○目黒今朝次郎君 きょう判決出たばかりでありますから私も判決文を読んでおりません。ただ、言えることは、総裁、この
国鉄再建法案が始まってから労使関係ということがたびたび他の
委員から言われましたが、やはり十分尽くすべきは尽くした
段階で、不幸にして起きた事故については、総裁が体を張ってやはりその職員を守ってやるという姿勢がなければ大変なことになるということを、判決と同時に総裁に注意を喚起したかったからだ。私はそう思いますので、警察当局の理論的な問題については、私もずいぶん現地に何回か乗り込んで反発しましたから、この
段階では反発いたしません。願わくば控訴しないで、その問題についてピリオドを打つように警察の
関係者に伝えてほしいという要望だけしておきます。
それから私は、今回のこの
国鉄再建法案の問題について、時間が何回も延びてしまったのは、実は社会党といたしまして今回の
法案について幾つかの問題点がありますが、三点ほど修正案を出して、その修正案を原案と絡ませながら検討してほしいということを、この
委員会にぜひ出してほしいということをお願いしておったわけであります。振り返ってみますと、十一月の六日に理事会に通告いたしまして、十一月の十一日の理事会に提案して、理事の皆さんはオーケーと、提案の時期については
委員長預かりと、こうなっておったわけでありますが、延長
国会の前の十一月十三日になって自民党さんの方から待ったがかかる。
委員部の皆さんから前例がない、前例がないというばかの
一つ覚えで堂々めぐりする。そして十八日、二十日、きょうは二十五日ですよ。いまだに自民党の諸君は提案の問題について、この
委員会に社会党提案として提案させようとしない。どういうことなのか、ずいぶん私もばかでありますけれども、
東北の田舎から出てきた私のようなばかが
考えてもその理由がわからない。私以上に学校を出ているりっぱな
方々がいっぱい集まっているんですが、私が物わかりが悪いのか、自民党が物わかりが悪いのか、またはこの提案をされて自民党が困るのか、そのいずれかについてはわかりませんが、
委員長さんも大分苦労されておるようであります。
しかし、時間がだんだんなくなりますから、私は社会党として修正案の提案に対する基本的な
考えはまだ変わっておりません、これだけははっきりしておきます。まだ時間がありますから、いずれかの機会に自民党さんの方に、あるいは
政府に向かってこの問題を責めなければならぬとこう思っておりますが、きょうは私の時間を利用して、自分の時間を使って簡単に要点だけ提案しておきますから、今後の
政府なり
国鉄なりあるいは総理
大臣との一問一答も
予定されておりますから、そういう総理
大臣の
答弁も含めて要点だけ
お話し申し上げておきたいと思っております。
一つは、いわゆる特定地方線の取り扱いの問題であります。
政府原案によりますと、二千名以下の特定線区を
政府並びに
国鉄が指定をしてそれで地方に落とす。それを通知を受けた地方は協議会を設けて御
相談する。
相談して二年以内にまとまればよし、まとまらなければ見切り発車だというのが
政府原案であります。これは一番最初わが党の広田
委員が鉄監
局長に質問したときも、この
法案については関係住民の皆さんの
意見は聞いていないということをあなたははっきり
答弁しているわけであります。関係住民の
意見を全然聞かないでこの
国会に
法案出していると。こんな
地域住民を愚弄する方法はないではないか。
したがって、採算の悪い線区はわかるわけでありますから、その採算の悪い線区についてあなた方どうしましょうかということを、廃止を前提ではなくて採算が悪いからどうしましょうかということをあらかじめ関係の皆さんに御
相談を申し上げ、
地域の皆さん、農家の皆さん、あるいはそこに働いている労働者の皆さん、そういう皆さんの
意見の総意を結集して、二年間なら二年間検討して、
大臣の言うとおりこういう方法がある、こういう方法がある、こういう方法がある、いろんな
意見が出てきて、その中でこれでいこうということになれば初めて
大臣にその結論を申請をして、その申請を受けた
国鉄と
運輸省が住民の皆さんに合うようにやってやろうと、そういうことでいいではないか。どうしても
意見がまとまらないときは、やはりその管轄する県知事さんの
意見を最終的に集約して、知事の
意見は最大限尊重するということをやれば、
国鉄も
政府も
地域住民も県知事も四者一体になっていわゆる
国鉄の再建なり足の確保ということができるではないか。住民を含めた合意ができるではないか。そういうことをぜひやってほしいというのが修正案の第一点であります。
第二点は、割り高運賃であります。これも何回かもうこの
委員会でやられてまいりました。いまでこそバスに比べて
ローカル線が安いから
ローカル線を利用しているのであります。バスと
