○小西博行君 ですから、平たく言いますと、入学のときはわりあい楽にはいれる、単位を取るというのはなかなか厳しいと、こういうかっこうになりますかしら。大体そういう
大学というように考えたらいいわけですね。何か、その辺で
大学の評価というものがずいぶん私ははっきり出てくるのではないかなあと。たとえば、この
放送大学での単位認定を受けると東大生あたりの単位に互換ができるとか、そのぐらいの
内容があるものだったら私はそれほど心配しないんですけれ
ども、どうも現実にいろいろなお話を聞きましても、非常に安っぽくなって、全体の
大学そのものが、この
放送大学のことで評価を落としてしまうような感じになりはしないだろうかなあと。これは私
ども実際夜間
大学なんかやってみまして、そういう傾向が非常に大きく出たんですね。勉強したいというのと同時に、試験すると全然はいれないという問題が実はありましたものですから、入ってから
本当に勉強するという態勢がとれればこれは私は非常にいい
大学になるのではないかと思うのですけれ
ども、これはやっぱり自主性という問題が常に
大学教育の中にありますので。その辺の心配が少し私は残っておるものですから、その上手な知り方ですね、カリキュラムの編成だとか。ややもすると、
テレビに登場される
先生というのはスター的なといいますか、タレント的な要素がないと見てもらえない、非常にまじめにやればやるほどあきられるという部分がある。実際われわれ自身が講演に行ってもそういうものがあるわけであります。この中でも、かなりシステム工学だとかなんかというのを書いてあるのです。非常にかたい講義を学際的にやられますと、これは大変聞きづらいのではないか。
そうしてもう一点は、これはNHKの例の
教育テレビなんか見てもよくわかるのですけれ
ども、非常に簡潔に上手にまとめていますね、項目一何ということで。そのときは非常に感心するのだけれ
ども後さっぱり残らないという欠点があるわけですね。だから、何回もそれを上手に繰り返して刺激するという問題も私はあわせて考えていただきたい。
時間があとまだ少しあるわけですけれ
ども、とにかく私がここで申し上げたいのは、きょうはもう非常に総論的なことを申し上げたわけですけれ
ども、
放送大学というのは確かに新しい
一つの時代の
要求というのも当然あるでしょうし、そして勉強したい人が何としても勉強できるような体制をつくらなければいかぬ、これはもう私は国としては当然やるべきことだし、やらなければいかぬと思う。しかし、現実の細かい問題になっていきますとまだはっきり決まっていないことばかりで、それは
法案が通ってから細かく
審議しましょうということではございますけれ
ども、やっぱり私はもっと詳しい具体的なそういう素案というものをできればつくっていただきたい。当然
大学を
特殊法人ということでつくるわけですから、これをどこまで
文部省で介入できるかどうかという問題も私はあるんではないかと思うのです。非常に遠慮した部分があるのではないかと思いますけれ
ども、少なくとも、ここで
審議するということでございますので、できれば具体策を早急に示していただいたらもっと焦点をそれぞれが合わして
審議ができるのではないかな、こういう感じが実はしているわけです。
そして、全体から言いますと、
放送法の問題、これが
一つ私はあると思うのです。この中にはたくさんの問題があると思います。それから今度は、国の強いコントロール、つまり
組織の問題ですね。こういうものが一体どうなのか。それから実際に
大学ができた場合の
管理運営の
組織、それから
教育内容とか方法、これも
一つの大きな問題だと私は思うのです。それからもう一点は、
既存の
大学と
放送に及ぼす影響、この辺の調整。最後に、これ幾つもあるわけですが、たとえば生涯
教育に果たす
放送大学の
役割りとか、それから
放送大学に適用する設置基準であるとか、あるいは開校は
大学教育の
機会に恵まれない地方からできるだけ採れるような体制にするとか、あるいは、完成までに時間をかけ過ぎるのでもう少し内部での
審議、これを十分尽くしていかなければいかぬだろう。あるいは、多額なお金を使う、だからむだのないような方向性を見つけなければいかぬ。たくさんの問題があるのではないかというように私は考えます。したがいまして、それぞれの
資料をばらばらにもらうわけでございますけれ
ども、できればそれが、最初から
計画書が、ぴしっとしたやつが日程によって出てくれば一番助かるというように思うわけでございますが、できればそれを
お願いいたしまして
質問を終わりたいと思います。
どうぞよろしく
お願いいたします。