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土屋政府委員 昨年の八月、香芝町におきまして住民からの事務監査請求がございまして、それに関連いたしまして、奈良県が香芝町の
地方交付税の検査を実施いたしましたところ、町税、主として町民税と固定資産税でございますが、町税の一部を正規の
歳入科目に
歳入しないで、財産収入及び寄付金という別の科目に
歳入処理をするといったような違法な会計処理を行うとともに、普通
交付税の算定に用いる資料に作為を加え、虚偽の記載によって不当に
交付税の交付を受けていたということが判明いたしたのであります。
市町村については知事が検査をすることになっておりますので、奈良県知事が検査したわけでございますが、その結果の報告に基づきまして、五十六年の三月十二日に
地方交付税、これも普通
交付税でございますが、普通
交付税の返還及び加算金の納付を命じまして、三月二十五日に加算金を付して全部返還をされたのでございます。返還額は、本来のものが十六億六千百七十一万四千円でございました。それに対する加算金が五億一千百二十万二千円ということでございます。三月二十五日に返還した、その日までの加算金を加えて返還をしたわけでございます。
現在まで調査をいたしました結果、判明した不正取得の
状況は、
昭和五十
年度から五十五
年度までの
地方交付税につきまして、普通
交付税に用いる資料に作為を加えて虚偽の記載をして、不当に
交付税の交付を受けていたというものでございます。作為を加えて虚偽の記載がございましたのは、主として基準
財政収入額についてということでございまして、先ほど申し上げましたように、市町村民税及び固定資産税を中心にされたわけでございます。これに伴って、対応します基準
財政需要額においても、農業行政費とかその他の諸費等で連動して虚偽の記載をしたということでございます。返還を命じました額は先ほど申し上げたとおりでございますが、返還までの日数に応じて一〇・九五%の
割合の加算金を取ることになっておりますために、先ほど申し上げたような額を加算して返還させたわけでございます。
なお、いま申し上げましたような五十
年度よりも前にもいろいろ問題があったかもしれませんので、その点については引き続き調査をしておるところでございます。何せ非常に古い時代でございまして、台帳その他の調査には時間がかかると思いますけれ
ども、そういった点も十分調査をすべきものだと
考えております。
まことに、これは私
どもとしては残念な事柄でございまして、
交付税というのは、申し上げるまでもなく
地方団体の共有の
財源でございます。その算定事務は、国と
地方団体の相互信頼の上に
運営されているものでございまして、今回の事例は全く異例なことでございまして、このようなことは他の
地方団体にはあり得ないと、私
どもとしては
考えておるわけでございます。そう申しましても、現実にこういったことがあったわけでございます。
交付税制度の
運営につきましては、配分の公正を
確保するため、適正な算定事務が当然行われなければならないことでございます。また、
交付税検査の徹底を図る必要があると
考えられますので、私
どもとしては、市町村に対する
交付税検査の強化等について、各都道府県知事に対して事務次官名による通知を行って検査の強化をお願いをしたところでございます。
私
どもとしては、今後こういった事態が生ずることのないように、検査
方法の改善とか検査体制の充実強化等を含めて、不正防止のために努力をしてまいりたいと思っております。私
ども自身でも、
交付税課の中にプロジェクトチームみたいなものもつくりまして、いまいろいろな
方法を検討しておるわけでございます。まさかと思っておったわけでございますが、大変お騒がわせをしたわけでございますが、いろいろな手段を講じましてこういうことが起こらないように、最大限の努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。