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1981-02-12 第94回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年二月十二日(木曜日)     午後零時三十一分開議  出席委員    委員長 森中 守義君    理事 愛野興一郎君 理事 楢橋  進君    理事 岡田 利春君 理事 中西 積介君    理事 田中 昭二君 理事 小渕 正義君       太田 誠一君    北口  博君       北村 義和君    古賀  誠君       藤田 義光君    保利 耕輔君       渡辺 省一君    塚田 庄平君       鍛冶  清君    小沢 和秋君       石原健太郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  田中 六助君         労 働 大 臣 藤尾 正行君  出席政府委員         通商産業政務次         官       野田  毅君         通商産業省立地         公害局長    松村 克之君         資源エネルギー         庁長官     森山 信吾君         資源エネルギー         庁石炭部長   福川 伸次君         労働政務次官  深谷 隆司君         労働大臣官房長 谷口 隆志君         労働省職業安定         局失業対策部長 加藤  孝君     ————————————— 委員の異動 一月二十八日  辞任         補欠選任   小沢 和秋君     渡辺  貢君 同日  辞任         補欠選任   渡辺  貢君     小沢 和秋君     ————————————— 二月十二日  産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第二一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  石炭対策に関する件      ————◇—————
  2. 森中守義

    森中委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  石炭対策基本施策について、田中通商産業大臣及び藤尾労働大臣より、それぞれ発言の申し出がありますので、これを許します。田中通商産業大臣
  3. 田中六助

    田中(六)国務大臣 第九十四回国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭政策につきまして、私の所信一端を申し述べさせていただきます。  御承知のように、現在、エネルギーの大宗を占めている石油をめぐる国際情勢は、さきOPEC総会の決定に基づく原油価格の引き上げ、イラン・イラク紛争長期化などにより依然として流動的な状況にあります。また、中長期的にも、産油国資源温存政策などから国際石油需給逼迫化傾向は避けられないものと見られます。このような状況のもとにあって、ベニスサミット等の諸合意に見られますように、石油代替エネルギー開発導入世界各国の共通の課題となっております。  特に、エネルギー供給における石油依存度及び海外依存度がともに主要先進国中最も高いわが国にとりましては、石油代替エネルギー開発導入は喫緊の課題であります。  かかる観点から、政府といたしましては、法制の整備、財源の確保等石油代替エネルギー対策抜本的強化を行い、総合的かつ計画的な政策の展開を図っているところであります。  特に、石炭につきましては、昨年十一月に定めた石油代替エネルギー供給目標において、昭和六十五年度には国内炭海外炭合わせて一億六千三百五十万トンの供給確保目標とされております。このように、石炭は、石油代替エネルギーの中で最大供給源となるべきものと位置づけられており、脱石油の担い手として大きな期待が寄せられております。  政府といたしましては、かかる供給目標等を踏まえ、石炭の一層の利用促進を図るべく、総合エネルギー政策の柱の一つとして、引き続き石炭政策推進することといたしております。  具体的施策について申し述べますと、まず、貴重な国産エネルギーである国内炭生産を長期的に維持するよう引き続き努めてまいります。  このため、石炭需要確保に努めるとともに各般にわたる助成措置実施により、石炭鉱業経営の安定を図りつつ、生産体制の一層の改善を図ってまいる所存であります。その際、保安確保は不可欠の前提条件であり、今後とも保安確保対策を一層充実する所存であります。  また、今後の石炭需要拡大に応じて、国内炭利用とあわせ、海外における炭鉱開発から国内におけるコールセンター等受け入れ施設整備に至る一連海外炭安定供給システムを早急に確立する必要があり、そのため、昨年十月一日に設立された新エネルギー総合開発機構を活用しつつ、所要助成措置等を講じているところであります。  加えて、石炭利用技術研究開発について石炭石油混合燃料石炭燃焼に伴う環境対策技術などの開発推進するとともに、石炭液化ガス化技術等についても、国際協力をも図りつつ、その開発を積極的に推進しているところであります。  なお、今後の石炭対策あり方については、石炭鉱業合理化臨時措置法期限切れを明年三月に控え、本年半ばを目途に、答申をまとめていただくよう、石炭鉱業審議会に御審議を願っているところであります。  政府といたしましては、新石炭時代における石炭政策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  鉱害対策及び産炭地域振興対策につきましても、従来から、国土保全及び民生の安定並びに産炭地域における鉱工業の計画的発展等を図る見地から、各般にわたる施策実施してきておりますが、今後ともその実態に即した施策推進に努めてまいる所存であります。  特に、産炭地域振興対策につきましては、昨年十一月の産炭地域振興審議会答申を踏まえ、産炭地域振興臨時措置法有効期間を十年間延長することとし、去る二月十日の閣議におきまして、同法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたすことを決定いたしましたので、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。  政府といたしましては、今後とも、産炭地域振興臨時措置法基本とし、産炭地域実態に即した施策の効率的な推進を図り、もって産炭地域振興の実を上げるべく努力を傾けてまいる所存であります。  ただいま申し上げました一連施策実施につきましては、昭和五十六年度の石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計電源開発促進対策特別会計予算案において所要財政措置を講じております。  衆議院石炭対策特別委員会委員各位におかれましては、かかる方針を御理解の上、今後とも石炭対策に御支援、御協力をいただきますようお願い申し上げまして、私のごあいさつにいたしたいと思います。
  4. 森中守義

