○
小川(国)
委員 私はそれを
総裁にお帰りになったらまず十分御検討いただきたい。そうすると、
努力で昇進したものではなくて、たとえば総務
理事であるとか
公社においてかなり高い地位の役職を占めたこういう人が社長とか常務とか枢要なポストについているわけです。そこから生え抜きで
努力して上がってきたのではない、こういう
実態がおわかりいただけると思う。
私はぜひ
総裁にこれからの私の論議の中で聞いていただきたいと思いますのは、そうした形でなぜ問題があるか。先ほど大臣は、経験は尊重されなければならない、しかし癒着があってはならないということを言われましたが、私はこの七十一社の
実態というものを洗ってまいりますと、まさに天下りによってつくり上げられた通信
建設工事の認定会社というのは、いわば管理会社、言葉を悪く言えばトンネル会社的な存在になってしまっているのではないか、こういうふうに思うわけなのです。それは、まずこれらの会社の
実態を見ますと管理部門のみでありまして、
工事の直接現物には七十一社の技術員というものはほとんど配置されていない。現場に配置されているのは、ごく少数の、技術員じゃなくて技能者である、こういうことがまず
指摘できるわけです。
それから第二番目に、認定会社は、この元請会社は、七十一社ほとんど
作業用の機械を持っていないのです。ですから、みずからは管理会社として、直接の
工事というものはほとんどこの下請にやらせている。必要な
作業機械の調達というものはほとんど九〇%近く下請に押しつけている、こういう
実態があるわけです。
それからもう一つは、先ほど来、大変大きな金額の
工事、いわゆる五十四年でいけば五千七百五十六億、こういう
工事をこの七十一社の認定会社が請け負うわけでありますが、この請け負った認定会社はおおむねその元請
価格の二〇%ぐらいを本社
経費として天引きまして、それからさらに一〇%とか一五%を現場管理
経費として天引きまして、平均すると三五%ぐらい天引きして下請に渡す。もっとひどい例になりますと、
公社から一〇〇で受けた仕事を五三%で下請に渡している。下請は五三%で受けた仕事で材料費、工賃、重機、この償却一切が下請の
負担になっている。元請業者は何をするかといいますと、用地費と人件費とプレハブを持つ、こういうような形なのです。ですから、材料費が仮に一〇〇で受けた仕事の中で二〇%に
計算されておりましても、四七%で下請に渡されたときには材料費は二〇%のシェアを占めてしまう。四七%の下請がその一〇%を資材に充てるということは、二〇%充てることになってしまう。しかも会社
経費が大変にかかりますから、社会保険、労災保険料まで手形で支払うような
事態になっている。
また、この下請は
建設業の資格を取るということになっていますから、そのためには会社組織にしなければならない。そして、そのために機械を買わなければならない。大変な高い機械を皆下請が買っている。どうも現実には大手の七十一社というものは機械の九〇%近くを下請に持たせて自分が持たない。いま申し上げたように、いわゆる入札で場所が決まると、そこの用地手当てをしてプレハブの
作業小屋を建てて、そして仕事の手配をするだけ、こういうのが残念ながらいま七十一社の大勢を占める
状況にあるわけなんです。こういうものはやはり改革されていかなければならないのじゃないか。
しかもまた、その下請に対するやり方も
建設業法で禁じられている一括下請の形になっている。それからまた入札も、一カ所仕事をとりますと、この七十一社というものは、四十七都道府県に、A、B、Cの三社はたとえば東京、C、D、Eは中部、F、G、Hは東海とか、全部なわ張りが決まっている。戦国時代の大名の藩のように割り当てが決まっているわけなんです。それが三年か十年ごとに入れかえになると、何かお国がえという言葉で言われているそうでありますが、大名の領地が変わったように下請まで全部引き連れて変わって、そこにまた土地を手当てしてプレハブをやる。しかし三年間は動かない。こういうように入札自体は、たてまえは競争入札になっていますが、
実態はまさに随契で、お国が決まれば、たとえば東京と決まったら東京の中からはほとんどまず大半の会社は出ない、こういう
状況になっている。
ですから、この七十一社の元請制度というものをやはり改革していかないと、先ほど申しましたように、大量の天下りがある、そしてでき上がっている会社が管理会社である、
実態的に機械を持たない、施工能力を持たない、全部下請に仕事はやらせている、そしてその大手の会社は大変な利益を上げている、しかし下請は何千万という借金をしょってみんな大変な苦しみの
状況に置かれている
実態があるわけです。私は長い年月この問題を調査してみてまいりましたが、これはひとつ改革されなければならない元請制度の問題ではないかというふうに思うのですが、こうした
実態についてはいかがお考えでございますか。