○瀬崎
委員 そもそもその
調査を、
調査というのは最も初段階の
調査ですら、それを認めれば、事実上
立地に同意したものとして扱われて、以後いろいろ
住民側が
反対の
意思を表明してももう変更もあり得ない、こういう事実がある。ここからきているのではないかと私は思うのです。この点についても、もっともっと
リコールの持つ意味というものを
考え直す必要があるのではないかと思いますね。
先ほどの答弁を聞いていますと、
中川長官は、九千人からの
賛成派のあったことも
考えなければいかぬというふうな趣旨のことを言われました。これが、一切の政権を握っている政党やあるいは
政府の代表として
長官みずから乗り込まれた、こういうふうないろいろな介入がなかった場合は、私はある程度、そういう
賛成派がいらっしゃったことについてそれなりの重みも出てくるかと思う。事実上、ずいぶん強引な介入を
政府・与党としてしてきたわけでしょう。一種の政治的圧力をかけたと言ってもいいいし、切り崩しを図ったと言ってもいいと思うのですが、その中でむしろ過半数の人々の
反対が生まれた、このことの重みの方が私は大事だと思いますね。今回の
リコールの結果の示すものとして、第一に、やはりここは非常に重視すべきだと私は思う。
それから第二は、当然いまの予土線の問題はもちろんのこと、各種の交付金とか補助金、こういう名目でいろいろなバラ色の開発その他が訴えられている。あるいは電力会社が金を使っている。こういうことに対して、
地方自治そして
民主主義を守る
立場から
住民がそういうものを拒否した、そういう審判を下したという意味でも、私はこれは非常に重要だと思う。そういうものは、この
窪川には通用しなかったんですよ。
第三には、やはりスリーマイルアイランド事故あるいは再処理工場のトラブルなどが現実に起こっているわけでしょう。やはりこれに対する
住民の不安の表明と受け取るべきだと思うのです。何かこの
リコール期間中にTMI事故に関して確実でないような情報が流れたのが不利だったと言われたけれ
ども、そもそもスリーマイルアイランド事故の内容そのものをここで論議しようと思いません。過去、私もしばしばこの
委員会でその重要性を指摘し、また
政府側も、また安全
委員会の吹田さんな
ども、事の重要性は認められていることなんです。だから、そういう点で
住民が持つ不安、これがやはり
リコールに表明されている、こう率直に受けとめるべきだと私は思う。
それから四つ目は、
町長が
町議会の決議を受けて
調査を受諾しようとしたことに対して、
リコール運動が展開されたといういきさつなんですね。これが、
先ほど言いましたように、この
調査を認めることが結果的にはもう
立地承諾につながって、一たん承諾ととられてしまえば、自後電調審のどの段階でも、もう
住民の
意思に基づく変更はできなくなってしまう、こういうことに対する
住民の不安といいますか心配の
意思表示ではなかったかと思うんですね。ですから、結果の受け取り方には、これは
立場の相違はあらわれると思うけれ
ども、やはりこういうふうな受け取り方も、当然私はあってしかるべきだと思うのです。やはり大臣としては、公正な
立場で物を
判断されるべきですから、最小限、事実は事実として、まず謙虚にこういう結果をいろいろな角度から見ていただきたいこと、決して一方に偏った
立場、
推進するという
立場からのみ見られるべきでないということ。
それからもう
一つは、いかなる
事態があっても、押しつけがましいことをすべきではない。
先ほど、
住民が決定すると言われたのですから、それなら本当に民主的に
住民に任す、こういうことだけははっきりここで表明しておいていただきたいと思うのです。