  5. 藤尾正行

    藤尾国務大臣 第九十四回国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭鉱業における当面の労働問題につきまして、一言所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を得たいと思います。  わが国経済の今後の安定的な発展国民生活向上を図っていくためには、エネルギー安定供給確保することが不可欠の前提条件でありますが、近年、資源エネルギーをめぐる諸問題が国際的にも一段と厳しさを増しつつある中で、石炭産業重要性が一層高まってきております。  政府におきましては、このような情勢の変化を踏まえて、今後における新しい石炭政策あり方について、現在、石炭鉱業審議会において検討をお願いしているところであります。  今後の石炭政策を円滑に推進するためには、石炭鉱業経営の安定を図るとともに、石炭鉱業における保安確保労働環境生活環境整備等により、炭鉱労働者の就業の安全確保雇用の安定、福祉向上を図ることが肝要であると考えております。  このため、労働省といたしましては、じん肺等に関する健康診断の徹底、労災保険制度改善整備とその適正な運用等を通じて働く人々の保護に努めてまいります。  また、労働環境生活環境改善につきましては、雇用促進事業団融資制度を活用しつつ、労働者住宅福祉施設整備拡充等について援助を進めるとともに、これらにより石炭産業における労働力確保対策にも寄与していきたいと考えております。  さらに、石炭鉱業合理化等によりやむなく炭鉱を離職された方々に対しましては、公共職業安定所雇用促進事業団等関係機関が密接に連携して、炭鉱離職者臨時措置法等に基づく各般就職援護措置を活用し、かつ、今日までの離職者対策の経験を生かしつつ、早期に安定した職場に再就職できるよう努力してまいる所存であります。  また、昭和五十七年三月三十一日で期限切れとなります炭鉱離職者臨時措置法延長問題につきましても、新石炭政策との関連や今後の離職者発生見通し等に十分配慮しつつ検討していくこととしております。  以上、石炭鉱業における当面の労働問題について、所信一端を申し上げました。今後とも委員各位の御意見を十分拝聴いたしまして行政の推進に努めてまいりたいと思いますので、格別の御指導、御援助をいただきますようお願い申し上げます。
  6. 森中守義

    森中委員長 次に、昭和五十六年度通商産業省所管及び労働省所管石炭関係予算概要について、政府からそれぞれ説明を聴取いたします。資源エネルギー庁福川石炭部長
  7. 福川伸次

