○金子(満)
委員 おかしな話で、これは三沢から出たということも言っているわけですよ。だとしたら、その日の飛行計画の中に入っているわけだし、レーダーの中に入っていると私は思うのですよ。それがコピーしてあるはずなんですね。こういう姿勢がなめられるのですよ。どうしてあなた、これを公表できないのですか。これは
防衛庁のレーダーにだって全部入っているはずですよ。なぜそれが公表できないのです。それがわからないということでこの
事態を済ませようとするところに、私は重大な問題があると思うのです。あなたが
答えなければ、これは引き続いて私は究明します。
時間がありませんから、この点を要求し、もう
一つお伺いしたいのは、
防衛庁の
関係者、海上保安庁の
関係者は、十三名の救援された
乗組員から事情を全部聞いているはずであります。そして、事情を聞き終わったから全部郷里に帰ってもらったのだと私は思うのです。だとすれば当然、直接
救助したのは護衛艦でありますから
防衛庁ですよ。その後、海上保安庁に引き継いだわけです。そこでいろいろのことを聞いていると思うのです。わが党とわが党の
関係者もこれを全部聞きました。ほとんどの生存者から聞きましたよ。われわれが聞けるのだから、
日本政府の
関係者が聞けないなんというばかげた話はないと私は思うのです。
そこで、一括してお聞きしますから、
答えていただきたいと思うのです。
まず第一は、日昇丸の針路はどういう方向に向いていたか、速度はどのくらいであったか。そして、どこのところにぶっつけられたか、つまり下からか、左右どちらからか、後ろか前か、そのときの衝撃とか状況はどうであったか、こういう問題です。
第二は、これはきょう新聞にもたくさん出ておりますし、われわれがいろいろの状況を取材し聞いた中でも同じでありますけれ
ども、たとえばこれはきのうの読売に出ておりますが、救命ボートで海上を漂流している時期、これはその日の九日の日没まで、その間漂流していると、周囲の海中からかなりの回数発射音を聞き、
乗組員たちはその間抹殺されるとおびえていたというように言っています。そして「その音は「ドーン」といったあと、水中を高速物体が走るような「シュルル、シュルル」という音だった。この発射音は日昇丸が沈没後、その日の夕方まで続いた。」「この間、
乗組員たちは「ひょっとしてこのまままっ殺されるのではないか」と不安を話し合っていた。」というように言っております。
また、わが党の赤旗の記者が取材した中でも同じことが言われています。片山二等航海士は、「最低二−三回、発射音のようなものを聞いた。
救助がおくれたのは、悪く
考えたら、死んでくれるのを待っていたのではないか。全員死んでいたら、これで終わり。ばんばんざい、ということになる。」こういうように
答えていますし、今村春生機関士は、「夕暮れうす暗くなるまで飛行機の爆音が頭上でしていた。海中では潜水艦からロケットを発射するような、ドンドンという音がし、潜水艦のエンジン音も聞こえた。ロケットのようなものが海中から飛び出すのを見たという人もいる。」こういう中で不安を訴えているわけですけれ
ども、こういう点についてあなた方
政府側は同じ事情を聴取しているはずなんです。こういう点を聞いていると思いますけれ
ども、まずはっきりさせておいてもらいたいと思うのです。これが第二です。
第三は、海上保安庁、きのう運輸
委員会で、わが党の三浦議員に海上保安庁の「日昇丸の
事故の概要」という文書を渡されました。これはとんでもない文書ですよ。よろしいですか。「鹿児島県下甑島の西南西三七海里付近において、米国
原子力潜水艦ジョージワシントンと
衝突し、日昇丸は機関室に浸水後間もなく沈没した。」つまり日昇丸が
向こうへぶっついて沈没したようになっているのです。
これは一カ所ではありません。結びのところはもっとひどいです。「また、該船
乗組員からの事情聴取の結果、日昇丸が潜水艦と
衝突した
可能性があった」、これは一体どういうことですか、
伊東外務大臣の最初の言明と全然違うじゃないですか。これは
日本政府の本当に卑屈な姿勢を端的にあらわしたものと私は思います。
〔松本(十)
委員長代理退席、
委員長着席〕
これは事実とも違うし、こういうことがやられておったのでは事実の解明なんかできませんから、こういう点で、海上保安庁はこれを撤回して書き直してもらいたいと思うのです。それとも、いまでもこういうように、事情聴取したら、日昇丸が
アメリカの潜水艦にぶっついたのかどうなのか。とんでもないことだと思うのです。この点が三点目ですけれ
ども、海上保安庁に伺いたいと思います。
以上の点、端的に
答えていただきたいと思います。