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1981-05-29 第94回国会 参議院 運輸委員会、地方行政委員会、社会労働委員会、公害及び交通安全対策特別委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年五月二十九日(金曜日)    午前十一時三十分開会     —————————————   出席者は左のとおり。    運輸委員会     委員長         黒柳  明君     理 事                 伊江 朝雄君                 山崎 竜男君                目黒今朝次郎君                 桑名 義治君     委 員                 江島  淳君                 梶原  清君                 木村 睦男君                 高平 公友君                 内藤  健君                 中西 一郎君                 安田 隆明君                 山本 富雄君                 小柳  勇君                 竹田 四郎君                 広田 幸一君                 小笠原貞子君                 柳澤 錬造君    地方行政委員会     委員長         亀長 友義君     理 事                 金井 元彦君                 熊谷  弘君                 志苫  裕君                 伊藤 郁男君     委 員                 岩上 二郎君                 加藤 武徳君                 後藤 正夫君                 名尾 良孝君                 原 文兵衛君                 福田 宏一君                 小山 一平君                 佐藤 三吾君                 和泉 照雄君                 大川 清幸君                 小西 博行君                 神谷信之助君                 美濃部亮吉君    社会労働委員会     委員長         片山 甚市君     理 事                 遠藤 政夫君                 佐々木 満君                 高杉 廸忠君     委 員                 石本  茂君                 斎藤 十朗君                 関口 恵造君                 田代由紀男君                 村上 正邦君                 森下  泰君                 渡部 通子君                 沓脱タケ子君                 柄谷 道一君                 山田耕三郎君    公害及び交通安全対策特別委員会     委員長         山崎  昇君     理 事                 山東 昭子君                 増岡 康治君                 坂倉 藤吾君                 馬場  富君                 沓脱タケ子君     委 員                 石本  茂君                 板垣  正君                 大石 武一君                 加藤 武徳君                 梶原  清君                 亀長 友義君                 坂野 重信君                 関口 恵造君                 内藤  健君                 森下  泰君                 山崎 竜男君                 高杉 廸忠君                 戸叶  武君                 本岡 昭次君                 中野 鉄造君                 江田 五月君                 美濃部亮吉君    国務大臣        厚 生 大 臣  村山 達雄君        農林水産大臣   亀岡 高夫君        運 輸 大 臣  塩川正十郎君        自 治 大 臣  安孫子藤吉君        国 務 大 臣        (環境庁長官)  鯨岡 兵輔君    政府委員        環境庁企画調整        局長       藤森 昭一君        環境庁大気保全        局長       三浦 大助君        環境庁水質保全        局長       小野 重和君        厚生省環境衛生        局長       榊  孝悌君        厚生省環境衛生        局水道環境部長  山村 勝美君        水産庁次長    山内 静夫君        通商産業省立地        公害局長     松村 克之君        運輸大臣官房審        議官       小野 維之君        運輸省港湾局長  吉村 眞事君        建設省都市局長  升本 達夫君        自治大臣官房審        議官       大嶋  孝君        自治大臣官房審        議官       矢野浩一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        高池 忠和君        常任委員会専門        員        今藤 省三君        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        通商産業省立地        公害局公害防止        指導課長     飯田 善彦君        通商産業省機械        情報産業局電子        機器電機課長   田中 達雄君        建設省計画局建        設業課長     北村広太郎君        建設省都市局下        水道部下水道企        画課長      幸前 成隆君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○広域臨海環境整備センター法案内閣提出、衆  議院送付)     —————————————    〔運輸委員長黒柳明委員長席に着く〕
  2. 黒柳明

    委員長黒柳明君) ただいまから運輸委員会地方行政委員会社会労働委員会公害及び交通安全対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が連合審査会会議を主宰いたします。  広域臨海環境整備センター法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしましたとおりでございますので御了承のほどをお願いいたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次柳発言願います。
  3. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 質問に入ります前に、実は質問通告をいたしました際に、この法案にかかわります計画が、漁業関係環境に大きな影響を及ぼし、大変重要な意味を含んでおりますので、ぜひ農林水産大臣出席を要求をいたしました。ところが、衆議院におきます連合審査関係で、きわめて重要な、予算委員会に次ぐ性格のもの、こういうふうな釈明がございまして、したがってその委員会が重要であろうという判断をいたしまして、やむを得ず大臣出席についてはそれ以上追及をしなかったわけでありますが、どうも聞くところによりますと、衆議院の方の委員会がどうなっておるのか、この辺定かではありませんけれども、もし農林水産大臣が、衆議院の方の連合審査が行われていなくてこちらに出席のできる余地があるものなら、ぜひ質問時間中に出席をいただきたい、お願いをいたします。  それでは、初めに環境庁関係質問からいたしたいと存じます。  このフェニックス計画具体化をいたしますと、陸上輸送に伴って生じる大気への影響あるいは臭気、排ガス、騒音及び積み出し基地周辺におきます大気への影響埋立地における自然発生ガス並びに処理施設そのものの稼働に伴って生じる埋立地での大気への影響、こうしたものがきわめて著しい、こういうふうに考えるんですが、これは環境庁として大気への影響について、いま申し上げました輸送、積み出し基地周辺あるいは埋立地自体大気への影響についてどういうふうにお考えになっているのか。さらに、その事前チェック等についてはどういう手段でこれをチェックしようとするのか。この辺の説明をまず第一にいただきたい。
  4. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) ただいまの問題につきましては、過去にも幾多その事例がありましたし、これからも委員申されたとおり予測されることでございます。重大な関心を持っておりますが、大気局長が来ておりますから大気局長からお答えさせます。
  5. 三浦大助

    政府委員三浦大助君) 先生御指摘のとおり、廃棄物埋め立て処分に際しましては、大気汚染につきましてもいろんな影響があるわけでございまして、特に廃棄物運搬につきまして、運搬車両から出てまいります排出ガスによる大気汚染それから騒音、振動、こういうものがございます。さらに、廃棄物の種類や埋め立て処分方法によりましては、廃棄物の飛散、埋立地から発生いたしますメタンガス、それから悪臭の問題があるわけでございますが、したがいまして、本法案の運用に当たりましては、関係法例に基づく所要の措置が講じられますように私どもしなきゃならぬわけでございます。  環境庁といたしましては、広域臨海環境整備センター基生計画策定協議におきまして、関係省、まあ厚生省運輸省でございますが、大気汚染の問題を生じないように適切な措置を求めていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  6. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 さらに大阪湾海域というのは、環境基準として三つ類型、さらにそれがA類型におきましては三区分、したがって合計で五区分されて、陸地に近いところはいわゆるC類型、そのC類型のさらに沖合いB類型、それからB類型沖合いがいわゆるA類型、こうなって分かれておるわけであります。で、A類型大阪湾三、四、五、こういう区画がなされておると思うんです。  そこで、今回のこのフェニックス基本計画調査、これによりますと、運輸省ケース、これは六つのうち一ヵ所を除きまして五ヵ所はこれはC類型あるいはB類型、それから厚生省調査によりますところの六ヵ所、この位置というのは、少なくともいま言いましたようにCあるいはB、あるいはCとBの境、こういうような形に分けられると思うんです。そうしますと、そういう条件一つあって埋め立てが行われる。  さらに大阪環境をながめてみましたときに、大阪湾に流れ込んできます河川というのは、淀川、大和川、それから大津川、石津川、これらがあるわけですが、これは環境庁あるいはまた大阪自体基準を定めておるわけですが、その基準自体がDまたはEという最も汚れた河川基準適用されておる。ところが、その汚れた河川適用がされておりながら、実は淀川を除いてその他の河川はすべてこの基準達成、こういう状況判断ができるわけであります。そうした条件の中でこのフェニックス計画に基づく護岸が行われるということになったときに、ますます大阪湾全体の環境基準というものは悪化をするだろう。悪化をすると同時に、いま総量規制が採用されまして、これがいよいよ具体的に動き出すという、言うならばきれいにしていこうという努力自体に水をかけるということになり、この港湾基準達成そのものが未来永劫に達成ができないんじゃないのかというような心配が生じるわけでありますが、これに対して環境庁はどういうふうにお考えでしょうか。
  7. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) これはきのうの委員会でもお答えをいたしましたが、大阪湾に限らず東京湾にしてもどこにしても、原則としては環境庁埋め立てというものを喜んでいるわけじゃない。埋め立てはしてもらいたくない。しかしながら、いろんな事情でどうしても埋め立てしなければならないという場合はありますから、これはもうお察しのとおりでございますが、そういう場合には、たとえば瀬戸内海であれば瀬戸内海法律が、決めていただいた法律があります。それから公有水面埋め立て法律もあります。そういう法律に基づいて詳細に計画を立てるときに、被害が最小限にとどまるように私ども考えていかなきゃならない。基本的にはそう考えているわけでありますが、これまたせっかくの御質問でございますし、重要なことでございますから、局長からお答えさせます。
  8. 小野重和

    政府委員小野重和君) 御指摘のとおり、大阪湾における候補地といいますか、候補水域でございますが、厚生省運輸省それぞれの六つずつの案がございますけれども、B、Cが大部分でございまして、Aが一ヵ所ある、こういうような状況でございます。で、C類型水域につきましては環境基準を満たしておるわけでございますが、B、Aにつきましては必ずしもそうではないという状況があるわけでございます。そういう状況でございますし、しかも大阪湾につきましては瀬戸内海法律適用を受けるわけでございまして、そういう意味におきまして、私ども、その埋め立てによって水質に及ぼす影響につきましては重大な関心を持っておるわけでございますけれども埋め立てによって全く影響がないかというとそれは必ずしもそうは言えないかと思いますけれども瀬戸内海埋め立て基本方針がございますが、そこにありますように、できるだけ軽微にとどめるという基本的な考え方で臨みたいと思っておるわけでございます。具体的には埋め立て護岸からはしみ出さないように、またその余水でございますが、これを十分にきれいにしていただきまして、それでそれを海に流すという形にしていただきたいと思うわけでございますが、さらに総量規制がこの水域にあるわけでございまして、そういう総量規制のこれも適用を当然受けるわけでございます。削減の対象になるわけでございまして、総量規制につきましては従来の同じような埋立地よりももっと新しいものでございますから、厳しい基準、これを適用してまいりたいと思っておるわけでございますが、具体的には、計画協議の際にそういう基本的な方針に沿って十分に検討いたしたいと、かように存じております。
  9. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 いまの水局長答弁にありましたように、この計画は規模的にも初めてでありますし、さらに埋め立てをする廃棄物自体につきましてもこの種のケースというのは非常にいままでにないケースだと、こうなるわけであります。しかも、総体的に環境庁としては埋め立ては好まないけれども、やむを得ない場合についてはこれは認めざるを得ない。ただ、そこで認めざるを得ないという場合に、付近の環境がどういうふうに影響されるかということとの整合性の問題、きわめてむずかしい課題だろうと思うんですね。やむを得ないからきたなくなることは承知の上でそれをしなきゃならぬという判断に立つとすると、これはもう環境行政そのものは私はおしまいだろうと思うんです。  そうしますと、瀬戸内法が仮に埋め立てを少なくしていこう、場合によってこれは禁止をしよう、こういう前提で、しかし、やむを得ないからということで、その後の小規模の埋め立てについては環境庁としても審査をしながら承認してきた、こういうケースがたくさんあるわけですね。ただしかし、私は、じゃ承認をした埋立地がどういう品物によって埋め立てられ、埋め立てられた護岸環境にどう影響したのかという実際の調査をどこまで環境庁が掌握をされておるのか、そういう調査をしたことがあるのかどうか、調査をしておればその調査に対する評価というものは、こういうケースの場合にはこういうふうに環境影響を及ぼすということは環境庁がきちっと持っているのかどうか。持っておればこれをきっちり出してもらいたい。  それから同時に、このフェニックス基本計画が出てきた段階で相談に乗るというが、その基本計画評価をする判断基準というものは、従来のそういう経過を踏まえて、十分な科学的データを備えながら環境庁としての評価というものがなければ私は評価ができないと思う。ここはきわめて重要な問題でありますので、その辺についての調査を行ったことがあるのか、行ったとすればその経過はどういうふうになっておるのか。これは口ではなかなか説明できないと思いますから、もしそれがまとまっておればきちっと資料で提示をしてもらいたい、調査結果について。そして、同時にまた、そのことに基づいて総体としてはこのフェニックス計画に関してあらかじめ環境庁はどういう物差し適用しようとしておるのか、ここの点を明らかにしておいていただきたい。  それからもう一つ申し上げておきますが、個々埋め立てがなるべく少なく済むようにという配慮は環境庁は基本的に持っておるようでありますが、この計画企画をされたときに、個々港湾管理者が、センターによる企画とは別に、自分のところの権限に基づいて独自に小規模の埋め立て自分の受け持ちの港湾区域のところに行われていくという問題についてはどういうふうにお考えになっているのか、広域にこのものが計画をされた場合に個々のものは禁止をするのかどうか、この辺は環境庁はどうお考えになっているのか、さらにその辺の問題は運輸省からも答弁を求めたい。
  10. 小野重和

    政府委員小野重和君) まず第一点の埋立地ができてからその後のアフターケアの問題でございますが、私ども自身としてはその埋立地から出る水についての具体的なチェックということを必ずしも私どもの方ではやっておりません。水質自体がどういうふうになっているかということは常に調べておりますけれども排出水自体チェックというのは必ずしも私ども自身ではやっておりませんが、必要に応じて関係のところから報告を求めることはできると思いますが、具体的にはいま私どもやっておりません。  それから、フェニックスについての物差しということでございますが、これはもう御案内のとおりでございますけれども廃棄物埋め立てる場合には一つ基準がございまして、その基準のうちいわゆる管理型の構造、これが適用になると思いますけれども、要するに、特に排出水についてのそれを一個所に集めてきれいにして出すというそういう管理型の基準がございますので、この基準によって管理型でいく、その場合の汚濁といいますか、水質につきましては、これは先ほども申し上げましたようにその水域における一般の水質規制状況、特に総量規制関係がございますので、そういう観点で臨みたいと思います。  それから、小規模の埋立地の問題でございますが、これは具体的にどういう形になるのか必ずしも私どもよく現段階では把握しませんが、個別具体的に計画が出てくるものでございますので、その段階においてこの水質に及ぼす影響につきまして十分検討いたしたいと存じます。
  11. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 運輸省答弁の前に、総体のものが計画をされまして、しかも個々に出てくるものというのは考えないで判断をしているというのは、大変なぼくは過ちを犯すと思う。同時に、いままで認可をした埋め立て関係がどういうふうに具体的に影響を及ぼしているかということを追跡調査をしていない、環境庁として。これはきわめて私は手落ちだと思う。そういう実績を踏まえながら科学的にこの問題についてはこうだという判定ができなくては、私は環境庁任務は勤まらぬと思いますよ。少なくとも現実的なものが進もうとするときに、それを科学的に分析をし、科学的な根拠に基づいてこの問題については環境庁の見解を述べる、それが環境庁の私は第一の任務だと思う。ぜひ今後は、時間の関係がありますから打ち切りますけれども、その辺は大気におきましても水質におきましても、そのポイントは忘れないようにぜひ注文をつけておきたい。  次に、建設省関係に入りますが、下水処理及び汚泥に関して私はお尋ねをしたいと思います。この下水処理になりますと、一つ処理をする場所いわゆる処理場に対して受け入れる流入水の質、これは調査をしたことがあるのかどうか、これがまず第一点。  それから、処理能力いわゆる下水処理場受け入れ能力処理能力受け入れ流量についてはどういう状況になっておるのか、これが二つ目の問題。  三つ目の問題は、処理汚泥いわゆる水処理をしまして残る汚泥、これを脱水をしてスラッジケーキにするわけですが、そのスラッジケーキ性状分析というものは今日調査をされておるのかどうか。  それから四つ目の問題は、汚泥焼却をしておる施設があるわけですが、この焼却をする汚泥性状分析調査を行っておるのか。同時に、焼却をした場合に空中に重金属その他がいわゆる温度によって溶解をしまして拡散をしていくわけですが、この空中拡散される重金属有害物質等についてのデータというものは整えておるのかどうか。それからさらに焼却した後の焼却灰性状分析、あるいは焼却灰最終処分方法についてはどのように行われておるのか、調査をしておるのかどうか。  この辺の把握が整っていないと、私はこれは下水処理に関して、たとえこの水の排出基準がどうのこうのという問題ではなくて大変な要素を含んでおると思うんですが、この調査状況について、やっているかやってないか、それだけで結構ですからお答えをいただきたい。
  12. 升本達夫

    政府委員升本達夫君) お答えいたします。  いろいろおただしでございましたので、あるいは順序が若干不同するかもしれませんけれどもお聞き取りをいただきたいと思います。  まず、工場排水処理場への流入水質流入下水水質についてのデータ把握しておるかというおただしでございましたけれども、これは流入水質については統一した把握をいたしておりません。  それから次におただしでございましたのは、流入下水量処理能力をオーバーしているということはないかということにつきましても、統一的なデータとして取っておるわけではございませんが、そういう例があるということは承知をいたしております。
  13. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 調査をしてないわけだな。
  14. 升本達夫

    政府委員升本達夫君) はい。  それから脱水汚泥重金属が混入している度合いについてのデータはあるかというおただしでございましたが、これにつきましては東京都の下水汚泥処理調査委員会でまとめた答申がございまして、これによりますと、東京都の各処理場についてのデータがございます。  それから汚泥焼却いたします場合の汚泥中の重金属大気中に拡散すると、そのデータがあるかというおただしでございましたが、これにつきましても、ただいま御紹介申し上げました東京都の調査委員会データがございます。  それから焼却した後の焼却灰についての重金属分析データでございますが、これも同様にございます。  それからあとは埋め立て方法のおただしがございましたでしょうか。
  15. 坂倉藤吾

  16. 升本達夫

    政府委員升本達夫君) 放流水につきましては、御承知のように法律をもって規制をされておりますので、それが守られるべく努力をいたしておるわけでございまして、それは必要に応じてデータを御報告できると思います。
  17. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 そうしますと、建設省下水道部としては、東京都の五十四年に行ったこの調査が唯一のデータであって、独自の調査はしてないと、こういうことになるわけですね。わかりました。  そこで、下水有機分重金属あるいはシアン、こうした有害物質が含まれるその原因究明は行われておりますか、どうでしょうか。
  18. 升本達夫

    政府委員升本達夫君) これもいろいろな機会に調査をいたしておりますが、直接には東京都の下水汚泥処理調査委員会の答申の中でその流入原因についても分析をいたしております。
  19. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 そういたしますと、下水汚泥の再資源化あるいは汚泥の肥料化、こうしたものが一部にあります。まだ全体の汚泥から見ますとごく一部なんですね。しかし、全体をそういうふうに再資源化、いわゆる汚泥の肥料化等に一つのプラントでもってやっていこうとするときに、やはりじゃまになるのがたとえば調査によって明らかになってきております重金属である、あるいは有害物質である、こういうことに相なろうと思うんです。  そうしますと、これらはその流入を阻止しなければ——本来なら汚泥そのものが再資源化ができるのに、再資源化のできる量が圧倒的に、あるのに、ごく一部の重金属流入することによって結果的にその再資源化をだめにしている。こういうことになるわけですが、この辺についての流入をさせないための検討、これは行われておるのかどうか。
  20. 升本達夫

    政府委員升本達夫君) おただしのように下水汚泥の再利用の状況でございますが、現在約三十一万立米の処理汚泥量がございますが、約一三%が緑農地に利用されているという状況でございます。緑農地利用が少ない理由としてはいろいろございますけれども、そのうちの一つといたしましては、おただしのように重金属類が含まれているということが障害になるという点がないとは言えないわけでございます。  そこで、その場合の重金属がその汚泥に混入しないようにする手だてとしてどのような方策を講じているかというおただしでございましたけれども、これにつきましては、下水道法の中で重金属類を排出するような汚水排出者——工場等につきましては、下水排出する前の段階で各工場内において前処理をしていただきまして、この重金属を流れ込まさないように努力をしていただくことを義務づけております。この実行を担保いたしますために、工場内にいわゆる除害施設の設置を義務づける。それから、それに違反いたしました場合に、直に罰則を科するような直罰制度、あるいはさらに施設の改善命令、監督処分、あるいは事前の届出制等のあらゆる手段を講じてその担保を図るように法制度上整えられておりますし、また実際にこの施設の設置を促進いたしますために、低利融資あるいは税制上の措置等をもって誘導策を講じておるわけでございます。これがたてまえでございます。このたてまえのように現実にはなかなかいってないではないかというおただしであろうかと思います。  その点につきましては、私どもさらに直接の監督の義務のございます地方公共団体と十分連絡指導をいたしまして、この実効が上がるように努力をいたしてまいりたい。やはり直接には重点監視ということを励行してまいりたいと申しますことと、また、この監視機器の開発ということも一つの手だてじゃないか。このようなことを十分努力をいたしまして、実効が上がるようにいたしてまいりたいと、かように考えております。
  21. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 これは前々から私が建設省に言っておりますように、下水道であります。管が全部土の中に埋まっているんですね、目に見えるところにない。しかもそこに重金属が入るその流入口、全部それに受け入れているそのシステム自体が問題じゃないのか。そこをえぐらなければこの重金属を排除するという話にならぬだろう。ここの点の検討がいつまでたっても加わっていない。法のたてまえがあります。たてまえどおりいっていれば問題はないんです。今日このフェニックス計画の中で大きないわゆる汚泥の処分量が入ってくるんです。なぜこれをわざわざ埋立地をつくって汚泥を受け入れなければならぬのか。もっと有効な再資源化のできる方法があるんじゃないか。もし埋立地に金を使うならば、その辺の処理が何でできないのかということが、これは単純な疑問なんですよ。  少量のいわゆる重金属有害物質によって大量の有効な資源というものがみすみす捨てられていかなければならない。しかも捨てられた後がなおかつ第二次公害、三次公害につながるような危険性さえも生じてくる。これはもう私は人間の英知をしぼってでもそのことを食いとめなければならぬのじゃないのか。それが私は下水道部としての担当の事項である、こういうふうに断言をします。ぜひこれは真剣にその流入をさせないようなそういう手だてについて、法体系も含めて検討いただきたい。  しかも、これはたてまえの問題じゃなくて、実行上それが守られてない。なぜ守られてないのか。私は時間の関係で多く言いませんけれども、結局、その処理をすれば薬品投入だとかあるいはエネルギーを使わなきゃならぬとか、こういう立場から多大の費用がかかる。費用がかかるから、せっかく目に見える設備をしてもその設備を動かさないで流し込んだりいろいろするからよけい問題が出てくるんではないか。ここのところをきちっと現実に備えて対処をしなけりゃならぬ。それが、たとえば本年度の警察白書で、ここに警察の立場で公害事犯の分析がされておりますけれども、ともかく安上がりにしようという思想が残っている限り、私はどれだけたてまえの論議を正確にいたしましても防止ができない。これをきっちりやっていくための対策というものがやっぱり制度的にも組み立てられて、そして貫徹をされなければいかぬ、ここの問題でありますから、ぜひひとつ建設省は、担当局としてきちっと踏まえて対処してもらいたい。  時間がありませんから、次に進みます。  農水大臣はどうなったですかね。
  22. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 本省からこちらに向かっている途中です。  速記ちょっととめてください。    〔速記中止〕
  23. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 速記を起こしてください。
  24. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 このフェニックス計画に対する運輸省調査によりますと、東京湾関係、これでは富津、それから横須賀以北で神奈川県に漁港が四港、千葉県に五港、合わせて九港ございます。  漁獲量は、千葉県全体では増加をしておるけれども東京湾水域は激減をしている。神奈川県は激減まではいかないけれども低減をしている。これが資料にあるわけです。  大阪湾では漁業経営体数が五十一年度二千五十一体、沿岸営業の漁獲高は年間約八万トンで日本の沿岸漁業の二・八%に当たる、こう報告をされております。  こうした漁業の状況に対して、新聞報道がありましたように、浦安沖千二百ヘクタール、西宮沖八百ヘクタール、こうした大規模の廃棄物埋め立て護岸というものが計画をされる、しかも長期にわたってそこで作業が続く、こういうことに相なるわけです。したがって、これは漁業に与える影響というのはきわめて大きい、こう判断をするんですが、この法案提出に当たって農水大臣は、閣議の中でどういう立場でこれに賛成をされたのか。
  25. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のように広域廃棄物関係法案提案に当たりまして、私の立場といたしましては水産業者、漁業者の利益を守るという立場を一番重点的に考えてきたところでございます。  御承知のように、東京湾約四万トン年間水揚げをいたしておるわけでございますので、これらによって生計を立てておる漁業者の諸君の立場というものは十二分に考えなければならぬことはもう申すまでもございません。したがいまして、漁業環境への影響が事前に十分調査をされ、漁業に対する影響を最小限にするための対策が十分に講じられるという前提のもと、また、関係漁業者の納得がございませんと、この種埋め立て事業は全国の例に照らしましても円滑にいかないわけでありますので、やる以上は十分な漁業者の納得を取りつける、こういう立場で、それを前提として法案に同意をした、こういうことでございます。
  26. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 そういう立場で厚生省運輸省と農水省は協議文書を交わされた、こう理解していいわけですね。  そこで、この協議文書の中に、「広域処理場の建設は、関係漁業者の了解を得た上で行われるよう、センターを指導するものとする」、こうあるわけですね。これは協定の第三項です。この協定は、センターが必ず事前に漁業者の了解を得るという担保になりますか。私はこれはならないと思うんです。なぜならば、運輸省厚生省センターを指導するんでありまして、指導することについての担保は、これは農水省が私はおとりになったと思う。しかし、厚生省運輸省センターを指導しましても、センターがその指導を受けるかどうかはセンター自体の問題でありまして、したがってこれは担保にならない。  むしろ、厚生省、運輸と農水省が、いま言われました趣旨をきちっと生かすんなら、センター設立後基本計画を樹立をし、あるいはこの実施計画具体化をする以前の段階の問題として、その基本構想が練り上がってきた時点で、私はセンター自体が発足をすると同時になるべく近いうちに漁業者と話を詰める。そして、農水省がセンターとむしろ協定が結ばれる、こういうことを厚生省運輸省に担保をさせるべきじゃなかったんでしょうか。いかがですか。
  27. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 厚生省運輸省も同じ政府でございまして、農林水産省といたしましては、先ほど申し上げたように漁業者の立場というものを十分考慮をして対処をするということが私どもの仕事でございますので、今日までいろいろこの漁業者と、いわゆる沿岸もいろいろと利用していく立場の方々とのあつれきと申しますか、争いと申しますか、そういうものを解決するために、戦後いろいろと体験もし、経験もし、そうして、いかに漁業権を守るか、その生活権を擁護していくかということについて、十分わが省といたしましても経験も持ち、やっておりまして、常に漁業者の立場を貫いてきておるということを十分認識してやってまいりますので、やはり厚生省あるいは運輸省につきましても、あるいは環境庁につきましても、もう十分そういう点は、事前の連絡はとれるわけでございますので、私は、漁業者がこのために生活権に非常な影響を受けるというようなことは絶対にないように努力するのは、これは私の仕事であると、こう考えておりますので、その点、御理解いただきたいと思います。
  28. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 そこで、じゃもう少し具体的にお聞きをしますが、もう私の時間がほとんどありませんので、まとめて質問いたしますから、きちっと答弁をしてもらいたいと思うんです。  この関係漁業者というのは、漁業者個々のすべてを指すんでしょうか。あるいは漁業者とは漁業団体の単位を指すんでしょうか。あるいは漁業者というのは、これは一部が仮に了解をしなくってもどの程度の者が了解をしたら全部了解したというふうになるんでしょうか。すべてなのか、一部なのか、この辺のところはどう詰まってるんでしょうか。それが一つです。  それから、遊漁に対するところの問題というのは、農水省としてはどうお考えになっておるのか、遊漁の問題。  さらに、協議文書の第四項にかかわって、大阪湾東京湾港湾区域、この港湾区域は拡大してもらっては困るというのが農水省の立場ですね。ところがこの大阪湾東京湾港湾区域、ここには現在の港湾区域と拡大予定区域というのがもうすでに明らかになっている。ここの観点は御承知の上で、農水省はこの協議をせられておるのか。そういたしますと、このすでに引かれておる港湾区域、拡大予定区域を前提にしてこの第四項というものが締結をされたのかどうなのか。この辺はきちっとひとつ答えてくれませんか。これは大臣協議したんでしょう。
  29. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 事務的でございますので、当局から説明をさせます。
  30. 山内静夫

    政府委員(山内静夫君) 第一点の関係漁業者の関係でございますが、現在組合法等におきまして、全員の同意ということでなくて、組合員の三分の二の同意と、こういうかっこうで漁業権の放棄と、こういうかっこうが行われているわけでございます。したがいまして、少数意見は無視するわけではございませんが、法律的には三分の二の同意と、こういうことが原則になっているわけでございます。  次に、遊漁の問題でございますが、遊漁者につきましても、漁場確保と、こういう意味から当然漁業者と同様な配慮がなさるべきであると、こう考えているわけでございます。  それから覚書の第四項の港湾区域の拡大につきましては、覚書にはっきり書いてありますように、「広域処理場の整備のみを目的」とするような港湾区域の拡大につきましては協議するということでございますが……
  31. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 そんなこと聞いてるんじゃない、予定があるのかどうか。
  32. 山内静夫

    政府委員(山内静夫君) それにつきましては、わが方としては極力これに反対と、こういうかっこうで今後も続けていきたいと、こう思っているわけでございます。
  33. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 時間は来ていますがね、いまのでは答弁にならないんです。たとえば漁業者の三分の二というのは、それは組合単位の問題でしょう、みなすのは。そうしますと、幾つかの漁業団体があるわけですよ、広域の中に。じゃ、その団体の一団体がこれも三分の二でいくんですか。たとえば十の漁業団体があったときに、七つの漁業団体が賛成をしたら、三の漁業団体が反対をしておってもこれはそれで成立すると言うんですか、そこのところは答えてないじゃありませんか。  同時に、遊漁の問題どうなんですか。さらにまた予定港湾の場合に、知っておったのか知らなかったのか。  これちょっとお見せしましょう。(資料を示す)いまお見せをしましたように、明らかに現在の港湾区域、それから今度のセンター法によって拡大される範囲を含めた港湾の予定区域になっているんでしょう。そのことを承知をして先ほどのような答弁をされるんですか。そうすると、この協定というのは一体どうなっているんですか、運輸省にだまされたっていう話になるんですか。そういう資料も見ないで、資料を見りゃ一遍でわかるんですよ。資料も見ないでこれらの協議をやっているところにきわめて形式的であり、しかも基本計画に問題があっても、でき上がってしまえばそのことで通ってしまいますよ。そこの危険性を、じゃ漁民を守る立場で農水省は一体どうするのか。先ほども言いましたように、環境庁の場合は環境庁は一体どうするのか。ここのところをしっかり押さえてもらいませんと、私はきわめて不安でならぬのです。もう一遍答弁してください。
  34. 山内静夫

    政府委員(山内静夫君) 第一点の関係漁業者の関係でございますが、一組合単位におきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、関係漁協、漁民が多数集まった場合には、関連の漁連あるいは全漁連等におきましてこの問題について賛否を問う、こういうかっこうになると、こう理解しているわけでございます。  それから港湾区域の拡大の件につきましては、覚書を交わした当時、わが方としては、こういう計画については両省から通知を受けなかったわけでございます。先ほど来申し上げておりますように、これからの港湾区域拡大につきましては、協議段階において漁業に影響がないような方向で対応してまいりたいと、こう考えているわけでございます。
  35. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 運輸省、ちょっと答えてください。
  36. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) お答え申し上げます。  ただいまの予定港湾区域は、港湾審議会で決定を見ておる予定の区域でございまして、このセンター計画がまだ生じてまいります前に決まったものでございます。それで多分御存じなかったかと思いますけれども、この港湾審議会には農林省が入っていただいておりますので、古いことであるいは御存じなかったかもしれませんが、農林省としては御存じいただいておると思っております。
  37. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 委員長、いまの法案の基本的な問題について、運輸省と農林省が事前の協議が全然食い違った中で運輸省、農林省が答弁してますから、法案に重大な関連をする問題でありますから、それを調整して再開冒頭答弁をしてもらいたい、こういう要求をいたします。ひとまず休憩。
  38. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 大変申しわけないんですが、一番最後の質問でこういう食い違いが出てしまいました。したがって、質問いたしました当事者としても、この両省の食い違いをそのままで質問のしっ放しというわけにまいりません。したがって、休憩時間等を利用していただいて、午後再開冒頭に両省の明確な今日までの経過、それから同時に統一をした一つの見解、これを明らかにしていただきたい。このことをお願いをしておきます。私の質問時間は終わっておりますんで、あわせてそのことについて、本来はさらに質問をいたしたいわけでありますが、終わっておりますから質問は遠慮いたします。
  39. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十五分まで休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      —————・—————    午後一時三十七分開会    〔運輸委員長黒柳明委員長席に着く〕
  40. 黒柳明

    委員長黒柳明君) ただいまから運輸委員会地方行政委員会社会労働委員会公害及び交通安全対策特別委員会連合審査会を再開いたします。  休憩前に引き続き、広域臨海環境整備センター法案を議題といたします。  まず、坂倉君の午前の質疑に対する政府側の見解を求めます。塩川運輸大臣
  41. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 御指摘の神戸港、尼崎・西宮・芦屋港の港湾計画において示されました予定港湾区域は、今回のフェニックス計画を前提としたものではございません。  なお、広域処理場の建設に関する港湾区域の拡張につきましては、両省間で協議をすることといたしております。
  42. 坂倉藤吾

    坂倉藤吾君 終わります。
  43. 黒柳明

    委員長黒柳明君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  44. 渡部通子

    ○渡部通子君 ごみ処理問題につきましては、特に大都市圏での処分地の確保、これは大変むずかしいものでございまして、各自治体が御苦労しているところでございます。私の地元の兵庫県でも、阪神の六市が県と一緒になりまして、公社をつくって、海面埋め立てによって廃棄物焼却灰処理をしておりますけれども、それも数年後には満杯になるので、何とかしなければならないと、こういう実情にあることは事実でございます。  そこで伺いますが、大阪湾圏域におきまして広域処理対象区域、そう想定をしているところは具体的にどこでございますか。
  45. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 広域処理対象区域の指定につきましては、今後厚生大臣が運輸大臣協議し、かつ知事、市町村と意見を聞いて決めていくわけでございまして、現在のところまだ確定はいたしておりませんが、これまでの調査結果、あるいは地元公共団体の要望等に基づいて判断いたしますと、滋賀県南部、京都府南部、奈良県北西部、大阪府全域、兵庫県南部、和歌山県北部の区域においては広域処理の必要性が生じているという判断をいたしております。なお、今後、市町村と相談しながら決めていきたいと思っております。
  46. 渡部通子

    ○渡部通子君 そこで、広域処理場の位置とか規模、これはだれがどのようにしてお決めになりますか。
  47. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 広域処理場の位置、規模は、今後センターの作成いたします基本計画におきまして決定されるものでございます。  具体的な位置につきましては、いま申し上げましたようにセンターが今後必要な調査を行いまして、関係地方公共団体あるいは関係港湾管理者と協議をし、かつ地元関係者の了解を求めて定めることになります。また、規模につきましても、一般廃棄物につきましては、市町村の処理計画等をもとにいたしまして広域処分を必要とする量を取りまとめまして、また、その他の廃棄物につきましては、府県等と協議しながら必要な調査を行いまして必要量を決定することといたしております。
  48. 渡部通子

    ○渡部通子君 その点につきましては、後半でもう少し伺いたいと思っております。  そこで、両省の共同構想については、大阪湾で十年間で八百ヘクタール、東京湾で千二百ヘクタール、これが必要だということになっておりますけれども、これについては地方公共団体の意向は十二分に反映されているものかどうか。それから、この規模がどれくらいが大きくてどれくらいが小さいなどという判定はなかなかできるものではありませんが、まあ環境の問題から申しましても、余り大きく埋め立ててはどうかという考えもあるわけでございまして、この規模の決定というものを地方の自主的な判断に任せてはどうかと、これを要望したいと思います。  特に、土地造成を優先させて、広域処理場で埋める必要のない土砂で埋め立て空間をつぶしてしまうようなことがないかどうか。これは運輸省に確約をお願いをしたいと思います。
  49. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 八百ヘクタールあるいは千二百ヘクタールにつきまして、地方公共団体に意向を聞いておるかというお尋ねでございますが、現在の構想につきましては、関係地方公共団体の協力を得て調査をしてまいりまして、その結果につきましても、関係地方公共団体の意見を聞きながら取りまとめたものでございます。  で、とりあえず大阪湾につきましての八百ヘクタールという数字につきましては、予算要求をする段階で近畿圏の主な地方公共団体の了解のもとに発表をしたものでございますが、いずれも事業化される段階におきましてセンターが再調査をいたしまして、御趣旨のような、できるだけ土砂を入れないとかあるいは減量するとかいうような趣旨も踏まえまして再検討されるものというふうに御理解いただきたいと存じます。
  50. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 八百ヘクタールの予定をいたしておりますが、これが果たして一ヵ所に集中するのかあるいはまた数ヵ所に分割するのかということ等は、センターがやはり再度調査いたしまして決定することでございまして、規模がやたらに大きくなるということ、そのことはまあいろんな問題を起こしますしいたしますんで、われわれも十分に必要なものを確保いたすように努力いたしたい。  それから、よけいな泥を入れて早く埋め立ててしまうのと違うかというお話でございますが、それはやはり基本計画を出しますときに、どういうものを入れるかということをちゃんと協議いたしましていたしますんで、決して埋め立て用の土を入れさすというようなことのないようにわれわれも留意して運営してまいりたいと思う次第であります。
  51. 渡部通子

    ○渡部通子君 そこで懸念される有害物質、これが廃棄されないかどうかという問題でございます。  そこで、産業廃棄物について、まずどんな種類のものが一体どのくらい出ているのか、どう処理されているのか、こういう実態というものは国として明らかにされているものでしょうか。
  52. 飯田善彦

    説明員(飯田善彦君) 私ども通産省で産業廃棄物につきまして、五十四年度にどの程度排出されたかというような調査をいたしましたところ、推計も含めまして、といいますのは、これはアンケート調査をいたしました関係で出荷額によってふくらまして推計しておるわけでございますが、産業廃棄物の総排出量といたしましては約一億トンというふうに結果が出ております。
  53. 渡部通子