ローカル線が並行して走っている線は四倍も五倍もバスの方が運賃が高い。高いから安い
国鉄を利用して、
ローカル線の
方々は生活が苦しいから少しでも安い
ローカル線を使おうと言っているのであります。それを今回は、その
ローカル線を五割
程度運賃を上げる、割り高運賃をやる。これはちょっと酷ではないか。そうして質問の中では、東京や
大阪のように、私鉄に比べて
国鉄が高い。高い運賃はでは下げるのかという質問に対しては、
国鉄再建のために泣いてがまんしてくださいということが運輸
大臣とか鉄監
局長から
答弁がありましたが、それは余り虫がよ過ぎるんじゃありませんか。私は率直に言って、
ローカル線の割り高運賃制は、五年か十年を展望しますと完全に縮小再生産で、地方から完全に
鉄道というものを取り上げてしまう、住民から足を取り上げてしまう、そういう長期展望に悪い意味でつながっていると、そういうふうに社会党は
考えますので、どんな理由があっても割り高運賃制はとるべきではないというのが二点であります。
第三点は、後ほどの質問にも関係しますが、いわゆる新線
建設であります。私
たちは、今日の時点では鉄建公団も含めて、新幹線は
東北新幹線、上越新幹線、これはやむを得ないでしょう。整備五線も含めて新線は当分の間つくるべきじゃないと、こういう見解を持っております。しかし、どうしても
国鉄が
営業政策上これは採算が合うと、
営業政策上これをやってもよろしいという
見通しがある場合に限って、例外の例外として新線
建設は認めるけれども、それ以外は鉄建公団も含めて当分の間新線は
建設すべきじゃないと、大体大ざっぱに言ってこの三点が私
たちの当面の課題で、修正案であります。
したがって、この三つの点については今後の論議なりあるいは総裁との
質疑応答なども通じて、社会党の提案は決して私は無理を言ってない。きょうなどは
国会にいっぱい地方の皆さんが来ております。自民党も含めて、自民党の知事さんも含めてどんどん来てますよ、自民党、社会党問わず。でありますから、自民党、保守革新を問わず来ている現状から見ますと、私はこれは共通の課題だと、こう思いますから、ひとつ
大臣、総裁、
関係者、まず頭の中に置いて、今後総理の質問も
考えておられるようでありますから、少し検討方お願いしたい。四時間という自分の時間を使って、頑迷固陋な自民党のために十三分損しましたが、前進のためであればいいということで、あえて自分の時間を使って骨格だけは一応提案し、
答弁は要りません。
そこで私は質問いたします。今回の
法案は
ローカル線切り捨て、それから三十五万人体制の問題、それから累積
赤字のたな上げと、大体三本の柱が今回の
法案の中核だと言われてきたとおりであります。そうして運輸
大臣は、いろいろ収支の均衡もあるけれども、
経営基盤の確立だと、それが六十年までの最大の目的だとこう言っていらっしゃるんですが、ひとつ私は角度を変えて、これは
赤字になったのが
昭和三十九年でしょう、
赤字に転落したの。
昭和三十九年から
考えてみると、たとえば公共投資などを見てみますと、三十年から五十三年、これは当時を一にしますと道路関係は八十三倍、航空関係は七十倍、港湾関係は五十倍、
国鉄関係は二十倍、これは衆議院でわが党の福岡
委員が問題提起をして、
政府側が肯定しておりますから、同じ競合する交通機関に道路、航空、港湾、
国鉄、このように
考えてみると、
国鉄の三倍も四倍も五倍も公共投資をどんどんぶち込んで道路をよくして、そして
自動車産業を育成強化して道路をよくし、航空条件をよくし、港をよくし、
自動車をどんどん育成してマイカーを走らせ、トラックを走らす、こういうことをどんどん国の政策として遂行すれば、好むと好まざるとにかかわらずお客さんと荷物は
国鉄離れをするのが理の当然ではないか。
国の行っている政策と
国鉄離れというのは、決して
国鉄の労働問題、
国鉄側の
企業努力に十分でなかったこともそれは認めましょう。認めますけれども、いま申し上げた公共投資の動向と
自動車育成、港湾育成、航空機育成強化、こういうことをどんどん片方でやっておって、戦前、戦後やっと安易ながら、最初は木炭をたき、
石炭をたいて油に移って、電気に移って、酷使させた戦前戦後のあの機関車と貨車を使いながら、安易ながらやってきた
国鉄努力を
比較対象した場合に、政策として
国鉄がどんどんおくれていって、
自動車の方は笑いがとまらない、飛行機は笑いがとまらない、これは当然じゃないかと私は思うんでありますが、
大臣、これはどうですか。こういう
国鉄離れは、労使の問題もあるけれども、国の交通政策自体が
国鉄離れを誘導するような政策自体を公共投資の面であるいは産業政策の面で行ってきたということをあなたは認めますか認めませんか。どういう
考えですか、
大臣の見解を聞きたい。