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国務大臣(
中川一郎君) 先ほどは
原子力利用の一般的なことを申し上げましたが、先ほど来お話がありましたように、二十一世紀には一般化されるであろう
原子力船についても、
研究開発を進めておかなければならないとするのは当然のことだろうと思うんです。また、
後藤委員御
指摘のように、
わが国は今日までやはり
国民の勤勉さ、科学
技術を初めとする頭脳の優秀さ、こういうことで今日の
日本があり、
世界が驚く力を持ったものだろうと思うんです。ただ、残念なことに、今日まではどちらかと言うと
外国の
技術を吸収し、そしゃくをすると、こういう点にウエートが置かれておりますけれ
ども、
世界の情勢はそう甘いものではない。とするならば、これからはいよいよ
エネルギー不足あるいは資源不足の時代、今日のような経済を繁栄させていくためにはどうしても自主
技術の
開発ということを積極的に取り入れていかなければいけない。私は
科学技術庁長官として四つの柱を掲げております
一つに、自主
技術、そのほかには国費の大幅投入、あるいはまた官学民の一体化、さらには
外国との協力関係、こういった四つの柱の中の
一つとして自主
技術の
開発ということをやっていかなければならない、こう思っておりまして、
原子力船についても、本当に残念なことに、スタートはよかったのでありますが、ああいった
事故というのか、私は故障と言っておるんですが、
後藤委員御
指摘のように、
研究開発であればああいうことも経験の
一つになるんではないかと思うのでありますが、非常に
国民の方々からいろいろな意見が出まして、
世界が笑うようなおくれぶりでございます。これは
わが国は
原子爆弾による被害を受けたという特殊な
事情もあったかとは存じますけれ
ども、そういったもちろん
安全性とか
事故の問題等は議論はしなければなりませんけれ
ども、これから八〇年代、二十一世紀の将来を見通して、
日本の経済の繁栄あるいは暮らしを守っていくという責任のある立場の者としては、何としてもこのおくれを取り戻して、
原子力船についても
世界に伍していかれるようにしていかなければならないと、こう真剣に
考えまして、関係機関に御協力をお願いすると同時に、
安全性については
政府みずからもさらに一段の
努力を積み重ねて、
国民から理解を得られるようにしていかなければいかぬ、こういった姿勢で取り組んでおります。幸い、最近における
エネルギー事情等から、かつてのような
認識ではなく、
国民の皆さんの間にもしっかりやれという声が非常に高まってきていると私は思っておりまして、この点ありがたいことであると同時に、さらに一段の
努力を重ねていきたい。何とぞ当委員会におきましても真剣に御議論いただきまして、正すべきは正さなければならないが、だからといってこれをやめてしまえということでは、
エネルギーについて責任は持たなくてもいいんだという結論に私はなるんじゃないかと思います。先々のことを
考えますときに、私
どももさらに一段とがんばりますが、
先生方の一層の御指導をお願いいたします。