    ○渡部通子君 これお答えが出ないようであります。時間がむだになりますので、これは後ほどの御報告をしていただけば結構でありますけれども、要するに産業廃棄物全体の、いわゆる国がどこで掌握をし、どういう実態に置かれているかということは余り明確になっていないのではないかと、こう思われるわけです。いまお答えも即座に出なかったように、やっぱり廃棄物自体が通産省関係のもの、農林省関係のもの、厚生省関係のもの、いろいろあることは承知をいたしております。しかしそれを、いまごみ処理問題というのがこれだけ大きな問題になっておりますときに、大体どのくらいのものがあって、国としてどんな処理が行われていて、どの辺のものが野放図になっているのか、そのくらいの大綱はつかめていなければならないのではないかと私は考えるわけでございまして、質問の前提として伺いたいと思いました。これは後ほどの御報告で結構でございます。  そこで、厚生省の山村水道環境部長さんは、産業廃棄物の不法投棄はいまだに後を絶たないと、こういうことを言っていらっしゃるようです。むしろ公害事犯の七〇%も占めているそうでございますが、この不法投棄の実態は一体どうなっているのか御報告いただきたい。
  54. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 速記をとめてください。    〔午後一時四十八分速記中止〕    〔午後二時二分速記開始〕
  55. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午後二時三分休憩      —————・—————    午後二時四十三分開会    〔運輸委員長黒柳明委員長席に着く〕
  56. 黒柳明

    委員長黒柳明君) ただいまから運輸委員会地方行政委員会社会労働委員会公害及び交通安全対策特別委員会連合審査会を再開いたします。  休憩前に引き続き、広域臨海環境整備センター法案を議題とし、質疑を行います。
  57. 渡部通子

    ○渡部通子君 先ほどの御答弁からお願いをいたします。
  58. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 不法投棄の現状についてお尋ねがあったと存じますが、五十四年度の警察庁の調べによりますと、廃棄物処理法違反検挙件数は五千百三件でございまして、前年度に比べまして一一%の増となっております。このうち、不法投棄件数は三千八百二十九件と、前年度に比べまして一三%増加しておりますが、五十五年度におきましてはやや減少の傾向を示しておるというふうに聞いております。で、検挙対象となった産業廃棄物の不法投棄及び不法処分の量は約四十五万トンでございまして、前年より若干ふえております。で、種類別に見ますと、最も多いのが建設廃材の六五%、次いで汚泥の二六%の順になっております。  不法投棄事犯を原因動機別に見ますと、最も多いのが処理経費の節減といった経済的な理由が約六二%でございまして、また処分場がないとか遠いとかいったのが二四%ということになっております。これらに対しまして、事前の業者指導ということが重要でございますし、また警察当局と衛生部局と協力いたしまして取り締まりを強化していく必要があろう、また処分地の確保も不法投棄をなくする一つの手段であろうというふうに考えております。
  59. 渡部通子

    ○渡部通子君 いま御説明がございましたように、不法投棄が後を絶たないと、    〔委員長退席、運輸委員会理事桑名義治君着席〕 それで処理経費が、お金がかかるからというところでぽいっと捨てちゃうんだろうと思うんですね。それから処分場が遠い、御説明のとおりであります。この原因の二つを考えてみますと、今度広域処理場ができるということ、それからそれの利用料金基準、この関連の問題になってくると思うんですけれども、それに対しては対策をどうなさいますか。
  60. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 利用料金につきましては、かかった費用を廃棄物の種類ごとに負担をしていただくということになりまして、現在までの試算によりますと、現在処分が行われている処分経費とそれほど大差がないという状況でございますので、不法投棄を排除する一つの有力な手段になるものと考えております。
  61. 渡部通子

    ○渡部通子君 不法投棄の責任問題でございますけれども処理業者にもぐりが多い、厚生省のお話でも全体の四分の一に近いと、こういう指摘が行われております。そういった中で、産業廃棄物を発生する事業所が処理業者に委託をしたら、現状ではその工場の責任があいまいになるのではないか。特に無認可委託業者に処理させるケースについては、廃棄物発生企業等の責任問題をどうなさるおつもりなのか伺っておきます。
  62. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 事業者が元来自己処理すべきものを業者に征しておるという実態でございます。このセンターにおきましては、業者が持ち込むのを何でも受け入れるということはぜひ避けたい。排出事業所そのものとセンターが直接契約をするというようなことによりまして責任関係をはっきりする。さらにそれを運搬業者等に委託をして運ばせるということも当然あろうかと存じますが、その際もその委託の業者を事業者との契約の中ではっきりさせまして、車もはっきりさせる等によりまして責任関係を明確にして措置していく必要があろう。なお、行政の立場からは、業者の指導監督強化ということは当然にやっていく必要があろうかと存じます。
  63. 渡部通子

    ○渡部通子君 ペーパーの上ではそういうふうにお考えになっていらっしゃるかと思いますけれども、実際の問題になってまいりますとなかなかむずかしい。地方自治体にかなりの御信頼を申し上げてお任せするようになるんだろうと思いますけれども、ひとつセンターができましてそれをやる場合に、こういう不法投棄問題についての厳密なチェックということにぜひとも力を注いでいただきたい、これをお願いしておきます。同時に責任問題という、これは今回のフェニックスに限った問題ではなくて、一般の廃棄物に関して、産業廃棄物に対して、もぐりの業者に預けてしまって、それで企業が責任が逃れられるというようなことが横行するということは、これは今後全般的な問題として大きな課題だと思いますが、これについて大臣の御見解を伺っておきます。
  64. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) いま渡部委員の御指摘の点は非常に実際的に重要な点だと思います。そういう意味で、今度のこのセンター法の成立を機会にいたしまして、センターに係るところの産業廃棄物の責任関係はもちろんでございますけれども、一般の点につきましてもできるだけ責任を明確化して、そしてこの廃棄物処理というものを本当に計画的に推進していく必要があると痛感いたしているところでございます。
  65. 渡部通子

    ○渡部通子君 これ、問題はたくさんあるんですね。工場内に廃棄物をため込む現象も多いと思います。確かに運ぶのにお金がかかる。そうした場合の保管基準はどうするかとか、第二次汚染の問題だとか、いろいろあるんですけれども、ここでいま指摘をいたしましたけれども広域化してまいりますと、有害物が入ってくるのもこれもまた多くなってくるというおそれがある。かといって、厳しくするとコストがかかる、あるいは輸送距離が長くなってコストも高くつくと、こういったことで不法投棄につながる例がむしろふえてくるのではないか、これを非常に懸念するわけでございまして、この解決策ということが産業廃棄物対策のポイントに一つは挙げられるのではないかと、こう思います。  そこで、広域化の問題、輸送距離が非常に長くなるという問題、料金が高くつくという問題、こういう矛盾の問題をどうなすっていかれるか、これは所管大臣の御意見、対策を伺っておきたいと思います。
  66. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 何よりも一般廃棄物、それから産業廃棄物あるいは産業関連一般廃棄物、全部含めまして資源化を図るということが大事であろう。しかし、現在の技術段階ではなかなかこれは急には望めませんので、減量化を、中間処理をしっかりやるという問題、そしてどうしてもだめな一般廃棄物の量をできるだけ少なくするという努力がまず傾注されなければならない。そしてやむを得ず出ました一般廃棄物につきましては、それをいろんな形で有害なものを除きまして、そして最終処分場に持っていく。最終処分場の一つの形は、現在やっておりますのは市町村の固有事務個々でやっているのもございます。あるいはこのセンターは非常に広域的な面でやっているわけでございますが、その一つの中間形態としては一部事務組合でやるとか、こういうことも考えられるわけでございます。  しかし、いずれにいたしましてもこのセンターに関する限りは受け入れ基準を明確にいたしまして、いやしくもこのセンターをつくることによって有害にならないように受け入れ基準を、生のごみは受け入れませんということをはっきりすることによりまして、やはり中間処理を急がせるというようなこと、こういったことをやっていく必要がありましょう。それと同時に、また、先ほど委員から御指摘がありましたその責任はどうなっているのかという責任関係をやはり明確にしていく必要があろうと、こう思っておる次第でございます。
  67. 渡部通子

    ○渡部通子君 いま厚生大臣のおっしゃられた路線でひとつ運輸省の方も厳格に実施をしていただきたいと思うわけです。  それで、廃棄物を事業所から運んでくる場合に、積み出し基地までの間に事前チェック、これも大事な問題だと思います。何しろ有害物質を第二次公害を起こさないという、ここに格段の努力をお願いしたいわけでございますが、前々から問題になっております監視体制の一環としての産業廃棄物のGメン、これをつくるお考えはございますか。
  68. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) お答えいたします。  産業廃棄物Gメンに相当いたしますのが廃棄物処理法で言います環境衛生指導員ということになろうかと思いますが、現在全国約四千百名のうち専従が比較的少ないということで、先般来御指摘をいただいておるところでございまして、関係者、指導員の専従化あるいは拡充については、今後とも指導していく必要があろうかと存じております。現時点では急激な増加が望めないとすれば、有害産業廃棄物事業所を重点に置いた監視をやっていくべきであろうというように思っておりまして、実態を聞きましても大体年一回以上の有害事業所への立入検査等は実施しておるようでございますので、今後ともそういうことで監視の効率化を含めて監視体制の強化を図っていきたいというように考えております。
  69. 渡部通子

    ○渡部通子君 関連してちょっと伺っておきたいんですけれども、兵庫県の高砂市の鐘淵化学のタンクの中でございますが、全国から回収されました液状廃PCBが五千五百トン、これが保管されているわけです。この処理に関しては大変に地元も困っているわけでございますが、五十二年に洋上焼却によって処理するという国の提言を受けて以来、今日まで延び延びになっておって片づかない、この依然として進展していない状況ですね、これに対する見通しと、何とかならないものかということを関連して伺っておきます。
  70. 飯田善彦

    説明員(飯田善彦君) 先生御指摘の高砂市の鐘淵化学工業に保存されております液状の廃PCBにつきましては、環境保全等の観点から、私どもといたしましては現時点では焼却処理を行うというようなことが最も適当ではないかというふうに考えております。  通産省としては先生御承知のとおりでございますが、四十七年に同社に対しまして、焼却炉を早急に設置して焼却するよう指導したわけでございますが、地元の了解が得られないことなどがありましてこれが実現しなかったわけでございますが、さっき御指摘いただきましたように、五十二年の末にこの液状PCBについて洋上焼却処理の可能性を検討するために、社団法人の産業公害防止協会というものが私どもの方の外郭団体にございますが、ここに学識経験者からなります洋上焼却処理調査研究委員会というものを設置いたしまして、いろいろその可能性について検討してきたわけでございます。その委員会での検討の結果では、有機塩素系廃棄物等を焼却してきました専用焼却船で洋上焼却をするということが可能であるというおおよその見通しが得られたわけでございますが、焼却処理を確実にかつ安全に実施するというためには、実際の焼却に即した検討を加えて万全を期していく必要があるということでございます。  今後、こういう点につきましてさらに検討を進める一方、国内的には漁業関係者等の関係方面の調整を進めなければなりませんし、また国際的には関係国の政府あるいは関係国際機関というようなものとの連絡調整を進めることなどによって準備を整えまして、安全かつ確実な処理が早急に実施されるように企業を指導していきたいというふうに考えております。
  71. 渡部通子

    ○渡部通子君 御説明はどうでもいいんですけれども、要するに困っているわけですね。国が五十二年に洋上焼却処理という方針を決めて、それが延び延びになって、一体いつになるんだろうかと、これが問題なんです。それでいまさら研究をしたり、地元の協力を得て速やかにと言われても、もうすでにその段階は五十二年で終わっているわけですね。ですから、一体それをいつまでにめどをつけてどうしようとするのかと、その辺についてもう少しはっきりしたお答えがいただけませんか。きょうは通産大臣はいませんけれどもね。
  72. 飯田善彦

    説明員(飯田善彦君) まことに恐縮でございますが、なかなかはっきりしたお答えができなくて申しわけございませんが、焼却に使用することを予定しております船でございますが、これは外国の船でございまして、世界的にもこれは二隻しかないという船でございます。そういうこともありまして、直ちになかなか用船できないという点等もございまして、むずかしい問題もございますが、できるだけ早く実現するようにやっていきたいと思っております。
  73. 渡部通子

    ○渡部通子君 きょうはここはその委員会ではありませんからこれにとどめておきますけれども、要するに、産業廃棄物というものがPCBの例でも見られおように洋上処理、あるいは埋め立て、いろんな場合が考えられますけれども、非常にまだおくれた行政になっている。その点だけはひとつはっきりと認識した上でごみ処理問題を考えていただきたいと思うわけです。  次に、生ごみについて伺いますけれども、先ほど厚生大臣から、生ごみは入れない、こういうお話がありました。運輸省の御見解はいかがですか。
  74. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 原則として生ごみは入れない、投棄せしめないようにいたしたいと思っております。
  75. 渡部通子

    ○渡部通子君 それではセンターをおつくりになる基本計画の中に生ごみは入れない、全部焼却灰にすべきだと、こういうことをはっきりすべきだと思いますが、その点は大丈夫ですか。
  76. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 基本計画の中にはそのような点を明記させるようにいたさせたいと思っております。
  77. 渡部通子

    ○渡部通子君 それはお願いをいたします。  現在、生ごみの焼却率については、一般廃棄物のうち可燃物に対しては八五%、こうなっております。今回の計画の中ではこれを九一%にまで引き上げる、こうお考えのようでございますが、これは実現可能でございますか。
  78. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 一般家庭ごみの焼却率は、可燃ごみのうちの八五%が現時点で焼却されておるというふうに推計をいたしております。で、第五次の五ヵ年計画、つまり六十年度末の目標といたしまして九一%まで焼却しようということでございますが、これは三全総をフレームといたしました社会投資の配分を受けた一兆七千六百億円の中でやっていきますので、それが順調に消化できますれば達成できる見通しでございます。
  79. 渡部通子

    ○渡部通子君 そうすると、焼却場は一体足りているのかどうかという問題になってくると思うんですけれども大阪府あたりで五十二年度に完工したと言われる焼却場は、一つつくるのに大体百億円近い金額が必要のように承っております。こうした状況に対しまして、生ごみの焼却率を九一%まで持っていくのに一体焼却場は足りるのかどうか。あるいは、これは自治省に伺いますけれども焼却場をつくる場合の自治体負担については、具体的にどのくらい補助をするおつもりでいらっしゃるか伺います。
  80. 矢野浩一郎

    政府委員矢野浩一郎君) 一般廃棄物処理施設につきましては、国庫補助、これは通常四分の一、公害防止区域でございますと二分の一でございます。それに補助のほか、残りは地方債と交付税とで策定をいたしてまいります。財源措置をしてまいるわけでございます。
  81. 渡部通子

    ○渡部通子君 何と言ってもお金のかかる話でありまして、この辺が地方自治体は非常に心配をしているわけでございまして、灰にしてこいと言われたはいいけれども焼却場がない、建てるには金がかかる。それに対して国がけちっているということでございましては、これはやっぱりうまく進まないわけでございまして、国は今度は権限はとるけれども、果たしてそれだけの手厚いことをやってくれるかどうか、非常にセンターの前途が懸念されるわけでございまして、その辺自治大臣にもよろしくお願いをしておきたいと思います。  続きまして、今回のフェニックス計画につきまして、自治体の意向はよく反映をしていると、こういう御説明で、当然のこと、そのもとにやられる仕事でありますけれども、五月一日の読売新聞によりますと、大阪府知事が具体的な事業内容が不明確で地方自治を守る立場から見ても矛盾があると、こういう理由で反対を表明なすったということでございますけれども、それはどういうことですか。
  82. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 御指摘の知事の発言は、この法案の必要性、広域処理場の必要性を十分認識された上で、なお今後の国会審議で詰めるべき部分を、明らかにされるべき部分をお話しになったものというふうに理解をいたしておるところでございます。
  83. 渡部通子

    ○渡部通子君 新聞には反対と出たんです。「岸知事が反対表明」と、読売新聞の五月一日、五段記事、「大阪湾処理場計画法案」と、こういうふうに出たわけです。私思いますのには、昨年の秋に、近畿では御承知のように促進協議会というものが設立をしておりまして、岸知事は副会長でいらっしゃるわけですね。そうやって促進をされてきた知事が、ここで、少なくも新聞発表ですと「反対」と、こういう見出しになってしまっているわけでございますけれども、これは促進協の足並みについて乱れが出た場合には、この法案というのは非常に困難を来すのではないかという心配をいたしますけれども、実情はつかんでいらっしゃいますか。
  84. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) これは私から答えるのは適当ではないかもわかりませんが、私は地元でございますので、したがいましてこれを大阪府庁に問い合わせいたしました。そういたしましたら、副知事から私に電話がございまして、実はこの広域処理そのものについて何も反対しておるんでも何でもない。むしろ、促進の方でございまして、事業そのものは大いに賛成なんですが、いわばセンターをつくる、その組織的な、制度的な面について、これを十分に国会で疑惑を詰めておいていただく必要があると、そういう趣旨のことで若干疑惑があるんではないかといったことが新聞の報道では反対ということに出ておると、こういうことを私は確認いたしておりまして、したがいまして、大阪府知事としてもこの事業そのもの、あるいはセンターの発足そのものについては、何ら反対しておるものではないと認識いたしております。
  85. 渡部通子

    ○渡部通子君 それでは、法律案に対する地方自治体からの改正要望を二、三点伺っておきたいと思うんです。  まず、センターの設立につきまして、主務大臣の設立認可が必要になっておりますけれども、ここに自治大臣を加えてくれないかと、こういう要望ですね。それから、やはり基本計画をつくるのに主務大臣の認可が必要となっておりますけれども、主務大臣協議してと、そこにやはり自治大臣を加えてほしいと、こういう御意見が強うございますが、これに対してはいかがでございますか。
  86. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) これは主務大臣を厚生大臣、運輸大臣にいたしましたのは、国の国家行政組織法の所管事務から申しますと、廃棄物一般並びに産業廃棄物関係は厚生大臣でございますし、また港湾関係運輸省ということになっておりまして、そういう所掌事務の面から主務大臣は厚生大臣、運輸大臣となった次第でございます。でございますが、これが実際に運営いたしまするにつきましては、御承知のように、仰せのとおり自治大臣なり環境庁長官なり、あるいは建設大臣なりあるいは通産大臣、そういうところと十分な協議を重ね、あるいは農林水産省、こういう関係省庁と十分協議を重ねて、やはり基本計画の設定もし、また基本計画が主務大臣あてに提出されました場合には、われわれといたしましては、関係省庁に十分な協議をした上に扱いを決定いたしたいと思っております。
  87. 渡部通子

    ○渡部通子君 この御要望に対して自治大臣はどんな御意向をお持ちでございますか。
  88. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) 主務大臣をどうするかという問題は、所管事務がどうであるかということが前提になるわけですが、ごみの処理については厚生大臣、それから、つまり構築物、島をつくるわけですから、そういう点については運輸大臣港湾関係もありまするし、そういうことになるわけですね。それで、自治大臣を加えたらどうかという話でございますが、それは自治体が関係しておるからという理由だろうと思うんですけれども、そういたしますと、あらゆる問題について自治体は関係をしているわけです。そういたしますと、すべての問題が自治大臣が主管大臣に入るという、これもまあどういうものであろうかと私は若干疑問を持っております。それはちょうど大蔵大臣もそうだろうと思うんです。あらゆる問題が全部大蔵大臣が主管大臣だという形に財政的にはなるわけですから、その辺はやっぱり問題があるんじゃないかと、こう思っております。  ただ、問題を促進し実行するにつきましては、十分なる協議はしてもらわにゃいかぬ。主務大臣にするかしないか別といたしまして、十分なる協議をしてもらわなきゃいかぬ、こういうことだけは強く私としては考えておるところでございます。
  89. 渡部通子

    ○渡部通子君 さらにもう一、二点伺っておきますけれども、積み出し基地、中間施設等の建設には自治体としての負担がかなり強うございます。したがって、この点余り超過負担等にならないように、しっかり御検討をお願いしたいということ。  それから、施設関係周辺地域につきまして、緑地対策とか環境整備対策とか、こういったことでは予定外にお金がかかるのではないか。地元還元対策ということをやっていかない限り、こういう事業は進まないわけでありますから、そういう点に対する国としての配慮を願いたいと存じますが、それに対してはいかがでございますか。
  90. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 施設整備につきましては、一般の市町村単独で実施する場合と同じ制度を考えておるわけでございますが、御指摘の中間基地をつくるかどうか、これにつきましてはまだ未定でございまして、こういう輸送施設の一部につきましては、現在のところ、まだ補助対象になっていない現状でございます。非常に特殊なケースになってまいりますので、今後の検討課題とさしていただきたいと存じます。  緑地周辺はどういう形でやっていくのか。ごく施設に接近しました門、さく、へい、植樹等につきましては補助対象となってきておりますが、緑地というものがどういう形でできるのか、それにもよりますので、今後の検討課題とさしていただきたいと存じます。
  91. 渡部通子

    ○渡部通子君 要するに、いままでこうした廃棄物処理、処分はほとんど自治体がおやりになってきたわけでございまして、発生源での実態、処理、処分、その現状や調査、そして実態把握、これは都道府県の行政でございました。したがって、国との絡みが今後どうされていくのか、この点が非常にまだあいまいだと思います。これによって現行の自治体権限に国が介入する、その辺がどういう乱れになるのだろうかという不安もあるわけでございまして、その辺の関係をひとつ明確にしていただきたいと思います。
  92. 大嶋孝

    政府委員(大嶋孝君) 御案内のように、一般廃棄物につきましては現在のたてまえでは市町村の固有事務として処理をする。産業廃棄物につきましては事業者処理の責任が原則でございますが、都道府県においても処理をすると、こういうことでございます。しかしながら、最近の大都市圏域におきまして、御案内のように大変処分場その他で困っておるということからこの法案がつくられたわけでございまして、地方公共団体ないしは港湾管理者が共同で設立をいたしますこのセンターへ地方公共団体がその処理を委託する、こういうことでございますので、現在の地方自治のたてまえないしは廃掃法のたてまえというのはそのまま貫かれておる、かように考えておるところでございます。
  93. 渡部通子

    ○渡部通子君 要するに、国は権限だけ持って、お金の負担が地方自治体に強くかかってくるのではないかという疑念が非常に強いわけです。私もそうなるおそれを多分に持っています。したがって、その辺をひとつ手厚くやってやってほしいというのが私の質問の真意でありまして、よくおくみ取りをいただきたいと思います。  それから、一つ具体的な問題になりますが、五月十一日の朝日新聞に、最終処分地について西宮沖が最有力、こういう報道が行われたわけでございます。これはもう地元にとっては寝耳に水。根拠はかなり詳細な、厚生、運輸両省の行った調査結果に基づいてコストがどうのこうのといろいろ分析された上でこういう発表がなされたわけですから、かなり実現性の高いものと受けとめるのは当然な話であります。一体、こういう報道のされ方についてどうお考えになるか。また、この西宮沖ということについての御意見等も伺いたい。
  94. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) お答え申し上げます。  運輸省及び厚生省で、それぞれ六ヵ所程度の水域を選びまして、この構想の実現の可能性の調査をいたしたわけでございます。そして構想自体はフィージブルだという結論を得たわけでございますが、これらの水域につきましては、とりあえず調査の前提として選定をしたものでございます。で、その水域について、たとえば使用し得る水域の規模の広さの検討、あるいは海上輸送面からの検討、それから環境影響の検討、概算費用の検討等を実施しております。で、これらの水域はそれぞれ、いま申し上げましたようないろんな面から申しますと一長一短、すべてが全部がすぐれたところはないわけで、一長一短でございますが、その点をわれわれは明らかにいたしまして、今後の決定をするときの資料にし得るような目的で調査を行ったわけでございます。  恐らく新聞報道は、そういった調査の結果を、記者の方が自分なりにごらんになって判断をされて恐らくそういう記事になったものと思いますが、われわれといたしましては、この現在やっております調査以外に、さらにいろんな調査を積み重ねた上でセンターがこの候補地を決定することになろうかと思っております。現在出ております調査の結果だけからは、どこが最適であるというふうに結論が出し得る状態ではないと考えております。
  95. 渡部通子

    ○渡部通子君 新聞記者さんがそのデータ分析して、ここが有力ではないかと判断をなすった。これは新聞記者じゃなくても、私たちが判断してもそうなると思うんですね。その分析の結果が、処分場面積、護岸コスト、こういった面から見ても最有力条件だと。これはデータから判断することで、だれが見ても一致するところだと思うわけですね。したがって、今度センターができまして、その権限がセンターに移ったといたしましても、両省のこれまでの調査のほとんどは関係自治体の協力のもとで作成したという名目のもとに、センターでもこれを認めざるを得ないし、結局は追認するという形になるのではないか。いままで八億もかけて調査をなすったことを、いまさらまたセンターがこれからの短時間に改めて調査をなさるはずはないので、これは受け継ぐに決まっているわけでございますから、この西宮沖が最有力という報道がされたということは、まことに九九%の信憑性を持って受けとめられたということはおわかりだろうと思うのです。私が白紙で考えてもそう思いますね。  したがって、こうなった以上は自治体とか住民への配慮というもの、御説明をなさるなり、この要望を聞くなり、こういったことを重々やってもらわなければ、もう計画段階でとんざするのではないか、こういう危惧を私は持つわけでございまして、担当大臣としては、これに対してどう対応なさるおつもりでいらっしゃいますか。
  96. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 仰せのように、住民の方々が大変な関心を持っておられると思うんでございますが、したがいましてこの法律を成立さしていただきましてセンターが設立しますときには、関係市町村の協議というものがまず第一優先すると思うのでございまして、その際には、われわれがいま持っております。その資料に基づきまして十分な説明をいたしたい。その結果によりまして関係市町村、いわば会員市町村間で十分に協議をしていただいて、もちろんこういう地先に当たります市町村というものはそれぞれ影響を受けることが大きいのでございますから、そういうことに対しまして、いずれのところになろうがそういう方の迷惑というものを最大限防止するようにやっぱりわれわれも処置していかなきゃならぬだろうと思うのでございますが、これはあくまでもセンター内における協議の結果にまちたいと、こう思っております。
  97. 渡部通子

    ○渡部通子君 それで、大変広域埋め立てになるんですけど、大体何ヵ所ぐらいから埋めるおつもりでいらっしゃるのか。それもいまのところ大体お考えがありましたら伺っておきたいと思います。
  98. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 調査いたしました個所はございますけれども、それが全部というわけでもないと思いますし、結局何カ所をその適用地にするかということにつきましてはいまここでお答えすることはできないと思います。これは先ほども申しましたように、あくまでもセンターが設立されましたらわれわれも協議いたしますが、関係市町村の中で協議をして決めていただき、われわれもそこに参画すると、参考に御意見も申し上げさしてもらいたいと思うたりいたしておりまして、明確な地域個所づけはまだ全然いたしておりません。
  99. 渡部通子

    ○渡部通子君 大変時間が限られておりまして、問題点は山ほどあるんでございますが、環境庁長官にもひとつその点について、具体的に西宮などという候補地も挙がってきておりますし、これから住民をどう納得させまた御協力が得られるか、どこの地点においてもそれは同じだと思うのですが、環境庁としてはそれに対してはどういう絡みなり御努力が願えるものですか。
  100. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) どこのということはまだわれわれの方には何の話もないんです。どこのという話はないんです。いま御審議いただいているのは、そういう仕組みをどうするかということは話がありましてわれわれはやっておりまして、具体的にまだどういうということは何もありませんからまだ聞いておりません。もちろん先ほどもお答えいたしましたが、埋め立てして水がきれいになるということはないんですから私はいやなんです。いやですが、全体を考えるといやと言っていられないでしょう。それで、そうなってくればどうしてもどこかへやらなきゃならない。それなら運輸省の方でそれを有効に利用できるというところがあればいいなあと。それにはどういう仕組みだということで、その仕組みをいま御審議いただいているところなんで、具体的なところはまだ話を聞いておりません。
  101. 渡部通子

    ○渡部通子君 具体的な話あるなしにかかわらず、もう近々の話でありますし、もう御存じの点もずいぶんおありだと思いますので、ひとつ環境庁サイドからこの点についても住民配慮を十分にお願いをしておきます。
  102. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) はい。
  103. 渡部通子

    ○渡部通子君 最後に、ちょっと時間が来てしまったんですが、リサイクル、それからごみの減量化、これは厚生大臣がおっしゃったとおりこれをやっていただきませんと、いかに広域のごみ処理場をつくっても切りのない話でございまして、ここに大変な力を入れていただきたいと私は思います。  東京とかあるいは地方自治体でかなり研究が進んでおります。東京都では不燃、焼却不適当なごみは高温溶融処理をして減量化をしているとか、あるいは都市ごみのコンポスト化、あるいは可燃ごみの再資源化、これなどについての研究が進んでおりますし、横浜市等においても、都市ごみの焼却灰、これを道路の下層路盤剤に再利用しようとか、こういう研究がかなり進んでいるわけです。いずれにしても、こういうところに国が大きな助成をいたしませんと、まあ金がかかるから再資源化は困る、減量化もできない、いいことはわかっていてもとにかくお金がかかる、これ本音だと思います。  ですから、それを国でやるのか、あるいはごみを発生する企業に何らかの位置づけをして助成をしてやらせていただくのか。具体的にその辺、地方自治体に応援するなりの御援助をいただきたいということ。私、地方自治体のいろんな細かいことを調べてみますと、減量化に財政補助をしてもらいませんと、ごみ処理場が十分にあるところは、これは矛盾した話ですが減量化を怠っているわけですね。ごみ処理場がないといたし方なくてせっぱ詰まって減量化の努力をすると。こういう小さな町というのもたくさんあるわけでございまして、処理場だけつくるということにお金をかけるというのは非常に国としては片手落ちでありまして、減量化、リサイクル運動をやっているところに対して手厚い財政処置をやっていただきたい、あるいは企業の努力に対して何らかの応援をしていただきたい。これをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  104. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) おっしゃるように、資源の有効利用あるいは減量化という問題が一番大事だろうと思っているわけでございまして、その減量化の施設につきましては、郊外地区におきましては二分の一、その他四分の一。本来はこれは市町村の固有事務でございますけれども、特にそういう配慮をいたしまして、残りの足りない部分は先ほど自治省からお話がありましたように、起債なりあるいは交付税措置で賄っておるところでございます。しかし、問題は、いろんなケースを見てみますと、やはりそのルートはできているけれども、実際にそれをやる人が何といいますか、つい安易になってしまって努力が足りないところがありはしないかと思うところがございます。やはり中間処理については焼却、圧縮、それから小さく砕くというようなことをやっておるわけでございますが、まずそれをやらなくちゃならぬ。そしてまた、そこにはいろんな開発技術がございまして、金属を回収するとか、あるいは無害化にするというようなことを通産省の工業技術院でいま研究しているわけでございます。  しかし、最後はこれは何といっても経済ルールに乗らないとだれも採用しないわけでございますので、その方面も、国庫からできるだけ多くのものが出るように私たちも努めてまいりたいと、こう思っているわけでございます。いずれにいたしましても、今後とも廃棄物はたくさん出てまいりましょう。そのときに、委員がいま御提案になりましたいわばデポジットのような考え方、これもまた一つ考え方でございまして、そういったシステムも今後考えていって、それを出す者の責任においてやるということ。しかし、それは全部が全部やれるわけはないと思います。それに適応するような産業廃棄物について、これから検討を進めていくのも一つ方法である。いずれにいたしましても、発生量を、最終処分量をいかにして減らすかということでございまして、いま委員が言われたことは、まさに問題の一番大事なポイントに当たっていると思いますので、できるだけわれわれも努力してまいりたいと思っております。
  105. 渡部通子

    ○渡部通子君 終わります。
  106. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 質疑の前にまず委員長にお尋ねをいたしますけれども、現在委員が何人ぐらいこの委員会出席をされておりますのか。それと同時に、私のこれからの質疑は、有効に本委員会が構成されてないとすると、私の発言はどういう効力があるのかどうか、委員長にまずお尋ねをいたしたいと思います。
  107. 桑名義治

    委員長代理(桑名義治君) 従来の慣行によりますと、異議がなければそのまま議事は続行をされております。質問者に重大なる疑義があるとするならば、ここで理事会において話し合いをいたしたいと思っております。
  108. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 私は開会当初から、本委員会は連合というきわめて重要な審議の場でありますから、有効にこれが成立をして、そして所管の大臣にそれぞれ重要な点を質疑をし、明らかにして、本法案に対する審議を尽くしたい、こういう立場で臨んでいるわけでありまして、その点からすれば、有効に成立していないとすれば私の発言については留保をさしていただかなけりゃならぬ、こういうふうに考えておりますが、厳格にひとつ委員長の方でお取り計らいをいただきたい。
  109. 桑名義治

    委員長代理(桑名義治君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕
  110. 桑名義治

    委員長代理(桑名義治君) 速記を始めて。
  111. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 私は、本法案質疑を行うに当たりまして、まず廃棄物処理状況からの問題点と基本的改善の方向についてただしたいと考えます。  廃棄物処理法によれば、廃棄物を産業廃棄物と一般廃棄物に分けて、産廃を定義することによって、それ以外を一般廃棄物としています。そして、この処理の第一次責任は、一般廃棄物については市町村にあって、産廃については事業者にあるとされています。そして、処理体制を維持保管する制度として、廃棄物処理法上、廃棄物処理業者の届け出それから産廃処理施設の届け出等の監視体制及び埋め立て処理にかかわる技術水準の設定等が規定されているところであります。  しかしながら、廃棄物処理の現状はどうかと言いますと、先ほど来の質疑を通じても明らかになっておりますように、廃棄物排出量が増大する傾向の中で、資源化、再利用は一部のもりに限られて、進んでおりません。また最終処分場はあっても、先が見えている。去る五十一年の廃棄物処理法一部改正の際の附帯決議の項目についても、今日に至っても改善がされていないのが実情であります。その一つであります公益処分地の確保について国の努力が付されておりますけれども、いまだに公益処分場は実現されていない現状であります。  産廃については、先ほどの質疑でもありましたように、警察庁の報告から見ても、五十五年度は前年度の三千八百件を一〇%下回ったものの、廃棄物処理法違反による検挙件数の七五%が不法投棄であるとなっているわけです。この不法投棄の理由別では、全体の三分の二が処理経費などの経済的理由でありまして、三分の一が処分場がないということでありました。このように、産廃の廃棄物処理というのは、事業者の責任を原則とするが、共同処理の実施、そして最終処分場の確保などの点でその能力を超えるものとなっておりまして、環境保全及び住民対策上からも、公共関与が必要不可欠となっている状況にあると思います。  以上のように、このセンター法案のように、最終処分場の確保は重要なことは間違いないところであります。しかしそれ以前の、廃棄物の収集、それから運搬、それから処理、そして最終の処分場という現状をこのままにしておいていいというはずがないんです。私は去る四月の三十日に、本法案がまず第一に行われようとしている大阪に、廃棄物の収集、運搬処理状況というものを調査に行ってまいりました。この調査の結果、問題点またはいままでの衆議院または本院運輸委員会での同僚委員の質疑を踏まえまして、私はまず分別収集ということに集中してお尋ねを厚生大臣にいたしたいと思うんです。  五十年にごみの非常事態宣言が行われまして、その翌年から五種類の分別収集が行われました。それと同時に、リサイクルを実施した広島では、分別収集を行う前のごみの量の半分以下というごみの減量を達成しているんですね。特に生ごみの減量に成功したようであります。私は、このように分別収集はごみ処理の第一歩であると思うんです。それを行うことによって、ごみの排出量を減量できるものであると思うんです。分別収集によって、再利用、資源化、こういうものを容易にすることができるわけでありますから、まず分別収集を積極的に推進をしていくべきだと思うんです。  そこで伺いますが、分別収集の現状、これはどうなっているのか、まずこれを明らかにしていただきたいと思うんです。
  112. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 分別収集の実態でございますが、一般廃棄物につきまして見ますと、第一義的な手段として、市町村による部分ですが、この実態は八五%の都市が何らかの形で分別収集を行っておるところでございます。別途主要五百二十二都市について調べますと、資源回収を目的とした分別収集は百六十八市でございまして、三二・二%と、つまり可燃物、不燃物といった粗い分別収集はかなり広く行われておるようでございますが、先ほど先生御指摘の広島のような五つにも分けた、資源化を目的としたような資源回収分別体制というものはまだ低いという状況にございます。
  113. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 分別収集は、中都市ではかなり実施されているようでありますがね、ところが大都市では場所の問題等があって困難な面があると思うんです。したがって、分別収集を行う場合、一律的ではなくて、中都市においては市民の協力のもとに排出の時点で分別をし、大都市においては一たん収集してから大分類を行うような、こういうような方法がとれないものかなと、こういうふうに考えるんです。これらについては厚生大臣にもお答えいただきたいと思うんです、大事なことであり、基本的な問題でありますから。まあ、事務当局からお答えになった後でも結構でありますが、その大都市と中都市における対策について、基本的な問題としてどうお考えになっているか。
  114. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 御指摘のように、中都市は非常によくやっておるようでございますが、大都市につきましては、六大都市の半分ぐらいは全く分別もしていないという状況にございます。分別には、基本的には市民の協力等が必要でございまして、非常に混然と住んだ大都市等ではそういうことがやりにくいということもあろうかと存じますが、御指摘のように、住民の協力の得やすい中小都市については、住民の協力を得た形での収集段階での分別と、大都市については混合収集で、あと機械分別するというような方法考えられますが、現在いろんな実績が蓄積されてきております。大都市は、機械分別をやるにつきましても、なかなか分別装置が完全なものがまだない。ある程度鉄を除く程度のものはもうかなり実績がございますが、細分化してまでの分別装置というのは技術的にまだちょっと未熟な部分があるというような制約もございますので、今後のそういった選別を中心とした技術開発の推進を見ながら検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  115. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 高杉委員のお話は、資源化あるいは減量化の前提となる一番大事なところであろうと思うわけでございます。そういった意味で、資源化を中心にしてまず分別を考えていく方法あるいはその次には可燃物とそうでないもので考え方法、幾つかの組み合わせがあると思うわけでございます。いま伺いますと、都市によりまして、中都市の方はかなり綿密にやっているけれども、大都市の方はその辺はかなり粗雑といってはなにでございますが、大分類でやっている、こういうことでございますので、その辺を十分きわめまして、今後科学的と申しますか、少しでも資源の回収、減量、こういった方面に役立つように分別の方法からしてまずかからねばならぬ。そういった実態をよく調査いたしまして、将来それを指導基準の中に織り込んでまいりたいと、かように思っておるところでございます。
  116. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 お答えいただきましたように、機械で分類するとか、大都市あるいは中都市それぞれの対応があろうと思うんですが、私はやっぱり分別収集を行うには住民の積極的な協力あるいは市町村への情報の提供、それから清掃関係者あるいは清掃の事業所あるいは細かく言えば町内会とか自治会、こういうような協力がやはり必要不可欠であると思うんです。  これらに対して、具体的に細かい問題に入りたいと思うんですが、ごみの減量化への施策というのは、いままでやってきてどういうような効果というものが上げられているのか、あるいはまた今後どのような中都市なりあるいは大都市なりあるいは機械分類、大分類いろいろありますから、今後具体的にこれらの国としての指導の方向というのはどういうようにお考えになっているのか、ちょっと細かい問題ですけれども、お尋ねをいたしたいと思います。
  117. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 減量化、資源化はうらはらの関係にございますが、いろんな方面からやっぱり手をつけていかにゃいかぬと思っております。一つは住民の意識、資源化をすべきであるという意識の問題でございまして、広報、啓蒙活動を強化すること、市民活動を活発化すること、これが基本であろうと思っております。  それから第二点は、選別施設あるいはコンポスト施設等の資源回収施設の整備ということをやはりやっていく必要があろうかと存じます。それから減量化の観点からは、ごみの焼却施設、破砕、圧縮等の施設に対する国庫補助等による整備、さらにこれはエネルギー問題になりますが、発電設備に対する補助等による整備、そういうことが必要であろうと思っております。  そういったことが基本になりますが、分別収集といったことが基本になるとしますと、それをどういう形で各都市がやっていくか。従来、先ほど御指摘の広島市あるいは町田市とか武蔵野とかいろいろ好例が出てまいりまして、かなり実績が出てまいりました。そういうものを集約いたしまして、何かマニュアルなものをつくって、それを広く市町村の実情に合った姿で各都市が処理計画を組んでいくというふうに仕向けていきたいというふうに考えておるところでございます。
  118. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 いまお答えいただいてもわかりますように、あるいはまた、厚生大臣お答えをいただいてもわかりますように、分別収集が行われているところでも、燃える物と燃えない物というようなぐらいで、厳密に言えば資源化や再利用に十分結びついている現状ではないんですね。したがって、大事なことは、分別収集を行うと同時にリサイクルを進めていくべきだと私は思うんですが、大臣、どういうふうにお考えになりますか。
  119. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 全く同じように考えているわけでございます。分別収集から始めまして中間処理をやる、それから最終的には最終処理量をできるだけ圧縮する、で、その圧縮したものをどこにどうするかというのはまたその次の問題になってくる、分別収集からまず始めにゃならぬ。それにはいまちょっと表を見てみますと、大体最終処理量で考えますと、一億一千万トンぐらいでございます。産業廃棄物の方の最終処理量が九千百万トンございますから、約八割がそこであるわけでございます。したがって、産業廃棄物については少なくともその分別収集の方法は当然つけなければならぬ、これは業者でございますから。それで、どういう分別をやるか、これはこれからわれわれが、いま自治体がやっておりますことを参考にして科学的かつ経済的な方法を決めて基準にいたしたい。  その二割を占めます一般最終処理量の方の問題でございますけれども、これをできるだけ圧縮するために分別収集を、やはり各地のやり方を十分研究しまして、そして有効なものにしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
  120. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 自治大臣はいらっしゃらないですか。——ぜひこれは自治大臣に、市町村でやっていることですから大事な点で伺おうと思ったんですが、後で伺います。  いまお答えいただきました処理業者の問題について次に伺いたいと思うんです。廃棄物処理における業者収集の問題について、廃棄物は本来衛生的かつ安全に処理されなきゃならない、こういうふうに思うんです。そこで、廃棄物処理は固有の市町村の事務ということにされています。しかし、これもまた、自治大臣がいないところでありますから進めていいかどうか。——それじゃ聞いておいてください。  それで、安上がり行政という点で、下請化あるいは民営化が非常に進んでいるんですね。私が調査に行った大阪府の場合でも、最終処分場を持っていない市町村が多くあるんですね。例を挙げて恐縮ですが、A市の場合でありますが、A市は中心都市でありまして、その周辺は多くの衛星都市が取り巻いているわけです。このA市の過去十年の直営による各戸収集と業者収集による収集量というものを見ると、市の地域から生ずるごみのうちの扱い量、これは昭和四十五年までは直営の方が多く扱っていたんです。ところが四十六年に逆転をしまして、その後十年間にその差はますます直営と民営の開きが出てきているんですね。今日においては直営が四割に対して業者収集の場合が六割、こういうふうに開いているわけですが、これらについてどういうように自治大臣はお考えになっているのか、お戻りになりましたら所見を伺いますから、まず事務当局でお答えをいただきたいと思います。
  121. 大嶋孝

