
総合研究
の
推進
であります。
原子力
以外の
エネルギー
に関する
研究開発
につきましては、
太陽光エネルギー転換技術
などの新
エネルギー分野
の
研究開発
及び極
低温材料技術
などの
省エネルギー分野
の
研究開発等
を進めるほか、新たに、風力、太陽熱などの
自然エネルギー
を
地域
に適合した形で総合
利用
する
システム
の
実証調査
を開始いたします。
生命現象
の解明とその応用により、広範多様な
分野
における
技術革新
が期待される
ライフサイエンス
につきましては、
人工臓器等
の
研究開発
を
推進
するとともに、遺伝子組みかえ
研究
の一層の
推進
を図るため、
安全性
の
評価研究等
を行う
最高度
の
物理的封じ込め機能
を有する
研究施設
の
建設
に取りかかることといたしております。 また、
航空技術
の
研究開発
につきましては、空港の
効率的利用
を可能にするとともに、
航空機騒音
の軽減に役立ち、将来の
ローカル路線用航空機
の主力として期待されている
ファンジェット短距離離着陸機
の
実験機
の
製作
を、
昭和
五十八年度の完成を目途に進めてまいります。 さらに、
リモートセンシング技術
の
研究開発
、
材料
に関する
研究開発
、
レーザー科学技術
などの
基盤
的な
研究
、
資源
の
総合的利用方策
の
調査
を進めるほか、独創的な
国産技術
の
企業化
を
委託開発
により
推進
することといたします。 第七は、
科学技術振興基盤
の
整備
であります。
科学技術
に関する基本的な
計画
の
策定
、
筑波研究学園都市
における
研究交流活動
の
推進
を図るとともに、高度な知識と多額の投資が集約された
科学技術情報
の効率的な
流通
を図るため、
科学技術情報
の
全国的流通システム
の
整備
を促進いたします。 第八は、
国際科学技術博覧会
の
開催
であります。 巨額の
資金
を要するとともに、
国民生活
の
未来
に大きな
影響
を及ぼす
科学技術
の
振興
を円滑に進めていくためには、
国民
の十分な
理解
と
協力
が得られることが不可欠であります。
昭和
六十年に
筑波研究学園都市
において
開催
を予定しております
国際科学技術博覧会
は、この意味できわめて大きな
意義
を有するものであり、二十一
世紀
を展望し、豊かな
人間生活
を創造する
科学技術
に焦点を当て、
国民
に
未来
への夢と活力を与える構想として、
所要
の
準備
を進めてまいりたいと存じます。 なお、本
国会
におきましては、
国際科学技術博覧会
の
開催準備体制
を
強化
するため、その
開催主体
である
財団法人国際科学技術博覧会協会
に対し、
資金調達
、
人材確保等
の面において
所要
の
特別措置
を定めることを内容とする
国際科学技術博覧会
の
準備
及び運営のために必要な
特別措置
に関する
法律案
を提出いたしておりますので、よろしく御審議いただきたいと存じます。 第九は、
科学技術
に関する
国際協力
の
推進
であります。
科学技術
の
国際交流促進
の
重要性
が一段と高まりつつある情勢にかんがみ、
人類
の繁栄と幸福に貢献するため、
エネルギー分野
及び非
エネルギー分野
における
日米科学技術協力
など
先進国
との
協力
の
推進
を図るとともに、
東南アジア地域等
の
開発途上国
との
科学技術協力
を
推進
してまいります。 以上、
昭和
五十六年度における
科学技術庁
の
施策
に関し、その概要を申し上げましたが、これらの諸
施策
を実施するため、
昭和
五十六年度
予算
といたしまして、
一般会計
三千八十七億円を計上いたしますとともに、
総理府
、
大蔵省
及び
通商産業省
の
共管
による
電源開発促進対策特別会計
におきまして、
科学技術庁分
といたしまして五百九十六億円を計上いたしました。
科学技術
の
振興
は、
国民
の当面する諸問題の
解決
に資することはもちろん、
人類
の輝かしい
未来
を切り開く上で最大の力となるものであります。私は、
科学技術行政
の衝に当たる者として、その使命の重大さを厳粛に受けとめ、
科学技術
の
振興
に誠心誠意努力してまいる
所存
でありますので、
委員各位
の御
指導
、御支援をお願い申し上げをすとともに、
国民
の
皆様
の御
理解
、御
協力
を衷心よりお願い申し上げる次第であります。
太田淳夫
4
○
委員長
(
太田淳夫
君) 次に、
昭和
五十六年度
科学技術庁関係予算
について
説明
を聴取いたします。下
邨官房長
。
下邨昭三
5
○
政府委員
