○青山
委員 日本が急速に
高齢化社会を迎えてきた、こういう背景と、今回
定年制の
審議に入ること、一見矛盾しておるかのように思われますけれ
ども、実は必ずしもそうではない。
高齢化社会に即応する政治のいろいろな施策の中で、たとえば民間企業ではまず何といっても六十歳の
定年制を実現したい、これが民間企業で働く人たちの
一つの課題です。
そういう点から考えますと
公務員、今回
国家公務員がとりあえず六十歳をめどとして
定年制度が導入される、その
基準に沿った形で
地方公務員にも
定年制度が導入されることは、必ずしも矛属しておることだとは私は思っておりません。ただ、
定年の論議の中で、
定年の定義といいますか
意義について、まだはっきりした線が出ておらないように思いますので、若干
意見も申し添えさせていただきたいと思います。
私
ども民社党が提言いたしておりますが、本来、
年齢による雇用の差別をすべきではないとしておりますが、これは一般企業が雇用という社会的
責任と企業が考えている経営効率との
関係から、この雇用の終息という提言、さらに
定年後の雇用先の確保についての重要な
意味を持っていると考えております。
こうした
原則は、
公務員であっても例外ではないと思われますが、労働効率や行政効率が個人の
年齢によって左右されること、高齢化による個人の能力の低下によって行政効率が左右されること、これは否定できない事実でありますから、ある
年齢によって雇用の終息が
実施されることは避けられないことと認識いたしております。
特に、行政効率を求められている
公務員の場合、退職勧奨による
人事の適正管理に重点を置いての雇用の終息、いわゆる
定年が実効を上げておりますが、これは法的強制力がないために、ごく一部のこととはいえ、退職勧奨を拒否している人もいるわけであります。これが国民の側から見ますと羨望の的になっております。特に、民間企業の現状から見ますと、ほとんど
定年制が
実施されておりますから、そこにどうしても不公平感があって、行政及び
公務員に対する批判の論議が出てきているわけであります。
一般の国民が、一般企業における雇用の終息いわゆる
定年の後、新たに就職先を求めて再労働の機会を得ていく現実からしますと、
公務員においても、一
定年齢によって
公務員としての雇用が終息することとするのはやむを得ないというよりは、むしろこれは当然のことではないかと思います。
また、欧米において論議されております
定年というのは、長い間働いてきた、ようやく労働から解放される、こういう
意味で、生涯における労働から解放されるという
意味が含まれております。
〔
委員長退席、石川
委員長代理着席〕
したがって、年金で悠々自適の生活を楽しむ
一つの区切りの
年齢としての
意味があるように思われます。これはわが国の雇用
制度と欧米の雇用
制度との違いでありますが、それぞれ社会保障
制度との絡みによって、
定年に対する
意味が異なってくると思います。
さらに、わが国においての雇用というのは、ただ生計を立てるため、これだけではないわけです。生活の基盤を確保するといった主たる目的のほかに、企業に対する忠誠心、個人の生きがい保障的な
意味合いも強く含まれております。この生きがいの点から見れば、終身雇用保障というのは最も望ましい、理想的なものであろうと思われます。しかしながら、費用対効果から見てまいりますと、そういうわけにはなかなかいかない。特に、
公務員では行政効率を求められておりますから、そういう点ではなかなか終身雇用保障というのは許されないものであろうと思います。
こう考えてきますと、
公務員における
定年年齢は何歳が妥当であるのかという論議が行われて合意されるべきだと思います。その点で、六十歳という
定年の
制度がこれから打ち出されていくわけですが、その根拠になる
考え方をひとつ聞かしていただきたい。
それからあと、労働省、厚生省、
自治省、文部省にお尋ねをしたいのですが、私
ども民社党は、目標として六十五歳
定年制実現を早急に達成し、
高齢化社会に対応すべきだという提言をいたしております。しかし、わが国の現状から、当面六十歳の実現に努力しているところでありますが、この六十歳は、近き将来六十五歳に引き上げることが決議されるべきだと考えておりますが、これに付随する
定年後の措置について各省に御
所見を承りたい。
一つ、年金の問題はどうなっていくのか。二つ目、雇用の創出、新たな職場の開発、これはどうなっていくのか。三番目、
年齢相応の就職先の確保の問題はどのようになっていくのか。四、長い間
地方公務員として働いてきたその豊富な経験を生かしたボランティア活動、社会奉仕、趣味の会等々における、いわゆる社会に対する貢献による生きがいの保障。こういったきめの細かい
定年後の事後措置を
実施すべきであろうと思います。このような視点について、労働省、厚生省、
自治省、文部省、御
所見を伺っておきたいと思います。