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1980-08-29 第92回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十五年八月二十九日(金曜日)    午前十時十一分開会     —————————————    委員異動  八月十九日     辞任         補欠選任      鈴木 和美君     青木 薪次君  八月二十二日     辞任         補欠選任      青木 薪次君     鈴木 和美君  八月二十七日     辞任         補欠選任      和泉 照雄君     太田 淳夫君  八月二十八日     辞任         補欠選任      鈴木 和美君     青木 薪次君      松本 英一君     勝又 武一君  八月二十九日     辞任         補欠選任      勝又 武一君     鈴木 和美君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         広田 幸一君     理 事                 熊谷  弘君                 鈴木 省吾君                茜ケ久保重光君     委 員                 井上  孝君                 岡部 三郎君                 田原 武雄君                 谷川 寛三君                 松尾 官平君                 安田 隆明君                 青木 薪次君                 勝又 武一君                 鈴木 和美君                 太田 淳夫君                 鶴岡  洋君                 下田 京子君                 伊藤 郁男君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    石破 二朗君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  原 健三郎君    事務局側        常任委員会専門        員        森  一衞君    説明員        警察庁刑事局鑑        識課長      長尾 良次君        警察庁警備局警        備課長      岡村  健君        国土庁長官官房        審議官      柴田 啓次君        厚生省環境衛生        局企画課長    山内 豊徳君        資源エネルギー        庁長官官房審議        官        児玉 勝臣君        資源エネルギー        庁公益事業部長  安田 佳三君        中小企業庁小規        模企業部参事官  山口  務君        労働省労働基準        局労災管理課長  小田切博文君        建設省都市局都        市計画課長    牧野  徹君        建設省住宅局建        築指導課長    上田 康二君        自治省財政局財        政課長      津田  正君        消防庁長官    近藤 隆之君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (静岡駅前ガス爆発事故に関する件)     —————————————
  2. 広田幸一

    委員長広田幸一君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る二十七日、和泉照雄君が委員辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任され、また、昨二十八日、松本英一君及び鈴木和美君が委員辞任され、その補欠として勝又武一君及び青木薪次君が選任されました。     —————————————
  3. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い本委員会理事が二名欠員となっておりますが、本日は都合により一名の補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事茜ケ久保重光君を指名いたします。     —————————————
  5. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、先般当委員会が行いました静岡駅前ガス爆発事故に関する実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員から報告聴取いたします。熊谷弘君。
  6. 熊谷弘

