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1980-10-31 第93回国会 衆議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十五年十月三十一日(金曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 左藤  恵君    理事 石川 要三君 理事 工藤  巖君    理事 中山 利生君 理事 小川 省吾君    理事 石田幸四郎君 理事 青山  丘君       池田  淳君    臼井日出男君       小澤  潔君    小渡 三郎君       片岡 清一君    亀井 静香君       久間 章生君    久野 忠治君       塩谷 一夫君    野呂 恭一君       五十嵐広三君    細谷 治嘉君       松本 幸男君    斎藤  実君       岩佐 恵美君    三谷 秀治君       田島  衞君  出席国務大臣         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     石破 二朗君  出席政府委員         警察庁長官官房         長       金澤 昭雄君         警察庁刑事局長 中平 和水君         警察庁刑事局保         安部長     谷口 守正君         警察庁交通局長 池田 速雄君         自治省行政局長 砂子田 隆君         自治省行政局公         務員部長    宮尾  盤君         自治省行政局選         挙部長     大林 勝臣君         自治省財政局長 土屋 佳照君         自治省税務局長 石原 信雄君         消防庁長官   近藤 隆之君         消防庁次長   鹿児島重治君  委員外出席者         国土庁長官官房         震災対策課長  楢崎 泰道君         大蔵省主計局主         計官      保田  博君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部地         方交通線対策室         長       金子 史生君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部監         理課長     松尾 道彦君         日本国有鉄道地         方交通線対策室         長       岩崎 雄一君         日本国有鉄道旅         客局総務課長  高木 謙治君         地方行政委員会         調査室長    岡田 純夫君     ————————————— 委員の異動 十月二十九日  辞任         補欠選任   池田  淳君     大野  明君   岩佐 恵美君     村上  弘君 同日  辞任         補欠選任   大野  明君     池田  淳君   村上  弘君     岩佐 恵美君 同月三十一日  辞任         補欠選任   田島  衞君     田川 誠一君 同日  辞任         補欠選任   田川 誠一君     田島  衞君     ————————————— 十月二十七日  料理飲食等消費税免税点引き上げに関する請  願(正森成二君紹介)(第六四二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方自治地方財政警察及び消防に関する件      ————◇—————
  2. 左藤恵

    左藤委員長 これより会議を開きます。  地方自治地方財政警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川要三君。
  3. 石川要三

    石川委員 最初に田園都市構想について、主として大臣の御見解を承りたいと思います。  田園都市構想、これは大平前総理一つのフィロソフィーでありまして、非常に私もこの考え方につきましては敬意を表する次第でありますけれども、よく考えてみると田園都市構想というのは、大平さんが提唱いたしましたけれども、実は田園都市町づくりは本当は基本的な理念と言っても差し支えないと思うのです。でございますが、自治大臣イメージされております田園都市というものは、これはよく言葉では都市田園ゆとりをとか田園都市の機能をとか、表現的には非常に抽象論言葉がございますけれども、もっと国民にわかりよくお話しするとすれば、大臣はどのような田園都市に対するイメージをお持ちですか。具体的にたとえばこんな町がそうだろう、こういうふうに想定されますものがございましたならば、その点の基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
  4. 石破二朗

    石破国務大臣 お答え申し上げます。  田園都市構想、御指摘のとおりいまは亡き前大平総理大臣が具体的に田園都市という言葉をお使いになった次第でありますけれども、何となしにお互いの頭の中には、こういう町であってこそ初めて人間らしい生活ができるというような映像は、お互い言わず語らず持っておったのじゃないかと思うのであります。と言いますのは、戦後の廃墟から立ち上がりましてだんだん復興してまいり、特に昭和三十五、六年、いわゆる所得倍増計画、新産都工業整備特別地域指定等を契機といたしまして、急激に大都市はもとより地方都市もいわゆる近代化が進みましたけれども、余りに工業化都市化が急激に進みました結果でもありましょう、なるほど能率的であったかもしれませんけれども人間の住むところとしては必ずしもバランスのとれた都市でない、工業地域あるいは商業地域住宅地域にしましても、能率はいいかもしれませんけれどもバランスのとれた潤いのある町づくりができなかった。  そこで、だんだん経済的にもお互いゆとりができてまいりますし、もう一遍振り返ってみて、こういうことではどうも先々の人心荒廃にもつながりかねないじゃないか、経済発展経済能率という面からは若干劣るかもしれないけれども、たたえば緑の空間をとか、あるいは能率一点張り都市というものにゆとりのある町づくりをしたらどうかというのが、田園都市という大平総理大臣構想ではなかったかと思います。やはりこの辺で私どもも本当に、経済発展がなければ生きていけませんからこれはないがしろにするわけにはいきませんけれども、そればかりではなしに、もう少しお互いが落ちついた生活のできる都市をつくっていこうではないかというのが田園都市構想であるべきであり、私もそういう都市づくりをやってまいりたい、かように考えております。
  5. 石川要三

    石川委員 いま大臣が言われましたように、こうだというはっつきりした概念はつかめなくても、お互いにそれぞれ描いているこんなような状態町づくりが理想的だ、これが一つの言わずもがなの田園都市を描いているのじゃないか、こう言われましたけれども、言われてみるとなるほどそうかな、こういうふうに肯定するわけであります。しかし現実に、私は東京の中に住んでおりますけれども、この日本列島全体を見て、ある本に書いてありましたが、国土の〇・一%ですか、その中に将来はやがて三分の一だか何だかにわたる人口が張りつけられる、こういう傾向にどんどん都市が進んでいるわけでありますが、こういうふうな傾向田園都市と最も相反している行き方ではないかと私は思うのです。  東京に住んでみまして、あそこは二十三区とそれから近郊の二十六の市町村のあるいわゆる多摩地区というものがあるのでございますけれども、その多摩地区の中にも世界一のニュータウンが建設されつつあるし、もう自動車で走ってみても、昔は町と町との間に若干の空間があって、それぞれの独立的な自立的な都市形態を呈しておりましたけれども、現在はもうどこが二十三区でどこが市外かわからぬような連帯をずっと続けてきた。この傾向がますます進むわけでありますが、これが東京都だけではなくして三大都市圏がだんだんそういうふうになると、いわゆる田園都市というものの構想から相離れた状態になっていくと私は思うのですけれども大臣はそういうふうな私の考えに対してはどういうふうな御見解ですか。
  6. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたします。  石川委員指摘のとおり、大都市圏、特に首都圏等におきましては御指摘のような状態が進行しつつありまするし、他方、地方におきましては鉄道の不採算路線廃止というような、きわめてどうも明治初期以来なかった現象、つまりお互いここ百数十年にわたりまして、交通機関一つとってまいりましても、地域住民、どこに住んでおる人間にしましても、日を追い年を追いましてだんだんだんだん便利になってまいっておりましたが、今日、それが当を得ておるかどうかは別としまして、地方過疎地域住民等国鉄というものには断ちがたい愛着を持っておるのでありますけれども、それを廃止せざるを得ぬ、百数十年間かつて経験のございませんような現象が一方で起こっておる。一方では、これ以上もう家が立て込み人口が過密になっては息もできないような、人身に悪影響を及ぼしかねないような状況が進んでおります。  かつて、御承知日本列島改造というものが唱えられました。これは余りにも物的であり、当時の社会経済情勢からして妥当でなかったというようなことはありましたけれども、まあ日本列島改造なんという言葉がいいか悪いか、これは別であります。けれども、やはり国全体にバランスがとれて——大都市圏では、もうこれ以上過密になってはとても、特に災害等になったらどうするという問題があります。地方では、かつて経験したことがないほどの嘆きを住民は持っております。これを何とか同時に解決するというのも——日本列島改造は言いません、言いませんけれども都市地方それぞれバランスがとれたというのが、やはり田園都市構想というのと無縁ではなかろうと私は考えております。
  7. 石川要三

    石川委員 大臣の所見は私が考えております考えと全く同感でありまして、その答えには非常に満足するわけであります。そして、いま私が引き続いて質問しようと思ったことをすでに大臣の方から先に言われたわけでございますが、そういうふうになりますと、やはり田園都市というのは余り過密過大でもいけない。そこには人間がぎゅうぎゅう詰まっちゃって、もう災害の面から見ても人間性の涵養から見てもいろいろな点から見て都市公害がある。片や過疎と言われるところは、つまり人間の病気にたとえればがんのようなもので、どうにも手の施しようのない、だんだん細ってしまう、そして最後には命が絶たれる、こういうような病根である。この二つをどういうふうにバランスを保っていくかというのが、実は田園都市の一番のねらいではないかと思うのです。  そうなりますと、いま大臣がいみじくも言われました鉄道の問題ですね。たしかあれは一定の基準がありまして、四千人以下のところを四千キロだか何だか廃止するというのですけれども、そういうところこそむしろ田園都市ということから考えてみると、何とか人間が住む文化と活気のある町にするということになると、国鉄再建とか財政とかというものはこちらへ置きますと、まさしくこれは大きな問題だと思うのですね。ところが、それをやらざるを得ない財政上の問題がある。  それから片方は、今度は大都市において宅地供給のために非常に地価が高騰する、これはもう異常と言われるような地価高騰。そのためにマイホームの夢は庶民には全くなくなってしまった。まじめに額に汗する勤労者が一生かかっても土地が買えない、家が建てられないという状態、それがますます強くなる。ですから、その土地対策として、三大都市圏の中にC農地まで宅地並み課税をして宅地供給をさせようということなんですが、そのことと反面もっと大きな問題は、いわばその大都市がますます過大になってしまって、災害の面におきましても重大な危険がはらまれておる。  こういうことを考えますと、鉄道廃止する問題そしてまた片や三大都市圏の中の宅地並み課税を実施するという、この二つ田園都市に相反するファクターになりはしないか、こういうふうに私は思うのですが、これに対しての大臣見解ですね。  そして、私はある本を読みましたら、メトロポリスというのは人口百万だか二百万くらい、それ以上はまたいろいろな名前がついておりまして、現在三大都市圏の中ではもう東京都は一千万を超えている、何百万という都市も出ているわけですが、そういうことになると、メトロポリスというのは健康な都市という意味だそうですが、むしろ全く健康な都市ではないという状態があるわけです。そうなりますと、私がいま前段言った二つファクター田園都市とどういう関係があるかというと逆なファクターではないか、私はこういうふうに思うのですが、そうなると結局、列島改造論でもってもう一度日本列島全体を改造するということも必要ではないかと思うのです。  ただ、日本列島改造というとすぐ田中角榮というイメージが出てしまうから、どうも余り人気がないようでもあるし、大臣も何か否定のような肯定のような歯切れのよくない御発言でございましたが、これは田中角榮さんが、書いた本でございますけれども、それとこれとは別で、やはり田園都市となれば、根幹的な国家事業としては列島改造の問題に取り組むべきではないか、私はこういうふうに思うのです。その点の見解をまずお聞かせいただきたい。
  8. 石破二朗

    石破国務大臣 若干の地方閑散鉄道路線廃止を中核としまする国鉄財政再建法案につきましては、政府がすでに提案いたしまして御審議願っております国家財政に重大な関係のあります法案でありますので、これはぜひとも原案どおり御承認賜りたいと思いまするし、さらに大都市圏農地宅地並み課税強化につきましても、昨年末の税制調査会等の御答申、御意見趣旨もありますので、鉄道の問題さらに農地宅地並み課税強化の問題、これをこの際私があれこれ批判する資格もありませんけれども国鉄財政再建につきましてはまだ政令にゆだねられております点がたくさんありますこと、御承知のとおりであります。法律は、提案申し上げておりますとおりぜひとも御承認願いたいと思いまするが、政令制定段階等におきまして、政府としましては広く国民各界各層の方々の御意見を十分取り入れる措置を、具体的な方法はいろいろございましょう、講じて、何とか国鉄財政再建にマイナスにならないような方法政令を制定いたしたいと考えておりますので、御了承賜りたいと思います。  さらに農地宅地並み課税につきましては、皮肉な見方をする者は、補助金をやってでも大都市圏の中に緑を残しておきたいのだ、土地所有者の思惑は別といたしまして、補助金をやらぬでも農地を残して緑を残してくれるなら、むしろ歓迎すべきではないかという極論をする人もありますけれども、私はそこまでは申しません。けれども宅地並み課税強化とう措置をとるにいたしましても、そこは都市計画法等で必要な緑を大都市圏の中に残存さす法的手段は残されておるはずであります。農地課税強化いたしまして宅地供給を確保するという措置をとりますと同時に、並行して必要な緑が大都市圏に残るような法的措置を別にとる必要があろう、私はかように考えております。  日本列島改造につきましての私の意見は差し控えますけれども考え方といたしましては石川委員指摘のとおり、全く同感であります。
  9. 石川要三

    石川委員 具体的な国鉄再建法の問題とか宅地並み課税の問題について、確かに立場上それに対していろいろと批判的なことは申し上げられないというのはよくわかりますけれども、ただ田園都市というものをつくるんだ、こういうことを前提にした場合に、たとえば東京一つをとってみても、都市田園ゆとりをということになる限りば、現在の農地をいかにしたら農民に営農してもらって、空間としてもあるいはまた生鮮食料品供給という立場からも、空気の浄化というような点、災害避難場所というあらゆる角度からしても、現在の農地というものをできるだけキープしてもらう、こういうことの方にウエートを置いて政治はやっていくべきではないかと私は思うのですが、どうも大臣のはその点は両方並行していくんだというのですけれども、現実的に人口はもうどんどんふくれております。  私ども東京多摩地区なんというのは、唯一の残されたやや田園的な性格のあるところでございますが、そこさえもやがて近時においては四百万人口、また先にいって五百万ということになりまずと、神奈川県あるいは最終的には北海道と同じくらいの人口が張りつけられると推定されているわけです。そういうことを考えますと、私はときどき朝電車でこちらへ来ることがありますが、この間も私のめいと電車の中で一緒になって話をしたのですが、偉いことを言うよりもこの電車を何とかしてくれよ、こういうふうに冗談に言われて窮してしまったのですね。体の弱い高等学校や何かの生徒では、もう乗ったりおりたりすることも命がけでやるような毎日を送っているような状態。そういう中で、今度は自動車交通渋滞を見ると、これはもう高速道路高速道路じゃなくて低速道路以上です。毎日これが渋滞。  こういうことになりますと、いま言ったような空地がどんどん宅地化されて、さらにあの地区人口が加速度的に増加する一途を見ると、これはまさに田園ゆとりどころじゃないと言っても差し支えないと私は思うのです。その上に災害でもあったら大変です。そういうことになると、大臣の言う並行でやるのだというのじゃなくて、ウェートはもっとこちらの私が言ったような立場にスタンスを構えて、自治大臣としたら町づくりに取り組むべきではないかと私は思いますが、再度その点について御見解を承りたいと思います。
  10. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたします。  農地宅地並み課税強化を実現していただきますと、つまり地方税がそれだけ多くちょうだいできることになります。地方財政は今日非常に苦しい時代でありますから、大変ありがたいことではありますけれども石川委員の御発言の御趣旨につきましては、直接所管の国土庁長官なり建設大臣に十分伝えまして、石川委員の御発言趣旨が実現されますように、自分といたしましても最善の努力を払わせていただきます。
  11. 石川要三

    石川委員 時間の関係から先に進みます。  次に、大震災対策について若干お伺いしたいと思います。  駿河湾沖地殻変動による大地震を予測いたしまして、関係都県を初め国の関係等対策を研究しております。マスコミなども想定ドキュメントを報道しておりまして、いろいろな問題を提起をして警鐘を鳴らしておるということは、そのこと自体は私は大変結構なことだと思うのですが、大規模地震発生が予測され、警戒宣言の発令が出されるようなことがあるということを前提にしてお伺いするのですが、いま直ちにどういう体制が全体的に整っているのか。たとえば国鉄、私鉄、バス、一般道路高速道路あるいは商店。特にこの間ちょっと大きな地震東京にあった、震度四があったときに、スーパーなんかの懐中電灯が途端に売り切れてしまったというようなことがありますから、こういう警報などが出ると、予測できないそういった商店なんかのいろいろな混雑とか物の不足といったようなものが案外出ると思うのですが、そこいらの点をいま私はお聞きしているわけです。  それから電気ガス、そして学校、病院、ここいらはいまどういうふうに対応、即応できるのか、その現況をちょっと聞きたいのです。
  12. 楢崎泰道

