○木島則夫君 これから私が申し上げることと、いわゆる
防衛大綱の見直しと同列に論じることはできないかもしれませんけれど、過去政府が中長期の経済計画については二年か三年を経た時点で五年計画あるいは十年計画を次々に見直してきた経緯と比較をいたしましたときに、なぜ経済計画にそれができて、
防衛計画にそれができないのか。この辺は日本の安全保障、
防衛問題の宿命だと私も思う、はっきり言って。本当はこういうことを
長官と私は土俵の中でとっくりと話したかったんだけれど、なかなか四つに組むことができないものですから、これはいずれ私はこういった問題について具体的にやっていきたいとは思うけれど、なぜ経済計画にそれができて、
防衛計画にそれができないのか。これは
お答えは私は要りません。私の感じたまま、率直な意見としてこれは申し上げておきたい。
また、衆議院の
内閣委員会での会議録などを読んでみましても、政府側が、米ソ
関係というものも大幅に後退はしたけれど、いわゆるデタントが崩壊してしまったわけではない、いま見直さなければいけないような差し迫った変化がないと判断をしているという旨の、言ってみれば大変苦しい答弁だろうと私は思う、こういう答弁を繰り返されている。このようなことでなしに、すっきりとした御答弁を本当はしていただきたいんでありますけれど、これ以上申し上げても
長官から返ってくる
お答えは先ほどの
お答えと同じであるということで、私は意見を交えて先にいきます。
次に、国内情勢の変化という要素についてただしておきたい。さきにも申し上げたように、私は国際情勢の変化という要因が最も重要で、これでほとんど決まると言ってもいいと思うくらいなんでありますけれど、政府の言う国内情勢の変化とはどういうことを
考えておられるか、政府が五十二年発表の
防衛白書において挙げられた情勢の大きな変化の五つの事例を見ましても、ほとんど国際情勢にかかわるものでありまして、国内情勢とでも判断できますものは日米安全保障体制の有効な維持の一項目というふうに私は見た。当然日米安保体制維持の基調となる政治的勢力
関係——政党的と言ってもいいでしょう、政治的勢力
関係。さらにその前提には国民世論の動向というようなものが中心になろうと思いますけれど、前々回の総選挙あたりからあらわれてきた、いわゆる中道志向というような点から見ましても、さっきから話題になっている国会における政府とわが党首との
防衛問題に対する意見交換、こういったことも最近における国内情勢の大きな変化であるということを私ははっきり申し上げさしていただきたい。これについての議論は結構です。
次に、
防衛計画の達成
状況の点でございますけれど、政府がこのようなことを見直し要因の
一つに挙げること
自体私はどうかと思っております。
防衛計画の大綱というものが昭和五十二年の
防衛白書で解説されているように、基盤的
防衛力構想という新しい
考え方を取り入れ、そのような新しい
考え方を採用するに至った動機なり背景として次の四点を挙げております。
つまり、国民的合意を確立したいという当時の
考え方に立脚をした。二番目、
自衛隊の現状に対する反省、つまりこれはどういうことかというと、正面
防衛力の整備に重点が置かれ、後方支援部門の整備が圧迫を受けて、全体としての能力は意外に低い水準にとどまる。三、
防衛力整備上の国内的諸条件への配慮、言ってみれば経済とか財政上の制約、隊員の確保上の制約、あるいは施設を取得する上での
問題点などがあったはずでございます。四番目が、当面の国際情勢に対する判断、こういった四点私はここで挙げております。こういった四点が解説記事として読み取れるわけでございます。
こういう解説記事を読み直してみるときに、昨今言われていることが基盤的
防衛力構想なるものを採用しました当時と余りにも時の流れを感じさせるほど遠いものがある。つまり今時の感があると言ってもいいくらい私は変わっているというふうに思うわけです。
ですから、
防衛当局が
防衛計画大綱に固執する態度とその理由がわからなくなってくる、こう言いたかったわけであります。何か反論したかったら
局長してください。