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1981-05-26 第94回国会 衆議院 科学技術委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年五月二十六日(火曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 中村 弘海君   理事 小沢 一郎君 理事 小宮山重四郎君    理事 椎名 素夫君 理事 与謝野 馨君    理事 日野 市朗君 理事 八木  昇君    理事 草野  威君 理事 吉田 之久君       池田  淳君    狩野 明男君       亀井 善之君    古賀  誠君       塚原 俊平君    中川 秀直君       牧野 隆守君    渡辺 栄一君       上坂  昇君    関  晴正君       斎藤  実君    和田 一仁君       瀬崎 博義君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      中川 一郎君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     下邨 昭三君         科学技術庁計画         局長      園山 重道君         科学技術庁研究         調整局長    勝谷  保君         科学技術庁原子         力局長     石渡 鷹雄君         科学技術庁原子         力安全局長   赤羽 信久君  委員外出席者         原子力安全委員         会委員     御園生圭輔君         経済企画庁総合         計画局電源開発         官       向 準一郎君         通商産業省機械         情報産業局航空         機武器課長   坂本 吉弘君         資源エネルギー         庁公益事業部原         子力発電課長  戸倉  修君         資源エネルギー         庁公益事業部原         子力発電安全審         査課長     逢坂 国一君         資源エネルギー         庁公益事業部原         子力発電安全管         理課長     平田辰一郎君         資源エネルギー         庁公益事業部原         子力発電運転管         理室長     末広 恵雄君         労働省労働基準         局安全衛生部労         働衛生課長   林部  弘君         参  考  人         (日本原子力船         研究開発事業団         専務理事)   倉本 昌昭君         参  考  人         (日本原子力発         電株式会社常務         取締役)    浅田 忠一君         参  考  人         (日本原子力発         電株式会社技術         部長)     板倉 哲郎君         科学技術委員会         調査室長    曽根原幸雄君     ————————————— 委員の異動 五月十二日  辞任         補欠選任   上坂  昇君     武藤 山治君   城地 豊司君     枝村 要作君   広瀬 秀吉君     永井 孝信君 同日  辞任         補欠選任   枝村 要作君     城地 豊司君   永井 孝信君     広瀬 秀吉君   武藤 山治君     上坂  昇君 同月十三日  辞任         補欠選任   和田 一仁君     近藤  豊君 同日  辞任         補欠選任   近藤  豊君     和田 一仁君 同月十四日  辞任         補欠選任   上坂  昇君     枝村 要作君 同日  辞任         補欠選任   枝村 要作君     上坂  昇君 同月十八日  辞任         補欠選任   登坂重次郎君     伊東 正義君 同月二十六日  辞任         補欠選任   伊東 正義君     古賀  誠君   伊藤宗一郎君     池田  淳君   金子 岩三君     中川 秀直君   佐々木義武君     狩野 明男君   齋藤 邦吉君     亀井 善之君   前田 正男君     牧野 隆守君   広瀬 秀吉君     関  晴正君 同日  辞任         補欠選任   池田  淳君     伊藤宗一郎君   狩野 明男君     佐々木義武君   亀井 善之君     齋藤 邦吉君   古賀  誠君     伊東 正義君   中川 秀直君     金子 岩三君   牧野 隆守君     前田 正男君   関  晴正君     広瀬 秀吉君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  科学技術振興基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 中村弘海

    中村委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興基本施策に関する件について、本日、参考人として日本原子力船研究開発事業団専務理事倉本昌昭君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中村弘海

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  4. 中村弘海

    中村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。八木昇君。
  5. 八木昇

    八木委員 今回の敦賀原発事故についての資源エネルギー庁の報告書が出たわけでありますが、それに関してまず若干質問をしたいと思います。通産省みずからの管理責任ということについて聞きたいと思うのでございます。  第一に、作業員被曝実態把握がかねて十分になされていなかったのではないか、もしその実態把握が十分なされていたとするならば、事故隠しというようなことについてもこれは発見されていたはずである、かように思うのでございます。  改めて申し上げるまでもございませんけれども、三月八日のあのオーバーフロー、その除染作について、相当の被曝が今日明らかになっております。あるいは六年前のいわゆる事故が最近明らかになりましたけれども、この際の場合も総被曝線量が一万八千三百九十八ミリレムにも達しております。最高被曝の人が千百十八ミリレム、それから千ミリレム以上の被曝の人が三名、五百ミリレム以上十五名ということでありまして、この被曝等について、実際にそれらを管理しておれば、これはどういう原因によって、どういう作業をやり、そうしてこういうような被曝数値になっておるかということを明らかにすることができたはずだと私は思うのでありますが、そういう被曝管理といいますか、作業員被曝実態把握、そういうことについてはどのようになっていたのでありましょうか。
  6. 末広恵雄

    末広説明員 お答えいたします。  原子力発電所従事者被曝実態でございますが、これにつきましては、私どもといたしましては、原子炉等規制法に基づきます実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則、この規則に基づきまして、三カ月ごと及び一年ごと被曝放射線量別従事者数につきまして電力会社から報告を受けておるわけでございます。  これまでの運開以来の報告によりますと、いわゆる法令で定めます基準を特に上回っているものはございませんし、特に問題となる被曝はございませんので、そういう意味で個別についてはこれまで調査してなかったということでございます。
  7. 八木昇

    八木委員 いまの答弁では私全然理解しがたいのでございますけれども、この三月八日以降のあの事故、それからまた一月にも二度のいわゆる第四給水加熱器事故、あるいは昨年の十二月にもあっておる、そういう時期、それは定期検査の時期ではないわけでありまするから、ちゃんとこの被曝管理というものをしておれば、これは正常の月とは違うそういう被曝実態というものがきちっと出ておるわけですから、通産省は知らなかったなんということにはならないと私は思うのでございます。  それで、今日明らかになっておりますけれども、たとえば五十五年一月分の下請業者別被曝線量についての報告の表ですね。これを見ますると、たとえば日立について言いますると、五百ミリレム以上六百ミリレムまでの被曝をした者が一人、五百ミリレムまでの者が三名、四百ミリレムまでの者が五名、三百ミリレムまでの者が六名、二百ミリレムまでの者が六名というような数値がびしっと出ておるわけなんです。そうしますると、これは一体どういう作業をし、そうして、そういう作業をするに至った原因はどういう事態があったからだというようなことは一目瞭然突きとめられる、そのように考えるのが自然じゃございませんか。たとえば、現地専門官は、毎日毎日ではなくても、あるいは一カ月置きにか、会社の直接職員の従事者あるいは請負業者に雇われて働いておる従事者、そういう人たち被曝について点検をしていないのですか。  それから、もう一つお伺いをいたしますが、そういう被曝報告はどういう間隔を置いて、あるいは毎日とか一カ月ごととか三カ月ごととか、どういう報告の手続がなされておるか。これは労働省にもある程度かかわりがありましょうし、科技庁にもかかわると思うのでございますけれども、直接的には通産省だろうと思いますが、その辺をお答えいただきたい。
  8. 末広恵雄

    末広説明員 従事者被曝状況に関します報告でございますが、これは三カ月ごととそれからあと一年ごとと、その二つの区分け電力会社からは報告を受けております。  それから、運転管理専門官でございますが、この運転管理専門官制度につきましてはちょうど一年前こういった制度を発足させまして、これまでいろいろと運転管理関係業務本省と一体になってやってきたわけでございますが、今回の事故経験にかんがみまして、今後、私どもといたしましても、運転管理専門官業務あり方につきまして、より明確化させようということでいま検討を進めております。  いま先生指摘ございました被曝関係記録確認方法につきましても、その中で十分検討していきたいと考えております。
  9. 八木昇

    八木委員 では、三カ月ごと電力会社からどこへ報告が出されるわけですか。
  10. 末広恵雄

    末広説明員 通産省あてでございます。
  11. 八木昇

    八木委員 通産省のどこですか、地方通産局ですか。
  12. 末広恵雄

    末広説明員 本省でございます。
  13. 八木昇

    八木委員 では、その本省に出されておるというならば、これは三カ月ごとだといいますならば、昨年の十月、十一月、十二月、三カ月分の被曝報告というものは一月には出ておるわけですね、通産省本省に。そうしますと、五十五年の十二月、これは事故があった月でございますが、そしていわゆる関電興業というのが除染作業をやっておるその月でございますけれども、この十二月に、この表で明らかでございますように、七百十ミリレム被曝をしたのが最高で、六百ミリレム以上の被曝者関電興業従業員で四名、六百ミリレム以下が七名、五百ミリレム以下が六名、四百ミリレム以下が十四名、三百ミリレム以下が二十名ということは、これは異常な数値でしょう。これはどういうことがあったのかということを、通産省本省がちゃんと被曝報告チェックしておるならば、これは指摘し、その内容がすでに明らかになっていたはずじゃありませんか。
  14. 末広恵雄

    末広説明員 法令に基づきます報告でございますが、これは三カ月ごととそれから一年ごとという区分けで申し上げましたが、三カ月ごとにつきましては年に二回出てまいります。すなわち年度の上半期につきまして、六カ月間ですが、この六カ月間を三カ月ごとに区分して出てまいります。下半期も同様でございます。したがいまして、提出されます時期は十月末とそれから四月末でございます。  それで、先生いま御指摘ございました五十五年下期の十二月時点でございますが、このデータにつきましては四月末に報告が出てきたということでございます。
  15. 八木昇

    八木委員 それでは、そういうことではいかぬということが今度は認識されたのでしょうか。それで、どのように今後改めようというふうにお考えになっておるのか。  それから、そういう報告というのは、電力会社が出してきますものをただ通産省が受け取る、そしてそれを科技庁にも渡す、そういうことでございましょうが、結局企業より通産、そして科技庁へと報告されておるだけではいかぬのではないでしょうか。たとえばポケット線量計は、作業員がその数値をみずから書き込むということにはなっておるのだけれども、私が現に行ったところでもそうでしたが、みんなずらっと鉛筆が置いてあって鉛筆で書き込むということになっております。でありまするから、これは通産とそれから科技庁にも御答弁願いたいのですが、やはり定期検査のときであるとかあるいは臨時に抜き打ち的に直接チェックをするとか、あるいは定検なんかの際に通産省並び科技庁の人が立ち会うとか、そういうチェックの仕方をすべきではないか。  以上、二点について通産省、それから後の方の点については科技庁の方からもお答えをいただきたいと思います。
  16. 平田辰一郎

    平田説明員 ただいま末広室長が御説明申し上げました三カ月ごと報告が一年に二回、六カ月ごとになされるという点につきましては、原子力施設全般に通じての話でございまして、当省だけの問題ではございませんので、科学技術庁ともこの点は十分話し合う必要があると考えております。  それから、先生が御指摘ポケット線量計管理の問題でございますが、この問題につきましては、たとえば敦賀発電所の場合、委員会でも御指摘がありましたように、ポケット線量計鉛筆で記入しておりましたが、この点につきましては速やかに改める必要があると考えましたので、五月六日付で、六日以降はポケット線量計記録鉛筆で書くのをやめさせまして、とりあえずボールペン等で書かせるようにいたしまして、訂正等が不可能にさせました。  それから、ポケット線量計をみずから手で書くという点につきましては、現在各発電所ポケット線量計からTLDに変更中でございます。TLDになりますと、これは手で書くというよりも記録は全部機械的にとられますから、さらに将来的にはコンピューター化が可能でございますので、先生指摘のような点についての心配はだんだんなくなっていくかというように考えているわけでございます。
  17. 赤羽信久

    赤羽政府委員 直接の問題につきましては、ただいま通産省から御答弁がありましたように、鉛筆書きがまずいとすればボールペン書きというのも一つ方法かと思われますし、それから現在のポケット線量計読み取り方式あるいは正確さという問題は、やはり先ほど答弁がありましたように熱螢光線量計に変えていくということで改良されていくと思われます。  一方、フィルムバッジを使うことによりまして、トータルの誤差は大きいのですが、一日ごと読み取り誤差はむしろそちらで補正されているということでいままで補ってきたわけでございます。こういうことで、フィルムバッジなりTLDを使うことによりまして人為的な誤差というのが減っていくという方向でございますので、その方向をこれからも進めていきたいと考えております。  なお、科学技術庁に対します報告という形は直接ございませんが、原子力安全委員会運転状況等を把握いたしますにつきまして、通産省からただいまの期間での被曝統計報告がなされているわけでございます。
  18. 八木昇

    八木委員 この問題ばかり質問する時間がないのですけれども、なおもう一点だけ通産省からお答えいただきたいのですが、現地専門官がおるのですから、現地専門官は一カ月に少なくとも一回くらいは被曝統計表というものを点検すべきではないか、それから、必要に応じて専門官被曝について、あるいは線量計についてもフィルムバッジについても、時として直接チェックをすべきではないか、この二点、端的にお答えいただきたいと思います。
  19. 末広恵雄

    末広説明員 運転管理専門官業務あり方でございますが、日常点検すべき記録等につきましては、先生指摘の点も含めましていま検討している段階でございますが、早急に明確化させたいと考えております。
  20. 八木昇

    八木委員 そういうことが従来きちっと行われておれば事故隠しなどというようなことは事前に防げたと思うし、発見できたはずであるという点から質問をいたしました。その点十分に今後に生かしてもらいたい。  それで、第二点でございますけれども設計構造上の問題あるいは運転管理等の問題にかかわるのでございますが、今回の報告書ではそういう問題について今後どうするかという対策が非常に抽象的に述べられておるだけでございますから、例を挙げまして具体的に三、四点質問をしますから、それについてどう対処するか、端的にお答えをいただきたいと思います。  過去におきましてもこういう処理建屋におけるタンクオーバーフロー、それに近いような事故というものはあったわけでありまして、数年前に福島第一がフラッシングの際の液漏れという、そしてフィルタースラッジ漏れという事故がありましたね。過去のそういう経験というものが今日まで生かされていなかったのではないか。今度の経験にかんがみて、具体的に対処すべき点を明らかにしてもらいたいと思います。  第一は、フィルタースラッジ貯蔵タンクまたフィルタースラッジドレンタンクのいずれにもアラームがついていないのですね。これは一〇〇%になりますと以後は重大なことになるわけでございますから、何%のところに値を設定するかは別といたしまして、九五%なり何なりのところまでこの貯蔵タンクあるいはドレンタンクが満タンに近くなっておるという場合には、それを知らせる、アラームもしくは何か点滅等々で知らせるというようなそういう装置をすべきではないか、これが第一点ですね。  それから、このいずれのタンクにつきましても、いま何%スラッジが詰まっておるかということを知るそういうメーターはついておりますけれども、ずっと水位を全部記録するいわゆるタンクレベル記録計がついていない、こういうものもつけるべきではないか。  それから、こういう廃液処理施設制御室には常にだれかがいなければならない、そういう勤務体制、そのようにきちっとすべきではないのか。  それから、中央制御室にはサンプのアラームがついていない。かつてはあったのだけれども、取り外したなどという話でございますけれども、これはまことにもって遺憾な話でありまして、これはきちっとすべきではないのか。  例を幾つか私は指摘をいたしましたが、それぞれについてのお考えをお示し願いたい。
  21. 平田辰一郎

    平田説明員 先生の御指摘の四点につきましては「今回の事故に係る日本原子力発電(株)に対する措置」という中で報告書の中でもそれぞれ詳しく述べておるところでございまして、制御機能の一層の向上ということで、タンクドレンタンクのそれぞれの水位のコントロールの問題、それから記録計の問題、それから勤務体制につきましては、新建屋内制御室にすべての制御盤を一括移転する、それから中操のアラームにつきましても、これが外されていたことは非常に問題でございますので、これの復活、それから運転管理上重要な情報は一括して中央制御室においても表示監視できるように見直しを行うというようなことについてもいずれも指摘しておる点でございまして、先生の御指摘のとおりに指導してまいりたいと感じております。
  22. 八木昇

    八木委員 いまのお答えで一応わかりましたけれども、ともかく、あふれ出て床にいっぱいになって、そして今度はサンプピットにたまって、しかもそれがずっと高い、高高というレベルにまでなって初めてアラームが鳴るというようなことは、構造上、設計上、基本的に欠陥だと私は思うのです。少なくともあふれ出たというときアラームが鳴らなければいけない。あふれ出る危険な状態になっておるというときに知らさなければならない。これは単に日本原電だけでなくて、ほかの電力会社の場合もこのようになっておるのかどうか、特にフィルタースラッジ貯蔵タンクやあるいはドレンタンク等には何らのそういう警報装置はないのかどうか、そこら辺も、これは時間がありませんからきょうは答弁は要りませんが、恐らく共通の部分があると思います。これは全面的に検討して対処していただかなければならぬわけでございます。  そこで、問題になっておりますところの、ともかく最終的にはアラームが鳴った、その確認ボタンを押してとめた者がだれかおるわけですね、今度の敦賀の事件で。いまだに一体だれが鳴っておるアラームをとめたのか、そしてその動機理由など、今日に至るも一つもわからないままですか。そんなことで報告を済ますんですか。もしこれが聞き取りやその他で手に負えないというならば、官憲の手によってならば明らかになるはずでございまして、これは一体どうするつもりですか。
  23. 平田辰一郎

    平田説明員 先生指摘の点については、先生指摘のとおり、まだはっきりしないわけでございまして、私どもの立入検査につきましては法律上の制限もございまして、その点までは深く究明できないところでございます。
  24. 八木昇

    八木委員 それでは済まないのですね。本人が隠している、これはもう間違いない。しかも、本人だけが隠しているのか、何か集団的に相はかって隠しておるのか。それを隠すについては、もしそれを明らかにすればその背後にあるいろいろな事柄が、動機理由等々がどんどん出る、だから本人は私ですと言いたくても言えないというようなことなのかもわからないし、そうであろうと推定もされるわけでございまして、ですから、後の質問とかかわるのですが、これは刑事的な手段によらなければ明らかにならないのじゃございませんか。どうです。
  25. 平田辰一郎

    平田説明員 私ども調査につきましては、原子炉等規制法及び電気事業法に関連しましての調査を行ったわけでございまして、先生の御指摘の点につきましてまで踏み込むことはないというふうに考えております。  それから、今回の事態になりました原因についての究明、それから今後の対策につきましては、十分検討いたしまして、今後の対策の中で十分対処できるように措置しているところでございます。
  26. 八木昇

    八木委員 これは大臣まで煩わせるかどうか、局長お答えになるか、科学技術庁の方はいまのようなことでいいのですかね。どうです。それは原子力安全委員会か何かが乗り出してでも、徹底的に究明すべきじゃないですか。個人がとめたどうこうということのその行為自体、その個人を責めるということよりも、やはり背後にこれは許しがたい運営のやり方がある、重大な問題がそこにひそんでいると考えるから言っておるのです。
  27. 赤羽信久

    赤羽政府委員 今度の事故究明、それからそれに対する対策というのを、安全委員会は非常に時間をかけて議論いたしたわけでございます。そのときに、問題点として指摘し、かつ整理する考え方、いろいろございますけれども、やはり多重防護系を追って、それがどこまで破られたか、それを破られないようにするにはどうしたらいいかという議論があったわけでございまして、先ほどから先生指摘のように、タンクの方のアラーム、それからそれの警報が中操にまで行っているいない、そういう問題について議論が出まして、リセットボタンを押したのがだれであるかということにはそう議論は集中しておりませんでした。と申しますのは、多重系でございますから、そういうところで間違いが仮にあっても、別のところで発見されるというのが本来あるべき姿でございます。そういう形をしっかりするという方に議論が集中したわけでございます。  なお、発電所についてそういう妨害行為的なことが起こるのをどうやって防ぐかというのはまた別の問題でございまして、中での管理装置多重防護によってしっかり守られている、あるいはクロスチェックがされているという形で破壊行為は防げるということをあわせて考えながら、これは意識的な破壊行為であろうと、あるいはたまたま勘違いによる誤操作であろうと、やはりチェックできるというのが基本でございますので、その観点でむしろ議論が進められているわけでございます。したがって、今回特にだれがやったということにはそれほど重点を置いた議論はされていないのが現状でございます。
  28. 八木昇