    楢崎説明員 お答えいたします。  御承知のように東海地震駿河湾沖を震源とします大規模地震発生が懸念されておりまして、これに対処するために大規模地震対策特別措置法が制定されまして、諸般の対策が進められておるところでございます。  その対策法律の骨子は、地震発生が予知されますと、気象庁長官から内閣総理大臣に報告が参りまして、内閣総理大臣は閣議にかけて警戒宣言を発する、こういうことになっております。警戒宣言が発せられますと、防災関係機関並びに地域住民地震発生に備えて緊急の応急体制に入るわけでございますが、その応急体制をあらかじめ準備するために、国におきましては、中央防災会議警戒宣言が発せられた場合の対処の基本的な方針を基本計画で定めております。それから各地方公共団体、県並びに市町村でございますが、そこでは地震防災強化計画を定めまして、警戒宣言が発せられた場合にどういうふうな防災対応行動をとるかということをあらかじめ決めておるわけでございます。それから一定危険物等を扱います事業所でありますとか、あるいはデパート、劇場等の人がたくさん集まる場所でございますとか、そういった事業所工場等にりきましても、地震防災応急対策計画をつくることになっております。これらの計画は逐次整備されておりまして、地域住民に対するPR等を含めてそれぞれ強化地域、静岡県を中心とします六県では不断の対策が進められております。  それでいま先生御指摘になりました、たとえば交通機関はどうなるのか、あるいは電気ガス等はどうなるのかということでございますが、これらにつきましては、先ほど申し上げました基本計画あるいは強化計画、それから事業所計画等におきまして具体的に定められております。たとえば飲料水及び電気でございますが、これは必要不可欠でございますのでできるだけ供給を継続していただく。それから電話でございますが、これは防災機関通話を確保するということから一般通話を規制するということ、それから交通対策につきましても、強化地域の中での車両の走行を遠慮していただく、こういったふうなことを決めておりまして、日ごろから住民に対する広報、教育等に努めておるところでございます。
  13. 石川要三

    石川委員 ちょっと時間がないので、これ以上お尋ねすると先に進めませんので省略したいと思いますが、とにかく私どもが住んでいる三大都市東京で例をとりますと、一人当たり十トンのコンクリートを抱えておると言われております。このような巨大な都市の中であのような大震災が起こると、本当にこれは想像以上の大きな災害になるだろうと思いますので、ひとつ今後とも十分に対応努力をしていただきたいと思います。  さらに先に進みまして、週休二日制と公務員定員等について若干お尋ねしたいと思います。  現在地方公務員については四週五休制ですか、こういったようなものがテストとして行われているようでありますが、全体のどの程度がそういうふうないま試行としてやっているのか、その実態ですね。
  14. 宮尾盤

    宮尾政府委員 いわゆる週休二日制の試行状況でございますが、一回やったところと二回やったところといろいろございます。都道府県段階で申し上げますと、一回目の試行を行なったところ、これは五十四年七月の調査でございますので、その段階での試行中も含めまして三十七府県、それから二回目の試行をやったところは二十三府県、こういう状況になっております。それから市町村でございますが、市町村では細かい集計が……。(石川委員「何%ぐらいやっているか、大ざっぱでいいです」と呼ぶ)おおむね一割程度というふうに承知しております。
  15. 石川要三

    石川委員 そうすると、市町村はまだ九割くらいやっていない、大ざっぱに言えばこういうふうに解釈していいですね。国家公務員については、まだ試行はやっていないというふうに理解してよろしゅうございますか。
  16. 宮尾盤

    宮尾政府委員 国家公務員では二回やっております。
  17. 石川要三

    石川委員 この試行ですけれども、当然行政サービスは低下させない、しかも執行に当たって人員はふやさないというのが大きな前提だと思うのです。そうすると、解釈によると、一つ行政サービスは下がりませんよ、人もふえませんよ、しかしそういうふうに休みはよけいにとれますよということになると、民間的な企業的な立場からすると、それだけ人が余っていたということにもなるのですが、そういう点の見解はどうですか。
  18. 宮尾盤

    宮尾政府委員 週休二日制を導入するに当たりましては、これは閣僚懇談会で決定をいたしておりますように、サービスを低下させない、人員、予算を増加させない、こういう前提条件でやろう、そういうことに決めております。そういうふうにいたすための方策といたしましては、公務能率のさらに一層の増進を図りまして、いろいろな事務処理の方法を改善するとか、あるいは人員配置の見直しをするとかいうようなことも行うことにしようといたしておりますし、また四週五休制の休みのとり方につきましても、たとえば職場によりましては夏に集中的にそういう休みを入れるというような弾力的な方法等を加えまして、総体としてサービスを低下させない、定員、予算を増加させない、こういう工夫をこらしながらこの問題を処理していこう、こういうふうに考えておるわけでございます。
  19. 石川要三

    石川委員 確かに世界の傾向を見ると週休二日制、そういう傾向にあると思うのです。私は、週休二日制そのものを否定はしません。問題はいま日本のこのような国家財政地方財政、そしてまた官民のいろいろな問題、こういう中において、この週休二日制というものをどういうふうにスタンスをとるべきかということが問われる問題だと思うのです。そういう見解から私は申し上げたのでございますから、誤解のないように願いたいのですが、四週五休制がだんだん今度は四週六休になると思うのです。試行試行ということで、これもだんだんなっていくと思うのです。考えようによると、どうもそれが民間から見ると納得できないんじゃないかと思うのです。大きい世帯ですから、少しやりくりすればあるいは四週五休くらいそんなに影響なくできるのかもしれません。しかし、これを民間というシビアな立場から見ると、なかなか理解できない一つの点だと思うのです。これがさらに今度は四週六休制にでもなったら、それも行政サービスも低下させません、人員もふやさなくてできますといったら、まるで打ち出の小づちを持っているわけじゃあるまいし、おかしくてしようがないと思うのですが、そういうふうにだんだん発展するようなきらいが私には想像できるのです。ですから、むしろそういう制度は、試行試行ということをやるのは、私に言わせれば何か警察予備隊からだんだん自衛隊になって、いま憲法論議が盛んでございますが、こんなまやかしみたいなものだと思うのです。だから、やるなら堂々と十分に検討して、そして一定のやっていいしかるべき時期にやるべきであって、何かなし崩しでやるような、私に言わせれば何となく幾らかごまかしているような感じのするやり方については、私個人としてはどうも非常に不満なんです。  そこで、ラスパイレスというのがありますね。これは国から都道府県さらに一般市町村になると、大体だんだん高くなっていくということが言われておりますが、現在試行している自治体の中で、ラスパイレスから見てこれは高い方ですか低い方ですか。
  20. 宮尾盤

    宮尾政府委員 給与水準と週休二日制の試行との関連でございますが、給与水準が高いところだけが週休二日制を試行するとかあるいは低いところが試行しておるとかという、そういう相関関係は必ずしもないと思っております。
  21. 石川要三

    石川委員 いま直ちに答えを求めることは不可能ですが、後日で結構ですから私に教えていただきたいのです。結果的に、やっているところが高い、低いということは出ると思うのです。それが欲しいのです。ただ、確かにラスパイレスが高いところがこれをやっているとは思っておりませんし、それとは関係ないことは全く言われるとおりだと思うのですが、やっているところがたまたま結果的に高いあるいは低いということは言えると思います。その数字が欲しいから、後日で結構ですからお示しいただければありがたいと思います。  そして、大臣にお伺いしますけれども、現在財政危機が叫ばれ、ゼロリストまで発表されていろいろと議論を醸し出されておる最中でございます。ゼロリストによりますと、昭和五十六年のべースアップもできない、もしやれば、数字を合わせるには三万六千人ですか、国家公務員の場合の一般公務員人員も減らさなければならない、そういうような数字も示されております。こういう中において、法案のこれからの審議の状況もありますからちょっと微妙な発言になってしまいますが、想定して申し上げますけれども、近き将来、地方公務員週休二日制について、そういう財政状況の中で一体どういうふうに自治大臣としては考えていらっしゃるのか。私が言わんとするところは、人員増に伴う人件費増も当然出ると思うのです。ゼロリストでさえも、三万六千人も減らさなければ人事院勧告の完全実施もできない。どちらをとるかというような数字が示されている現況ですから、そういう中において、地方公務員週休二日制というものをどういうふうに御判断をされているかということをお聞きしたいわけであります。  それからもう一つは、確かに人事院勧告というものを尊重しなければならないことは当然でありますけれども、人事院勧告というものの、これは私個人の判断でありますけれども、どの程度の官民較差ということを調査しているのか、どうも対象の民間企業が、少なくともかなり中以上の企業を対象にしてみての比較ではないか、むしろかなり優良な企業との比較のように私には考えられるのですけれども、その点は大臣でなくて結構なんですが、本来ならば民間全体の調査をすれば一番いいのですけれども、それが不可能ならば、中小零細企業あたりまで多少なりともその中に対象として含まれているのかどうか、それをちょっとお尋ねするわけであります。
  22. 石破二朗

    石破国務大臣 厳しい地方財政状況のもとにおいて、いわゆる週休二日制を実施した場合に、定数との問題も絡めてどういう見解を持っておるかという第一点の御質問についてでありますけれども、その前にちょっと私から、先ほどの政府委員の答弁を補足させていただきたいと思います。  お話のとおり、何かよけいな人間を抱えておるから定数増をやらぬでも、一部といえども週休二日制ができるんじゃないかという印象を与えかねないじゃないかという御指摘でございますが、私も全く同感であります。ただ、御了承をいただきたいと思いますのは、そうは申しましても、すでに国家公務員につきましても総定員法というものを制定いたしまして、理屈抜きで年次計画によって総定員を縮減いたしております。大体それと同じ考えでありますが、現在は試行段階でありますから、まあ何とかいけましょう。しかしながら、いずれ本格的にやるとなりますれば、また定員増ということをお願いしなければならぬ時期が来るのではなかろうかと思いますので、あらかじめお含みおき願いたいと思います。  なお、試行段階におきましても、国の医療機関等におきましては現場の従業員の方々、これはある程度サービス低下はやむを得ぬ場合があるのでなかろうかと当局では御心配になっておりますことをつけ加えさせていただきます。  そこで、地方財政が厳しい中で週休二日制をどうするかという問題でありますが、国家公務員についてそうでありまするし、地方財政におきましても苦しゅうございますから、とりあえずのところは何とかやりますが、いずれこれも国家公務員と同じように、定数の問題につきまして地方財政計画上御検討願わなければならぬ時期が来るのではなかろうかと思います。  それから、人事院勧告を出すに当たって、どの程度規模の企業を対象にしておるかという御質問でございますが、具体的な数字は政府委員から御要望によってお答えいたしますけれども、やはり一定規模以上の民間企業を調査の対象にしておる。まあ理屈は、国家は相当の大企業、大規模のものであるからという理由であろうと思います。
  23. 宮尾盤

    宮尾政府委員 人事院が調査をいたしました企業の規模でございますが、企業規模百人以上でかつ事業所規模が五十人以上の事業所の管理部門について調査を行っておるものでございます。
  24. 石川要三

    石川委員 その対象企業でありますけれども大臣のおっしゃった、公的機関である市役所とか役場とかそういったもの、あるいはまた国家というものは大企業であるからということでございますが、この点についてはちょっと私には納得できないわけでございまして、やはり公僕であるということから見れば、本当は全企業の平均値ということが正しいのではないかというふうに思います。  さて、最後に一点だけお尋ねしますが、最近きれいな政治をしなくちゃいかぬ、政治家の倫理とかいろいろと叫ばれておりまして、そのことはもうそのとおりであります。また、それに対応して政治資金規正法とかいろいろと改正をされていることも非常に喜ばしいことでございますが、どうも入ってくる方ばかりやって、出る方もやはり十分に考えていかなければならぬ。  ところで、いま自治省が全国の市町村に正しい明るい政治推進何とかというのを、補助金か何かを出していると思うのですね。出していませんか。——何かそういうものがあると思うのです。昔は公明選挙推進何とかというのがありましたけれども、公明党ができちゃったのでややっこしくてしょうがないというので、今度は新しく何とかと名前を変えたそうですが、非常に長ったらしい名前で、ああいう長ったらしい名前のものはもうろくなものじゃなくて、ちっとも実効が上がってないと言っても差し支えないと私は思うのです。これは補助金か何か出して各市町村にやらしていると思いますが、お金を配っているだけだと思うのですね。  最近は、冠婚葬祭とかあるいは盆踊りだとかいろいろなことがだんだんもとに返りつつあって、政治家も仕方なくしてお祝い金とかそういったようなものを出している傾向が年々歳々拡大していると思うのです。選挙が近くなるとますますこれがエスカレートしますので、これはもう人間の心理としてある程度やむを得ない点もありますけれども、自治省はお金をばらまくだけでなくて、各自治体にもっと有効に金を使って、今度はもらう方の立場、市民サイドにもそういうことは絶対やっちゃいけないのだということを再三再四、くどくわかりよく漫画でもかいてやった方がいいと思うのですね。こういうことをやらない、ただきれいごとにお題目を掲げて、明るくきれいな何とかと長ったらしい、項目を立ててお金をやっているだけだと思うのです。こういうことははなはだまずいので、いままでに何をやってきたかということをまず聞きたいし、今後どういう考えを持っているか、その点をひとつお聞かせ願いたいと思う。
  25. 大林勝臣

    ○大林政府委員 啓発の効果についてはなかなか上がらぬではないかというおしかりをその都度受けるわけでございまして、まさに寄附の禁止、これも五年前に始めて以来余り実効が上がらぬではないかという御指摘でございますが、都道府県あるいは市町村の担当団体におきましてはそれぞれに工夫をこらして、まさにおっしゃいました漫画も十分かきまして、いろいろあちこちにお配りをしてお願いしておるわけであります。  確かにいままで、われわれも反省せぬといかぬ点は、もっぱら有権者ばかりを対象としてそういった啓発をやってきた、やはり政治家の方お一人お一人にもそういうものを当然差し上げて自戒をいただくということが抜けておった面があるという批判を、また関係団体からも受けておるところでございます。啓発の効果という問題はなかなかむずかしい問題であろうと思いますけれども、やはりこれは根気強く一歩一歩やっていかざるを得ないと考えますので、私ども努力いたします。せっかく御協力を賜りたいと思います。
  26. 石川要三

    石川委員 以上で私の質問を終わらせていただきますが、いまの答弁では私は満足しません。政治家にもそんなことをよく言いますと言うけれども、政治家だって出したくて出しているのじゃないのですよ、あれは。しょうがなくて出しているのですからね、もらわないような環境づくりをするようにもっと厳しくやってもらわなければ困りますよ。ただ補助金をくれたりなんかするだけで、後は自治体の自発的な創意工夫だなんてハイカラなことを言っておりますが、全然なっておらぬということだけは指摘をして質問を終わります。
  27. 左藤恵

    左藤委員長 小川省吾君。
  28. 小川省吾

    ○小川(省)委員 大臣、おくればせではありますけれども大臣就任おめでとうございました。  大臣は自治体の首長の出身でございますから、地方の首長が大臣にかける期待は大変大きいわけでございます。そういう意味で、大臣が就任に当たって地方の首長に対して与える言葉といいますか、首長に対してこういう点を要望したいという点がありましたら、ひとつお述べをいただきたいと思います。
  29. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたします。  日本国民は一様に国民でありますと同時に、地方自治体の住民であります。国政の影響も受けますし、地方行政の対象にもなっておるわけであります。いずれを重しとするわけではありませんけれども、大部分の国政は地方自治体を通して国民はその恩恵に浴しておると思います。つまり、それだけ地方自治体の責任は大きいものがあると言わざるを得ないと思います。  一国の総理大臣、なるほど対象は一億一千数百万人に上っておりますし、また外交、防衛等の事務も責任も総理大臣は負うていらっしゃいますけれども地方自治体はそういうものを持っておりません。対象も小さい、外交、防衛等の任務も直接は地方自治体の長は持っておりませんけれども住民の受けます政治、地方行政の影響を受ける方がはるかに大きいわけでありますし、特に地方自治体の首長にお願いいたしたいと思いますのは、とにかく地域住民の直接投票によりまして四年間というものは地位が安泰であります。リコールの制度もありますし、地方議会の不信任という制度もあるにはありますけれども、実際問題としてこういうことはめったに行使されていない現状であります。それだけに、自治体の首長の責任は大きいものがあると言わざるを得ないと思います。地方自治体の首長におかれましては、対象人口は少ないかもしれぬけれども、一国の総理大臣以上に自分は地域住民に対して重い責任を持っておるという自覚を持って仕事をしていただきたい、かように存じます。
  30. 小川省吾

