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園山政府委員 お答えいたします。まず、
わが国の
科学技術の
水準がどういうところにあるかという御
質問でございますけれ
ども、
技術水準といいますのはなかなかむずかしい問題でございますけれ
ども、
統計上にあらわれました
数字等を使いまして若干御
説明させていただきたいと思います。
御
指摘のように、ある種の
分野におきましては
相当な
水準を持っておるわけでございますけれ
ども、私
ども、全般的な
水準を
考えますために、
特許の
登録件数でございますとか、あるいは
技術貿易の額、それから
技術集約製品の
輸出額といったようなものを指標といたしまして、
技術水準というものを
試算してみた
数字がございます。これによりますと、一九七〇年代後半というところで見ますと、
アメリカの一〇〇に対して
日本は五〇、
西ドイツが五六、フランス三八、イギリス二六というような
数字が出ております。これが十年前、一九六〇年代の後半でございますと、
アメリカの一〇〇に対して二二
程度でございましたのが、十年間で五〇まで上がったという
感じになるわけでございます。さらに、この一般的な
技術水準をあらわしますものに対しまして、
研究投資額でありますとか
研究者数、それから
技術輸出額あるいは
国外特許の
取得件数といったようなものを加えまして、いわば
技術開発力水準といったようなものにいたしますと、これは
アメリカ一〇〇に対しましてまだ三五というような若干開きがある。これらの
数字、いずれも
一つの
試算でございまして、国全体の人口その他の差というものももちろんあるわけでございますから、必ずしもこれで明確に
水準が示されたというわけではないかと思いますけれ
ども、
一つの
試算といたしまして、現在まあ大体
アメリカ一〇〇に対して五〇というようなところにあるかというのが、
統計上で出ました
数字を扱いましたところの
水準でございます。
内容といたしまして、
先生御
指摘のように、いろいろ貿易摩擦等起こしておりますような
自動車でありますとかテレビでありますとか、こういったいわゆる
大量生産、
大量消費につながるものにつきましては、
日本の
生産技術というのが非常に高い
レベルにございまして、特に
信頼性管理というところは
日本のお家芸と言われるようなところまでなってきております。しかし、御
指摘のように航空機でありますとか
宇宙関係でありますとか、非常に最先端的なものにつきましてはまだ弱い、
相当重要部品等やはり輸入しなければできない。これは
技術のポテンシャルももちろんございましょうけれ
ども、やはり
需要が少ないということで、この点は
日本の国内だけでこういった
需要を創出するということもなかなか困難なものでございますので、今後
国際協力というような
立場でこういった先端的な
分野につきましても広く
いろいろ努力をしていかなければならない。しかし、やはり
国際協力、ある種の
水平分業というような形でやるにいたしましても、
日本の得意とする
分野というものはみずからの
技術で築き上げたものを持っておらなければいけませんので、この点について、やはり
基礎から
応用開発まで一貫した
自主技術の確立というのが今後の重要な
課題ではないか、このように
考えておるところでございます。