    八木委員 どうもその答弁は要領を得ないのですが、だれがやったか、その本人を突きとめるということそれ自体よりも、どういうことでそういうことをやったことになったのか、とめるような行為をするようなことになったのかということの方に非常に重大な点があるので聞いたわけで、これはやはり今後とも明らかにしてもらわなければならぬというふうに思います。  そこで、もう先に進みますが、かねて廃棄物の量と放射能レベルの把握が一体どれだけ通産当局としてできていたのかということについて、大いに疑問があるわけでございますが、今日ではすでにそれはわかっておると思いますので、お答えをいただきたいと思います。  敦賀原子力発電所には、中レベルの廃棄物がそれぞれの貯蔵タンクに何%までたまっておるのか、全体として何キロリッターたまっているのか、そして、それぞれのタンクの放射能の種類とレベル、これはわかっておりますか。
  29. 平田辰一郎

    平田説明員 敦賀発電所で発生いたします放射性廃棄物は、固体廃棄物貯蔵庫及び廃棄物処理建屋内の貯蔵タンク内に保管されております。  五十五年三月末の放射性廃棄物の種類ごとの保管量については次のとおりでございます。  濃縮廃液のセメント固化体、これは二百リットルのドラムかんでございますが、全部で四千四百四十九本でございます。それから濃縮廃液のアスファルト固化体、二百リットルドラムかんでございますが、これは百二十本でございます。それから雑固体、二百リットルドラムかんに入れたものでございますが、これが一万三千三百七十九本でございまして、これには焼却可能なドラムかん約五千本を含んでおります。それからイオン交換樹脂は全部で八十六立方メーター、すべてタンクに貯蔵しております。それからフィルタースラッジが四百五十立方メーター、すべてタンクに貯蔵しております。さらに大型異型廃棄物が全部で四百六十九個ございます。これはドラムかん千八百七十六本に相当いたします。  なお、焼却炉による焼却灰は焼却炉建屋内の一時貯蔵室に貯蔵保管されておりますので、雑固体の集計には含まれておりません。その数は五十五年九月末で八十二本になります。  以上でございます。
  30. 八木昇

    八木委員 私がお聞きをしておりますのは、敦賀原電に、たとえばいまのフィルタースラッジ貯蔵タンクがABCD、そして新建屋に今度Eというのができておるわけですね。それぞれのタンクの容量、そしてそれに一体何%たまっておるのか、そしてそれぞれのタンクの放射能の種類とレベル、これを端的にお答え願いたいと思っておるわけです。
  31. 平田辰一郎

    平田説明員 放射能の強さにつきましては、貯蔵過程でございますので正確に申し上げられませんが、タンクの容量につきましては申し上げます。  フィルタースラッジタンクは廃棄物処理建屋内のタンクで、全部で容量といたしまして八百九十五立米でございます。これに対しまして、先ほど申し上げましたように、現在四百五十立米あるということでございます。ですから八百五十九分の四百五十ということでございます。  それから、イオン交換樹脂につきましては、容量は四百四十二立米ございまして、これは廃棄物処理建屋内のタンクにございます。現在たまっている量が八十六立米でございますから、四百四十二分の八十六でございます。  それから、濃縮廃液の固化体及び雑固体につきましては、固体廃棄物貯蔵庫に保管いたしますが、この容量は二百リットルドラムかんで約四万四千本貯蔵できる容量になっております。さらに雑固体で五千本が焼却可能でございます。  それから、大型異型廃棄物につきましては、固体廃棄物貯蔵庫に貯蔵しておりまして、照射金属片につきましてはサイトバンカーに貯蔵しております。  以上でございます。
  32. 八木昇

    八木委員 詳細は資料として後日出していただきたいと思いますが、ただ私が一番疑問に思います点は、敦賀の場合、運転開始してまだ満十一年を経過したばかりですね。当初処理建屋には、たとえばスラッジ貯蔵タンクというのは二つつくってあっただけなんですね。それを今度は建て増しをして、さらに二つタンクをつくった。そしてさらに建て増しをして、もっと大きなタンクをもう一つつくったという経過になっておりますね。ということは、特に中レベル廃棄物というのは持っていくところがない。それで予想以上にどんどんどんどんこれがたまってくる。だから増設、増設、増設、こういうことになってきておるのではないか。だとすれば、今後もし仮にあと二十年間、この敦賀原発が運転を継続するとするならば、さらにその状態が継続する。それで各原発においてもそのような状態ではないのか、それは問題じゃないかという観点から聞いておるわけですから、その辺の事情、そういうものをお答えいただきたい。
  33. 逢坂国一

    ○逢坂説明員 フィルタースラッジタンクにつきまして先生指摘の点について御説明いたしますが、昭和四十六年に増設の申請がございました。それは現在問題となっておりますC、Dのタンクでございますが、これにつきましては、当初予定された量よりもフィルタースラッジ量が多かったということでございまして、そのときの申請によりますと、特に多くなっておりますのが機器ドレンフィルターと床ドレンフィルター関係というふうになっております。この増設はC、Dにつきまして行いまして、その後Eというタンクがあるわけでございますが、その後の増加の状況は、先ほどの量の説明のとおりでございまして、特別足りなくてどんどん増設しなければならないというようなたまり方ではないように私どもは見ております。
  34. 八木昇

    八木委員 それでは問題を変えますが、さっき私がちょっと申し上げた、六年前にも大きな事故があっていたということが明らかになったわけでございます。その事故につきましては、五月十四日のNHKで私は初めてそれを聞いたのでございます。地下にあるところの濃縮廃液貯蔵タンクからのパイプに腐食があって、そして大量に廃液が漏れた、それで数カ月間それが放置されておって、それが一、二センチの高さに床に固まっていた、それでそれを排除する作業をやった、そして相当の被曝が出たというこの出来事でございますが、これはNHKが報道した五月十四日以前に、通産省はすでに御承知になっていたのでありましょうか。あるいはそういう報道がなされてから問い合わせをして、そしてその事実が明らかになったのでございましょうか。
  35. 平田辰一郎

    平田説明員 先生指摘の昭和五十年一月ごろの事故につきましては、当省はNHKの報道によって知り得たものでございます。  当省としましては、本件を含む原電における過去の事故、故障については、同社からの、総点検指示に基づく結果報告を踏まえて今後所要の対策を検討してまいりたいと考えております。
  36. 八木昇

    八木委員 私もそう思ったんですよね。NHKの報道の仕方が、NHKみずからの調査でこのようなことが新たに明らかになったという報道の仕方でございますから。そして翌日十五日の朝刊に各新聞は一斉に載せたわけでございます。それまで通産省は知らなかったわけですね。  すると、これまでに一体何の調査をやったのですか。これまでにもそういうような事故隠しがないかどうかということを調査をしたわけでしょう。そして、それぞれのいろいろな書類等も四年ぐらい前までにさかのぼって調べられたかもしらぬけれども、原電に対して聞き取り調査はなさったわけで、過去においてもこういういわゆる廃液漏れというような大きな事故はなかったかということを原電に対して調査をされたはずでありまして、隠しておったわけですね。五月十四日に至るも隠していた。これは通産省は全くばかにされておるし、こけにされておるのではないですか。いかがです。
  37. 平田辰一郎

    平田説明員 本件につきましては、先ほど申し上げましたようにNHKの報道によって知り得たものでございますけれども、実は、今回の二回の立入検査は、給水加熱器とそれから一般排水路の放射能漏れについての立ち入り調査でございまして、その過程で、実は四月二十五日にある新聞に、新廃棄物処理建屋におきまして濃縮廃液貯蔵タンク事故があったという件が報道されました。この件につきましては、その段階までは当省に報告されていなかったわけでございます。このため、私どもといたしましては、去る四月十日原電に対し原電の保安管理体制に関する総点検を指示しており、この結果の報告の中で過去の事故、故障等で当庁に対し報告してない事実についても調査し、報告するように、この事実がわかりました四月二十五日の時点で原電に指示をいたしまして、総点検結果の中で、過去の一切合財の事故についてさかのぼれるだけさかのぼって報告するように指示しているところでございます。
  38. 八木昇

    八木委員 ですから、これはもうだまし続けたということですな、五十年のその事故についても。この報告書に書いてありますよね。過去にもそういう事故はなかったかということについてずっと調査をした。それで、とうとうこれだけの大問題になって以後の通産省調査に対しても、五十年のこの大きな事故については隠しておったというわけですね。これはもうきわめて許しがたい。事故発生後のその後においても、何らの反省が日本原電にはないということなんですよ。  それで、先へ進みますが、私がこの委員会で一番最初に質問をいたしました、いわゆるセシウムが三つのマンホールから検出された件、これについては、この報告は一切触れておりませんね。どういう結論になったのでございますか。  私が申し上げるまでもないのですけれども、いまの処理建屋から下へ液が漏れた。そして、その下に旧マンホールがあって、そこへ漏れていった。そして、それに一番近いナンバー2マンホールにおいて最も高い値の放射能が検出され、そして、ナンバー3が少し低いのですけれども、ナンバー4と漸次下流へ向かって幾らかずつ放射能の検出数値が低いという形になっている。そういうこと等々から、結局原因を三月八日のオーバーフローに求めたというのがこの報告書になっておるのですけれども、いわゆるMH9というマンホールですね、おたくの方で言われるDポイント、それからナンバー1のマンホール、通産省で言われる。Lポイント、それからMH6マンホール、おたくで言われるEポイント、この三つから、コバルト、マンガンのほかにセシウムが検出をされておる。これは一体どういうことによるのかということについて、何ら報告書について見解等も示されておりません。まあ、私が申し上げるまでもございませんが、いまの、地下へしみ出ていったという、それがナンバー2マンホールに入った、すると、ナンバー2、ナンバー3と行くわけで、上流の方のナンバー1のマンホールからセシウムが出ておるわけですね。そして、いわゆる一般排水路の海へ出る出口に一番近い二つの、私が申し上げたMH9、それからMH6、これからセシウムが出ておるわけです。これはだれがどう考えましても別の排水である。この前質問をいたしましたときには、セシウムについては半減期が長いので、過去においてのものが残っておるのかもしれない云々、こうおっしゃるのですけれども、もともとこの敦賀は十一年しか運転をしていないのですから、十一年以内の過去において、別の一般排水路への廃液漏れということがあったということはお認めになっておるのですか、どうですか。報告書では全然触れられていない。
  39. 平田辰一郎

    平田説明員 一般排水路の各マンホール内の堆積土砂の放射能濃度につきましては、いずれの核種もナンバー1とナンバー2の間のジャンクションボックスにおいて最も多く、下流方向に向かうに従って次第に減少する傾向を有しておりますので、ジャンクションボックスに混入した放射性物質が、雨水等に希釈されて一般排水路を流下したものと考えられます。  なお、流路に沿って濃度に変動のあるのは、流路構成水の流れぐあい、及び土砂の粒度等のばらつきによるものと考えております。土砂の粒度が影響しますのは、吸着等の影響でございます。  また、各マンホールにおける核種の存在比はほぼ一定していることから、各マンホールに存在する放射能は、同一の事故による漏洩によるものと考えております。  なお、オーバーフロー水は現在保管されていないため、フィルラースラッジ貯蔵タンク室のサンプにたまっている水から当時の水を想定いたしましたけれども、サンプ水の核種分析の結果は、コバルト60が1.07×10マイナス2乗μCi/cc、マンガン54が2.50×10マイナス3乗μCi/cc、セシウム137が2.47×10マイナス5乗μCi/ccとなっておりまして、セシウムは微量であるがこれに含まれております。
  40. 八木昇

    八木委員 再び時間を費やして論争する時間がきょうはないので残念なんですけれども、いわゆる一番下流、そして海への出口に一番近い二つのマンホールからセシウムが出ているわけですね。そして、その割合は、コバルトの数値が七十というのに対して、セシウムが三十五、その二分の一の比率でセシウムが出ておるわけですね。いまのお話では、ほかのナンバー2マンホールやその他というのは、コバルトは九千何百という数値が出ておるのに対して、二とか三とかのセシウムしか出ていないというわけなんです。それで、現地発電所に行って私、質問をしてみたのですけれども、通常ここの原子力発電所においては、いわゆる放射能の比率は、コバルトが一〇〇という数値が出る場合には、マンガンは二〇ないし二五、セシウムは大体一、こういうことであるということを、現地発電所長が答えております。それから見ましても、今度のものではありませんね。  それで、今度の三月八日の場合、そのあふれ出たところの水には、どういう核種のものがどの程度の数値あったかということは、この報告書に類推して書いてありますね。それでセシウムというのは、今度のオーバーフローの場合、ほとんど問題になっておりませんね。そうでしょう。  それから、私はもう一つ、三月八日のオーバーフローがありました際に、原電事業という請負会社に、敦賀原発の保修課長が除染指示書を出しております。その指示書の写してございますが、これを見ますというと、汚染発生の日時が昭和五十六年三月八日の十一時、除染完了希望月日が五十六年三月二十五日十七時、汚染原因が、こういうオーバーフロー、こう書いてあります。汚染状況もずっと書いてございます。そうして、指示事項として核種、いわゆるこの汚染された液の中に含まれておる核種は、コバルト60とマンガン54の二つだけ書いてある。でありますから、三月八日のオーバーフローによるものとは違うのでしょう、いまの下流の二つのマンホールとナンバー1マンホールとでは。そうじゃありませんか。
  41. 平田辰一郎

    平田説明員 先生指摘の点につきましては、先ほど申し上げましたように、三月八日にオーバーフローいたしました水は現在もう流れ去っておりますから保管されておりませんが、これと類似の水がフィルタースラッジ貯蔵タンク室のサンプにたまっているわけでございまして、この水には、先ほど申し上げましたように、微量ではございますが、セシウム137が2.47×10マイナス5乗μCi/ccということで含まれておりまして、存在比におきましては、コバルト60が1×10マイナス2乗μCi/cc、マンガン54が2.5×10マイナス3乗μCi/ccということで比率に差がございますが、含まれております。  それで、このような場合につきましては、いろいろ微量分析する場合に、物理学的な言葉で申し上げますと、コンプトン散乱ということを起こしまして——非常に薄いセシウム137につきましては検出限界以下になってしまいますので、簡単な測定ではできません。これを測定する場合には、あらかじめコバルト60及びマンガン54を化学的分析によって取り除きまして、セシウム137だけを裸にいたしましてセシウム137の濃度をはかるというやり方を手法的にやっております。このような微量分析をしますと、実はいずれのマンホールにおきましても、セシウム137が微量ではございますが発見されているわけでございます。  四月十八日における一般排水路内の堆積土砂の放射能測定結果は、汚染経路を追跡するために急遽調査したものでございまして、測定方法及び分析手法に不十分な点があって、セシウムの存在につきばらつきが見られたわけでございますが、その後、念のために行いました詳細調査では、四月十八日の調査ではセシウムが検出されなかったマンホールにおいても、いずれもセシウムが発見されております。  その結果は、各マンホールにおけるコバルト60、マンガン54及びセシウム137の存在比がほぼ一定していることから、各マンホールの放射能も同一の期限を有しているもの、先ほどサンプ水のサンプルのことを申し上げましたが、これがそのまま流れていたと推定して差し支えないものと私ども考えているわけでございます。
  42. 八木昇

    八木委員 それはもう全然納得できませんね。おたくがつくられたこの報告書の三十二ページにちゃんと書いてございますね。サンプ水を分析した、そうして当時オーバーフローをしたところの廃液に含まれておる核種並びにその強さといいますか濃度、そういうものを類推した。これによりますと、コバルト60、マンガン54、これに対しましてセシウムはやはり百分の一ですね。セシウムは百分の一でしょう。そうすると、いま申し上げました二つのマンホールにおいては、このコバルトの半分、二分の一のセシウムが出ておるわけですね。いまのような説明では全然これは納得ができません。  時間が参りましたのでやむを得ませんが、そこで、そういうことをきちっと知るためには、やはり私ども調査団が現地に参りました際に、それぞれのマンホールについて私どもがサンプリングをしたい——私が指摘しておりました、たとえばストロンチウムとかヨードとかの検出結果というものがまだ示されておりませんから、そうすると、これからもちゃんと検出をしますと、いま問題の三つのマンホールからは、セシウムのほかに相当の量のストロンチウムやヨードが出てくるということも考えられるわけです。そうすると私ども指摘した点が具体的に明らかになりますから、そのサンプリングをすることを要請しまして、現地に参っておりましたところの取締役が了承をしました。そうして現地の専門の従業員にサンプリングをしてもらって、調査団の一員である国会議員が封印をして、法的にちゃんと手続に従って私どもが指名しますところの研究所に送ってもらうようにしたのですが、その後私文書で、お渡しすることができないという文書が来たわけでございます、公式の原電の文書じゃございません、その常務さんの私文書が。このサンプリングしたものを渡してはならぬとか、その他何か通産省が指示をしたのですか、通産省は何らそのことについてはかかわっていないのですか。
  43. 平田辰一郎

    平田説明員 本件につきましては、当省としては関知しておりません。基本的には当事者間の問題と考えております。
  44. 八木昇

    八木委員 わかりました。では、最後に質問をいたします。  今回のこの通産省報告書の「はじめに」のところの(2)ですね、「五十六年一月に二回にわたり第四給水加熱器胴側でドレン水漏れが発生した事象については、」「当庁に対して報告を怠ったうえ、保修工事に関し適切な施工を欠き、かつ、所要の法的手続きを行わなかった」云々、こういうふうに書いてございますね。「所要の法的手続きを行わなかった」ということは、法令違反をやったということでしょう。しかるに、そのように真正面からこの報告書の中で、「はじめに」という項目のところ、すなわちページ数で言えば一ページに指摘しておきながら、そういう法的なる手続をしなかったということについて刑事告発をやっていない。そうして処分は、単に保安規定に違反した、適切なる保安行為をやらなかったという保安規定違反としての行政処分のみにしておるというのは一体どういうわけですか。法に違反をしているということは認めておるのでしょう。認めておる以上は刑事訴訟法第二百三十九条によって「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」、「告発をしなければならない。」でしょう。行政処分にするか、刑事告発をやるか、二者択一、どちらかをとるというのじゃないのでありまして、どちらもやるべきでしょう。これはあなた方よりも上の方がけしからぬのでありまして、その上の方の人に言わなければならぬことですけれども、どうなのですか。
  45. 平田辰一郎

    平田説明員 今回の一連の事故につきましては総合的評価を行いましたが、今回の事故に関する最大の問題は、原電のきわめてずさんな報告、保安管理体制及びこれに起因する事故対応に誤りがあったことにあると考えております。たとえば溶接検査を受けずに溶接を行うことなど法令に違反する疑いのある事実は発生しておりますが、これにつきましては告発という手段に訴えることもさることながら、このような事実のよって来るところは、すなわち会社のずさんな保安管理体制、事故対応の誤りに着目し、厳しい行政上の措置により対処することが最も適当な方法ではないかと考えたわけでございます。
  46. 八木昇

    八木委員 私の聞いたことに答えていないので、全然答弁になっておらぬですね。私が言っているのは、いわゆる事故報告をやらなかったという事故隠しのことはもう一応私はさておいているわけですよ。それは一応おいて、給水加熱器や廃液貯蔵タンクの無断溶接修理、これはどこをどう法律を読んでみても、それから省令、規則を読んでみても、電気事業法四十六条違反、そうしてこれに基づくところの省令違反でしょう。だから冒頭にそれを指摘しているわけでしょう。無断で溶接修理をしてはならぬのでしょう。そうして、溶接修理をしたところのものは、これを運転するについては通産大臣の検査を受け、合格した後でなければ、その溶接をした機器は使用してはならないのでしょう。だから、あなたは明瞭に指摘しているのでしょう。第四給水加熱器の問題について、法令に違反する行為をしておるということはけしからぬということを冒頭に指摘をしておる。少なくともこの件に関しては電気事業法四十六条違反——四十六条違反は百十九条で十万円以下の罰金に処せられるわけでございますから、電気事業法四十六条違反ということをお認めになっているのですか。お認めになっているのでしょう、認めていると書いてあるのですから。
  47. 平田辰一郎

    平田説明員 少なくとも、第四給水加熱器のひび割れ部に対する溶接について、溶接検査を受けずに使用した点につきましては、電気事業法第四十六条の違反の疑いがあると申しておるわけでございます。
  48. 八木昇

    八木委員 それならば、あなたはどうして告発しないのですか。その理由を言ってください。後の扱いは検察当局並びに裁判所が判定することです。
  49. 平田辰一郎

    平田説明員 刑事訴訟法第二百三十九条第二項の公務員の告発に関しましては、私どもは行政目的を達成すれば、あえて司法制裁に当たる告発をする必要はないと解しているわけでございます。
  50. 八木昇