    ○小川(省)委員 次いで、特に自治体の職員、かなり数が多いわけでありますけれども、自治体職員に与える言葉もひとつお述べをいただきたいと思います。
  31. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたします。  日本の戦後の地方行政が発足いたしました当時は、御承知のとおり地方自治体の職員は、それだけ、素養も必ずしも十分でありませんし、行政経験等も必ずしも十分と申せなかった関係もありましたでしょうか、国の公務員に比べましてある程度劣る点があったのは否めなかったと思いますけれども、戦後地方行政が新しい制度ができましてもう三十年を経過いたしております。今日では、一地方自治体の職員の資質、経験ともに向上いたしておりまして、国家公務員と比べましてあえて遜色はないと申し上げてよかろうというところまで来ておると思います。  しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、地方自治体の住民に対する責任はきわめて大きいものがありますので、地方公務員におかれましても自信と誇りを持って、自分たちの一挙手一投足が直接住民の幸せにつながるものであるという自覚で職務に精励していただきたい、かように思います。
  32. 小川省吾

    ○小川(省)委員 ありがとうございました。  いまお述べになりましたように、自治体の首長並びに職員は自信と誇りを持って、住民の幸せを願いながら業務に精励をしてまいると思っておりますので、ぜひひとつ大臣、首長あるいは職員が本当に自信と誇りを持って仕事をでき得るような自治省の指導というものをお願いいたしたい、こう思っております。  次に、最近経団連等が、同時選挙の結果のぼせ上がっているのかどうかわかりませんけれども、いろいろなことを申しておるわけでありますが、特に交付税の引き下げなどということを言っておるように聞いております。地方財政の実態もよくわからぬ者がこんなことを言うことはとんでもないと思っておりますが、六団体等の強い要望もありますので、大臣としても、素人何を言う、われわれが誇りを持ってやっているんだから、そんなばかなことはないじゃないかとお考えだろうと思うのでありますけれども、そういう意味で、自治省は従来ずっと大蔵省に対して、予算要求時に常に交付税の引き上げを主張してまいったわけでありますけれども、この経団連の発言、そしてまた今後の予算要求に対する考え方についてお伺いをいたしたいと思います。
  33. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたします。  御指摘になりましたのは、先日出されました「昭和五十六年度税制改正に関する意見」という中にあります「また、地方団体の給与、」云々というくだりだと思います。確かに「地方交付税の税率の段階的引き下げを含め地方財政のあり方が見直されてしかるべきであり、」と述べておりますが、御指摘のとおり、地方交付税率、現行税率でさえ法律趣旨には相反するほど低いというのが現況であります。これを段階的とは言いながらも引き下げることが可能であるなんということをおっしゃる考え方、どうも納得いたしかねます。したがいまして、皆さんの格別の御協力をいただかなければなかなかむずかしいと思いますけれども、交付税率の引き上げを含めて地方財政の充実、財源の確保に努力してまいりたいと思いますので、御協力をお願い申し上げます。  ただ、先般も、私の発言が若干不適切であったせいでありましょう、一部誤解があったかと思いますので、この際訂正させていただきますが、真意はそのとおりでありますけれども、実はこの財界の意見の中の前書きがあるわけです。「地方団体の給与、退職金の水準が、国はもちろん民間大企業のそれをも上回るものがあり、行財政面での緊縮も徹底を欠くまま推移している点は看過し難い。」そこで、この際、地方交付税率の引き下げ云云ということにつながっておるわけであります。もちろん行財政面での緊縮も徹底を欠く、これは国と比較して地方がそう劣っておるとは私は思いませんけれども、団体によりましては退職金の水準が高いあるいは給与水準が高いというのも事実でありますので、その辺はやはり該当の地方団体におかれましては十分反省して、是正すべきものは是正していただくようにお願いしなければならぬ、かように考えております。
  34. 小川省吾

    ○小川(省)委員 そのような言葉を聞いて安心をしたわけであります。  また最近、財政再建法をつくれというふうなことを言っておって、歳出の削減の実行計画を明示をしろとか、あるいは法人税増額に反対だが投資減税は実施をするようにとかいうことを勝手な理屈をつけておるようでありますが、経団連がこのような勝手なことを言っても、そういうようなことに左右をされないで所期の目的に向かって邁進をしていかれると思いますが、そういう決意を伺いたいと思います。
  35. 石破二朗

    石破国務大臣 御指摘の点、ごもっともであります。最善の努力を払います。
  36. 小川省吾

    ○小川(省)委員 次に、大蔵省においでをいただいておると思うのですが、最近何か道路目的財源を一般財源に振りかえてもらいたいなどというふうな意見、建設から出ているのか大蔵から出ているのかわかりませんけれども、そのような動きといいますかそのような意見が実際にあるのかどうか、こういう点について伺いたいと思います。
  37. 保田博

    ○保田説明員 お答えをいたします。  先生御承知のように、わが国の財政の現状は非常に窮迫をいたしておりまして、来年度の予算編成に当たりましてはわれわれとしますと財政再建を第一義として編成をいたしたい、かように考えております。したがいまして、歳入歳出両面にわたりましてあらゆる問題点を幅広く検討し、合理化したいと考えております。そういう意味では、道路の特定財源といいますか重量税問題につきましても、この検討の対象から除外するというわけにはまいりませんで、その他いろいろの問題と一緒に検討をいたしております。
  38. 小川省吾

    ○小川(省)委員 最近の国道、県道、市町村道の状態を見てみますと、道路目的財源等を使いまして、ようやく改良率が国道で八七・二%、整備率で六四・〇%、県道で五八・三%、整備率四五・八%、市町村道で二五%。舗装率が国道で九四・七%、これは簡易舗装もありますから、本舗装の率では八二・五%であります。県道で七七・四%、本舗装率が三七・一%、市町村道に至っては九・四%という、まだ道遠いというような現状でございます。これは道路目的財源を道路の改良や舗装等に使ってきた結果でありますが、いま申し上げたようなさびしい現状でございますので、さらに改良し舗装し整備をしていかなければならぬ実情にあるわけでございます。  財政の苦しい状況というのはわかりますけれども、こういう状態になってまいったわけでありますから、道路目的財源を一般財源化をするのはとても許されないことであります。特に、いまお話の中で重量税云々というふうなことを言われたわけでありますが、特に重量税についてそういうふうな動きがあるわけなんでしょうか。
  39. 保田博

    ○保田説明員 お答えをいたします。  御承知のように、道路の財源といたしますとガソリン税及び石油ガス税が法律上の特定財源でございます。それから自動車重量税は、少なくとも法律上は特定財源ではございません。一般財源でございまして、それをこの税を創設いたしましたときの経緯等にかんがみまして、国に入ってまいりますものの約八割を道路財源に充てるということを慣行的にやってまいったわけであります。そういうことはわれわれとして忘れておるわけではございませんけれども、少ない財源を、とにかく国に求められております万般の財政需要の中で公平に配分するためにはいかがあるべきかという観点から勉強をさせてもらっております。
  40. 小川省吾

    ○小川(省)委員 大臣は知事の出身ですからよくおわかりだと思うのですが、都道府県道や市町村道の整備改良が本当に必要である、こういう点で道路目的財源を一般財源化するような点については、ぜひひとつ道路目的財源として使えという御主張をなさっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  41. 石破二朗

    石破国務大臣 揮発油税を道路整備の目的税として使うようにという法律は、御承知のとおり昭和二十七年ごろから具体化し、たしか二十九年度に法律が議員立法で成立いたしたものと記憶しておりますが、当時も財政状況は苦しゅうございました。が、当時から大蔵省は猛烈に反対しておりました。それがきょうの国家財政状況であります。なまやさしいことで大蔵省が道路財源として現行どおり承認してくれるなどとはとうてい考えられませんけれども、道路整備の現況、御指摘のとおりまだまだ不十分でありますし、自治省といたしましても、地方自治体のいわば代弁者といたしまして地方自治体の要望にこたえますように、また先ほどの御質問の中の御要請にこたえることができますように最大の努力を払いたいと思います。
  42. 小川省吾

    ○小川(省)委員 次に、運輸省と国鉄においでをいただいておりますので、若干地元の問題に関連をしてお伺いをいたしたいと思うのでございます。  私は、御承知のように群馬県の出身でございます。由来、群馬県というのは毛の国というふうに言われておりまして、東毛とか西毛とかいうのがあるわけですが、私のところは群馬、東上州、東毛の地域であります。東毛の地域の足としては、私鉄の東武鉄道だけが唯一の足でございまして、県都が前橋にあるわけでありますから、東毛の人たちは東武鉄道を利用するケースが非常に多い、地域にとっては非常に重要な路線であります。これが伊勢崎で国鉄両毛線に接続をいたしておるわけでありますが、東武線は御承知のように久喜で東北線に接続をいたしますので、久喜の時間に接続時間を合わせておるのかわかりませんが、両毛線の接続は非常に悪いわけであります。  私も六年間、この線を使って県庁に通ったわけでありますが、両毛線から東武に乗りかえるのに伊勢崎における待ち時間が、三十分から一時間のものが十本あります。一時間以上のが一本、一時間待ちというのが実に十一本もあるわけであります。赤城おろしの吹きすさぶ伊勢崎駅で待つわけでありますから、ついつい伊勢崎の町の飲み屋を繁盛させるというような結果になるわけでありますが、ぜひ東武の鉄道を延長して、国鉄両毛線に乗り入れて前橋まで延長してほしい、こういう強い要望があるわけであります。  しかし、この問題のネックといいますか隘路としては、両毛線の伊勢崎の駅舎の改築の問題でありますとかあるいはATSの設備の問題でありますとか、あるいは伊勢崎−駒形間が相変わらずまだ単線でございますので、これの複線化というような問題等が残っておるようでありますが、私は五十四年四月二十四日にこの問題を取り上げて質問を申し上げました。運輸省、国鉄両方から検討をしたい、こういうようなお答えをいただいてまいったわけでありますが、その後引き続き検討せられておると思いますので、現状においてはどのようになっておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  43. 松尾道彦

    ○松尾説明員 お答えいたします。  いま先生御指摘のように、太田あるいは館林の東毛地域とそれから前橋を中心とします県の中央地域との足といたしまして、東武鉄道国鉄の両毛線の役割りはかなり機能を果たしているということでございますが、東武鉄道の前橋乗り入れにつきましてはいろんな駅の改良工事、あるいは東武側におきましては車両の増備、あるいは運転保安関係につきまして国鉄と信号系統が違いますので、ATSの二重設備化といったような諸問題がございます。また単線のために、両毛線の線路容量等の問題がございまして、現在なお乗り入れにつきましては非常にむずかしい問題があるわけでございます。  この問題につきましては、先般前橋市長さん等地元の関係公共団体の方々ともお会いしまして、地元の強い要望であることは私どもよく認識をいたしておるわけでございますけれども、何しろ多額の設備投資を初めといたしまして相当大きな問題がございますので、国鉄とも協議しつつ、今後も引き続き検討をさせていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  44. 小川省吾

    ○小川(省)委員 引き続き検討をいたしたいということなんですが、私は去年の四月二十四日に御質問を申し上げたわけなんですけれども、その前前から実は問題があったわけであります。いろいろな隘路等もあるとば思いますけれども、こういう問題こそ本当にすんなり解決をして、いわゆる国鉄の過疎線の廃止とかあるいは新線の建設などという問題とは違うわけでありますから、ぜひひとつ早急に検討をして結論を出してもらいたい、このように思っておるわけでございます。そういう意味で、この点については引き続いて本当に真剣に検討をして、少なくともそう遠くない将来に実現できるようにぜひお図りを願いたいというふうに思っております。重ねてお伺いいたしますが、いかがですか。
  45. 松尾道彦

    ○松尾説明員 先ほどの接続問題につきましては、実はことし十月の国鉄のダイヤ改正とそれから八月の東武のダイヤ改正で、オフラッシュ時間でございますけれども三本ほど、接続の便宜につきましては少し改善をさせていただいておるということでございますが、いまの乗り入れにつきましては、先ほど申し上げましたように、施設投資について相当大規模な投資額が必要でございます。地元の要請等もございますのですが、それも含めまして今後とも国鉄と東武で十分協議して対応してまいりたい、かように考えております。
  46. 小川省吾

    ○小川(省)委員 私どもは特に通退勤時の朝と夕方といいますか、昼間のいわば閑散時ということまで言っておるわけではないわけでありますから、ぜひひとつ早期に実現をしてほしい、こういうふうにお願いをいたしたいわけであります。国鉄の方からは何らかの御答弁がございますか。
  47. 高木謙治

    ○高木説明員 お答え申し上げます。  先生いま御指摘ございましたように五十四年の四月でございますか、切実な問題として厳しい御指摘を受けまして、それ以来勉強させていただいておるわけでございますが、いま運輸省の課長からもお答えがございましたように、勉強を重ねているもののなかなか乗り越えがたいような問題もございまして、この辺については先生も本当に実情をよく御承知と存じますが、両毛線、ああいう単線というかっこうで、ラッシュ時間はもちろんのことデータイムも、列車に乗れば別といたしまして、ダイヤといたしましては筋が相当びっしり入ってきておりまして、そこへどう乗り入れていくかという問題の勉強とか、さらに幾つかなかなかめんどうな問題があるわけでございます。信号保安装置、ATSをどう整備するとか、そういったたぐいの問題について御指摘を受けましていろいろ勉強しているものの、まだいい答えを出すというところまで残念ながら至ってないという状況でございます。この両毛線の持つ地域における位置づけなども当然ながら深く理解いたしまして、さらにそういった問題についての解決の方途を勉強させていただきたい、かように思っております。
  48. 小川省吾

    ○小川(省)委員 私も、国鉄総裁にも直訴をしたいというふうに思っているような問題でありますが、あなたはちょうど国鉄総裁と同姓でございますし、ぜひひとつそういう点では積極的に取り組んでいただいて、この問題の早期解決を図っていただきたいというふうに特に強く要請をいたしておきたいと思っています。  次に、ちょうどいま、運輸委員会国鉄経営の再建促進特別措置法がきょうあたり採決になる段階で、非常に大事な段階であろうというふうに私は思っておりますけれども、八十六線区を廃止をするというような案を出しておるようでありますが、何か聞くところによれば、運輸委員会の審議の中では運輸省が政令を出して基準を定めるというふうに聞いておりますけれども、きょうあたり採決ですから、政令はまだ完全にはでき上がっていないでしょうが、運輸省の原案というか基準についての考え方についてお尋ねをいたしたいと思います。
  49. 金子史生

    ○金子説明員 御説明させていただきます。  廃止の対象として考えております特定地方交通線の選定基準につきましては、国会における審議を踏まえまして関係各省とも十分協議して今後公正妥当なものを定めてまいりたい、かように考えております。したがいまして、現段階ではどの路線廃止対象になるかということについては、具体的には決まっておらないわけでございます。  なお、現在私どもが運輸省といたしまして考えております基準といたしましては、一日一キロ当たりの輸送量が四千人未満の路線、これを対象としたいと考えております。しかしながら四千人未満でありましても、ラッシュ時の旅客の輸送量が一定量以上であるもの、一定量、大体片道千人以上のものを考えておりますが、そういったもの、あるいは代替道路が整備されていないもの、あるいは代替道路がありましても過去の傾向から見まして、冬季に積雪等のために相当期間道路の交通が確保されないもの、相当期間と申しますのは大体十日程度考えておりますけれども、そういったもののようにバスに転換することが困難なものにつきましては、特定地方交通線から除外したいというふうに考えております。
  50. 小川省吾

