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金子(満)
委員 確かにいま言われるような討論、
議論の
経過がある。そうして、そういう結果、宣言が出されているということも事実です。したがって、この五十二条の「武力による威嚇又は武力の行使」云々というところで出され、しかもこれは全会一致で決まっているのですから、当然
国会にもそこで決議された宣言というのは、短いのですから、これは長くとも提出をすべきだと思うのです、この
条約の批准を
国会に政府が提案するのですから。
この五十二条に関連して、「
条約締結の際の軍事的、政治的あるいは経済的強制の禁止についての宣言」があるわけであります。
国連
条約法会議は、有効な
条約のいずれもが当事国を拘束し、彼らによって誠意を持って遂行されなければならないとの原則を是認し、諸国家の主権ある平等の原則を再確認し、
条約の
締結に関する行為の実行に当たって諸国が完全な自由を持たなければならないことを確信し、
以下省略しますが、その中で、
一、諸国の主権ある平等と同意の自由の原則を侵害して、
条約締結に関する行為の実行を他国に強制する目的である国によって加えられる、軍事的、政治的、経済的のいかんを問わず、いかなる
形態であれ、圧力による威嚇あるいは圧力の行使を厳かに非難する。
二、現行の宣言が
条約法会議最終文書の一部となることを決定する。
ですから、この
ウィーン条約の最終文書の一部となることを決めているわけですね。ところが、ここに政府は、
外務省は提出をしていないわけですよ。
それから、同じくもう
一つの、これは決議で、「
条約締結における軍事的、政治的あるいは経済的強制の禁止についての宣言に関する決議」、これは非常に短いのですが、
国連
条約法会議は、
会議の最終文書の一部として、
条約締結における軍事的、政治的あるいは経済的強制の禁止についての宣言を採択した後、次のことを要請する。
一、国連事務総長があらゆる加盟国並びに本
会議に参加するその他の諸国及び国連主要機関に対しこの宣言への注意を喚起すること。
二、加盟諸国が宣言をできるだけ広く宣伝普及すること。
こういう決議になっているわけです。ところが、宣伝も普及も、大体
国会に対してもあなた方はしていないのですね。私はこれは落ち度だと思うのです。
いまのものは私
どもが翻訳したのでこれは全く仮訳で、政府、
外務省が翻訳したものではもちろんありません。したがって、私は、きょうこの
条約の採決は行わないわけですけれ
ども、次の
委員会までにいまの二つの宣言と決議は
日本語に翻訳をして提出をしてもらいたいと思うのです。これは
委員長、別に秘密文書でも何でもない、あるのですから、その点をひとつお願いしていただきたいと思うのです。