    八木委員 これはあなたに言っても無理な話でしょうから、きょうはこれでやめますけれども、全然答弁になっていませんね。別の理由があるというふうにしか考えられません。いずれまた、こういう問題についてはこれはどうせずっと長期に問題になる点でございますから、機会を見て通産当局のもっと責任ある方々に問いただすことにしまして、きょうはこれで終わります。
  51. 中村弘海

    中村委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十八分休憩      ————◇—————     午後一時四分開議
  52. 中村弘海

    中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。関晴正君。
  53. 関晴正

    ○関委員 中川長官には、再々わが青森県においでになられまして、原子力船「むつ」の問題で一つの線をお出しになったようであります。私は、このことについて一時間ほど御質問申し上げたいと思うのです。  実は、質問に入る前に、報道によりますと、長官は、さきの閣議の席上、日米合同委員会が合同演習を中止するという際に当たって、漁民の網を切ったぐらいで演習をやめるという国はどこにある、こう言ってお怒りになったと書かれているわけなのですが、私は、漁民を守る立場からいって大事な役を今日まで果たしてきた中川長官の言葉にしては、これは何たることだろうということを非常に強く受けたわけなのですが、この際、どうしてそんなお話をなされたのか意のあるところを、また、間違って伝えられているとするならば正しく示していただきたいものだ、こうも思いますので、その点について先にお尋ねしておきたいと思います。
  54. 中川一郎

    中川国務大臣 さきの閣議で日米合同演習の中止について発言したことは事実ですが、いま関委員が言ったようなことは、これは正確でありません。新聞も調べてみたのですが、関委員の言ったようなことは言っておりません。大事なところは、漁網を切ったぐらいで演習をやめるとはという「ぐらいで」などという言葉は一つも使っておりません。これは関委員も新聞を見ていただけばわかるように、切ったということで演習を中止した国がほかにあるでありましょうか、御参考までに私の判断材料としてお教え願いたい、こう申しただけでございます。  これは、演習も大事ですから、演習をやめる例としてそういうものがあるか参考までに聞いただけで、漁民のことを「ぐらいで」という認識は持っておりません。だれよりもだれよりも水産を愛する私でございますから、「ぐらいで」という言葉をつけるとつけないとでは大変な違いですから、どうか関委員も、新聞記事、報道、どこにあるのか、そこに「ぐらいで」ということがあったら御指摘を願いたい。ないのに、公の席上、地元に行って、あの大臣は「ぐらいで」というような認識であるなどというような誤った使い方は迷惑千万であって、言葉は十分慎重に正しく伝えていただきたい、むしろ私から抗議を申し上げます。
  55. 関晴正

    ○関委員 実は「ぐらい」がついておったのじゃないという御答弁であったとするならば、それはそれで——それでも漁網を切断するような事態を招いている軽率な一つの演習であった、こう思うのです。ですから、そういうような演習は当然中止されるべきものだ。しかし、長官は、そういう切断で中止をする国がどこにあるかということは、裏を返せば、そのくらいではやめぬでもいいのだ、もっとやれ、こういう御意思であったのじゃないですか。
  56. 中川一郎

    中川国務大臣 そんな思想はどこにもないですよ。そういうふうにすりかえてもらったら困る。漁民のことも考えなければいけないけれども、そういうことでやめている国がありますかと単純に聞いただけであって、やめたことはけしからぬなどと一言も言っていないのです。それをすぐけしからぬというふうに結びつけられることは迷惑千万であり、私自身の漁民を愛する気持ちを逆なでするものであると、怒りを込めて訂正を求めさせていただきます。
  57. 関晴正

    ○関委員 閣議で話をしたことですから、また責任のある大臣としての発言であるだけに、漁民を愛する方だったと思うのだが、場所が変われば漁民もへったくれもあったものじゃない、演習に突き進め、こういうような勇猛な精神の持ち主なのだろうな、こう思ったわけでありまして、そのことについて、長官みずからだれよりも漁民を愛するのだ、こうお話しになっておりますから、どうぞひとつ今後とも漁民を愛する立場に立って、誤解を招くようなことのない御発言であっていただきたい、こういうことを申し上げて、次に入りたいと思います。  長官はわが青森県に参りまして、そうして関根の浜を母港として打ち出していかれたわけであります。このことについては、四月十二日に青森県に参りました際に、大湊の母港は移す、そうして外海にする、外の海に移す、その場合に、外の海は青森県の外の海に移す、こう言われておりまして、私から、何も青森県の外海と限定せぬでもいいじゃないか、と。その際のお答えの中に、青森県の知事を初めとして地元の方々が要望するものだから、こうお答えになったわけです。私は、今度の関根の浜にしぼりまして長官が打ち出したということには、それ相当の理由があってのことだろう、こう思います。そういう意味で、まずどうしてここの浜を選んだのか、その理由についてお聞かせいただきたいと思います。
  58. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 四月十日から十二日まで長官が青森県を御訪問なさって、地元の方々といろいろなお話をしたわけでございます。その過程におきまして、陸奥湾内については、漁業者の方々の御意向として、湾内ではどうしても困るのだ、しかし湾外であればという御感触があったこと、また知事さんから、県民の中には外港であれば、外洋であればという意向が相当強いというお話もあったわけでございます。そういうことを踏まえられまして、青森県内の外洋にという判断が出てきたわけでございます。また、従来四者協定のいきさつ等も踏まえまして、それぞれの立場で苦労してこられた方の立場あるいはお気持ちというものも十分尊重してほしいという御意見もございました。そういった情勢を踏まえられまして、青森県連という一つの組織から、関根浜の海岸を対象に考えてほしいという御意見もございました。そういうことを総合判断いたしまして、関根浜という名前が上がってきた、こういう経過でございます。
  59. 関晴正

    ○関委員 自民党の青森県連の方から関根の浜をという御要望があった。この自民党の青森県連は、どんな理由で、またどんな資料を持って関根の浜をというふうにお話しになったのでございましょうか。
  60. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 自民党の青森県連とされましては、この「むつ」母港問題、大湊の再母港要請以来の経過あるいは地元の諸情勢を総合的に勘案された結果、県連独自の御判断として意見を述べられたものと承知をいたしております。
  61. 関晴正

    ○関委員 私は、その自民党の県連があなた方に納得させるためにどういう資料を持ってきたのかと聞いておるのです。ただ言葉の上で関根の浜にしてくれと言ったのか、それとも、しかじかかくかくのよき港であるからここにしていただきたいという資料添付でお願いしたのか、そこを聞いておるわけです。
  62. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 口頭での御説明はございましたが、資料はいただいておりません。
  63. 関晴正

    ○関委員 何らの資料の提示もなくて、この浜にしてくれということに、あなた方の方は乗ったのですか。
  64. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 乗ったということではございませんで、御意見を尊重し、また、ありがたくその御意見をとらせていただいたということでございます。
  65. 関晴正

    ○関委員 この港のどこがいいのです。この港を選定するに当たって、この港が非常にいいという、何か選定の理由はありますか。
  66. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 港と申しますよりも、いまのところ何もないわけでございますが、新たに港の場所を選んでいくわけでございますけれども、この場合に、やはり自然条件及び社会条件が非常に大事だと考えております。そして、基本的な考え方といたしましては、今日、社会条件、地元の御納得がいただけるということが非常に重要なファクターであると考えているわけでございます。そういう意味では、地元の諸情勢を総合的に判断された県連の御判断というものは非常に重要なものだというふうに私ども受けとめているわけでございます。
  67. 関晴正

    ○関委員 原子力船の定係港を定めるに当たって、そこが適地であるか不適地であるかということの要素というのは、私は、非常に大きな部面を占めなければならない、こう思うのです。それで、先般の運輸委員会において聞きましたときにも、選定の理由は、自然的条件よりも社会的条件が主であるというお答えがあったわけです。しかし、私は、社会的条件だけで事を決めるというわけにいかない性格のものだと思いますから、やはりここも母港としての適地である、こういう一つの見解がなければならないだろうと思う。そういう意味においては、適地であろうと不適地であろうと、自民党県連がここにと言ったのだからそこにしたのだ、どんな障害があろうとも、しゃにむにやるのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  68. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 少なくとも社会的条件については、先ほど答弁申し上げたとおりでございます。  また、自然条件につきまして、若干の専門家の意見等もわれわれ求めたわけでございますが、今日の港湾技術をもってすれば特に問題はないと思うという意見を聞きましたので、そういう意味でも、それなりの判断をしたつもりでございます。
  69. 関晴正

    ○関委員 専門的立場の方からの御意見を聞いたと言うのですが、どなたにお聞きになったのです。そうして、どなたがどういう調査をしてそういうお話をされたのです。具体的に答えてください。
  70. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 事業団が、港湾関係のコンサルタントに依頼して判断してもらったというふうに聞いております。
  71. 関晴正

    ○関委員 コンサルタントはどなたです。そうして、それの問うたのと答えたのと、時点と内容について答えてください。
  72. 倉本昌昭

    倉本参考人 関根浜につきましては、ここに港がつくれるかどうかということにつきましては、具体的にこれから港をつくることについては今後の調査によるわけでございますけれども、現在までに津軽海峡に面したところにございます尻屋崎港あるいは大間の港、またそれらに関連をいたしまして、その津軽海峡におきます気象、海象等の状況等についての、いままでにいろいろ発表になっております気象関係のデータあるいは海洋関係の資料等によりまして、この関根浜地区に港を建設することは可能であるという判断を一応私どもの方としても下しておるわけでございますが、なお、私どもの方には港湾関係の専門家も現在おりませんので、前におりました人間あるいはまた港湾局関係、またそのコンサルタントと申しますか、そういうような関係の方々等の御意見を一応聞き、またそれらの方々にこの地区等の状況等について、具体的にはこの調査現地についてやってみなければはっきりした最終的なところはわからないけれども、現在までの状況からの判断において、現地に港をつくるということは可能だというような判断を一応私どもとしては下しておるわけでございます。
  73. 関晴正

    ○関委員 いつの日に関根浜をひとつ調べてもらって、それについての御意見を出してくれというお話をしたかということです。そして、そのコンサルタントの側の責任者はどなたで、専門家として、それについてかようなものがございますと言っていつの日にお答えになられたのか、そこを聞いているわけです。
  74. 倉本昌昭

    倉本参考人 いつの日にどなたに御意見を求めたかということにつきましては、ただいま私は逐一覚えておらないのでございます。細かい具体的な日にち等については現在私自身は覚えておりませんので、ただいまもお答えすることはできないのでございますけれども、一人でなしに何人かの方々にお伺いをいたしたということでございまして、それも、こういうような関根浜にするかどうかということについてその時点でははっきりした状況もないような段階でもございましたので、個人的にいろいろお伺いをしたりしたものも一応ございますものですから、これらの細かい点についてに現在ちょっとお答えできないわけでございます。
  75. 関晴正

    ○関委員 細かいなんという問題じゃないですよ、あなた。長官、これはあなたが青森県に来て、四月十二日に、大湊から撤去する、切なる漁民の強い要望に従って大湊は引き揚げる、おれはわかった、そこで初めて外海に移すという方針を出したわけですよね。それから一カ月たった五月十二日に関根の浜と打ち出したのです。この一カ月の間に関根の浜とお決めになったのですから、それ相応の事情があって決めたろうと思うのです。しかも局長は、コンサルタントや専門家から聞いてやったと言う。いつ聞いたかと聞いておる。そうして、聞かれた方々が何と答えたかと聞いている。そういう資料なしに、ここにするとかここを調査するとかということになるはずのものじゃないでしょう。細かいことじゃありませんよ。いつ、だれに、どこの見解としてこれのこうこうこういうものが上がってきてしかるべきでしょう。ないのですか、あるのですか、具体的に答えてください。長官だって、なくてやったのじゃないでしょう、あってやったのでしょう。
  76. 中川一郎

    中川国務大臣 この港湾の問題は科学技術庁の責任所掌ではありませんで、運輸省がその方面についての技術的な責任を持っておるわけでございます。ですから、運輸大臣も入れまして、関根浜はどうだと言ったら、よかろう、担当官とも相談をした結果でしょう。港湾行政に責任ある人がけしからぬと言われればやめますけれども、あなたからだめだと言われてもやめるわけにはまいりません。運輸大臣がそのために入っているわけでございます。
  77. 関晴正

    ○関委員 その運輸大臣は、この間の私のこの質問について答えているのは運輸省側ではないのです、科学技術庁側が答えているのです。こういう港だ、いろいろ欠陥もあると言っていますよ。大変な欠陥もあると言っています。だがしかし、ここに選定するに至った最大の理由というものは、この港というものもある程度は調べて、そうして意見を伺ってやったと思うのです。ところが、やったと私も思うのだけれども、いつ行われたかわからぬのです。ようやむやのうちに、ちょうどいいだろうといったかっこうでこの辺に決められた疑いが非常に強いわけです。ですから、そちらの方でコンサルタントに徴してその結果よしとした、あるいは専門家に徴してその結果よしとした、こういう場合その専門家を明らかにしていただきたいし、そのコンサルタントのチームがあるならばそのチームで結構なんです。所在不明のものが持ち出されて、そうして大臣だけがいいと言ったからいいと言ったというのでは、いいということにはならないでしょう。これでは科学じゃないでしょう。そういう意味ではきちんとしたものがなきゃならない。いいかげんに決めたんじゃないだろうかと言われれば、そうもなるような気がするわけなんです。  もっと正直に言えば、本当は何もないんだ、中川長官が関根浜だ、こう言ったからそうしたんだ、それならばそれでもいいですよ。はっきりどっちか答えてください。日にちがわからないなんていいかげんなことにしないでください。日にちがわからないならば、いつこういう問いを発して、いつこういう答えをもらった、それでもいいのですよ。そんなことは細かいことじゃないですよ。たった一カ月の間によくも関根の浜と打ち出したものだというところに、何と急いで、何とがんばって、これはお調べの上で決めたのだろうな、私はこう思っている。だけれども、関根の浜に来た節もない、お訪ねの節もない、では何を根拠として決めたんだろう、こう思っているわけなんです。そういう点でひとつ確たる根拠なり理由というものを示してほしいわけですよ。何もないんだけれども、何せ名だたる中川長官が関根の浜と言ったから決まったんだというならばそう答えてください。
  78. 倉本昌昭

    倉本参考人 関根浜というところがどういうところであるかということにつきましては、いろいろ新聞紙上等に名前がちらほらと出てまいりました時点におきまして、私どもとしても一応知っておく必要があろうということで、気象のデータ等、また海象等の文献等につきましてはその当事者等にはその時点でいろいろお伺いすることもできませんので、いろいろ公表のデータ等を参考に私どもとして集められるものは一応集めてみたわけでございます。  それからまた、この津軽海峡地域にも一応港湾が建設できるかどうかというようなことにつきましては、港湾関係の専門家の方々等につきまして、私どもの知っておる、個人的に存じ上げている方、また運輸省港湾局の方々、その専門、またそれの関連のOBの方々等もおられますが、これらの方々の御意見等を、また持っておられる知識等をお伺いしたということでございまして、具体的にこれらの方々にいつお話をお伺いしたかという具体的な——先ほど細かいと申し上げましたのは、細かいと言いますより、むしろ具体的な日時等につきましては、私もちょっと記憶、一々覚えておりませんので、先ほどもそういうような御答弁を申し上げたところでございます。
  79. 関晴正

    ○関委員 とにかく四十九年の十月の十四日に四者協定というものを打ち出して、そうして、長い間とにかく外の海を探したはずです。いろいろと外の海を探して、それぞれにランクづけの調査資料があるはずです、あなたの方には。そういうランク資料を見て、そうしてここだと、こう打ち出せばいいと思うのですよ。ところが、どんなにこれまでの調査の中で適地港はどこか、適地はどこかと探してみても、関根の浜はなかったはずです。関根の浜もあったというならば別です。適地の中にここも、候補として関根ということも入っておったことがありましたか。どうです。
  80. 倉本昌昭

    倉本参考人 定係港につきましてのいろいろ調査につきましては、現在既存の港あるいはその港湾の建設計画があるというところにつきまして調査をいたしましたので、関根浜についてはその時点では調査をいたしておりません。
  81. 関晴正

    ○関委員 ただいまお答えのとおりですよね。全然ここは当たってもいないところなのです。ですから、わずかに一カ月の間に当たって、ここの港にするなんということは、少なくとも国の権威ある機関の方針、態度としては、私はとるべきではない、こう思うのだ。  中川長官はとにかく何に基づいて関根の浜と打ち出したのか。中川長官だって、幾ら偉いかもしれぬけれども、関根の浜と打ち出すのにはちゅうちょしたはずですよ。私は、これを打ち出す直前に長官を訪ねて、おやめなさいと言っているのです。そのときに、私が決まったのですかと言ったときに、まだ決まってはいないなとも言っているくらいなんです。私が訪ねる直前に、青森県の自民党の県連の会長と幹事長が行っております。そこに言うた言葉と私に言うた言葉は同じであるかどうかわかりませんが、少なくともまだ決まってはいないと言っておったのです。五月の十二日の日ですよ。ですから、ここを打ち出すに当たっては非常な無理なものがあることを私は重々承知しておったと思います。  しかし、それでもやろうということになれば、やはり科学的な方針というもので、ある程度時間をかけた上で打ち出すべきだと思うのです。何の調査もしないで、そうしてこれまでの資料というものとて何の権威のあるものもない。あんたの方から、何を判断の資料としたか持ってこいと言って、持ってこられたこの資料を見ました。何の資料です、これ。これで判断になるような性質のものじゃなかろうと私は思いますよ。ですから私は、もっと時間をかけて外港の適地を求め、そして打ち出すのが科学的な態度ではないだろうか、こう思うのです。その点、長官どうです。
  82. 中川一郎

    中川国務大臣 関委員御承知のように、港湾を決めるのには自然条件、経済条件、社会条件、いろいろと総合判断しなければならないことは言うに及ばないのです。しかし、「むつ」に限っては、自然条件とか政治経済条件以前に、社会的条件という非常に厳しさがあるのです、これは。いかに経済的に、技術的に、自然的にいいところであっても、社会的条件が整わないから苦労してきたのだ、これはもう御承知のとおりなんです。  そこで、社会的条件が整った関根浜、しかもそこは絶対だめだというのであれば、これはもうやめなければなりませんけれども、日本の港湾技術をもってしてみれば、最適地であるかどうかは別として、克服できる。こう判断をしたから決めたのであって、ただ港湾の技術上、自然条件、経済条件からいってよかったか悪かったかと詰められるような経緯、現状にはないということです。その点はよく御承知だと思いますので、これからも調査して取りかかるわけですから、不適地に何が何でもやるというのじゃなくて、それはベターなものではないかもしれませんけれども、社会的条件を満たす港としては、現段階において、しかも、もっとゆっくりやれと言いますけれども、佐世保の方では早く決めてくれという一方の要請もあるんです。あなたの言うように、やめればいいという考え方ならば、ゆっくりやっていいということはできますけれども、これを継続的にやらなければならない場合には、急がなければならぬという条件もきちっとついているわけですから、ただでたらめにやっているのじゃない。一方八万いろいろ総合的に判断して、「むつ」をしっかり開発したいというぎりぎりの選択をしておることを御理解いただきたいと存じます。
  83. 関晴正