    政府委員(大嶋孝君) 直営でやるのがいいのか民営でやるのがいいのか、それぞれ一長一短あると思いますけれども、私どもは、行政が十分その責任を果たし得るという限りにおきましては地方団体の自主的な判断によって、民営による方がいいということであれば民営への委託というようなことも責極的に進めてまいりたいというのが基本的な考えでございます。    〔委員長代理桑名義治君退席、委員長着席〕
  122. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) ごみ処理について民営がいいか直営がいいかというお尋ねのようでございますが、これはいろいろ経過はございますけれども、本当にごみ処理意味と申しますか、非常に重要な問題である、それで住民にとっても非常に関係のある問題だということを十分に認識をしてもらって、民営と申しますか、そういうことでやるならばそれも一つ方法だろう、こう思うんです。  それで、どちらが財政の面でいいかという問題になりますと、いろいろ議論はございますが、やっぱり従来の経過から申しますと、民営の方が格安にできるんじゃないかというのが大体の考え方にいまなっているわけでございます。この点は若干問題はあるかもしれませんけれども、しかし委託にする場合に、そうした問題の認識を十分にさせましてやることによってやっぱり市町村行政なんかの合理化の面もある程度できるんじゃなかろうか、こういうふうに思っておるところでございます。
  123. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 大臣、こうした背景というのは、言い方は悪いんですが、安上がり行政、それから自治省などで下請あるいは民営化の推進、こういうのがあるんじゃないかと思うんです。一度手に入れた得意先さん、これは業者の方ではなかなか手離さないんです、一たん業者の人たちが下請しますと。それで、市が取り戻そうとするときには営業権であるとか生活権、こういうのが当然侵害ということで、自治体とすれば困っていることも聞いているんです。こうした業者への下請化は廃棄物処理法上、つまり合法的に行われるとは言え、事実上は住民に対する行政不在の形にならざるを得ないと私は思うんです。先ほど私は民営がいい、あるいは直営がいい、こういう結論を言っているのではなくて、安全かつ衛生的にこういう固有事務というものが進行することでなければならぬ、こういうふうに言っているんです。  そこで、業者に対する監視、検査体制の万全を期するためにどういうようにそれならば自治省の方ではお考えになるのか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思うんです。安全かつ衛生的に、住民の不安のないような形につまり処理をしていかなきゃならぬですから、その責任についてはどういうようにお感じになっておられるのか。
  124. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 御指摘のように、市町村は一般廃棄物を適正に処理をする責任を持っておるのでございまして、この処理の業務を業者に委託できるのは廃棄物処理法上、委託業者による適正な処理が確保できる場合に限るべきであると考えておりまして、安上がりが先行いたしまして、それを目的として安易に委託するということがあってはならないというふうに考えているところでございます。それで、市町村が適正に処理する責任を果たすことが第一でございますが、さらに清掃事業を能率的に遂行するということも法律では要求をいたしておるところでございまして、むずかしいところでございますが、直営、委託のいずれの方式が実態に照らしてこの要請に沿い得るかという判断は、地域の事情に応じて市町村みずからが行うべきであるというのが基本的な考えでございます。
  125. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 時間の関係で先に進ましていただきたいと思うんですが、次に適正処理困難物の処理について伺うんですが、御承知のとおりに、テレビ、洗濯機、冷蔵庫あるいは廃家電機器あるいは水銀温度計、乾電池あるいはピアノ、生活の高度化に伴いまして生産台数もふえて、当然の結果として、廃棄台数も増大してきているわけです。今日の消費経済下における使い捨ての風潮がそれに輪をかけている、こういうような形で廃棄台数も年々増大しているわけなんです。  こうした廃家電機器等の適正処理困難物、これは古新聞であるとか故紙、廃車、鉄くず、こういうようなものは、比較的再利用というのは技術も確立をされて、再利用の経済性も比較的に確立されているのに比べまして、再生利用が余り行われていない、これは全般的に言って。こういう現状なんです。これらの廃棄物は、PCB使用部分、それから部分品ですね、それから環境汚染物質、これが一部の製品に使用されているために、その処分によって環境が汚染されるおそれがあるわけです。これはもう御承知のとおりです。粗大ごみのゆえに収集運搬面で分別収集を要しますし、埋め立て場所がなかなかないという最大のネックがあるわけなんですが、これが現に自治体清掃当局の処理を困難にしている今日の実態なんです。  そこで、この実態についてお伺いするんですが、これらの廃家電機器等、これは従来は再生業者への再生素材として販売されていたものもかなりあったと思うんです。再生業者の処理コスト高騰によって、最近ではほとんどと言っていいほどそういうことがなくて、市町村で処理されている、これが現状なんです。この廃家電機器のようなものは、量として一体どのくらい出ているものか。それから、その回収ですね、回収と処理、再生、この三つに分けますと、回収と処理と再生について、どのくらいの割合になっているのか。それで、それは廃家電機器の全体のどの程度回収され、どの程度処理され、どの程度再生されているかという割合がわかったら、この際明らかにしていただきたいと思うんです。
  126. 田中達雄

    説明員(田中達雄君) 御説明申し上げます。  テレビ、洗たく機、冷蔵庫など耐久家庭電気商品につきましては、従来から一般廃棄物として市町村が収集処分を行ってきているわけでございますが、その年間出荷高について見てみますと、昭和五十五年一年間では、テレビ約七百万台、うち十八万台が白黒テレビでございまして、残りの七百万台のほとんどがカラーテレビでございます。洗たく機約四百万台、冷蔵庫四百万台などとなってございます。それで、先ほど申しましたように、市町村で一般廃棄物として処分されているということから、私どもといたしましては、その実態はつまびらかではございませんですが、各機器の使用耐用年数、それから過去数年にわたって生産をされている、出荷されている台数等から推定をいたしますと、昭和五十五年における廃棄台数、これはあくまでも推定値でございますが、テレビ約五百万台、洗たく機二百五十万台、冷蔵庫約三百万台でございます。このように推定されております。
  127. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 時間が迫りましたので、厚生大臣、それから建設省に確認の意味で伺いたいと思うんですが、まず厚生大臣に、これは確認の意味で、大臣就任早々でありまして、前園田厚生大臣が去る五月の七日に同僚の質問に対して、建築の廃木材についての取り扱いについて、厚生大臣はきわめて明確に、自治体の意見も聞き、関係省庁とも、建設省などとも関係ありますから相談の上、政令改正をいたしますと、きわめて明確に約束をされておりますが、こういう約束をお引き継ぎになり、これをどういうふうにされますか。厚生大臣、その政令改正のことについて、まず大臣に一言伺いたいと思うんです。
  128. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 前園田厚生大臣が廃木材につきまして産業廃棄物として位置づけるように政令改正をしたいという発言をなされたことは私も承知しているわけでございます。私も、やはり本来そうあるべきではなかろうかと、こう思っておるわけでございますので、園田大臣の意思を継ぎまして、各方面と連絡し、そのように努力してまいるつもりでございます。
  129. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 先ほどの質疑の中でも、警察庁の調査の報告がありましたように、廃棄物の不適正な処理委託をしたものの約八割が建設業者であり、また、その不法投棄の約八割は廃木材を含めた建設廃材であるという実態であります。  そこで、建設省に伺うんですが、こうした実態を引き起こしている原因というのは何であると思うんですか、まず建設省からお答えをいただきたい。
  130. 北村広太郎

    説明員北村広太郎君) お答え申し上げます。  建設関係廃棄物につきましては、やはり最大の問題は手近なところで適切に処理できる処理場を見出すのに困難を生じていることでございまして、これは、かねてから官民とも非常にいろいろ問題点を検討して詰めている段階でございます。その段階で産業廃棄物を御担当になっている厚生省、または港湾を所管になっている運輸省ともいろいろ御相談をしている、このような現状でございます。
  131. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 廃木材については、不法投棄、それから屋外で焼いている、そういうような不適正処理、市町村の処理事業に対するこれが圧迫の問題等があると思うんです。建設省として、これまでどのように建設業者に対しての指導をしてきたのか。特に責任の面から、排出事業者としての処理体制の整備、これをどういうように今後対応していくのか、この点もあわせて建設省としてのお考えを聞きたい、こう思っているんです。
  132. 北村広太郎

    説明員北村広太郎君) 廃木材の中心はもっぱら一般住家の取り壊し等に行うものでございまして、非常に関係業者数も多く、また地域も各市内に散らばっているわけでございます。やはり最大の問題は、昔でございますと木材は貴重な燃料でございますので、町の中でもふろ屋さんあたりが喜んで引き取っていただいたわけでございます。また、農村部等ではかまど等もございますし、おふろ等もその廃木材で沸かしておった。それが燃料関係の革命によりましてだれも引き取り手がないということで、非常にそれは困惑をいたしておるわけでございます。したがいまして、市町村にもいろいろ御迷惑をおかけしていることとは存じますけれども、私どもといたしましても、それは目下厚生省さんが御所管の省庁でございますので、今後厚生省さんとも十分相談いたしまして、その対策につきまして詰めてまいりたい、かように存じております。
  133. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 ちょっと待ってください。  先ほど厚生大臣からもありましたし、それから先日の園田厚生大臣の約束、政令改正、これは廃棄物処理法施行令を改正して廃木材を産廃とする、こういうことは、いまここでお約束が建設省としてできますか。
  134. 北村広太郎

    説明員北村広太郎君) 廃棄物処理法施行令の改正につきましては、まだ具体的に厚生省事務当局から御相談を受けておらない段階でございます。お話がございますれば、廃木材対策を実効あらしめるためにどうすれば一番よいのか、こういうことを中心といたしまして両省で十分検討し対処してまいりたい、かように存じております。
  135. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 厚生大臣ね、先ほどもお答えいただいたのですが、私がなぜ言ったかというと、すでに五月の七日に前厚生大臣は改正しますと、こう約束しているのに、ずいぶん時間がかかっているじゃないですか。お願いをしておきますが、もう時間がたっているし、やはり本院運輸委員会でのお約束であります。厚生大臣、御就任早々でありますが、これはしかと速やかに政令を改正していただくお約束をいただきたい、こう思いますが、いかがですか。
  136. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 先ほども申し上げましたように、やはりそれは筋だろうと私は思っておりますので、建設省協議することはもちろんでございますが、産業廃棄物にするように政令を改正いたしたいと思っております。
  137. 高杉廸忠

    高杉廸忠君 いままで集中的に分別収集あるいは分類、こういうことも申し上げまして、以上質問をしてきたとおりでありますが、この適正処理困難物については再資源化、それから再利用の促進は当然推進するものとしても、おのずから限界があると思うんです。また、これらの処理については、市町村は処理施設にしろ、最終処分地にしろ、非常に苦慮している現状なんです。したがって、廃棄物処理法を改正しまして、適正処理困難物の種類、数量、こういう点を明定化すべきだと私は思うんです。  以上、提起をいたしまして、厚生大臣並びに運輸大臣からお答えをいただいて、私の質問を終わります。
  138. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 高杉委員のおっしゃったことは、問題点がもうよく出ているわけでございますので、先ほど御答弁申し上げたような線に沿いまして、そして、有効かつ経済的な方法を何とか見出して明定するように努力してまいります。
  139. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 厚生大臣と同様でございますが、私たちはそれにつけ加えまして、この埋め立てを、先ほどおっしゃった廃棄物のリサイクルなり圧縮なり、いわば最終の最終の処理場として活用いたしたいと思う気持ちはいささかも変わりません。
  140. 大川清幸

    ○大川清幸君 この廃棄物の問題、広域処理の問題については、問題点が大体集約されておりますので、重複することもありますが、御答弁の方は何とぞ丁寧にお願いをいたしたいと思います。  まず最初にお伺いしたいことは、このフェニックス計画についてでございますが、五十一年に運輸省広域廃棄物埋立護岸構想というのを発表なさいましたね。その翌年、厚生省側では、廃棄物処理公団設置案なるものを発表いたしまして、何らかの経過があったんだと思いますが、両庁、これをこの時点で断念をいたしておるようでございますが、いきさつはどういうことだったんですか。
  141. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 運輸省におきましては、四十八年に港湾法を改正いたしまして、港湾廃棄物埋め立て護岸港湾施設としてつくれるように改正をいたしました。そして、港湾の中で廃棄物処理の最終処分場ができるようなふうにもいたしたわけでございます。しかし、その後大都市圏におきましては、大変それぞれの港湾の中にそれぞれの港湾管理者が廃棄物を捨てるというだけでなくて、広域的に処理をする必要が出てまいったものでございますので、御指摘の構想を考えたわけでございます。そしてその構想を実現するための調査費を要求をいたしまして調査を重ねてまいったわけでございます。ところが、それを断念したというわけではございませんで、調査を続けてまいりまして、厚生省の方でお考えになっていたことと調整をいたしました結果、今回の法案を御提案申し上げたわけでございます。
  142. 大川清幸

    ○大川清幸君 調整ができて今回の提案になったということでございますが、そこで、先ほどから論議になっておりましたが、両庁でいろいろ対象地域をほぼ想定して、一般廃棄物あるいは産業廃棄物排出量、その他現地の状況等も先々の構想を頭に描きながら実情調査をなさったのだろうと思うので、実際の仕事が執行されるについては先ほどから御説明のあったとおり、この認可団体ができてから実務的におやりになるので、その辺の答弁はなかろうと思うんですが、この構想を決めるに当たって、一番大事なのは排出量ですね、一般廃棄物並びに工業廃棄物の。その実態調査を両庁でおやりになったはずです。その結果については両庁の結果が違っていたと聞いておりますが、その調査の結果、両庁どういう状況だったんですか。
  143. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 五十三年度から共同調査ということで発生量、処分量等につきましては、厚生省といたしましては一般廃棄物、産業廃棄物に焦点を当てまして、残土につきましては一般廃棄物、産業廃棄物埋め立てた際の覆土分ということで加算をするというところにとどまっておるところでございます。で、量的にはその後建設土砂も問題であるということから、両省調整をいたしまして現在の構想になっておるわけでございます。
  144. 大川清幸

    ○大川清幸君 そうすると、いまの答弁は、厚生省運輸省でその廃棄物そのものについても調査をしたが、その調査対象になる廃棄物そのものについても違いがあったということですか、そういうことじゃないんですか。
  145. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 五十三年度以降は共同で調査をするということで完全に分担をいたしまして調査をしてきております。
  146. 大川清幸

    ○大川清幸君 ですから、分担をして共同で調査をやったんですが、結果としては両庁の調査の結果が一致していたということですか、この新聞報道は間違いなのか、どうなんですか。
  147. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 両省それぞれが調査をしておりました期時がございまして、その時期の調査につきましてはごみを集める収集の範囲も若干違う範囲を想定しておりましたし、それからいまの廃土等につきましては対象の考え方が違っておりました。しかし、五十三年以降共同して調査をいたしましてからはその間の違いはございません。
  148. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、このセンター法案関係資料の提案理由の説明の中で、まず第一は、大都市圏においては廃棄物の発生量が膨大になったこと、これが一つ。それから区域では、大都市周辺なんかは特にそうでしょうが、土地が高密度に利用されているために内陸処理が大変困難だと、まあ場所を見つけなきゃならないと、それなら海がいいだろう、こういう発想でこの計画が出てきたように説明が行われています。  これは一つは、清掃事業そのものが地方公共団体の長の所管事項であることが意識的にありますからね、まあごみの量、排出量等で行き場所がないから海がいいだろうということでお決めになったんでしょうが、この基本的な考え方の中で一番欠落している部分は、やはり産業廃棄物、一般廃棄物の中で問題なのは、重金属その他、さっきからいろいろ話がありましたその他の化学物質等もみんな含んでおる性質のものが多いわけですから、公害処理についてはどうするかということを基本的にこれはしておかなければならない問題で、清掃事業そのものの所管が市町村長の事務だからということで置き去りにしたんじゃないと思いますけどね、これだけの広域処理をする構想をなさるならば、周囲の影響が大きいわけですから、公害に対する基本的な考え方をきちんと一緒に確立をして提案をしてくるべきだと私は思っておるわけですが、それはどうしてやらなかったんですか。
  149. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 有害産業廃棄物規制につきましては廃棄物処理法で規制をされておりますところですが、とりわけ有害産業廃棄物につきましては厳しい規制がかけられております。一つには処理責任者を置くというのが特例的にございますし、不適正に処理をした場合にはより厳しい罰則がかかっておる等々細かい技術的な基準を含めて決められておりますので、それに従って指導、監視を強化していくということを考えておるところでございます。
  150. 大川清幸

    ○大川清幸君 それは監視体制も考えておるから大丈夫だと言いたいんでしょうけど、特に産業がこれからも発展していくんですし、一般廃棄物あるいは産業廃棄物の量は、減量化をやろうとも、これは将来ともにふえてくる可能性の方が大きいわけですね。この法案で当面広域的なものを集めて処理をする、これは向こう十年、提案されているとおり十年前後はいいですよ。しかし、将来のことを考えますと、いま南太平洋でも、放射性物質の処理については、周囲の関係諸国からいろいろ非難もあって、日本の立場は窮地に追い込まれているような実情も考えますと、これは先ほど言ったように、市町村事務ではあるかもしれぬ、清掃事務は。しかし、そうした大きな立場から考えると、先々は行き詰まりますよ、これは。将来も含めて考えた場合には、これはきわめて国家的な性質を帯びた事業なんです。  それを当面十年のことだけ法案にして出してきて、公害そのものについては、監視員つくって市町村で管理してもらえばいいというだけの問題ではないんで、もう少し後で論じますが、公害については、先ほどからいろいろ処理する方法や監視体制、お答えがありました。あのお答えでは私は不満足です。公害は出口で押さえなきゃだめなんですよ。たとえば、中小企業で大変苦しい事業を運営しておりますが、メッキ業者なんかは、いろいろな公害処理をする施設に高い金を払って、しかも後、仕事が来なくて転職したりつぶれたりというところもあってやっているが、あれは出口でちゃんと押さえている。各市町村、保健所はちゃんと排出する水を見ていますから。ですから、企業なんかで、こうした生産工場なんかで出てくる産業廃棄物については、出口で明確にチェックをしないと、持ってきてもらって、これはだめですからといって返すわけにいかないですよ。こういう体制をどうするかを法律上決めておかないと、市町村ではやりようないですよ、これは。この点どうしますか。
  151. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 廃棄物につきましては、量の問題、それから、いま委員からお話がありました質の問題、特に有害なもの、これは厳重な規制をかけていかざるを得ませんし、今後ともおっしゃるように出口で押さえていかなきゃならぬと思っております。特に今度はセンター法ができるに際しまして、センターの方の受け入れ基準、当然のことでございますけれども、生ごみは絶対にだめだとか、あるいはいやしくも有害物はだめであるとかということは明定するつもりでございまして、この制定を機会にさらに監視を進め、そういう風潮を助長してまいりたい、かように念願しているところでございます。
  152. 大川清幸

    ○大川清幸君 そういうような規定を設けたり、監視体制を充実するという御答弁、それは当然やっていただかなきゃならぬことですが、先ほどからの御答弁に関連をして伺っておきたいのは、たとえば一般廃棄物の中の生ごみですけれども、これ、東京都のような財政がわりあいしっかりしているところで、かなり優秀な外へごみのにおいの出ないいい清掃工場で焼却処分はしているんですが、日量全量がまだ処分できない状態です。他の市町村は、こういうような優秀な設備をつくるについてはえらいことです。  そこで、規定をするのは結構ですが、一般廃棄物の生ごみの部分だけ全量焼却をさせようと、これはいろんな規定設けられるのも結構ですが、仮にこの法案が成立して広域処理をするべき埋立地ができるまでに、どの程度の市町村がこの中に入ってくるかわかりませんが、どうも関東圏とかあるいは関西圏だけ見たって、関連の市町村の数が二百とかあるいは関東では四百ぐらいになるんじゃないかという予想も出ていますが、これらの中小市町村にこうした焼却処理なり何なり万全を期すような体制を間に合うようにやらせるという意味でおっしゃっているんですか。法律だけつくったってだめなんですよ、事実は。どうなんです、その点は。
  153. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 生ごみは先ほども申しましたようにかなり出ているわけでございますから、これをできるだけ少なくするように資源化、あるいは減量化を図っていくことは当然でございます。そのためのやり方、先ほどから減量化あるいは資源化に際して分別収集をやるとか、あるいは資源化を図っていくというような努力を今後もしていかなければなりません。これは本来市町村の固有事務なのでございますが、やはり国の立場で何としても規制せにゃならぬ、そういう意味で助成政策その他をとっているわけでございます。市町村も一生懸命だろうと思うのでございますが、今後とも市町村と連携をとりながら、さらにその固有事務が適確に推進されるようにわれわれも国の立場でやっていきたい。特に今度のセンター法ができるに際しまして、はっきり受け入れ体制を決めることによりまして、さらにその努力を促進さしたい、こう思っておるところでございます。
  154. 大川清幸

    ○大川清幸君 センター法案ができて、大臣の御答弁のようにいろいろのただいま言ったような幾つかの処置をすれば何かこの問題解決するみたいな御答弁なんですけれども、そう簡単にいかないんですよ、大臣。  というのは、これは現実の問題は財政伴いますから、先ほどから御答弁があって、市町村等に固有の事務である清掃事務の処理をさせるのに、それは補助金二分の一と四分の一、あるいは地方債、交付税で見ましょうというんです。ですから先ほどから言っているように、この計画が実施される年度までにそういう体制ができたら、生ごみもちゃんと焼却できるでしょう。それから出口でちゃんと押さえてくださるといういまの大臣の御答弁なんですから、それもじゃそれまでにちゃんと間に合う体制に、法の整備だけじゃなくて、いろいろな機器の製作とかいろいろな体制、仕組みについてもちゃんとなさるという意味でおっしゃっているんですかと、それならこの法案ができて、国会通って、そして実際に埋立地が決まって、対象地域が明確になって、そこへごみが運び込まれる、そのときには先ほどから論議されているほとんどの問題が解決するんですよ。それが実際問題財政措置もできないじゃないですか。どうなんですか。
  155. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) もとよりこの問題のむずかしさは私もよく認識しているつもりでございます。問題は地方の固有事務でございますが、地方全体の財政の中でこの部分に重点を置いてやっていただかなければならないということでございます。そのために、国としてそこに努力するにしても努力しやすいような援助はしなくちゃならぬ、それが分別収集の方法であってみたり、あるいは資源回収の方法であってみたり、そういう点でわれわれは財政的には現在もう決まっておるわけでございますけれども、その中で技術的な行政的な、あるいは受け入れ基準的な、そういう方法について、やはり意思を疎通しまして、そうしてこの問題がいかに住民生活に重要であるかということを十分地方団体と意思疎通をいたしまして、ここに重点を置いてやっていただくようにしていきたい。そのためのわれわれが容易になる道をつくっていきたい、こういうことでございます。
  156. 大川清幸

    ○大川清幸君 理念や精神的な答弁や御決意はよくわかりますよ。金の面しゃどうにもならぬでしょうと私言っているんですよ。どうなんですか。この財政的な問題では市町村はえらい被害をこうむる、被害というか負担がかりますよ。自治大臣いかがです、これ、実情として。
  157. 矢野浩一郎

    政府委員矢野浩一郎君) 清掃関係の業務につきましては、市町村本来の仕事として、市町村の仕事の中でも大変大きなウエートを占めております。また、これに対して非常に多くの財政支出を行っておるということは、もうこれ御指摘のとおりでございます。現在、財源措置方法といたしましては、国の方からも国庫補助、それから地方債、交付税ということで現在財源措置をしておるわけでございますし、また、今回センター法の制定に伴いまして実施するような広域処理につきましても、いままでやっておりますと同じような財源措置ができるようにわれわれ考えておるところでございます。  ただ、ごみの処理につきましては、おっしゃいますようにいろいろやはり問題が多いと思いますし、新しい技術あるいは減量等の専門的な技術、そういった点もいろいろ必要だと思います。そういう点につきましては、これは専門の知識、技術をお持ちの厚生省の方の指導もいただきながら、私どもの方としても、市町村のそういった清掃に関する財政支出の実態を十分見ながら支障のないような措置をすることに努めてまいりたい、こう考えておるところでございます。
  158. 大川清幸

    ○大川清幸君 市町村固有の事務、法律上そうなっているんですよ。みんなだれでも承知しているんですよ。ただ、これは産業廃棄物、一般廃棄物のことが出てこんな論議になるのは、時代の変化とともに、さっきの減量問題だって簡単にお答えになっていますけれども大臣、これは容易じゃないんですよ、本当は。それから資源の再利用の問題だって。時代が変わって、単なる清掃事業という概念をもうはみ出しているんですよ。それも法律があるからいまだに事業処理全体について市町村固有の事務だと。いままでのような補助をやっておけばあとは市町村がやるだろうという考え方で処理できない。だから、私は初めから、きわめて国家的な性格になったんだと、こう申し上げているんですよ。その辺の認識を変えてもらわないと、この事業を推進することについては私たちは納得いかないんですよ。どうなんですか。
  159. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 認識においては全く同じなんです。ただ、その方法とそれから地方の財源の重点配分の置き方をどうするか、こういうことでございまして、まさにこの廃棄物処理というものは、最近の日本が非常に近代化したことに伴って当然新しく出てきたニーズであり、そしてこれは公衆衛生の立場からも環境衛生の立場からも、きわめて重要なニーズであるということをわれわれは地方とともにやっていくと。そして、そのために地方が経済的にやれる方法を、いろんな技術的な面、そういった面で現在われわれが持っております知識、もちろんこれは通産のいろんな廃棄物処理の知識もかりなくちゃなりませんけれども、現在持っておるわれわれの知識でできるだけやっていきたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。
  160. 大川清幸

    ○大川清幸君 ですから、もうこの論議ばかりやっていると先へ進まないから、もう一遍聞きますけれどもね。地方債あるいは交付税でごらんになる、その他補助では四分の一と二分の一制度でいままでやってこられたことについては承知をいたしておりますけれども、いま言ったような新しい減量化ですとか、それから財政力のあるところは、後でもちょっと実例出しますが、大阪市なんかでは塩ビから塩を再生産して何かソーダ工場に売っていますね、ああいうことは財政力のあるところはできる芸当なんですよ。小さな市町村なんかとてもじゃないですよ。そういう点から考えると、じゃ大臣が、この法案どおりに計画が各地域で実施される段階までに間に合わせるのかということについても御答弁ないんですけれどもね、先ほどから言っている従来の補助金あるいは交付税、まあ地方債は余りふやしてもらっても困るので、交付税なんかで中身で、そういう新しい、従来の市町村固有の事務の認識で処理をしてきた単なるごみ処理の範囲を超える部分についての必要経費については、各地方公共団体に今後見ますか見ませんか、どうですか。
  161. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) もしお話が国庫負担率を上げるのかどうかというようなことでありますならば、そういうことは考えておりません。  しかし、先ほども申しましたように、もう釈迦に説法でございますから申し上げませんけれども、市町村の財政は基準財政需要とそれから基準財政収入で組み立てられておるわけでございますから、当然地方には自主財源として、市町村は大体二割五分ぐらいは自主財源が残ると、こういうわけでございます。ですから、単独事業の中でやるか、あるいはそれ以外の行政の中でやるかは別にいたしまして、ここに財政の重点を置いてほしいと、これはやはりいまの日本の要請ではなかろうかと、われわれはそう信じているわけでございますので、そしてそうなりやすいように、しかし、そうかと言ってそのために地方が不必要な金を使わないように、その経済性と技術性をできるだけ考えて、国は大いに技術的な面あるいはやり方の面で一緒に知恵を出してやっていきたい、こういうことでございまして、もうこれができるまで全部ゼロになるかなんということは、それはそんなことはとても私がいま約束できる段階ではありませんけれども、われわれの誠意は買っていただきたい、こういうことを申し上げているわけでございます。
  162. 大川清幸

    ○大川清幸君 それでは次に、先ほど渡部委員の質問にもお答えがあったんですが、廃棄物排出量ですけれども、先ほど五十四年度アンケート調査をやって、そいつをふくらまして大体一億トンぐらいとかなんとかという御答弁がありましたね。まあ数量はもう一回聞いても結構ですが、これ産業廃棄物の各市町村の地域で出てくる。掌握はしにくいと思うんですよ。だけども、先ほどから私言っているように、海面埋め立てだって東京都は恐らく六十年でいっぱい、延ばして六十一年だと言っておりました、この間聞いたら。それから千葉県も独自でやっている仕事は恐らく三年ぐらいしか先々余裕ないでしょう。あるいは大阪湾にしたって、あれ瀬戸内海やいろいろな関連から言ってもなかなかこれは無限に埋め立てていいというものじゃないんですな。先へ行けば行き詰まるに決まっているんです。それから減量の問題だって、そこそこ減量をある程度やっておけばいいという性質の問題では私はないと思うので、そういう意味では、確かに市町村固有の事務ではあるかもしれないけれども、国の将来、産業活動から考えたならば、国でもう少し考えておくべき部分があるので、その辺を私は明確にしてもらいたいと先ほどから言っているんですよ。市町村だけじゃ対応できないですよ。  その御用意はあるんですか、どうなんですか、大臣、当面のその補助金等のほかに。
  163. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) ですから、先ほど申しましたように、分別から選別、あるいはそれに伴いまして資源の再生化あるいは減量、あらゆる面でやりまして、最終処理量をできるだけ圧縮するということがもう第一であろうと思うわけでございます。その場合に、先ほどから責任の所在等が、請負業者等がありますので、そういう責任の所在も明確にする必要があるんではないかということは審議の過程でわれわれも痛感しているところでございますので、それらの点を明らかにすることによりまして、できるだけ市町村が経済的にそれらのこれから大事な事務を遂行できるように、国として、厚生省としましても関係各省の協力を得ながらできるだけやってまいりたい、こういうことでございます。
  164. 大川清幸

    ○大川清幸君 御答弁が満足に返ってこないからいたし方ありませんが、五十五年度の公害状況に関する年次報告書、白書が出ています。これの百十六ページに、「産業廃棄物は、1特定の発生源から多量に排出される」、それから「2その発生源ごとに一定の性状のものが発生することなどから」、云々と、こう出ています。  ですから先ほどから言っているように、産業廃棄物から毒性のあるものが出てきても困るし、埋め立てた後にいろいろ問題が起こっても困るので、出口で押さえるように体制をやってくださいよと言ったら、考えるとおっしゃっているから一応御信頼を申し上げますが、これほど明確に実態をとらえていらっしゃるのなら、産業廃棄物については、先ほどのアンケート調査じゃなくて、これから市町村にも依頼をして、実態を明確に把握した上で、将来産業廃棄物影響なり処理量なりがどうなるか、国家的な規模で算出をして、処分についてはどうするかということを考えないと、向こう十年間、私はこれが国会で議決されて通れば、仕事をするについては捨て場所がなきゃ困るから、やることについては何らかの方法を講じなきゃならぬと思いますが、これほど明確に実態がおわかりになっているなら、全体の掌握をもう少ししっかりおやりになって、明確な公害対策の上から、あるいは廃棄物処理の上から計画なり何なりを立て、それに市町村はどの分まで協力してもらうかというような構想をちゃんと打ち出すべきですよ。その点どうですか。
  165. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 廃棄物処理量とか、どういうことをやっているかという実態把握につきましては、現在都道府県の状況を聞きますと、二万数千の有害産業廃棄物排出する、あるいはおそれのある事業所はかなり特定されておりまして、わりあいに把握されておるようでございます。しかし、事業所の数は製造業だけで百三十九万、その他を含めますと数百万になるわけでございまして、そのほかについて詳細な実態調査をやるということは大変なことになります。したがいまして、国としても相当の援助をしていく必要があろうと考えておりますが、こういうものを調べる場合に、一般的に行われております階層別に抽出をいたしましてそこで原単位を求め、工業出荷額等から推計をしていくということを従来もやっておりますので、ここ一両年あいておりますが、早速にも実態把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
  166. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、産業廃棄物等について、私はどうしても国にやはり責任の一端を持つ、そういう認識を持ってやってもらいたいという意味は、大臣等も御承知だと思いますが、次のような事実がある。  東京都では、六価クロム事件はついこの間です。美濃部さんもおられますが、大変御苦労なさった御本人がおられるからよく承知してますよ。それから、葛飾区に東京都の水産試験場の分場が昔からあるんですよ。いまから二十年前に、やり場がなくて生ごみをお隣の埼玉県の三郷へこっそり、こっそりでもないでしょうが埋めたんです。ところが、その処理の仕方が悪かったため、生ごみの汁が出てきて都の水産試験場の金魚が大分死んだんですよ。東京都のやった事業だから、あいこだから外へ出ないで済んだんですけれども、ごみというものはそういう影響があるんです。  そこで、これは一九四二年から一九五三年まで、アメリカのナイアガラフォールズという、これはニューヨーク州の小さな町です。ここに廃止になったキャナル、運河みたいなものがあったんでしょう、ここへ、フッカケミカル・アンド・プラスチックカンパニーという会社があって、そこの産業廃棄物を長年にわたってこの廃止になった運河に埋めたんですな。で、上を造成しまして宅地をつくって、人口もふえたから小学校まで置かなきゃならないということになって、体制ができて、ここへ住民が移住をした。ところが後の現象が、ここで誕生したお子さんの五〇%が内臓、神経あるいは四肢に何かの欠陥のある子が生まれた。あるいは歯が三組も生えるような異常現象も起こっている。これは染色体性の欠陥、遺伝子に対する影響が起こったためにみんな移転せざるを得なかったということがあるんです。工業廃棄物等の恐ろしさはこういうところにあるんですよ。  それですからさっきの、出口で公害に関するものは押さえてもらいたいし、それから運び込んだものについても先ほどから論議があったが、生ごみあるいはPCBその他含んでいるものについては、全部排除しなければならない。こういう点を考えますと、埋めた後の土地利用も考えてみると、これは公害関連の物質を排除することについては最大の力を入れなきゃならない。先ほどから繰り返して申し上げているように、そういう点では市町村だけではできない。ごみを運んでどっかへ捨てるぐらいは市町村固有の事務でいいんですけれども、先ほどから言っているように、こういうようなことを考えると、当面の廃棄物処理についても責任の一端を担うような財政措置も必要だし、あるいは研究開発についても国は進んでやってもらいたいと思うわけです。  実例で、ついこの間報道されておりましたけれども大阪の工場では、塩ビの煙をつかんでおいてそれを塩に再生産をして売却をするなんというようなことで効果を上げているようですが、そういうことから考えますと、当面のこと、まあ当面のことはいまおやりになると答弁しているから、きょうここで論議しても日が暮れちゃいますからこの辺でやめておきますが、それではひとつ、これから将来、十年以降のことについても同じ問題というか、もっと始末の悪い問題が起こるかもしれません。そういう意味で、清掃は市町村固有の事務だから主に市町村固有の事務でやらせるのであって、産業廃棄物の将来のいろいろな問題点については化学的、物理的に検討をして、後顧の憂いのないような体制も考えましょう。こういう点については責任が持てますか、どうですか。これはきわめて政治的な問題であり、政府で本当にここで考えてもらわないとならない問題だと私は思っておるんですが、どうですか。
  167. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) いまのお話は主として産業廃棄物に関連する問題だと思いますが、もう御承知のように、有害物が発生しないように厳重な規制をしているところでございます。今後ともこの体制は固めてまいらなければなりませんし、励行してまいらなければなりません。で、責任の所在は言うまでもなく原因者にあるわけでございますので、そういうことは企業がやらないように、この上ともこれはしっかりやってまいりたいと、かように思っております。
  168. 大川清幸