(下邨昭三君)
昭和
五十六年度
科学技術庁予算
につきまして御
説明
申し上げます。
昭和
五十六年度
一般会計予算
におきまして
科学技術庁
の
歳出予算額
は、三千八十七億一千五百万円を計上いたしております。 また、
総理府
、
大蔵省
及び
通商産業省
の
共管
による
電源開発促進対策特別会計
のうち、
科学技術庁分
といたしまして、
歳出予算額
五百九十五億五千五百万円を計上いたしておりますが、両
会計
を合わせた
科学技術庁
の
歳出予算額
は三千六百八十二億七千方円となり、これを前年度の当初
歳出予算額
に比較いたしますと三百五億一千五百万円の増額となっており、その比率は九%増となっております。 この
歳出予算
のほか、
国庫債務負担行為限度額
といたしまして、
一般会計
一千四十六億一千九百万円、
電源開発促進対策特別会計
三百四十五億六千八百万円を計上いたしております。 また、
一般会計予算
の
予算総則
におきまして
原子力損害賠償補償契約
に関する
法律
第八条の
規定
による国の
契約
の
限度額
を一千三百三十五億円にするとともに、
動力炉・核燃料開発事業団法
第三十四条の
規定
により、
政府
が保証する
借り入れ等
の
債務
の
限度額
を八十七億円とし、これを
使用済み燃料
再
処理施設
の
操業費等
の一部に充てることといたしております。 次に、
一般会計歳出予算額
のうち
重要項目
につきまして、その大略を御
説明
いたします。 第一に、
科学技術会議
の
総合調整機能
の
強化
の
一環
といたしまして、従来の
特別研究促進調整費
を
発展
的に解消し、新たに、
科学技術振興調整費
三十三億五千万円を計上いたしました。 この
調整費
は、
科学技術会議
の
方針
に沿って、
わが国
の
科学技術振興
に必要な
重要研究業務
の
総合推進調整
を実施するための
経費
であります。 また、本
調整費
のうち五億円程度をもって、
次代
の
技術革新
を担う創造的な
科学技術
の
シーズ
の
探索研究
を流動的な
研究システム
により
推進
することとしておりますが、これにつきましても、本
調整費
の
総合推進調整
の
一環
として、
科学技術会議
の
方針
に沿って実施することといたしております。 第二に、
原子力研究開発利用
の
推進
といたしまして一千七百四十九億九千二百万円を計上いたしております。 まず、
原子力安全規制行政
の
充実
につきましては、
原子力利用
における安全の
確保
に万全を期するため、
原子力安全委員会
の
機能
の
充実
などに必要な
経費
として二十一億八千七百万円を計上いたしております。 なお、このほか、
日本原子力研究所
における
安全研究
の
推進
など
原子力安全確保対策
の
強化
を図ることといたしております。 次に、
動力炉・核燃料開発事業団
におきましては、
高速増殖炉実験炉
の
運転等新型動力炉
の
研究開発
を進めるとともに、
ウラン資源
の
海外調査探鉱
、
遠心分離法
による
ウラン濃縮パイロットプラント
の
建設等核燃料サイクル確立
のための
研究開発
を進めることとし、これらに必要な
経費
として同
事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ七百八十億三千二百万円を計上いたしました。 また、
日本原子力研究所
におきましては、
原子炉施設
の
安全性
及び環境安全に関する
試験研究
を進めるとともに、
臨界プラズマ条件
の達成を目指した
臨界プラズマ試験装置
の
建設
など、
核融合
の
研究開発
を強力に
推進
することとしております。 また、
多目的高温ガス炉
に関する
研究開発
、
材料試験炉
その他
各種原子炉
による
研究開発
を行うなど、これらに必要な
経費
として、同
研究所
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ七百九十四億二千二百万円を計上いたしました。 さらに、
日本原子力船研究開発事業団
につきましては、
原子力船
「
むつ
」の
遮蔽改修
、総
点検
及び
新定係港
の
整備
のほか、
改良舶用炉
の
研究開発等
を行うために必要な
経費
として六十八億五千六百万円を計上いたしました。 また、放射線医学
総合研究
所におきまして、低
レベル放射線
の
影響
に関する
研究
、
内部被曝実験棟
の
建設等
を進めるため五十億三千九百万円を計上いたしましたほか、
国立試験研究機関
及び
理化学研究所
における
原子力試験研究