    熊谷弘君 去る八月二十日、広田委員長鈴木理事青木茜ケ久保鶴岡下田伊藤の各委員及び私は、静岡駅前ガス爆発事故実情調査してまいりました。なお、勝又、大川、太田の三君が現地参加しております。  以下、調査概要について御報告いたします。  まず、静岡県庁に赴き、山本静岡県知事荻野静岡市長芦尾県知事公室長よりガス爆発事故経過概要及び爆発事故に係る県・市の要望について、また静岡県警五味警備部長からは爆発事故当日の警備被災者の救護の状況事故原因究明進捗状況等について、それぞれ説明聴取いたしました。  次いで、爆発事故現場紺屋ゴールデン街第一ビルに参り、ビル一階及び地下ゴールデン街の焼失、破壊状況についてつぶさに調査いたしますとともに、当日地下街酒房菊正」、「ちゃっきり鮨」付近において警察消防事故原因究明のために合同で実施しておりました現場検証の様子を視察いたしました。  次に、爆発事故概要でありますが、八月十六日午前九時三十分、静岡消防本部は、第一ビル一階「ダイアナ」くつ店付近で小規模のガス爆発及びガス漏れを発見したとの一一九番の通報を受理し、これを直ちに静岡瓦斯連絡しております。さらに、ほぼ同時に、県警においても、地下ゴールデン街酒房菊正」の従業員から、第一ビル一階の「柴田薬局」の電話を通じて、「菊正」でガスに火をつけようとしたら小規模のガス爆発があった、また途中で「柴田薬局」の主婦が電話をかわり、ガス漏れがする、すぐ手配してほしい、との一一〇番の通報を受理しております。  その後、直ちに消防警察出動し、火災警戒区域の設定、現場付近交通規制等を行うとともに、ガス爆発調査中に、第一回の小爆発から二十六分後の午前九時五十六分に、二回目の大爆発地下喫茶店キャット」及び一階の「柴田薬局付近で起こり、爆発地付近において火災が発生しております。詳細な事故原因爆発場所等につきましては、科学的な知識を要するため、科学警察研究所応援を得て現在事故中心部現場検証  に入っているとのことでありました。  この事故によります被害状況は、消防職員四名、消防団員一名を含む死者十四名、重軽傷者百九十九名、合計二百十三名に及んでおります。  建物被害といたしましては、第一ビル地下一階と地上五階までを全焼したほか、周辺百メートル四方にわたり被害が及んでおり、住家被害、全壊六棟、一部損壊二十一棟、店舗等被害百三十二棟となっております。  二回目の大爆発後の現地関係機関対応といたしましては、県警及び静岡市は現地事故対策本部設置し、死傷者救出及び消火活動を行っております。また、静岡県はガス爆発事故対策本部設置しております。二十日現在の状況は、すでに十七日午前中に人命検索を終了し、現場検証被害調査、後片づけ等を実施中でありました。  次に、現地におきまして説明聴取し、悲惨な爆発現場を視察いたしましての所見についてでありますが、まず、二百十数名の死傷者とその他多くの物的被害を出しましたまことに痛ましい大惨事を二度と起こさないように徹底的に原因究明し、早急に安全対策強化拡充を図らねばならないということであります。今回の事故ガス爆発事故であったこと、それが地下街で起こったという点から、さらにこのゴールデン地下街消防法及び建築基準法等に規制される地下街でなかったこと等から、今後いわゆる地下街について広く法規制適用されるようにするとともに、ガス対策としての規制等を強化すべきであると思います。  また、今回の事故で、第一次爆発ガスの流出をとめるのに相当の時間を要し、被害を大きくしたことにかんがみ、事故発生に対処しての緊急措置として、地方公共団体ガス事業に対する指導監督権限を付与すべきではないかと痛感いたしました。地元・県・市からも強い要望がございます。  さらに、今回の罹災者に対する救済措置として、各法律適用等に当たり、適切な措置を講ずるとともに災害補償制度充実を図るべきであると考える次第であります。  次に、静岡県及び静岡市より要望がありましたが、その内容は、第一に、地域防災対策の上から都市ガス保安対策はきわめて重要であるにもかかわらず、地方公共団体保安上の指導監督権限がなく、実効性のある総合的な地域防災対策を講ずることが困難となっているので、地方公共団体ガス事業者に対する指導監督権限を付与されたい、  第二に、ガス漏れによる事故を防止するため、特に地下街雑居ビル等密閉性が高くかつ火源が多数存在する建築物内について、ガス漏れ検知警報設備設置遮断弁等の位置の関係者への通知及びガス燃料使用制限を制度的に明確にするとともに、自主点検、立入検査の充実強化を図られたい、  