    ○小川(省)委員 いまいみじくもお答えがあったわけでありますが、そういうものを考えておられる。特にバス輸送というようなお話がございましたけれども国鉄が輸送をしておるものはお客さんばかりではないわけですね。あるいは劇毒物に類するものでありますとかあるいは貨物の輸送があるわけでありますが、貨物輸送についてはどうお考えですか。
  51. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 いま運輸省から御説明がありましたように、最終的な政令の基準というのは現段階では決まっていないわけでございます。ただ貨物輸送につきましては、特定地方交通線に選定された線区の貨物営業は原則として道路輸送に転換をするというように考えております。
  52. 小川省吾

    ○小川(省)委員 実は私の地元に、八十六線区のうちの一つに入っております国鉄足尾線があるわけでございます。私はこれに関連をして、ことしの四月二十一日にお尋ねをいたしたわけなんでありますけれども、足尾線というのは、線そのものとしては四十六キロ程度で、沿線には一市二町二カ村を持っておる短い路線でございますけれども、これは足尾に古河鉱業の製錬所を持っておりまして、貨物の輸送が非常に大きい線でございます。足尾に到着をする原料の鉱石だけでも一万五千トン、そして古河鉱業が国鉄に支払っている運賃の総額が七億七千万でございます。  特に、この古河の製錬所でつくっている濃硫酸を現在タンク車で百五十八両、実は足尾線で輸送をいたしておるわけでございますけれども、これを道路輸送に切りかえるとするならば、国道百二十二号というまだ余り完全になっていない、余り広くない道路でありますが、実に一日二百台以上も劇毒物である濃硫酸を積むようなタンクローリーが走るというような危険な状態にあるわけでありますから、こういう濃硫酸を運ぶというようなものについては、そういう政令の中で格別に配慮をしていかれるおつもりがあるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
  53. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 特定地方交通線は、バス輸送への転換の可否について検討した上で選定をすることになるわけでございます。したがってバスによる代替輸送が可能であるということであれば、原則的にトラックによる道路輸送というものは道路条件としては可能である、そのように考えております。  いまお話がございました具体的な線区については申し上げかねますが、仮に劇物を輸送しておる線区がございましても、鉄道では輸送できるけれどもトラックでは輸送できないというようなものは原則的にはない。もちろん、安全装置を前提にしての話でございますが。そういう点から考えますと、余りまとまらない貨物輸送量しかない線区につきましては、やはり特定地方交通線の選定をいたしました場合にはこれを道路輸送に転換をする、こういうように考えております。
  54. 小川省吾

    ○小川(省)委員 話としてはわかるのですが、そういうケースも中にはあるでしょう。しかし実際に狭い道路で一日二百両を超えるようなタンクローリー、しかも濃硫酸を積んでいるというようなものが通ったら、これは沿線の住民はたまったものではないわけですね。だからそういう意味で私は、基準を作成をする際にそういうものについては特別な配慮が欲しいというふうに思っておるわけでございますけれども、重ねてお尋ねをいたしますが、そういうものについては一顧だに値しないというようにお考えなんですか。
  55. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 転換に当たりましては、申すまでもなく協議会等を通じまして地元の御意見を十分拝聴するつもりでおります。物理的には多分転換が可能である、しかしそういうものは地元として強く望まれないというような場合には、もちろんこれは協議会の協議を経るわけでありますが、民営鉄道方式でやるとかあるいは会社の専用鉄道方式でこの輸送に対応するということも可能でございますので、そういうことを含めて十分に地元の御意見を伺いたい、このように考えております。
  56. 小川省吾

    ○小川(省)委員 あなたに言ってもしようがないことでありますが、政令の基準を作成される際には、特に地元といたしましても危険な陸上輸送は困るというような意見が強いわけでございますので、私は特定線区ということで一例として申し上げたわけでございますから、ぜひひとつそういう点は御理解をいただいて、そういうような危険性を増すような、住民が反対しているようなものについては、政令の基準作成の段階では特段な配慮をして廃止路線については検討をしていただきたい、こういうことを強く要請をいたしておきます。  時間がまだかなり残っておるわけでありますが、以上で終わります。
  57. 左藤恵

    左藤委員長 午後一時より再開することとし、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議
  58. 左藤恵

    左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。池田淳君。
  59. 池田淳

    池田(淳)委員 まず最初に大臣にお尋ねいたしたいと思います。  先ほどの小川委員の御質問と同じような趣旨にはなりますけれども、知事経験を長くされました方が大臣になりましたことを私は心から喜んでいるものでございまして、また私だけでなくて恐らく県、市町村も、そういう意味で大臣に期待するところきわめて大きいと考えております。大臣、おだてるわけじゃございませんが、この間ある会議に出ましたら、今度こそわれわれの代表が大臣になられたということで、みんな期待しているところが多いわけでございます。  そこで、いままでいろいろ地方自治の確立の問題につきまして、理念とか考え方は提起されましたけれども、なかなか実行できない面が相当数あるように感ぜられるわけでありますが、その中で私は二つでも三つでもいいからひとつ大臣就任の時代に、いままでできなかったことをなし遂げていただきたいというふうに考えているわけでございます。大臣地方行政で非常に御苦労なさったことは、地方自治確立の情熱にもつながることであると私は思うわけでございます。  そこで、先ほど知事や市町村長に対するお言葉とかあるいは自治体職員に対するお言葉がございましたけれども、私は、逆に大臣の経験を通じましていろいろ地方の行政と国の行政との関連につきまして、あるいは地方事務官の問題もございますし、超過負担の問題もございますし、あるいは地方債の許可制度、これはやむを得ないにいたしましても、権限移譲の問題等あるわけでございますが、大臣はそういうことにつきましていろいろ御苦労なさってきたと思いますが、そういう意味で地方の行政と国の行政との関連におきまして、知事経験を踏まえて大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
  60. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたします。  ごらんのとおり、私ずいぶんもう年もとりましたし、また若干の地方行政の経験も持ってはおりますけれども、いたずらに年をとっただけでありますし、地方行政の経験と申しましてもごく田舎の経験でありまして、今日の重要な地方行政について果たして十分の責任が果たせるかどうか、自信もありませんけれども、皆さんの御指導なり御鞭撻をいただきまして最大限の努力をいたしたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  なお、具体的にお話のありました地方事務官制度の問題なり、さらに超過負担の問題でありますとかあるいは広く地方財政全般の問題、問題はたくさんありますけれども、根本はやはり行財政両面にわたりまして、国と地方との秩序をきちんと整理して確立することが必要である。いたずらな混乱を来さないようにすることが、国にとりましても地方にとりましても一番大切なことである、かように考えております。
  61. 池田淳

    池田(淳)委員 非常に御謙遜なお言葉でございましたけれども、ひとつ地方自治確立、まさに地方の時代と言われておるわけでございますので、大いに主張すべきところは主張していただきたいというふうに考えるわけでございます。  次の問題としまして、今回、大臣の臨時行政調査会が発足するわけでございます。これは地方の問題にも、当然いろいろ論及されることになっておるように私は理解しておるわけでございますが、これを地方行政の立場から見まして、第一次の臨時行政調査会、この前の行政局長の御答弁では、六〇%ぐらい実施できたが、まだ未処理のものも相当あるということでございますが、未処理のものを残しながらしかも行政監理委員会まで廃止してつくろうというには、新しい立場から行財政をながめてみようということだと思います。  第一次の臨時行政調査会のときの提案の趣旨を見てみますと、正確ではございませんが、当時、三十六年ごろでございますので非常に高度成長の時代でありました。企業は、生産性向上運動というものも唱えられて非常に合理化してきた。それに比較して行政面の改革が、能率の面からおくれておるというのがその主眼だったような気がするわけであります。当時の提案趣旨にもそういうことが書いてあるわけです。  ところが、今度の第二次の場合の設置要綱案なるものを見ますと、社会経済情勢の変化に対応した適正かつ合理的な行政の実現を図るのだというふうに書いてある。そこに大きく理念の相違があるんじゃないかというふうな気がするわけでありますが、大臣はどのように第一次と第二次との理念の相違があるというふうにお考えなのか、あるいは行政改革というものには理念は共通のものだというお考えなのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
  62. 砂子田隆

    ○砂子田政府委員 ただいまお話がございましたように、第一次臨時行政調査会と第二次臨時行政調査会との間の理念の相違でありますが、第一次の臨時行政調査会はいま先生おっしゃいましたように、行政事務の再配分の問題でありますとか行政機構の統廃合ということで、大体十六項目にわたりまして行政全般の改革意見を出したわけであります。それが四十五年なりその後の行政改革の基本的な方向づけになっておりまして、それに従って行政改革を推進してきたものでありますが、第二次臨時行政調査会の設置の趣旨は、三十九年のときの臨時行政調査会からすでに二十年を経過いたしておりまして、当時とは内外の情勢が大変異なってきておるということの認識に立ちながら、八〇年代以降の展望を踏まえながら行政の全般にわたる抜本的な改善の施策を立てようというのが、第二次臨時行政調査会の設置の趣旨でございます。  この二つを比べてみますと、行政の全般にわたって改善の施策をするということに関しましては、共通の性格を持っているものだと思っております。ただ、昨今のエネルギーの問題でありますとか資源の制約の問題でありますとかあるいは財政の赤字累積の事情というのがございまして、これらに関しまして行政の簡素効率化を推進をしていくというところが、第一次臨時行政調査会との間で一段と違っている部分ではなかろうかというふうに理解をいたしております。
  63. 池田淳

    池田(淳)委員 ただいま財政赤字というお話も出たわけでございますが、私は、財政の再建対策というものと行政改革というものは非常に混同しやすいような面があるのではないかというふうに考えております。たとえば三千数百あるところの国の補助金を一律にカットする、職員減らしをする、そういうことは財政再建対策であって行政改革ではないんじゃないかというふうに私は考えております。そういう意味で、たとえば補助金のメニュー化をするとかあるいは地方団体の組織の合理化、簡素化をするという結果として、そのような財政支出が少なくなりあるいは職員減らしが成るというふうなことが本来の物の考え方ではないかというふうに私は考えているわけでございます。  そういう意味で、きょうの新聞などに行政監理委員会が七千七百、約八千弱の職員を削減するんだというようなことが書いてございますけれども、余り財政の赤字ということにのみ力を入れますと、行政改革の本質というものがゆがめられてしまう懸念があるのではないかというふうなことを私は非常に心配しているわけでございますが、そういう点についての御意見をひとつ承りたいと思います。
  64. 砂子田隆

    ○砂子田政府委員 今回の行政改革の問題は、いま池田先生おっしゃいましたように、そういう観点に立っての基本的な問題の詰め方をしなければいかぬと思っております。ただ、たまたま今回の行政改革の発起点と申しますか起点が、国の財政が大変行き詰まってきているという点に力点が置かれながら言われているものですから、それに対応する方法考えなきゃいかぬだろう、そういう意味では第二次臨時行政調査会におきましては、いまおっしゃいましたような国民と行政あるいは官業と民業あるいは国と地方というものの基本的なあり方をまず模索をしなければいかぬだろう、さらには公務員の倫理の問題でありますとか行政の組織の問題ということもやはり大局的に見なければいかぬだろうというふうに理解はいたしておりますが、いまおっしゃいましたように地方の側から見ますと、行政の事務配分というのが単に言葉だけではなくて、法令の整理の問題でありますとか補助金の統合の問題でありますとか、そういう観点からの主張はやはり地方の側としては主張しなければいかぬ部分だというふうに考えております。
  65. 池田淳

    池田(淳)委員 行政改革を考える場合に、権限移譲等行政権限というものが私は非常に重く見られておるような気がするわけであります。行政権限に基づいてその合理化をしようとする姿勢はわからなくはございませんが、むしろ行政機能の機能論に立ちまして、住民のための行政機能を果たすには権限はどのように位置づけられなければならないかという方向から物を考えていくべきではないかというふうな、私は基本的な行政機能論にいつも立っておるものでございます。したがいまして、そのときには住民の身近に権限というものを据えつけること、これが一番必要なことじゃないかというふうに私の経験から考えているわけでございますが、ひとつ所見を承りたいと思います。
  66. 砂子田隆

    ○砂子田政府委員 ただいまのお考えは私も全く同感でございます。御指摘のとおり国と地方公共団体の間の行政改革を行います場合には、いまおっしゃいましたように国と地方とが相互に対立して権限を奪い合うという形のものではないだろうと思っております。国も地方公共団体も国全体の統治機構の中の一環を占めるものでございますから、国は中央政府として、地方地方政府として国民の福祉の増進に寄与する、そのための機能を分担していくというのが私は本来の筋であろうと思いますし、そういう意味で国と地方とが相協力して国民の福祉増進に努めていくということでなければならないと思っております。  そういう意味では、基本的関係はそのような形に立ちながら、一つの方向に向かって国と地方とが共同で物を進めていくという共同関係に立つべきであると思いますし、いまおっしゃいましたように住民の身近な問題はやはり住民の意思が反映されるところで行政が進められるべきだ、そういうことについて地方が責任を持つべきだと考えておりまして、今後の行政改革は、いまおっしゃいましたように国と地方との機能分担をどういうふうにしていくかということを踏まえながら進めていくべきものだというふうに考えております。
  67. 池田淳

    池田(淳)委員 そういう面で、行政機能論的な発想からいろいろな権限というものを私は見直す必要があるのじゃないかと思っています。  次に、補助金のメニュー化の問題についてお尋ねしたいと思います。  補助金も数多くあるわけでございますが、県とか市町村にとりますと、その中で取りやすいものもございますしまたなかなか取りにくいものもあるわけでございます。ところが、地方団体にとりまして一番緊急度の高いものあるいはぜひともやりたいものにつきましても、特に新規事業等の場合は、類似事業に補助制度がありましても新しい事業というものはなかなか補助制度に乗りがたい面もあるわけであります。また補助制度に乗っておりましても、補助基準とかあるいは全国枠の中で取りにくいものもあるわけであります。地方財政が潤沢であれば、そういうものは単独事業として当然行えるわけでございますが、相当事業費のかさむものにつきましては、何としても補助制度に乗せてやっていかざるを得ないような現状であることはもう御存じのとおりでございます。  そういうときに補助金というものをもう少しメニュー化しまして、地方団体が本当に欲しいものをその判断に基づいた優先順位でこれを行うことができるような時代に、もうそろそろ入っているのではないかと考えております。先日、総理とわれわれ二期生との朝飯の懇談会がございましてそのことに及びましたら、総理は補助金のメニュー化について大蔵省に指示しようと思っているのだという言葉がございましたので、そういう面も含めまして自治省あるいは大臣の御姿勢をひとつお伺いしたいと思います。
  68. 土屋佳照

    ○土屋政府委員 補助金制度のあり方につきましても、先ほどからいろいろ御指摘のございましたように、地方団体の行財政運営の自主性、自律性を高める、あるいはまた国、地方を通ずる行政の簡素合理化といった見地から見直していくべきだと思っております。そういった意味では、不必要なものはできるだけ事務とともに整理をして、また地方に定着したものは一般財源化する等の方法で私どもは改善を進めていくべきだと思っておりますが、必要な補助金につきましてはただいまお示しのございましたように、特に類似の目的を有する補助金等についてはできる限り統合いたしますとともに、補助対象事業について可能な限りメニュー化を図ることによりまして地方団体が幅広い事業の選択をすることができ、また地域の実情に即した事業に対して有効に補助金等を活用することができるようにすることが適当であると考えておるわけでございまして、そういった方向についてはいままでいろいろ努力もされてまいっておりますし、各省でもそういった方向に目を向けておるようでございますけれども、今後とも一層そういうことが推進されますように、私どもとしてはできるだけ努力をしてまいりたいと思っております。
  69. 池田淳