並びに民間に対する
原子力平和利用
の
研究
の
委託等
に必要な
経費
として三十四億五千六百万円を計上いたしております。 第三に、
宇宙開発
の
推進
といたしまして八百六十六億六千八百万円を計上いたしました。 まず、
宇宙開発
事業団
におきまして、
昭和
六十年代の
大型人工衛星
の打ち上げに対処するため、
自主技術
による
液酸液水ロケットエンジン
、
慣性誘導装置等
を用いたH−
ロケット
の
開発
に着手することとしております。また、現在、
気象観測
に
利用
されている「ひまわり」に継ぐ
静止気象衛星
二号を
昭和
五十六年度に打ち上げるとともに、前年度に引き続き
通信衛星
二号、
放送衛星
二号、
海洋観測衛星
一
号等
幅広い
分野
の
衛星
の
開発等
の
推進
を図ることとし、これらに必要な
経費
として、同
事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ八百五十三億五千六百万円を計上いたしました。 次に、
航空宇宙技術研究所
における
宇宙開発関連研究
につきましては、
液酸液水ロケットエンジン要素
の
研究
、
衛星基礎技術
に関する
研究等宇宙開発
の基礎的、
先行的研究
を行うために必要な
経費
として七億八千六百万円を計上いたしました。 第四に、
海洋開発
の
推進
といたしまして七十億一千六百万円を計上いたしました。 まず、新
海洋法時代
に対処し、
海洋科学技術
に関する
研究開発
を強力に
推進
するため、
海洋科学技術センター
におきまして、深度二千メートルまで潜航可能な
潜水調査船
を完成させるとともに、三百メートルまでの
潜水作業技術
の
研究開発等
を進めるため、これらに必要な
経費
として、同
センター
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ六十七億八千六百万円を計上いたしました。 また、
関係省庁
の
協力
を得て、黒潮の
開発利用調査研究
、
海洋遠隔探査技術
の
開発研究等
を進めることとし、これらに必要な
経費
として二億三千万円を計上いたしております。 第五に、
防災科学技術
の
推進
といたしまして二十五億四千六百万円を計上いたしました。 まず、
地震予知研究
の
推進
につきましては、
関東
・
東海地域
における
観測
、
研究
を
強化
するため、
地殻活動観測網
の
整備等
を進めるとともに、岩槻、下総及び府中の
深層観測井等
の
既設観測施設
による
観測
・
研究
、
平野部直下型地震
及び
海溝型巨大地震
の
予知研究等
を行うこととし、これらに必要な
経費
として十四億六千三百万円を計上いたしました。 また、
地震防災関連研究
として、
耐震実験
及び
軟弱地盤
の
振動挙動
に関する
研究等
を実施するため一億五千七百万円を、その他、
雪害対策研究等
のための
経費
九億二千六百万円をそれぞれ
国立防災科学技術センター
の
予算
を
中心
に計上いたしております。 第六に、
重要総合研究等
の
推進
といたしまして二百四十億三千三百万円を計上いたしました。 まず、
ライフサイエンス
の
振興
につきましては、
理化学研究所
の
ライフサイエンス推進部
におきまして、
最高度
の
物理的封じ込め機能
を有する遺伝子組みかえ
研究用施設
の
建設
に着手するとともに、
人工臓器等
の
研究開発
の
推進
を行うために必要な
経費
など十一億一千四百万円を計上いたしました。 次に、当庁の
附属機関
のうち、
航空宇宙技術研究所
の
航空技術部門
におきまして、国情にあった
短距離
で
離着陸
が可能な低
騒音
の
ファンジェットSTOL機
の
実験機
の
製作
を前年度に引き続き行いますほか、
航空技術
に関する
各種研究
を実施いたしますため七十五億二千三百万円を計上いたしております。また、
金属材料技術研究所
及び
無機材質研究所
における
材料技術研究開発
のための
各種試験研究
及びこれに関連する
施設
の
整備
のため必要な
経費
として五十二億七千四百万円を計上いたしております。
理化学研究所
につきましては、前述の
原子力関係予算
、
ライフサイエンス関係予算
のほか、
レーザー科学技術
の
研究等
の
各種研究
を
推進
するための
経費
として六十四億六千七百万円を計上いたしております。
資源
の
総合的利用方策
の
推進
といたしましては、
自然エネルギー
の
利用
を
中心
とした
地域エネルギー総合利用
の
実証調査
を行うほか、
資源調査所
における
各種調査等