    ○関委員 私は、何も延ばしてゆっくりやれとは言っているのじゃないのです。長官としても、任期もあることだから、あんまり長い任期でもないわけだから、とにかく急がなければならないでしょう。しかし、任期のうちに打ち出すということぐらいは、長官の態度としては私はとっていいと思う。少なくとも四月の十二日に外港へと打ち出した方針、そうして五月十二日に銘柄で関根浜と指定した時点、早過ぎると思うのです、これは。  そこで、私は、何でこんな無理をしなければならなかったのだろうかと考えるときに、これはやっぱり長官もまたいい人になりたいでしょう。鈴木総理も青森県に来て、自民党政経文化パーティーと名づけて花火を上げなきゃならない。その花火にこれを用立てなきゃならない。そうして、花火の日に長官おいでになってやっているわけなんです。なるほどみんなの前でそういうかっこうのいいことをして、とにかく済ませたいかもしれません。しかし、事は重大な母港の問題です。少なくともある程度の調査、ある程度のこれについての話し合い、これはなきゃならないはずですよ、幾ら急ぐと言ったって。その点からいくというと、何の調査もしてないじゃないか。  関根の浜の漁業組合長はもう大変な不満ですよ。長官がおいでになったのだから、長官はきっとおれのところへ来て、ひとつ見ていってくれるであろう、こういう浜だけれども、がんばるからな、ひとつよろしくということぐらいは長官は言っていくであろう。また、五月の十二日に打ち出されたんだから、少なくとも関根の漁協には文書でよろしくお願いしますということぐらいは来るであろう、こう思っておったと言う。何のこともない、何の文書もない。そうして、二十四日の政経文化パーティーに行きたくなかったのだけれども、自民党の諸君は、おまえが行かなきゃならないからって無理やりに車に乗せていった、二万五千円の金はだれが払ったかわからぬけれども行ってきたと言う。じゃ、そのとき、長官はよろしくとあなたに頼んだかと言ったら、なんの、長官はやあって言ったけれども、さほどおれに頼んだ覚えもねえなと、こう言っている。ばか、酒飲む場所で長官だっておまえに頼むわけねえじゃないか、パーティーだもの。パーティーで、おまえのところを母港にしてくれ、よろしくなんという話なんか出せるものじゃないよ、こう私もまた思うわけ。ですから、パーティーになる前にあるいは終わった翌日でもいいですよ、長官、関根の浜を訪ねて、せっかく来たんだから、なるほどいい浜だといって太鼓判押せるようなものだったよ、関君、こうきょうでも答えられるように支度してきたらよかったと思う。ここの漁業協同組合長は、おれに何のお話もないんだ、青森県の知事とむつの市長からは、十二日に政府の方針としてこう出たから承知をしておけといって連絡は来た、青森のホテルに呼ばれて、こうなったからよろしくという報告は受けた、ひとつそういうことで協力してくれとか、そういうことでいくから御了解くださいということは何にもなかった、こう言っているのです。  そうなりますと、あなた方の決め方というのは余りにも高圧的じゃないでしょうか。そこに人が住んでいないから、住んでいるとしてもきわめて少数の漁民だから、放射線の漏れがあってみたところで被害も大したこともあるまい、こう思ってお決めになっているかもしれません。だがしかし、そこに住んでいる人たちにも人権がありますよ。おれたちの漁業はどうなるのだろうと心配がありますよ。せっかく協力しようと思っていても、長官は漁連の会長の方にはぺこぺこごあいさつしておったようだけれども、おれの方には何にも、やあという程度のものだった、こう言っているのです。長官が行かなければ行かなくてもいい、局長でもおいでになりましたか、あるいは原子力船事業団の方でもおいでになりましたか。そこを決めるというんだもの、そこを決めるところの一番の影響を受けるところの漁業協同組合、漁港もあるんですもの、その方が何とおっしゃっておるか、そのくらいのことはとってきてなければならないでしょう。おいでになられましたか、とってきましたか。かわりの者が会ったというなら、何と答えていましたか、お知らせください。
  84. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 二十四日の共同声明を受けまして、なるべく早く私どももお願いに参上いたしたいということで、目下県の方でそのアレンジ方をお願いしているわけでございまして、一日も早くごあいさつまたお願いに上がりたい、こういうことで今日まで推移しているわけでございます。したがいまして、今日までのところ私どもまだ参上いたしていないわけでございます。
  85. 関晴正

    ○関委員 日本の政治の中で、戦後、物を決めるときに最も関係の深いところに何の話もしないで物を決めるという例はほかにもありましたか。また、そういう態度でいいと思っていますか。
  86. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 でき得るならば事前にいろいろ御相談すべきであろうということはわかっているつもりでございますが、今日までの経過でそういうチャンスを探し得なかったわけでございまして、今後できるだけ早く、遅まきながら御相談に参上いたしたい、こういうつもりでいるところでございます。
  87. 関晴正

    ○関委員 長官、こういうかっこうでよろしいですか。軽率だと思いませんか。お答えください。
  88. 中川一郎

    中川国務大臣 物の決めようにはいろいろあろうと思います。五者の間で話し合う前に決めるという方法もあれば、五者で長年話し合ってきたことですから、五者の間で関根浜がよかろう、こういう合意を得てから話すのも一つの道であって、あながちこういうやり方が全体的にいけないというものではないと私は思うのです。  五者で一応合意をした線でこれから地元の人にお話しするのにも、やはり知事さんに中へ入ってもらったり、いろいろ市長さんに御苦労願ったり、そういう形で進めていこうというのであって、これまた関根浜の人が絶対いやだというものをしゃにむに押しつける権限もないわけですから、やはり話し合いはこれからもじゅんじゅんとしていって、先にやるか後にやるかの違いはあっても、私たちとしては誠意をもって話し合いの中に決めていくのであって、ファッショ的に押しつける、五者協定で決まったんだからのめ、こういう姿勢ではなく、じゅんじゅんと必要性、御協力方をお願いしていきたい。先ほど局長からも答弁ありましたように、追っかけ知事さん等のアレンジによって早急に正式にお願いしたい、こういう順序でございますので、どうかひとつ御了承願います。
  89. 関晴正

    ○関委員 いかに粗雑であったかということと、いかに軽率であったかということだけははっきりした、こう思います。  そこで、まずここの場所を母港として決めたのか、決めたいために調査をすることにしたのか、そうして、調査の上でここが母港でなくなることもあるのかないのか、とにかく今後調査をするという調査の目的は何ですか、答えてください。
  90. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 去る二十四日の共同声明にもございますように、まず関根浜地区を候補地として調査を実施いたし、調査の結果を踏まえた上で新定係港の建設を決定することとなる、これが手順と考えております。  私どもといたしましては、今後の調査によりまして新定係港建設の技術的可能性を確かめ、その上で関根浜地区の地元の方々の御了承、御同意をいただきまして、同地区にぜひとも新定係港を建設したいと考えているわけでございます。したがいまして、お尋ねの今後行う調査は適地調査としての性格はもちろんございますけれども、将来の建設のための調査という性格もあわせて持っている、このように考えているわけでございます。
  91. 関晴正

    ○関委員 何々を調査するのですか。
  92. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 まず、立地に関しまする調査といたしまして、港湾関係の専門家などの意見も聞きまして原船事業団におきまして調査の細目につきましていま検討を進めている段階でございます。  詳細につきましてはその検討の結果を待つわけでございますが、一般論といたしましては、たとえば立地地点周辺の気象関係、風向き、風速、気温、天候など、それから海象の関係、潮流、波高、潮位などでございます。それから、地盤などにつきましての調査は、原子炉関係の施設もあわせて考えられますので、当然必要になると考えております。
  93. 関晴正

    ○関委員 それだけではないでしょうね。そのほかにもあるでしょうね。いま示した項目だけですか、調査するのは。
  94. 倉本昌昭

    倉本参考人 具体的に港を建設するため、また、特に原子力船の定係港ということでこれをやりますためには、いろいろこの建設につきましての法律等もございますし、それらに必要な調査等があるわけでございます。特にそれらの港湾施設等の設計条件、それから環境アセスメント、それから候補地につきましての周辺についての調査を行うということで、現在具体的な調査計画をつくっておりますが、その主なものといたしましては、陸域、海域のボーリング調査でございますとか、弾性波探査あるいは海上の音波探査、それから海の深浅測量と申しますか深さ等の測量、それから気象、海象の調査、それから地表の調査、また航空写真等の撮影、その他社会環境、それから陸生動物、海生生物、それから大気質等々についての調査を行うということになると思います。
  95. 関晴正

    ○関委員 それらの調査にどのくらいの日数をかける予定ですか。
  96. 倉本昌昭

    倉本参考人 やはり約二年近くかかるのではなかろうかと思います。
  97. 関晴正

    ○関委員 二年近く調査にかけて、そうして港湾に取りかかれば、港湾建設の期間はどのくらいかけられますか。
  98. 倉本昌昭

    倉本参考人 現地の海流あるいはその地質等の条件により港湾の構築方法等も変わってまいりますので、工事期間等につきましては、それら具体的なデータ等がはっきりし、その設計が固まった時点でないと正確な工期というものは決まってまいらないと思いますが、やはり三年近くかかるのではなかろうかと思います。
  99. 関晴正

    ○関委員 長い調査期間をこれからかけるということなんですが、その調査をやって、場合によっては、ここは金がかかり過ぎるので、もっと他に適地を求めよう、そういうようなことも将来出できませんか。この点についてどうですか。
  100. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 私どもが心配しなければならないのは、技術的に何か決定的な問題があるという事態でございますが、先ほど来申し上げておりますように、いままで可能な範囲で調べたところの心証では、そういう問題にぶつかることはまずないであろう、こういう印象といいますか判断を持っているわけでございます。
  101. 関晴正

    ○関委員 もしそうだとするならば、調査も進めるべし、工事も進めるべし、そういう両面から取り組んでいく、こういうお考えはございますか。
  102. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 いろいろ手続上の問題がございまして、港湾建設の申請を出すそのための調査ということが最低求められているわけでございまして、そういうことも含めまして、先ほど調査の性格が両面あるんだということを申し上げたわけでございます。
  103. 関晴正

    ○関委員 どのくらいの経費を見ておりますか。
  104. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 全体の経費につきましては、調査計画そのものが固まってまいりませんと、金額につきましてはいまの段階ではちょっとつかみかねております。
  105. 関晴正

    ○関委員 新聞紙上で伝えられるところでは、五百億もかかるであろうあるいは六百億もかかるであろう、こう報道されておりますが、この数字は無縁のものですか、半分ぐらいで済むと思っていますか、もっと倍もかかると思っていますか、大体当たっていると思っていますか。
  106. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 まず、全体の金額等につきましてはまだつかみ切る段階ではないわけでございますが、港湾とそれから原子炉関係の陸上付帯施設の両方が入っているわけでございます。そして、いま港湾の関係がお話になっているわけでございますけれども先ほど事業団の専務理事からお答えいたしましたように、自然条件また立地条件によりまして所要の金額に幅があると存じますので、いまの段階で具体的な数字を申し上げることはできないわけでございます。
  107. 関晴正

    ○関委員 今度の約束に従ってすぐ調査にかかるあるいはそれに手をつけていく、そういう場合はどこから金を出してやりますか。
  108. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 事業団の予算を充当いたしたいと考えております。
  109. 関晴正

    ○関委員 どのくらいの予算を本年度充てるつもりですか。  それからもう一つ、この場合の港は専用港として進む計画でいきますか、一般港として進んでいく計画ですか、どっちですか。
  110. 倉本昌昭

    倉本参考人 この調査関係の予算でございますが、これにつきましては現在私どもの方のいただいております予算の中から充てる予定にいたしておりますが、現在の時点では約二億七千万ぐらいはあるわけでございます。
  111. 関晴正

    ○関委員 あと専用港の場合……。
  112. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 港湾の性格につきましては、一般論といたしまして、政府といたしましては、新たに建設いたします定係港につきましては、将来の地域の発展ということをあわせ考えますと、公共的な性格のものとして活用されるという姿になっていくことが望ましいとは考えております。しかしながら、この新定係港を公共港湾と位置づけるかどうかということは、あくまで地元の御意向によって決まるということでございます。そういうことも踏まえまして今後地元とお話を進めていく事柄であろう、このように考えております。
  113. 関晴正

    ○関委員 青森県としては、これは専用港だ、一般港にはとてもやれるものじゃない、こう言っております。そうすると、青森県の知事が専用港だと言えば専用港になるんですか、地元の意見を聞いてという意味は。
  114. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 地元の御意向が非常に優先するということで決まってくることであるというふうに理解をいたしております。また、青森県当局がそのようにお考えであるということも承知をいたしております。そういうことも踏まえつつお話をしていく、こういう立場でございます。
  115. 関晴正

    ○関委員 これははっきり言ったらどうです、長官。知事も専用港だと言っているんだし、地元の意見を聞いてやりたいと言うんだから、これは専用港で進むしかないのじゃないかと思うのですが、その点どうですか、長官。
  116. 中川一郎

    中川国務大臣 いま局長答弁したとおりでして、公共港湾であることが望ましいという気持ちは持っておりますが、地元の知事さんが、現段階は専用港でやってほしい、こういう意向でございますから、少なくとも現段階においては専用港かな、知事さんの考えがそうである限り。しかし、将来どう変わってくるか、知事さんの意向も聞きつつ公共港湾になっていくように努力をしたい、こう思っておるわけでございます。
  117. 関晴正

    ○関委員 それじゃ、知事が専用港だと言うのであれば専用港でいきたい、将来はまたどうなるかわからぬ。それは将来と言ったって百年も後の話まではわかりませんから。  そこで、それまでの間、今度は佐世保の修理が終われば大湊に船が回ってくる、入港、停泊をしてくる、それを地元としても了承したわけであります。そこで、回ってきてそこへ係留するところまでわかるんですが、この入港、停泊の期間、新母港ができるまでそこに黙って停泊しているものと理解してよろしゅうございますか。
  118. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 今度の共同声明の第三項におきまして関係五者は「「むつ」の大湊港の定係港への入港・停泊に当たっての取り扱いおよび大湊港の定係港の取り扱いについては、今後、協議する。」ものということで合意をいたしております。したがいまして、御指摘の点につきましては、今後地元側三者と、政府、事業団とが相寄りまして、具体的な案件につきまして協議をしていくということになるわけでございます。
  119. 関晴正

    ○関委員 何を協議するんですか。
  120. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 いろいろな問題が起こり得ようかと思いますが、少なくとも最低「むつ」の今後の試験の進め方といったことも一つの議題にしてほしいというふうに私どもは思っているわけでございます。しかしながら、いずれにしろ協議をする、五者で御相談をして、まとまったところで事を進めていくという基本的な姿勢で臨もうとしているわけでございます。
  121. 関晴正

    ○関委員 もっと具体的に言えば、機能試験や出力上昇試験等も大湊でやる、そういう協議もするつもりですか。
  122. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 私どもといたしましては、そういう所要の試験を実施したいという希望は持っておることは事実でございますが、先ほども申し上げましたように、この件につきましては五者で十分協議をして、調った段階で事が前に進むというふうに理解をしていることも事実でございます。
  123. 関晴正

    ○関委員 そうしますと、もし機能試験や出力上昇試験等もおやりになるということで話が調うならば、この港を機能回復しなければならなくなりますね。そこまで考えておられるんですか。
  124. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 どの程度の試験に対してどの程度の機能回復が必要かという点が技術的に詰めるべき問題として残っております。先般も申し上げましたように、二重投資という問題もあわせて判断をしなければならないことでございますので、そう一義的に、また画一的に物が進められるというふうには考えていないわけでございます。
  125. 関晴正

    ○関委員 機能試験や出力上昇試験をやる場合に、いまの大湊のままでやれますか、やれませんか。
  126. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 五者の協議が調えば、所要の改修は行う必要はあろうかと思いますが、どういう範囲、どういうレベルまで必要であるかということにつきましては、さらに検討をいたしたいと考えております。
  127. 関晴正

    ○関委員 皆さんが何でも言うことを聞いて、よしきた、よしきたと応じていけば、大湊港を母港としての機能の回復もしなければならなくなる、そうだとするならば、それに要する費用、どのくらい見ています。
  128. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 とにかく五者による協議ということが大前提でございますので、それ以上のことを検討しているわけではございません。
  129. 関晴正

    ○関委員 これは長官に聞いておきたいと思うのです。  今度は四者協定から一つふえまして、五音声明と言ったらいいのですか、五者協定といったらいいのですか、そういうところで取り組んで進める場合に、この大湊に入港、停泊している間に機能試験、出力上昇試験、そういうような試験をやるとすれば、大湊港に母港としての機能を持たせなければならなくなってしまうんじゃないか、これは持たせなくてもそういうことができるという可能性がありますか。
  130. 中川一郎

    中川国務大臣 地元の漁連からの回答書は、凍結してほしいということに来ておりますから、現段階において、機能試験をやるとか出力上昇試験をやるなんということはまだ考えておりません。いずれも港の建設とにらみ合わせながら、地元の意向を踏まえつつどうしていくか、よく寄り寄り協議をしていくということで、両方に機能を持たせるとか持たせないとかいうようなことを言う段階ではないのです。  いずれにしても、地元の意向を尊重してどうなっていくか、今後の地元の意向を尊重しつつ判断し、そのときそのときでまた方法考えていくことであって、いまここで地元がよければやるんだ、やるには何ぼかかるんだというような段階じゃないのです。すべて、いまのところは凍結してほしい、こうなっていますから、いまのところは一切考えない、こういうことでございます。
  131. 関晴正

    ○関委員 長官、大変いい答えを出してくれたと思います。これがふらつくというと、またむだ遣いになってしまうと思うのです。そういう意味では、漁民はもう御免だと言っているのです。そこでそういう試験なんかはやってもらいたくないとはっきり言っています。また県の方としても、県内における三者のうちの一者でもそういう意思があるというと、それを乗り越えて事を持ち出すことはしない、こういう線も打ち出しておりますから、漁民の方としてはもう絶対反対だ、その線を受けてのいまの長官の御答弁だ、こう思いますので、そうなりますと、ただつないでおくしかないと思うのです。また、ただつないでおくしか道がないだろうと思うのです。それでまた結構だと私は思うのです。  そこで今度は、いま佐世保におるところの原子力船なんですが、これはいつごろまでに修理が完了するのです。
  132. 中川一郎

    中川国務大臣 一つだけ訂正しておきますけれども、しかないということでもないのです。入港、停泊についての一切について両者で協議をしていくということで、どうなっていくか一切今後の協議でございまして、出力上昇試験をやるとかやらないとかいうことではないので、そこできめつけられますとちょっと困りますから、一切は協議の上である。現段階では凍結してほしい、こういうのが地元の空気であるというわけでございます。
  133. 関晴正

    ○関委員 修理の状況についてお答えしてください。
  134. 倉本昌昭

    倉本参考人 現在佐世保で行っております「むつ」の遮蔽改修工事でございますけれども、これまでに現装遮蔽体と申しますか、それを取り外し、それから、原子炉部の遮蔽体の改修工事のうち、格納容器の中の下部遮蔽体の据えつけ等、第一期工事は本年二月末までに予定どおり終了いたしまして、現在第二期分の工事を進めておるわけでございますが、第二期分の工事につきましては、格納容器の上部遮蔽体については、工場製作を現在進めておる段階でございます。この第二期分の工事契約は五月末までの工事でございますが、この工事につきましては、多少各項目ごとに出入りはございますけれども、全体としてはほぼ順調にこれは進んでおると申し上げられます。  それから、この修理完了時期の見通しでございますけれども、これにつきましては、現在メーカと第三期の契約等につきまして最終の折衝を行っておるところでございます。
  135. 関晴正

    ○関委員 ちょっと質問に答えてないのですが、修理がいつ完了するか、ということは、佐世保との約束の時点の中に完了できるというふうに見ていいのか。それとも、伝えられるところによるともう一年延期していただきたいというふうな話が出ているとか、出てくればそうなるとかということがありますので、この点だけはどうなっているのですか。
  136. 倉本昌昭

    倉本参考人 その工期の問題につきまして、これも含めて現在メーカーと最終的な折衝を行っておるところでございます。ごく近い時期にメーカーとの話がまとまると思いますので、その時点にはこの辺がはっきりできる、こういうぐあいに思っております。
  137. 関晴正

    ○関委員 済みません、時間が過ぎておりますが、期限までにやるつもりですか、やれるつもりですか。それとも、どうしても無理だから延ばしてもらわなければならないのだというふうに考えているんじゃないですか。延ばしてもらうとすれば、どのくらい延ばしてもらおうと考えているのですか。これは何もいまの時点で言えないはずはないですよ。十月に終わるものだとすれば、青森県にはもうその翌日来るものだ、こう勘定しますからね。そんなことにはならないでしょう。どうです。
  138. 倉本昌昭

    倉本参考人 現在、ただいま申し上げましたように最終的な詰めを行っておりますので、その結果そういうような事態が起こりますれば、またその事態でこれに対処してまいらなければならないと存じますけれども、現在その点につきましてはメーカーの方と折衝をして契約に持ち込みたい、こういうぐあいに思っておるわけでございます。
  139. 関晴正

    ○関委員 終わります。     〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕
  140. 椎名素夫

