○島田
委員 いま、米が減ってほかのたん白質、脂肪がもっとふえるから割り込む余地は十分ある、一口に言えばそういう説明であります。しかし私は、前臨時
国会でも食料需給表の問題を取り上げまして、
国内におきます
自給率を高めていくためのあらゆる
努力を払わなければならない、そのためには不備な面も整備して、安心して
生産ができ、そして安定して供給ができるというふうに直していかなければいけないということを
指摘いたしました。
大臣からも前向きな
答弁がございましたので、私の
指摘したような
方向で検討がなされているというふうに理解いたしております。しかし乳製品において、今後十年間で一・七%といういまの説明でありました。第二次酪近までの経過を見ましても、第一次酪近で示しました
目標が実際やってみたらなかなか
目標に到達しないで、第二次酪近では現状追認でまたレベルを引き下げる、そして第三次のところでもまた引き下げて、第四次のところもまた現状に合わせたような
計画に引き下げざるを得ない、こういうふうなことで、
計画と実際というのはなかなか思うに任せないという現状であるように私
どもは
考えるのであります。
しかしながら牛乳の
生産は御
承知のとおり大変伸びてまいりました。その伸びる割合から言えば、
消費のところが少しばかり足踏みしたりするものですからなかなかうまくいかない。こういう点について、私
どもも実情については見ているわけでありますけれ
ども、それにしても、いまの
国内産の牛乳、乳製品という問題に限って言えば、今後十年間なりあるいは酪農近代化
計画で進めていこうというお
考えの中には、何かしら及び腰のところがあって、いま
一つ腰が入っていかない。こういう点はいまの
日本型
食生活というものを頭に置いている中でそういう
感じがするのか、あるいはもっと意地悪く言えば、もうここで大体限度だ只これ以上余り伸ばしたくない、そういう気持ちがあって腰が入らぬのか。いずれにしてもこれから先の十年間を見通すという
見通しの中において、どうも私
どもはいままでになかったような及び腰の面が見られてならぬ、こういう
感じがするわけであります。
ところで、私は前から
指摘しておりますけれ
ども、
輸入の問題というのは、米とは違いまして、牛乳の場合はまだ
国内でその
自給率は一〇〇%ではないわけです。
政府が発表しておりますのでも、八六、七%のところでありますから、まだかなり余裕がある。しかし需給表で見られる限りにおいて、そうしたまだ
国内の
生産に余力を持っている部分を残しながら、なお今日段階では牛乳がだぶついているということで
生産調整が厳しく行われる、こういう
状況の中にあるわけでありまして、これから来月のシーズンに向けて
農林省としても頭の痛い時期を迎えるわけでありますが、頭の痛い話であればあるだけに真剣な取り組みがないと、
生産の段階が非常に乱れて取り返しがつかぬような
状態に相なっていく、こういうふうに
考えますので、時期が参りましたらもっと詳しい個別の問題について
大臣と意見を十分交換し合って、五十六年度の当面の酪農の問題についても真剣にやっていかなくてはならぬと思っております。
それを前にして先般——先般どころではない、もうここ二、三年大変大きな問題として取り上げられておりますのが、
輸入で最も問題だと言われております、われわれが言うところの擬装乳製品という問題が、実は整理されないままに年を越してきました。先般もわが党の安井部会長が予算
委員会でこの問題を取り上げて
大臣と議論をしたようでございますが、その節の議論の経過をお聞きしていて、私はどうも
農林省のいままでやってまいりました姿勢が次第に後退していくという
感じがしてならぬ。どうも気負い込んでいた割りにはどんどんしりすぼみになっていって、うまい結論が出そうにないというふうな心配さえ最近は逆に持ち始めている。
そこで、きょうはここに焦点を当てまして、何としても、
大臣がこの間予算
委員会で、三月をめどにしてこの問題には結論をつけたい、こうおっしゃつているのでありますから、そうするともうあと一カ月あるかなしであります。そういう中で、果たしていまのような
状態の中で結論がつけられるのだろうかという点について私は心配を消すことができないでいるのであります。そこで、きょうはもう一度この点を細かにお尋ねいたしますが、
農林省が昨年の秋に非常に力を入れてこの問題に取り組むという姿勢を天下にお示しになって以来、事あるごとに応援の
立場でいろいろな問題の取り組みを私たちもやってきた、こう思っているわけであります。その点について、現在までの取り組みの経過をまず簡単にお聞きして、それから現状のしっかりした分析をする意味で、擬装乳製品を代表するものはココア調製品であり調製食用油脂、こういうことでありますが、この点の
実態を明らかにした上で対策を組んでいくことが必要だ、こう
考えているので、まずいままで取り組んできての経過と、それから現状では困難だとされている問題点を明らかにしていただいて、そこからひとつ話を進めていきたい、こう
考えています。