    池田(淳)委員 ぜひともそういう方向で御努力をお願いいたしたいと思います。  次に地方事務官制度の問題でございますが、これはもう言い古されてずいぶん長い年月がたつ問題でございまして、問題の所在はすべておわかりのとおりでございますが、あの自治法の附則で経過規定として規定されてからすでに三十年余を経過しているわけでございます。特に五十二年の閣議決定の「行政改革の推進について」というのがございますが、それでも二年以内にこれを廃止するというようなことまではっきりうたわれているのにかかわらず、いまだにこれが実現を見ないということでございます。特に大臣は、知事としてすでに御経験のとおりでございますが、そういう地方事務官に対しまして、知事は指揮監督権はございますが、人事権とか懲戒権というものはないわけでございます。また議会の関与するところも少なく、したがって民意の反映もなかなか行いがたい面があるような現状でございます。いままでそういうものが何回もとられながらなぜできなかったか。いろいろ各省との交渉の経緯は私も了知しておりますけれども、今後、各省にどういう問題があり、これをどのように解決していこうというのか、大ざっぱで結構でございますからひとつ御答弁いただきたいと思います。
  70. 石破二朗

    石破国務大臣 地方事務官制度でありますけれども、そのくらいの問題一つ三十年やって片づかぬ、実際困った問題だと思っております。都道府県知事でありますけれども、これはお話のとおり指揮監督権しかありません。身分上の監督権というものがない。なかなか自分の本当の手足のようなつもりで使うわけにいかぬ、何とかして地方公務員にしていただきたいと熱望しております。地方自治体の諸君も、これが地方公務員になることを歓迎いたしております。それから地方事務官御本人でありますけれども、この諸君も、中にはいろいろ個人的な理由もありましょうが、総じて地方公務員になった方が何かと好都合ではないか、厚生面等におきましても、何かと地方公務員になった方がいいと御希望になっておる向きが多いと思います。また、地方事務官も構成員でありますところの官公労、これはいろいろ組織がありますから一概には言えませんけれども、官公労の諸君全体としては、これが地方公務員になることについてあえて否定的ではないと承知いたしております。  そこで問題は管理者側地方事務官を管理しておりますところのそれぞれの、たとえば厚生大臣でありますとか労働大臣でありますとかでありますが、事細かに意見を承っておりませんけれども、所管の大臣必ずしも御賛成になっていないようでありますし、その直属の部下であります局長さん方もどうも消極的なように考えます。また御承知のとおり、細かくは申しませんけれども、私の所属しまする自由民主党におきましてはあれこれの部会がございます。それらの方々にもいろいろ御意見もありましょうが、さてそれでは地方事務官をこの際一挙に地方公務員にするというところまで、どうも煮詰まっておらぬように思います。でありますから、考えなければならぬものはおのずから限定されておるわけでありまして、皆さんの御理解と御協力をいただきまして、何とかこの妙なものをきれいに整理できないかということで努力したいと思います。
  71. 池田淳

    池田(淳)委員 大臣の基本的な姿勢を承りまして、非常に私喜ばしく思っておるものでございますが、ひとつこの案件は、大臣蛮勇をふるって実現方をお願いしたいものだと考えているものでございます。特に地方事務官も都道府県の職員になることを望んでいる云々というようなお話がただいまございましたけれども、先般の道路運送車両法の一部改正の法律案、これは廃案になりましたが、それを読んでみますと、まさに逆行しているようなことがうたわれているような気が私はするわけでございます。たとえば陸運事務所でやっております自動車の検査、登録の事務は国の事務としまして、そこに従事する職員は運輸事務官にするというようなことが規定されているわけであります。  ところが、いまモータリゼーションがこれだけ盛んになってまいりますと、自動車の登録というものは自動車の戸籍事務と実は同じようなものじゃないか、あるいは検査事務といっても、ほとんど指定業者が検査したものを陸運事務所が確認しているというケースが多いわけでございます。こういう身近な行政をなぜ国の事務とし、それに従事する職員は運輸事務官としなければならないのか。八〇年代は地方の時代と言うならば、まさに逆行しているような行き方ではないかというふうに私は痛感しているものでございますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  72. 石破二朗

    石破国務大臣 陸運事務所が現に所掌しております事務のうち、御指摘のとおり登録あるいは車両検査、この事務は地方の事務にした方がいいという有力な御意見があることは承知しておりますけれども、国の事務としたいならしてもよかろう、したがってこれは運輸事務官にしようというのであります。このことは、つまり残された陸運事務所のその他の事務は地方の事務にする、それに従事します職員は地方公務員にするのが理の当然であり大前提のはずでありますけれども、車検、登録の事務だけは国の事務であって、それに従事する職員を運輸事務官にするという方だけが先行してしまいまして、残りの事務を担当する地方事務官を地方公務員にするというのがまだペンディングになっておるわけであります。これは急がなければいかぬと思いますが、今後努力してまいりたいと思います。
  73. 池田淳

    池田(淳)委員 従来、国の事務か地方の事務かという議論をする場合におきまして、その行政が全国的な統一を図らなければならない、あるいは全国的にある程度同一の水準を保たなければならない、そういうようなものは国の事務だという一つ考えがあるわけでありますが、ただいまの陸運事務所の自動車の登録、検査事務というものはもはやそういう考えを逸脱して、本当に住民のすぐそばにある行政だというふうに私は考えているわけでございます。そのほかのペンディングになった問題もあるようでございますが、地方自治の確立というものはそういうところから着手していかないと、一つ城を崩されることはほかの城も崩されることでございますので、いろいろな事情もありましょうが大臣にがんばっていただきたいと思います。これは要望にとどめておきます。  次が金融、通産行政と県の行政の関係でございます。  高度成長の時代を経まして、就業人口が御存じのとおり第一次産業から大きく第三次の産業に移ってまいったわけでございます。そこで各県ともそれに対応すべく、県庁機構に消費生活課であるとか流通対策課というようなものをつくって対応しているわけでございますが、ただ金融、通産行政と県の行政というものは、余りにも連携がなさ過ぎる面が私は多過ぎるような気がするわけでございます。今回大型店の進出につきまして、商調協を通じまして知事が意見具申できるような道が開かれまして一歩前進ではございますが、たとえば商工会議所を例にとりましても、商工会議所の設置、監督は、書類は知事を経由いたしますが通産大臣の権限になっているわけです。もういまは、商工会議所を設置し監督するのは知事の権限でもいいような時代になっている。県の商工行政の一環として処理されてしかるべき問題であるというふうに私は考えております。また銀行を例にとりましても、銀行の設置は主務大臣、大蔵大臣の免許となっております。設置につきましては大蔵大臣の免許ということは理解できます。しかし、銀行の支店、営業所の設置につきましても大蔵大臣の認可でございまして、このことについては知事、市町村長は何らあずかっていないわけであります。特に総合行政を担当し、地方の金融行政を担当いたします知事にとりましては、支店や営業所をつくる場合ぐらいは、何とか知事の副申なり意見具申をもとにして、それを参考にして認可するぐらいの地方行政に対する温かい配慮があってしかるべきではないかというふうに私は考えているものでございます。  私がこれを痛感いたしましたのは、私が県庁で農林部長をやっておりますときに、ある企業が地域開発のために農地を買い上げたわけであります。ところが、この農地土地改良をやった農地でございましたので、私はがんとしてそれに応じなかった。そこで、その会社は仮契約をしまして金を払いました。ところが間もなく、そこにその会社と同列の銀行の支店が設置されまして、その仮払いされた金を全部そこに預託させてしまった。われわれの地方行政というものを本当に逆なでするような現象を私は経験したことがあるわけでございます。そういう意味におきまして、この通産行政、金融行政というものと知事の行政、もう第三次産業がこれだけ多くなってきた暁におきまして、もっと連携がとれるような姿勢でこれから地方行政というものを考えていくべきだというふうな考えを私は持っているんですが、所見を承りたいと思います。
  74. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたします。  池田委員よく御承知と思いますけれども、やはりこれは歴史上の背景があるように思うのであります。御指摘の金融行政といい通産行政といい、古く戦前のことでありますけれども、官選の都道府県知事時代のことを考えてみますと、行政の対象といいますか、特に地方行政の対象になる範囲が非常に少なかったように思うのであります。わずかな行政が関与する程度であった。農林行政でありますとか厚生行政というものは、昔から官選の都道府県知事の守備範囲に属しておったのでありますけれども、そういうことがありましていまだに地方自治体に任さないで国の機関が出先機関まで設けてやっておる、これは適当でないと思います。  そこで、この際、御質問からちょっと外れますけれどもお聞き取りいただき、御協力、御指導賜りたいと思いますが、通産行政のお話がございましたが、鉱山につきまして具体的に最近困っておる問題がありますのでお聞き取りいただきたいと思います。  御承知のとおり、鉱業権の設置とか取り消しとかいうものは、法律上都道府県知事には一切関係なしに進められておりますが、近年全国的に鉱山の休止——休止ならまだいいんですけれども廃鉱になっちゃった、それを経営しておった会社が解散になっちゃったという場合に、鉱毒というものが残ります。これをどう処理するか。日本体的には北上川水系の岩手県に松尾鉱山という鉱山がありまして、硫黄を流出して困るのですけれども、経営しておった会社はなくなっちゃった。通産省は、若干の補助はするようでありますけれども、それは地方自治体である岩手県の責任でやれ。岩手県知事にしてみますと、松尾鉱山が稼働しておるころ、それは恩恵に浴したには違いないけれども、鉱山行政について一言半句自分らは口を出すことができなかった。鉱山が廃鉱になって会社がやめる際にも、自分らは意見を何も聞かれたものではない。しかもあの川は一級河川である。硫黄のあるところは国有地である。なぜ岩手県知事が責任を負わなければいかぬか。こういうことになっておりまして、これが、鉱山が稼働中においても通産局等が御所管になりませんで知事にある程度の権限を委任しておれば、こうしたことにならなかったろうと思うのであります。そういうので、ぜひとも地方自治体にこういう行政は任せるようにしていただきたいというのが一つであります。  それからもう一つは、縦割り行政の弊害というのを各方面で指摘されております。特にたとえば大地震が起こった場合等に、いろいろ関係省庁が多うございます。それを何かどこかで一本に統括しておかぬと、いざというときに機敏な行動ができまい、統制のとれた対処ができないだろうということで、国土庁が中心になりまして、法律もでき、関係省庁が集まってという仕掛けになっております。ところが、一朝事がありました際にああいう機構が本当に動くものかどうか、非常な懸念を持っております。一生懸命勉強しておりまして、御心配のないようにしようとは思っておりますけれども、非常にめんどうなものがある。これは縦割り行政の弊害を統合しなければいけませんが、それを中央で統合するのか、それとも地方で統合するのか。私はどうも、都道府県知事というものに各省の現地の権限は任して、そこで統合してくれというふうにしますれば、いまよりかもっとてきぱきと効率的に働けることになるのじゃなかろうか。  以上、松尾鉱山と大地震の場合と考えまして、何とかして国の事務を都道府県知事に任したらどうかというふうに考えておりますので、御理解の上御指導賜りたいと思います。
  75. 池田淳

    池田(淳)委員 ただいま松尾鉱山の例などお話しいただきまして、大臣のそういう御苦心と決意のほどを伺いまして、本当にありがとうございました。  次は、広域行政について二、三お尋ねいたしたいと思います。行政経済圏というものが非常に広がってきまして、広域行政というものが非常に活発になってきたことは理の当然でございますし、また好ましいことと私は考えておりますが、近ごろの傾向としまして、この広域行政のために支出される予算、ごみ処理、屎尿処理、上下水道あるいは病院等、そういうものに対して支出されます予算が本来の固有の市町村財政に占める比重が、年々大きくなりつつある現状にあるわけであります。そういうようなことを踏まえてまいりますと、行政経済圏の拡大に伴いまして市町村のあるべき姿というものが検討さるべきものなのか、あるいは広域市町村圏というもので今後とも推進できるものなのか、この辺ではっきりした考えを固めておかなければならぬような時期に来ているのではないか。確かに二十八年に、これは指導合併と言っていいかと思いますが行いましたし、四十年は自主合併をされたわけでございますが、いまもし市町村からこういう状況で合併したいという申し込みがあった場合に、自治省はこれをどのように扱おうとしているのか。また当時の合併、たしか二十八年は人口八千ぐらいを適正規模としたかという記憶はございますけれども、いまの市町村規模は、これはその場所場所によりましていろいろ違うとは思いますけれども、適正規模は一体どれぐらいに考えているのか、その辺をひとつお伺いいたしたいと思います。
  76. 石破二朗

    石破国務大臣 正確には担当局長からお答え申し上げることにいたしますけれども市町村規模はどの程度が適正と考えておるかというお尋ねでありますが、市町村とは一体何だというところから考えていかなければいかぬと思います。自分らは何々村、何々町あるいは何々市の住民であるという共同意識、運命共同体とでも申しますか、とにかくおれらは一緒のものだという地域住民の観念で結ばれておるもの、これが市町村と言えるのではないかと思うのであります。  そういう意味から言いますと、行政能率というようなことだけで市町村の区域、範囲をあれこれするのはどうかと思いますけれども、その辺をどう考えたらよろしゅうございましょうか。お話の中にございましたとおり、昭和二十七、八年以降ずいぶん研究もし、苦労していただいて現在の市町村が一応できておる。それから三十年近くたったわけでありまして、当時不自然であったかもしれませんけれども、ある程度の共同意識が出て今日に至っております。しかしながら、お話の中にもございましたとおり、ごみの処理といい上下水道の処理といい消防といい、とてもそういう現在の市町村の行政区域では処理できない、つまり無意味であるというような現象も起こっております。  さらにもう一つここで考えなければいかぬと思いますのは、その上に県というものがあります。しかもその上に国の出先機関がくっついております。でございますから、市町村といいますと、住民の運命共同的な意識というものを基礎にしなければうまくいかぬだろうということもありますし、といって、各種の行政需要を能率的にさばくのにそれではおかしいじゃないかというのもございましょうし、さらにその上の都道府県をどうするか、国の出先機関との関係をどうするか、あれこれ非常に複雑な絡まった問題があると思いますので、とりあえずは、市町村の区域が狭いがために行政能率が発揮できないというようなときは一部事務組合等をつくっていただきますとか、あるいは考え方が若干違いますけれども、定住圏構想に基づきます一定地域の共同整備を図りますとか、そういうことで補っていったらどうかと考えております。
  77. 砂子田隆

    ○砂子田政府委員 大略いま大臣からお答えしたことで尽きるのではないかと思いますが、先ほど、日常経済圏が非常に大きくなってきておる。私たちが考えますには、経済的な問題もありますが、社会生活圏と申しますか、人々の生活の範囲、空間が非常に大きくなってきていることは事実であります。そういう意味で、おっしゃいましたように市町村の区域を越える行政需要が非常にに多くなってきていることもございます。  そこで実は自治省では、四十四年以来これに対応するために、広域市町村圏という中で一体的な処理をさせようというふうに図ってきたわけであります。これがわりあいに地についてまいりまして、いま全国で三百三十四の広域市町村圏ができておりまして、その中で広域の行政の事務処理というものはおおむね全うしている形になっております。ただ、大都市の周辺というのが、なかなかそう一体化に進みづらいということがございまして少しおくれておりますが、これも来年度中には大方のめどがつくだろうと思います。  いずれにいたしましても、こういうような社会経済情勢の変化に対応して市町村の行政が円滑に行われるようにぜひ措置をしていかなければならぬと思いますが、いまお話がございましたように、広域行政が進むに従って、合併するということについて今後どうするのかということでございます。私たちは、この合併というものが、先ほどお話がありましたように昭和二十八年、八千人の人口を構えるということで、実は当時の中学校を維持できるかどうかということが一つの目安でありました。そこで町村合併促進法をむしろ国会が、実は議員立法でおつくりになっていただいたわけでありますが、それをもとにしながら町村の適正規模についての指導をしてまいりました。  そういう意味から申しますと、これからの広域行政というものが市町村の間でどうしても一体的に処理することがむしろ望ましいのだということで、市町村の間で一体的に処理するための自主的な方向での合併がもし行われるならば、私たちの方としてはそれなりに評価をいたしたいと考えております。  さらに、市町村の適正規模についてどういう基準を持っているかというお話ですが、先ほどのように、町村合併促進法をつくりましたときは、新制中学校をつくるということのための八千人という一つ規模をつくりましたが、いま現在、町村の規模というのは一万一千人弱になっております。これがどの程度の大きさが望ましいのかということにつきましては、いろいろな研究の方法があろうと思いますが、自治省自身がいまこれだというものを持っているわけではありません。しかし、いずれにしても市町村自身が行政を行っていくわけでありますから、市町村の行政が展開をしていく場合に、その中の行政が充実されるような方向での指導というのは位置づけていくべきではなかろうかと考えております。
  78. 池田淳