    ○椎名委員長代理 斎藤実君。
  141. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 私は、日本原子力発電の敦賀発電所事故についてまずお尋ねをいたしたいと思います。  敦賀発電所においての大量の放射性廃液流出など、ことしに入ってからすでに四回の事故が起きているわけでございますが、この事故によって国民の原発への不信は一層高まっておるわけでございます。さらに、五月十四日には六年前の事故が発覚をし、五月十五日には七年前の事故が明るみに出ているわけでございます。改めて日本原子力発電及び通産省などの監督官庁の責任が問われているわけでございます。  私は、この一連の事故の重大性は、被害の大きさではなくその内容だというふうに考えます。警報装置をだれが勝手にとめたのか、運転員が標示装具の異常を発見しながら当直長に報告をしなかったという問題、あるいは原子炉をとめないで給水加熱器からの冷却水漏れを修理をしていた、しかも事故隠しということ。これらに共通するものは、危険な放射能を扱っているという自覚と責任が私は欠けていると思うわけです。したがって、国の安全審査や工事認可を素通りした構造欠陥も見つかっておるわけでございまして、私は、安全性の基本にかかわる重大な問題というふうに認識をしております。原子力委員長でもあり、わが国の原子力行政の最高責任者である中川大臣は、一連の敦賀発電所事故についてどう認識をされているか、伺いたいと思います。
  142. 中川一郎

    中川国務大臣 原子力発電関係については、その必要性について国民の皆さんの大方の理解が得られ、さらにまた安全性についても定着しかかったこの際、ああいった事故が起きたということは非常にまずいことであると残念に思っております。しかも、御指摘のように操作員のミスとかあるいは報告漏れとかいうような初歩的なことが中心でああいうことになったということは、心構えの問題として気の緩みというものがあったという点で特に残念なことだな、こう思っているわけです。  事故を顧みて、いままで反省すべきは、炉本体が大事だ、関連施設について若干気の緩みがあった、こういう点が深く反省されるところでありまして、また操作員からすれば、そういう大きな事故と認識しておらないという点もあったのではないか、ましてや周辺地域に害を与えていないんだという安易な気持ちもあったんじゃないか、こういうふうに思いまして、今回の事故を他山の石というか反省の場として、周辺部門に重点を、安全性について配慮する。同時にまた、小さな事故であっても軽率な判断をしないで一切——一切というかどの程度報告するか、報告義務についても通産省でこれから基準を設けていく、こういうことでございます。  こういうふうなことで、周辺部門、関連部門の安全性についてさらに徹底をする。それから、心構えについても、この際、これを契機としてさらにしっかりしたものについて国民の信頼をかち取るように最善の努力を払い、そして大事な原子力行政を平和利用を推進していきたい、こう思っておる次第でございます。
  143. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 中川長官の御意見を伺って、私も同感なんですね。  それで、これだけの連続の事故が起きたということで、国民は原子力発電について非常に不安と危惧を抱いておるわけでございます。大臣御承知のように、私の選挙区にもいま北電で原子力発電の計画があるのですけれども、住民が原発についてまた一段と厳しい態度をとるようになりまして、これは何も泊のことだけではなくて、私はこれから原子力発電が石油にかわるエネルギーとして必要だろうと思うし、これは健全に原子力発電が安全性を保って国民の期待にこたえなければならぬということを知っています。それで大臣、こういうことがこの事件を通してもう二度とない、これは私はぜひ願いたい。  そこで、この一連の事故原因とかあるいは責任というものを改めて行わなければ、またうやむやになってしまうのではないか。ですから、この事故原因なりあるいは対策なり、この際敦賀事件を契機として、一体責任の所在とか安全性の確保ということについて、大臣、もう一度御答弁いただきたいと思います。
  144. 中川一郎

    中川国務大臣 その点については政府も責任を感じて、原因究明について通産省が鋭意行っております。そして報告書も出ておりますし、これに対するまた責任の所在を明らかにするために行政処分も行うようにやっておりまして、この際一切明らかにして、そしてただすべきはただす、責任のある者は責任をとってもらうという形で経営者も交代される、こういうふうに聞いております。こういう形で国民に納得のできる解決をし、信頼性を回復したい、こう思っております。  ただ、この際、実際害がないのに害があるごとく必要以上の不安を持つことも、これもあってはならないことだと思いまして、その点の理解もいただきたいものだなあ、こう思っておるわけでございます。
  145. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 五月十八日に通産省敦賀発電所に対し告発しないことを決めたようでございますが、なぜ告発をしなかったのか。それから、敦賀発電所の一辺の事故は何法の何条に違反するのか、まず最初に法的な見解を示していただきたい。
  146. 平田辰一郎

    平田説明員 御説明申し上げます。  今回の一連の事故の中で、第四給水加熱器のひび割れ部に対して施した溶接について、溶接検査を受けずに使用した点につきましては電気事業法第四十六条、事故に関する通産省への報告の点につきましては電気事業法第百六条及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第六十七条、事故記録については核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第三十四条との関係で一部法令違反の疑いがあるが、政府といたしましては、炉規制法に基づく原子炉の運転停止命令という同社にとって制裁効果の大きい行政上の制裁が本件については最も適切であると考え、これを科すことにしたわけでございます。
  147. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 これだけの一連の事故を隠し、連続した事故が発生したにもかかわらず、告発しないということになれば、これはだれが見ても通産省日本原電とのなれ合いというふうに率直に国民が思うだろう。こういうことで国民の原発行政に対する不信感が私はさらに強まるだろうと思うのですね。  そこで、公務員には明らかな法律違反があった場合には告発する義務がある。あなたもいま御承知のとおりです。告発しなければ、通産省の中間報告において不明確な点はそのままなぞとして残されてしまう。事件そのものがうやむやになってしまうのではないかと私は思うのですが、その点どうですか。
  148. 平田辰一郎

    平田説明員 本件につきましては、当省としては、今回の一連の事件について種々の観点から総合的に評価を行ったわけでございます。  事故による周辺環境に対する特段の影響は存在しないことはすでに確認されているところでございまして、むしろ今回の事故に関する最大の問題点というのは、原電のきわめてずさんな保安管理体制及びこれに起因する事故対応に誤りがあったことにあると考えております。このずさんな保安管理体制の結果、今回の一連の事故の過程で、たとえば溶接検査を受けずに溶接を行うなど法令に違反する疑いのある事実が発生しておりますが、これにつきましては、告発という手段に訴えることもさることながら、このような事実のよって来るところ、すなわち会社のずさんな保安管理体制、事故対応の誤りに着目して、厳しい行政上の措置により対処することが最も適当な方法ではないかと考えたわけでございます。かたがた会社に対しましては、会長、社長が責任を明らかにするなどすでに大きな社会的制裁が加えられていることは周知のところでございます。このような考え方及び状況を踏まえまして、通産省といたしましては、会社に対しまして、かつて一度も発動したことのない炉規制法に基づく原子炉の停止命令という、会社にとって最も制裁効果の大きい行政処分を行うこととしたわけでございます。
  149. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 通産省考え先ほどの同僚委員質問に対するのと同じですが、これは国民が被害をこうむらなかった。私は、この事件の背景は、事故隠したとかあるいはミスだとか人為的な管理体制の欠陥、ここが私は問題だと思うのです。だから私は、そういうことがこの原子力の安全性の基本にかかわる問題というふうに先ほど冒頭に申し上げた。ここから私は、この問題を解決の基準にしなければならぬと思うのです。  それじゃ、いまあなた私に答弁したように、この社会的制裁を、告発をしないで行政処分にした。行政処分の方が重いのですか。
  150. 平田辰一郎

    平田説明員 違法状態を解消して行政目的を達成する手段があれば、行政処分ないしは要すれば行政制裁の措置がとられることで十分である、それに加えてあえて司法制裁をとる必要はないと解釈したわけでございます。
  151. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 私は、原子炉等規制法六十七条報告義務、電気事業法四十六条無断溶接、刑事訴訟法二百三十九条、国家公務員法八十二条、これらのことについてどうも納得がいかないのだ。いまあなたとこれを押し問答しておっても、これは話が解決しないし、一方的な話になってしまうので、これは改めてまた機会を設けて伺いたいと思うのです。  この敦賀原電の施設について、たとえば廃棄物の建屋及び機器の建設業者の名前ですね、たとえば増設した、その場合の建屋、機器、それから廃棄物の建物をどこがつくったのか、制御室の機器はどこのメーカーか、新廃棄物建屋の機器、これはわかればちょっと知らしていただきたい。
  152. 平田辰一郎

    平田説明員 現在承知しておりませんので、後日調査してお答え申し上げます。
  153. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 それから、細かいことですが、警報機が鳴って、だれかわからないがとめたわけですね。それが中央制御室ではわからなかった、こういう答弁ですが、これはなぜわからなかったのですかね。警報機がとまった、それが中央制御室にすぐ反映するような設備になっていないのかどうか伺いたい。
  154. 平田辰一郎

    平田説明員 敦賀発電所の場合、五十四年六月にこの警報装置が、新廃棄物処理建屋制御盤から中央制御室に行っている警報ラインが取り外されまして以後、連絡がとれない状況になっておりましたものですから、警報機が新廃棄物処理建屋で鳴っても、中央制御室ではわからなかったわけでございます。
  155. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 わからない制御室というのをずっといままで使っておったのですか。
  156. 平田辰一郎

    平田説明員 そのとおりでございます。
  157. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 これは重大な問題です。警報機が無断でとめられて、それが中央制御室に連動しない、これは一体今後どうするつもりですか。
  158. 平田辰一郎

    平田説明員 今回の一連の事故を踏まえました敦賀発電所に対する措置におきましてもこの点を指摘しておりまして、再開までにはこれをもちろん改善させるつもりでございます。     〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕
  159. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 いままでこの装置が連動しないということは、通産省は知っていたのですか。
  160. 平田辰一郎

    平田説明員 今回の立入検査において承知したわけでございます。
  161. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 私は、監督官庁として、こういう事故が起きてからわかるというのでは、原子炉の安全性を監督する通産としてはまことにお粗末だと思うのです。これは私は重大な行政責任だと思います。  そこで、いま一連のやりとりの中で、原子力の安全行政について最も改善すべき点は一体何ですか。
  162. 平田辰一郎

    平田説明員 今回の敦賀発電所事故に関しまして、当庁としては、安全規制面におきまして放射性廃棄物処理設備等原子力発電所の付属設備について、技術基準の整備、安全審査、検査等の面において徹底を欠いた面があったこと、あるいは現地に派遣している運転管理専門官を含め当庁による原子力発電所運転管理状況の把握が必ずしも十分でなかったこと、原子力発電所に関する事故、故障の報告対象範囲の基準が必ずしも明確でなかったこと等について反省しなければならないと考えているわけでございます。
  163. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 特に安全審査、安全管理体制について、基本設計通産省原子力安全委員会チェックする。この事務局は科学技術庁にあるわけですね。それから工事及び検査、通産省原子力安全審査課、通産省原子力安全管理課、審査課で審査したものを検査するわけですが、このいまの基本設計あるいは工事及び検査の体制がうまくいかなければ、またこういう事故が起きるのではないかと思うのですが、どうですか。
  164. 平田辰一郎

    平田説明員 当庁といたしましては、今後再びこのような事態を発生させないよう審査、検査の体制の改善を図り、あるいは技術基準の改善、保安規定の整備充実、事故、故障の報告対象の明確化等を図りまして、安全規制行政上の所要の措置を早急に講じまして、原子力発電の安全確保に万全を期したいと考えております。
  165. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 敦賀原子力発電所の放射線の監視体制というのは全くずさんだというか、問題だと私は思うのですが、敦賀発電所では一般排水からの放射性廃棄物の流出を全くチェックできなかった、逆に福井県の浦底湾の調査によって初めて明るみに出たというのですね。この放射線の監視体制について、これからどうされるつもりですか。
  166. 赤羽信久

    赤羽政府委員 現在の原子力施設の外側に対する放射能の監視、これは原則は事業者が施設外に許容されたもの以外は出さないという責任を持つ体系になっております。したがいまして、外側でのモニタリングと申しますのは念のためと申しますか、そういった形で行われるわけでございます。事業者も行いますし、それから県も行っておりまして、これに対して財政的、技術的援助を私どもの方でしているわけでございます。  ところが、今回の問題につきましては、御指摘のように外側から端緒が見つかったという事情にございます。その点では非常に遺憾なことでございますけれども、あくまでも現在の体系は中側をしっかりやるということでございますので、外側からものを見つけて中へたどっていくというのは例外でございます。外側の重要性、特にどの程度の汚染が起きたか、そして住民の方にどれだけの御心配があるということをきちんと調べるという意味で外側が大事でございますので、今後もさらに充実するように努めてはまいりたいと思いますけれども、基本的な体系は安全の確保のためには中をしっかりする、この体系は変えてはならないと存じております。
  167. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 ぜひひとつこういうことが起こらないように、これはがっちりやってほしいですな。  通産省に伺いますが、電力労連が五月十二日に、全国各地の原子力発電所作業する会社員、そのほかメーカー、下請作業員まで含めた被曝線量の新しい統一基準をほぼ固めたというふうに聞いておるのです。その内容は、発電所全体の年間被曝線量を総量規制する、しかも、法的基準値の十分の一以下に抑えるということですね。それから二番目は、作業職種ごとに年間最大被曝線量を設定する。しかも、六年前の五十年一月十日の事故では一人一日最高四百三十ミリレム被曝しておるわけでございまして、原発の管理目標値である百ミリレムの四倍以上にも達しておるわけでございますが、これは福井県の調査でありますが、政府はこれを認めるのか、伺いたいと思います。
  168. 平田辰一郎

    平田説明員 原子力発電所従事者の放射線管理につきましては、当庁としても、でき得る限りその低減化に努めるよう電気事業者を指導してきたところでございます。  それから、電力労連が取りまとめました統一的基準につきましては、当庁としては現段階ではその詳細を把握しているわけではございませんし、今後電力会社との交渉により放射線管理あり方について検討が進められると聞いておりますが、当庁といたしまして、その経過を見守りつつ被曝管理の徹底が図られるよう電気事業者を指導してまいりたいと考えております。  それから、先生指摘の福井県の報告につきましては、私どもまだ承知していないところでございます。
  169. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 監視体制について、第四給水加熱器の故障事故通産省運転管理専門官が発見をした。これは四月一日の午後六時ですね。それから、放射性廃液漏れ事故は福井県の環境モニタリング調査で発見された。これは四月八日あるいは四月十六日ですね。その後、四月十八日に原電から通産省報告があって、四月十九日に通産省が立ち入り調査をしたという事実があるわけでございます。  そこで、お伺いをしたいのは、五月十二日に参議院地方行政委員会で自治大臣が、地方自治体にも権限を与えるべきだという答弁をしておるわけです。五月十九日に総合エネルギー対策閣僚会議でも自治大臣が発言をしておりますし、五月二十一日自治省が通産省科学技術庁に申し入れをしているわけでございますが、地方自治体に監視体制の権限を移譲してはどうか。福井県では専門官も置いて非常に熱心にやっておるようでございますが、この点はどうですか。
  170. 平田辰一郎

    平田説明員 原子力発電所の安全性につきましては、原子炉等規制法及び電気事業法に基づき所要の規制を行っているところでございますが、原子力発電の安全に関しまして地方自治体との緊密な連携を図ることはきわめて重要であると考えております。しかしながら、原子力発電の安全管理につきましては、高度に技術的専門的な対応が必要であることとともに、全国の発電所の統一的な管理が必要でございます。自治体に一律に権限を移譲することは適切でないと考えております。  一方、地方自治体におきましても、すでに国の技術的支援及び財政的支援のもとに環境モニタリングを実施しているほか、原子炉施設設置者との間に通報連絡、立ち入り調査等を含む安全協定を締結し、地域住民の健康と安全を守る立場から所要の対策を講じていると聞いております。いま先生指摘の福井県もその一例ではないかと考えております。
  171. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 通産省の課長さんに申し上げますけれども、地法自治法第二条の三項一号では「地方公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持すること。」こういうふうに言われているわけですね。地方自治体が原子力の安全行政に関する監視権や立ち入り調査権を持つことは、この地方自治法第二条三項第一号でも明確なんですね。当然です。いまあなたは地方には専門官がいないと言う。それじゃ伺いますが、通産省運転管理専門官の権限や能力について、あなたは確信を持って言えますか。これは地方自治体にとっても、原発の安全性あるいはこの周辺の国民の感情からして、地方自治体も一枚加わったらどうだ、通産省通産省と言ってないで、地方自治体もこれは非常に関心を持っているわけですね。福井県の例をとるまでもなく、技術的にも専門的にも決して劣らない。また、茨城県は科学技術庁専門官を職員として招いているし、地方自治体の専門官といえども決して劣るものではないと私は思うのですが、どうですか。
  172. 平田辰一郎

    平田説明員 運転管理専門官につきましては現在全国に十五名おりまして、そのうち十名は本省定員でございます。この本省定員の十名につきましては、いずれも法律に基づく電気工作物検査官の資格を有する経験のある検査官であるというふうに私ども考えております。  それから、自治体につきましては、福井県を初めとする、先生指摘のような御要求のあることは十分承知しているところでありますが、各自治体にもいろいろな意見があるようでございまして、一律に権限を移譲することは適切でないと考えております。先ほど申し上げましたように、自治体の場合、先生指摘の地方自治法に基づきまして、地域住民の健康と安全を守る立場から独自の立ち入り調査を実施しているというふうに私どもは聞いているわけでございます。
  173. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 すでに福井県では原子力安全対策課というものを設けて専門的に対応して、単独事業でもやっておるわけですね。原発の安全監視体制については、国と県との法律上の役割り、権限について再検討してもいいのではないか。現在、電力会社と自治体が結んでいる安全協定、紳士協定ですが、これにも法的根拠を与えてもいいのではないかと私は思うし、あるいは県の判断によって国の職員の検査を求めることができるようにすることができないのか。たとえば、国の立入検査について県の職員が同行できるようにすれば、これは一歩前進だと私は思うのですが、いかがですか。
  174. 平田辰一郎

    平田説明員 実態的には、今回のような事故が発生した場合、県も安全協定に基づき独自の立ち入り調査を実施しているわけでございまして、この際、当省といたしましては、自治体との緊密な連携について十分配慮してまいりたいと考えております。
  175. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 労働省来ていますか。——敦賀発電所においての一連の事故の中で、管理目標を超えた被曝線量があったという報告があるわけですが、労働省被曝実態をどのように掌握をしておりますか、伺いたい。
  176. 林部弘

    ○林部説明員 いま先生のお言葉の中で、管理目標を超えたという御発言があったのでございますが、それがもし一日百ミリを超えたという意味でございますれば、一日当たりに百ミリを超えた被曝除染作業の中であったという点に関しましては、実は私ども三月八日の事故を中心にまだ調査をいたしておりますので、三月八日の事故に関しましてはそういう事実は確認をいたしておりません。
  177. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 現在、科学技術庁通産省電力会社が行っている公開ヒヤリング、これは改善すべきであるというふうに皆さんお考えなのかどうか。たとえば法的根拠は現在ないのですな。したがって、反対派はボイコットして参加しないということで、非常にバランスがとれていないというふうに見受けられるのですが、いかがですか。
  178. 戸倉修

    ○戸倉説明員 御承知のように、公開ヒヤリングの制度というのは、第一次公開ヒヤリングと第二次公開ヒヤリング、両方ございます。私ども通産省が担当しております第一次公開ヒヤリングといいますのは、通産省が主催をいたしまして、地元の住民の方々から原子力発電所の立地に関する諸問題につきまして率直な御意見をいただく、これに対して電力会社に説明をさせる、こういう趣旨でできている制度でございます。  私どもといたしましても、これまで二回の経験がございます。柏崎・刈羽の発電所それから島根の発電所と二回の経験がございますが、今後開催実績を重ねていくうちに、改善すべき点があれば、必要に応じて私ども制度に反映することは考えてまいりたい、かように存じております。
  179. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 ことしの四月に動力炉・核燃料開発事業団の東海再処理工場から放射性物質が外部へ流出するという事故が発見されました。この事故は、敦賀発電所事故に隠れたのか、余り表へ出ないようですが、外に漏れてはならないはずの放射性物質が外部へ流出した点では私は敦賀発電所事故と同じだろうと思うし、きわめて重大な事故だと思うのですね。この東海再処理工場から放射性物質が外部へ流出したということ、この事故原因究明できたのかどうか、事故の再発防止対策はどのようになっているのか伺いたい。
  180. 赤羽信久