のため必要な
経費
として三億七千八百万円を計上いたしました。新
技術開発事業団
につきましては、新
技術
の
開発
を効率的に行うとともに、その成果の普及を行うための
経費
として、同
事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ三十二億五千百万円を計上いたしております。 なお、ただいま御
説明
申し上げました
経費
におきまして、
金属材料技術研究所
における極
低温材料研究等エネルギー関連材料研究
、
理化学研究所
における
太陽光エネルギー転換技術
の
研究
など、
原子力
以外の
エネルギー分野
の
研究開発
を実施することといたしております。 第七に、
科学技術振興基盤
の
整備
といたしまして、まず、
わが国
における
科学技術
を長期的な
観点
に立って、
計画
的かつ総合的に
推進
するための基本的な
計画
の
策定等研究基盤
の
強化等
に必要な
経費
として四億八千百万円を計上いたしております。 次に、日本
科学技術情報
センター
における
内外科学技術情報
の収集、整理及び
提供業務
の
充実強化等
、
科学技術情報
の
流通
を促進するために必要な
経費
として四十二億一千八百万円を計上いたしましたほか、
科学技術
の
広報啓発活動
の
推進
に必要な
経費
といたしまして二億三千六百万円を計上いたしております。 第八に、
昭和
六十年に
筑波研究学園都市
において
国際科学技術博覧会
を
開催
するため、
政府出展
及び会場の
計画
、
設計等
に必要な
経費
として七億一千五百万円を計上いたしました。 第九に、
国際協力
の
推進
を図りますため、
エネルギー分野
及び非
エネルギー分野
における
日米科学技術協力
を初めとする
先進国
との
科学技術協力
に必要な
経費
として、
日本原子力研究所
、
理化学研究所等
に四十四億三千七百万円を、また、
東南アジア地域等
の
開発途上国
との
科学技術協力
に必要な
経費
として九千三百万円を計上いたしました。 以上、
一般会計
の
歳出予算
につきまして、その
重点項目
を御
説明
いたしましたが、次に、
電源開発促進対策特別会計
のうち、
科学技術庁分
の
重要項目
につきまして、その大略を御
説明
いたします。 まず、
電源立地勘定
におきましては、
原子力施設
の
立地
を一層促進する見地から、新たに、
電源立地特別交付金
を創設し、
原子力施設
の
周辺地域
の
住民等
に対する
給付金
の
交付
及び
周辺地域
における
雇用確保事業
の
推進
を行うこととし、これに必要な
経費
として六億八千万円を計上するとともに、
関係地方公共団体
の
公共用施設
の
整備
に必要な
交付金
に充当するため二十三億七千八百万円を計上いたしましたほか、
放射線監視対策
、
原子力防災対策
などの
原子力安全対策
の
拡充等
に必要な
経費
として六十三億二千百万円を計上いたしました。 また、
電源多様化勘定
におきましては、
高速増殖炉等
の
新型動力炉
の
開発
、
使用済み燃料
再
処理技術
の
開発
及び
ウラン濃縮技術
の
開発
に必要な
経費
として
動力炉・核燃料開発事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ四百七十八億七千万円を計上するとともに、
廃炉技術
の
開発
、
原子力施設
の
従事者
の
被曝低減化技術
の
開発等
を
推進
する
経費
として二十三億六百万円を計上いたしました。 以上簡単でございますが、
昭和
五十六年度
科学技術庁関係予算
につきましてその大略を御
説明
申し上げました。
太田淳夫
6
○
委員長
(
太田淳夫
君) 以上で
所信
の表明及び
予算
の
説明
を終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
—————————————
太田淳夫
7
○
委員長
(
太田淳夫
君) 次に、
派遣委員
の
報告
に関する件についてお諮りいたします。 先般、当
委員会
が行いました
委員派遣
につきましては
派遣委員
から
報告書
が提出されておりますので、これを本日の
会議録
の末尾に掲載することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
太田淳夫
8
○
委員長
(
太田淳夫
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十八分散会 —————・—————