    池田(淳)委員 確かにそういう広域市町村圏等でいろいろな広域行政事務を扱っているわけでございますが、そこで地方の中核都市の問題でございますが、たとえば千葉県の二十一世紀構想によりますと、成田と千葉と南の木更津、三市を地方中核都市にしたいのだということがうたわれているわけでございます。  地方の中核都市というものは、やはり周辺後背地の住民のニーズにもこたえなければならない問題が多々あるわけであります。たとえば体育館をつくるにしても総合運動場をつくるにしても、十万の都市であるから十万のものだけでいいんだというわけにはいかない。それは周辺の地域の人たちも利用できるようなものをつくることが望ましいし、そういうふうなことがあるべき姿だと思っているわけでございます。  そういう意味におきましてこういう問題は、私の考えでは広域行政の場にまだいまのところ乗りにくい問題でございますので、そういう中核都市をつくるためにそのような施設設置の申請があったときは、補助金なり起債なり、通常のものより何か手厚くこれを助成する方法はないものだろうかということを考えておりますが、お考えを承りたいと思います。
  79. 砂子田隆

    ○砂子田政府委員 今後の地方の中核都市の政策の推進の考え方でございますが、先ほど申し上げましたように、多くの場合、広域市町村圏という形の中での中核都市の育成というのをいま進めているわけでもあります。お話のように今後の地域づくりというものにつきましては、都市と農村が一体になって形成されていかなければならぬだろう。それが、言うならば定住構想に基づく一つの行き方でもあろうと思います。その中で都市の持つ雇用の機会なり教育なり医療なりあるいは体育施設なり、そういうものが周辺の農民の方々も享受できるというふうにあるべきものだと思っております。そういう意味での中核的な機能が発揮できるようにこれからも私たちとしては進めていきたいと思っておりますし、それによって都市機能を充実していくというのがこれからの中核都市の育成の一つの方向であろうと思っております。  そういう意味で、実は自治省といたしましても中核都市を整備するということの必要性を考えておりまして、従来から地域総合整備事業債の活用によりまして、一般のそういう人たちが共有できるような施設をつくりましたり、さらには来年につきましては、そういう広域市町村圏の中の中核都市を育成するという方向で大規模な中核複合施設ということのための補助金を獲得しようと、いま現在鋭意検討いたしているところでもございます。
  80. 池田淳

    池田(淳)委員 そういうことでこれからできる都市づくり、そういうものにつきましての地方中核都市に対します温かい御配慮をぜひともお願いしたいと思います。  ここでややつけ加え的になりますが、道州制の問題、かつて地方制度調査会で何回か道州制あるいは府県合併論というものがあったわけでありますが、それが現在ほとんど影をひそめているわけでございます。影をひそめたというのは、当時論議されたとき前提となった諸条件がなくなったから影をひそめたのか、あるいは当時の議論が当を得ないと申しますか、余りにも抽象的であったから現在下火になっているのか、その辺を簡単で結構ですが、参考までにお伺いいたしたいと思います。
  81. 石破二朗

    石破国務大臣 御指摘のとおり道州制の問題、現在下火になっておりますけれども、この間中曽根行政管理庁長官に財界の有力者からどうなっておるのだというようなお話があったやに承知いたしております。あるいは第二臨調等で御議論になるかもしれませんので、私の意見等は差し控えるべきかとも思いますけれども、これを考えます際にはいろいろの観点があろうと思います。地方自治体として現在の都道府県という範囲でいいのか、あるいは道州制を地方自治体として設置した方がいいのかという議論がありましょうし、それからもう一つは、ほとんどそういうようなのはなかろうと思いますけれども、国の出先機関としての道州制というものを考えたらどうかということがあろうと思います。  国の機関地方自治体と一括して考えてみまするのに、現在は中央政府があり、国の出先機関があり、都道府県があり、その下に市町村があります。国の機関地方自治体、いろいろ違いますけれども、いかにも段階が多過ぎるのじゃないか。大正末期には郡制というものを廃止しました。それ以来もう六十年であります。交通通信施設もずいぶん発達しました。依然として都道府県あり、市町村あり、その上に近ごろは国の出先機関という、至れり尽くせりの整備をされて今日に至っておる。こういうことでいいのかどうか。国の出先機関の整理の問題とあわせ検討していただきたいものと考えております。
  82. 池田淳

    池田(淳)委員 時間も迫ってまいりましたので、最後に国鉄赤字線の問題につきまして、むしろ大臣のお力添えをいただきたいと思うものがあるわけであります。  千葉県に木原線というのがありまして、これは国鉄の第一次整理対象になっている線でございます。これは本来は太平洋側の大原というところと東京湾寄りの木更津というところを結ぶところから木原線という名前ができたのでございますが、この東京湾の方は木更津から久留里線というのがございましてずっと房総の奥地に通っている。片っ方、太平洋側からは木原線が参りまして奥側に通っている。ところが真ん中は、まだ七キロほど接続できていないわけであります。木原線は小湊鉄道によって千葉の方に運ばれているわけでございますけれども、私が言いたいのは、いま東京湾の横断道路が問題になっているわけでありまして、ことしも調査費は九億つきまして、いままで東京湾架橋を含めまして五十億ぐらいの調査費が出ているわけでございます。この東京湾の横断道路ができたときに、東京湾側と太平洋側を結ぶ房総半島の横断鉄道というものが何よりも必要だということが地元でも強く要望されているわけでございます。確かに木原線は国鉄の基準から言いますれば、整理しなければならない赤字路線であることは私は承知しております。しかし、さっきも言いましたとおり、余りにも財政の再建、財政を解決するからだといって将来のあるべき姿をゆがめることは許しがたいことのような気が私はするわけであります。横断道路ができまして、いままでおくれておりました千葉県の南房総というものがようやく袋小路性をなくしていこうとするとき、横断道路の延長的な木更津から大原に至る鉄道を房総横断鉄道と名づけてこれを地域開発の一つの幹線鉄道にすることは、本当に将来われわれが期待もし考えていかなければならない一つ地域開発の絵図面の大きな柱であるというふうに考えております。そういう意味で先ほど大臣は、まだ政令も決まっておらぬし、そういうときにまたいろいろ発言する機会もあるらしき御発言がございましたけれども、どうか将来の展望に立って、現在の近視眼的な視野じゃなくして将来これが必要であるかどうかという観点から、ひとつ国鉄赤字線の問題も考慮していただきたい。むしろ私は大臣の強いお力添えをいただきたいと思っておるわけでございますが、簡単に御答弁をお願いいたしたいと思います。
  83. 石破二朗

    石破国務大臣 池田委員の御指摘鉄道線が具体的にどのようになっておりますものか承知いたしておりませんけれども、御質問の御趣旨、十分拝聴いたしました。できますれば御要望に沿うことができますように努力させていただくつもりであります。
  84. 池田淳

    池田(淳)委員 以上をもって終わります。ありがとうございました。
  85. 左藤恵

  86. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 私は、先回行政改革問題について若干積み残しをいたしましたので、その点についてお伺いをいたしたいと存じます。  各省庁で行政改革が進められているわけでございますが、行政改革の目的は行政事務量の軽減、それに伴う行政経費の節減であり、その実効が上がらなければ意味がない、こういうふうに思うわけでございます。また同時に国民にも、その行政改革というものが行政サービス向上にもつながれば大変ベターであるし、またそういう方向で検討されていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。そういう立場から警察庁がとっております行政改革の内容と、経費節減の実効がそれによって上がったかどうか、ここら辺の問題をまずお伺いをいたしたい、こう存じます。
  87. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 お答えをいたします。  行政改革の推進につきましては、警察の業務が一方では年々ふえておりますし、また非常に複雑化しておるという状況のもとにありまして、私どもといたしましては鋭意政府の方針に従いまして努力をしておるわけでございます。  内容としましては、行政事務の簡素化につきましては、法令、これは警察関係の法令余り多くはございませんけれども、報告等につきましては現在相当数の整理を行っておるわけでございます。あわせまして、許認可事務の整理統合を行っております。定員の問題にしましても、今年度から五カ年計画で削減をするという計画を現在やっておりますし、また補助金等につきましても鋭意検討をいたしまして、現在警察関係八件ございますけれども、五十八年度までにそれを六件にすべく現在準備をしておるわけでございます。その他、行政サービスの改善につきましても、庁内に委員会を設けましていろいろと検討しておる、こういう状況でございます。
  88. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 もう少し詳しくお伺いをしたいわけでございますが、まず一つは、行政改革のポイントというのは許認可事項の整理をどういうふうにするかということが一つのポイントであろう、こういうふうに私は思っておるわけでございます。  それについて警察庁の方でお出しになりました報告をちょっと見ますと、許認可等の整理についてはすでに過去三回行っておる、今後も検討の上整理可能なものがあれば実施する予定であるというふうになっておるわけでございますけれども、整理可能なものがあればじゃなくてやはり積極的にこの際全体的に見直しをする、こういうことでなければならぬと思うのですが、まずその姿勢についてお伺いします。
  89. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 お答えをいたします。  その御趣旨に沿いまして、鋭意検討を進めてまいりたいと存じます。
  90. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それではもう少し補助金の問題についてお伺いいたしますが、いま整理しようとしている六項目の内容を拝見いたしておるわけでございますが、この補助金を整理するというのはどういう方向でやろうとしていらっしゃるのか。ただいま補助金打ち切りというようなことになりますれば、これは各県の財政の方に響いてくるであろうし、そこら辺のところをもうちょっと伺いたいのであります。
  91. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 警察関係補助金につきましては、先ほど申しましたように八つでございます。いずれも都道府県警察の運営に重大な影響を持つものばかりでございますので、打ち切りといったようなことはなかなかむずかしいというふうに考えております。  いま考えておりますのは、一般の施設費の補助金と待機宿舎の整備の補助金、こういったものを統合して一本化していこう、そういった意味での簡素化を考えておるわけでございます。
  92. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それから許認可の整理の問題でございますけれども、数字的なことを要求しておりませんが、概数どのぐらいあると思っておられますか、警察が関知しております許認可の件数ですが。
  93. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 百七十九件でございます。
  94. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 この許認可の問題と関連があるわけでございますが、運転免許の更新の問題、これについて若干お伺いをいたしたいわけでございますが、ペーパードライバー四千万人の時代に突入をしておるわけでございまして、こういう問題を整理できれば非常に行政の簡素化につながるので大変ベターである、こういうふうに思うわけでございます。  三年に一遍の更新でございますから、一年に約一千三百万件ぐらいあるわけでございますけれども、これは交通安全特別委員会でも問題になっていたのですが、この更新の期間を延長しろ、それによって行政の簡素化ができるじゃないか、年に千三百万件というと相当な事務量になるではないか、何とかならぬのかというようなお話が出ておりました。そのときに警察庁の方の御答弁では、その問題で非常にネックになっているのはいわゆる近視の人、そういう人たちが毎年検査をしてみると約四十万人ぐらいひっかかってくるので、そういうものが交通安全に支障を来すといけないのでなかなかむずかしいのです、こういう話になっておるわけですね。  しかし、よく考えてみますと、目が悪いといっても、それは近視なんかは進行するわけでございますけれども、それが生活に支障を来すようなことであれば当然本人が気がついて是正をしていくでございましょうし、これは素人的な発想かもしれませんけれども、それがさほど大きな問題になるとは余り考えられない。四十万人というと、一千三百万件の中の四十万人ですから大体三%ぐらい、こういうことですね。たとえば、そういうような支障があるのだがというお話ですが、いわゆる目が悪いということが原因になって事故を起こしているというようなことがデータの上でも大変高い数字になっているというのであればこれはあれでしょうけれども、私は余りそういうデータもないのじゃないかなという気がしますか、そこら辺のことについてもしそういうような調査等をしておみえになるならば、この問題とあわせてお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  95. 池田速雄

    池田政府委員 いま御指摘のとおり、運転免許証の有効期間につきましては原則三年、こういうことになっております。歴史的に見ますと、昭和二十四年に道路交通取締法が制定、施行されましたときには二年という期間が設定されていたようでございますが、昭和二十八年の改正で現行の三年ということになりまして、その後道路交通法の制定の際もそのまま引き継がれておるというのが現状でございます。  御指摘がございましたとおり、三年間たちますと視力でございますとか聴力それから運動能力、そういった適性につきまして検査をやりまして免許証を更新するというたてまえになっておるわけでございまして、サンプル調査から推算いたしますと年間四十万人ぐらいの方がそういうことによりましてチェックを受けておられるということでございます。こういった適性の問題もございますけれども、また更新の機会に、現行の制度でございますと最近の道路交通情勢の変化等に応じました講習というものを行うシステムになっておるわけでございまして、このことが運転者の安全意識を高めるために大変効果がある制度になっておるというふうに考えるわけでございます。  基本的には先ほど来お話がございましたとおり、現在四千二百万人余りの国民皆免許時代を迎えておりまして、まだまだこの数は伸びるというふうに考えておりますけれども、そういうドライバーの安全という面とそれからもう一つ、これからの交通安全上の問題といたしましては、ドライバーを中心といたしました教育といったものをどういうふうに体系づけていったらいいのかという問題があろうかと思いますので、そういった点もあわせまして考えるべき問題じゃないかというふうに認識いたしておる次第でございます。  こういった講習のみならず、現在の三年の制度が前提になりまして、たとえば点数制度でございますとかそういった免許の仕組み全体が構成されておる、そのことによりまして運転者の方が安全な運転ができるようなシステムをつくり上げておりますので、御指摘の点につきましてはなお慎重に検討させていただきたいというふうに考えております。
  96. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 安全にかかわる問題でございますから慎重な態度で進まれることは非常に大事だと思いますが、いまもお話がありましたように、そういう運転能力の問題なんということになってまいりますと、私の知り合いでございますけれども、もう七十歳を超えていらしてなお免許を更新したい、家族の人は大変運動能力といいますか運転能力といいますか、そういう年配になったときの神経障害的なものを心配して、上限を決めてもらえないだろうかあるいは何かそこに方法がないだろうか、年寄りの運転は心配だ、こういうことを申し出ていらっしゃる人もあるわけでございまして、そういうことから考えてみますと、確かにそれは免許制のいろいろなシステムというものが三年ということを基準にして考えられておるのですが、それは改正をしないという条件にはならぬわけでありまして、そういった意味でもう少しこれは突っ込んでやらなければならない問題ではないか。  まあフランスあたりは、免許を交付すればいわゆる生涯更新がない、それもまた極端な話ではありますけれども、こういうような行政サービスの面はどうしても国民の要求が多様化してきますから、ふくれ上がる一方であるという傾向にあろうかと存じますね。そうして見れば、やはり旧来の制度というのはそれなりに見直しをして、そして整理すべきものは整理するという方向でなければならぬ。いますぐ時期の問題についておっしゃるような時代ではないかもしれませんが、やはり存続するにしてもあるいはこの制度を改革するにしても、何年間なら何年間という見直しの期間を設定して、そしてそのまま存続するなら存続するんだというふうに結論づけなければならない、改革すべきなら改革すべきであるという結論づけをしなければならないはずなんですね。  いま伺っておりますと、そこら辺の目標は何にもなくて研究中研究中では、これは十年たっても研究中ということになりますので、それではちょっとまずいのではないか。四千万人時代ということはこれは大変な時代ですよ。やはりそういう時代、先ほどおっしゃった二十八年に二年から三年に更新されておるわけですが、その後本年までは二十七年目ですか、四分の一世紀をもうすでに経過しておるわけですから、これはやはりめどをつけて存続するかしないかという問題、改革するかどうかという問題の見当をつけなければいかぬと思いますが、そこら辺の見解はいかがでございましょうか。
  97. 池田速雄

