○平林
委員 大臣、自由価格であるからある程度
業界の自主性というか、
決めるだろう、こう言うんでありますが、私はもしそういうことであるならこれからいろんな提案かありますよ。
業界がある程度自主性でできるんだというような
考え方で、それから
マージンだとか利息がかさむからある程度は上乗せしょうがないという理屈が成り立つならば物価
調整減税やったらいいじゃないですか。物価が上がって、そして物価が上がった分だけ実質的
増税になっているんだからそれは直すのはやらなければいけないな。なぜそっちの方にはいかないのですか。そっちの方はだめだ。こっちの方は
マージンの率が下がるから多少は、五円や十円上乗せしなければいけない。さっき言ったようにビールなら三十一銭でも二十一億円にもなるということの大きい話をしているのですよ。これは
マージン上げるからしようがない。多少上乗せしてあれするのはがまんしてくれ。
一般の勤労者の方のやつは物価が自分が上げたんでもないやつでもって上がって実質上
増税になる、それはがまんしてくれ。筋通らぬじゃないですか、筋が。ある程度政治的な圧力のある方にはお目こぼしがあって、大して役にも立たない方は抑えるというのじゃ大蔵
大臣の名前が公平を欠くことになる。そういうことでありますね。私はそういう感じを持っていますよ。
そこでこの際、そういう自由裁量がある程度きくならむしろ二級酒とかしょうちゅうはその
税率を据え置くことはできないかと言うのです。たとえばいま五円か十円刻みだと言うけれ
ども、二級酒は十四円四十六銭上がるだけですよ。しょうちゅうをごらんなさい。——政務次官いないかな、保岡さんいなくなっちゃった、いる。しょうちゅうなんというのは乙類で六円三十銭、甲類で九円十八銭ですよ。こんな程度のものをこの際——去年も上げことしも上がるようなことにして、しかも
マージンが下がるから、金利を
負担するからそれだけは上げなければいけない、五円か十円ぐらいはなんという——いや、
一般論としていま言ったわけですよ。ですから、そういうことを
考えると私はこうした二級酒やしょうちゅうの
税率は据え置くことはできないだろうかと思うのですね。そのかわり特級酒なんか二千三百七十八円五十六銭だが二千四百円くらいにしたっていいやな。こっちの方はぐっと上げて、そのかわり二級酒とかしょうちゅうは据え置くというようなことはできぬ相談でしょうか。
大臣、
一般論として聞いてくださいよ。どうも酒というのは大衆
課税的傾向にあると思うのですよ。内閣統計局の調査を昔見たのですけれ
ども、所得別、階層別に酒の
消費動向というのを見ますと、低所得層ほど酒を買うところのお金が多いのですよ。つまり
酒税の
負担をよけいしているのです。なぜかというと高所得者は社会的に地位も高いし会社へ行っても部長とか課長とかになっていますからね、やはり贈答品を受けるわね。接待酒が飲める。
大臣、そうでしょう。会社のツケで飲めるとかというのが多いのだよ。ところが会社のツケでも飲めなければ贈り物もめったに来ない、そういうような人は自分のふところで飲む。だからいわゆる所得別、階層別の低い人ほど税金の
負担を高くしている、よけい納税しているということになる。私は多分そうだと思うんだ。かなりの人は身に覚えがあると思うんだ。そう言えば自分で銭出して酒を買ったことないな、サイドボードにいっぱい酒並んでいるし家へ行けばいっぱいあるけれ
ども、自分で銭を出したのは
一つもないやというのは大概心当たりがあると思う。
そこで今回の
酒税改正に当たりましてはこの点を考慮して、二級酒とかしょうちゅうは
増税しない。二級酒の九・六%、十四円七十六銭ばかり
増税したって予算額にいくとどのくらいになるかというと恐らく百億に満たないのじゃないですか。しょうちゅうだったら恐らく二十億かそこらにしかならぬじゃないですか。それは財政再建というようなことを振りかざせば一銭でもという気持ちはわかりますけれ
ども、どうも弱い者いじめのような感じがする。そこで二級酒、しょうちゅうは
増税しないというようなことにはできぬか、大蔵
大臣、いかがでしょうか。