    赤羽政府委員 ことしの四月の十五日でございます。再処理工場の廃棄物処理場、ここへ工業用水を用水として使っているわけでございますが、それを送る配管の交換作業を行いまして、その後、取り除いた配管を調べましたら、わずかでございますが汚染が認められた。これから追跡していったわけでございますが、この工業用水を使った便所の水洗水に全放射能で許容量の約六分の一の汚染が見つけられたということでございます。  原因を探りましたところ、この工業用水をタンクから便所それから廃棄物処理装置の中のポンプ、両方に送っているわけでございますが、この交換作業をやるときに水抜きを行いまして、一部ポンプの方の水、ポンプのシール水でございますけれども、シール水が一部逆流して便所の方に漏れだということが判明いたしました。非常に少量でございますので、便所の浄化された後の水の中には許容量をはるかに下回る水しかございませんでしたし、また、その排水路をチェックいたしましたが、特段の汚染は認められませんでした。  原因はそういうことで、逆流ということがわかったわけでございますけれども、念のために、今後こういう作業のために水抜き作業を行うときには、十分水の流れの系統をチェックして作業手順を確認する、それからシール水が戻らないように、その系統には逆止弁、逆どめ弁でございます、逆止弁をつけるというような対策を施したところでございます。
  181. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 敦賀発電所あるいは東海再処理工場から放射性物質が流出したという一連の事件ですね、こういうことがまた起きてはならないし、これはぜひひとつ通産省科学技術庁も抜本的に、真剣に取り組んで、こういう事故が起きないように万全の対策を講じていただきたいと思うのですね。  それから、大臣に伺いますが、五月のフランス大統領選挙の結果、ジスカールデスタン政権からミッテラン政権へ政権が交代しました。このミッテラン氏の公約によりますと、原子力エネルギー計画についての国民投票が実施されるまで原子力発電所建設を凍結をするということです。日本とフランスは産業協力できわめて密接な関係があるわけですが、このフランスの大統領が交代したことによって日本の原子力の発電計画は影響があるのかないのか、大臣に伺いたい。
  182. 中川一郎

    中川国務大臣 ミッテラン大統領候補が選挙公約でそのように言ったことは承知しております。現実にこれから政権を持ってどうされるのかまだ明らかでありませんが、私どもフランスを見ておりますと、与野党ともに原子力行政は前向きであるということでございますので、私はそう大きな変化はないと思いますし、日本はフランスといままで密接な関係を持っておりますが、それにも大きな変化はない、こう見ておりまして、むしろわれわれはフランスを学んで高速増殖炉等もっと前向きにやらなければいけないということはあっても、後ろ向きになることはないのではないか、こう見ております。
  183. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 次に、第二臨調と科学万博について伺いたいのですが、五月十一日の日に第二次臨時行政調査会では歳出の削減、歳入確保の主要対策事項を決めたというふうに言われているのですが、この中で、昭和六十年に筑波で開かれる予定の科学博覧会はその対象項目の中に入っているのかどうか。科学万博の担当大臣である中川長官として、この第二臨調と科学万博の問題についてどうお考えですか。
  184. 園山重道

    ○園山政府委員 私から事実関係を若干御説明いたしたいと思います。  新聞記事に先生指摘のようなものが出ておりましたことは私も承知いたしておりますが、今回の第二次臨時行政調査会におきましては、行財政全般にわたりまして合理化方策を検討するという見地に立っておられるということでございまして、目下各省庁から各般にわたってヒヤリングを行っておられる、そういうことで調査検討を進めているという段階であるということを承知いたしております。その調査の一環といたしましてこの科学技術博覧会につきましても調査したいという御意向がございましたので、私どもは必要な資料を提出いたしまして御説明等を行っておるところでございます。  この博覧会につきましては、先生も御承知のように、すでに非常に厳しい財政事情ということを考えまして政府部内であらかじめ非常に慎重な検討を行った結果を踏まえまして一昨年の十一月に閣議決定されたというものでございますし、また、その後国際条約に基づきました諸般の手続を経て今日に至っているものでございます。したがいまして、当庁といたしましては、これらの点について十分御説明をいたしまして調査会の御理解を得ていきたいと考えているところでございます。ただ、いずれにせよ非常に厳しい財政事情でございますので、いろいろ合理的な方策を検討いたしまして、極力経費を節約しながら、かつ、りっぱな博覧会とするように最大限の努力をしなければならない、こう考えておるところでございます。
  185. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 次に、私は科学行政の基本的な問題について伺いたいと思います。  わが国が発展途上国や欧米諸国との関係の中で経済摩擦を生ずることなく発展していくためには、いままでの産業発展のパターンにとらわれるのではなくて、新しい産業分野への積極的な取り組み、みずからの力で新技術を開発する能力を高めることが今後の最も重要な課題であろうと私は思うのですが、この点に関しまして経済計画ではどのように考えているのか、技術開発をどう具体的に進めようとしておるのか、伺いたいと思うのです。これが一点。  それから、技術開発は総花的にならないように重点的に進めるべきだろうと思うのですが、科学技術庁としての今後の取り組みについて伺いたいと思います。
  186. 向準一郎

    ○向説明員 お答え申し上げます。  新経済社会七カ年計画におきましては、資源・エネルギー、食糧をめぐる経済的安全に留意しつつ、内外環境条件の変化に対応しまして、わが国の経済の安定的発展を維持していく上で科学技術の振興を図ることが不可欠であるというふうにしております。  このような認識のもとに、計画では、まず、わが国の経済の長期的発展基盤を培養するため、民間部門を中心に自主技術開発力の強化育成を図る、次に、新エネルギー技術開発等、国民経済的に見て必要性が高く、かつ、民間の負担能力を超える大規模または先導的、基盤的技術開発につきましては、今後とも官民の有機的連携を図りつつ、政府が中心となって積極的に推進しなければならないというふうにしております。このため、基礎研究の振興、創造性に富む人材の育成等を通じて技術開発のための基礎を整備するとともに、研究開発投資努力を一層強化する必要があるというふうにしております。  なお、研究開発投資につきましては、国の投資努力を一層強化しつつ、国民所得の三%を目指して計画期間中にその比率を高めることが望ましいというふうにしております。
  187. 園山重道

    ○園山政府委員 経済計画の中ではいま経済企画庁から御説明のとおりでございまして、そういったようなことも受けまして、科学技術庁といたしましては、先生指摘のように、産業技術の振興ということにいろいろな方策を考えなければいけないと思っておるところでございます。  大綱はいま経済計画の中で御説明のとおりでございますけれども、若干ブレークダウンして申し上げますならば、企業と国との研究開発の関係ということにつきましていろいろ検討をいたしておるところでございまして、幾つかの点があるかと思います。一つは、国と民間の企業の研究開発における分担関係と申しますか、いまの経済計画のお話にもございましたが、民間の企業ではなかなかできない長期間を要するとかそういった基礎研究、あるいは非常に大型の研究開発というようなものを国がやらなければいけない。それから、国としては民間の研究開発投資を活発にするための税制その他を通じての施策が必要であるということがあるかと思います。それから、民間企業等で活用するためのいろいろ大型共同利用施設といったようなものの設置とかそういう面の仕事、これらを進めていかなければならないのではないかと思っておるところでございます。特に、今年度からは、予算でお認めいただきましたように、流動研究システムによる創造科学技術推進というようなことでいわゆる産業界、大学、政府機関の協力関係というものを進めておりますし、また一方におきましては、すでに昨年概成いたしました筑波の研究学園都市、これが大学、国の試験研究機関が現在四十五集まっておりますけれども、この周辺に民間の研究開発関係の企業の誘致というようなこともいたしましてこの三者の連携関係を強めていく、そういうことによって産業界の技術の向上ということを図っていく、このようなことを考えておるところでございます。
  188. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 わが国の新しく選択すべき産業の分野として知識集約型産業がこれから大事だというふうに言われてからすでに大分久しいわけですが、その典型的なものとしてコンピューター、原子力関連、航空宇宙などがあるわけですが、このうちコンピューターはある程度水準にあると思うのですが、あとの二つは欧米に比べて特に立ちおくれが見られると思うわけです。いまわが国の航空宇宙産業は欧米のレベルから見てどのような位置づけにあるのか、その開発費にはどのような開きがあるのか、具体的に伺いたいと思います。
  189. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 ただいま先生の御指摘のうち、私、手元にちょっと宇宙の関係を持っておりませんので、一応航空機ということで簡単に各国との比較を申し上げますが、自由主義諸国の中で航空機の先進国は言うまでもなくアメリカでございます。また、ヨーロッパではイギリス及びフランスが航空機の先進国として位置づけられておるわけでございますが、たとえば手元にございます数字で昭和五十三年の売上高で申し上げますと、アメリカが約四兆六千億、イギリスが約一兆、フランスがそれよりやや多い数字。これに対しまして、わが国では約二千八百億円くらいという売り上げの規模でございます。従業員で申しましても、数字は改めて申し上げませんが、圧倒的にアメリカ及びイギリス、フランスが大きいという状況でございまして、わが国の航空機工業は、その出発が立ちおくれたということもございまして、なお多くのものを欧州ないしアメリカから学ばねばならないという状況にございます。
  190. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 いま御答弁がありましたように、航空宇宙産業は非常におくれておるわけです。この航空宇宙産業では、すでにエアバスA300の六カ国による共同開発あるいは生産が行われておりまして、ボーイング767、アメリカ、日本、イタリアのように、国際共同開発、共同生産が一般的となっているわけですが、こういう共同開発、共同生産は、膨大な開発費を分担し、リスクを分散するということもあるでしょうし、参加国の需要を確保し、競争機種を減らすということもあると考えられるわけです。  私はこれから国際的共同化が進むものと考えられるわけでありますが、こうした中で、わが国の技術開発が立ちおくれているようであれば、わが国は対等のパートナーとしての国際的共同化の波に十分対応することができなくなるおそれもあるわけでございまして、今後どういう方向で技術開発力を高めるのか、また航空宇宙産業の育成、振興を図るのか、伺いたいと思います。
  191. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 ただいま先生指摘のように、世界の航空機工業の開発は、その開発費の増高、及びマーケティングを中心といたしまして、徐々に国際共同開発という方向に向かいつつあるのが実情でございます。わが国もボーイング767、私どもはこれをYXプログラムと呼んでおりますが、これらの開発プログラムを通じまして、現在の最先端の世界の技術、ことにそれをマーケットに提供していく商品化の技術につきまして多くのものを学びつつあるところでございます。  その際、各国とどのような条件でわが国が共同開発に臨むかという点は、御指摘のように、技術開発力として、エアラインの要求します現在の技術レベル、特に石油価格高騰のもとで、いかに燃料消費を少なくするかという点に機体もエンジンもその技術力を結集しようとしているのが実情でございます。また、共同開発をいたします場合に、当然のことながら、生産段階でいかに効率的な生産体系を組むかということも一つの問題でございます。そのためには、生産性を高めるような設備がどのように配置されているかということが次の問題として必要である。第三番目に、やや見落とされがちでございますけれども、航空機がいわば商品として売られていく以上、そのマーケティング、市場をいかに確保するかという点に関する競争力が大きな問題になります。残念ながら、わが国はなお独自で大きな旅客機を売っていくだけのセールスネットワークが形成されていないというような実情にございます。  先生指摘のように、まず技術開発力を高めて高品質の飛行機をつくるとともに、生産力及び販売力というものを同時に高めることによって、可能な限り対等な条件で欧州あるいはアメリカの航空機メーカーあるいは航空機エンジンメーカーと共同開発に取り組むことができるのではないか、かように考えておる次第でございます。
  192. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 ところで、ヨーロッパでは、航空機の新機種の開発の開発費の助成のみでなくて、国立の研究あるいは開発機関が大きな役割りを果たしているわけですが、この国の試験研究機関、たとえば科学技術庁の航空宇宙研究所などはヨーロッパの研究機関と比べてどのような位置にあるのか、また、強化する意思があるのかどうか伺いたいと思います。
  193. 勝谷保

    ○勝谷政府委員 わが国の航空技術の開発のためには、先生いま御指摘のように、先導的な研究を行います国立試験研究機関の役割りがきわめて重要でございまして、私ども、このための付属機関といたしましては、昭和三十年以来、ただいま御指摘の航空宇宙技術研究所を科学技術庁に設けまして先導的航空技術の研究を進めますとともに、航空機開発の用に供するための風洞等の大型試験設備を整備いたしまして関係機関の共用に供してまいったところでございます。  航空宇宙技術研究所の研究成果及び共同施設の状況でございますが、先ほど通産省の方から説明がございましたYS11の開発とか現在進行中でございます国際共同開発のYXプロジェクト等に、実はこの施設が大いに貢献をいたしているわけでございまして、この施設がありましたために、おくればせながら今日わが国の航空機産業が世界に伍していけるという基礎的な面の貢献をいたしてまいりました。さらに、最近では自主技術によりますわが国初めての大型ジェット機でございますSTOL機の研究開発を進めておりまして、これは完全な国産技術によるわが国の戦後初めてのジェット機でございまして、自主技術の蓄積を図っているところでございます。さらに、このSTOL機に続くものとして、将来の先行的な基礎技術は何を求めたらいいかというようなことにつきましても、実は審議会のもとで長期構想を検討いたしまして、その路線に従って航技研の路線を決めたい、かように考えておるわけでございます。  先生指摘のとおり、財政状況の厳しい折ではございますけれども、知識集約産業の一つでございます航空機産業の発展のためには、この研究所の拡充強化を進めてまいる必要があると私ども認識いたしておるところでございます。  世界的には、予算その他必ずしも精緻な比較はできませんが、アメリカ等に比べまするならば、残念ながらはるかに劣っております。航空機部門の予算のみでも十分の一、さらにヨーロッパ等に比べましても相当低いというような状態でございますので、今後この基礎研究機関の充実には一層意を用いて進めるべきではないかと、私どもも共通の認識を持っておるわけでございます。
  194. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 わが国のこれまでのジェットエンジンの研究開発については、高性能エンジン開発に必要な試験設備がないわけですね。その試験をイギリスの国立ガスタービン研究所に委託をしているというきわめて貧弱な体制でございますが、今後わが国の航空産業を育成、振興する上で研究機関の果たす役割りはきわめて大きいと思うのですが、イギリスの国立ガスタービン研究所やあるいは王立航空研究所のような充実した国の研究機関を設置することが私は望ましいと思うのです。特にこの航空機の開発には長期間が必要であるので、早急にその充実を図る必要があると考えるわけでございますが、国の研究機関の施設、予算、人材の充実の今後の計画、具体的な方法について伺いたいと思います。
  195. 勝谷保

    ○勝谷政府委員 ただいま申し上げましたように、航空宇宙技術研究所の風洞等の大型試験設備を背景に今日までの試験設備の共用に供してまいったわけでございますが、先生指摘のとおり、一部の共同施設についてはいまだ不十分でございます。この点につきましては、航空宇宙工業会の方からも、実は私どもの研究所で整備してほしいという施設の申し入れが五項目にわたって出てまいっております。私ども、財政事情が今日のような状態でございますけれども、逐次このような施設の設置を図ってまいる、長期的な構想としてはそういう方向考えているところでございます。
  196. 斎藤実

    ○斎藤(実)委員 時間が来ましたので、以上で終わります。
  197. 中村弘海

    中村委員長 午後四時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後三時十一分休憩      ————◇—————     午後四時四分開議
  198. 中村弘海

    中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興基本施策に関する件について、本日、参考人として日本原子力発電株式会社常務取締役浅田忠一君及び同技術部長板倉哲郎君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 中村弘海

