○
豊蔵政府委員 去る十一月の二十日に、栃木県の
川治プリンスホテルにおきまして
火災が発生いたしまして、現在まで四十四名お亡くなりになり、なお一名行方不明の方がいらっしゃり、またそのほか多数の
負傷者の方を出した
事故がございました。
このことにつきましては、私
ども建築行政に携わっておる者といたしましては、非常に遺憾なことでございまして、また犠牲となられました
方々につきましては、衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
事故が発生いたしました翌日、二十一日早朝から、
建設省といたしましては、
住宅局の参事官ほか二名の係官、
建築研究所から三名の
専門家を現地に派遣いたしまして、県と協力いたしまして
事故の
状況の把握に努めたところでございます。
現在なお行方不明となられた
方々の捜索を続けておりまして、また一方
警察当局におきましても、その原因その他の
調査を実施しているところでございますので、詳細につきましては、なお不明の点がございますが、私
どもが現在まで把握いたしました
状況では、
初期消火の不
徹底、
避難誘導の不完全、さらに
建築、
設備等において不十分な点があったものと考えられます。
当
川治プリンスホテルにつきましても、
県当局におきましては、
昭和五十年の十二月に
建築の
防災査察を実施いたしまして、同
ホテルに対しまして、構造、
防火区画等につきまして不十分な点につきまして
改善措置をとるよう指導していたところでございますが、これらが十分整備されていたかどうかは今後の
調査にまちたいと思います。
しかし、こういうような
事故が再び起こっては相ならぬことでもありますし、また、これから火を使うシーズンにもなりますので、私
どもといたしましては、二十二日に
住宅局長名をもって全国の
特定行政庁に指示をいたしまして、旅館及び
ホテルにつきまして一斉に
防災査察を実施することといたしました。その点検結果に基づきまして、適切な
改善を指導するようにいたしたいと思っております。
いろいろと
大変皆様に御心配をかけましたが、今後とも
建築行政につきまして、なお一層の
徹底を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。