    ○大川清幸君 そこで、再利用の状況について把握している資料があればここで御報告を願いたいと思うんです。  この白書によりますと、五十二年度現在で再資源化率は三一%となっておりますが、ここ一、二年の状況はどうなっておりますか。
  169. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 一般廃棄物につきましては、通常都市の統計で上がってまいりますのは集団回収、ボランティア活動等であらかじめとった後の量が市に集まってまいりますが、そこからの資源量につきましてはせいぜい一ないし二%程度でございます。ただし、その前段階で紙、びん、鉄くず等の有価物がとられておりますが、これが推定二五%ぐらいはあるんではなかろうかというように考えております。  また、産業廃棄物について先ほど三一%という数字でございましたが、昨今聴取しますと三二%ぐらい、ちょっと横ばいに入った。ここ数年非常に急激に上昇してきましたが、ちょっと横ばいに入ったという印象を持っております。
  170. 大川清幸

    ○大川清幸君 ですから、再利用も何か答弁を先ほどから聞いていると、確かに産業廃棄物については事業者責任ですから、それなりに各事業でも工夫をしながらやっているんで、余りいいかげんな対応をしていると住民からも苦情が出たりして追い払われる、こういうことになりますので、それなりに必要に迫られてやっていると思うんですが、やっぱり民間任せだったりするとなかなかこれは進まないんですよ。それで、それなりに先ほど補助金なりあるいは低利の貸し付けなりをして、再利用についても事業別に指導の要綱なり方針みたいなものを立ててやるなり、何かのフォローをしないと、ごみの減量、減量とそう口で言ったって実現はしないわけですから。その辺の配慮——それは市町村で実際事務はやらせるしかないかもしれませんけれども、基本構想みたいなものは持っていただかないと、全国これまとまりつかぬですよ。どうですか、その辺は。
  171. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 御指摘のように、減量化にしましても資源化にしましても、あるいは環境保全上の処理の高度化の問題もございましょうし、御指摘の有害廃棄物の適正処理の問題もございますし、いろいろ問題がございます。法体系としましてはかなり規制はきっちりできておるというふうに思っておりますが、問題はその実態でございまして、この実態が処理法の求めているものに沿うようにできるだけ強く指導監督していく必要が基本であろうと思います。  と同時に、たとえば適正包装の問題でありますとか、集団回収、分別収集、そういった広く協力を求めなければならない部分につきましてはそういうマニュアルをつくって広く宣伝していくと、従来も環境衛生週間等でやってきたところでありますが、とりわけ資源化、減量化に焦点を置いたアクセントのついたPRをしていく必要があろうかというように考えております。  また市町村等に対しましても、資源化の技術の問題、減量化の技術の問題、分別収集の方法の問題、そういったことがかなり、私どもの方も五十三年度以降いろいろ調査をしてまいりましてデータは蓄積されてまいりました。実験プラントも数十億かけたものも豊橋市にできております。そういった成果を取りまとめまして市町村を厚生省として指導してまいりたいというように考えておるところでございます。
  172. 大川清幸

    ○大川清幸君 次に、屎尿の処理状況ですが、白書の中にも三百四十二ページですか、これに出ておりますが、この屎尿の排出量の中で、これは下水投入、それから屎尿処理場で終末処理をするもの、これは最終的には汚泥が出てきてこの汚泥の始末をするんですが、汚泥のコンポスト化なりあるいは減量化については状況はどうなっていますか。
  173. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 汚泥のコンポスト化につきましては昨今少しずつ上り調子になってまいりました。かつて全国二十数ヵ所、三十ヵ所近くまで普及したんですが、その後化学肥料が出る、要するにできました肥料の流通問題が制約になりまして一時八ヵ所まで落ちましたが、昨今十二ヵ所ぐらいまでふえてきております。また、新しい分野として汚泥のコンポストというものも国庫補助をつけまして、現在汚泥関係しましては四ヵ所、五十二、三年ごろから整備をしてきておるところでございます。
  174. 大川清幸

    ○大川清幸君 汚泥についても、いまの技術水準では中に含まれている重金属等がなかなか排除できないようですね。都市下水は、旧市街地なんかで早い時期に下水が敷設されたところは工場排水等も一緒ですから、そういう重金属やPCBやいろんなものが入ってきちゃうんですよ。たとえば、多摩ニュータウンみたいな家庭雑排水だけの終末処理場であれば、これは肥料に還元ができるんです。将来のことを考えますと、人口も減るわけないんだし、本当に減量化ということで考えると、下水の終末処理場から出る汚泥、これは一部燃やしたりいろいろやっておるわけですけれども、実際に化学肥料ばかり使っている農村なんかでは土が死んじゃうとか、変てこな黒い斑点のできる大根が育つとかというようなことがあるので、人ぷんが一番いいわけで、肥料に還元できることではこれ理想的だと思うんですが、ただ、問題は重金属その他のそうした毒性のあるものが排除できないことで、なかなかいまの技術水準ではむずかしいかもしれませんけれども、その辺の排除だっていまいろんなことが開発されているんだから、一回試験的にやってみてはどうかと、減量化の一環としてやっぱり研究課題だろうと思うんですが、これはどうですか。
  175. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 下水道の所管、実は建設省でございまして、私の先ほど申し上げましたのは、屎尿処理施設汚泥のコンポストの話をしたわけでございます。下水のコンポストの状況は全国でただいま三ヵ所ぐらいが、山形県の二ヵ所と東京都の南多摩という三ヵ所で稼働しておるというふうに聞いております。
  176. 大川清幸

    ○大川清幸君 それでは次に、今度認可団体の態様について二、三お伺いをいたしておきたいのですが、これは地方公共団体の長ないしは湾港管理者など十人から発起人を出してもらって、それで発起人会ができたら定款を作成し、主務大臣にそのセンター設立の認可の申請をして許可を受けて出発をするということに実際にはなるのでしょうが、この十人はこの法案が成立をすればその法律の規定によって各地方公共団体から選出をされることになるので、それは関係の団体の長なり何なり地方団体側から推薦されるので、どういうものが出てくるかわからないということですか、それとも何か御構想があるんですか。
  177. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 大阪湾の圏域におきまして、五十六年の年度内にセンターを設立するということで考えました場合に、発起人になることが想定される地方公共団体及び港湾管理者の長は決まっておるというわけではございませんが、大阪湾圏域環境整備機構設立協議会と、こういう団体がございまして、この団体の構成メンバーの中から恐らく出てこられるということで、この協議会の意見等を伺っております範囲では、港湾管理者の長としましては神戸港、大阪港、尼崎・西宮・芦屋港、それから堺泉北港及び阪南、こういう港の港湾管理者の長の中から出ていただくことになるようでございます。  それから地方公共団体の長といたしましては兵庫県、神戸市、大阪府、大阪市、京都府、京都市、滋賀県、大津市、奈良県、奈良市、和歌山県、和歌山市等の各地方公共団体の長が発起人になっていただけるように協議会では伺っております。  それで、発起人の数につきましては、ただいま御指摘がありましたように十人以上と予定いたしております。
  178. 大川清幸

    ○大川清幸君 いま関西方面については御答弁がありましたが、そうすると東京湾関連も同じような大体考え方と解釈をしてよろしいですか。
  179. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 関西方面につきましてはかなり具体的に発起人になっていただけるというような公共団体の名称を伺っておりますけれども東京湾の周辺の問題はまだそこまで煮詰まっておりませんで、伺っておりません。
  180. 大川清幸

    ○大川清幸君 いずれにしましても、この団体が発足して事業出資金ができて運営が走り出さないといろいろ具体的なことがわからない段階ですから、御答弁が多少は不明朗になるのはいたし方ないと思っているのですが、仮に首都圏だと、先ほどもちょっと触れたんですが、市町村以上で対象になると想定される団体は四百前後になるでしょう。内陸の市町村なんか全く捨てるところありませんから。それから、大阪でも三百以上でしょうかね、関西関係、もっとになりますか。ですから、そうなるとこれはえらいことになるので、出資金の負担の状況なんかどんなふうに考えていますか、各地方公共団体側からの出資は。
  181. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 出資金につきましては、金額的には大体一億程度の設立当初の初度調弁というような形でございまして、これに先ほど申し上げましたような十人以上の発起人、十二、三というような、あるいは十四、五というような発起人になろうかと思いますが、この発起人が集まりまして設立をいたしまして、出資者を募るわけでございますが、その出資者の中で御相談をいただきまして、まあ均等に出資をしていただくか、その辺はわかりませんが、多分そういうことになろうかと思いますので、大体一億ぐらいをそういう形で出資をしていただくということになろうかと思います。
  182. 大川清幸

    ○大川清幸君 時間がなくなってきましたので、それでは関連団体というか、出資のあれは限度があると思うんですが、この広域処理に参加をして廃棄物を搬入する市町村については、出資をしていなくても、あるいは管理委員会ですか、そういうところに役員等送り込んでいなくても処理については参加できるということですね。
  183. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 処理の委託は役員であるとか出資しているということと関係なく受けることになります。
  184. 大川清幸

    ○大川清幸君 それじゃ時間がなくなりましたから、最後にちょっと一つだけ搬入の状況について伺っておきますが、廃棄物を搬入するのは、場所がどこか決まらないからまだ何とも言えないんですけれども、関東圏とかあるいは関西圏あるいは北九州とかそういうところでも、大体事故発生の白書を見るとみんな集中しているところですね。ですから、関係する地方公共団体がこうした廃棄物を搬入するについては、十分道路の整備だとかこういう点の対応もしなきゃならないと思いますが、これは各市町村と話し合ってその辺の対応もするお考えがあるんですか、どうですか。
  185. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 搬入路及び搬入基地は一つの大きな問題でございまして、当然に道路管理者等と話し合っていく必要があろうかと考えております。
  186. 大川清幸

    ○大川清幸君 先ほどから繰り返しておりますように、確かに清掃事業そのものは市町村固有の事務です。しかし先ほどから繰り返しで申し上げておりますように、市町村固有の事務で決めた時代とは態様が変わってまいりました。まして人間の生命や健康に影響のある公害の発生源でもいまはあるわけです、この廃棄物そのものが。そういう点では、十分国の方でもそれだけの認識を持って公害防止に対する対策はやっていただきたい、こう思うわけでございまして、ただ、埋立地ができて当面十年だけ何とかなればいいわということでは困るんです。大臣いかがですか。
  187. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 厚生大臣ともども協議いたしまして、もちろんその方向に沿って努力を重ねてまいります。
  188. 大川清幸

    ○大川清幸君 せっかくの努力をお願いいたします。  以上で終わります。
  189. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは、ただいま問題になっております広域臨海環境整備センター法案についてお伺いをいたします。  このセンター法案の問題点について幾つか聞いていきたいわけですが、運輸、厚生両省が共管で出しているこのいわゆるフェニックス計画、この内容というのは、認可法人のセンターが事業主体になって、そうして首都圏では東京の湾の奥部に廃棄物等の広域処分量二億五千万立米ですね、海面埋め立ての面積が千二百ヘクタール。近畿圏では大阪湾の奥に一億四千万立米、八百ヘクタールの広大な最終処分埋め立てを建設しようとしているものでございます。  そこでまず最初に、埋め立てというのは非常にいろいろな影響を及ぼしますので、埋め立てに伴う環境影響についてお伺いをしたいと思っております。  フェニックス計画の立地が予定されております東京湾大阪湾というのは、埋め立てによる環境影響が非常に心配されております閉鎖性水域でございます。二つの湾とも戦後高度成長期の中で広大な海面埋め立てが行われて、臨海重化学コンビナートなどの建設がどんどん進められてまいりました。そこで、昭和二十年八月から昭和五十五年三月までの東京湾岸三都県、それから大阪湾岸の二府県の港湾区域内の埋め立て造成実績、これが一体どうなっているか簡潔にお答えをいただきたい。
  190. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) お答えを申し上げます。  昭和二十年から昭和五十五年までの東京湾岸の埋め立ての実績は千葉県で七千九百九十一・六ヘクタール、東京都で二千二百四十五・二ヘクタール、神奈川県で三千二百五十三・八ヘクタール、合計いたしまして一万三千四百九十・六ヘクタールでございます。  大阪湾におきましては、大阪府におきまして二千九百・二ヘクタール、兵庫県におきまして三千六百二十六・六ヘクタール、合計六千五百二十六・八ヘクタールでございます。
  191. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 この三十五年の間に東京湾岸三都県で一万三千四百九十・六ヘクタール、大阪湾岸の二府県では六千五百二十六・八ヘクタール、これはとてつもない広大な海面埋め立てがすでに行われてきております。  次に、昭和四十一年の一月から五十五年の十二月までのこの期間における港湾区域内の運輸大臣の認可に係る埋め立て許可実績、これはどういうふうになっているか。東京湾岸三都県と大阪湾岸二府県の件数と埋め立て総面積、ちょっと簡潔にお伺いしたい。
  192. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) お答え申し上げます。  昭和四十一年の一月から昭和五十五年の十二月までの港湾区域内におきます埋め立ての認可実績でございますが、東京湾におきまして、千葉県で件数四十一件、面積にいたしまして四千二百五十四・九ヘクタールでございます。東京都におきましては件数二十一件、千三百八十三・一ヘクタールでございます。神奈川県におきましては件数が五十七件、二千百二十八・五ヘクタール、合計いたしまして百十九件の七千七百六十六・五ヘクタールでございます。  大阪湾につきましては、大阪府で二十六件、千五百四十六・三ヘクタール、兵庫県におきまして二十九件、千六百七十四・一ヘクタール、合計いたしますと五十五件で三千二百二十・四ヘクタールでございます。
  193. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いまの御説明のように、この十五年間で東京湾岸では百十九件、七千七百六十六・五ヘクタール、大阪湾岸二府県で五十五件、三千二百二十・四ヘクタールと、広大な面積が許可をされております。  これらの埋め立て許可のうちに、現在工事中の埋め立て件数と面積はどうなっていますか。
  194. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) お答えを申します。  昭和五十五年の四月現在の数字が現在ございますのでこれを申し上げますと、東京湾で千葉県十五件の七百九十八・八ヘクタールでございます。東京都が十三件、千四百十五・〇ヘクタール、神奈川県が十三件、三百九十五・五ヘクタール。合計いたしまして東京湾で四十一件、二千六百九・三ヘクタール施工中でございます。  それから、大阪湾におきましては、大阪府で十七件、千四百八十一ヘクタール、兵庫県で十四件、千十四ヘクタール、合計いたしまして三十一件、二千四百九十五ヘクタールでございます。
  195. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 大阪湾東京湾港湾区域内でこういう広大な海面埋め立てが現在行われている。このほかに、計画中、構想中と言われるものがメジロ押しに出てまいっておりますね。  まず東京湾について見ますと、計画中のものが横浜、横須賀両港で九十四ヘクタール、構想中のものでは羽田沖埋め立てが約三百七十ヘクタール。フェニックス計画ではいま問題になっております千二百ヘクタール。建設省下水汚泥広域処理処分場ですか、これがいわゆる調査報告によると二百ヘクタール前後、構想中あるいは計画中のものだけで東京湾で千七百七十ヘクタール、大阪湾について見ますと、計画中のものが神戸港及び尼崎・西宮・芦屋港で七十九ヘクタール、大阪港、堺泉北港、阪南港で二百八ヘクタール、合計二百八十七ですが、構想中のものがこれまた問題になっております関西新空港、千二百三十ヘクタール。空港対岸の前島計画というのが八百五十ヘクタール。岬、阪南町海岸延長の六キロ埋め立てというのが六十ヘクタール。これに、現在審議中のフェニックス計画約八百ヘクタール、合計三千ヘクタール余りに上っているわけですが、こういう計画または構想が進んでいるということは、このフェニックス計画をお進めになっていく上で運輸省把握した上でおやりになっておられますか。これはどうです、大臣
  196. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) このような実情は把握した上で計画をいたしました。
  197. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 非常に重要でございます。これだけたくさんすでに埋め立てられて、これから計画中、構想中というのは莫大な量。  そこで、瀬戸内海環境保全特別措置法の埋め立て規制水域というのは、大阪湾岸ではどうなっていますか、環境庁
  198. 小野重和

    政府委員小野重和君) 瀬戸内海法律によりまして、埋め立ては必要やむを得ない場合に限って認めるという趣旨の基本方針がございまして、それに基づいて埋め立ての免許等が行われることになっておるわけでございますけれども、特に大阪湾奥部につきましては、この基本方針におきましても瀬戸内海の一般の水域よりも——まあ大阪湾奥部だけではございませんけれども、特に厳しく運用すべきものというふうにされておるわけでございます。そういう方針に従って私ども埋め立ての免許をしていただいているということでございます。
  199. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ちょっと私がお聞きしていることのお答えではないんですがね。瀬戸内海環境保全特別措置法の埋め立て規制水域は、大阪湾でどうなっているかと。  これはあなたのところでもらった地図です。環境庁の資料。これで言いますと、私は大阪だから地図一遍にわかるんだけれども、泉南市の男里川の河口と兵庫県の須磨、この結んだ直線の内部に当たるところというのは全部規制区域、これで青く塗ってあるところです。  こういうひどい状況なんですが、それじゃ規制区域の中にいまの計画、さっきからずっと御説明をいただいた膨大な埋め立て計画でこの規制区域から外れているところはどこかと言ったら、わずかに岬町と阪南町の沿岸の埋め立て六十ヘクタールだけなんです。あとの三千二百五十ヘクタールというのは、この埋め立て計画は全部この中にすっぽりと入るわけですね。これは大変なことなんですが、そこで環境庁はこういう事態をどういうふうに受けとめるか。ここは非常に大事なんです、海面がどんどんどんどんなくなっていくんだから。どういうふうにお感じになっていますか。
  200. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) 先ほども沓脱先生お聞きのとおり、私お答えしましたように、閉鎖性水域ですから、東京湾にしても、大阪湾にしても、瀬戸内海。そこで埋め立てが行われることは基本的には困るんです。ですから、なるべくそれはしてもらいたくないんですが、万やむを得ざるものに限っては審議会に諮ってこれをしようということは瀬戸内海法律で決まっていることは御承知のとおりなんです。  そこで、今度のフェニックスと言われるこの仕組みができて、それに基づいてやるということになりましても、そういう審議会等にやっぱりお諮りをしなきゃならぬだろうと、こう考えておりますし、まだ具体的に話が出ておりませんから私がどうこう言うことはできませんが、基本的には埋立地というものは困るということは先ほど申し上げたとおりでございます。しかし、どうしても埋めなきゃならぬですからこれはしようがないでしょう、捨てるところがないと言うんですから。  そこで、先ほどからいろいろお話しのように、捨てるものをうんと少なくするということに最大の努力を払って、なおかつ仕方のないものはそこへやっていく、こういうことでございますから、具体的な場所等についてはまだお答えする段階でないんです。
  201. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 どうしてもやらなきゃならないものはと長官おっしゃっておられますね。そうしますと、高度成長期のころは、いわゆる臨海コンビナートの立地というのが圧倒的に多かったわけですね。ところが、最近の埋め立て計画というのは、たとえば空港、道路、それから市街地再開発、下水処理場廃棄物処分場、こういうふうになってくるんですね。そうなると、公共性が強いということで一つ一つチェックするということになると、やむを得ない、これは埋めなければしようがないじゃないかと、長官のお言葉によりますとね。一つずつみんな許可をしていきますと、まあこれは大阪湾を例にとっても、大阪湾の海面、消滅しますよ。  だから、そういう点で、私は一つずつの埋め立てについてのお考えがどうだということだけではなしに、少なくとも今後の埋め立てについては、フェニックス計画を初め、これをどれだけ規制をしていくかという立場で、環境庁長官あたりがそのお立場で物を考えていただかなかったら話にならぬと思うんですね。その辺でこれは慎重な態度をおとりをいただかなければならないと思うんですね。  申し上げるまでもなく、広大な埋め立てをやるということになれば、付近の海域の汚染あるいは潮流の変化、それから海域生物の漁業に対する影響などなど、これはきわめて大きいことは言をまちません。  そこで私は、これだけ次から次へと埋め立て計画というのが出てくるという段階で、環境庁としては埋め立て面積をできるだけ少なくするということが当面重要な課題だと思うんですよね。そういう立場で環境庁として海面埋め立て、特に閉鎖性の水域における埋め立てについての基本的なやはり抱負経綸というんですか、基本方針というもの、そういうものをお持ちにならなければならない段階じゃないかと思うんですが、その点で長官の御見解をお聞きをしておきたい。
  202. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) 申し上げましたように、埋め立ては困るんです。埋め立ては困るんですから、環境庁としては埋め立てしてもらいたくない、環境庁の立場としては。もうすでにこの本州全体を見ましても、自然の海岸というのは先生、半分です。半分はセメントで固まったんですから。ですから、できるだけそういうことをしてもらいたくないんですが、三十七万平方キロしかないこの国土で、二割しか可住面積のないところでこれだけの経済生活をやっていこうと。それで、ますますこの経済は伸びていかなきゃならぬとすれば、埋め立てをしなきゃならぬということは出てくるでしょう。それも仕方がないなあ、それも仕方がないなあとやっていれば、これはおっしゃるとおり東京湾大阪湾もなくなっちまいます。  ですから、そういう考えで私どもは厳しく考えていきたいというふうには思っておりますから、どうかその点は疑わないでください。どれもこれもみんないいからといってやるようなことではないんです。どうぞよろしくお願いします。
  203. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは環境庁としてきわめて重要な問題なので、その辺ははつきり環境庁あたりがにらまぬと、にらむところないんですよ。にらんで歯どめをかける役所といったら長官、環境庁だけですよ。そこを有効に作用していただきませんと、環境庁スクラップなどと言われるようなことにもなりかねないわけですから、そんなことを言わせないように、ひとつ環境庁長官としては大いに全体をにらんで対策を慎重にやっていただきたいと思うわけです。  次に、首都圏、近畿圏のこの広域処分量、それから、埋め立て面積に関する運輸省厚生省調査についてお聞きをしたい。  五十二年度の運輸省調査では、東京湾が二億二千六百万立米で、千ないし千二百四十ヘクタール、大阪湾が一億一千十万立米で、千ないし千二百ヘクタール。五十四年度の厚生省調査では、同じ地域だと思いますけれども東京湾が一億三千七百二十四万立米で、八百三十二ヘクタール。大阪湾が八千二百五十二万立米で、四百五十ヘクタール。それで、これまあこういう調査結果を拝見いたしまして思いますことは、先ほどはあんじょう御説明がなかったですね、同僚委員の御質問には。差があると言ったけど、確かに差があるんですよ、おたくら両方の調査資料見たら。  これを見て思いますのは、運輸省厚生省調査が、同じ地域で同じ廃棄物を扱う立場で広域処分について調査をしているのに、どうしてこんなに差が出ているのか。これは非常に不思議なんですよ。だって近畿圏で言うたら運輸省調査では千ないし千二百ヘクタール。これが厚生省調査では四百五十ヘクタールでしょう。で、今度出ている政府案ではそれが八百ヘクタールと、こうなっているわけですね。何てこない違うんですかな。同じ地域で同じものを相手にして、処分量と埋め立て面積ですね、これ調査するのにこないえろう違うもんですか。
  204. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 先生御指摘運輸省の数字の二億二千六百万、首都圏、それから約一億一千万トンの近畿圏の数字、これは運輸省の方で五十二年の前に調査されたものでございまして、共同調査始まったのは五十三年でございます。五十三年以降は一般廃棄物、産業廃棄物につきましては、もう厚生省に任された形でございまして、先ほど先生厚生省の数字としておっしゃいましたのは、私どもが独自で一般廃棄物、産業廃棄物について調査をした結果でございます。  なお、数字の違いの問題でございますが、私ども調査は、一般廃棄物と産業廃棄物について推計をいたしまして、それに通常陸地でも埋め立てをする場合の覆土分として、両方の合計の廃棄物量の三分の一量を覆土として加算をしたということでございまして、この段階では建設残土の調査は、私どもの方としては実施しておりませんで、いま申し上げた一般廃棄物、産業廃棄物プラス覆土という形で出したのが先ほど御指摘の面積であり、数量でございます。
  205. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや年度が違うというけど、運輸省関係は五十三年三月の調査報告ですね。それで厚生省が五十五年三月の調査報告です、私が拝見しているのは、その違いが五十三年の調査の方がうんと量が多くて、五十五年の方は少ないんですね。少ないといったって半分以下に少ないんですからね。ちょっと合点しにくいわけですよね。  それで何てこない違うのか、年度がたって量がふえるということは想定できるんだけれども、量違うんですよ。で、五十三年の運輸省調査というのは、これ、たとえばいま近畿圏申し上げましたけれども運輸省調査埋め立て面積のところは千ないし千二百ヘクタールでしょう。それで厚生省は五十五年の調査では四百五十ヘクタール、何てこない違うのかちょっとわからぬですな。厚生省調査が甘いんですか、運輸省調査が甘いんですか、何がどないになっとるんですか。それは私、調査だから、百ヘクタールや五十ヘクタールの違いが出てくるというのはあるかもわからぬと思いますよ、こないようけ出ても困るんだけれども、本当は。大体半分、低い方で見て運輸省調査千ヘクタールで厚生省調査が四百五十ヘクタールといったら、いかにも一体どないなっているのやと。それで、今度出てきている政府原案は八百ヘクタールと、こうなっておる。大体足して二で割って真ん中とったのかどうか知りませんけどね、まあええかげんにもほどあるなあという感じするんだけれども、何てこない違うんですか。運輸省に聞きます。
  206. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 両省の調査報告書によります廃棄物の量の違いの一番大きい部分は、建設残土の見積もりの量が違うところが大きな原因かと思います。それで、厚生省では、御承知のように建設残土は廃掃法上の最終処分場の受け入れの対象に入れておられません。覆土部分しか見込んでおられません。ところが運輸省で四十八年から実施しております廃棄物埋め立て護岸の受け入れは、これは港湾管理者を構成しております地方公共団体から出る廃棄物を受け入れるわけでございますが、こういった地方公共団体の廃棄物として非常に廃棄に困っておりますものがしゅんせつ土砂と建設残土でございます。そういうことで運輸省廃棄物埋め立て護岸には、しゅんせつ土砂及び建設残土も受け入れるのがたてまえになっております。したがいまして、運輸省でいたしました計画におきましては、そういうものも受け入れることにして、受け入れ量を調査をいたしたわけでございます。
  207. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 まあそのとおりなんですね。両方の資料拝見したんでよくわかっておりまして、運輸省計画が倍以上にふくれ上がっているというのは、建設残土を全体の五割まで持っていっているんですね。これに二割から二割五分の産業廃棄物を加える。で、こうなってくると東京湾では全体の七割、大阪湾では七割五分がいわゆる建設残土と産業廃棄物、そういうことになっているからこないなっているんですね、違うんですね。自治体に処理責任があるいわゆる一般廃棄物、おたくらの調査報告を拝見すると東京湾ではわずか二割でしょう、大阪湾では一割ちょっとでしかない。これではまあ廃棄物対策というけれども廃棄物対策に名をかりた埋め立て造成事業になってしもうているわけだ。  さっきの答弁聞いていて厚生大臣どないですかね、建設残土なんというようなものは非常に困っている、廃棄物として、そんならそれを何で厚生省は勘定に入れてない、運輸省だけ勘定に入れているというのもおかしな話ですわ。だから、廃棄物対策と言われていたのが、今度出てきているこのフェニックス計画は、全く建設残土やら産業廃棄物中心にして七割も八割も入れて埋め立て造成地をつくるという結果になっている。本来の廃棄物対策でなくなっているというところにきわめて重要な問題点があろうと思うんですが、この点は当初の厚生省の御計画と大分変わったと思うんですけれども、ちょっと化けてしもうたけれども厚生省もその化けた上へ乗ろうかということになってしもうたんですかな。ちょっと厚生大臣、この辺大事なところなんですが、ごみというのは大体厚生省の責任なのに、何で建設残土いって五割もあるようなものを運輸省が引き受けますねんというような調査の資料が出ているあたり、実におかしな話で、資料を拝見すればするほどわけがわからぬ。ちょっと厚生大臣の御見解を伺いたい。
  208. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 御承知のように一般廃棄物の中には二つありまして、家庭から出る普通の一般廃棄物、それから、産業関連ではあるけれども一般廃棄物扱いと、その中に建設残土、それからしゅんせつ土砂があるわけでございます。で、いずれもそれは一般廃棄物には違いないわけでございまして、その処理に困っていることも事実でございます。  それらの点を考えまして、そしてまた、その処理を広い意味の一般廃棄物、それから産業廃棄物、そういうものを整合性を持ちながら、そして今度、港湾設備にしていこうと、そこに広域処理場をつくろうと、こういうことになったと思っておるのでございまして、現在出ているものが正確でございますので、どうぞひとつそれで御了承いただきたいと思います。
  209. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは、そんなことを言われたらあなた、両省それぞれ五億円余りずつ調査費使うて調査をしておられて、現在言っているのが正確でございますなんてこと言われたら、その調査費どない使うたんやということ、また問題になりますよ、実際。まあそれほど大きな差があるということ。私は、海面埋め立てはできるだけ縮小しなきゃならない、ごみの量はできるだけ減量しなきゃならない、再利用しなきゃならないという立場というのは、これはもう当然のことですから、そういう立場から言うたら計画自体の固まり方というのは実にあいまいやなというのが一つですよ。  もう一つ言うならば、まあ時間の都合があって、余り言いたいことたくさん言えないの残念ですがね、たとえばこの処分量の推定、三全総計画、いわゆる新経済七ヵ年計画の水準になっているわけ。景気が大分変わってきて、ことしの一月でしたかフォローアップしましたね。それでやったら大分これだって、また量変わってくるの違うか、もっと減らされるの違うかと思うんですよ、実際。余り時間がないから、もうそんな細かいこと聞きませんがね。  建設省にちょっと聞きたい。建設省は、首都圏等下水汚泥広域処理処分事業計画調査委員会、もう舌かみそうな長い調査委員会ですが、これを設置して、五十四年度以降首都圏と近畿圏の調査を進めておられますね。それで、五十五年度調査では、首都圏、近畿圏の下水汚泥発生量、広域処分依存量、埋め立て必要面積、これ聞いていると長いことかかるのでちょっと言いますと、首都圏では処分量の汚泥が二千二百万立米、建設残土が八百万立米、その合計が三千万立米か。それで、水深十メートルの埋め立てで二百ヘクタール、近畿圏の四府県で同じくこういう形で計算したら百二十ヘクタールと、こういうことの調査がなされておられますね、資料を拝見いたしますと。間違いありませんか。
  210. 幸前成隆

    説明員(幸前成隆君) 建設省におきましては、御指摘のとおり、首都圏等におきます下水汚泥広域的な安定的処分を図るための必要な調査を行っておりまして、その内容は先生御指摘のとおりでございます。
  211. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そこで、運輸省厚生省のこのフェニックス計画を提案をしていく上で、建設省運輸省厚生省との間でのすり合わせはやったんですかな、この法案提出までに。独自の調査資料というのが出ているんですが、建設省さん、どうですか。
  212. 幸前成隆

    説明員(幸前成隆君) お答えします。  フェニックス計画につきましては、これまで運輸、厚生両省から、その考え方につきまして私ども協議を受けてきたところでございます。今後とも協議を十分いたしまして、調整を図ってまいりたいと考えでございます。
  213. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いやしかし、あんたところの調査資料では、さっき私が御指摘申し上げたように、首都圏では約水深十メートルのところで二百ヘクタール、近畿圏では百二十ヘクタールという埋め立て面積の計画を持っているでしょう。で、これはそのフェニックスの中へはちゃんと組み込まれるんやということでのすり合わせができているんですかどうですか。運輸省はどうですか。
  214. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 私どもがこの広域廃棄物処分場の計画をいたしました時点では、建設省のただいまの調査を承っておりませんでしたので、それも含めてできております。したがいまして、建設省が別にそういう構想を実現される場合は調整をする必要があろうかと思っております。
  215. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 だから、これは建設省独自の御調査で御計画なんですね。  もう一つちょっと聞きたいのは、通産省です。通産省は五十三年度から、財団法人クリーン・ジャパン・センターへの委託調査の形で廃棄物共同処理再資源化総合システム調査、これ、どれも皆、舌かむほど長いんですわ。この調査を実施しておられますね。で、五十三年、五十四年、五十五年度の調査対象地域、それからその地域の特性、減量化、再利用の基本的な考え方、そういうもので、五十三年は大牟田市で石炭中心にやられたと。それで五十四年度は室蘭で鉄鋼業中心にやられた。五十五年度は阪神地域大都市、重化学工業中心にこういうものを調査されておりますね。それはどうですか。
  216. 飯田善彦

    説明員(飯田善彦君) 先生御指摘調査につきましては、ほぼ先生がおっしゃるとおりでございますが、五十五年度実施いたしました阪神地区につきましては、重化学工業だけではございませんで、地方自治体のごみも含めて調査をいたしております。
  217. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それじゃ、五十五年の阪神地域大都市——尼崎、西宮、芦屋、伊丹、宝塚に川西ですが、この共同処理再資源化総合システム調査報告書では、大都市における共同処理再資源化対象量というようなものを推計されておられますね。これもう時間がないから、推計量は大体八十一万トンないし百万トン、それで別に建設廃土砂、これが百二十三万七千トンという想定をされておりますが、共同処理再資源化センター、この構想は、阪神六都市では年間八十一万トンから百万トンぐらいやるんでしょう。おたくのこのいただいた報告書ですが、この報告書によりますと、共同処理センターは第三セクターを事業主体にして、建設費は八十八億六千万、五十九年度から六十年度にかけて建設をして、六十一年度から運転開始するという御計画が組まれているわけですね、この報告書によると。そこで、建設場所は、どこへこのセンターをつくるのですか。
  218. 飯田善彦

    説明員(飯田善彦君) 再資源化センターの建設でございますが、これはその調査をいたすときに一応丸島処分場の埋め立て跡地を想定してやっておりますが、これも実は計画具体化していく段階におきましては、また十分検討していかなきゃいかぬ問題だと思っております。
  219. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 報告書には、尼崎の丸島地区に埋め立てて共同処理センターをつくるという御計画のように書かれています。それが、通産省だからできるだけこの再資源化センターで減量して、もう全部再利用をしていっても後へ残るものがあると、これを埋め立てるということでの御計画を七十ヘクタール前後御計画になっておられますね。これはどうなんですかな、こういう計画は今度のフェニックス計画法案提起との絡みではやっぱり御相談をちゃんとなさったんですか。
  220. 飯田善彦