    福川政府委員 お手元にお配りしてあります資料に基づいて御説明申し上げます。  昭和五十六年度石炭対策予算予定額は、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石炭勘定に千三百八十七億円余が計上されております。このほか、同特別会計石油及び石油代替エネルギー勘定及び電源開発促進対策特別会計電源多様化勘定石炭関連予算予定額として五百四十八億円余が計上されております。  まず、資料三に即しまして、石炭勘定から御説明申し上げます。  昭和五十六年度石炭勘定におきましても、前年度に引き続き、石炭鉱業審議会の第六次答申の趣旨に即し、かつ、現下石炭をめぐる諸環境を踏まえて、生産体制保安経理等各般の諸施策実施するとともに、鉱害復旧産炭地域振興炭鉱離職者援護等施策を引き続き推進することとしております。  昭和五十六年度の石炭勘定予算予定額は、ただいま申し上げましたとおり千三百八十七億円余でありますが、これは、前年度当初予算額に比べて約七十八億円の増額、約六%のアップとなっております。  その主な内容を御説明いたします。  第一に、石炭鉱業合理化安定対策につきましては、国内炭安定生産を目指して、各般施策を引き続き推進していく方針であります。特に、保安も含めた生産面充実を図るため、石炭鉱業生産体制改善石炭鉱業保安確保等施策に特段の意を用いたつもりでございます。  まず、石炭鉱山における坑内骨格構造整備拡充事業費補助金につきまして、掘削工事に対する予算拡充を図るとともに、新たに先行ボーリング対象工事に加え、約百十四億円を計上いたしております。  次に、新エネルギー総合開発機構出資金でございますが、これは、同機構石炭企業に対して行う設備近代化のための資金融資及び経営改善のための運転資金融資原資に充てるものでございますが、設備近代化資金貸付規模を約百七十八億円、経営改善資金貸付規模を約百七十八億円、経営改善資金貸付残高規模を二百七十五億円にそれぞれ拡大し、石炭企業資金調達円滑化に万遺漏なきを期しております。  次に、石炭鉱業経理改善対策費及び石炭需要確保対策費につきましては、それぞれ約百八十四億円ないし約六十四億円の予算を計上しております。  次に、石炭鉱業保安確保対策費でございますが、石炭対策上、保安確保は最重点課題一つであります。このため、昭和五十六年度は、鉱山保安センター事業費補助金対象に新たに保安技術基礎教育コースを追加し、また、鉱山保安確保事業費補助金を約七十八億円に増額しております。また、ボタ山災害防止工事費補助金として約十六億円を計上いたしております。  第二に、鉱害対策費でございます。  昭和四十七年度に策定されました鉱害復旧長期計画に基づき、これまで年々に鉱害復旧が進められてまいりましたが、現在なおかなりの鉱害が残存しており、その計画的な復旧が重要な課題となっております。  このため、昭和五十六年度の鉱害対策費として約五百四十億円を計上しておりますが、これは、前年度予算額と比べ約四十三億円の増額となっております。このうち、鉱害復旧事業資金補助金は前年に比べ約三十三億円増の四百七十一億円を計上しており、これに伴って復旧事業規模は六百三十九億円に引き上げられております。これによりまして、残存鉱害早期処理を目指して最大努力を払うこととしております。  なお、石炭鉱害事業団出資金でございますが、鉱害賠償資金等貸付規模を約五十億円とし、これに必要な原資として六億円を出資することといたしております。  第三に、産炭地域振興対策費でございます。  産炭地域振興臨時措置法につきましては、なお十年間の延長をお願いいたすことといたしておりますが、予算措置といたしましては、五十六年度は八十六億円の予算を計上し、産炭地域振興の一層の推進を図ることとしております。  このうち、産炭地域振興臨時交付金は、石炭鉱業の閉山による財政的疲弊の著しい産炭地域六条市町村に対し交付金を交付するものでございますが、昭和五十六年度においては、新たに市町村広域的発展を図るべく特定事業調整額制度を創設し、十一億円を計上いたしております。  次に、地域振興整備公団出資金でございますが、近時大型団地造成も増加してきていることも考慮し、工業団地造成事業等円滑化のため、十億五千万円を計上いたしております。  第四に、炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費でございますが、これらは労働省所管でございますので、後ほど労働省から御説明があると存じます。  最後に、資料五に即しまして、石油及び石油代替エネルギー勘定並びに電源多様化勘定で計上いたしております石炭関連予算予定額五百四十億円余につきまして御説明申し上げます。  第一は、供給確保策としての海外炭探鉱開発促進でございます。海外炭開発輸入促進するため、新エネルギー総合開発機構が行う探鉱資金融資及び開発資金債務保証等に要する原資に充てるため、約六十七億円を計上しております。  第二は、石炭利用拡大を図るための導入促進対策でございます。  まず、セメント等一般産業における石炭転換及びコールセンター建設に必要な資金を日本開発銀行が低利で融資する設備転換等促進融資事業につきましては、五十六年度、特別会計より五十四億円の貸し付けを行い、融資枠として百八十億円を確保いたしました。  また、石炭火力発電所建設費補助を初めとして、石炭火力推進を図るための諸経費に充てるため、約百六億円を計上しております。このうち、特に、既設石油火力発電所石炭転換促進するため、五十六年度新たに補助金として二十一億円を計上しております。  第三は、利用技術開発促進でございます。このため、まず、短期のうちに実用化が可能な技術開発として、石炭石油混合燃料流動床燃焼技術等開発を図るため、五十六年度約三十五億円を計上しております。また、長期的な技術開発として各種石炭液化ガス化に取り組むため、同じく二百八十四億円を計上することにより、利用技術開発に積極的に取り組むことといたしております。  以上で昭和五十六年度の石炭関連予算の御説明を終わらせていただきます。
  8. 森中守義