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  200. 中村弘海

    中村委員長 質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
  201. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 まず、原子力安全委員会からお見えいただいておりますので、そちらに伺いますが、スリーマイルアイランド原子力発電所事故のときも、これはもちろん外国の事故ではあったけれども、そこからわれわれは多くの教訓を学び、これを生かすことに国会としてもいろいろ努力を重ねたわけですね。安全委員会もそれなりの努力を払われたと思うのです。今回の敦賀原子力発電所事故というのはもちろんわが国に起こった事件であります。しばしば中川長官は、事故の起こった場所が、片っ方は原子炉本体であり、片っ方は周辺施設じゃないかとか、違いを強調されるのでありますが、もちろん私もその点、つまり事故の発生した場所であるとかあるいはその規模の違い、こういうものを十分な前提として伺ったのに対して、先般、吹田安全委員長は、先生指摘のとおりでございまして、こういう事故が日本で起こったということは私たちはTMI以上に非常に重要なことと考えております、こう答弁をされているわけです。そういうわけで、国民はこの安全委員会がどんな働きをしてくれるのか期待もしているし、また注目もしているわけであります。  今回の敦賀原発の事件というのは、具体的に事故が起こったときに、安全委員会のダブルチェック機能がどのように発揮されるのか、また、通産省の行ういろいろな検査、調査に対して、安全委員会の独自性がどう発揮されるのか、こういう点で、その運転、保守中においてダブルチェック機関としての原子力安全委員会の存在意義を問われている問題でもあろうと思うのです。そこで、今回の事故に対するダブルチェック機関としての安全委員会の基本的な立場、方針をまず明らかにしていただきたいと思います。
  202. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 御承知のことと思いますが、五十三年十一月に安全委員会が発足いたしまして、五十四年の一月に安全審査についての委員会の決定をいたしております。その中で、ダブルチェックにつきましては、設置許可のときのダブルチェックのほかに、設置許可以降において留意すべき重要事項というものを第一次行政庁に示しまして、それについて報告を求めてダブルチェックをいたすことにしております。さらに事故、故障についての報告あるいは放射線管理についての報告あるいは定期検査についての報告を受けまして、それによってダブルチェックの機能を発揮することにいたしております。必要によりましては、行政庁に対して報告を求める権限を与えられておりますので、特に事故などの場合におきましては、保守、管理体制その他について詳細な報告を受け、その内容についてダブルチェックをいたしております。
  203. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私どもが、現在敦賀原発事故のいろいろな究明の課題として考えているのは、大きく言って二つあって、一つは、幾つか連続しております事故隠しの真相と具体的な原因を明らかにすること、いま一つは、一連の事故全体に共通する根本原因究明すること、この両者から教訓を引き出して、これを安全審査体制を初め原子力行政の改革に役立てる、こういう観点なんですね。  これは私の考えですから、また異なる立場もあろうかと思いますが、そういう意味でこの原子力安全委員会の役割りも非常に大きいし、私自身も大きく期待をしておったのでありますが、五月十八日に資源エネルギー庁発表の日本原電敦賀発電所における給水加熱器及び一般排水路放射能漏洩事故についての報告安全委員会の方は即日了承した。この報告により敦賀発電所一般排水路への放射能漏洩の原因及び経路は解明されたものと判断する、こういう見解を出されたわけですね。以下、原電の参考人も見えれば、時間の許す限り疑問を呈しますが、私ども素人から見ても、なお個個の事故についてすら原因やあるいは真相についていろいろ疑問を持っている。ましてやその共通する根本的な原因、教訓ということになれば、まだまだこれから、こういう気持ちなのでありますが、安全委員会としては、本当にこの真相や原因について通産省報告ですべて完全に納得されたのでしょうか。そこを伺いたいのです。
  204. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 御承知のように、五月十八日にいたしました決定は、給水加熱器に関する件と一般排水路に放射能漏洩があったことの二件についてでございます。前者の給水加熱器につきましては、四月の初めに通産省が立入検査をいたしまして、四月十日にその報告を受けております。それから一般排水路への放射能漏洩につきましては、四月二十日にまず通産省から報告がございまして、立入検査をいたしております。三十日に中間報告が出ます中間におきましても、非公式に原子力安全委員会通産からその都度報告を受けております。三十日に報告を受けまして、中間報告でございますが、その内容から、重要性にさらに一層理解を深めるという意味で五月六日に原子力安全委員会委員会決定をいたしまして、安全審査委員を含めまして委員現地に派遣いたしましてさらに詳細に通産省並び科学技術庁から報告を受けることにいたしました。実際五月八日、九日に視察をいたしまして、さらに追加の説明を求め、通産省並び科学技術庁から追加の説明がございました。さらに現地をしさいに視察いたしまして、通産省報告あるいは科学技術庁報告と対比をいたしましてその確実を期したわけでございます。  帰京いたしましてから十八日までの間、約一週間の日がございますが、その間に委員会では、公式の委員会以外の日も委員並びに安全審査委員を呼びまして種々協議をいたしました。どういうことであろうかという原因究明の検討をいたしております。  おおよそあらゆる面につきまして、この二つの事故については、検討が進められた時期に通産省並び科学技術庁から報告がなされております。したがいまして、外見では御指摘のとおり五日十八日報告を受けて、そこで決定をしたように受け取られますが、内容におきましては、いま申し上げましたように、十分な検討を経た後に行われたものだと考えております。  さらに、全体を貫くいろいろの原因ということにつきましては、すでに通産省報告の中にも、通産が四月十日に原電に対して保守管理体制の見直しを命じております。その報告が出てまいりましたら、通産省から原子力安全委員会の方に報告が上がってくることになっておりますので、そういうものを通じて見解を補足できるものだと考えております。
  205. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 わざわざ現地にまで行かれているわけでありますが、もちろん専門家が行かれているのとわれわれ政治家が行っているのとでは能力が違いましょうけれども、私自身も前後三回現地に行っております。ずいぶん現地で粘って、一時期通産省から、共産党の調査通産省調査をじゃましたみたいな話まで言われたぐらいなんですが、それでも、事故の起こった現場は放射線管理区域ですから、いろいろな手続を経て入りますと、いつも時間切れで時間に追われるわけですね。そういう経験からいって、果たしてこの安全委員会現地調査がどこまでの調査をされたのかについて一抹の不安を持つわけです。一体どれくらいの時間、また、どことどことを具体的に現地調査されたのか、明らかにしていただきたいのです。
  206. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 五月八日の日は昼過ぎに着きまして、主として環境、それから一般排水口の閉鎖状態その他について視察をいたしました。御承知の本試前あるいはその対岸の俗称F地点と言われているようなところへずっと参りまして、その周囲における、どういうところで何をとったかというふうなことを伺いました。その後、東京で報告を受けました後に通産に対してさらに補足の説明を求めていた事項がございますので、それにつきまして大分、六時か七時ごろまで通産から会議室でいろいろ補足説明を受けました。  次の日、九日の日は、まずマンホールの状態を、外側、メインのマンホールから南北のマンホールまでずっと回りまして、それから御指摘のとおり管理区域に入りますので、服を着かえまして、まず旧ラドのパネルのある場所、それから洗たくろ液、さらにはフィルタースラッジタンクの外側の部屋、それから中側の部屋は非常にハイレベルで入れないというので、残念ながら入り口からのぞくくらいで済ませましたが、それから廊下、それからさらに増設されました廃棄物を詰めた容器を運搬する場所、俗称第三ホール、第三のマンホールがある、あるいはXマンホールと言われるところがある場所でございます。それから、あそこへ追加いたしました洗たくの場所がございますが、その下に問題のナンバー2のマンホールがございます。そういう点、それからさらに、地下室の途中に例のバルブの弁を開にしてもランプが変わらないので実際に水が流れているかどうか調べに行ったという場所がございますが、そういうふうなところなどを、午後一時半か二時近くまでかかって視察して歩いたように覚えております。  現地を動きました様子はそのとおりでございます。
  207. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 まず第一、通産省指摘にもあるわけなんですが、計測装置等については中央制御室とそれから廃棄物処理施設の制御室との関係なども一つの大きな問題になっているわけですね。それから、もちろん事故隠しの中には新しい方の放射性廃棄物処理施設の問題があるわけですね。給水加熱器もありましたね。こういうところは入っていらっしゃらないようですね。大体いまのところですと、われわれが見て歩いた場所と全く一緒で、果たして専門家の安全委員会としてこれで期待どおりに調査されたと言っていいのかという疑問を持つのですが、いかがでしょう。
  208. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 申し落として大変失礼いたしました。ニューラドにはもちろん参りました。それから、中央制御室ももちろん参りました。ちょっと終わりの方、落としまして失礼いたしました。  それから、昼から二班に分かれまして、一方は給水加熱器の場所、一方の班はニューラドの下の処理タンクのある部屋へ行っております。
  209. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 通産省報告書では、三月八日の事故について言えば、フィルタースラッジ貯蔵タンク室でオーバーフローを起こした廃液が、結局ランドリー室の際の床ひび割れ部分から地下に浸透して一般排水路に流れ込んで、それが浦底湾に流出し、ホンダワラの異常放射能の検出に結びついた因果関係があると認められる、こういう報告をしているわけですね。  そこで、新廃棄物処理施設増設のときの原子炉設置変更申請書の参考資料に、環境中の放射能の挙動というのがありまして、そこに、一応これは一次冷却水、蒸気になったものを冷却するための冷却水、これの排出と、それから明神崎B地点のホンダワラのコバルト60の放射能濃度との関係をグラフにしているわけですね。私どもはほかによるべきすべを持ちませんので、これと今回の通産省報告書とを比較してみたわけです。通産省報告によれば、地下に浸透したであろう廃液は約一トン、その放射能の総量が十数ミリキュリーまたは数十ミリキュリー、こういうふうに言われておるわけですね。  さて、安全審査にかかった処理の方からいきますと、月間の平均放出濃度、つまり冷却水の放出濃度が、大体10マイナス10乗μCi/ccから2×10マイナス9乗μC/ccの間に出てきているわけです。それによってこのB地点のホンダワラ中のコバルト60の濃度を見ますと、大体10マイナス1乗μCi/ccを上下している、こういうグラフなのですよ。  この冷却水というのは大量に出ますね、大体毎秒二十トンの放出。そこで全くの大胆な仮定でありますけれども、この冷却水の一月間の量が浦底湾に運び出すであろう放射能の量は幾らか、こういうふうにごく大ざっぱに計算してみたのです。そうしますと、毎秒二十トンですから月に約五千百万トンくらいになってくるのです。これに先ほど申し上げました10マイナス10乗μCi/ccないし2×10マイナス9乗μCi/ccを掛けていきますと、大体月に数十ミリキュリーというオーダーに出てくるわけですね。ほぼ今回通産省オーバーフローによって一般排水路を通って浦底湾に出たであろうと言っている放射能の総量に匹敵するわけですね。一カ月というのは、三月八日にオーバーフローが起こって一カ月後のサンプリングでホンダワラに異常放射能が見出されておりますので、とりあえず一カ月間の冷却水の海に運ぶ放射能量は幾らか、こう見たわけです。  片や、この冷却水の方は何せ毎秒二十トンという大量の水を出すわけですから、これは相当勢いよく出て浦底湾に拡散すると思いますね。これだけ大量の水が数十ミリキュリーの放射能を運び出して、F地点とほぼ同じB地点のホンダワラに〇・一ピコキュリー・パー・グラムのコバルトが出てくる、こういうことなんです。今回は、放射能の量でいけばほぼ同じ程度の数十ミリキュリーで、ただし流れ出るのはわずかに一トンなんです。その比較から考えて、この通産省報告で、本当に四月八日に採取されたF地点のホンダワラに通常の数倍ないし数十倍のコバルト60が検出されたというその因果関係の完全な説明になっているのかどうか、どうも私は納得できないのですが、安全委員会としては、特にこれは先生の御専門だと思うのでありますが、いかがでしょう。
  210. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 大変むずかしい問題を質問されまして、宙でお答えするのはなかなかむずかしいところでございますが、御承知のように、浦底湾は一番初期の時代にわりあいに放出量が多かったということがございまして、福井県の水産試験場それから放射線医学総合研究所などで、浦底湾についてはわりあいにいろいろの研究がなされております。  もともとあそこは余り流れのない海でございまして、潮の干満あるいは風ぐらいによって若干の入れかわりがあるという程度でございます。たまたま放水路から御指摘の冷却水が流されるようになって流れができるようになりました。どちらかと言うと水試側の方にやや濃度が高くて、いわゆるF地点の方がやや濃度が低いというのが従来の放出のパターンでございます。今度の場合は一般放水路で——ちょうど一次冷却水の放水路と取水口にくっついたところに一般放水路がございます、それから逆の方にATRの取水口がございます。そういう関係で流れの関係は、ふだんとは若干流れによる影響というのは異なっていたのではないかという感じがいたします。従来は、一番流れの速いところに放出されている。今度は、流れの速いところと取水の間のところから放出されているというところで、若干違っているのではないかという感じがいたします。  そういう点と、それから、従来原電がどのくらいの放射性物質を出したと言って報告をしております値と、ホンダワラに出てまいります放射能の値との間では若干のずれがございます。そういう関係でなかなか計算がしにくいのですが、一般に生態学をやっている人たちに聞きますと、ああいう自然の流れのあるところで生物の中の放射能の濃度から放出量を逆算するということは非常に困難なことであるというふうに言っております。実験室なんかでいたします水槽実験の場合ですと、水の濃度が大体コンスタントでございます。そういう意味で濃縮係数というのがはっきり出てまいりますので、濃縮係数から水の濃度を出すということは、そうむずかしいことではございません。ところが、実際にそういう濃縮されたものから今度放出量を計算するというのは非常に困難なことで、通常は計算ができない、こう申しておりますので、御指摘の点についてはなかなかむずかしいのではないかなという感じがいたします。
  211. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 一言で言えば、つまり理論的には計算が不可能のようなお話なんですね。したがって、私どもは常識的に物を見ざるを得ないと思うのです。同じ数十ミリキュリーの放射能を浦底湾に運ぶに当たって、片や約五千万トンの水で運んでいる、片やわずか一トンの水で運んでいる。この結果が、逆に一トンの水が運んだ方が数十倍のコバルト60の濃縮をホンダワラに引き起こした。では、こういうことの科学的な説明になり得るか、ただ一トンの水が流れたというその事実だけをもって。安全委員会の皆さんとして、科学者ばかりなんですから、科学的に論証したと言えるのかどうか、この点だけはっきりさしていただきたい。いま計算が不可能のような話だったのですが、これは安全委員会にお聞きします。問題が残っているのか、残っていないのか。
  212. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 まず一トンという水の量でございますが、これは通産報告によりますと、バルブを締め忘れたことからあふれていくという点で、入りの水の量を計算しているわけです。それから、今度は出る方の水の量ですが、これはファンネルからファンネルに流した水、それからウエスでふいた水、そういうふうなものを全部計算いたしまして大体十四トンぐらいになる。入りの方の水が約十四トン半から十五トンぐらいになりますので、出た方の水が十四トンぐらいになるという点から申しまして、約一トンという水量は、若干のプラスマイナスはあるかもしれませんが、数字としてはそう間違っていないと私たちは判断をいたしました。  それから、放射能の量でございますが、あいにく流れた水そのものの放射能をはかることはできませんでした。結局サンプピットの水をもとにして濃度を出しているわけでございますが、そのサンプピットの水は途中で清掃したという点で薄まっておるだろうという仮定のもとで、実際にあった濃度の五倍にして計算しております。その結果が十数ミリキュリーから数十ミリキュリーという値でございますので、まずまずこの辺であればこのぐらい——いろんな押える諸元にあいまいさが少しずつ入っております、そういうあいまいさを相殺しても、このぐらいのところはまずまず妥当な線であろうと私たちは判断をいたしました。
  213. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私はそこが問題だと言っているのではなくて、そういう原因があったときに、浦底湾に流出したことを通じて、ホンダワラにコバルト60が通常値の数倍ないし数十倍一月の間に検出された、このこと自身の因果関係、これを断定的にオーバーフローだけだと言い切ってしまって終わりにできるでしょうか。先ほど計算は不可能であるというお話もあったわけですが、だとするならば、何らかの方法で、通産省がこれを唯一の原因としていることについて、安全委員会が違った立場の検討を加える必要もあるんじゃないかというように思いますので、そういう点の用意があるかどうか、その見解をお聞きしているわけなんです。
  214. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 その点につきましては、先ほど申し上げましたように、ホンダワラの濃縮係数は約二千四百ぐらいでございます。ホンダワラにピークが検出される時期と、それから放出量の関係を見ますと、大体一月ぐらいのおくれがございます。そういう点から見まして、三月八日に起こったものが、四月八日あるいは十五日、二十二日と調べておりますが、だんだん下がってきている。まずピークが四月八日、われわれが知っている範囲では八日が一番のピークでございます。ですから、三月八日に出したとすれば、そのぐらいのところでピークになるということで説明がつくものというふうに判断しております。
  215. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 結局、そうすると安全委員会通産省の出した結果を、計算は理論的になかなかむずかしいけれども、事実上追認する、そういう結論を出しているということですね。実際問題として、先ほど言っているように、時間の関係がありますからあれなんですが、要は、数十ミリキュリーのコバルト60などの放射能を月に五千万トンの水で運んだ場合、それでも〇・一ピコキュリーのコバルト60しかホンダワラには検出されなかったというデータがすでに安全審査で出ているのです。ところが、今回の通産省の断定によれば、一トンの水が同じ数十ミリキュリーの放射能を運んでホンダワラに〇・五ピコキュリー程度のものが出た、こういうわけでしょう。この二つの関係に科学的にこれでよろしいとはっきりと結論を出し得るのでしょうかどうか、こういうことだけを私は言ってもらえばよいのであって、一言だけそれをお願いします。
  216. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 先ほど申しましたように、同じ量ですと放水口から出ている場合には流れに乗って遠くへ行ってしまうわけです。今度は引っ込む流れと入る流れのちょうど中間のところから出ておりますので、わりあいにその付近に濃く出るということは怪しいことでないので、妥当であると私は思っております。
  217. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 さらに、五十三年の三月ごろにはちょうど原子力基本法等改正案の審議が行われて、原子力安全委員会が期待される役割りを果たすかどうかずいぶんと議論されておったのですね。そのときに、当時の牧村原子力安全局長はこういう答弁をしているわけです。「ダブルチェックをするという立場から十分安全委員会の方にもそういう機能を持たして、設置許可にかかわることなく、施設の運転、保守等につきましても十分審議をして、必要なものは主務大臣に意見を申し出てそれを守ってもらう」また、安全委員会の任務の中には「事故、故障等が起きましたときには、これはまだ実施しておりませんけれども、それを国民の前にまとめて、それを評価して公表していくというような仕事をぜひ行いたい、」つまり独自の事故、故障の評価をまとめて公表する。それまではやっていないけれども、これからはやるようにする、こういう話もあるのですね。  さて、こういう国会答弁に基づいて、通産省から出てきた報告をあれこれ評価し、追認するというだけではなく、まさにここで言われている安全委員会独自の調査に基づく事故、故障の評価、こういうものを発表されますか。
  218. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 ただいまの敦賀の件に関しましては、別の発表はいたしません。
  219. 中村弘海

    中村委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本委員会に御出席くださいまして、ありがとうございました。参考人各位におかれましては、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、念のため参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言願います。また、参考人委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。  瀬崎博義君。
  220. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いま、そういう安全委員会の答えが出たからでありますが、長官に伺いたいのですが、こういう国会答弁があるのです。安全委員会なり原子力委員会の事務局の長である科学技術庁の長官が、通産大臣よりも規制法等の総括者である大臣として上に立つと申しますか、指導的な立場をとらなければいけない場合もある、こういうふうな答えも出ているのです。それから、安全委員会の任務に関してですが、何も基本設計の安全審査の指針や基準を出すだけではなくて、その後の段階の基準、指針についても安全委員会でできるだけ技術的な検討をお願いし、安全委員会で決定していただいて、各省庁がそれを遵守していただく、こういう話もあるのです。  そこで、すべてが通産優位の調査に現在なっているわけなんですが、これでは一体このときの国会答弁がどこに生かされているのかという疑問をわれわれ持たざるを得ないのです。つまり、通産省よりも上の立場に立って科技庁の長官が指導性を発揮するのだ、こうまで言われているのですが、科技庁長官としては、具体的にどこでどう指導性を発揮されようとしているのか、あるいはされてきたのか、これをお答えいただきたいと思います。
  221. 赤羽信久

    赤羽政府委員 安全委員会は独立の機関でございまして、ここが諮問を受けてダブルチェックするだけではなくて、自分で調査をし、判断をして、勧告をするという権限はあるわけでございます。ただし、本件はきわめて現場的なものでございまして、まず通産省が詳しく調査に当たるということでございます。現場的なものに対する調査をするというのは必ずしも安全委員会の機能ではございませんので、十分な調査が行われるかどうかを安全委員会としてはチェックし、そして、その結果の判断を再度議論し合いまして結論を出したというわけでございます。  科学技術庁が必ずしも各省庁とどうという関係ではございませんけれども安全委員会の事務局として、安全委員会の出された趣旨、これを各省庁に流しまして今後の対策を希望しているところでございます。そして、さらに具体策を通産省は詰めておりますので、これの報告を受けて、安全委員会は再度今後の対策チェックを行うということを決めておるところでございます。
  222. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 通産省の五月十八日の報告書日本原電等に対する措置のところでは、警報装置の問題について次のように言っているわけですね。これは参考人の方に伺うわけであります。「重要な警報装置の取り外しに際し、原子炉主任技術者を改造計画に参画させていないこと、発電所安全会議において審議しない等保安管理上責任ある者の不十分な対応、発電所安全会議の形骸化等保安規定の趣旨を踏まえた責任ある運用がなされていない。」この警報装置の取り外しについて、重大だとは言いながら保安規定の趣旨を踏まえていないという評価になっているわけですね。  そこで、もともと新しい放射性廃棄物処理施設の制御室には約二百六十余りの警報装置があって、それが一括して中央制御室にはつながっておったわけですね。この二百六十のうちのどれかの警報が鳴れば、中央制御室のどこのかわからぬけれども、とにかく廃棄物処理施設で警報が鳴ったという印だけは必ず出る。ところが、五十四年六月に、高伝導度系トラブルの警報装置を一方でつけ、あわせて、このときの作業の中で中央制御室につながっていた警報四種類を残して外してしまった、こういうことなんですね。原電が、通産が重大だというこういう問題について、何の見識もなしに取り外すような措置はしないと思うのです。外したにはそれなりの理由があったと思うのですが、どういう理由で外したのですか。
  223. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 お答え申し上げます。  いま先生指摘になりましたように、新しい廃棄物処理施設をつくりましたときに、先生、数もよく御存じでございましたけれども、約二百六十幾つというものの警報が新しい制御室制御盤についております。それが警報装置の中には状態表示のものもありますし、警報的に考えるものもあるわけですが、そういうものが二百六十幾つもございますので、非常に頻度多く、あるいはほとんどと言ってもいいくらいに警報を発する可能性がございます。そういうものを初め主制御室に取りつけてみましたところ、その重要なもの以外と申しては悪いのですけれども警報ですから皆重要なものでしょうけれども、常にランプがつくような状態である、これでは本当に重要なものがわからないということで、その後、その経験を踏まえましてそのうち重要だと思われるものを四つにしぼりまして、高伝導度トラブル、いまおっしゃるとおりのものに直したわけでございます。そのときに、実は今回のオーバーフローに関係しますようなサンプの水位高高という大事な警報を見落したと申しますか、そのときサンプ水位高であっても最後は地下の部屋のサンプの高高が出るであろう、そうすればそこでつかまえればいいという多少甘い考えがあったかといま深く反省している次第でございますが、事の経緯はいま先生指摘のようなものでございます。  以上でございます。
  224. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 問題になっておりますサンプに例をとってみても、確かにサンプ高でポンプが回るのですか、高高警報が鳴るのですか、逆に順調にポンプが回って水位が下がっていきますと、それでもまだこの警報は鳴るシステムになっているというふうにも聞いているし説明を現場で受けたのですが、そうではないのですか。
  225. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 ただいまのサンプの警報自身の、水をくみ出した後でまた警報が鳴るかどうかちょっと私この場でわかっておりませんが、タンクの中の水をくみ出しますポンプにつきましては、いま先生指摘のように、ポンプが一応機能を果たしまして水位をある程度以下にいたしましたときに、もしそこで警報が鳴らないと空のポンプの運転をする可能性がありまして、そういうことはポンプの焼きということにも関連いたしますので、物によりますと、先生指摘のように、正常に水をくんだ後、くんでしまったということを一つの状態表示としてあらわす警報があることは、いま御指摘のとおりであります。
  226. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 通産省が立入検査をしている中で、これは唯一の通産省みずから発見した事故でありますが、昨年十二月六日、旧廃棄物処理施設、問題のあるフィルタースラッジ貯蔵タンク室で廃液オーバーフローがあった。これは除染作業面積は四平米ということになっておりますが、実際にオーバーフローした廃液の量は約二・五トン、したがって、これも一部はランドリー室、洗たく廃液処理室にまであふれ出ておったのではないか。そういう意味では、片や十五トンに比べれば少ないということは言えるけれども、この二・五トンのオーバーフローは決して軽微なオーバーフローではない、こういうふうに見るべきではないかと思うのですが、どうですか。これは通産省に伺います。
  227. 平田辰一郎