    説明員(飯田善彦君) この調査につきましては、五十五年度調査で実施いたしましたんですが、調査の取りまとめ段階では、私どもまだ御相談をいただいておりませんでしたので、そういうことを想定しないままに取りまとめたものでございますが、この調査自身、先生御承知のように、たとえば埋立地候補地ですとか、そういう点も幾つか想定して、まだ十分固まっていない段階でございますので、今後具体化していく段階フェニックス計画と十分調整していきたいというふうに考えております。
  221. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、私聞いているのは、運輸省ね、通産省はなかなか上手にごみの減量をやって、ごみを再利用するのにものすごく研究して成果上げているわけ。それで、その阪神六都市でも、いま言うたようにお聞きのとおりの計画進めているわけ。そんなの相談してこれ法案づくりましたか。
  222. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) ただいまの調査の報告書をいただいたのはごく最近でございまして、特にこの点については御相談を受けておりませんが、廃棄物の量をわれわれが推定いたしますときは、専門家としての通産省あるいは厚生省の方々の御意見を伺って、そういった減量化等でありますとか再利用でありますとか、そういうものを全部できるだけやった結果、どれぐらい出るかということを専門家の意見として伺いながら計画したつもりでございます。
  223. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 あなた何言ってますか。広域処分をして、そこの地域のごみを、廃棄物埋め立てるのに、大阪湾では八百ヘクタール、東京湾では千二百ヘクタールつくるんやといって法案出てまんのやで。同じ政府の部内で、建設省は、下水処理の残土のために二百ヘクタールとか何とかいってちゃんと埋め立て計画を独自にやっている。通産省は通産省で、これはごみという観点じゃないんだな、非常に減量化して再資源、資源の再利用という立場でやっているけれども、やはりごみやからね、物は同じごみやからあれなんですが、また七十ヘクタール余り独自に埋立地計画して考えているわけですよ。  私、この辺ちょっと、各省がこんなふうにやっているのを見ますと、たとえば大阪湾をとってみたら、それは各省が、運輸省さんも調査をし、厚生省はごみの本家やからもちろん調査をし、建設省下水道の残土の問題で調査をし、研究をし、計画を組み、通産省は通産省でごみの減量化と再利用のためにそのお立場で計画を組んでいると。そんなら言うけど、大阪湾一つ見ても、ごみの関係だけでも厚生省運輸省計画でいわゆるどこへつくるんやらまだ決まってないから、盛んにいろいう言っておられるけれども、いずれにしても八百ヘクタール埋めるというんでしょう。建設省大阪湾の流域における広域下水処理処分構想調査、この調査大阪湾の奥に百二十ヘクタール海面埋め立て計画していると。通産省は大阪湾の阪神地域大都市の共同処理センターの対象のところで七十ヘクタール余り埋め立てると、こう言うんですよね。そんなことをしたら、こない各省ばらばらにそれぞれ同じごみの問題をやられたんでは、大阪湾一つですからね、各省何ぼそれぞれ熱意を持っておやりになっていただいても、受ける大阪湾の側は一つだから、これは困るんですわ。  こういうばらばらなやり方というものは、行政の効率を欠くというだけではないんで、こんなことはちゃんと内閣として固めて、各省庁いろいろと工夫をし、英知を集め、努力をし、調査をしてごみに対して取り組んでいるわけですから、これを全部まとめて法案として出してきてもらわぬと、こんなにばらばら好きなように各省ともおやりになっているということでは、こんなもの審議の対象にならしません。その辺は一体どないしますかな、各省庁間の協議大臣どうですかな。法案出している主管大臣両方にちょっと聞きたいですな。
  224. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 現在法案提出しておりますのは、いわゆる廃棄物処理のための法案でございますが、それと相関連いたしまして建設省なり通商産業省いろいろと廃棄物について研究しておる、これはまことに結構なことだと思うんです。ただ、それがばらばら行政になってはいけませんしいたしますんで、私たち関係省庁間でこれは協議をし、いずれ統一をした計画を実施ということにならなきゃならぬと思うのでございますが、せっかくの御質問でございますし、私たちもそういうことにつきまして協議をいたすようにいたします。
  225. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 きょうは関係大臣というのは運輸大臣と厚生大臣ですね。それで、建設大臣と通産大臣はおいでやないんですね。それぞれ省独自の御計画をお持ちになっているんで、協議いたしますと言うけれども、あんた、必ず責任持ってだれが協議しますと言います、言える人おらん、実際。その辺ははっきりしてもらいたいと思うんですよ。
  226. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) もちろん建設省には建設省の長期構想というのはあるだろうと思うのでございます。今度提案しておりますこのフェニックス法案は、構想の段階ではなくてもう具体的に計画ができたと、それで御審議をわずらわしておるわけでございまして、先ほど委員からも御指摘がありましたように、残土も相当使うわけでございます。そういうことになりますと、当然建設省考えでおる雄大な構想の一部をなすんであろうと、建設省の建設残土を受け入れないということではございませんので、これは計画として利害関係が一致して、そして地方自治団体も何とか建設残土なり一般廃棄物あるいは産業廃棄物処理をして、一方において関係港湾の方では港湾を整備し、また跡地の利用も図りたい、こういうことでいよいよ計画になった段階でこれ出しておるわけでございます。当然七ヵ年計画であるとか三全総であるとか雄大な計画はみんな持っているわけでございますけれども、それは実は、この出しておるものの断面はこれは計画として御審議に値する、こう思っておるわけでございます。  もう一つは、この法案にもありますように、基本計画なりあるいは実施計画ができますと、関係省庁つまり建設省その他に全部協議することになるわけでございますから、建設省建設省の従来の構想との関連においてやはり協議をし、また承認するかどうかということを決めるので、その場面で整合性が図られてまいると、かように心得ておるのでございます。
  227. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは各省きちんと協議をしてもらいませんと、ばらばらではあきませんで。それで、いままでにその計画が、協議が十分にまとまっておりませんという程度ならいいんですよ、ひとつも接触がないわけですよ。さっきから聞いたでしょう、私。運輸省局長、通産省がそんな御計画やっているの知りませんと言ったり、建設省のも知らぬと言ったり、そんなことでこういう案をお出しになるというのはきわめて無定見だと私は思うんです。  そこで、相当膨大な調査費を使っておられるでしょう。運輸省が、これ五十一年から五十六年度まで入れたら五億七千八百万円ですわ。厚生省は五十三年度から五十六年までで五億一千万、それ以外に建設省は五十四年度から五十六年までに一億七千五百五十万円、それから通産省のこの阪神地域だけでも千六百二十万円使っているんですよ。これ全部寄せて十二億七千九百七十万、ざっと十三億ですね。こんな大事な問題を、どっかがきちんと統括して、それぞれの持っている能力を活用して調査なり研究なり検討なりを進めていくというふうにしませんと、ばらばらやって何ぼでも調査費使うたらええというものじゃないですよ。財政再建で、行政改革で補助金カットでといってやかましく言っているときに、こんなことをやられたんではたまらぬと思うんですよね。  私は、たとえば通産なんかの御研究というのは非常に評価できるものだし、厚生省やあるいはごみのことをやるらしい運輸省も検討に値しますよ、非常にりっぱな成果上げつつあるんだから。そういうものを組み込んでちゃんとこういう計画でやっていくんやというふうに出してもらいませんと、これはちょっとこのままではもう大変な問題になりまして、本当に私どもは了解しがたいと思うわけです。  で、もう持ち時間がなくなりましたので、私はあと、跡地利用の問題あるいは財源対策の問題、それから自治体に対する補助の問題等々、簡潔にお伺いをしたいと思っていたんですが、時間がありませんのでこれには残念ながら触れることはできませんけれども、何しろごみの対策やと言っていたのが、建設残土が半分以上にもなって港湾埋め立て事業に化けてしもうたというようなことでは、これはやっぱり廃棄物処理対策としては納得しがたいわけですよね。  しかも海を埋めるというふうな重要なことをやらなきゃいかぬのだから、できるだけ量を減らして、そうしてできるだけ少ない埋め立てでどうして有効にやっていくかということが前提でありませんと、跡地利用などの面を見ましても、跡地利用をするためにこんな建設残土を五割も入れるのかということになるような結果が出ているように思いますので、これは残念ながらお伺いはできませんが、そういう点で私が御指摘申し上げたような点など、各省庁ばらばら行政はやめてもらって、きちんと内閣として一本化して、責任を持って対処できるようにぜひやっていただきたい。その御決意を両大臣にお伺いをして終わりたいと思います。
  228. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 沓脱委員のおっしゃること、ごもっともでございまして、今後とも整合性を持つようにできるだけ努力してまいります。
  229. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) これは役所のセクショナリズムを乗り越えて、早急に一致して、相談をして進めるようにいたします。
  230. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 じゃ、終わります。
  231. 柄谷道一

    柄谷道一君 廃棄物は言うまでもなく人間が日常生活を営み、産業活動を行えば必然的に発生するものであります。そしてその適正な処理が必要であることは多言を要しないと思います。特に人口密度が高い首都圏や近畿圏で一般廃棄物が年間千九百万トン、これは全国の約五〇%、産業廃棄物が年間九千三百万トン、これは全国の約四〇%排出いたしております。その中間処理や再生利用等で減量に努めなければならないのは当然でございます。しかし、とうていこれだけで処理することができない。最終処分地の確保が重要な地方行政の課題になっており、関係市町村が苦慮している実情は私は十分承知しておるつもりでございます。しかし、他面この廃棄物処理というものが生活環境や公衆衛生にとって、きわめて重要な問題であることもまた否定できないと思います。  そのような視点から、まず厚生大臣に、厚生省は首都圏及び近畿圏における最終処分状況についてどのように実態を把握し、本法の提案に至ったのか、その点について明らかにしていただきたい。
  232. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 最終処分場の確保の問題につきましては、四十年代後半からも問題が提起されておりまして、五十二年には首都圏、近畿圏の関係地方公共団体から広域的な処理体制の確立について強い要望が出されたところでございます。また五十年の国会等におきましても、その後の国会におきましても、国の積極的な取り組みが要請されてきておるところでございます。そういうことで、五十三年から首都圏、近畿圏で廃棄物処理対策協議会を結成いたしまして、地方公共団体の意見を聞き、協力を求めながら調査をやってきたところでございます。  現状を見ますと、一般廃棄物につきましては、自分の行政区域内で内陸処分できるのが首都圏五一%、近畿圏五三%という実情でございまして、傾向といたしましては、大都市は海面に、中小都市は業者依存という傾向をたどってまいりました。アンケート調査いたしましても、将来の見通しが全く立たないという市町村が相当に及んでおる。産業廃棄物につきましても広い流動を示しておりまして、公共関与による処理を求めてきておる、そういう背景におきまして、何らかの体制づくりをせざるを得ないというふうに考えて今日に至っておるわけでございます。
  233. 柄谷道一

    柄谷道一君 大都市圏におきましては、ただいま答弁がありましたように、自分の区域内で処分することができない状態に至っておる。したがって、自治体が広域的に共同して確保する必要があると、それは実態であろうと思うんです。しかし、その対策を現行法の運用で講ずることができないのかどうか、本法を新たに必要とする理由につきまして改めてお伺いをいたします。
  234. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 現行法でこれに対応する方法といたしましては、このフェニックスとは離れまして、共同の処分場をつくろうといたしますと、どうしても市町村事務組合あるいは府県と市町村の事務組合でございますけれども、他府県にわたりまして多種の共同事業をやるということは、現行法制上できないことになっております。そこで、それらの制限を外し、同時に廃棄物処理する側と受け入れ側との利害調整という問題は、これは財政問題としても大変な問題でございまして、合意が見られなければとてもできないのでございます。  そういう意味で、たまたま利害の一致したところで、まあ平たい言葉で申しますれば、いろんな考慮すべき問題はありますけれども一石二鳥じゃないかと、そういう観点でこの計画を推進してまいり、今度の提案に至った次第でございます。
  235. 柄谷道一

    柄谷道一君 ただいまお答えになりました趣旨からすれば、私は中部圏につきましても同様、広域処理が必要であると考えられるわけでございます。当面、本法の広域処理対象区域や広域処理場整備対象港湾の指定からこの中部圏を外した理由はいかがでございますか。
  236. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) まだ現時点では広域処理対象区域等の指定は、もちろんこの法律ができてからの問題でございますが、現在までの調査、中部圏につきましては、五十四年度から愛知、岐阜、三重、静岡のそれらの各県の主要都市と連絡をとりながら調査に入っておるところでございます。現在までのところ必要性に関する調査という予備的な検討を終えた段階でございますが、その結果を見ますと、現時点では大部分の市町村はまだ自分の行政区域内で処分ができておるということで、いま直ちに広域処理の必要性はそれほど逼迫はしていないというふうに考えております。しかしながら、傾向を見ますと年々やはり困難となっておるということがうかがえますので、将来このセンターによる広域処理の必要性も生ずるものと感じておりますが、今後、関係市、県と密接な連絡をとりながら調査を進めてまいりたいというふうに考えております。
  237. 柄谷道一

    柄谷道一君 他の委員からも指摘がございましたように、廃棄物処理は地方公共団体の事務ということでございます。しかも、本法もそのような考え方に立っておると思うのでございます。それだけに、地方公共団体の意向というものが重要な要素を占めると私は考えます。  そこで、本法を立案する過程でこの地方公共団体の意見を十分尊重したのか、それを踏まえたのか、また本法について関係地方公共団体がどのように受けとめていると認識されているのか、お伺いいたします。
  238. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) これは、首都圏並びに近畿圏ではいわゆる対策協議会というものもございますし、また、首都圏ではいわゆるサミットの会議もございまして、それらを通じまして、いま提案しているような問題を長年にわたって煮詰めてまいったわけでございます。機が熟しまして、特に近畿圏ではもう受け入れ体制はほとんどできておるというところまでまいったわけでございますので、近畿圏と首都圏を指定いたしまして、とりあえずは近畿圏の方から入っていきたい、かように思っておるところでございます。
  239. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、近畿圏の各府県知事、市長が促進協議会を結成してこの推進に当たってきたその経緯は十分承知しております。ただ、これは渡部委員も指摘されたんですが、新聞記者の主観によって記事の書き方が違うものだなあ、こう思うんです。五月一日の読売新聞では、「「大阪府は内陸部が狭く、処分地の確保に苦労しているが、この法案埋め立て事業や計画などが明確にされておらず、政令や省令で定めることになっている。国の監督下に置かれ、地方議会など住民のコントロールが及ばず、住民に対する責任がおろそかになる恐れもある。地方自治を守る立場から見ても矛盾がある」と問題点を指摘法案に反対の意向を表明」した、こうなっています。同じ日の毎日新聞には、「府域は狭く、広域的な最終処分地を求めねばならないが、センター法案は具体的内容が不明確。センター運営に自治体の意向が反映され、財政面でも自治体の過度の負担にならないよう国に働きかけてほしい」。一方は反対という論調で書かれ、一方はむしろ条件といいますか、要望を明らかにしたと。この二様の記事が出ておるわけですね。  そこで、渡部委員の質問に対しまして運輸大臣からお答えになったんですけれども、私は、大阪府選出の代議士という立場ではなくて、主管大臣、そして国務大臣としてこれをどう受けとめておられますか、改めて確認したいと思います。
  240. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 私は、その新聞記事を拝見いたしまして非常に奇異に感じました。と申しますのは、促進協議会のいわば主導的な立場にありますのが大阪府知事でございますし、大阪府市長であったわけでございますし、そういう人がそういうことを言っているというのはおかしいと思いまして、直ちに私は電話で問い合わせをいたしました。そのときには知事はおりませんでしたが、副知事が、直ちに知事に御意向をお伺いして返事するということで、返事が参りました。それによりますと、その新聞記事とおおよそ違うのでございます。それは、人間が新聞記事を書くのでございますからいろいろお書きになるだろうと思うんですけれども、先ほどごらんになったように両新聞によっても中身が違う。そのようなものだろうと私は思うんです。  でございますから、私から、その副知事が私に伝えましたことを申し上げますと、この事業そのもの並びにセンターの発足、こういうものについてはわれわれは長年要望してきた、また、現に廃棄物の処分について苦労をしておるので、ぜひひとつ、その最終処分場の確保を国においても心配してもらいたい、この気持ちはちっとも変わらない、しかしながら、センター法案がまだ国会にかかっておる段階でまだ具体的なものが煮詰まっておらないので、いろいろな点についてわれわれも要望するところがある、これが一つでございます。それともう一つは、このセンター法案にも言われておるような、こういう組織体が、地方自治のあり方にどういう影響を及ぼすのであろうか、地方自治のいうところの地方団体というものとの関連はどうなるんだろうということについての多少の疑惑を持っておると、こういうことを言ったのでございまして、反対とかなんとかいうことは一言も言っておりません。
  241. 柄谷道一

    柄谷道一君 国務大臣の御認識として受けとめておきたいと思います。  そこで私は、本法によるこの事業は、東京湾域千二百ヘクタールに二億五千万立方メーター、大阪湾域に八百ヘクタール一億四千万立方メーターの廃棄物埋め立てようとするものでございます。その場所が東京湾大阪湾という環境上問題の多いところであるだけに、当然私は適切な環境アセスメントを実施した上で事業計画が策定されるのが筋であろうと、こう思うのでございます。本事業を実施するに当たりまして、環境アセスメントはだれが行われるのか、お伺いします。
  242. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 本事業の実施に当たっての環境アセスメントは、センターが主体になって行うべきものであると考えております。  内容につきましては、潮流、水質、底質、生物相、大気質、これらに関する調査をそれぞれ行って、さらにこれに関して環境変化の予測を行い、そして影響の予測並びに保全対策の検討といったことをセンターが実施される必要があろうかと思っております。これは法律の第二十条二項五号に規定しておりますように、センターの業務の前提となる基本計画を定めるわけでございますから、その認可基準一つといたしまして、周辺地域における生活環境並びに港湾及びその周辺の海洋環境の保全に十分配慮することということが書いてございますから、基本計画の策定に当たっては、当然環境アセスメントを実施しなければならないというふうに考えております。  それから、そのほかにこれとは別の段階になりますが、当然、この計画が出てまいりますと、港湾計画にこれを整合させる段階というのが港湾管理者の側で生じてまいります。この港湾管理者が港湾計画を作成します段階では、やはり環境アセスメントを実施することになろうかと思います。もっともそのときにセンター調査された資料等を使わせていただくというようなことになるかもしれませんが、環境アセスメントは港湾管理者の責任においてもやるということがございます。  それから、さらに事態が進みまして、埋め立てをやるということの前に公有水面埋立法の免許申請がございますが、この免許申請の段階におきましてもそれぞれ港湾管理者及び埋め立て免許申請者、この埋め立て免許申請者は原則として港湾管理者でございますが、これがアセスメントを行うことになっております。そして、最後のアセスメントの場合には、埋め立ての面積が五十ヘクタール以上である場合は環境庁協議を申し上げることになっております。
  243. 柄谷道一

    柄谷道一君 センターが中心となってアセスメントは行う、これは理解しました。しかし、そのアセスメントには当然私は環境庁厚生省運輸省関係しなければならぬと思うんですね、これに国が関与した事業でございますから。それらの三省はそのアセスメントに対してどういう関係をお持ちになるのでございますか。
  244. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) アセスメントをいたしまして、先ほど申し上げましたように、基本計画が提出されます。アセスメントを付した基本計画が提出されますと、それを運輸大臣が認可いたします際に環境庁長官に御協議申し上げて認可をする。もちろん、運輸大臣及び厚生大臣におきましても審査をいたします。
  245. 柄谷道一

    柄谷道一君 四月二十九日付の朝日新聞を見ますと、現場の自治体の方々もごみの分別収集を進め、再利用や焼却によって減量に努めても、なお残灰は残る。ある市では四年後には二割以上のその県内の市がごみの最終処分場確保に困ることになる。そういう一面ですね、現場関係者の苦悩があると。同時に、関係住民が懸念しておるのは、埋め立て海域における二次汚染の問題だということがいろいろ実情が報道されておるわけでございます。  そこで厚生大臣にお伺いするわけでございますが、先ほどからの質問を聞いておりまして、廃棄物処理場には生ごみ及び有害廃棄物を受け入れないということを明定化すると、こうお答えになりましたが、そのように再確認してよろしゅうございますか。
  246. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) そのとおり考えております。
  247. 柄谷道一

    柄谷道一君 明定化いたしましても、やはりそこで問題なのは、この搬入申請の際の排出源のチェックの問題、それから搬入ゲートにおけるチェックの問題、これによって混入防止対策、さらに有害産業廃棄物処理業者対策というものについてそのチェック体制というものを完全にしなければ、幾らそれが明定化されておりましてもこれが混入してくるおそれがあるということにつながってくる、これはもう当然でございます。そういうチェック体制につきまして、従来からいろいろ問題のあるところでございますが、どのように対処されようとしておるのか、お伺いします。
  248. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 有害廃棄物の混入を未然に防止することがまず何よりも第一段階必要でございまして、現在有害産業廃棄物に課せられております処理責任者の設置でありますとか、他人に委託する場合には種類、量を文書で明定した、きちっと書いたものを交付するとか等のことがございますので、その辺を行政上きちっとしていくということが必要でございまして、業者の自覚を促すとともに、都道府県の指導監督のもとに適正処理を徹底するということがまず第一点であろうかと存じます。  第二点のセンターとしてのチェック体制でございますが、排出事業者と直接契約をする。その間委託業者が介在するにしましても、十分チェックをした上でやるということでございまして、排出事業者との契約に当たりましてもよく廃棄物の性状、排出状況等に関する書類を提出させ、かつ必要に応じて事業所をチェックする等のことによって、きちっと責任ある相手を選定したいというふうに考えておるわけでございます。その際、都道府県の意見も聞くということも必要であろうかと思っております。また、実際動き出してからの搬入ゲートのチェック、これは契約された廃棄物かどうかのチェックをするとか、外観のチェック、あるいは随時抜き取り検査による性状のチェック等もやる必要があろうかと存じております。  なお、適宜水質等に関する環境モニタリングを行うこともアフターケアとして必要であろうかと存じております。こういうふうに行政とセンターの行う業務の範囲内でのチェックと有機的に結びつけまして、府県間、府県及びセンター間の連絡通報体制等も将来検討していく必要があろうかというふうに考えております。
  249. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、両大臣にこれは要請しておきたいんですけれども関係住民の一つの大きな心配はそこにあるわけですね。幾ら文書の上で明定化されておりましても、果たしてその明定化された事項が完全にチェックすることによって守られるのであろうかどうか、そこに私は大きな懸念の存するゆえんがあろうと思います。まだそのチェック体制の具体案はできていないと思いますので、これ以上の質問はとどめたいと思いますけれども、やはり住民の不安を完全に解消するに足るその具体的体制というものが確立されるようにその点は要望いたしておきたいと、こう思います。  そこで、まあそういう万全の体制をとりましても、私はその廃棄物埋め立て護岸の中に入るものが廃棄物であるだけに、埋立地からの汚水の漏出を完全に防止する構造でなければならないと、こう思うのでございます。わが国の土木技術、非常に世界に冠たるものでございますけれども、今日の日本の土木技術水準から見て、漏出防止に対する確信をお持ちになっておりますか、お伺いします。
  250. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 有害な廃棄物は入れないという前提でございますので、完全に止水構造にするという必要はないかと存じておりますが、先生御指摘のように中に入れるのがごみでございますから、水の漏出は極力少ない構造が望ましいということで考えております。それで、そういう意味で現在各地で廃棄物埋め立て護岸を実施をいたしておりますが、その際の構造といたしましては、漏出の少ない構造ということを選びまして、二重矢板構造でありますとか、まあセル構造と言っておりますが、そういった矢板の構造で根入りを非常に深く入れて水が漏れない構造、あるいはケーソン構造というような場合ですと、その後ろに遮水の幕を張るというような構造といたしておりますので、現在の場合、各処理場の外側で月に一回か二回ぐらい水を採取しまして水質の検査をいたしておりますが、漏出は認められておらないと聞いております。
  251. 柄谷道一

    柄谷道一君 さらに外周護岸内には水が雨等でたまるわけでございます。当然これを護岸外に排出しなければなりません。その排出に当たって、やはり有害物を除去して排出するという施設を整備しなければならない、こう思うんでございますが、いかがでございますか。
  252. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 雨に伴いまして護岸部分でありますとか、廃棄物埋め立てられていない場所でありますとか、土をかぶせたその上を流れる水につきましては、これはいわゆる雨水につきましてでございますので、そのまま無処理あるいは簡単な処理で排水することは可能と考えておりますが、廃棄物と一たん接触し、浸出してくるものにつきましては御指摘のように排水処理を行う必要があると考えております。  その処理方法といたしましては、有機物につきましては生物処理重金属等につきましては、あるいは懸濁物資につきましては物理化学的な処理を組み合わせることによりまして、排水に要求される水準以下に処理することは現在の技術から見て可能であるというふうに考えております。
  253. 柄谷道一

    柄谷道一君 運輸大臣にちょっと最初にお願いをひとつしたいんですが、運輸省では五十五年三月二十七日付で船舶の油による海洋汚染の防止体制の強化について、これを依命通達されました。さらに同年五月八日に、これを強化する改善の通達を出されております。この内容は、時間の関係から私は省略したいと思うのでございますが、五月二十五日付の新聞に、大型タンカーのスラッジ不法投棄の背景となっておるタンククリーニング業界のでたらめな料金システムを神戸海運局が明らかにしたと報じられているわけでございます。  それによりますと、タンククリーニング業界では、ブローカー的な元請会社が全国に三社あって、船会社はその三社から見積もりを出させ、高値二社のうちの一社を呼んで、最低価格を出した会社の数字を沈め石に使う、さらに低い見積書を山さした上で、この段階でかなり買いたたくと。さらに、この料金すら代金支払い時には値切られて、初めの見積もりから船会社の要求等で下げられる率は一五ないし二五%に及んでいる。さらに、この元請会社は工事会社に工事をさせた上で一〇%から二〇%のマージンを取っておる。昨年の徳山丸事件以来運輸省が元請の仲介を禁じ、船会社と工事会社が直接取引するように指導してきたために、形式は、いわゆる契約書は船会社と工事会社の名義にしてつじつまを合わしておるけれども、その実態は以上のとおりだということで、例一、例二と事例を挙げましてその実態を新聞に報道いたしておるわけでございます。  私は力関係で優位に立っておる船会社、元請会社が、弱者である工事会社から値引き、ピンはねを強要するという手口、これはまさに前近代的な業界の体質を浮き彫りにしているものと思わざるを得ません。また、こうした現状が私はスラッジを不法投棄して処理費を浮かそうということにつながっていくおそれがあると、こう思うのでございます。したがって、本法とは直接の関連がございませんが、同じく海洋汚染という関連する問題でございますので、運輸省としてその実態を調査されまして、その結果を後日改めて提示を願いたいと、こう思うのでございますが、お約束いただけますか。
  254. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 御指摘の問題は新聞記事にも出ておりますし、私たちも報告は受けております。現在目下調査中でございますが、調査いたしまして行政指導をどのようにするかということとあわせて御報告申し上げます。
  255. 柄谷道一

    柄谷道一君 廃棄物の不法投棄はなかなか絶滅できません。そしてそれが環境の破壊につながっております。そこで、私はこの問題については、一つは国民に対して強く訴えてモラルの向上を図っていくという対策も必要でございましょう。同時に、指導監督体制の強化が現在以上に必要である、それなくして環境を守ることは私は不可能であろうとさえ思うのでございます。  そこで厚生大臣にお伺いするんですが、いま私の指摘いたしましたのは、運輸省所管のいわゆるスラッジ不法投棄の背景でございますけれども、産業廃棄物処理業者の場合、そのような実態がないのかどうか、この点の御認識をひとつお伺いしたい。    〔委員長退席、運輸委員会理事桑名義治君着席〕
  256. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 廃棄物処理業者につきましては法律上、業の許可が要ることになっておりますし、また、再委託が禁止されておるような規制が設けられておるところでございます。処理業者による不法投棄の実態は、警視庁の抽出調査による廃棄物処理法違反の事例二百三十件中十件、五%程度で、むしろ事業者自体の不法投棄が多いわけでありますが、全体として処理業者による不法投棄の例はこのデータで見る限り多くはないようでございます。しかしながら、一方無許可の業者等による違反事例がかなりございます。したがいまして、御指摘のような業者の問題も皆無とは言えないというふうに考えております。そのためには指導監視体制を強化していく必要があろうかと考えております。
  257. 柄谷道一

    柄谷道一君 運輸大臣に要請いたしましたと同時に、厚生大臣に御要請しておきたいと思うのでございますが、やはりこの問題につきましては再度見直しを図り、現在の体制で十分かどうか、そのことの再検討を含めて厚生大臣の善処方を求めておきたいと思います。よろしゅうございますか。
  258. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 側趣旨よくわかりましたので、厳重な監督をやってまいりたいと思います。
  259. 柄谷道一

    柄谷道一君 運輸省に、時間の関係がございますから三つまとめて御質問したいと思います。  一つは、本法は廃棄物処理を行い、その結果生ずるものを埋め立てまして、その土地を港湾の秩序ある発展に役立てる、いわば廃棄物処理と土地の造成、この二つの目的をあわせ持っている法案だろうと、こう思うのでございます。  そこで第一は、運輸省はこの大阪湾東京湾における土地需要についてどのようにお見込みをされているのか、これが第一点でございます。  それから第二は、他の委員も指摘いたしましたけれども、この二つの目的のうち廃棄物処理の立場からすれば、処分地を長持ちさせるためにできるだけゆっくり埋め立てをするというのがこの目的にかなうわけですね。しかしもう一つの面からすれば、しゅんせつ土砂、建設残土をここに入れまして、なるべく早く跡地利用がセンターとして行えるようにということになるわけです。この二つは同じ目的ではありますけれども、相反する面を持っているわけでございます。そこで、具体的にどの程度先に跡地利用がセンターの行う事業として適当であるとお考えになっているのか、第二点でございます。  第三点は、これができますと廃棄物運搬船の往来が頻繁になるわけでございます。あわせて海面上埋め立てによって島ができるわけでございます。瀬戸内海東京湾とも船舶の航行がきわめて頻繁な海域でございます。このことによる船舶航行上の安全確保の面についてその保証をされるわけか否か、この三点をお伺いします。
  260. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) まず第一点の埋立地の利用計画でございますが、御承知のように、高度経済成長と時代は変わっておりまして、いわゆる工場立地等は比較的需要は少のうございますけれども、しかし、大都市におきましては依然として都市開発事業であるとかあるいは港湾施設のための用地というものの需要が相当ございます。それとまた、大都会におきます埋立地の用途の一つといたしまして、いわば公園緑地的なそういう施設も必要になってきておろうと思うのでございまして、そういうようなものは結局埋立地が完成いたします時点におきまして、このセンター自身が関係自治体と協議いたしましてその活用方法を決定することだと思うのでございますが、私たちといたしましては、そういう方向に使われるものと思い、また、できるだけそういう方向で行政指導をしてまいりたいと思っております。  それから二番目に、確かにおっしゃるように、埋め立てと、それから廃棄物の埋め込み投棄というものと、これは時間的に見ましたら矛盾しておるようにお考えでございますけれども、そもそもこの護岸をし、埋め立てをするというこの目的は、廃棄物を投棄していく、埋め込んでいくということの目的でございます。でございますから、できるだけ長い期間廃棄物処理のために使うべきであることは当然でございますし、先ほど来いろいろ各委員からの御要望あるいは質疑の中にございましたように、湾内の閉鎖的な水域の貴重な埋め立てでございますから、これをできるだけ長く、一日も長く廃棄物専用に、もっぱら廃棄物のために投棄し得るように使う、利用していくということは当然でございまして、それでございますだけに、基本計画の中に、投棄いたします廃棄物の種類をこれを協議して決めると、承認する場合に私たちは十分にチェックいたしたいと思っております。  それから、運搬の船の航行の安全についてでございますが、これは当然でございまして、時間的にあるいは方向別に十分な調整をいたしたいと思っております。
  261. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、昭和五十一年の五月十一日、五年前でございますが、社労委員会で産業廃棄物処理及び清掃法に関する法律案が審議されましたときに、本連合審査でも各委員から指摘されておる問題でございますけれども廃棄物減量化対策と資源化再利用の促進の問題、中間処理体制の整備の問題、廃棄物に関する情報管理体制の確立の問題などにつきまして具体的提言を交えながら質問をしたわけでございます。自来五年間を経過いたしております。その際、五年前、厚生大臣は当時田中正巳さんでございましたけれども、御趣旨を踏まえ善処する旨の確約をされました。  このような経過から見まして、いま私の指摘しましたような問題が具体的に成果を上げているのかどうか、前進しているのかどうか、それに対する御見解をお伺いします。
  262. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) まず、減量化、再資源化等の促進につきましては、ごみ焼却施設計画的な整備を、五十年からは第四次でございましたが、五年間実施してまいりまして、その間ごみの減量化率を見ましても、五十年の四五%が、まだ新しいデータありませんが、五十三年時点では五一%に増大をしておるところでございます。また、資源化のモデル事業——ユーレックス計画は、五十二年から五十四年、豊橋市におきまして約七、八十億かけて昨年十一月に完成をいたしまして、ただいま評価に入っておるところでございます。また、余熱回収のための施設としまして、発電設備等につきましても、五十年と五十五年を比べますと約二倍以上に発電量もふえておるところでございます。  また、選別施設、コンポストも昨今少しずつ上向きになって整備が進んでおります。また、環境衛生週間等を通じて市民、業界に対する廃棄物排出抑制等の広報を引き続きやってきておるところでございます。その他研修等もありますが、また資源化技術の開発につきましても関係各省と連絡をとりながらやってきておるところでございます。  なお、減量化率を見ましてもまだまだ低い状況にございます。また資源化技術につきましても、まだやっと幾つかのモデルプラントが姿を見せたという段階で、まだ完全な評価も終わっていないという状況にございます。今後さらに推進していく必要があろうかと考えております。  また、御指摘の情報管理につきましては、まだ研究段階で、ごく小規模に山口、大分、愛媛等で物流の交換等が行われておる程度でございまして、まだ本格的な情報管理の体制はできておりませんが、種々研究をいたしておる段階でございまして、通産省等事業所管省庁とも連絡をとりながら今後とも研究を前進させていきたいというふうに考えております。
  263. 柄谷道一

    柄谷道一君 厚生省で御努力されておることは認めますけれども、それではこの五年間どれだけ成果が上がったのかという点につきましてはまだまだ十分でないと指摘せざるを得ません。本件に関しましては各党の委員からの指摘もあるところでございますので、さらに一層の努力を求めておきたい。  そこで、次は、私の承知するところでは、今日まで東京湾では、四港で八ヵ所の廃棄物埋め立て護岸及び廃棄物埋立地の整備が進められております。護岸の総延長二万六千メーター、埋め立て面積約千ヘクタール、五十五年度末までの事業費の投入額は千六百八十三億円、大阪湾では三港で四カ所、護岸の総延長二万二千メーター、埋め立て面積約八百ヘクタール、五十五年度末までの事業費投入額七百三億円と、こう承知いたしておるわけでございます。  そこで、今回のこの計画が進められますと、この実績と対比いたしまして、相当巨額の財源を必要とすると思われるわけでございます。そこで、いま第二臨調では、大型プロジェクトの凍結問題等が一つの検討課題になっておるわけでございますけれども、本計画と行革との関連をどう踏まえておられるのか。  立ちましたついでに、こういう大事業を行いますと、当然漁業補償の問題が出てまいります。この問題にどのように対応されるのか、二点お伺いします。
  264. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 漁業補償の問題は後で運輸省の方から答えていただきますが、いま行革との関係について私からお答え申し上げたいと思います。  行革の基本的なねらいとするところは、やはり歳出削減によりまして来年度の予算編成を組みたい。それから、二年間かけまして政府のやるべき仕事の分野をはっきり決めていきたいということでございます。まあ平たく申しますれば、むだを省いて、そしてむだな仕事を減らすことによって金も減らしていこうと、こういうことでございます。  今度の御提案しておりますところのこのフェニックス案は、そういう意味ではむしろ先ほどから申しますように、その廃棄物処理と、それから港湾の建設と、この両者の利害が全く合うわけでございまして、その意味ではある意味ではむだが少なくなる。そして、必要なものが出てくると、こういうことでございますので、むしろ中身を見ますれば行革の精神に沿っているんじゃなかろうかと、そう思うわけでございます。
  265. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) この事業は大変多額の建設費を要するものと考えております。大阪湾の場合は約二千五百億円、東京湾におきましては約四千五百億円ぐらいを、平均的なケースを想定して試算をいたしておるわけでございますが、これに対しまして、大変また多額の漁業補償というような問題が起こることは、確かにさようであろうと思います。  いままでどれぐらいの漁業補償が行われておりましたかという点は、各海域ともただその事業だけに漁業補償をした場合が少のうございまして、何種類かの事業を一括して補償いたしておりますので、事業費と漁業補償との関係というのは非常にまちまちでございますし、わからないものも多いわけですが、大阪湾で現在までやりました事業のうち、その事業に対するものが、分析できるものを取り上げてみますと、一つは三%程度でございます、事業費の。もう一つは、ほかの事業とやっぱり少し一緒になっておりまして、〇・三%という非常に少ない額になっておりますが、そういうことで大変ばらついておりますので、今回どれくらいの額になるかということは、ちょっといまの段階では予測がむずかしゅうございます。しかし、いずれにいたしましても関係漁業者等の了解を得てこの事業は実施しなければならないということは当然でございますので、誠意を持って進捗状況に応じて説明し、理解を得て漁業補償を解決するようにセンターを指導してまいりたいと思っております。
  266. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、ただいままでの質問指摘いたしましたように、廃棄物の最終処分場確保の問題は緊急に対応を迫られている課題だと認識をします。したがって、これに対し積極的に対応することは当然必要でございます。しかし、私が限られた時間内に指摘しただけでもさまざまな問題点が存在していると思います。  そこで私は、運輸、厚生両所管省としては、自治省、環境庁建設省、通産省などと十分連携をとり、これを調整の上、整合性のある計画を作成することが必要である。と同時に、各地方自治体の理解を求め、問題点の解決に全力を傾け、その体制をつくらない限り事業の推進は期待することができないと考えます。両大臣の総括的な御見解と決意を求めまして、私の質問を終わります。
  267. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 全くもうそのとおりでございまして、そのように考えてまいりますし、法案の仕組みも大体そういうことを前提にしてできているわけでございますので、御注意の点十分注意して実施してまいりたいと思います。
  268. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 仰せのとおり、関係各省庁緊密な連携のもとにこの事業を進めてまいりたいと思っております。
  269. 柄谷道一

    柄谷道一君 終わります。
  270. 江田五月

    ○江田五月君 大変な長工場でございますが、お許しをいただきたいと思います。この広域臨海環境整備センター法案、これはもちろんごみの廃棄物の適正な海面埋め立てによる処理港湾の秩序ある整備を図るんだということでございますが、廃棄物処理のための法案として出されておるわけでありまして、廃棄物処理というと、最近ではリサイクルの話を抜きに廃棄物処理考えるわけにはいかない。まず、きょうは大臣四人おそろいですから、廃棄物処理とリサイクルということについて、リサイクルの重要性について一体どう判断なさっておるか、お考えでいらっしゃるかということについて最初に伺っておきたいと思います。  これまでは、廃棄物というのはとにかく出るもんだ、出たらあとは捨てりゃいいんだ、捨てる場所を探すことが大切だというようなことであったかもしれませんが、これからは捨てる場所の方もさることながら、いかに廃棄物を出さないようにするのか、あるいはもう一度、出た廃棄物を資源として使っていくということを考えなきゃならぬ時代がいろんな点で来ておるわけです。資源の点からもそうでしょうし、環境の点からもそうでしょう。  リサイクルによって、たとえば空きかんで自然が汚れてしまうことが防げるとか、あるいはその処理をめぐって起こる大気汚染とか、水の汚染とかが防がれるとか、いろいろな重金属類による自然の汚染を防ぐことができるとか、あるいは資源エネルギーを節約して、それがまたよけいな電気その他の資源エネルギーをつくるために石油を燃やしたり原子力発電所をつくったりというようなことをそんなに一生懸命やらなくても済むようになるとか、あるいはさらに大切な問題がありまして、最近「ゴミュニティー」という言葉があるんですがね。コミュニティーをちょっともじってゴミュニティーという、ごみの処理ということを通じて社会をひとつもう一度、ばらばらになった社会じゃなくて、構成員がみんなお互いに腕を組み合っていこう、心をつなぎ合っていこうという、そういうことですが、ここに一つ、これは「ジュリスト」の一九八〇年四月号というんですが、早稲田大学教授の寄本勝美という方が「ごみ問題とコミュニティづくり」というものを書いている。  その中に、臼杵市の中州団地という例をちょっと引いてありますが、そこでこういうことが書いてあるんですね。「地域リサイクル・システムの卓越した物的側面もさることながら、それを築くための学習や実践の過程で醸成されてきた団地の人びとの能力の引き出し、相互の信頼やコミュニティ意識、彼らと関連回収業者や地場ないし地方産業や市の清掃事業との間の信頼関係、さらには地域活動におけるユニークさや参加感・有力感の大きさ」、そういうものが本質的な意義であるというようなことを書いてあるわけですが、いろんな点からリサイクルということに真剣に取り組まなきゃいけないときが来ております。  私はきょうは公害及び交通安全対策特別委員会の委員の一人としてこの連合審査会に参加しておりますので、まず環境庁長官、どういうお考えでいらっしゃるか、環境保護とリサイクルということについてどういう基本的な認識を持っていらっしゃるか、お聞かせください。
  271. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) 私はいまのお話、全く同感なんです。例としてかんの問題をお取り上げくださいましたが、これがいま私の頭の中の一部を占領している大問題なんです。百億本ですからね、一年間に。百億本の中で三〇%ぐらいがもう一回溶鉱炉に戻ると思えばちょっと多過ぎるくらいです。それでそれがもしアルミかんだとすれば、それに要した電気は三十万世帯の都市の上場を除いた電気と同じなんです。ですから、電気、電気と言ってないで、それを元へ戻せば三十万世帯の電気は空きかんから出てくる。日本はエネルギーがないんだないんだと言っているんですから、これはみんなが、国民全体が考えなきゃならぬことでしょうが、そういうところから考えていかなきゃならぬ。  私は、経済の量の拡大をこのまま五・五%ぐらいまで続けていきますと、西暦二千年になる二、三年前に日本の経済は倍になると思います、このまま続けていけば。倍の経済を、この三十七万平方キロで二割ぐらいしか可住面積のないところで環境や自然を守りながらということはなかなか容易なことじゃない。これは私だけが骨折ったってできるものじゃないです。これは日本じゅうで骨折らなきゃできない問題ですから、経済の量の拡大から質の変化を伴った拡大ということを考えていかなければならない時代だと思います。全く同感であります。
  272. 江田五月