第三に、被災中小企業者に対して、政府系中小企業金融機関における激甚災害並みの低利・長期融資実施及び災害補償適用並びに既往借入分償還猶予措置を配慮されたい、  第四に、爆発事故自然災害でないため災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律適用から除外されているが、人命及び家屋の被害が甚大であり、また第三者被害も多く悲惨な状態が生じるので本法の適用範囲を拡大されたい、  第五に、今回の事故での死傷者及び働く職場を失った者に対しては、労働者保護の立場から労災保険及び雇用保険適用に当たり適切な措置を講ぜられたい、  第六に、今回の事故に際して防災活動に従事した消防職団員に多数の死傷者が出たが、都市化の進展とともに消防活動現場ではますます危険性が高くなっている現状にかんがみ、殉職者賞じゅつ金公務災害補償等消防職団員災害補償制度充実を図られたい、  第七に、爆発事故地震災害等に備えて、歩行者の多い道路に面した窓ガラス飛散防止対策を制度化されたい、等であります。これらの諸点につきましては、政府においても早急に対処していただくことを強く要請いたします。  最後に、この爆発事故により犠牲となられた方方の御冥福をお祈りいたしますとともに、罹災された方々に深くお見舞い申し上げ、報告を終わります。
  7. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 以上で派遣委員報告聴取は終わりました。  次に、静岡駅前ガス爆発事故に関する件につきまして、政府から報告聴取いたします。柴田国土庁長官官房審議官
  8. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) 静岡駅前ゴールデン街ガス爆発事故について御報告申し上げます。  初めに事故発生経緯を簡単に御説明申し上げます。  八月十六日午前九時三十分ごろ、静岡紺屋ゴールデン街においてガス爆発が起こったとの通報があり、消防警察現場に急行し、交通規制及び調査実施中、午前九時五十六分に大爆発が起こったものであります。  この爆発事故の詳細な原因につきましては現在調査中でありますが、この爆発により、死者十四名、重軽傷者二百十一名、建物損壊百三十一店舗に上る被害を生じました。  一、事故発生後直ちに県・市等にそれぞれの事故対策本部設置され、死傷者救助救出消火等を行いました。また、各省庁におきましては、災害救助法適用事故対策本部等設置担当官現地派遣等を行いました。  さらに、各省の大臣政務次官等による現地視察が行われ、また国土庁におきましては、十八日と二十五日の二回にわたり関係省庁連絡会議を開催し、今後の対策等について検討を行いました。  すなわち、二、当面の対策といたしましては、(一)警察消防によります事故原因究明、(二)被災者に対する労災保険等適用。なお、これらにつきましては、労働省において死亡者等調査が終了したものから逐次保険給付を行うこととしております。  (三)中小企業体質強化資金助成制度等融資によります被災中小企業者に対する救済措置、(四)地下街等に対する一斉点検実施。これにつきましては、通商産業省におきまして関係ガス事業者に対し、また消防庁におきまして各都道府県に対し、それぞれ一斉点検実施を指示しているところであります。  三、次に、今後の検討事項といたしましては、(一)通商産業省におきまして、資源エネルギー庁長官諮問機関でありますガス事業大都市対策調査会の中に新たに地下街対策専門委員会設置し、都市ガス保安対策について次の事項などについて検討することとしております。一地下街におけるガス漏れ警報設備緊急ガス遮断装置等設置の義務づけ等設置促進あり方、二地下街における漏洩検査等あり方、三ガス事業者の緊急出動体制等緊急時即応体制あり方、四ガス利用者に対する周知のあり方。  (二)さらに、関係省庁における検討結果を踏まえまして、道路駅前広場その他の公共施設地下に設ける地下街につきまして、地下街中央連絡協議会におきましても保安対策などについて協議検討することといたしております。  以上、政府対応について簡単に御説明申し上げましたが、事故原因等を十分に調査の上、関係機関との緊密な連絡のもとに、適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
  9. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 以上で報告聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 勝又武一