    平田説明員 十二月六日の件につきましては、先生指摘のとおり漏洩量の推定は約二・五トンと見込まれております。このときもフィルタースラッジ貯蔵タンク室サンプから溢水しているので、廃棄物処理新建屋制御盤のサンプ高高警報は鳴ったと思いますが、出た水はオーバーフローしまして洗たく廃液フィルター室のみそのところまで来ていたというふうに私どもは聞いているわけでございます。
  228. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それは私の方で説明してあるので、問題はその事故の程度の認識としてこれを重大と思っているかどうかを聞いているわけなんです。肝心のことをごまかさないでほしいのですね。もちろんこの事故も運転日誌には記載されてなかった。だからこういうことはもう原電では常習化しておったんですね。このことがわかる。  もう一方、こっちは聞いてないのだけれども、いま答えが出ましたね。このときも警報機は鳴っているはずだというのです。では、このときの警報機が鳴ったのはどう処理したのですか。原電に伺います。
  229. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 サンプからオーバーフローといいますかサンプが溢水しておりますので、いま通産から御説明ありましたように、警報機はサンプの高高で鳴ったとは思いますが、そのときどういう操作をしたかということは、私現在存じておりません。
  230. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 つまり警報装置が働くことによってその発見ができたのか、それ以外の方法でそのときのオーバーフローを発見したのか、どちらであるかということと、このときの事故が果たして、たとえば発電課長とか所長に報告されておったのかどうか、これはいかがですか。
  231. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 ただいまの件につきましては、フィルタースラッジを移送していますタンクが、先生御承知のようにCとDと二個ございます。CとDの二個のうちの片方、Dタンクの方だと記憶していますが、それに移送していたわけでございますが、その移送していました運転員がほかの用件がございまして、それで他の者に、そのタンクにいま移送しているから後の処理を頼むと言って依頼をしておいたわけでございますけれども、たまたま当直の中での班内会議などがありまして、皆主制御室に集まりました。集まっていろいろ話しているときに、実はいま移送しているタンクはCタンクでなくてDタンクであったということを気がつきまして——したがいまして、警報機は鳴っておりましても、皆主制御室に来ております。警報機の所在の場所は新しい建屋の制御盤でございますので、そのとき鳴っていてもだれも気がついていない。しかし、班内会議をやりながら、いま移送しているタンクは違うということを気がつきまして、そしてその運転員は現場に行き、先ほど話がありましたように、サンプから数平米のところに溢水しているのを見つけたというのが事の次第でございます。
  232. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 結局、これもやはり三月八日と同じ現象で、警報は鳴っているんだけれども、鳴っている制御室にはだれもいないということなんですね。したがって、通産省にも言いたいのですが、五月十八日の報告書で、警報装置中央制御室集中を取り外したことが今回の事故との関係では重要だ、この指摘は私は正しいと思いますよ。しかし、現実に起こっていたことを見ますと、まず、こういう警報に対して、原電の従業員自身がそう重要だという認識を持っていない、だから警報の鳴るところをいつでも空っぽにするということがあり得た。  それから、先ほどの話じゃないけれども、とにかく、二百六十の警報装置中央制御室につないでいるときには、一日じゅう鳴りっ放し、うるさくてしょっちゅう切っている、こういうことを思わせるような発言でしょう。そういう警報装置だったのですよ。ですから、これを通産報告書に書くときに、原子炉主任技術者を改造計画に参画させなかったなどという手続問題だけに原因を求めるのは大変片手落ちの結論になる、問題の本質を見誤らせると思うのですよ。  いま、この警報装置の問題で問われている本質というのは、警報装置の役割りとはそもそも何なのか、この警報装置の意義を確立すること、それから、どんな警報システムにすべきか、その体系を問われている。また、異常を単に知らせるだけではなくて、異常を常態に戻すための操作と関連した警報でなかったら意味がない。常態に戻らなくても勝手に切れるような警報だったら、この警報は余り役に立たぬということを証明している。あるいは、計測系統とか安全保護系統と警報システムとの関連が十分ないから、この警報が鳴っても、安全保護系統が自動的に働くようには全然装置上もなっていない。こういうことが、むしろ私は問われている本質ではないかと思うのですよ。  そういう点で、そもそも、もし原電に何らかの指示を出すとすれば、原電自身が警報装置全体について、いま言ったような根本問題について方針とか基準とか理念というものを持ち合わせていなかった、ここが問題ではなかったかと思うのですが、そうじゃないでしょうか。
  233. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 お答えいたします。  われわれ、原子力発電所と一言で申しておりますけれども、確かに先生の御指摘のように、私たち原子力発電所の中心である原子炉の部分には、先生十分御承知だと思いますけれども、放射能の単位で申しまして十の八乗から九乗、言いかえますと十億キュリーぐらいの放射能が入っております。一方、廃棄物処理系は、すべての放射能を集めましても千キュリーとかあるいは数千キュリーの程度のものでございます。  それで、私たちの感覚が、いま先生指摘のように、原子炉の安全というときに、原子炉の中心部である原子炉本体に余りにも目が向けられていたと思います。したがいまして、主制御室、言いかえますと原子炉を運転します制御室には、必ず習熟した者を二名配置し、一名は常にその部屋から離れていけないという厳しい内規を決めているにかかわらず、廃棄物処理系の方は、先ほどから先生の御指摘のありますように、たとえば直員全体の引き継ぎもすべて主制御室で行われるということは、その間は運転員も配置していなかったわけでございます。そういうことで、その放射能というものについて、われわれは、量的にその重要性を原子炉本体にだけ向けていたと言っては言い過ぎかもしれませんけれども、原子炉本体に強い関心を向けていながら、廃棄物処理系についてはその関心が低かったということを深く反省している次第でございます。したがいまして、警報につきましても、あるいはTMI以降の御当局の御指示につきましても、われわれの検討いたしましたのはどうしても原子炉中心になりがちでございました。その点、今回の例に関連いたしまして深く反省している点でございますし、今後十分検討していきたいと思っております。
  234. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いまさら反省と言われても、本当に、はあそうですかと言えないのは、一九七八年の「日本原子力学会誌」に、当時の原電敦賀発電所におられた油井さんが論文を出しているわけです。ここにどう書いているか。この間、四十八年のときの「つるが発電所の建設」という、あなた方の出された報告の一節を御紹介しましたが、また、こういう別の論文にもこう書いてある。「液体・固体廃棄物は質量ともに変動が大きく、処理系の設備もまだ未知の領域もあり経験の浅い分野であるので、確定した評価や設備を得るにはこれからのデータの蓄積を必要とするものと思われる。その結果によってはまた違った方向の検討も必要とされるかも知れない」こういうふうに書いて、やはりこの廃棄物処理系統で困難をきわめている、なかなかいい技術も知恵も浮かんでこないという指摘をみずからしておきながら、しかし、警報装置一つをとっても、こういうことで終わっている。ここが問題だと思うのですよ。したがって、通産省も、警報装置の問題で指摘するなら、そういう根本を指摘しておかないと、あの報告書は私は本質を外れていると思うのです。通産省、いかがですか。
  235. 平田辰一郎

    平田説明員 先生指摘の、廃棄物処理施設におきます情報を一括して中央制御室に持ってくる問題、あるいは廃棄物処理施設の運転状況を適切に監視できるよう所要の人員配置等を行うようにすることにつきましては、今回の事故にかかわる原電に対する措置の中で、十分私ども指摘しているところでございますが、より本質的には、われわれは、今回の事件は、原電の保安管理体制がきわめてずさんであり、これがこれまでの一連の事故の大きな要因を形成していたというふうに考えておりまして、この点を踏まえまして、いまの問題も早急に改善されるように原電を指導していく所存でございます。
  236. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 昭和五十二年六月に原子力委員会が決定している「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針について」、この中の安全保護系部分を見ますと、たとえば指針二十九「安全保護系の多重性」のところでは「安全保護系は、その系を構成するいかなる機器またはチャンネルの単一故障が起こっても、あるいは使用状態からの単一の取り外しを打っても、安全保護機能を失うことにならないような多重性を有する設計であること。」とか、指針三十一「安全保護系の故障時の機能」のところでは「安全保護系は、駆動源の喪失、系の遮断及びその他の不利な状況になっても、最終的に安全な状態に落着くような設計であること。」さらに、指針三十二では「安全保護系と計測制御系との分離」のところで「安全保護系は、計測制御系との部分的共用によって、安全保護系の機能を失わないように、計測制御系から分離されている設計であること。」もう一つ挙げますと、指針三十三「安全保護系の試験可能性」のところでは「安全保護系は、原則としてその機能を原子炉の運転中に、定期的に試験できるとともに、その健全性及び多重性の維持を確認するため、各チャンネルが独立に試験できる設計であること。」こういう指摘があるのですね。この指針は、廃棄物処理系にも安全審査に当たって適用されていたのでしょうか。
  237. 逢坂国一

    ○逢坂説明員 先生指摘の安全保護系でございますが、先生の読まれた条文の一番最初に「用語の定義」というのがございまして、それの六番目に、「「安全保護系」とは、異常状態を検知し、それを防止又は抑制するために、安全保護動作を起こさせるよう設計された設備及び事故状態を検知し、必要な工学的安全施設の作動を開始させるよう設計された設備をいう。」という定義になってございます。これはこの書かれたとおりでございまして、安全保護系、ECCSの起動その他をする炉心回りの保護系であるというふうに考えられます。
  238. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 ですから、原電が原子炉本体を重視する割りにこういう処理施設の方を軽視しておったというだけではなく、安全審査の体系といいますか指針といいますか、原子炉の方はこれで十分と私たち思いません、まあ力は入れているけれども、しかし同じように大事であるはずの廃棄物処理系統についてはこういう条項の適用がない。こういう点も、今回の教訓から学んで改めるべき点ではないかと思うのですが、どうですか。これは安全委員会の方ですか。
  239. 赤羽信久

    赤羽政府委員 先生指摘の炉に関する指針でございますけれども考え方は多重防護なりあるいはフェールセーフという意味で廃棄物の方にも適用しなければいけないわけでございますが、その程度はまた違ってまいると思います。  それで、今回安全委員会が決定いたしましたのは、この指針の四十九以下にございます廃棄物系の指針が、今度のような固体と液体をあわせ持ったような廃棄物についての指針が必ずしも十分でない面がございまして、これを今後検討して、もう少し強化していくということを決定しているわけでございます。
  240. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いま原子炉系について決められている安全保護系あるいは計測制御系などの規定、これはもちろん廃棄物処理系に合うような形で適用する必要があると思いますが、これをしておったら、今回起こってきた、たとえばフラッシングバルブの開閉表示ランプ故障のまま運転に入れるとか、あるいはまた、それが原因で締め忘れが起こったことがそのまま放置されていくとか、あるいは満杯のタンクにあふれた廃液がそのまままたフィードバックされて幾らでも循環されている、あるいは警報が無人の廃棄物制御室で鳴り続けるとか、また異常事態が別に変わっていないのに警報が勝手に切れる、こんなシステムは恐らく初めから生まれてこないと私は思うのですね。そこに安全審査にも大きな問題があったということがはっきり言えるのではないかと思うので、再度その点の自覚が政府側にあるかどうかを確認しておきたい。いま検討されると言っているのは結構なんですが、そういう立場を持って、これは安全委員会が中心になって各省庁に従ってもらうようにやってもらわなければいかぬと私は思うのです、国会答弁がそうなっているのですから。重ねて答弁を願います。
  241. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 その点につきましては、おっしゃるとおり、われわれネジを巻いていくつもりでございます。と申しますのは、通産の方から五月十八日に出ました対策の中にも、技術基準をしっかりしたものをつくるとか、それに従って安全審査をやる、それから定期検査もそれによってしっかりやるということを申しておりまして、安全委員会といたしましては、それの具体策を通産が持ってまいりましたときにダブルチェックすることにしております。  それ以外に、ただいまお話がありました液体状の廃棄物処理施設につきましては、安全基準専門部会にそれの内容の検討をさせることを決めておりますので、早急にそれをいたさせるつもりでございます。
  242. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 さらに、これは新放射性廃棄物処理室の方ですが、そこの濃縮廃液タンクに三つ穴があいて修理作業を行ったということなんですが、そのときの順序ですね。われわれが調査に入って現地で知り得た範囲ででありますが、一月十九日に原子力代行の職員が漏れを発見して、その次に、この入り口には初めから二十センチほどのせきはつくってあったようですけれども、その上にブロックをたしか三段だと思いますが積み上げて、高さ四十センチぐらいのせきにしていますね。この入り口のせきを、作業に先立ってわざわざ四十センチの高さにしたのはどういう理由なんですか。
  243. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 ただいま先生の御指摘のように入り口のところに二十センチぐらいの低いせきがあって、先生は現場まで行かれて詳しくごらんいただいて、あるいは私より現場をよく御存じかと思いますけれども、確かにそこに改めてせきをつくりました。と申しますのは、このタンクにその時点で応急処置といいますか、しております。これは配管のひび割れで、一カ所のひび割れから二十ccぐらいの漏洩が出ていたわけでございます。三カ所で合計六十ccぐらいのわずかな漏洩でございますが、それに気がつきましたので、そのところに鉄といいますか、金の板を強力接着剤で取りつけたわけでございます。したがいまして、応急修理あるいはさらに本格修理ということになる間、接着剤でございますので、それが外れてまた漏洩が起こり、その部屋よりもほかに廃液が流れ出ないためにこれを取りつけたものでございます。  それで、保修というか、接着剤を取りつける作業のときに、改めてたくさんの液が出るということを考えたものではございません。接着剤を取りつけてありますけれども、そういうきわめて応急な処置でございますので、いつまでもつか自信がない、また改めて漏洩が出たときにそれが他の部分に広がらないようにという配慮から、いま先生のおっしゃいましたせきを改めて応急的に高くしたものでございます。
  244. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そのシールウエルド法ですか、それによって接着する前に、みがくという操作をしているんじゃないですか、そう説明がありましたね。
  245. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 そういう板を張りますときには、表面が新しい面でないとよくくっつかないと思いますので、確かにみがいていると思います。
  246. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もし板倉部長の言われるように、接着した後、万が一それが外れて漏れた場合に困るから——しかし四十センチと言ったらずいぶん高いですよ、またがなければ入れませんからね。そういうふうにするんだと言うのなら、順序として、まず接着作業があって、それが済んでからブロックを積む、これなら話はわかりますよ。しかし、あなた方の説明はそうではなかったのです。まずブロックを積んだ。しかも現場での説明はいまの板倉さんの説明とは全然違っておって、いまの話のように、シールする前に表面をよくみがいておかないと接着しない、そこでサウンダーをかける、そのときに万が一タンクの破れが大きくなって廃液が漏れたときに、外へあふれ出るのを防ぐためにまずせきをしたのだ、こういうことだったのです。また順序からいってそうなりますね。  もうすでにせきはしてあるのですから、それから作業に入っているのですから、もしその作業中に漏れれば、あの部屋は狭い部屋ですね、タンクでほとんどもういっぱいいっぱいの部屋でありますが、当然これは廃液浸しになる。しかも一カ所は底にあいているわけですね。タンクの底の蒸気管の接続部分の作業です。あのタンクはスカートがありますね。スカートで床に固定されています。ぐるっと周りはスカートで囲われている。一カ所に半径六十センチほどの穴があいていて、そこから作業員は出入りして底の穴あきをとめるわけでしょう。私は現場へ行って見ておりますけれども、あれはあおむけに寝っ転がった形で中へ入っていって、そのあおむけに寝た形で作業する以外に方法はないと思うのです。もしもそのときに廃液が大量に漏れ出た場合を想定していただきたいのです。もう入り口はちゃんとせきができてしまっている、中に廃液がたまってしまうわけでしょう。ああいう狭いところであおむけに寝た姿の作業員がそう簡単に外へ出られると思いません。こういう点から見て、ああいう作業の順序というものは、現在どういうふうに言いかえ、弁解をされたにしても、本当に作業員の安全最優先という観点から見れば順序を間違っている、私はこういうふうに思うのですが、どうです。
  247. 板倉哲郎

    ○板倉参考人 先生が現場を見ていただきましたときに、先生のお供をしてまいりました者がそれの担当者であったかどうかということは、多分私、新しい所長が先生御案内かどうかちょっと覚えておりませんけれども、何かどなたかでございます。その御案内した者が、発電所がいろいろの仕事で非常に混乱しておりますので、必ずしもその仕事を完全に十分理解した者が御案内していると思いません。  そこで、先ほどのせきの問題は、接着剤で張りつけるときにタンクが壊れて物が漏洩するということは考えておりません。もしそうだとしますと、先生指摘のように、働く人間の頭の上から廃液が漏れてくる。それで出るにも出れないような状態である、そういうことになりますが、安全上、物をいじれば壊れるようなタンクに人をもぐり込ませて作業をさせるということは、私の方はそういうような管理はしておりませんので、これはもし前の説明者が悪ければ、先生、前の説明の悪かったことをおわび申しますので、ここでひとつ新しく御理解いただきたいと思います。
  248. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 時間が来ているそうですから最後になりますけれども原子力安全委員会の任務として、これも五十三年当時の国会答弁にあるのですが、そういう働いている従業者の方々の被曝管理といったようなこともその任務にしたい、こういうように当時の牧村安全局長は答えています。  この間現場へも行っていらっしゃるわけですから、いまどういう説明をされたにしても、仕事の順番はその入り口にせきを積み上げる、これが先なのです。それをつくってから中へ作業員を入れて仕事をさせているわけです。ですから、もしも作業中に漏れた事態考えれば、あそこはやはり出口はないのですから廃液浸しにならざるを得ないのです。こういう点は、本来安全委員会現地調査されたときにも、そういう観点からも見ておいていただきたかったことなのですが、見ていただいたのかどうかということと、もし見ていられないなら、そういう面もぜひ今後の検討事項の中に入れてもらいたい。つまり、修理とか保修とかの作業について、いやしくも労働者の生命や健康が脅かされるような作業方法は絶対とるべきではない、こういう点について、今回原電のやっていることが果たして妥当であったかどうかということも含めてほしい。こういう面は通産省報告書には全然出てない分野なのですね。新しい方の廃棄物処理施設はこれからだ、原電の報告書を待ってからだ、こういう態度でありますからそうかもしれませんが、それならなおさらのこと、安全委員会が独自でこういう問題はやってもらいたい、そう思っているくらいなのです。  お答えをもらって終わります。
  249. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 御指摘の場所は、先ほど申し上げましたように別の班が見に行っておりますので、その状況は知っておると思います。  それから、放射線管理につきましては、われわれは非常に重要な仕事だと思っております。いかにして被曝の量を減らすかという検討につきましてはいろいろの指示もしておりますし、ことに作業種類ごとあるいは職種ごとにどうやったらば被曝量を減らせるかというのがわれわれの一番の関心事であるということをお伝えしておきたいと思います。
  250. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 だから、いま私が具体的に言った、板倉さんは前の説明が間違い、きょうの説明が正しい、ここで言いかえますということなのですけれども、現に作業は終わっている。終わった作業の順番はもういまさら変えようはないわけですね。まず入り口から廃液が漏れないような仕掛けをつくっておいて、その中へ作業員を入れたということ、しかもその作業員は寝っ転がった姿でしか作業ができないような狭いところでやっておる、特別立ち入り制限区域である、こういう作業方法についての妥当性等も、現に起こっている問題に即してきちっと安全委員会としてチェックをしてほしい、すべきだ、こういうことを申し上げているのです。このことについて具体的に答えてほしいのです。
  251. 御園生圭輔

    ○御園生説明員 事実につきましては十分調査をして、善処したいと思います。
  252. 中村弘海

    中村委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、本委員会に御出席くださいましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。     —————————————
  253. 中村弘海

    中村委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興基本施策に関する件について、来る二十九日、財団法人日本原子力文化振興財団役員等の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  254. 中村弘海

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  255. 中村弘海

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る二十九日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十七分散会