    ○江田五月君 厚生大臣、まだ就任後日が浅くて恐縮ですが、前の園田厚生大臣のときにも私どもの、同じ党の別の委員からいろいろ聞いておりますが、ひとつ新しい厚生大臣としてどういう基本的なお考えか聞かしてください。
  273. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) いま江田委員の指摘されましたことは全く私も同感でございまして、一つは資源に再利用していくという問題、それから減量化の問題、最終処理を減らすという問題、そして最終処理になるものは無害にして有然に戻していくと、こういうリサイクリングが考えられるわけでございます。  いま、いわゆる狭義の意味の資源再利用では、産業廃棄物は大体三二%ぐらいになっておりますし、一般廃棄物もこれは大体私の読みでは二五%ぐらいじゃないであろうか。統計では実は再生利用した後のものが一般廃棄物に出ておりますので、推計が入るのでございますけれども、二五、六%ぐらいはやっておるんじゃないか。これをやはりいかにして高めていくかという問題がございます。そのためには当然やはり分別収集するとか、あるいは資源を再利用しやすいような形でまず分別する、あるいはまた技術開発によりましてそれを再利用していく。それからその次は、どうしても焼却し、それを減量化して、それで最終処理を減らして無害にして自然に還元していくと、こういうリサイクリングが必要であろうと。で、いま環境庁長官が言われましたように、これからの日本の経済を考えますと、どうしてもそのことはわれわれ自身が、日本人全体が必要とするリサイクリングではないだろうか、こう思いまして、今後、この線に沿いまして全力を挙げてまいるつもりでございます。
  274. 江田五月

    ○江田五月君 運輸大臣、所管がちょっと違うかもしれませんが、政治家として、国務大臣としてどういうお考えか聞かしてください。
  275. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 私は、リサイクリングは現在の状態では経済的なコストの面が云々されてなかなか進みにくいと思うんですが、これはそういう問題を離れてやはり考えるべきではないかと思うんです。そのことはやはり一人一人の心構えというものがやっぱり大事なんではないか。で、行政指導ということも大事でございましょう、行政的な制度でそれを誘導していくということも大事でございましょうが、やはり国民一人一人の心構えというものがリサイクリングの場合決定的な効果をあらわすんではないかと、こう思っております。
  276. 江田五月

    ○江田五月君 自治大臣ね、やっぱり自治体が一番大切なんですね。リサイクルを幾ら国で旗を振っても、いまの運輸大臣のお話のように、一人一人の心構え、一人一人の心構えにすぐ密着するものというのはやっぱり自治体でして、自治体が一生懸命リサイクルに取り組むということを国としても助けていくということになれば、やはり自治大臣ちょっとがんばってもらわなきゃいかぬと思います。お疲れでしょうが、ひとつお考えを聞かしてください。
  277. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) この問題は、やはり自治体が本気になって取り組んでいくという姿勢と熱意と決意がなければうまくいくものじゃなかろうと思います。したがいまして、この問題は自治体が主体になりまして、いろいろといままでも意思の疎通を図ったり、努力をしたり、中央との関係においても連絡をとりながら、その中から生まれてきた構想だと私ども思っております。そして、このセンターができますというと、理事者と申しますか、執行機関というようなものは、大部分が地方自治体の責任者に相なるものだろうと私は思っておるんです。それから出資の面なんかも、地方団体の出資になるわけでございまして、そうしますと、これ全体の運用というものも自治体の共同の重任においてやるというような仕組みに私はなるものだろうと思っております。  しかし、それだけで問題は解決するのじゃなくして、関係市町村の末端に至るまでと申しますか、構成するこの各市町村が本気になってこの問題に取り組むという姿勢と熱意がやはり基本になるんじゃなかろうかと、お話のとおりだと思っております。
  278. 江田五月

    ○江田五月君 リサイクルの重要性を聞いたわけでございますが、各大臣、皆それぞれに十分に重要性を認識していただいておるわけですが、どうも残念ながら今回の広域臨海環境整備センターの構想というものは、リサイクルとちょっと合わないんじゃないか。むしろ矛盾するんじゃないか。あるいはこういうフェニックス計画ということによって、逆にリサイクルの熱意が阻害されていくんじゃないかというような危惧が強いわけであります。  先ほど別の委員の質問の中で鯨岡環境庁長官は、海を埋め立てることはいやなんだ、いやと言いたいんだと。しかし、全体的に見るといやと言ってられないんだというお答えでしたね。どうもしかし、もっと細かく見ていくと、環境庁長官、いやと言っていいんじゃないか。全体的に見ると、こういうフェニックス計画というものがなくても、もっとそれこそ国民一人一人が心構えを新たにしてごみの問題に取り組んでいけば、こういう最終処分場を東京湾とか大阪湾とかに大きくとらなくてもごみが処理できるんではないか、そういう気がするわけであります。  その問題に深く入っていく前に、昭和五十五年八月につくっておられます「フェニックス計画廃棄物広域処分策の推進−」ですか、これは厚生省環境衛生局水道環境計画課地域計画室、この中には、「廃棄物等の資源化、再生利用、減量化及び可能な限り内陸処分を図ることを受入条件とし、」「埋立処分を行う。」というふうに書いてある。あるいは、五十五年十一月の生活環境審議会の「答申書「大都市圏域における廃棄物広域処理に関する基本方策について」」の中の「広域処理対策の基本方針」の一番最初には、「排出抑制等の徹底」として、「広域的な廃棄物の埋立処分の前提条件として、廃棄物排出抑制、中間処理による減量化、処理の過程における安全の確保及び資源化・再生利用の促進に対し最大限の努力が払われるべきである。」と書いてあるわけですが、このことはもちろんフェニックス計画を進められる前提としてこれはあるんでしょうね。このことがなくなった——受け入れ条件ではなくなったんだとか、前提条件ではなくなったんだとかいうようなことをおっしゃるわけではないんでしょうね。まずその点を念を押しておきたいと思います。
  279. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) フェニックス計画におきましては、貴重な海面の長期有効的な利用という観点から減量化、資源化は促進しなければならないと考えておりまして、センター法におきましても、受け入れ基準を明確に定めまして、焼却とか破砕、圧縮、リサイクルを含む減量化をしないと受け入れられないような受け入れ基準をつくっていくというようなことで、法律でも方針は明らかにしておるところでございます。
  280. 江田五月

    ○江田五月君 ごみを受け入れるときにどうするかということだけでなくて、廃棄物等の資源化、再生利用、減量化、可能な限りの内陸処分、政策全体においてそうしたことがしっかり図られるということをいわば前提条件として、それでもなおしようがなければ埋め立て処分なんだという先ほどの鯨岡長官のおっしゃったような方向が、まさしく、少なくともそうでなきゃならないと思うんですが、さて、果たしてそれではそういうことを、受け入れ条件をしっかりさせる、前提条件をしっかり遂行していけば、それでもなお埋め立て処分をしなきゃならぬのかどうか、これからだんだんそういう方向に入ってまいります。  まず、ごみがどんどんふえてくる、最終処分場がなくなっちゃうんだ、だからどうしてもこれはつくらなきゃならぬのだ、多くの自治体からそういう声がどんどん起こってきたんだと、そうおっしゃるんですが、本当にそうなのかどうか。最終処分場は一体今後どういうふうに大変なことになっていくのか、これは計量的にお示し願えるようになっているのかどうか。  どうも私ども調査によりますと、ここに埼玉県衛生部環境衛生課の「一般廃棄物処理事業の概況」とか、横浜市環境事業団とか、川崎とか、いろいろちょっと持ってきておりますが、ここで一番わかりいいのは千葉県の場合があるんですが、千葉県の場合を一つとってみますと、これは昭和五十五年三月、千葉県環境部生活環境課、千葉県環境衛生促進協議会編の「昭和五十三年度清掃事業の現況と実績」という本なんですが、その九ページには「最終処分場関係」として、残余容量、これは四十九年から五十年にかけてちょっと減りましたが、五十年が七十四万三千五百立方メートル、五十一年が百十七万九千七百立方メートル、五十二年が百二十四万四千百立方メートル、五十三年で百五十四万五百立方メートルと、だんだん最終処分場の残余容量というのはふえているんですね。千葉だけじゃないと思いますよ。東京だけが困っているんです。東京都が困っちゃった。  去年の首都圏サミットですか、そのときには、近県の知事さんたちは皆いやだいやだとおっしゃったじゃないですか。東京都が近県を巻き込んで東京都のごみを何とか処分してしまおうというそういうような感じがするんですがね。最終処分場が本当にそんなに首都圏でなくなっていると言えるのかどうか伺います。
  281. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 私ども調査では、現状大体五、六年の残余容量はあると思っております。で、将来にわたっての各市町村の処分場確保の見通し等を聞いた際に、自己処理自分の区域内で処分場を持っておるのが首都圏で大体五一%ぐらいと記憶しておりますが、将来にわたって六十年代の処分地の見通しという意識調査をいたしますと、二十数%に落ちてまいります。というふうに自己処理自分の区域内で処分場を持てる状況には全くないということでございまして、東京都に限らず横浜につきましても、もうすでに海に出ておるわけでございまして、本牧の埋め立て処理場を持っておりますし、川崎もすでに海に出ておるというふうに、まあ千葉県は比較的海浜が長いこともあって余裕があるようでありますけれども、埼玉も東京からはみ出したごみで埋まっておるというような内陸の事情でございまして、そういうことを背景にこれを考えたわけでございます。
  282. 江田五月

    ○江田五月君 アンケートで各地方公共団体に聞きますと、どこも大変だ何とかしてくれというような答えをするかもしれません。しかし、それですぐにそういうことをまあ口実にしてと言っちゃ悪いですが、こういう広域最終処分場をつくっていくというようなことになると、各自治体でのそれぞれの場所でのリサイクル等を通じて何とか減量化していって、そしてそこで処理していこうという努力がペイしない。むしろそんなものはほったらかして東京湾東京湾へとみんなが流れていってしまうんじゃありませんか。東京だってまあ後二・八年というような計算だと思いますけれども、しかしまだまだ最終処分場をこれから開発していく余地はあるんじゃないかという気がしますが、これはいわばこれからまだごみを持っていく場所が一体ふえていくのかどうかという話。  今度はごみが一体どのくらいふえるかという話ですがね。このフェニックス計画の前提となるごみの発生量と処分量の将来予測というものがあるわけですけれども、これは昭和五十二年の調査をもとにして一日当たり一人どのくらいごみを出すかということを計算をされた。そしてその出てきた答えに一人当たりの出すごみが年率一・九%でしたかふえる。あるいは人口も一・三%でしたかふえるというようなことをもとにして将来のごみの量を推計されているというふうに伺っておりますが、大体そういうことでよろしいんですか。
  283. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 大体そういうところでございます。
  284. 江田五月

    ○江田五月君 ところが、一体首都圏の人口というのはこれから年率一・三%でふえていくのかどうかですね。厚生省人口問題研究所が出しておる「人口問題研究」、最近の首都圏の人口の動向というのは、これは集中型、中間型、分散型とあるんですが、どちらかといえば中間型から分散型へというような傾向を示しておる。そうなりますと一・三%なんてふえないんですね。むしろ分散型にもっとなっていくと減るかもしれない。一・三%というような予測は一体どこから出てくるんですかね。
  285. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) その人口につきましては、やはり厚生省の人口問題研究所の推計、一九七五年から二〇〇〇年までの統計によったものでございまして、時点は五十二年十月時点での人口問題の推計を使っております。
  286. 江田五月

    ○江田五月君 後でよくこの資料を突き合わしてみてどちらが正しいのかよく教えてもらいたいと思いますが、どうも私ども見ますとそういう数字は出てこないように思うんですが、なかなか都合のいいようにいろいろな数字をとってこられてるんじゃないかと申しわけないけれども考えざるを得ないんです。将来、一人一日当たり出すごみの量がどれくらいふえていくかということにしても、リサイクルというようなことがその考慮の中に入っていないんじゃないかと言わざるを得ません。  また、首都圏でこのごみが一体どういうふうに今後処理されていくか。大体、不燃ごみ二割、可燃ごみが八割ですか、そして全体のごみのうちのおよそ一%ぐらいしかリサイクルには回っていかない。そして、可燃ごみについてはその四八%でしたかはそのままで、残りの五二%だけが焼却をされて処理される。焼却の結果、それぞれ量は減るわけですが、というような根拠で何か今後のごみを考えられておるようですが、これも大体そういうふうに伺ってよろしいですか。
  287. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 現在までの調査では大体そのとおりでございます。なお、この調査は五十二年時点をベースにいたしておりまして、今後センターにこういう考え方あるいは資料は全部引き継ぐことによりまして、恐らく来年度ぐらいには全面的に見直す。それで御指摘のような人口につきましても、すでに三全総の見直しとかいうような経済指標も変わってまいりますので、それらについてすべて見直していきたいというふうに考えております。
  288. 江田五月

    ○江田五月君 どこでも全部リサイクルが、こういうふうに、私がこれから申し上げるようにできていると言っているわけじゃありませんよ。しかし、一部の自治体ではリサイクルの活動によってここまで減っているところもあるんですよということを申し上げたいと思うんです。不燃ごみのうちの本当にわずかの部分ということでなくて、たとえば武蔵野市の場合の実績で言えば、不燃ごみのうちの五割、ですから二〇%不燃ごみがあると一〇%、これがリサイクルといいますか、リサイクルの中でも粗大ごみなどはリサイクルというほど大げさなことじゃないんで、テレビならテレビ、持って帰ってもう一遍コンセント差し込めばそのまま見えるとか、そういうものも全部含めてですが、そういうふうにして不燃ごみのうちの五割はリサイクルできる、こういう実際の例があるんです。  本当に悩んで、本当にごみの問題に真剣になって自治体が取り組み、そしてその自治体を構成する一人一人の市民が心がけを新たにして取り組んでいくと、不燃物のうちの半分ぐらいは優にリサイクルできるんじゃありませんか。どうですか。
  289. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 住民運動を含めてあるいは公共団体も含めて熱心に、分別収集を含むそういう資源化に取り組んでおるところにつきましては、そういう例が二、三ございます。
  290. 江田五月

    ○江田五月君 市民運動、住民運動というのを敵視するようなことがあっちゃいけないんで、そういう運動によって、あるいはそういう運動と連携した自治体の活動によってごみをそこまで減らすことが現にできているところがある。ところが、このフェニックス計画のようなことをやっちゃうと、そういう努力は何かよそから見るとばかなことをやっているなというようなことになっちゃうんじゃないか、これを心配するわけですね。  可燃ごみにしてもいま五二%しか焼却していない。焼却する場所がなかなかつくれないというようなこともある、それはそのとおりで、確かに御苦労はわかる。しかし、何とか焼却の場所をみんなで努力をしてつくって可燃ごみを全量焼却するようにしていけば、これも東京都の実績で言えば可燃ごみというものは全部焼却をすると十一・五分の一になるというんですね。そうしますと八〇%のごみが、十一・五分の一を仮に十分の一になるとしても八%になる。一〇〇%のごみが、不燃ごみのうちの一〇%はリサイクルに、可燃ごみ八〇%のうちの九割は焼却で体積を減らす。そうすると、一〇〇のごみのうちの最終処分されなきゃならない量というのは一八になるわけですね。こうやってずっと量を推計していきますと、昭和六十年から十年間、このフェニックス計画によって最終処分場に埋め立てなきゃならないほどの必要はなくなる。    〔委員長代理桑名義治君退席、委員長着席〕 いま努力をして探している最終処分場のこれからの伸び率、将来ずっと先々までどうなるかというのはまだわかりませんが、まだまだそういうところで賄い切れるんじゃないか。そういう中でもっとリサイクルに真剣に自治体も取り組んでいくというようなことが見通されていくんじゃないか、フェニックス計画は甘いんじゃないか、そういう真剣な対応がないんじゃないか、こういう気がしますが、いかがですか。
  291. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 住民に自覚を促すところの資源の再利用あるいはごみを出さないようにするということ、これはやっぱり何といっても仰せのごとく私は基本だと思うわけでございまして、もちろんそれは従来以上に一生懸命やりましょう、それから減量化もやりましょう、それはそっちでやってまいりますけれども、しかし、それにしても現に最終処理をしなければならぬものが出ておるわけでございますので、それで利害関係の一致する限りにおきまして、そうしてまた弊害の生じない範囲におきまして両方の目的を達成しよう、このセンターでも受け入れ基準を厳しいことをやるということは、ここへみんな持ってこいという意味では決してないのでございまして、むしろそうすることを通じましてその基準を全般に及ぼそうという気持ちでおるわけでございます。  いまちょっと細かいことはわかりませんが、トータルの数字を申し上げますと、これは五十三年度ごろの調査でございますけれども、最終処分量、どうにもならないで処分しているのが全国で大体一億一千万トンでございます。そのうちの二割が大体一般廃棄物、それから八割が産業廃棄物、こういうことになっております。これは全体の排出量に対してどれぐらいかと申しますと、これは全国の数字でございますが、一般廃棄物では五〇%、それから産業廃棄物では三六%でございます。御関心の深い首都圏で申し上げますと、一般廃棄物で五百万トン、それから産業廃棄物で二千六百万トンでございますから、三千百万トン出ているわけでございます。で、首都圏の方の今度の受け入れ体制は二億五千万トンでございましたか、計量的にはそんな関係になっています。  近畿圏の方も同じようにしますと、やはり年間三千百万トンぐらいの最終処理でございます。これは一億四千万トンでございます。で、考え方としてはさっき申しましたとおりのことなんで、江田委員が御指摘のようなことはもちろん進めていく、むしろこれを機会に進めてまいりたいということでございます。それで安心してみんなこっちへ持ってくるというような、そんなことはおおよそ考えていないということだけ申し上げておきます。
  292. 江田五月

    ○江田五月君 どうも時間の配分がむつかしくて、初めにリサイクルの皆さんのこの高邁な理想を伺っておりましたら、伺うことがたくさんあるのにだんだん時間の方が来ておりまして、ちょっと急ぎますが、首都圏、近畿圏それぞれに広域処分場をつくる。そこで、この工法について伺いたいと思いますが、外周護岸、これは首都圏、近畿圏それぞれどういう工法を想定されていらっしゃいますか。
  293. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 結論から申し上げますと、護岸の構造等につきましては全く決まっていない、最終的には決まっていない。どちらかと言いますと、港湾サイドの方の領域と考えておりまして、私ども調査の過程で一つ調査を試みております。それで近畿圏の報告では遮水性、施工性、工費、工程等を検討した結果、重力式のケーソン、混成堤を前提として関連事項を調査しております。それで首都圏の報告につきましては、東京湾の軟弱地盤等の実績を考慮し、遮水性、工法等の条件を考慮いたしまして、二重鋼管矢板構造として全体システムの検討を行っているところでございます。
  294. 江田五月

    ○江田五月君 この両方で八億円ですか、厚生省環境衛生局水道環境部の昭和五十四年度広域最終処分場計画調査、首都圏広域最終処分場基本計画調査報告書と、近畿圏広域最終処分場基本計画調査報告書、拝見をいたしましたが、おっしゃるように、首都圏の方では二重鋼管矢板、近畿圏の方ではケーソンというようなことになっておりますが、しかし、どうもいろいろとお書きですが、首都圏の方では遮水性を考慮して二重鋼管矢板だと、近畿圏の方では工費を考慮してケーソンだと、いろいろなことがたくさんほかにも書いてありますが、主として枝葉を取って幹を残してみると、どうもそういうふうに読めるんです。どうして首都圏では遮水性で近畿圏では工費なんでしょうか。大阪の方の人は商人が多いからお金のことが大切でというようなことではまさかなかろうと思うんですがね。どうして一体首都圏と近畿圏で工法を選ぶ基準が違うんですか。
  295. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) いまの御指摘調査厚生省でおやりになった調査でございまして、そういうお選びになった理由はちょっと私はわかりませんけれども、構造を選びます場合は、当然工費あるいは遮水性、それから地盤の条件、それから水深、そういったものを考慮いたしまして一番すぐれたものを選ぶということになろうかと思います。
  296. 江田五月

    ○江田五月君 そうでしょう。運輸省の方ではまだそこまでとても決まらないんじゃないかと。厚生省調査の方では、そういう工法を選んでモデルを設定していろんな調査をなさる。それで八億円かける。全くのむだ、むだといいますか、これは国民はやはり怒ると思いますね。  それで、なぜ一体こういう厚生省の工法の選択が起こってくるんだろうか。よくわからないんですが、いろいろと邪推をしまして、勘ぐってみまして、ひょっとしたらこれ建設業者がそれぞれ絡んでいるんじゃないかなというような、そんなことがあっては困るわけですが、しかしいろいろ調べてみましたら、首都圏の二重鋼管矢板の工法と近畿圏のケーソンの工法と、これ特許がそれぞれあるんですね。そういうこと御存じですか。特許を一体どういう建設会社が持っておるかというようなこと。
  297. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 全く承知いたしません。
  298. 江田五月

    ○江田五月君 そんなことないんじゃないですかね。工法をいろいろ調べるときに、どの工法がどういうものであって、どういう技術で、どういう長所、短所があってということを調べたら、当然どういう特許があるかというのは調べているんじゃありませんか。  これで見ますと、二重矢板護岸、これが実願昭和四十九年の一一九七五というんですか、どこをどういうふうに言えば特定できるのかよくわかりませんが、昭和五十一年二五九四八実用新案出願公告、これ二重矢板護岸、これは清水建設株式会社。昭和四十九年の四六九六五特許出願公告、これはケーソン工法ですが、これが鹿島建設株式会社。ケーソン工法はやっぱりその周辺の技術がいろいろありまして、泥水式ケーソン工法、これも鹿島建設株式会社。ケーソン水中定設工法、これも鹿島建設株式会社。水中基礎施工法、この発明は護岸ケーソンなどの海中構造物を設置するための水中基礎を造成する工法に関する。鹿島建設株式会社。ケーソンの沈下工法、鹿島建設株式会社。こうずらずらっと特許が出てくるんですね。  首都圏と近畿圏となぜ工法を分けたのか。同じように海が大切だ、水が漏れちゃ困る。それならば水が漏れないように、汚水が漏れないようにするのに一番いい工法があるでしょう。そうすると、それが大阪東京でなぜ違うのか、合理的な説明があるのなら聞かしていただきたいんです。どうも私の方も皆さんのお仕事がゆがんでいるんじゃないかという、その決め手になるんだというほどのことでこれを言うつもりはありませんけれども、何かいろんな疑惑が、そうでなくても出てくるんでね。どういう根拠でこの二つをお分けになるのが、ちょっと聞いておきたいんですがね。
  299. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) その調査報告書のケーソンタイプも、背後に遮水の膜を使用して恐らく遮水性の構造になっておると私は思います。実はそれを直接拝見はしておりませんけれども、技術的には必ずそうなっていると思います。これも確かではございませんけれども、現在大阪でやっております埋め立て護岸の構造がケーソン構造でやっておるわけでございます。それから、東京都でやっておりますのが二重鋼管矢板でやっておりますので、あるいはそれぞれの地域で現在すぐに使っておるものをたまたま工費をはじかれるときにとられたんではないかというふうに私は思います。
  300. 江田五月

    ○江田五月君 これ読んでみてもいいんですが、確かに裏へ何か張ってあって、遮水性もケーソンの場合でも向上させるようにはしてあるんだけれども、それでもケーソンは遮水性においてはやや劣ると、しかし工費的に見て、そんなようなことを書いてあるわけですよ、この中には。  それはそれとして、どうもこのフェニックス計画、ごみというこの大義名分を使って、これまた言い過ぎだったらごめんなさいね、ごみに藉口して、ごみを奇貨として土地造成を行おうとしているんじゃないかという、これはわりにそういうことを聞くんですよ、いろんなところで。  そこで、土砂のことを伺いますが、これ、初めの厚生省の案では、八百ヘクタールで、廃土砂というのは二千五百万立米ですか、それが厚生運輸合同案になりますと、廃土砂が四七四・七%、四・七倍に上がっちゃうんですね。そして、この法律では、どう読んでも廃土砂を廃棄物と認めなきゃいけないことになると思うんですが、この法律適用関係ではですよ。しかし一方で、廃棄物処理及び清掃に関する法律にも、やはり廃棄物というものがもちろんある。この廃棄物処理及び清掃に関する法律廃棄物は、土砂を含みますか。
  301. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 広い廃棄物の概念に入ります。
  302. 江田五月

    ○江田五月君 廃棄物処理及び清掃に関する法律の施行について、四十六年十月十六日、厚生省環境衛生局長通達「廃棄物の定義」「なお、次のものは廃棄物処理法の対象となる廃棄物でないこと。」「ウ 土砂及びもっぱら土地造成の目的となる土砂に準ずるもの」。土砂は入らないんじゃありませんか。
  303. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 建設残土、しゅんせつ等の不用になった土砂につきましては、処理法上の一般廃棄物と解し得るものと考えております。従来、土砂につきましては、埋め立て用材の有用物として実際に使われておるという実態がございます。また、その物の性状から見まして、発生の現場で適宜移動もしますし、廃棄物の概念にはなじみにくい性格を持っておりますこと等から、運用上、廃棄物処理法としての規制はかけないという取り扱いをしてきたところでございます。
  304. 江田五月

    ○江田五月君 運用上とか何とかおっしゃいますが、廃棄物処理及び清掃に関する法律というのは、廃棄物という概念を持って刑罰まで決めているのでしょう。ありましたね、刑罰。そんな何か運用で、くるくるなるようなことでいいんですか。この通達はどうされるのですか。そのままにして置かれるのか、それとも今度のこういう広域臨海環境整備センター法の施行に伴ってこの通達はいじられるのですか、どうするんですか。
  305. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) センター法と廃棄物処理法とは別という感じでございますが、運用上廃棄物処理法の量の規制とか処分の基準とか、あらゆる規制を外しておるということでございます。で、実際のセンター法では、現に不用になった土砂が不適正に処理されて、処分されて、環境上の問題が生じているという実態を考えまして、受け入れることとしたものでございます。
  306. 江田五月

    ○江田五月君 どうも時間がなくなりまして、私どもまだまだたくさんこの法案については、この計画については問題を感じておるのです。  最後に、これ、しり切れトンボみたいな質問になって恐縮なんですが、いまの土砂に関して言いますと、廃棄物の受け入れにそれぞれ料金、代金をおつけになるのですね。そうしてこの八億円の調査の中でも、代金についての試算もなさっておる。この首都圏の方の六十一ページに料金についての計算があるんですがね。ところが、このときの計算はこれは八百平米のときのことですから、これは土砂が少ないときのこと。土砂がたくさんにふえて、さあ一体土砂というのはどの料金になるのか。一般廃棄物、公共系産業廃棄物と左記以外のものというので料金が二つに分かれているんですね。そして、一般廃棄物は三千五百五十円・パー・立方メートル、左記以外のものが六千百四十円・パー・立方メートルとなっているんです。  同時に、どんどんごみと土砂を埋めていく、埋めていった後がどうなるのかというと、管理型と安定型というんですね。管理型の方は、いつも何か管理をしておかなきゃならない。安定型というのは、これはきちんと安定をしておるからそのままで、どうするんですか、宅地造成でどっか売っちゃうんですか、どうするのか知りませんが、安定型というのはもちろん土砂がたくさん入った方ですね。土砂がたくさん入ると安定型はそこは高く売れる、土砂を余り入れないところは管理型でそこはそんなに高く売れない。コスト計算で料金を出すとすると安定型の方が高く売れるわけですから、土砂がたくさん入った方が高く売れる。そうすると、当然土砂は料金を安くせざるを得ない。料金を安くすると土砂がたくさんどんどん入ってくるじゃないか。そうすると、これはごみを埋めるために十年と言わず十五年でも二十年でも大切に使いますといったってそうはならぬじゃないかということになる。  一方で、しかし、一体これからの経済の動向の中でそんな思うように土砂が集まるのかという問題がさらにある。東京都の場合、こんなところに持っていく土砂があるというふうに東京都の人は恐らく答えないんじゃないかというような問題がある。いろんなところで問題だらけなんですが、いまの残土の代金の点だけお答えください。あとまだまだ聞きたいところがいっぱいあるけれども、私どもはいろんな点から考えて、この法案はひとつ今国会では廃案にして出し直ししていただいたらいいんじゃないかと考えております。非常に口を荒らしましたが、どうぞ最後の点だけお答えを願って私の質問を終わります。
  307. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 受け入れ料金につきましては、基本的には施設の建設、管理運営に必要な費用及び補助金の有無、補助率、あるいは土地の評価額、そういったことを考慮してその物ごとに決めていくわけでございますが、その際廃棄物の性状、いまおっしゃったような跡地利用への寄与度というのをやはり考えていかざるを得ないと思っております。また、少し悪いごみにつきましては、排水処理への負荷が高いというようなこと、排水処理法の違いによってやはり同じ量でも種類によって異なってくるものと考えております。  しかし、残土の料金につきましては、御指摘のように、確かに土地に対する寄与度が高いということである程度割り安になるものと考えておりますが、他の処分場へ持って行った場合の土砂の捨て込み料等に比べてそれほど格安になるものではないというふうに考えておりまして、それほどむやみに土砂が持ち込まれることはない。なお、量につきましては基本計画あるいは実施計画段階でより見直して詰めてみたいと考えております。
  308. 美濃部亮吉

    美濃部亮吉君 初めにお断りしておきたいことは、私は私の意見と申しましょうか、申し述べたいことを申し述べまして、それで締めくくりに後で御質問をいたしたいと思います。  私の知事十二年において、ごみ問題ほどてこずった、そうしてまた苦心をした問題はございません。いわゆるごみ戦争と言われた問題でございまして、これは四十六年九月で新夢の島、十五号地でございますが、そこで東京都のごみの総計一万三千四百トン、その七〇%を江東のいま申しました新夢の島へ捨てておりました。そして、清掃車が一日五千二百台参りまして、その結果、交通は混雑し、悪臭は振りまくし、ハエが発生いたしますし、それから夢の島の中ではメタンガスが発生して火事が起こるというふうな状態になったのでございます。  そうして四十六年の十一月になりまして、江東区は実力を行使することを決定いたしまして、このごみの持ち込みを阻止するということを決定をいたしました。私は、江東区の区議会に参りましたりしまして、結局一億七千万円迷惑料という形で罰金を払いまして、一応実力行使まではいかないで済んだのでございます。  そうして四十九年になりまして、江東区は、いままで東京湾の中央防波堤の内側と外側にいまの鉄の板を張りまして、捨てることを頑強に反対しておりましたけれども、四十九年になりまして、中央防波堤の内側及び外側に投棄することを承認いたしました。それで、われわれといたしましては、地区内処理、つまりそれぞれの区が自分焼却炉を持つと、そういう地区内処理で全量のごみを焼却をすると、そうして産業廃棄物あるいは産業不適ごみと申しましょうか、プラスチックその他の燃焼不適ごみと、それから不燃物、これはいま申しました中央防波堤の内側及び外側に捨てると、そういう体制でもって昭和六十年まで何とか持ちこたえられるということで一応片がついた、ごみ戦争が終了したわけでございます。  しかしながら、全量焼却を約束したと、それでございますから、焼却炉をつくらなければならない。この点については大川さんが先ほどいろいろと御質問をなさいましたけれども、全量焼却をする——そのころは三五%くらいしか家庭ごみは焼いていなかったと思いますが、それを全量焼却するというのは大変な金と労力がかかるわけでございました。しかしながら、金に糸目はつけないと、とにかく東京じゅうがごみになるよりは、赤字団体に転落してでも清掃工場を建てるべきであると思いまして、江戸川、北、石神井、世田谷、千歳、大井、多摩川、江東、板橋、葛飾、足立というふうに十一ヵ所ですか、焼却場ができました。  さらに杉並工場を杉並に建てるということも、これは先ほどお話に出ませんでしたけれども、大川さんとの話の中で、焼却炉をつくることが非常にむずかしいという話が出ましたけれども、地元と焼却炉をつくることで合意をするというのは非常にむずかしいんでございます。それで、杉並工場はたしか五年か六年かかりまして、ようやく合意を得られたということでございます。  これでとにかくごみ戦争が一応終わったわけでございますけれども、このごみ戦争を通じまして、私はごみについていろいろな教訓を得ました。そして、その教訓に従っていろいろの措置を講じたわけでございますけれども、昭和四十八年から分別収集、つまり、家庭ごみと、それから燃焼するのに不適なごみと、それから不燃ごみと三つに分けまして、そして、不適切ごみはプラスチック、皮革等ですね。それから不燃ごみというのは、冷蔵庫とかそういうふうなものでございます。これを別々に分けて収集して、そうして燃える、つまり家庭から出るごみは焼却炉に持っていく。それであとの産業廃棄物——燃焼に不適切なごみとそれから不燃ごみとは防波堤に持っていって捨てるということで一応済んだわけでございます。  ところが、これで問題は解決したわけではございませんで、この不適ごみとそれから不燃ごみとをどういうふうに処分をするか、これが大問題でございました。私は、一言で言えば、産業廃棄物とでも申しましょうか、いまのこの問題を解決するにはリサイクリング以外に方法はないと、こういう産業廃棄物をどういうふうにしたならばもう一度それを再生して一般の需要に向けることができるだろうかということ、私が幾ら考えたってそんなことわかりっこはないので、新日鉄と連携をいたしまして実験工場をつくって、一生懸命で努力をしていただいたわけでございます。  その結果といたしまして、新日鉄は鉄の生産企業でございますから、つまり、溶鉱炉というようなものをつくって、非常に高温にして、そうして不燃ごみあるいは不適ごみをその中に入れて高熱で処理するということ、それから、その場合には有毒ガスが出ますから、そのガスの毒性を抜く、いろいろ非常に努力をしてくださいまして、約三年工場で実験をいたしました。その結果として、私としてはよくわかりませんけれども、ガスとそれから銑鉄、つまり不燃ごみの中から出る金属の銑鉄とそれから残渣、この残渣は細かく砕くと道路をつくるときなどの砂利の代用品になる。それから、それをれんがのように固めると、防波堤をつくるときなどに使えるということでございました。  私は、なおこれを単なる実験だけではなしに、工場生産に移すことが可能かどうか研究を続けてほしいと思いましたけれども、私がやめると同時に鈴木さんはこの実験もやめてしまったということで、新日鉄がことしの秋からもう一度この実験を、新日鉄だけでやって工場生産に持っていけるかどうかというふうなことを試みるということでございます。  それで、私はつまり家庭ごみはそれを焼く、そうしてそこで非常に熱が出ますから、あるいは発電にそれを使う。私たちはまだ発電は本当に非常に小規模でございましたけれども、付近に老人ホームや何かをつくりまして、それに始終湯を供給をして、いつでも老人にお湯に入っていただけるというふうな、それから江戸川にはスイミングプールの温水をつくりまして、子供たちに非常に喜ばれております。そういうふうに家庭ごみは焼くときの熱を利用して発電をすることもできますし、いま言ったようなおふろとか温水を供給することもできるわけでございます。それですから、灰は残りますけれども、家庭用ごみはほぼ完全なリサイクリングができるということでございました。  それで、産業廃棄物はほかにもいろいろと実験をしているところがございます。そうでございますが、ほかの場所の実験の結果は、私よく存じません。しかしながら、新日鉄の実験でも実用になることは不可能ではないと思うんです。  それでございますから、完全なリサイクリング、つまりいま申しましたような完全なリサイクリングでございますけれども、これに国が非常に金をかけてこのフェニックスプランをやる何十分の一かのお金を使えば、このリサイクリングの技術、きょうの委員会でもたびたび出ましたけれども、私もリサイクリングができるようになるかならないかということがごみの問題の基本的な解決ができるかできないかという問題であると思いますんで、このごみ、いまのフェニックスプランでございましたらば、十年たてばまたそれがいっぱいになってもう一度つくらなきゃならない。何しろできるだけ早く江田さんも言われたようにリサイクリングの技術を発展させるということが必要なのではないか。  それから、もう一つ下水汚泥、これのコンポスト化、これは大川さんも言われましたように重金属が入っていることが難点でございますけれども、先ほど言われた多摩ニュータウンの下水汚泥からはほぼ完全な、そうして非常に有効な堆肥の代用になるような肥料が生産されるということが実現しているわけでございまして、このコンポストというのもごみのリサイクリングの一翼を担うことであろうと思うんです。  それで、こういうふうに基本的な問題においてはいま言ったようなごみの処理の問題がございますけれども、今度のフェニックスプランについては私は非常に多くの欠陥があるのではないであろうかと思うんです。  その第一は、フェニックスプラン、つまりごみ捨て場でございますけれども、このことは一般市民の生活と裏表の関係にあると言ってもいいほど密接な関係を持っている。一方、確かにごみ捨て場ができるのはありがたい、しかしながら、できることによってこうむるデメリットも非常に多い、そこをどういうふうに考えるかというので、徹底的に都民参加と申しましょうか、都民との対話が必要である、これが欠けているのではないだろうかということが第一。  そしてまた、この計画をもしやると決まったらば、どういうふうにしてやったらば一番悪い影響が出ないで済むかということを中立の学者、技術者を入れました委員会にかけて第三者の意見というものを私は聞くべきではないだろうかと思います。  それから、今度の計画につきましてはPPPの原則、つまり公害の基本的な問題であります公害を出した企業はその公害について全責任を負うというPPPの原則が欠けているのではないだろうかと、つまりPPPの企業の責任であるべきところを国があるいは地方自治体が肩がわりすると、それでこの点は私は、このフェニックスプランの一番の欠点は、非常に広いこみ捨て場を一ヵ所に設ける、これは夢の島でも全く閉口したので、そこに第一集まってくる自動車がどうなるのか。それの出す大気汚染をどうするのか。それから、もしはしけでもって運ぶとするならば航路がそれだけ混雑をし、莫大な船舶の量になりますから、東京湾の船舶の交通がそれだけ阻害されるのではないか、そういうふうに思います。  それから、第三の問題は地方自治との関係であって、このプランは要するに市町村の固有事務であるところの清掃という事務を、地方公共団体あるいは国が選任した委員会なり管理者なりで管理されるセンターというのにほとんど全部の権限が移される。これは大川さんが言われましたような発想を変えて、ごみは国で集中的に処理をするということに決まればまたぼくは別な考え方がある。しかしながら、いまの状態のままであるならば、地方自治を侵害をするということになると思います。  それから千二百ヘクタール、つまり千代田区とほぼ同じくらいの面積の、あるいは一ヵ所であるか、あるいは数ヵ所であるかは別問題といたしまして、その千二百ヘクタールという広大な埋立地ができる。それから、大阪は八百ヘクタールという埋立地ができる。そういう埋立地がたださえ狭い東京湾あるいは大阪湾にできたときのその影響というものは非常に大きいものではないかと思うのであります。この埋立地ができることによってどういう影響があるか、私には常識的なことしかわかりません。それで、東京大学の名誉教授である桧山先生に書面でもって伺ってみました。それによりますと、こういうふうにいろいろ悪い影響があろうとは思っておらなかったんですけれども、第一には水が汚染される。  それは、一つは、埋立地でもって内海との交流がそれだけ阻害される、したがってその埋立地埋め立ての内側の水というのは非常に汚染されて腐ってしまう、汚物を捨てたということから出てくるいろいろな水の汚染は別として、埋め立てたということ自体からしてそういう悪影響がある。  それから、都会地の海辺の空気というものが海が大きければ大きいほど自浄作用があって、そうして空気がきれいになる。それが非常に大きな場所が埋め立てられればそういう力が弱る。  それから第三に、温度の変化を調節する。これはわれわれにもわかると思うのです。それから釣りやボート遊びなど、都民の何といいますか遊びが奪われるということ。それから、これはよくわからないんですけれども、都市から出る高分子の有機物を酸化及び還元によって分解して大気と水に還元する自浄作用がある。それで、分解された後は、水の中にいる生物に非常な肥料、えさになって、浅い海の太陽光線の日射によって特殊の生産物ができる。たとえば浅草ノリであるとかアサリであるとかハマグリであるとかカキであるとかカレイの類であるとかハゼの類であるとか、そういう多様な生物が育成される。そういうふうな効果があるんで、非常に広い、千二百ヘクタールというような広い埋め立てをなすべきではない。それは都市に住まっている都民にとって非常に悪い影響を与えるのではないだろうか、そういうことでございました。  それで、いまも申しましたけれども廃棄物から汚水が一つも流れないようにするということはほとんど不可能であって、最初はできてもだんだん古くなるに従って汚水が漏れて水が汚染されるということもある。それから夢の島の経験から言ってメタンガスから火災のおそれもあるし、爆発のおそれもある。それから先ほど申し上げました、つまりごみを運ぶ自動車、空になって帰る自動車、それが夢の島でもって五千台であるならば、それの何層倍かの大きさのごみ捨て場であったならば何万台にもなる。そうすると、それを、先ほどもお話に出ましたけれども、その自動車の通行する道路をどうするのか、道路をすっかり新しく計画をしてつくり直さなければどうにもならない状態になるのではないか。  それから船舶、つまり東京湾がそれだけ狭くなるのですからして、いまでさえ混雑する船舶が非常な混雑になって衝突するおそれも出てくるだろうと思います。そうして、何万トンというタンカーが衝突したときには、東京湾全体が火災になって、それこそ恐るべき災害が起こってくるのではないだろうか、そういうふうに考えるのであります。  それでありますから、私はこのフェニックスプランというのは余りプラスの面よりもマイナスの面の方が大き過ぎるのではないだろうか。もっとリサイクリングを、国が資金を注いで、何とかしてできるだけ早く完成をして、そしてこのごみ捨て場がなくても済むようにしてほしいものであるというふうに思うんです。  それで、私の意見はおしまいにいたしまして、まず厚生省には、私が申しましたリサイクリングによって、このフェニックスプランとは別な考え方で、リサイクリングによってごみを処理するという発想の転換はできないものであろうかと。これは環境庁長官にもお聞きしたいと思うんです。リサイクリングの問題は江田さんが聞いて皆さん賛成でございますけれども、私はもう少し現実的にこのフェニックスプランのかわりにそれを考えられないだろうか。  それから自治大臣には、清掃事務というのは自治体の固有事務であるけれども、これが奪われるということについて、どういうふうにお考えになるか。  それから、環境庁長官には、これはどうも都民との対話なしに、PPPの原則を無視してこの案ができ上がったのではないかと。それから、私のいま申し上げました埋め立てによる環境破壊と、それをどうお考えになるか。それから自動車、船舶は別ですけれども、自動車の混雑の対策をどうなさるおつもりか。  それから運輸大臣には、船舶の問題、船舶の混雑の問題をどういうふうにお考えになるのか。  私は、フェニックスプランというのは、七千億円という大金をかけた大規模なプロジェクトに間違いはないと、いま大規模プロジェクトはやるべきではないんじゃないだろうか。第二臨調をやって、そうして経費の節約を一生懸命に考えているときに、少なくともこの周囲の住民に対して非常な悪影響を及ぼすおそれのある大規模プランに、七千億円も投ずるというのは間違っているのではあるまいか。その点もひとつお伺いしたいと思います。
  309. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) ただいまは美濃部委員から、御自分の貴重な体験に基づきまして、詳細に赤裸々なお話をいただきまして本当にありがとうございました。  実は、いま美濃部委員が申されました諸点につきましては、先ほど来他の委員からも問題点として全部指摘されているところでございます。そういう過去の自治体のやってまいりました経緯を踏まえまして、そのようなことがないようにということを考えまして実はこの案をつくっておるわけでございます。  私に対する質問はリサイクリングの問題でございますので、その点だけ申し上げておきます。  もとより、リサイクリングを進めるということがもうこの問題の根本的問題であるという認識は私も持っておるわけでございます。そのためには、家庭のごみをまず出さないように、バザーでもって使える人もありますし、まあ物々交換というわけにはいかぬでしょうけれども、十分粗大ごみについては使える人もあるわけでございます。私のところでは、幼稚園に出しますと、結構使っていただくところもあるわけでございます。そういうことを住民運動としてやっていきまして、出さないということがまず第一であろう。それから、どうしてもやむを得ない、産業廃棄物にいたしましても一般廃棄物にしましても、これをいかにして今度はわれわれの技術を使ってリサイクリングをしていくか。分別収集という問題、あるいは選別の問題、さらには新しい技術でどれだけこれを資源化していくか、たくさんあるわけでございます。  ただ、私の実際の感覚を申しますと、技術的な問題が一つございます。もう一つは経済性の問題があるわけでございます。そうであるとすると、これは私の率直な感じでございますけれども、経済性を含めた技術開発というのはまだ今後の検討に待たなければならぬであろうと。おっしゃる点はまさに最重要問題であることは私は認識しておるのでございます。そういう認識の上に立ちまして、しかし、現に最終処理が出ておるこの現実に対してどう対応するかという問題として今度の問題を出したわけでございます。  いま先生が、諸先生の述べられた各種の問題を経験に基づいて御指摘いただいたこと、本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。
  310. 鯨岡兵輔