  9. 加藤孝

    加藤(孝)政府委員 お手元にお配りしております昭和五十六年度予算案労働省所管分について御説明申し上げます。  昭和五十六年度石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石炭勘定予算案における労働省所管分合計額は、資料の一番下の欄に掲げております百九十二億七千五百万円であり、前年度当初予算額に比べて五・七%の増額となっております。  次に、予算額の主要な内容について御説明申し上げます。  まず、炭鉱離職者援護対策費でございますが、九十一億一千万円を計上しており、前年度に比して二億六千二百万円を増額しております。この中には、第一に、炭鉱離職者援護対策事務費がございます。これについては六億八百万円を計上いたしております。  第二は、炭鉱離職者緊急就労対策事業費補助金であります。緊急就労対策事業につきましては、産炭地域での現下雇用失業情勢事業就労者生活実態等にかんがみ、五十六年度においても引き続き実施すべく六十四億七千二百万円を計上したものであり、前年度に比して五・八%の増額を図っております。  第三は、炭鉱離職者援護事業費補助金であります。これについては五億二千六百万円を計上しておりますが、対前年度比較で減になっておりますのは、雇用促進事業団で支給しております各種給付金を、五十六年六月八日以降の離職者に対して公共職業安定所で支給することとなるためであります。  なお、その部分は、第六の炭鉱離職者職業転換特別給付金の欄に計上いたしております。  第四は、炭鉱離職者職業訓練費補助金で、一億六千万円を計上いたしております。  第五は、炭鉱離職者就職促進手当に要する経費であります。これは、炭鉱離職者に対して、生活の安定を図り、求職活動を容易にするために支給するもので、手当最高日額は前年度比八・一%アップの三千八百七十円に増額することとし、十二億六百万円を計上いたしております。  なお、これらの炭鉱離職者援護対策費のうち、対前年度比較で減になっております事項は、支給対象人員減少見込みによるものであります。  次に、産炭地域開発雇用対策費でありますが、百一億六千五百万円を計上いたしており、前年度に比して七億七千百万円の増額となっております。このうち、産炭地域開発就労事業費補助金につきましては、対象人員三千二百人、事業費単価は、前年度に比べ八・二%アップの一万四千五百円を予定いたしております。  簡単でございますが、以上が労働省関係予算案概要でございます。     —————————————
  10. 森中守義

    森中委員長 岡田利春君から、議事進行に関する発言を求められておりますので、この際、これを許します。
  11. 岡田利春

    岡田(利)委員 私は、委員長のお許しを得て、議事進行の立場から、産炭地域における地方交通線の問題について、これまでの当委員会審議の経過を踏まえて申し上げたいと存じます。  現在、政府は、さきに成立した日本国有鉄道経営再建促進特別措置法に基づきまして、地方交通線選定基準を定める政令作成作業を進めておりますが、その内容いかんによりましては、産炭地域における地方交通線もきわめて重大な影響を受けることは明らかであります。  改めて申すまでもなく、現有炭鉱の安定並びにいまなお疲弊の著しい産炭地域の総合的な振興を図ることは、石炭対策の重要な問題であり、その推進のためには、交通体系整備が不可欠な課題一つでありますので、地方交通線選定基準を定めるに当たりましては、産炭地域実情を十分勘案して措置する必要があります。  また、この問題は、去る十日閣議決定されまして、本委員会に付託を予定されている産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を審査するに当たりましても、また、通産大臣が今日諮問をいたしております第七次石炭政策確立についても、いずれにも重大なかかわりのある問題であります。通産大臣所信を承りましたこの機会に、田中通産大臣のこの問題に対する考え方、取り組む姿勢、決意などについて伺っておきたいと思います。よろしくお願いします。
  12. 森中守義

    森中委員長 ただいまの岡田委員議事進行に関する発言につきまして、この機会に、田中通産大臣の御見解を承っておきたいと存じます。田中通産大臣
  13. 田中六助

    田中(六)国務大臣 ただいまの岡田委員の申し入れでございますが、私といたしましても、産炭地振興のためには、地方実情というものを十分認識した交通網確立というものが必要だというふうに考えております。したがって、地方交通線、そういうものの基準を定める政令案などにつきましては、目下関係各省庁で十分検討中でございますので、私も閣僚の一人として、その線を守って、岡田さん初め皆さん各位の御意向に沿った点について努力していきたいというように思います。
  14. 森中守義

    森中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十六分散会