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稲葉委員 私も外国へ行って、立法例よりもむしろ実際のその運用ですよ、これは
法律があっても実際にはやられていないところも相当あるわけでして、どのくらい行くのか知りませんが、そこへ二、三日行ったところですぐわかるものではありません。それから、その国としても実際余り名誉なことではありませんから、実態のこと、本当のことはなかなか言わないのじゃないでしょうか。相当長期に
調査をしないといけないというふうに
考えるわけです。
この前、これは一体一番長いのは何年くらい収容するのかということを私は
大臣に聞いたら、
大臣わからなかったですね。これは勉強不足で、条文にあるのですから、初め三年で後二年二年と更新できるから長期七年です。それはそうなんです。精神障害者に対してそんなに長く入れておくということはちょっとないわけです。そこらいろいろこれは問題は確かにあるのです。非常に大きなむずかしい問題があって、病気のことですから、私
どもにはなかなか理解しにくい点がたくさんあります。この朝日ジャーナルの中にある河上君と宮沢浩一さんとの対談も、これもすべてのことが全部載っているのかどうか、何時間ぐらいやったことであって、その河上君のしゃべったことが全部載っているのかあるいは宮沢先生のしゃべったことが全部載っているのか、そこら辺のところよくわかつらぬですよ、率直な話、いろいろな話も聞きますからね。これらやはり全部のものを見なければなかなかこれだけで私も
判断できないと思うのだけれ
ども、これは編集権の問題でもあって、これはわれわれがかれこれ言うべき問題でもありませんからこれ以上申しませんけれ
ども、いずれにしても、あなたの方でもいろいろな形で克明に
調査をされて真実を明らかにするのは私は大事だと思いますね。
私の方でも私
どもなりに、いま言ったたとえばオランダの問題でも廃止になったと言うけれ
ども、みんな自分たちの方の都合のいいところだけ引っ張ってくるわけですから、だれだって論証するときに、これは日本人の悪い癖で、自分の都合のいいところだけ引っ張ってくるわけです。この前の弁護人抜き
裁判のときだって、藤永君が引っ張ってきたのは控訴審で破れて破棄されたような判例まで引っ張ってきて出しているわけでしょう。こんな破れた判例を引っ張るのはおかしいじゃないかと言ったら、学者はみんなそういう判例の引っ張り方をしていますと言うから、なるほどそうかなと思ったのですが、自分の都合のいいようなところもあるし、都合の悪いところもあると思うのです。だけれ
ども、これはとにかく全面的に、ことに
法務省関係では明らかにしてもらって、正直な
一つの答申書というか何なりを出してもらいたいと私は思うのです。その上でわれわれは長期的に粘り強くこの保安処分の問題について論議を深めていきたい、こういうふうに思うのですね。いまも厚生
大臣のあれなんかを見ると、私もこれを聞いたときに気がついたのです。変なことを言うなと思ったのですけれ
ども、あそこだから黙っていたのです。いろいろなところがありますから、これから十分論議を深めていきたいと思います。
それからもう
一つの問題は、いま
国籍法の改正ことに二条の問題で父系主義から父母両系主義というのですか、あの問題の中に入ってきますね。これはコペンハーゲンで開催の国際婦人の十年世界
会議で政府は婦人に対するあらゆる形態の差別を撤廃する条約に署名した、こういうふうになっていますね、ことしの七月十七日ですか。そのことに関連して
国籍法の改正という問題がいま起きておるし、ことに二条の問題が今後起きてくる。私の方もいま提案をしていますから、この前にも提案をして、七日に
土井たか子さんから趣旨説明があるわけです。
いまこの問題をめぐりまして、父母平等の問題で国籍確認で東京地裁の民事三部、民事は二部と三部が
行政部ですが、三部に二つの
事件が係属しているわけですね。ことしの五月十三日に結審して、半年以上たってもまだ判決になりません。ですから、私はいまここでその判決に影響を与えるようなことを
質問することは避けなければならない、こういうふうに思います。だからこの具体的な事案も
内容も聞かないし、これに対してあなた方の方で出しておる最終準備書面というものがそのまとめだと思う。この最後、第三のところに
政治的ないろいろな
判断の必要性ということを書いていますけれ
ども、これなんか私は相当問題があることだと思うのです。それについて細かいことを聞くのは
裁判に対して介入のおそれがあるというふうにとられてもいけません、判決が出ていませんからね。だからそれは聞きません。
ただ、その中で
一つ私は了解できないことがあるんですが、それはこういうことを言っているのですね。鑑定人、学者が出ておるわけですが、その「鑑定人らは、近隣諸国との国際条約によって解決できる旨述べるが、」——これは東京
法務局になっています。ちょっとページがついてないのですが、最後の「第三 国籍付与の
政治的
判断の必要性について」というところの二の終わりの方、これは
大臣に聞いておいてもらいたいのですが、この中に「鑑定人らは、近隣諸国との国際条約によって解決できる旨述べるが、朝鮮、中国がいずれも分裂国家的状態にあり、また、中国においては
国籍法も未だ定められていないのであり、国際条約を締結するに十分な条件にあるか否か疑問であり、」というようなことが書いてあるのです。
大臣いいですか。これは
大臣にお見せしてくださいね。
そうすると、いま中国が分裂国家の状態にあるというふうに
大臣はお
考えですか。これが鈴木
内閣の
基本的な
考え方ですか。中国が分裂国家的状態にある、こういうふうにちゃんと書いてありますよ。これはその
考え方ですか。まずそれが
一つ。それから、
国籍法が決められてないというのは、この準備書面を出した段階ではまだ決められてなかった、これはしようがありません。後で中国の全人代
会議で決められたのですから、この状態のときはしようがありません。いまは決められておる。中国が分裂国家的状態にあるということは、具体的にどういうことを言うのですか。