    池田政府委員 いま御指摘のとおり、すでに三十年近くの制度を続けてきているわけでございますが、外国の例にいたしましても、一遍免許を与えますと後は免許を受けた者の完全な個人的な責任と申しますか、そういう考え方のもとに制度をつくっておるところもございますし、それからアメリカ等につきましては二年ないし三年といったような、州によっても違いますけれども、比較的厳格にそういった管理をするといったように、それぞれの国情によりましてニュアンスの違いがあるというふうに考えております。それで日本の場合でございますけれども、やはり三年間といったようなものを先ほど来申し上げましたように前提にいたしましていろいろな制度が組み上げられておりますし、そのことが現在有効に作用しておるというふうに考えるわけでございます。  なお、免許に関する御意見につきましても、もう少し厳しくてもいいんじゃないか、たとえば年限を短くしろあるいは更新の際にもう一遍技能の試験もやり直したらどうか、こういうような御意見から、御指摘のように十年でもいいんじゃないかあるいはもっと長くてもいいんじゃないか、ただ年齢が高齢になられますとそれは短期間に更新するようにしたらどうだといったような御意見まで、大変多種多様ございます。現在私どもの方でも、免許制度研究会という有識者の方々の検討していただく会を持っておりますので、そういうところの御意見もお聞きしながら検討を続けてまいりたいと思いますが、現在の状況ではやはりいまの制度を続けていくことが安全上から見てもいいのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  なお、国民の方の利便の点につきましては、現在免許の即時照会の制度等を続けておるわけでございまして、五十八年ごろになりましてそのシステムができ上がりますと免許証の即日交付ということも可能になろうかと思いますので、そういった努力、あるいは免許をお受けになる方が年々ふえておられるわけですけれども、電子計算組織その他の導入によりまして極力人員の方はふやさない、こういうことで対処してまいっておりますので、その点につきましての努力もさらに続けてまいりたいというふうに考えております。
  98. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 大臣、これ以上この問題について御質問は申し上げませんが、実は公務員の方が事故を起こした場合、たとえばそれが過失致死というようなことになりますと自動的に懲戒免職になるわけですね。これは交通事故のそういうような災害というか、災害といってはおかしいのですが、そういう事件が起こった場合に、当然人命保護という立場からも厳しくはしなければなりませんけれども、過失致死のケースが多かろうと思うのです。その場合に自動的に免職というのは他の法律体系とはちょっと違うのじゃないか、この問題は一遍研究していただかなければならぬと思うのです。私も、具体的に地方公務員の方からそういうことの御相談にあずかって大変困ったことがあったのですけれども、別に質問通告を申し上げているわけじゃありませんので、一遍お考えをいただきたい、御研究をいただきたい、こういうふうに思うのでございますけれども、もし何か御所感がありましたら承りたいと思います。
  99. 石破二朗

    石破国務大臣 お答えいたしますが、過失でありますと、仮に相手の方がお亡くなりになるということがありましても、懲戒免職ということはそれだけではあり得ないように思いますが、具体的な事案を承りました上でよく取り調べ、善処いたしたいと思います。
  100. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 その問題はまた次の機会でも申し上げることにいたしますが、これはしかし自動的にそうなっておるのですよ。ただ、交通事故と他の犯罪とは意味が違うわけでありますので、そこら辺との関連性を少し考えなければならぬ、こう思っております。  次の問題に移らせていただきますが、暴走族の問題でお伺いいたしたいと存じます。  警察庁の御報告をいただいておるわけでございますけれども、この暴走族は大変にふえておるわけですね。走行回数なんかを見ますと、五十四年の一月から八月まで千十四件が五十五年の一月から八月までになりますと二千四百件、参加人員も、わずか八カ月の統計ではありますけれども、五十四年度は六万一千八百三十一人、五十五年度になりますと実に十五万九千百三十六人というようなことで、約一年間に何と十万人もふえている、こういう状態ですね。取り締まりの方もそれに対応して大変な人数を出されておる。出動回数も非常にふえておる。当然、検挙の状況についてもそれなりの成果が上がっておるのでございますが、しかし、これは大変大きな問題になりつつあるというふうに考えなければなりません。これは八カ月の統計でございますから、一年通算で見ますとあと四カ月分足すわけでございますが、何と参加人員だけで年間で二十万人を超える、こういう状態だと思います。  こういう問題は、まさに社会秩序に対する一つの挑戦であるし、生活の不満をこんな形でぶつけてくる、ぶつけられた一般の通行人はたまったものじゃない。あるいは暴走族が走る周辺の人たちは、夜中に飛び起きてびっくりするというような状態でございますね。私も間々そういうところにぶつかったことがございまして、警察の御苦労には大変に御同情申し上げるわけなんですけれども、これはやはり一種の精神的欠陥者、そういうふうに見なければならないわけでございますから、普通の交通事故対策とはいささか本質が違うのじゃないかというふうに思われるわけです。この傾向でいくと、来年度あたりはもっとふえるのじゃないか、そのことを大変心配するのでございますけれども、何か適切な対処の方法はないのか。大変警察は御苦労しておられると思います。超スピードで逃げていくわけですから、つかまえるのも大変むずかしい、その証拠をつかむこともむずかしいという状況にあろうかと存じますけれども、一年間に倍々係数でふえていったらそれこそえらいことですな。そこら辺の対策、お考えをひとつお伺いをいたしておきたいと存じます。
  101. 池田速雄

    池田政府委員 一昨年の道路交通法の改正によりまして、共同危険行為といったような新しい暴走族にかかわります罰条を御制定いただいたわけでございますが、その関係もございまして昨年前半期ぐらいまでは、比較的暴走族の蝟集走行というのも少なかったわけでございますが、昨年の秋ごろから急にまた出てきておるという実情でございまして、ことしになりましてからも、たとえば五月の土、日で一番出ましたときには、全国で七千人ぐらい集まって走行したという実態がございます。最近は、取り締まりその他によりまして若干その数が少なくなっておりますけれども、まだ現在でも残念ながら二、三千の者が蝟集走行しておるというのが実態でございます。  この暴走族の問題につきましては、ことしの六月に調べましたときの人員が八百三十五グループ、三万五千人余りということでございまして、これまでにない多くのグループ数、構成人員というふうになったわけでございます。これが特徴といたしましては、一つは少年が大変多くなってきている。八〇%近くが少年だというような実態等もございまして、交通問題のみならず、少年問題として十分考えなければいけない。また先ほど御指摘のとおり地域の静穏を大変害する、しかもまた通行の車両その他にも大変な被害を及ぼすということで、そういった観点からも対処してまいらなければいけないということで、警察のみならず地域を挙げて取り組んでいただいておるわけでございますが、何と申しましても警察といたしましては、そういった違法行為を確実に検挙して、補導その他の措置を講ずるということがまず第一であろうかと思います。  サンプル調査で恐縮でございますけれども、昨年の六月に実は九百八十九人の十二グループの構成員を調べてみましたところが、昨年の十一月にはそのグループの構成員は千八百二十九名というふうになっているわけでございますけれども、当初の九行八十九人のうち四三・五%は離脱しておる。しかし、さらに新しく千二百七十名の者が入りましてそういう数になっている。さらにことしの六月の数字を見ますと、当初の構成員のうちさらに一七・八%、百七十六名の者が離脱いたしまして、当初からの一年間に残っておりますのは三八%程度ということでございます。大変に交代が激しい。その交代というのは、やはり警察が検挙いたしまして補導いたしますと脱落する、さらにそれを上回る予備軍的な者がどんどん入ってくるということでございますので、これはそういった取り締まり等によりまして警察が適切な措置をする。たとえばその後の行政処分につきましてもさらに強化することを考えておりますし、検挙をいたすのも大変むずかしい実態がございますが、それの体制も今後とも整備してまいりたいというふうに思いますが、さらに大きな立場から先ほど申し上げましたように、地域ぐるみによります活動の推進というのが必要であろうかと思います。  こういった観点から、中央におきましても先般各省庁の申し合わせというものを実施していただきましたし、地方におきましてもすでに十八の府県におきまして、地方議会等におきまして暴走族の追放決議がなされ、それに即しました活発な活動が行われているという実態でございますので、こういった警察の総合力とそれから地域ぐるみによります活動の両面をさらに推進していただきまして、これに対処してまいりたいというふうに考えております。
  102. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 もう時間がなくなりましたからこれでやめますが、これは教育の面と取り締まりの面と両面から攻めていかなければならない。一つの犯罪でございますから、その犯罪予備軍みたいなのは大量に発生する可能性がいつもあるわけですね。私はこれは一遍文部省の方にも、いわゆる交通安全教育という面から、特にいま一部高校の中ではオートバイの乗車禁止ということをPTAあたりで決議してやっているところもあるわけです。そういう厳しい態度を打ち出している地域もあるわけでございまして、これはやはり若い人たちにむしろ社会秩序の大切さ、いわゆる自分一人で生きているんじゃないということの教育の必要性を痛感をするわけでございます。時間がありませんから別に大臣に御答弁を求めませんが、より十分な御研究をしていただきたい。これは青少年の教育の面にも非常に大きなかかわりを持つ問題でございますので、御要望だけ申し上げて質問を終わりたいと思います。
  103. 左藤恵

  104. 岩佐恵美

    岩佐委員 私は、きょうは富士見産婦人科病院の事件について少しお聞きしたいと思います。  まず最初に、個人が献金できる金額、これは一年間に政党、個人に対しては二千万円、後援会では一千万円、合計三千万円が上限となっていますが、警察が富士見産婦人科事件で押収した書類によれば五千万円を超える金額が献金されている、こういう事実が明らかになっておりますけれども、これがもし北野個人が献金したということであれば政治資金規正法第二十二条に違反するというふうに思いますけれども、この問題についてどうでしょうか。
  105. 大林勝臣

    ○大林政府委員 政治資金規正法では、個人が年間に寄附する金額というものが制限されておりますので、個人が寄附したという場合におきましては、その限度額を超えて寄附をすることは違反となります。
  106. 岩佐恵美

    岩佐委員 さきの当委員会において、三谷議員の質問に対して警察庁の中平刑事局長が、政治献金の問題については「献金の事実の中に犯罪として捜査すべき事実があるかどうかの事実関係について、現在関係者から若干の事情の聴取をしつりある段階」と答弁をされておられますけれども、この犯罪というのは贈収賄罪そして政治資金規正法違反だというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
  107. 中平和水

    ○中平政府委員 先般の当委員会で三谷委員からの御質問に対しまして、警察としては北野の献金の中に犯罪を構成する事実があるかないかについて現在調査中である、こういう答弁をしたことは事実でございます。その犯罪事実に触れる行為云云、これはいろいろな形があろうかと思います。  御指摘二つのものは賄賂罪と政治資金規正法でございますか、そういうものに触れる場合も当然あり得るということは考えてやっているわけでございます。
  108. 岩佐恵美

    岩佐委員 澁谷直藏氏は北野から献金をもらったというふうに記者会見で本人みずからが認めておられますけれども、この件について澁谷氏から話を聞いておられますか。
  109. 中平和水

    ○中平政府委員 先ほど申し上げましたように、犯罪を構成する事実があるかどうかについて、つまり犯罪捜査の前段階としての調査中でございますので、特定の個人について事情を聞いたかどうかということにつきましては、事柄の性質上答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  110. 岩佐恵美

    岩佐委員 北野から献金を受けた政治家の中で職務との関係でいえば、医療行政の最高責任者である厚生大臣であった齋藤氏、そして警察行政の責任者である自治大臣、国家公安委員長であった澁谷氏が問題になると当然考えられます。特に澁谷氏に対する献金については、国家公安委員長としての澁谷氏に対して何らかの請託があったのではないかという疑いが非常に濃いわけです。新聞によれば澁谷氏本人は九月二十日の記者会見で、昨年の九月に五百万円、そしてことしの六月に五百万円、計一千万円の献金を受けたことを認めておられます。しかも昨年の九月にもらった五百万円は、秘書を所沢に行かせてもらったというふうに述べておられます。一千万円のほか、本人は、三、四回受け取ったと経理担当者から報告を受けているというふうに言っているし、また警察の押収した書類では合計二千百万円にも上るというふうに言われています。澁谷氏が北野から受けた献金の金額、これは一体幾らになるのでしょうか。
  111. 中平和水

    ○中平政府委員 政治献金を受けたこと自体は直ちに犯罪になるものではございませんので、繰り返しになりますが、私どもは先ほど来の立場で現在事実関係の究明に努めているところでございますから、その答弁についてはお答えを差し控えたいと思います。
  112. 岩佐恵美

    岩佐委員 澁谷氏が五十四年に受け取ったとされている五百万円のことについて細かく聞いていきたいと思います。  澁谷氏はこの五百万円について記者会見で、北野からの献金は病院会政治連盟からの献金と思って受け取った、つまり政治団体の献金だから受け取った、そういうふうに述べておられます。このことについては、たとえば九月二十一日付の読売新聞で献金の性格について澁谷氏は「日本病院会政治連盟からの献金で、その代表として、役員をしている北野が持ってきてくれたものと思っていた」というふうに語っておりますし、それから同じ九月二十一日付の毎日新聞でもこの問題について「“個人としてではなく、日本病院会政治連盟としての政治献金だ”ということなので、秘書を所沢に行かせた」というふうに言っておられるわけです。そうだとすると、この処理について自分が百五十万円、そしてまた澁谷氏の二つの後援会へそれぞれ百万円ずつ分けた、あと残りについては後援会の人たちが五十万円ずつ三人で分けた。そういうように、政治資金規正法の法の網をくぐるかのような苦しい処理、こういうことをする必要は全くなかった。正々堂々と政治団体からの献金として五百万円受け取られても、規正法上は何ら触れる点はなかったというふうに考えられるわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
  113. 大林勝臣

    ○大林政府委員 新聞で御質問のようないろんな報道がされておることは承知しておりまして、私どもも一体どういう事実関係であるかということにつきましてはわかりかねるわけであります。もし政治団体から献金をされたというものであれば、それは御意見のとおりでございます。
  114. 岩佐恵美

    岩佐委員 そうであるとすると、澁谷氏の病院会政治連盟だから受け取ったという発言とそして実際の帳簿上の処理、これは大変真意がはかりかねる、いま言われたように矛盾する処置だというふうになるわけです。処理の仕方が、病院会政治連盟という政治団体からの献金としてではなくて、北野個人かあるいは政治団体ではない芙蓉会からの献金だとして規正法上の処理がされたとしか客観的には判断できないのではないかというふうに思います。澁谷氏の発言とはうらはらに、処理自体から見れば、献金の趣旨に北野個人あるいは北野が理事長をしている芙蓉会という団体の思惑が働いていたのではないかと見られるわけです。  この献金の時期が五十四年九月だったというのでありますから、捜査中断に対する成功報酬の可能性というものを否定できないのではないかと思われます。警察庁はこの疑惑にこたえる必要があるし、また警察行政に疑いが持たれているわけですから、国民の前に明らかにしていく必要があると思います。この点についてお考えを伺いたいと思います。
  115. 中平和水

    ○中平政府委員 先ほど来繰り返し答弁をいたしておりますように、北野に係る政治献金につきましては、相当広範に各方面に献金がなされていることもこれまた事実でございます。したがいまして、そうしたものを踏まえまして私どもはその個々について、その趣旨なり目的なり動機なり、あるいは献金の授受のときの双方の認識なり、そういうものを一応確かめつつ現在その行為が犯罪に触れるかどうかということを検討しておる、こういうことでございます。
  116. 岩佐恵美

    岩佐委員 この件について大臣にお伺いしたいのですけれども、常識で言うと、捜査が行われているそういう事件の関係者から、澁谷氏が認めておられるだけでも一千万円のお金を政治献金としてもらっているわけですけれども、もし大臣だったらこうした件についてどういうふうな態度をとられるか、その点について伺いたいと思います。
  117. 石破二朗