    国務大臣鯨岡兵輔君) かつて都会議員をやったことのある私は、美濃部先生から質問を受けるとは思わなかったのですが、三点についてお答えいたします。  一つは搬入の問題、自動車に関連する問題、それからリサイクリングの問題、PPPの原則の問題。私は、知事としての美濃部さんが江東区へ搬入される自動車で苦労なさったことをよく知っています。あのときは、あれは生ごみだったのでなおさらひどかったんですが、今度の場合は、いまの計画は生ごみではありませんからそれとはちょっと趣を異にはいたしますけれども、相当の自動車があすこを通るようになるだろう。ですから、どこのところを埋め立てるのかなということも問題になります。同時に、どこを通るかということも十分に問題になります。ですから、それらの問題は、計画立案のときにそのことを勘案してわれわれは所要の注意を与えていきたい、こう考えているわけであります。  同時に、たまたまきょうですが、ああいうものを運ぶ自動車というのは直射式のディーゼル車が多いんですが、あれがなかなかNO2なんか大変だと。それを、きょうは、約一三%減らすということを何年かの検討の結果指示をいたしましたので、たかだか一三%ですが、相当私はそれができれば効果がある、こういうふうに考えております。これは忘れられがちなことですが、そこへごみを運ぶ道はどこか、何で運ぶか、どのくらい込むか、住民がどのくらい迷惑をするか、これは十分に考えていかなければならないことでございますので、かつて知事としての美濃部さんが踏んだああいう苦労をだれにもさせちゃいけませんし、また住民に迷惑を与えてはいけない、こういう考えでやっていきたいと思います。  リサイクリングの問題は、ずいぶん前から話が出ておりましたので、どういうふうにしてそれをやるかという問題、先ほど空きかんの問題で言いましたが、申し上げましたように百億本ですから、それで三十億本がリサイクリングややできるんじゃないかなといま考えられている。七十億本は埋めちゃうんですから、考えてみればずいぶんもったいないことで、これがもしアルミかんだけだとすれば、それのために要する電気は、先ほども申し上げましたように三十万世帯の都市の電気と同じですから、このごろ、夏が一番電気使うと、こう言うんです。昔は冬だったんですが、いまは夏クーラーつけますから。甲子園の野球やっているときが一番電気使う。そのピーク時まで電気を起こさなきゃならぬと考えるのは、私はちょっとぜいたく過ぎると思うので、そういう点も考えて何かやっぱりもう一度使うというつましい生活ということを国民に理解をしてもらって、これからはそうじゃなきゃやっていけないですから、やっていきたい。  それから、運輸大臣さっき言っていましたが、厚生大臣も言っていましたけれども、あれ合わないんですよ。だれもわかっているんですよ。かんをもう一回溶鉱炉に持っていくことはわかっているんですが、経済に合わないんですよ。だけれども、経済に合わないからといって埋めちゃっていいかということは、これは長い目で見れば資源の少ない日本としては考えていかなきゃならない問題なんで、もう頭の脳漿をしぼって何かうまく考えていきたい、これがリサイクリングの問題です。  PPPの問題は、これは家庭に打っちゃったものは別ですが、産業廃棄物を埋めるというときには業者は金払わなきゃ埋めてくれませんからね、これは。だから、その意味ではPPPの原則が作用するんですが、たとえば空きかんなんぞを、いまのままでそれを集めて埋めるというときには全然PPPの原則がそこに作用いたしません。産業廃棄物はいたします。そこで、それはどうしたらいいかということ、まずもってやっぱり自分で、ジュースを買った人が責任を持つんで、ジュース売ったやつの責任だというのはちょっとまだおかしいんじゃないかなと思いますけれども、しかしこれほど問題になってくれば業者だって知らぬ顔してちゃいけないというので、いまそのことで苦労しているんです。何かいい考えがあったらひとつ教えていただきたいと思いますが、いま一生懸命になってそれを苦労してやっております。
  311. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) お尋ねは地方自治権との関係でございますが、先ほどもお答えしておいたわけでございまするが、今回のこのセンターというものは、地方自治体と港湾管理者、これが共同で処理をしようということの構成になっているわけですね。非常に処理の問題は広域的に扱わなければなかなかむずかしい。しかしながら、その適地も見つからない。そういうことで、自治体関係者とそれから港湾関係者がひとつ構成メンバーになりましてこのセンターをつくろうと、こういうことなんですね。そして清掃の、このセンターに関与する問題につきましては地方自治体が委託をしてその仕事をやらせる、こういう形でございまするので、これが直ちに自治権の侵害になるというわけにもいかぬのじゃないかと私は思っておるんです。  それから、このセンターの理事者でございますが、これは地方自治体の責任者あるいは港湾管理者、これが互選によって構成をするわけでございまするから、この点からも自治権の侵害というには構成のメンバーから見ればならぬし、その点において国が余りにこれに関与することは適当でありませんので、法制上もこれはなるべくチェックをするという方針をとっておるように承知をしているわけでございます。  それから、出資の関係も大体そういう関係でやっておる。それから、基本計画というものをつくるわけでございますけれども、この基本計画センターが独自で決めるんじゃなくって、自治体と十分協議をしてやるという制限も加えておりまするので、このセンターが直ちに自治権の侵害になるというふうには私どもは理解をしていないわけでございます。いろいろ御議論もあろうと思いますけれども、さようなふうに私としては考えております。
  312. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 私に対するお尋ねは、航路の妨害で、非常に船舶ふくそうして困難になるんではないかということでございますが、その前に、まず一ヵ所で千二百ヘクタールという考えはいま固定しておりませんで、恐らく数ヵ所になるんではないかなと思うたりもいたしますが、それはセンターが設立して決定されることだと思うのであります。でございますから、できるだけ分散することが望ましいように思いますが、これは後日の問題としてわれわれも検討いたします。  ところで、現在、事前調査いたしましたときにはシミュレーションを使いまして、できるだけ湾の奥の方でこの埋め立てが行われるわけでございますので、数ヵ所のシミュレーションを実施いたしております。それと、湾内に、東京湾全体に出入りいたします船は一日に千四十そうございますが、ところでこのごみの廃棄物の方でございますが、十年間で二億五千万立米でございます。でございますから、十年で割りますと一年で大体二千五百万立米。これを三百六十五日で割ります。そして一そうで大体三千トンの運搬バージということで計算いたしますと、一日に大体二十そうから二十三そうぐらいの運転でいけるんではないかということでございます。そういたしますと、一日千四十そうの船が湾内を航行いたしておりますのに対し、ごみの廃棄物の方は二十そうがら二十三そうの航行ということになる。  けれども、これはやっぱり二%のシェアを占めることでもございますし、しかも港内を直近で通ることでもございますので、これの運行等につきましては、周回地の方向とかあるいは時間的な調整、これをやることによって安全の確保をいたしたいと思いますし、また実施いたしますときには必ずシミュレーションを並行してコントロールし得るようにいたしたいと、極力注意をし、そういう弊害の起こらないような万全の措置を講じなければならぬということをわれわれも心得てまいりたいと思っております。
  313. 美濃部亮吉

    美濃部亮吉君 お説拝聴いたしましたけれども、私はどうしても大規模な埋め立てはすべきではない。何としてでもリサイクリングの方法をできるだけ早く発見をして、そうして問題は、主として産業廃棄物なのでございますから、工場のそばにその廃棄物処理する工場を分散してつくるということにして、フェニックスプランのように一ヵ所にこみ捨て場を集めるということはどうしても非常な弊害が出やすい。だからこれは避けるべきであって、国が全力投球をしてリサイクリングの技術、もう相当いっているんですから、もう地方自治体の金とかあるいはその実験所の金だけでは十分でなくて、国の金でもって、資金でもってやるべきことであり、また全体にすれば非常にわずかな金であって、そういうふうにすべきであるのではないだろうかということを申し述べまして、私の質問を終わらせていただきます。
  314. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 先ほどからお伺いしておりますと、もう夜八時半ですからかなりお疲れのようですし、夕食抜きですから大変だと思いますが、これは理事会の決定でございますので、またこれから二時間近い質問にうんざりする面もあるんじゃないかと思いますが、役目柄でございますから、ひとつあしからず御了承いただきたいと思います。  いま美濃部先生からも地方自治の問題等でいろいろ御質問ございました。私も、この法案が出されて以来いろいろ研究してまいりましたが、地方自治の立場から見ますと、どうしても納得できない点がたくさんございます。何よりもこの法案に基づく法人がどういう性格の法人なのか。一説では指定法人だと、また新聞論評等では隠れ特殊法人とか、いろいろ言われておるわけです。それが一つ。  もう一つの問題は、なぜこれだけの問題のある法案を、こんなに夜遅くなってもこの国会で急がなきゃならぬのか。先般、大阪東京、私も現地を見てまいりました。何もこの国会でこの問題を上げなければならないという緊急性もないようです。そういう意味や、いろいろこう考えてみますと、先般の国鉄再建法、あれを思い出すわけです。あの法案の国会審議の日程と、それから施行に至るまでの各省とのこの詰めを見ますと、結果的には国会審議日程以上にかかっておる。それほど問題の法案。そういう問題の法案が、国会でいわゆる審議を尽くされないまま成立したというところに各省庁の抵抗もいろいろあったんじゃないかと思うんですね。またこれは今後の問題になると思いますが、この法案も、私はやはりそういう粗略な扱いでいきますと、今度は住民運動に真っ正面からぶち当たっていくんじゃないかと、こういう意味で、非常に疑問を持っているわけです。  そういう意味合いで、しかも運輸、厚生共管と、こういう内容になっておりますが、これも中身を見ますと、運輸、厚生だけじゃなくて自治、通産、環境、こういったところも同様に重要なかかわり合いを持っておる。そういう意味合いで、これはひとつ主務省であり提案者でもある運輸大臣に、この法案の性格、そういった疑問についてどう考えておるのか、これをまず聞きたいと思います。
  315. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 一般家庭ごみ等の事務は御承知のように市町村の固有事務でございますし、産業廃棄物の指導監督というのは府県が担当いたしておりますが、ところで、このごみ関係はいわば厚生省が行政の責任者といたしまして所掌事務をつかさどっております。したがいまして、地方自治体の固有事務ではございますけれども、これを政府の所掌事務から申しますと厚生省ということになる、それと港湾埋め立てをするわけでございますので、これは運輸省ということに相なりまして、要するに国家行政組織法から言います行政事務の所掌関係から主務大臣というものが決められておるのでございます。  そういう意味から見まして厚生、運輸両省ということになったのでございますが、当然これは自治省と深いつながりがございますし、また環境庁、通商産業省、農林水産省、建設省、こういうところ、もう全部関係ございますので、関係省庁とも協議をしながらこの行政を進めていくべきだと思っております。
  316. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) これはいま所掌の関係は運輸大臣から述べたとおりでございます。先ほど申しましたように、現在最終処理を要するものは大変たくさんあるわけでございますが、幸いと申しますか、地方の港湾管理者、自治体それから地方団体、実は同一人格ということが多いわけでございます。これが一方において廃棄物に困り、一方において港湾整備をしなければならない、こういう一つの自治体がいわば両方の要請を持っているわけでございますが、それをその調整がちょうど利害が一致いたしますのでやるわけでございます。
  317. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 運輸大臣に聞きますが、四月二十五日に公布された五十六年中に廃止が完了するという京浜、阪神外貿埠頭ですね、この埠頭公団の廃止と、この法案に伴うセンターとの関係というのは全く関係がない、こういうふうに思ってもいいんですか。
  318. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 仰せのとおり全く関係ございません。
  319. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすると、この両公団の職員の処理というのはどういうふうになっておりますか。
  320. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 御承知のように、両公団はその事後新しい指定法人が業務を引き継ぐことになっておりまして、一応そこに両公団の職員の大多数が再就職をしていくであろうと思いますし、また地方自治体から出向しております一部の、ごく一部でございますが、この方々はそれぞれの自治体に帰っていくであろうと思いまして、指定法人が設立され、発足いたしました段階でそれらの職員に不安のないようにいたしたいと思っております。
  321. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 指定法人というのは、この法案に基づいたいわゆる法人のことですか。
  322. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 両公団廃止に伴いまして設立いたします法人であります。
  323. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすると、このセンター法に基づいて発起人のもとに大阪東京の法人ができますね、それとは全然別個ということで理解していいですか。
  324. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 東京湾大阪湾とは別個の法人でございます。
  325. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 ちょっとわからぬけれども、もう少し別の角度から聞きますが、運輸省は五十三年と五十四年にての二つの埠頭公団法を一部改正をして、そして廃棄物埋め立て事業をできるような改正案をつくったことがございますね。これは結果的にだめになって、そして五十五年に大阪港と東京港の広域廃棄物埋立護岸公団ですか、こういう新設要求をした経緯があると聞いておるんですが、いかがですか。
  326. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) かつてこの広域廃棄物処理場の構想を考えましたときに、この事業が非常に港湾関係の事業と技術的に似通った点もございますし、そしてかなりの技術力及びその技術者等も必要であるというようなことから、埠頭公団にこの業務をやらせるということが適当であると考えてその計画をいたしたことがございます。しかし、この計画は実りませんでしたので、次の段階に至りまして、別個の公団を新設をいたしましてこのフェニックス計画を実施をするというふうな考え方に切りかえたわけでございます。  一方、外貿埠頭公団の方につきましては、これを廃止するということが政府の閣議決定で決まっておりまして、その予定どおり廃止をすることにいたしたわけでございます。廃止をするに際しまして、いままでやっておりました業務をだれに承継させるか。これについて先ほど御指摘のありました法律を御審議いただいたわけでございまして、この結果を簡単に申し上げますと、京浜埠頭公団の業務は東京と横浜にそれぞれ一つずつ新しい法人をつくります。これはこのセンター法の法人とは全く別のものでございますが、それぞれ一つずつ法人をつくりまして、それに京浜埠頭公団の業務を承継させることにいたしました。それから阪神につきましては、神戸と大阪にこれまた一つずつ法人を新設いたしまして、これに阪神埠頭公団の業務を承継させるということで今後の運営をいたしたいと考えておるわけでございます。  したがいまして、今度のセンター法は埠頭公団の業務の関係とは全然関係がないわけでございます。
  327. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、まず前の問題から入りますと、これは京浜、阪神の二つの埠頭公団については国民の皆さんには五十六年度中に廃止をすると言い、これは法律で廃止の法案も通ったわけですからなっておるのですが、実際は、いまお聞きしますと、そのかわりになるような法人というものをそれぞれ阪神、東京につくると、こういうふうに理解していいですか。
  328. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) そのとおりでございます。
  329. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしてみますと、今度の法案の前に、運輸省としては、先ほど説明ございましたように、廃棄物埋め立て事業を両埠頭公団にやらしたいということもこれは五十三年ごろ考えた、しかし、それはどうも実らなかった。ところが、この五十四年に閣議で両埠頭公団の廃止の方向が決まった。したがって、そこから今度は出てきたのは広域廃棄物埋立護岸公団新設の構想が出てきた。そういう構想が出てきたのはいつまであったんですか。
  330. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 五十二年に外貿埠頭公団にやらせるという要求をいたしております。そして、五十三年に外貿埠頭公団は廃止をするという閣議の決定がございました。それで、五十五年は広域廃棄物埋立護岸公団を要求をいたしております。
  331. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 言うならば、その経緯を聞いてみると、両埠頭公団が閣議でもって廃止と。その廃止の雲行き、情勢が出てきたということは、逆に言えば仕事量がなくなった。そこで、運輸省の所管じゃないけれども、これは厚生省の所管だけれども、一般廃棄物の事業を、公団法を改正して両埠頭公団の事業の一つに入れようということも考えてみた。  ところが、それは結果的に実らなかった。それに追い打ちかけて閣議でもって両埠頭公団廃止の方向が決まった。そこで今度は廃棄物の新設公団を——護岸公団ですか、これを打ち出した、五十五年度の予算要求で要求したと。  この法案はいつごろから構想なさったんですか。
  332. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) この法案は五十六年の予算要求の時点でこの方向に決まったわけでございます。
  333. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、いわゆる廃棄物埋立護岸公団というものの構想が行き詰まったから、五十五年のいわゆる五十六年度予算要求の時点で今度はこの法案の方向にまとまった、こういうふうに受け取っていいわけですね。
  334. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) ちょっともう少しさかのぼって御説明をさせていただきたいと思いますが、昭和四十八年に港湾法を改正をいたしまして港湾施設として廃棄物埋め立て護岸というものをつくることを決めたわけでございます。これは港湾の中に廃棄物処理場をつくる必要性というのが非常に強まってきて、これを野放しに、単なる廃棄物埋め立てということで港湾の中にそういうものが入ってくることは大変ふぐあいが生じますので、港湾施設としてそれを取り入れて、そして港湾の全体の調和ある発展を図りながら廃棄物処理をしようということで、昭和四十八年にそういう制度が発足をいたしております。  そして、その後各地において廃棄物埋め立て護岸を整備をしてまいったわけでございますが、その各港で、それぞれの母体である港湾管理者も地方公共団体でございますから、大体その地方公共団体の出すごみを処理をするということはその制度でできることになったわけですが、だんだん広域的な処理をする必要性ができてまいったということは、この法案の提案理由等にも御説明してあるとおりでございます。  それで、昭和五十二年に至りまして、そういう必要性が非常に強くなってきたので、広域的なごみ処理廃棄物処理をする単なる廃棄物埋め立て護岸でない、広域廃棄物埋め立て護岸というものをつくろうということを考えたわけでございます。  それで、それをつくるための仕組みといいますか、組織をこの現在のセンター法で申し上げておりますように、複数の非常に利害の違う公共団体あるいは港湾管理者が関与するものでございますから、それぞれの港の単独の調整に任せておけないということで、一つのまとまった組織でそれを実施させる必要があるということから、その当時存在しておりました外貿埠頭公団を、業務内容を改組してそれにやらせるのが一番いいのではないかと。先ほど冒頭に御説明しましたように、技術的な問題としては、港湾技術と非常に似通った面がございますし、技術力も非常にすぐれた技術力を公団では持っておるものですから、そういうことから、五十二年に外貿埠頭公団に、この広域廃棄物処理護岸を整備させることを考えたわけでございます。  その後、五十三年に、その埠頭公団が廃止が決定になりましたので、しかし、広域廃棄物処理護岸をつくる必要性というのは相変わらず存在をしておりましたから、これを実施をする組織をつくらなければならない。その考え方から、五十五年に新たな広域廃棄物埋め立て護岸公団というのを要求をしたわけでございます。  で、その一年、そういう方向で要求をいたしたわけでございますが、現在、公団等につきましてはできるだけ整理をするというようなことが政府の方針でもございますし、この時点で、公団という国の機関に準ずるものというのは大変むずかしいという判断で、五十六年の予算要求時点では、環境整備機構という任意法人の要求をいたしました。これは国の直接関与する公団というようなものでなくて、一段地方自治体のウエートを高めたと申しますか、国の関与の度合いを低めたと申しますか、そういう姿で要求をいたしたわけでございます。そして、その予算要求の時点を通じまして関係の各省あるいは関係者といろいろ協議をいたしております段階で、予算の姿が決まりますときに、現在のような姿が適当だということになったわけでございます。  したがいまして、こういうニーズがあって、それに対応しようという姿勢で常に進んでおりましたので、埠頭公団の処遇の問題というようなことは一切考えたわけではございませんことを申し上げておきたいと存じます。
  335. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 この法案をつくらなきゃ、また海上埋め立てのいわゆる最終処分地ができないという意味じゃないですね。もうすでにいまお話がございましたように、東京の夢の島にしてもそうだし、いまできておる中防だってそうだし、現行法の中でどんどんできておるし、大阪だってそうですね。ですから、こういう法律ができなければ海を埋め立ててやるという廃棄物処理をすることできないんだという前提があるなら別ですけれどもね、それは自治体の工夫の中で現実にできているわけですから。そういうところに問題を持っていくのじゃなくて、やっぱりいまあなたがいみじくも言ったように、両埠頭公団が廃止になると閣議決定が出ちゃったと、しかし何とかこれはひとつ残していかなきゃならぬ。しかしこのまま残したんでは国民の批判もあるようだ。そこで今度は新たな広域廃棄物埋め立て護岸公団と、こういうものを発想した。しかしいまの行政改革のときにそんなのまずいんじゃないか、国民の批判をいただくんじゃないか、こういうことからこういう姿を変えたところに落ちついてきたと、これがいままでのあなたが正直に言うところの経緯の中身じゃなかろうかと思うんですが、いかがですか。
  336. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 先ほども申し上げましたように、そういうふうな意図は全然ございませんで、それぞれの行政の分野においてそういうニードがあるというふうに判断をいたしたわけでございます。先生いま徹指摘ありましたように、個別の港湾で、それぞれの範囲内で出るごみを捨てる廃棄物埋め立て護岸でございますと港湾法の現行法でできるわけでございますが、いま私ども考えておりますような広域的なものはそれではできないものでございますから、そういう行政上の必要があるということでこういったことを考えたというふうに御理解いただきたいと思います。
  337. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そこで、厚生省に聞きますけれども厚生省も、これは五十四年、五十五年の予算要求では廃棄物処理公団の新設要求をやっていますね、実らなかったですけれども。これはやっぱり運輸省がこういう廃棄物まで乗り出してきたので、おっ取り刀でこれはなわ張り荒らされると、こういうことで発想したんですか。
  338. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 五十一年の廃棄物処理法の改正の段階で、最終処分場の問題がすでに議論になっておりまして、附帯決議等におきましても最終処分場の確保に国は努力せよと、その後の決算委員会等でも広域処理場の整備について国は努力せよというような御指摘もございまして、かつ地方といたしましても数府県にまたがる事業であるから、国として何とか対応してくれという要望を受けまして、非常に調整の必要な大規模な事業であるから、国として手を出そうという形で公団で要求してきたものでございます。五十六年の要求に至りまして、御案内のとおり国も減量ということで、基本的には地方の業務であるし、行革という方向から、言葉が、表現が適当かどうかわかりませんが、現実的な選択をしたということでございます。
  339. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いずれにしても、いま両省のお話を聞いていますと、やはり国民には行政改革で両埠頭公団を廃止をすると、こういう方向を出して、そして中身としては苦肉の策として、できれば公団をつくりたかったと、新設公団を運輸省厚生省もつくりたかったと、しかしなわ張り争いもあるし、いまの行革ムードの中ではなかなかそれが実現しない、閣議決定にはならなかった、こういうことからこういうセンター法案というかっこうになったというのがおぼろげながら輪郭が出たような感じがするんです。これは私は、鈴木さんはいま行政改革に政治生命をかけると、その内閣の中で実態が逆行するようなやられ方をしておるというこの法案の扱いというのは、非常に私はその面から言っても問題があるんじゃないかと思うのです。こういうことからたとえば行革逃れであるとか隠れ特殊法人であるとか、こういうことが言われておるんだと思うんですが、こういったことに対する運輸大臣の態度というか、国民に対してどういう説明をしようとしておるのか、もっとやっぱり素直に説明をした方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
  340. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 行政改革の趣旨にのっとりまして、私ども運輸省が一番実は行革を熱心に、そして協力をし、実績を上げてきておると思っておるんです。それはそうなんです。外貿埠頭公団二つ廃止する法律を国会で成立させていただきましたし、また鉄建公団につきましては目標を定めておるというようなことでございますし、したがいまして、私たちは行政改革はもう鈴木内閣の絶対的な命題としてこれは推進していかなきゃなりません。  今回のこのセンターでございますが、これは国が直接関与する法人ではございませんで、国が指導監督するいわば地方自治体を中心としてつくられる法人でございますが、しかしこれは住民のいわば廃棄物対策としてやはり必要なものとしてわれわれは認識しておるものでございまして、このセンターを、一法人を新しく設立することによって行政改革の基本的な姿勢が崩れるということはないと思っております。これは素直な答弁になったかどうかはわかりませんが、私はそのように思っておるわけであります。
  341. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 大臣、そういう何というんですか、ごまかし答弁をせずに、私が素直にと言ったのは、経緯から見たって明らかなんですよ、これは。だからそこは率直に認めて国民の皆さんにおわびする、そういうことが私は政治家として大切じゃないかと思うんです。そういう意味で、いまのあなたの説明というのは私は国民をばかにするような答弁に聞こえてならなかったわけですが、非常に遺憾に思っています。  それだけで済まされずに、今度はその責任を自治体の方に転嫁してきておる。この法案は無理がありますから。したがって、確かに出資金は自治体に出させる。いまさっきの自治大臣説明によりますと、たとえば役員は地方自治体の長の互選によるとか、発起人は自治体の長だと、形は確かにそういう自治体が自主的にという発想になっておる、この中は。しかし、やたらに政府の認可や承認が多い、まさにそういう意味では政府の直結の特殊法人、隠しじゃなくて政府直轄の特殊法人と同じような中身になってきておる、表は。  今度は裏はどうなっておるか。そこに自治省が苦労した点があるんじゃないかと思うけれども、主務大臣の認可事項についてはほとんど自治省、通産が協議をするという確認書を取り交わしている。こういうややこしいものをつくらなきゃならなかったのは、私はそこにネックがあったんじゃないかと。自治大臣が言うように、地方自治に反するかどうか、こういう点については即断できないというようなことをさっき美濃都先生の御質問に対して答えておったけれども、しかし法案の中身のように。また政省令のこの中身を見ると、やたらに認可、承認と、しかもそれに反した場合には罰則までついておる。こういうものに対して何とかそこを表面上つくらなきゃならぬということで、私は恐らくこういう各省にわたる確認事項ですか、これがこの法案成立、この法案の作成過程にやられたんじゃないかと思うんですよ。  この表面づらはちょうどいまの核の問題と一緒ですね。領域の通過、寄港の問題で、核がないと、事前協議がないからないと同じように、表面は確かにそういう自治体の自主的な形でつくられておりますけれども、まさに私は中身は政府の特殊法人の自治体版であると、こういうふうに思うんですが、自治大臣いかがですか。
  342. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) 形も内容もやっぱり自治権を尊重した構成に。なっておるし、運営もそういうことになっておるわけでありますから、そんな形と中身が違うんだというふうには私は理解いたしておりません。
  343. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 ところで、各省庁確認事項ということで幾つか確認していますね。何でこういうことを自治省があれしなきゃならぬのですか。たとえば法第二条二項及び三項の規定に伴う対象港湾の指定に当たっては、自治省とあらかじめ協議しなきゃならぬとか、この確認事項ずっと見ると、主務大臣が許可する、承認をする、監督をする、こういうところは全部自治省と協議事項になってきていますね。さらにこの出資については、いままで自治体がどこに出資をするにしても、自治大臣の認可なんてないですよ、承認を得なきゃならぬ。ところが、それがこう入っておる。これはどういうことですか。
  344. 大嶋孝

    政府委員(大嶋孝君) 地方公共団体が責任を持ってやることでございますので、自治省としてもいろいろと承知をしておきたいということであると思います。
  345. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これはいまのは答弁になりませんよ、大臣。これはもしそういうことであるなら法律できちっと明記すればいい。何でこんな確認事項にしなければならぬですか。これは大臣答えなさい。大臣が答えてください。あんたじゃだめだよ。
  346. 大嶋孝

    政府委員(大嶋孝君) それは先ほどから運輸大臣からもお答えがございましたように、この港湾というものは運輸大臣の、要するに運輸省の所掌事務でございますし、廃棄物処理というのは厚生省の所掌事項でございます。で、そういったてまえといいますか、そういう制度というものはやはりこれは尊重していかなければならぬと、かように考えておるのでございます。
  347. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そんなことは聞かぬかてわかるよ。大臣、答えなさいよ。
  348. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) いま大嶋君が答弁したとおりでございます。
  349. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そんな答弁大臣ね、いまあなたは美濃部議員の質問に対しては、いろいろ問題があると。しかし、これが地方自治に違反すると、そこまで言っていいかどうかは私はそう思わないと。こういう言い方をしておるように、問題があればこそこういう確認事項をやっておるんじゃないですか。そこをしっかりしてくださいよ。
  350. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) 私は、美濃部議員にも問題があるということを言ったつもりはありません。そういう見方も、それは美濃部議員はやるかもしらぬけれども、私としてはそうは考えておらぬと、こういうふうに申し上げたのであります。
  351. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 たとえばいま複合組合でこういう海面埋め立て等をやっておりますね。たとえば名古屋の名港であるとか、やっておりますね。それが府県市を入れて、そしてこの府県市町村というかっこうで、しかも目的が港湾であるとか廃棄物であるとかこういういろいろ違いがあるということが理由で現行地方自治法の中ではできないということが諭旨だろうと思うんですけれども、しかしその場合は事業団方式ならできぬことはないわけでしょう。もし自治体で本当に必要なら、そういう方向だって現行の中でできるじゃないですか。どうなんですか。——大嶋さんに聞いているんじゃないんだよ、大臣に聞いているんだよ。
  352. 大嶋孝

