○後藤
委員 いま問題提起をいたしましたのは、ともすればやはり中央志向型のこれまでの傾向ですね。特に補助金団体の場合はどうしても権力志向なり中央志向になりがちなんです。つまり、地域を見るということを言いながら、地域を見ないで中央ばかりを見ていくという傾向が強い。しかし、そうした地域の皆さん方の声というものが十分にフィードバックされて、そして中央の計画がつくられているならいいですけれ
ども、そういうことじゃなしに、現実には一方的に中央でつくられていく計画というものがひとり歩きをしていく
状況ですから、もっと
商工会がこうした地域におけるビジョンづくりなり、地域における
商工会の
振興なりというものに対する力をつけるためにはどうしていくのかということの方が先決じゃないですか。お祭りだとか美化運動だとか、それも結構ですけれ
ども、それよりももっと
商工会が持つべき力というものをどうやれば持てるんだ、人材の確保はどうしていけばいいんだろう、あるいはまた補助金に多分たくさん頼っておりますけれ
ども、
大臣の提案
理由の
説明の中においてだって「商工業者の自主的組織」である、つまり自主的組織であれば、やはり自主財源というものを豊かにしていかなければならぬ。そのことによって中央に対しても権力に対してもやはり物が言える。そして私たちが長い歴史の中で商工業を営んできたんだ、これを大切にしていけということによって大企業の進出に対しましても十分に抵抗もし、あるいは発言もし、建議もすることができるんだろうと思うのですね。そういう
考え方に立った
商工会の組織
運営というものをひとつぜひ進めていただきたい。また
政府の方としても、そういう角度からひとつこれからの行政の
指導というものをやっていただきたいなということを要望として申し上げておきます。
それからもう一点、
商工会は第七条で、「
商工会の地区は、一の町村の区域とする。」ということになっておりますね。もちろんただし書きがありますけれ
ども、私はどうもこれに実はひっかかるわけなんです。
どうですか、これからの地域
経済を考えてみましても、あるいは中小商工業の
振興発展を考えていきましても、二万前後の町村を
一つの区域といたしまして、そこを
一つのサービスエリアとしての活動では
余りいい知恵が出てこないのじゃないだろうか。私たちが子供のときに学んだ地理の教科書なんかでありますと、私たちの
生活圏というのは大体
一つの河川流域を中心としてやっておる。それがどういうことからか自治体というものが、勝手に自治体の行政区画をしたわけじゃないでしょうけれ
ども、そういう区画になる。そして、それに対応する
商工会というものがあるわけですね。私は、これからはそうした区域が、
一つの町村に
一つの
商工会ではなくて、もっとグループ化、ブロック化していっていいのじゃないだろうかという気がする。これは
商工会議所と違って
商工会には県連合会がある、これがそういった広域的役割りをするのだという
お答えをされるかわかりませんけれ
ども、私は、もう少しグループ化を考えていいのじゃないだろうかという気がいたします。この
法律から読める分については、大変地区に対しては制約要件がある。この点に対する
政府の見解をお聞きしたいのが
一つ。
それからもう
一つは、先ほ
ども組織率の問題が出ておりましたけれ
ども、
商工会議所のあるところでの特に小規模零細企業の組織化が非常に弱いといいますか、おくれていると思うのです。これは本来、
商工会議所に小規模事業というものはどうもなじまぬだろうと私は思うのです。どんなにそういった面のめんどうも見ていくのだ、
指導もしていくのだと言っても、なじまないだろうと思うのです。
そこで、これからの
指導としては、もちろん
商工会議所にそういうものをやらせていくのだということが
指導に今日の
法律からいけばなっているのでしょうけれ
ども、私は、
商工会議所のあるところにおいても、こういった
商工会的な
指導、助成あるいは
振興策を講じていくような組織があっていいのじゃないだろうかという気がしてなりません。もちろん既存の
商工会議所との調整はやっていかなきゃならぬと思いますけれ
ども、こうした
商工会議所のあるところにおける小規模零細事業者に対する
商工会法が持っておる目的、理念というものをどのように浸透させていこうとされておりますか。この点についてお伺いします。