    勝又武一君 ただいま御報告のとおり大変な事故でございまして、地元県選出の議員といたしまして、とうとい犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、重軽傷者方々の一日も早い御全快を心からお祈りをし、被災者方々にお見舞いを申し上げます。同時に、事故発生以来直ちに大変な御努力をいただきました関係者方々に心から感謝申し上げます。  きょう、冒頭委員長にお願いしたいんですが、私も過日の現地調査に参加をいたしまして、四大臣の御出席をお願いいたしましたが、本日は、聞くところによりますと、建設通産の両大臣の御出席がないようでありますが、きわめて遺憾であります。かかる重要な事態でありますだけに、委員長はどういうふうに御判断なさっているのか、まずこれを先にお聞きしたい。
  11. 広田幸一

    委員長広田幸一君) ただいまの勝又委員の発言の趣旨はごもっともでございます。理事会でもその問題は先ほど十分審議したところでありまして、今後はこういうことのないように十分対応してまいりたいと思います。
  12. 勝又武一

    勝又武一君 それでは、私が今回の事故の最も遺憾だと思っている点は、過去の教訓が生かされていない、そのことに尽きると思います。十年前の四十五年の大阪の天六事故経験教訓は申すに及ばず、昨年の静岡藤枝事故要望さえどうなっているのか、生かされていないんじゃないか。このことがきわめて遺憾です。そういう意味で私は、与えられた時間がきわめて少ないので、同じ誤りは繰り返さない、そういう観点に立ちまして以下数点にわたって御質問申し上げますが、建設通産の両大臣がお見えになっていませんので、御出席の両大臣にできるだけお答えをいただきたいというように思います。  まず最初にお聞きしたいのは、この一次爆発原因は何かということであります。昨日までの段階では、地下街床下水抜き槽、この地下一メートルの深さの中での地下雑排水に基づくメタンガス発生の可能性等具体的に指摘をされていますが、そうなのか、それ以外の原因なのか、いかがですか。
  13. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 原因につきましては、現在警察消防におきまして慎重にかつ迅速に究明しておるところでございます。現在のところ具体的な点につきましてはまだ検討調査中でございます。
  14. 勝又武一

    勝又武一君 おかしいじゃないですか。いま私が言ったようなことはもう昨日までのそれぞれの各紙が明確に報道しているし、昨日の衆議院の商工委員会でも明らかになっているんじゃないですか。どうなんですか。
  15. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 警察当局が来ておるかと思いますが、そちらから答弁を願います。
  16. 長尾良次

    説明員長尾良次君) 私ども事件発生以来鋭意捜査をいたしておりまして、特にこういう事件につきましては検証が大変重要でございますので、科学警察研究所爆発火災等専門技術者並びに部外専門家等の立ち会いのもとに、ガスの発生したところ、あるいは滞留したところに関係のある場所等につきまして綿密かつ慎重に検証をいたしております。  そこで、現在のところわかりましたことは、一応推定でございますが、第一回目の爆発は、いわゆる通称第一ビル地下街の「ちゃっきり鮨」、喫茶店キャット周辺床下に滞留した可燃性ガスに何らかの火源により引火いたしまして爆発したのではないかというふうに考えております。  ただ、現在そういう状況でございまして、その可燃性ガスがどういう種類のものであるかということにつきましては完全には把握いたしておりませんで、現在のところ、そういうことでありますので、その床下から汚泥あるいは水あるいは空気、こういったものをとりましてこれを化学的に分析検討いたしておる段階でございます。  また、そういう可燃性ガスがどういうところから発生し、どういうところにどういう理由で滞留したかということもあわせ捜査をいたして、それによりましてどういう種類ガスであるかを特定しようというところでその鑑定を急いでおるところでございまして、現在のところ、各紙でいろいろ出ておりますが、私どもとしては断定しておるわけではございません。そういうことで急いでおるということでございます。
  17. 勝又武一

    勝又武一君 そこで、地下建物の構造上の欠陥、違反がなかったか、反省点はどうかという問題がすぐ関連してありますが、それは後に譲ります。  具体的に、この一次爆発によってガスの内管五十ミリと三十二ミリの二本が破裂をいたしまして、二十六分間、つまり九時三十分から九時五十六分までの二十六分間に、ガス漏れが一分間六立方メートル、百五十立方メートルあった。これだけの大量のガスが漏れているのでこれが二次爆発原因になったんだという、こういう指摘がきわめて強いわけでありますが、この点はいかがですか。
  18. 長尾良次

    説明員長尾良次君) 私ども、先ほど申しました第一回目の爆発事故によりまして、地下上層部分等に配管してありますガス管等が破損あるいは緩んだりいたしましてガス漏れが生じて、それが一階部分に何らかの形で流入して、それがまた何らかのかげんによりまして引火爆発したのではないかというふうに推定はいたしております。ただ、まだ断定には至っておりません。
  19. 勝又武一

