○
鯨岡国務大臣 どうも
反対と賛成とがしめし合わされたようなパターンと言われたのでは、まことに困ります。そういうことはありません。
先生の御質問も限られた時間でございますから、御意見を十分承ることにいたしまして私の答弁をなるべく短くいたしたいと思いますが、しめし合わされたと言われたのではちょっと私の
考えも申し上げておかなければならぬ。
井上先生御承知のとおり、前にはNOxの規制は〇・〇二ppmでございました。それではちょっと厳し過ぎる、それでは諸外国の例を見ても、それから日本の
産業のこれからのことを
考えても厳し過ぎる、健康の重大なことはわかるが、それにしても厳し過ぎるということで、関係方面に、学者などに十分調べてもらいまして、〇・〇四から〇・〇六のゾーンまで落としてもよろしい、それで健康に被害はないという絶対の
自信を持って、かつてわれわれは御
審議をいただいたわけであります。その際にもずいぶんおしかりを受けたのですが、われわれは
自信を持ってこのことをお願いいたしまして、それでお聞き届けをいただいたわけです。そのかわりには〇・〇六という一番下よりももっと悪いというところはどこにもないようにせよと、これが
衆参両院の何回にもわたる附帯決議でございました。そこでわれわれは、そのようにいたします、もしそのようにできないようなところがあれば、
地域を指定して総量を規制して、それを
実施するようにいたしますと、こういうふうに
お答えをいたしてきたわけであります。それは六十年まででございますから。そして自動車、乗用車などについては、当初から見れば十分の一ぐらいのきれいな排気ガスにいたしたことは御承知のとおりでありますし、御
協力に感謝をいたします。大型トラックはなかなかそうはいかない。そこで私などは、手分けをしまして大型トランクの会社へ行って、直射式のやり方は普通の乗用車とは違うからむずかしいでしょうが、どんなことがあっても六十年までには〇・〇六ppmよりも悪いところがあったのじゃだめなんだから御
協力を願いたい、もしそういう開発ができないようなことであれば、交通を規制しても
人間の健康を守らなければならぬ、こういうことを言ってきているのであります。そういうようなことを全部勘定に入れて
昭和六十年にどうだということを調べてみると、東京とか神奈川とか愛知とか大阪とか、そういうところは、やはりいんしんをきわめているところですから、なかなか
自信がないというのは知事さんもそう言っておられるわけでありますから、そこで
地域を指定してその知事さんに、自動車の多いところもあれば工場の多いところもありますから、それぞれの
地域において知事さんひとつ計画を立ててみてください、そしてひとつ六十年までにこの
約束を守れるように御
協力くださいと、こういうことをいましょうとしているわけでございますが、ちょっと間違った
考えをする人は、何か工場だけいじめられちゃうのかなと、自動車のことも何も関係なしに、いまの三千億なんかもどうもそうらしいのですが、工場だけいじめられちゃうのじゃないかというようなことで、そんなことをやったらこの不景気のさなかに三千億も金がかかっちゃう、そんなことできるものじゃないじゃないかというような話が出てきて、まことに私は困っているようなわけでございまして、適当に
反対の人にもちょっとやってもらってこの
約束をいいかげんにしちゃおうなんというようなつもりは毛頭ない。もう、非常な大
努力を払って、誤解の面には誤解のないように、通産などにも話をしていまやっているわけでございますから、どうぞひとつ、しめし合わせてなんというようなことは
考えないでいただきたい。切にお願い申し上げます。