    政府委員(大嶋孝君) 一部事務組合というのは、御存じのとおり、一般廃棄物処理いたします市町村とそれから産業廃棄物処理いたしております都道府県の間でつくるとすれば、これは複合事務組合という形になるわけでございますが、複合事務組合につきましては市町村相互間しか制度ができていないわけでございます。したがいまして、いろんなこういう広域的な処理をするための制度、組織というのは必要になるわけでございまして、そのための方法としてこういう形もやむを得ない、かように考えておるところでございます。
  353. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いま言ったように、やむを得ないという中に私は問題があると思うんです、地方自治法上ですね。しかも、この廃棄物処理法のたてまえから言っても市町村の固有の事務です。固有の事務であるものがこういう法案の形でもってやられていくということは、これはもう本当に地方自治の本旨に反することは私は明らかだと思うんですよ。そこら辺はひとつきちっと認めた上で、だからこういう確認事項をせざるを得なかったんですと、それが本音じゃないんですか、大臣
  354. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) 大嶋君がやむを得ない事情と言いましたのは、繰り返すようになりますけれども廃棄物処理が狭い範囲内においてはだんだんと行き詰まってきて処理できなくなってきた、これは実情なんです。で、相当広範囲にわたってこれを処理しなければならぬ、そういう現実にぶつかってきているわけです。その際に一体どういう方法があるか。あるいは一部組合という問題もあると思います。しかし、一部組合になりますと、町村の場合はこれは一般廃棄物なんですね、産業廃棄物というようなことになりますとこれは県だと、こういうことになるわけですね。だから一都組合でもってこの問題は解決しない。両方処理せにゃならぬという実情にあるわけですね。    〔佐藤三吾君「事業団方式があるじゃないか」と述ぶ〕
  355. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) 事業団の方式というものはいままでの実績から見ると本当に無力なようなふうに私は思っております。したがいまして、どうしても新しい構想に立たなければならぬと。そういうことで今回のセンターの方式が生まれてきたわけです。  そこで、いろいろ許可とかあるいは打ち合わせをするという問題は、これはやはり円滑に地方自治体も動き得るように、そういうためにはやはり十分な連携をとっておいた方がこれはベターですから、そういう意味においてお互いの約束をしておると、こういうことでありますし、また許認可の問題にいたしましても、たとえば港湾の問題等等についてはやはり普通の場合でも許認可を受ける事項だってあるわけでございまするから、そこを一々私は精査をいたしておりませんけれども、そういう両方が絡み合って許認可の問題というものについての打ち合わせ、これを密接にする、それによってこのセンターの活動が円滑にいくと、こういう考え方からそうした協議をすることにいたしておると、こういうことでございます。
  356. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすれば、いまの大臣答弁、これは私は議論がいろいろあるんですが、もう時間がございませんからその問題についてはあれしますが、しかし、仮にやむを得ない事情、やむを得ない理由というか、でもって、逆に言うならば、センター法案が認められるとしても、たとえば廃棄物処理並びに清掃法の中で明確にされておりますように、いわゆる市町村の固有の事務というゆえん、そのゆえんは何といっても地域住民の意見というか、密着したものが基本でないとこういう廃棄物処理というのはできない。住民の理解協力、これがまあ最前提に立っておると、こういうふうに私は思うんです。  そういう面から見ると、それらにかかわる規定というものがこのセンターの中に全然入ってない。たとえば対象区域、同港湾の住民が基本計画や実施計画の策定並びにこの事業に対して意見を提出することがこの規定の中にはない。また管理組合について、必要なときには公聴会を開く。そうして自治体の住民の意思を反映させる、こういう手続もない。また管理組合の基本計画、実施計画、こういうものに対して住民に縦覧するという方法もない。また管理組合の基本計画、実施計画、予算、これに対する出資金を出している議会の審議、承認する場がない。それから決算、こういった管理委員会に対する関係住民の住民監査請求等がない。こういった問題については、自治大臣としてどういう意味でこれらの問題についての措置がとられてないのか、その点はいかがですか。
  357. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) この構成メンバーが自治体なんですね。そこで自治体の責任者はこの構成メンバーであって、その運営につきましてはやはりそういう責任者がこのセンターを運営していくわけです。したがいまして、そうしたいま御指摘のあったような問題は、それぞれの自治体においてそれぞれの論議が闘わされるだろうと思うんです。それが集約されましてセンターの運営に反映していくものだろうと思っております。
  358. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、センターの役員の承認であるとかそれからセンターの予算、決算、こういう問題についてはそれぞれの関係自治体の議会承認手続をとると、こういうふうに理解していいですか。
  359. 大嶋孝

    政府委員(大嶋孝君) 法律上は必要ございません。
  360. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 大臣答えなさいよ。大臣は、あなたは十分こたえ得ると言ったじゃないですか。言いなさいよ。
  361. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) つまりその問題は、間接的になると、こういうことなんです。
  362. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 間接的とはどういうことですか。私はいま、直接請求ができるか、もしくは住民の縦覧という方法ができるのか。何といってもこの廃棄物の問題については住民の協力、理解が第一であるということはあなたさっき確認したんでしょう。どうなんですか。
  363. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) でありますから、これは自治体の責任者がまとまってこのセンターをつくっているわけです。それで、これに対する監督とかあるいは発言権というものはその場においてできるわけですね。そうしますと、今度は、その長が、メンバーである責任者が地元に行きまして、地元との関係においてはその点の了解を得るというような、そうした措置が講ぜられることになるわけでありまして、住民から直接にセンターに対してどうこうという問題はない、そういう意味において間接的と、こう私は言ったんです。
  364. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 あのね、たとえば一部事務組合ございますね、屎尿処理なら屎尿処理の。いまたくさん、約千ほどございますわ、一部事務組合が。そういうところの場合には議会代表も出るし、そうして理事長その他は自治体の長でやってますね。ところが、この場合ですら住民から見ると二段階置いた間接になるわけですね。その間接のために大変な事務組合の運営に支障を来たしておる例というのはたくさんあるわけです。そういう一部事部組合でもない、今度の場合には。指揮、監督、命令というのは国が持っておる。全然住民の側にない、指揮、監督、命令というのは。こういう機関でどうして間接などと言えるんですか。いかがですか。
  365. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) でありますから、率直に申しますと一部事務組合とはその点は違うわけですね。しかしながら、各地方団体の長、関係者というものは、自分のところだけでは処理ができない、非常に困る。そこで、合意の上にこういったものをひとつつくろうと、そういうことになって、その責任においてこのセンターができていくわけです。そういたしますと、このセンターの運営については、そういう責任者が運営に当たるわけですね。そうして、その結果について住民のいろいろな話が出るかもしれません。それはやっぱり各自治体の長なり責任者が住民との接触においてそういう要望がかなえられるような運営をしていく、こういう形になるだろうと思います。
  366. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 しかし、結果的に、たとえばそこの管理組合で決めるにしても、また決める前を含めて、恐らくこれはいまの実態と同じように、これだけがんじがらめに承認、許可、こういう仕組みで国の指揮、監督、命令がきちっとしておる仕組みになっておれば、住民の意向よりもむしろこっちの方の命令の方が徹底する、こういうことになるのは容易にわかる内容じゃないですが。だから、あなたの方で気を使って、これはいかぬということで主務大臣の承認事項、認可事項等についてはあらかじめ自治省と協議してもらいたいという確認事項をとったのはそこにあるんじゃないんですか、どうなんですか。
  367. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) 構成メンバーである市町村の責任者でございますね、これはやっぱり地方の各自治体の住民に対して責任を持っておるわけですから、その人たちが構成するセンターでございまするから、住民の立場を十分に考慮いたしてこのセンターの運営に当たる、こういうことになるわけですね。そこで、今度のいろいろな問題について十分自治省と協議をしてもらわにゃいかぬという取り決め、これはやっぱり一般的な問題、特にまた理事者はいまのような立場にもありまするから、この点についてはとにかく自治省といたしましても、十分に話し合いをして協議を受けて結論を出さにやいかぬ、こういうことでぜひひとつ協議を強めてもらいたい、こういうことに約束をしておるわけです。
  368. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、もう一つ別の角度から聞きましょう。この管理委員会の職員の身分はどうなるのですか。地方公務員ですか、それとも国家公務員ですか、何ですか、これは。  それから職員の賃金、労働条件はどういうことを考えていますか。
  369. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 国家公務員でもなければ地方公務員でもありません。要するに、センターという法人の職員であります。
  370. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 労働条件はどうなっておる。
  371. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 労働条件は、一般民間企業における労働組合法の適用と同様であります。
  372. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすれば、端的に言えば特殊法人の職員と同様の条件、あり方、こういうふうに理解していいんですか。
  373. 小野維之

    政府委員小野維之君) 職員につきましては、普通の一般の団体の職員と同じになります。  待遇その他については、地方自治体から出向してくる方がかなり大ぜいおられると思いますので、その間に十分均衡のとれたような措置がとられることになると期待しております。
  374. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、いま地方自治体から出向するという職員とその団体の職員と、それから中央からも出向する職員がおるんですよ。それはおらない、天下りだけが入るわけですか、どっちなんですか。
  375. 小野維之

    政府委員小野維之君) 特別にもしも御要請があれば考えるかもしれませんけれども、現在一切考えておりません。
  376. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 出向職員と団体職員との比率というのはどの程度考えていますか。
  377. 小野維之

    政府委員小野維之君) まだセンターのでき上がり方がよくわかりませんので、大変恐縮でございますけれども、まだそこまでは考えておりませんが、少なくとも初めのうちは大部分出向職員で構成されると考えております。
  378. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 大臣、いま聞きますと自治体の職員が大部分出向してこれをつくる、こう言っておるわけですね、主務官庁は。そうすればなおさらさっき私が申し上げたように自治体の住民との関係をないがしろにしてつくられていくという、いまあなたの言った言葉で言うと間接、中身を聞いてみると間間接という、こういう形でのセンターについては、これは私はやっぱり自治大臣として地方自治を守る立場からきちっとしてもらわなければならぬと思うんですね。少なくともそういう意味合いで大変これは問題のある法律案であるということは、いま答弁を聞きながら感じましたが、どうですかね、これだけの内容を持つ法案について、公聴会も一遍もやらぬ、そうして自治体の参考人にも聞かない、こういうやり方について、大臣としてはどういうふうに思いますか。
  379. 安孫子藤吉

    国務大臣安孫子藤吉君) そもそもこの構想が進行したということは、自治体関係がこれを望んだということなんですよ。それでまた、自治体から職員が行くということだって、その職員が行くことの方がむしろ地方の実態を運営について反映させるには私はいいんじゃないか、こういうふうに思いますね。
  380. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いま私が聞いておるのはそういうことで聞いたわけじゃないんだけれども、たまたま大臣が地方自治体が望んでおるという言い方をしましたから、私はさっき運輸大臣答弁聞きながら、あなたは電話で副知事から聞いたと言うんですがね、大阪の。私は岸知事から直接話を聞いたわけ。それが五月一日の新聞に出ていた内容なんですね。あの読売の記事が全く正当なんです。で、むしろ大阪としては迷惑だということははっきりあの際にも言っておるわけです。同時に、現実に大阪市などは、自分のところは自分のところでもう処理ができていますからね、そういう意味では読売新聞の記事というのは私は正当性があったと思うんですけれども、そういうような意味で、自治大臣が事もあろうにそういう感覚を持っておるということについて私は全く解せない。これはもうそれだけでも自治大臣の資格喪失と言っていいんじゃないですか。  そういう意味合いで、私はこの問題についてひとつぜひ委員長にもお願いしたいんですが、やはり自治体に重大なかかわりを持つ法案でございますから、少なくとも委員長、やはり公聴会もしくは自治体を呼んだ参考意見、これはぜひひとつこの法案の審議の中に入れてもらいたいということを要求しておきたいと思いますが、いかがですか。
  381. 黒柳明

    委員長黒柳明君) また理事会で検討さしていただきます。
  382. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そこで、ひとつ細かい問題に入っていきたいと思いますが、まず、これは主務省にお伺いするわけですが、処分地が近い自治体と遠い自治体というのが当然出てきますね。そうすると、この輸送コストの問題とかいろいろな違いが出てきます、経費に、自治体にとってですね。こういうものに対して厚生省の山村さんかな、衆議院段階で、十分まあそこら辺の配慮をしたいという回答をしていますね。具体的にどういう配慮をするんですか。
  383. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 私自身は配慮したいということを言った覚えはございません。(「あなたなったばかりじゃないか、前の話。」と呼ぶ者あり)あ、園田大臣ですか。私は、これはこの法律構成を見まして、地域を指定したその団体はもちろんはいれるわけでございますけれども、地域を指定したからといってその中の団体は必ずしも入ることは強制されないわけでございます。そしてまたその団体が自分の要最終処理物のうちどの分を持ってくるか、あるいはどの分を自分のところで自分処理するか、これは任意でございます。ですから、受け入れ料金との関係で、これは輸送コストがかかって損だと思えば持ってこない。その点は全く処分する側のその自治体がみずからの経済性において判断すべき筋合いになっておる。そういう意味で、これはその港湾管理者の利害、それと処分を要するところの自治団体というものの利害が共通するように仕組んであるわけでございます。
  384. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすれば、四月十日の衆議院における答弁とは全然違うんですね。どうなんですか。これは四月十日だから、あなたは厚生大臣にそのときはなってないんだ。しかし四月十日の衆議院におけもこの質疑では、十分配慮したいと、こう言ってるんですけど、どうなんですか。
  385. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 私が理解しているところでは、産業廃棄物であるとか、それからその他性状によって区分するということは聞いております。ただ、距離が遠いからどうする、こうするということは聞いておりません。
  386. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これは大臣、重大な問題ですよ。同じ法案の討議で、大臣がかわったから答弁が違うのはあたりまえだという論理かもしれませんが、しかしそんなことは通りませんよ。やはり衆議院の回答と合わしたものが確認されておらないということ自体に、厚生省自体の中に問題があるんじゃないんですか。
  387. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 私はいまの全体の構成からそのように理解しておるわけでございますが、私の前の大臣の発言でございますので、もし私の考えが間違っておったら、園田大臣がどう言われたか、あるいは事務当局が——非常に細かい問題でございますので事務当局から答弁させます。
  388. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 大臣が申し上げた趣旨で私はお答えしたつもりですが、一つは、遠距離の輸送のための中継基地の議論が一度出たことがございまして、現在のところ中継基地については、輸送施設であるから保有対象になっていないということを申し上げまして、なおそういう問題が非常に大きくなるとすればよく研究さしていただきたいということは申し上げた記憶がございます。
  389. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすると、あなたが言うのは衆議院段階でよく研究さしてくれということであって、配慮をするということは言ってないというふうに聞こえたんですが、そういうことなんですか。
  390. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 中間処理施設について少し研究したいということを申し上げた記憶がございます。
  391. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これはひとつ議事録を検証してみないと、そんなに同じ国会の中で大臣答弁厚生省答弁がくるくる変わるようなことではおちおち私は審議できませんよ。それはいまの事務当局の答弁とは全然違いますよ。どうですか。
  392. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) いま事務当局が答えたのは、中間処理場については考慮すると、こう言ったのでございます。受け入れ代金についてどうだということはいま答えておりません。
  393. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 議事録を持ってきて、見なさい。
  394. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 四月十五日の議事録では、中継基地について……
  395. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 十日だよ。
  396. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 十日の西中先生に対する答弁ですが、「輸送コストが非常にかかる」、「こういう点では、遠隔地ほどコストが高くなるという心配があるんですが、その辺はどういう御配慮をなさるのか、伺っておきたいと思います。」というお問いに対しまして、私のところで、「御指摘のとおりかと思います。広域処分場だけで一つの利用料、投げ込み料を決めますので、遠隔地は輸送分だけ高くなるという結果になろうかと存じます。」ということで、「遠いところは近いところとやはり考え方をちょっと変える、どうでしょうか。」と。「いろいろこれから検討されるべきことでございますが、結局、広域処分場に参加することはそれにかわるものがないということでございます。もしあって、安いものがあれば自分でやるはずでございますから、その緊急性、必要性という点とどういうことになるのか。お金とその必要性というもののバランスはむずかしいわけでありますけれども、その辺において評価して考える要素もあるのじゃないかという気もいたしております。」ということで、一応大臣と同じような趣旨で答えております。
  397. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いまのこの内容なりを聞いてみると、一つの大きな処分場に広域から来るわけだから、近いところと遠いところの輸送コストの問題もあるでしょうと。ですから、そういう問題については配慮という言葉を使う、使わないの問題にしても、中身としては配慮しなきゃならないということについて研究しましょうということじゃないの、その趣旨は。
  398. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) この問題は、いま私も法文全部を目を通しましたけれども、最終的にはセンターが決める問題でございます。センターがどのように料金を決めるかという問題でございますが、私は全体の構成からして、やはり公平の原則、経済性の原則を貫き、そうしてまた、自治体の意思を拘束するようなことはない、そういう仕組みでできておる、最終的にはもちろんこれはセンターが決めるべき問題だと、こう思っております。
  399. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 大臣、私が言っているのは、いまの議事録は、何も料金の問題ということでもない。料金で配慮することもありましょう、補助金で配慮することもありましょう、こういういろんな面で多面的に研究しようということなんです。ですから、そういう意味合いで答弁している問題を、ここにきて、それはセンターの自主性で決めることであって私は知りませんという、そういう感覚だから信用ならぬと言っているわけですよ。やはりそこら辺に私は、こういう共管とか、いろいろな形をとるけれども、そういう責任逃れは今度は随所に出てくるのではないか、いまの一事が証明するように。やはりきちっと衆議院段階答弁したこともここで答弁したことも、今度運用の中でも一貫したという、そういう姿勢がとられていかないと、これはもう次々に問題が起こってくると思うのです。  私は、そこら辺は、ひとつ時間の関係もありますから、ここでやりとりして、これだけで終わるというわけにはいきませんけれども大臣自身がもう一遍議事録をよく読んで、きちっとした見解を持って対処していただきたいということを要望しておきますが、いかがですか。
  400. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 議事録はしっかり読ましていただきます。ただ、このセンターは独立採算制でできておりまして、補助率を変えるという意味もございませんし、それから自治団体の負担も変えるわけではございません。すべて料金と、それからそれによってペイすると、したがって計画はうまくいけば最終的には赤字が出ないような仕組みにできておるわけでございます。そういう点を踏まえまして、ただいまおっしゃいましたような意味、よく議事録を読ましていただきまして善処してまいりたいと思います。
  401. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 あのね、あなた、私がいま言っていることは、センターの運営の中身の問題についてでなくて、センターをつくるに当たって厚生省の態度として衆議院段階では答弁しておるわけだから、そこら辺はね、問題をすりかえちゃいけませんよ。問題をすりかえずに、議事録を読んでいただいて、そしてそのもとに統一見解できちっと対処してほしいと、こう言っておるわけですからね。よろしいですね。
  402. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) そのようにいたします。
  403. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そこで次の問題ですが、運輸省にちょっと聞きますがね、運輸省報告の中に「漁業補償等」という言葉がございますね。この「等」の中身は何ですか。
  404. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 運輸省報告のどのページかをちょっとお教えいただけませんでしょうか。
  405. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 「漁業補償等」という文句があるでしょうが、報告の中に。
  406. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 報告書の中でございますか。どの辺がちょっと……。
  407. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 きのうぼくはちゃんと通告しているんだよ。一般的な話をしてあるんだ、ちゃんと。——それではね、それひとつ調査しといてくださいよ。次に行きますが、後でまた聞きますからね。  中間処理施設について聞いておきたいと思うんですが、東京都の場合ですね、プラスチックとか生ゴムなどの不燃物、この処理施設はないわけですね。したがって、新設することになるんじゃないかと思うんですがね。最終処分地の場合にはそういうのを処理をして持ってくる、こういうかっこうになってますからね、この法案見ると。この点はどういう補助なり措置をとるのか、大臣どうですか。
  408. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 中間処理の補助金の問題でございますが、従来からの焼却施設については原則四分の一、公害防止計画地域については二分の一という補助制度がございます。  先ほど美濃部先生の方から御指摘のございました溶融炉につきましては、一部実用プラントがもうすでに設置されておる例が二件ばかりございます。東京都につきましても、当面六百トンぐらいの溶融炉をつくる計画を立てておる段階と聞いております。
  409. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 だから東京都の場合にはつくるわけですね。つくらなければ、最終処分地であるこの施設には入れないということになるわけでしょう。それに対する補助は、さっき言ったような数字になるわけですね。特別に加算するとか、そういうことじゃないんだね、いかがですか。
  410. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 御指摘のとおりでございます。
  411. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 私はやっぱり、このセンターをつくるということになって、いまの場合、東京都の処理としてはやられてないわけですからね。やはり新設をするということになると大変な経費もかかるわけですから、そこには当然一環の一つの施段としてそれ相応の助成措置をとるべきだと思うんですが、かさ上げして。そこら辺は検討するべきだと思うんですが、いかがですか。
  412. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) まあ、補助率のかさ上げにつきましては、今日の財政事情から非常にむずかしいというふうに考えております。
  413. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これはまあひとつ、結果的にはセンターがつくって、実際問題としては、私はそこに一つの障害が出てくるような感じがします。そこら辺はひとつ今後の中で検討しなきゃならない問題だと思いますので、大臣の方に十分なそこへの配慮をひとつお願いしておきたいと思います。  それから、受け入れ料金の問題についてお聞きしておきたいと思いますが、料金問題は、各計画にとってきわめて重要な問題でありますけれども、料金を決定する要素ですね。この要素については先ほど同僚委員の質問の中で、管理運営費であるとか処分地の建設費であるとか補償費とか、こういうものを加味するということを言っておりましたが、これは跡地の売却予想というか、そういうものもこの差し引き材料の中に含めるんですか含めないんですか、どうなんです。
  414. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 土地が荒づくりできますと、これも港湾サイドの方でございますが、インフラ整備をしまして、土地を土地として売れる状態にするわけでございます。売った際に従来の経費を差っ引きまして、インフラ整備費等を差っ引きまして、さらに売った段階で余剰金が出れば、それを市町村に分配するというようなことで考えておりますが、受け入れ料金の算定に対しましてはある程度土地代を考えるということでございます。土地代を考慮して受け入れ料金を決めるということでございます。
  415. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 ある程度というのはどういうことですか。全部なんですか、半分なのか、三分の二なのか、どうなんですか、そこら辺は。
  416. 小野維之

    政府委員小野維之君) 余り過大な料金になる、あるいは過小な料金になるということがあってはいけませんので、非常に安全率を見た程度しか考慮できないと思います。  なお、後で剰余が出れば二十七条の規定でまた剰余金を配分するということになります。
  417. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 たとえば近畿圏の場合ですね、この場合は大方試算しておると思うんですが、跡地を売却を加えて差し引いて、大体の料金のめどというのはどの程度ですか。
  418. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 現在までの一つの試算では、土地代を見込まないで投資した元利償還等から、平均的に一トン当たり三千七百円ぐらいの試算がございます。
  419. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 何が三千七百円ですか。一廃ですか、何ですか。
  420. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 総経費でならしたものでございまして、一廃、産廃をどうするという計算は特にいたしておりません。
  421. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、産廃などの場合には、これは各品目別に決めていくんじゃないんですか。その辺は全然ならしにしておるということはどういう意味ですか。
  422. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 受け入れ料金は、これからセンターがさらに詳細な規模決定をし、工事費を試算しまして、それから捨て込み量を決めていくということになりますので、現段階ではそういう細部にわたる試算はいたしておりません。
  423. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 厚生省資料では、一廃が一トン当たり五千三百二十円、産廃が七千九百十円というのは、これは何ですか、この数字は。
  424. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) この調査では、一廃と公共系産廃には補助金が入っておるということで、補助金の分だけ安くなった、あるいは産廃の方は補助金が入ってない分だけ差がついたというような試算をいたしております。で、五千三百二十円というのがここでは一般廃棄物と公共補助金の入った分でございまして、補助金の入らない分は七千九百十円、これは輸送施設関係も含めております。
  425. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすると、さっきあなたおっしゃった三千七百円というのは何ですか。
  426. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 三千七百円と申し上げたのは、規模が大きくなって八百ヘクタール、二千五百億と、いまの構想で粗い計算をした数字が三千七百円でございまして、厚生省調査ではまだ大きくならない段階、土砂がまだ覆土分だけの段階での試算の数字が五千三百円と七千九百十円でございます。
  427. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 それは算定要素のどこに違いが出てきたんですか。大きければ安くなり、小さければ高いとかいう説明のようですが、どこに違いがあるんですか。
  428. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 一つには、規模が大きくなったことによるメリットが出たことと、厚生省でやりましたのは金利の非常に高い、一二%という利子を見込んだ試算になっております。
  429. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 厚生省の試算で一二%というか金利が。三千七百円はどの程度ですか、金利は。
  430. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 八%でございます。
  431. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 あなた、それはいいかげんじゃないか。そんないいかげんなことを言っちゃいけませんよ。どうして一二%が八%になるんですか。そんなあんた出任せ言っちゃいけませんよ。もっとしっかりした答弁しなきゃ、これ法案審議ですよ。そんなことじゃ審議できぬじゃないですか。  委員長ね、このまま行ったら夜中になるですよ、こんなこと繰り返せば。きちっとしてくださいよ。
  432. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 委員長、要求ですがね。  法案提出の基礎資料が、質問者に対して明確な答弁ができないようでは、法案そのものの的確性を私は問わざるを得ません。したがって、この法案の審議以来、皆さんからいろいろ言われているので、この際、連隊長である塩川運輸大臣が、やはり熟慮してもう少し法案を整備して再提案することを考えないと、とても法案審議に戻れないです。もう一回政府で検討してください。理事会でやってください。したがって理事会を提案します。
  433. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 後に詳細に取りまとめて提出したいと思っておりますが、金利一二%と申し上げたのは、ここでは一つの試算をするために安全を見まして、当時金利の高い時期でもございましたので、市中銀行から借り入れを予定して一二%としたものでございます。三千七百円と出したのは、政府関係機関からの融資で八%ぐらいの低金利のものを導入するという考えで八%をとって試算をしたものでございます。
  434. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これは委員長、ぼくはこういう答弁じゃ納得できませんね。さっきからいろいろ言っていますが、こんな重要な法案の基礎資料について、三千七百円の中身は聞いていませんよ。一廃はどうするのか、この分、産廃はどうするのかという分はトータルということで答えたんだけれども、このトータルで答えるという考え方が私はもう基本的にいいかげんだと思うんですよ。だから、こういう答弁を繰り返すようではこれ以上の私は審議はできぬのじゃないかと思うんですね。もう少し委員長としてこの取り扱いをきちっと私はしてもらいたいと思いますがね。理事会開いてください。
  435. 黒柳明

    委員長黒柳明君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕
  436. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 速記を起こしてください。
  437. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) どうも先ほどは申しわけありませんでした。「東京湾廃棄物埋立処分計画調査報告書」の八十ページの「事務能力」のところの「漁業補償等」というところかと存じますが、この「等」はアセスメントでありますとか調査でありますとか、この免許、漁業補償以外のもろもろの問題という意味でございます。
  438. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 もろもろというのは何ですか。
  439. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) たとえばアセスメント、調査等でございます。
  440. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 「等」の中身を聞いているんだから、またそれに等をつけるとはどういうことかい、実際。はっきりしてください。  委員長、こういういいかげんなひやかしの答弁なら私は承服できませんね。だから、これは理事会を開いて一遍きちっとしてくださいよ。こんなあんた、いいかげんな答弁がありますか。「等」の中身を聞いているのにまた何々等と、そんなばかなことありますか。
  441. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) このところは最初から申し上げますと、「事務能力」というところで「港湾計画との整合性、公有水面埋立免許、漁業補償」、これらが主なものでございます。このほかいろいろあると思いますけれども、そういう意味で「等」というものをつけたわけであります。その「等」というものの中身をお尋ねでございますので、「等」のうちのまた主なるものをアセスメント、調査と申し上げたわけでございます。
  442. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすれば、トラックとかコンテナとか船などはこの中に含まれてないですか、どうなんです。
  443. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) ただいま調査と申し上げましたのはトラックの問題でありますとか、船の問題でありますとか、そういうことを申し上げたつもりでございます。
  444. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 おかしいじゃないですか。いまあなたアセスメントの調査だけですと、こう言ったんだよ、いまのあなたの答弁は。それに等をつけたんだ、また、そうしてさっきのまた答弁は何かといえば、言い直した答弁は、そのアセスメントの調査と言ってさっと帰ったんだ、そういうのはいいかげんにしなさいよ。
  445. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 言葉が続きましたので誤解が生じたかと思いますが、漁業補償アセスメント、調査ということでございます。
  446. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 その中にはさっき私が申し上げたのは含まれるということですか。
  447. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) そしてアセスメントの次の調査の中にはそういったトラックの問題でありますとか、船の問題でありますとか、そういう問題を含んでいると申し上げたわけでございます。
  448. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そのほかに、私がいま申し上げたのは三つなんですが、そのほかにどういうのがあるんですか。
  449. 小野維之

    政府委員小野維之君) 大変申しわけございませんけれどもセンターができましていろいろな調整が進んでいく中で、先生のそれだけかという御質問に対しましては、まだ何か起こるかもしれない、そういう場合にはまたそれに対応した能力を持つものが必要になるということは考えられるかと思います。
  450. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いま、御答弁で「等」についての見解はわかりました、大体。答弁の筋ですね、それはわかりましたが、しかしやはりさっき厚生省答弁にありましたようなそういう金利の問題等については、私はきちっとしていただかないといろいろ問題が起こってくると思うんですが、そこでもう一つ厚生省にこの問題で聞いておきたいと思いますのは、産廃の場合の品目別の受け入れ料金というのはどういうふうに考えているんですか。
  451. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 基本的に産廃関係につきましては補助金が入りませんから、もともとの経費がかかりますが、そのほかに性状と処理方法といった要素についても配慮する必要があろうかと考えております。性状と申しますのは、埋め立てた後の土地への寄与度と申しますか、たとえば土を一としますと、細かい汚泥のようなものは〇・五ぐらいの評価をしまして料金に若干差をつけるとか、有機物を若干含んでいるような場合には水処理影響いたしますので、水処理経費を加えるとかいうふうに、廃棄物の性状によって区分をしていくという考え方でございます。
  452. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、やっぱり三千七百トータルという中身はあるわけでしょう。どうなんですか。
  453. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 現在までのところ細かい試算はいたしておりません。実際にどういうものがどれくらい入るかという中身は詳細にまだ具体的に決まっておりませんので、特段試算をいたしておりません。
  454. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 現在の各処分地の受け入れ料金は、実態はどうなっていますか、一廃、産廃。
  455. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 大阪府、市でつくっております大阪産業廃棄物処理公社の例によりますと、土砂、瓦れき、鉱滓、ガラスくず等が一トン当たり五百円、それから燃えがらとか無害の汚泥といったのが四千円、これは最高と最低でございますが、そのほか汚泥を固型化したものは千五百円とか、幾つかの段階に分けてつくられております。
  456. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうなりますと、いまちょっと数字を聞いただけでも五千三百二十円、七千九百十円というのが一二%の金利云々という問題もありますが、仮に三千七百円トータルとしてみても、これは政府資金が基本になっていますね。そういう説明だったですね。仮にそうなってみても、現在の実態と対比すると私はやっぱりセンター料金が高い。高いとなると搬入量が予想どおり来ない、こういう場合も考えられていると思うんですね。そうなると、たとえばいまのところ十年で完成するというのが運輸省方針ですね、十年で。これらが今度延びた場合に一体どうなるのですか。
  457. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 延びた場合の財政問題の御質問かと思いますが、処理に対する委託費の枠内で処理をするわけでございますから、人件費が払いにくくなるほどきわめて激減すれば別でございますけれども、それでなければ財政問題としては特に問題がないのではないかと思います。
  458. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 しかし、たとえば二千五百億という、大阪の場合そうなっていますね。このうち二五%の国庫補助になるのですか、ここは。何%になるのですか。仮に、そういうことで抑えた場合に、金利が八%と仮定してみても約百五十億の金利がついていくことになりますね、八%で。そういう場合に、その補てんをどこでやっていくのか、こういう問題が私は起こってくるのじゃないかと思う。そこら辺はどういうふうに考えていますか。
  459. 小野維之

    政府委員小野維之君) 二千五百億というのは概算値でございまして、仮に……
  460. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 仮にの議論です。
  461. 小野維之

    政府委員小野維之君) これからセンターができまして、どういう範囲からどういうところにどれだけのものをつくっていくかということは、その関係者の方々で詰められるわけでございます。そういうわけで、現在、いまどうだ、それで間違いないかと仰せられますと大変に自信のない答弁をしておしかりを受けているわけですけれども、できるまでにはもっと、それほどそごを来さない工事の計画の方も、受け入れの計画の方もできてくるのではないかというふうに考えております。
  462. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 しかし、仮に押えてやってみた場合に、十年という計画で組んでいくわけでしょう。ところが、いま言うように、料金が高ければ来ないですよ、搬入しないですよ。そうしてくると、十年が十一年になり十二年、十三年ということになってくるということは想定されますね、当然。そういうことになると、この起債の金利、そういうものを一体どこでどう処理するのかというのは当然起こってくると思うんですよ。そこら辺に対しては、国の方で自治体に迷惑かけないとか、そういう基本的な考え方なのか、さっきの厚生大臣答弁を見ると、非常に突き放したような答弁がございましたが、そこら辺は気になるから聞いておるわけなんですが、いかがなんですか。
  463. 小野維之

    政府委員小野維之君) いまの二、三年程度おくれることがあるのではないかということでございましたら、あろうかとも思います。ただ、センター基本計画をつくりますときには、法律にもありますように、受け入れ側とも十分に協議をした上でこれでいいかと、つまり値段もこのくらいになるということで行われるわけでございますので、もちろんそれ以外におくれてくる要素はあり得るとは思いますけれども、そう大きくおくれることはないだろうと。それから、主に大部分を占めます工事費につきましては、港湾管理者あるいは自治体の起債対象になっておりまして、交付税の方でその返還、利払いというものは、全額ではございませんけれども見られていくという形から、それほど大きな負担にはならないんではないか、その狂いについては、というふうに見ております。
  464. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いや、私が聞きたいのは、そういう場合に、これは当然いまから、予測ですから若干のずれが出てくるのは予想されますから、いずれの場合でも、自治体に迷惑をかけるようなことはしないと、財政的に。その点は押えておっていいんですか。大臣どうですか、あなたうなずいておるけれども
  465. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 当然そうなるだろうと思います。払う方の側の自治体もありますし、それから港湾建設をする方の自治体もございますから、やはり原価計算の原理に従いまして、そして適正な価格を出すであろうということをセンターに期待しているわけでございます。
  466. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 あなたのそのいまの当然そうなるというのは、私が言う言葉に対して当然そうなると思いますよと言ったのだよ。それと後段の答弁というのは違うじゃないですか。私が言うのは、予定がずれる場合があるだろうと、その場合に金利その他でかさんでくる部分が予定外に出てくるだろう、出てきた場合、それらについては当然自治体に迷惑かけるようなことはしないということが言えますねという念押しをしたところが、あなたがそれはお説のとおりですと、こういう言い方をしたのだよ。後段、村山さん言ったのは違うじゃない。それでいいんですね。
  467. 村山達雄

    国務大臣(村山達雄君) 自治体に迷惑をかけることはないと思います。
  468. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 料金決定要素の中で、跡地売却費の場合に、ある程度受け入れ価格の中に算入するという回答がさっきあったのですが、これは大体どの程度大阪の場合予定しておるんですか、さっきの三千七百との関連で。
  469. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 三千七百円の試算の中には見込んでおりません。建設費の元利償還等、総経費を処分量で割ったような計算をしておりまして、都市収入については見ておりません。
  470. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすると、さっきあなたの言った答弁と違ってきはせぬですか。さっきあなたはある程度その中に算入します、こう言ったんだよ。どういうことなんです。また、この三千七百円は違った数字か。
  471. 山村勝美

    政府委員(山村勝美君) 基本的な料金算定の今後の考え方を申し上げたわけでございまして、三千七百円の場合については土地代は見込まなかったということでございます。
  472. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 それなら、いま私が聞いておるのは、大体予定価格としてはどの程度見るんですかと、こう聞いておるわけです。そして、ある程度というのはどの程度のことなのか。
  473. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) どの程度の売却単価を見込むかということを直接にはちょっといまの段階では、先ほど来申し上げておりますように決まっておりませんけれども、実績を申し上げますと、大阪湾奥部で、神戸港のポートアイランドの売却単価は九万ないし十一万ぐらいで売れております。それから、大阪南港では六ないし八万程度で売れておりまして、この辺の売却単価をめどに算定をすることになろうかと思います。
  474. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これは、売れ残った場合、当然国が措置をとって自治体に負担をさせるということはないでしょうね。
  475. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 現在、土地の需要の現況を考えますと、かなりの程度のこういった公共的な目的に対する需要等がございまして、それを十分に勘案して売れ残ることのないように基本計画を定めるというふうに計画をいたしております。したがいまして、売れ残ることはまずないと思いますが、仮に予定いたしましたその年に売れることがなくても、当然、土地を売ります場合には、上に道路でございますとか、いろいろなインフラの施設をして売ることになりますので、そういった上の工事の実施を調整するというふうな形で需給の調整も図れると思いますので、売れ残って赤字が生ずるというようなことはないというふうに考えておるわけでございます。
  476. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 ないと考えるのは結構なんですが、もしそういう事態が起これば国で買い上げるということは、よろしいですね。そういっておるわけです。
  477. 小野維之

    政府委員小野維之君) ごみのために土地造成の自信のないものを国が港湾管理者に強制をする、そういうことは考えておりませんので、したがって、見込みが狂うことはないと思いますけれども、もし見込みが狂った場合には、大変冷たい言い方をして恐縮でございますが、管理者の責任になるというふうに考えております。
  478. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 管理者というと、センター管理者の責任になる。逆に言うと、自治体の責任になるということですか。
  479. 小野維之

    政府委員小野維之君) 失礼しました。港湾管理者の責任、自治体、港湾管理者でございます。
  480. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 自治大臣、そういう点はあなたも理解済みですか。
  481. 矢野浩一郎

    政府委員矢野浩一郎君) 跡地を処分する場合の見通しについては大変むずかしい問題であろうかと思いますが、いずれにいたしましても、計画をつくる段階で地方自治体に赤字による負担のかからないようにすることが基本であろうと考えております。  現実の場合の処理、どういうぐあいに処理するかということは、その場合にまたいろいろパターンが出てくるかと思いますけれども、基本的にはそのようにまず基本計画段階できちんと赤字の出ないような考え方でやっていかなきゃならぬというぐあいに考えております。
  482. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうすると、これはひとつ事務当局じゃなくて主管大臣考えを聞いておかなきゃならぬと思う。いまの矢野自治省の審議官の言ったように、基本的にはやっぱり自治体に迷惑がかからないようにする、いろいろ予測の違いが起こった場合に。その点は大臣、はっきり答弁いただきたいと思います。
  483. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) これはえらい損をするときの話ばかりが先へ行ってますけれども、またうんともうかるかもわかりません。そのときはやっぱり港湾管理者に帰属する、分配はしますけれども。そういうことになっておるのでございます。でございますから、原則としてセンター処理をしてもらうということなんですけれども、もしどうしても残地ができてそれが売却ができないとかなんとかいうことになれば、先ほど港湾局長言っておりますように、インフラを厚くすることによってその土地の活用方法を図るなり、あるいはまた国の方の港湾施設その他の施設をすることによりまして自治体に負担のかからぬように、やっぱり協力して処理しなければいかぬと思っております。
  484. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いろいろ質問が残っておるんですけれども、もう十時半ですし、そう答弁が間違っておるからといって引き延ばしをするわけにはまいらぬと思うので、私はこの辺で質問を打ち切りますが、ただ、委員長、さっき言ったように、この法案の中身を吟味してみますと、いま御存じのとおりに法案の基礎である報告の内容一つとってみても、ずいぶん吟味をしなきゃならぬたくさんな問題があると思うんですね。そうして同時に、こういう自治体にかかわる重要法案が全然自治体関係者の参考人の意見も聞かない、もしくは公聴会もしない、こういう取り扱いについて私はきわめて不満であり、納得しがたい点があるわけです。これはひとつ理事会で取り上げていただいて、ぜひひとつそういう所要の措置をとって、そして自治体側の納得を得る中で法案を成立させると、こういう手続をひとつお願い申し上げておきたいと思います。
  485. 黒柳明

    委員長黒柳明君) はい、承知いたしました。
  486. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 以上で質問を終わります。
  487. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  488. 黒柳明

    委員長黒柳明君) 御異議ないと認めます。よって連合審査会は終了することに決定いたしました。  これにて散会いたします。    午後十時三十二分散会