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渡部(行)
委員 国民の税金を安くするなどと非常にきれいごとを語っておりますけれども、今度また税調がどうしても消費税のようなものをつくらなくちゃならぬと言っているじゃないですか。現実にもう増税の方策をどんどん出しておるのですよ。そういうものを具体的に進めておいて、いま
長官の言うようなことは、私は
国民は受け付けないと思うのです。
公務員も
国民なんですよ、
公務員と
国民を切り離して考えること自体、私は非常に矛盾があると思うのですが、これはとても議論しても尽きそうもありませんから、次に進みます。
次は、外務省にお願いいたします。この狭い
日本に一億一千七百余万の
国民がいるわけですよ。私は、このままどんどん人口がふえていけば、しかも
日本の独占資本主義が進めば、これはまた帝国主義段階に突入して、結局侵略思想が必然的にそこにはぐくまれるんじゃなかろうかということを危惧するものであります。そこで、いまこそ外務省は勇気をふるってこの問題と取り組むときが来ているのではないか。アメリカとは
経済摩擦を起こし、ECとも
経済摩擦を起こしてにっちもさっちもいかなくなっておる。なぜそんなところと
経済摩擦まで起こしながら競争しなければならぬのだろうか。地球上を見回すときに、中南米ありアフリカあり中東がある、あるいは東南アジア、ASEAN諸国がある、オーストラリアもあれば、大変な
発展途上国があるわけですよ。こういう第三世界をもっと重要視して、そこに対して外交の重点というものを移していった方がいいんじゃないか。私はいまがチャンスだと思うのですよ。
そういう中で、具体的に例を挙げるならば、まず歴史的にも縁の深いブラジルをとってみても、ブラジルという国は
日本の約二十五倍くらいありますか、その中でアマゾン地帯が四分の一、セラードという草木も生えないところが四分の一、あと利用されているのがわずかに四分の二ですから、半分なんですよ。そういう広大な土地があるのに、こういうものに援助してくれと相手様が言っているのです。ただ、金で援助すると、金というのは高官のふところにだけ入って、人民の中に落ちていかないのですよ。これはもうアフリカでもそのとおり。そういう形での
日本の援助というものはほとんど効果を上げていない。だから、こういうものに開発援助として人ごと援助をしてやる。りっぱに教育して、
日本人のプライドを
外国で傷つけないような、しかも技術的にも知能的にもまさっている人を送ってやって、こういうものの開発にどんどんと移住させて、そのために国が大きな資本をぽんと投下する。そうしてやっていけば、やがて
日本が資源が欲しいときには、いつでもその国の中から
日本に手を差し伸べる要件ができてくるわけであります。そういうものをいま百年の大計として打っていかないと、まるで民間の移住に任せきりで、ほとんどいま移民らしい——移民というと非常に暗い感じがしますけれども、移住らしい移住はなくなってきているのです。また外務省もそういう担当課もなくしておる。こういうことでは私は非常に心配なんですが、その点、外務省はどういうふうに考えておられるか、これが第一点。
第二点は、在外公館の問題でこの前も私、言いましたが、その際、
長官はこういうことを言っておられるのです。ずっと言ってきて「しかし、
日本のほかの官庁も外務省に負けないぐらいみんな一生懸命やって、夜中の一時、二時まで残って政策をつくったりしておるわけでございまして、そういうような苦労においてはほかの官庁も負けないと思っております。」こういうふうに
日本の各官庁と外務省を並べて、こっちも一生懸命やっているのだから外務省もそんなわがまま言わないでがまんしてくれというような
趣旨の御答弁だったのですが、私は外務省の在外公館の問題なんかを
日本の各省庁と比べること自体が大体ナンセンスだと思うのです。外務省の在外公館というのは、いわば
日本の玄関口でございまして、どこの家の玄関口がりっぱだかりっぱでないかというのは、そこに行ってみれば一番明らかなんですよ。
日本が大国としての襟度を保ち、その威厳を確立していくためには、在外公館において
外国の公館に劣るようなことでは恥ずかしいのではないか、またそういう体制の中では、最も重要な国際情報の収集などできないではないか、私はこう考えられるのです。そういう点では、数字は挙げませんけれども、フランス、西ドイツをしのぐぐらいのもう少し迫力ある
行政を展開してもらいたいと思うのですが、その点について、外務省もまた余りにも腹が小さい、もうびくびくして人員の要求なんかをしておる。それは意欲のない証拠でございますから、その辺もひとつお聞かせ願いたいと思います。