    石破国務大臣 警察当局が繰り返しお答え申し上げておりますとおり、犯罪の容疑全くなしというわけにはまいらぬようでありますけれども、犯罪捜査の前段階としての事実確認をやっておるという段階のようであります。したがいまして、せっかくのお尋ねでありますけれども、こういう場合だったらどうするかというような御質問の御趣旨でありますが、私個人としましては、皆さんに比べてそう自分が悪い人間だとは正直なところ思っておりません。しかし、具体的にその場合、事実関係がどうなっているのかということがはっきりしませんことには、恐らくこうするであろうということを申し上げかねますので、できますれば御了解いただきたいと思います。
  118. 岩佐恵美

    岩佐委員 私は、この富士見産婦人科病院の事件につきまして、婦人の立場から言いましても大変許しがたい事件だと思っているわけです。年齢別の被害を受けた受療者の実情を見てみますと、三十歳から三十四歳の方が二六・五%、三十五歳から三十九歳までの方が一七・七%、そしてこれよりもう少し多いのですが、二十五歳から二十九歳の方が一八・四%、私はこの点で本当にひどい事件だと思っています。  電車で通っておりますと、このごろよく女性の方々が週刊誌を読んでおられますけれども、見ると大抵、偶然かどうかわかりませんが、この富士見産婦人科病院事件のところを食い入るように見ておられるわけです。こういう事件は二度と繰り返されてはならないし、やはりこの問題について警察庁が何でもないということであるならば、それなりのきちんとした説明を国民にしていかなければならないし、このような事件でもし何か中断があったということであれば大変な事態ですので、この点についての厳しい捜査、そしてそれについての国民に対するはっきりとした結果、そういうものを心から希望するわけですけれども、この点について大臣の決意を伺いたいと思います。
  119. 石破二朗

    石破国務大臣 関連しまする政治家の犯罪事件はともかくといたしまして、富士見病院の事件が新聞その他で報道されておりますのが仮に事実といたしますれば、これはもう人間のやるべきことではなかろうと私は思います。これが全国民、特に婦人の方々にいかに悪影響を与えておるか、はかり知れないものがあると思います。  私のごく身内の者でありますけれども、過去手術を受けた経験を持っておる者がおります。この富士見病院じゃありません、でございますけれども十何年か前に手術を受けた。ところが、当時からどうもちょっと径しかったということを申しておったのであります。この事件が起こりまして、特にお医者さん全般について非常な不信感を持っております。私の身内の者に限らないと思います。厚生省当局におかれまして真相の究明にお努めになることは当然と思いますが、警察といたしましても真相を究明して、今後二度とこういうことが起こらないように、万々一にもこういう不心得なことが起こった場合には、間違いなしに真相を究明して犯人をしかるべき処分に処するというみせしめにもしてくれるように心から期待するものであります。
  120. 岩佐恵美

    岩佐委員 大臣に要望申し上げた点は、このような事件が泳がされたといいますか、捜査が途中で中断したという疑いが持たれているわけですし、もしそういうことがあったとしたら大変なことであるので、私がきょう申し上げたようないろいろな疑惑、政治家がらみあるいは国家公安委員長がらみのそういう問題、職務との関係での問題できちんと究明をしていただきたいということでございまして、その点はもう結構でございます。  次に、火災、震災等の予防救急体制における身体障害者の特別対策が一体どうなっているのかということについてお尋ねをしたいと思います。  昭和五十四年度の消防白書、そして「火災による死者の実態について」という予防救急課のパンフの中でも明らかなように、昭和五十三年度の放火自殺を除く火災による死者千三百二十三名のうち、病気の人なども含まれているようですが、身体不自由のため死亡に至ったと思われる方が二百七十名、全体の二〇・四%というふうに、いま非常に高いということが数字の上ではっきりと示されています。一口に災害時の身障者の対策といっても、災害の種類とか施設の入所者あるいは在宅者、そして障害の種類や程度によってさまざまな対策が必要になろうかと思いますが、これを総合的に考え、研究しておられるところが一体政府部内にあるのかしらということで、あちこち問い合わせてみましたところ、厚生省の場合には、社会福祉施設の入所者についての対策考えているということですが、在宅者は国土庁あるいは消防庁ではなかろうかということです。国土庁に聞いてみると、地震対策は国土庁かもしれないけれども火災は消防庁ではなかろうかということで、どこか統一的にやっているのかというと、やってないというのが実態のようでした。これはやはり大きな問題だと思いますので、消防庁が今後総合対策を研究していくのが一番自然な形なのではないだろうかと思います。  来年は国際障害者年でございます。障害者の方方がいま、障害者年を実りある形でということでいろいろ会合を持っておられて、あるいは陳情にも来られていろいろ話し合う機会が多いわけですが、いまの日本の社会そのものが、ずいぶん障害者をわきに置いている、本当に障害者のことを念頭に置いて考えているということではないのではないかと痛感をさせられます。こういう点でいま一番消防庁に期待されているのは消防計画、これ自体を身体障害者のことを念頭に置いて計画をされていく必要があると思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
  121. 鹿児島重治

    ○鹿児島政府委員 昭和五十三年度の火災による死者の実態を見ますと、放火自殺者を除きましてその約半数が六十一歳以上の老人、体の不自由な方々につきましてはいま御指摘があったような数字になっておるわけであります。体の不自由な方方につきましての防火防災上の配慮ということは、消防行政としても特に重要な点だというぐあいに考えておるわけでありましてい火災とか震災がありました場合に、その避難誘導につきましてどのような形でこれを処理するかということにつきましては、基本的には社会福祉施設につきましては、現在避難誘導のための設備、機器等につきまして、一定の施設につきましては義務づけを行う。さらに消防計画を作成させまして、この消防計画に基づきまして避難誘導のための具体的な措置を定め、かつ避難訓練を行うということを義務づけているわけでございます。
  122. 岩佐恵美

    岩佐委員 少し細かい話になりますけれども、聾唖者の人にとって音による警報器では火災のときに全然役に立たないわけです。では何かほかに警報器が開発できないかというようなことですけれども、光による警報器、これは十分考えられるということでございます。  それからまた、目の不自由な方々が公共の施設やホテルや何かに泊ったときに、誘導ブロック、別に下に必要ではなくて、手の高さでずっと誘導ブロックが、とにかく間断なくどこかに誘導していければいいわけですから、そういうものを考えてもらえないだろうかというようなことが出されています。  また、先日消防研究所を視察させていただきましたけれども、非常口のプレートが日本の場合には非常口と書いてあるわけですけれども、あれがそうではなくて人間が逃げるかっこうで非常口の印を表示をしていく。あれは国際的に統一できるということと同時に、視力の弱い方でもそれだったら遠くの方から見えるのではないか。文字よりも見やすいというようなことも研究がされているというふうに伺ってまいりましたけれども、こういうふうに考えていくと、身体障害者用の安くてしかも簡単に操作できる器具の開発が、もっともっと真剣に障害者の立場に立ってされていっていいんじゃないかというふうに思うわけです。  聾唖者の方々から聞いたところでは、火災警報が聞こえないで逃げおくれていそれで焼死したというニュースが流れると民間のアパートに入れなくなる。民間の家主さんが、おたく聾唖者ですか、だったらちょっと困りますということで、入居を拒否されるということがあってずいぶん不便だし、また情けない思いをするということが言われております。こうした障害者用の器具というのは、メーカー任せということではなくて、消防庁が統一的に研究をしていくということがやはり必要だというふうに私は思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  123. 鹿児島重治

    ○鹿児島政府委員 火災に際しまして避難をする、あるいは避難のための表示をするという場合につきまして、どのような五感に訴えるかということにつきましては、現在主として視覚、聴覚に訴えるという方法をとっておるわけでございますが、しかしながら御指摘のような視覚が不自由であるあるいは聴覚が不自由という場合につきましては、やはりそれなりの対策というものが必要だろうかと思います。残念ながら現在、まだこういった具体的な点につきましての研究が進んでおりません。専門家の方々の意見を聞きまして、十分に検討させていただきたいと思います。
  124. 岩佐恵美

    岩佐委員 それから厚生省だとかあるいは静岡県でもそうなんですが、災害時に当たっての施設向けの手引書なるものをつくっているのです。実物を見せてもらいましたけれども、非常に詳しいものでかなり専門的なものだというふうに思います。私はこれを見ていて、在宅者を含めて身体障害者用の何か災害時の手引書、これを障害者本人向けあるいは家族向け、そして近所の皆さん向けとか、あるいは自治体向けとか、そういうふうにもう少し日常的に、障害者のそういう障害時に当たっての避難をどうするかということを啓蒙していくことを消防庁あるいは自治省が考えられたらいいんじゃないかというふうに思ったわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
  125. 鹿児島重治

    ○鹿児島政府委員 震災時におきますいわゆる避難につきましては、先般の地震応急計画に基づきまして、それぞれ各省が手引書をつくっております。福祉施設につきましては、厚生省の方におきまして地震防災の手引きという形で、かなり具体的な手引書をつくっておるわけでございます。これは施設に関する部分でございまして、個人個人に対してどのような形で啓蒙普及をするかということにつきましては、私ども、御承知のように春、秋全国火災予防運動をやっておりますが、この予防運動の中で取り込んでいきたいというぐあいに考えておりますし、また、現在消防、防災という観点から幾つかの広報媒体を私ども自身が持っておりますので、その中でも積極的に取り入れるようにいたしたいと存じます。
  126. 岩佐恵美

    岩佐委員 先ほど私申し上げましたように、今月の二日に消防大学とそれから消防研究所を視察をしたわけですけれども消防研究所を見て、そしていろいろお話を聞く中で、非常に限られた予算の中で皆さんが非常に努力をされて、また成果も上げておられるというふうに思いました。非常にじみな分野ではありますけれども国民の生命と財産を守る研究、訓練にもっともりと力を入れて、そしてお金も必要ならもっとつけなければならないのじゃないかということも痛感をさせられたわけです。  その中で特に思ったのは、地震による火災発生対策について、先月の二十五日の未明に関東地方を中心に最高震度四の地震が四回あって、けが人が七十三人、ショックで二人の方が亡くなられたということでございますけれども、テレビが落ちてきたり洋だんすが倒れたりして、東京消防庁の調査では八割の人が恐怖を感じたというふうに答えています。地震予知連絡会は、東京直下型地震の問題を取り上げ、今後数十年から百年という期間を考えれば、甚大な災害を与える直下型地震発生はほぼ確実という報告を先月二十二日に発表しております。  過去の地震の被害を見ても、死亡者の多いのは地震の後に起こった津波、火災が発生した地震ということが言えると思います。地震予知連がこうした報告を出した現在、地震予知の観測体制強化するのはもちろんですけれども地震による火災発生に対して、消防庁として総合的な研究をすぐにでも行わなければ手おくれになるというふうに思います。研究所の方々は、いまでも研究はやっているけれども、まだまだ非常に不十分なんだというふうに伺っております。この点について将来どういうふうにされていかれるのか、伺いたいと思います。
  127. 鹿児島重治

    ○鹿児島政府委員 地震に伴います二次災害としての火災にどのように対処するかという御質問でございますが、一昨年の仙台の大地震に際しまして、人口六十万の仙台市で八件の火災が発生いたしております。そのうち二件は民家の火災でございますが、残り六件のうち三件が大学の薬品によるもの、残り三件が工場ということでございまして、こういった実態を踏まえまして、さまざまな角度から火災の防止につきましての研究を進めなければいけないということで、消防研究所におきましては、御視察もいただいたようでございますが、たとえば薬品の混合によります出火の危険性についての研究でございますとか、あるいは仙台の地震の際にも何カ所か石油タンクの亀裂が発生いたしておりますけれども、石油タンクのいわゆる防食性、防腐性につきましての研究、こういうものを進めておるわけでございます。  また、これとは別途本庁におきましても、消防機器の耐震性能、たとえば貯水槽でございますが、こういうものの耐震性能の研究でありますとか、あるいは民家の火災を一番発生させると考えられております石油ストーブにつきまして、これは通産省と協議をいたしまして、石油ストーブの耐震強化につきましての研究ということも進めておるわけでございます。  なお、非常に乏しい予算の中でやりくりしておるわけでございますが、これは地震にも関連する問題といたしまして、大多数の家屋が大規模な火災を発生させました場合にどういう影響があるかということにつきまして、昨年、国土庁の調整費を使用させていただきまして、大分県におきまして「家屋群による大規模火災対策に関する調査」というものを実施いたしまして、大規模な火災が起きました場合に避難路をどのように確保すべきか、あるいは火災が起きますと消防無線の通信障害というものが出てまいりますので、その通信機能が十分機能するかどうかというような調査を行っているところでございます。今後も地震に関連いたします二次災害を防止するという見地から、第二次災害であります火災の消火につきましては十分に研究を進めてまいりたい、かように考えております。
  128. 岩佐恵美

    岩佐委員 実はいろいろあったもので、時間がなければできないということでいたのですが、まだ少し時間が残っておりますので、急ですけれども、もう一つ問題になっております身体障害者の雇用状況についてお聞きをしたいと思います。  身体障害者の雇用について、大企業だとかあるいは自治体関係、これの統計がつい最近出たわけでございますが、私は、民間大企業の雇用率の問題についてはすでに前の決算委員会で取り上げていますので、自治体の雇用率の問題について質問をしたいと思います。  これは自治体の非現業部門が前年より雇用率が落ちて、都道府県の非現業部門は一・五三%と、法定の一・九%を大きく下回っています。これは教員など教育委員会関係の雇用が低い、そういうことで雇用率が下がっているんだというふうに伺っておりますけれども、私は、来年国際障害者年だし、やはり民間の模範たるべき公共部門がこのままではどうも問題なのではないかというふうに思っているわけです。  私は、実際に個々の自治体が障害者雇用の雇用率向上のためにどのような努力をされておられるのか、私の関係市町村に直接問い合わせをしてみました。確かにどの自治体も非常に努力をされておられる、この点は感じました。ただ問題は、全体的に定員削減、そういう中で雇用率を高めるということは大変厳しい状況なんだという訴えもありました。  それで、細かく伺っていくと、たとえば雇用率について、いままでは身障者手帳の交付を受けていない、身体検査でちょっと耳が悪いとか目がちょっと悪いというような人も全部障害者として数えてそれでやっていたけれども、ことしからは通達どおり厳しく手帳を交付されている人というふうに計算をしたら、本来だったら一・九%を超えていたのに、途端に一・五%に下がってしまった、そういうような正直な自治体の報告もあったわけです。だから、雇用率を達成させるという問題と、同時に一体雇用の中身がどうなっているのか、この点について真剣に取り組んでいく必要があるのではないか、そのことをこの調査の中で思ったわけでございます。  そういう点について私はやはり、新規採用者がどれだけ自治体で障害者についてあったのか、あるいは級別に雇用者が一体どういう状態になっているのか、手帳交付をしなければ、絶対に手帳を持っている人を数えなければ問題だというふうに言い切るとまた逆の問題も出てまいりますけれども、そこのところを、そうではあっても軽い人を入れていくようなことがないようにチェックをしていく、そんなことが重要であると思いますけれども、来年国際障害者年を迎えて、この地方自治体の身体障害者雇用について総合的にどういうふうに取り組みをされていかれるか、お答えをいただきたいというふうに思います。
  129. 石破二朗

    石破国務大臣 担当の政府委員が出席しておりませんのでお答え申し上げかねますけれども岩佐委員の御指摘のとおり、身体障害者の方々の雇用を促進する問題を初め、これらのハンディを持った方々を差別なく処遇するといいますことは、地方自治体にとりましても大きな責任であると存じます。それぞれ努力してくれておることとは思いますけれども、すべてが基準を達成しておるということは恐らく申し上げかねるだろうと思います。  理由はいろいろございましょう。定員削減等でなかなか採用困難であるとか、あるいは手帳所持云々の問題等もございましょう。それらの問題を含めましてよく実態も調査し、来年は国際障害者年であるというようなことも念頭に入れまして、身体障害者の方々の雇用の点につきましては、地方の模範にでもなるぐらいな意気込みで各地方自治体が努力してくれますように、私の方も最善を尽くしたいと考えております。
  130. 岩佐恵美

    岩佐委員 終わります。
  131. 左藤恵

    左藤委員長 次回は、来る十一月六日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時七分散会