    勝又武一君 この推定について警察庁なり消防庁なりはどういう反省を持っていらっしゃるのか。大臣いかがですか。
  20. 長尾良次

    説明員長尾良次君) 私どもは、いま申しましたとおり、捜査が終わるまでは推定推定ということしか言えないということでございます。
  21. 勝又武一

    勝又武一君 この一次爆発による二本の内管破裂ということは予測できなかったんでしょうか。予測できなかったとすれば一体どういう理由で予測できなかったのか。過去の経験からいってこの程度のことは予測できたというふうに考えますけれども、いかがですか。
  22. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 消防庁といたしましては、現在原因につきまして警察及び現地消防が協力いたしまして究明中であるということで、個個の詳しい経緯につきましては報告を受けておりませんので承知いたしておりません。
  23. 勝又武一

    勝又武一君 きわめて無責任な答弁ですよ。私の質問していることをしっかり聞いてお答えしていただけませんか。いまのでは全然答弁になっていないじゃないですか。  そこで、次にお聞きしたいのは、そういうことについては十分予測できる、過去の経験からいって。にもかかわらず、県警の発表によりますと、九時三十五分に一般人の進入禁止、九時三十六分に現場付近交通整理実施、こういうふうに発表していらっしゃる。この内容は一体どの程度だったのか、そしてこのやり方は不徹底であり不十分であった。私はいまここで責任追及ということより、冒頭申し上げたように、今後の教訓、再びこういうことを繰り返してはいけない、そういう意味でお聞きしているのですが、この反省をされている点はいかがですか。
  24. 岡村健

    説明員岡村健君) 当日午前九時三十一分に警察本部指令室へ一一〇番で第一回目の爆発の第一報がございまして、指令室では直ちに所轄静岡中央署に対しまして出動を命じております。その結果、現場にはパトカーの乗務員駅前派出所員所轄交通課員等十九名が急行しておるわけでございます。  これらの警察官でございますが、直ちに現場消防職員の方などと協力いたしながらロープで阻止線を設けるなどの措置をとりますとともに、地上あるいは地下歩行者従業員などに対しまして避難の警告や現場広報などの諸活動を行っておるわけでございます。また交通規制につきましても、現場中心といたしました半径百メートルの範囲内の道路につきまして、現場への進入口に当たる交差点などでの車両による交通遮断などの措置を講じておりまして、その結果一般車両につきましてはほぼ完全に現場からクリアーにしておるという状況でございます。  なお、静岡中央署では、この時点でさらに交通課長以下十名を交通規制のために派遣中でございまして、またさらにそれに引き続きまして、避難誘導活動応援のため署内勤務中の警察官三十名を現場に向かわせておったわけでございますが、これらの警察官現場に向かう途中で第二回目の大爆発があったわけでございます。
  25. 勝又武一

    勝又武一君 経過ちゃんと知っているんですよ、委員の皆さんも現地を見て。これは幾日たっているんですか。いまあなたの言ったようなことはみんなもう知っているんですよ。熊谷理事からも報告しているじゃないですか。私が大臣にお聞きしているのはいまの答弁じゃないんですよ。どういう反省をしているかということを首脳部にお聞きしているんですよ。そういうことでお答えいただきたい。  具体的にお聞きしますけれども県警説明によりますと、九時三十一分に、これは熊谷理事の先ほどの報告にもありましたとおり、第二次爆発地点である「柴田薬局」の奥さんから、ガス漏れがあり第二次爆発のおそれがある、こういう電話による通報県警にあった、そこで警察消防に依頼をした、こう言っているわけです。警察としてこの段階で他の適切な方法がなかったのか、いまにして反省して今後の教訓となることはないか、これが一つ。  もう一つは、警察から依頼された消防ガス会社に対して具体的にどうしたのか。ガス会社ガス漏れと聞いて、ガス爆発とは思わなかったと言って、事実検査員を第二次爆発まで、九時五十六分まで一人だけしか派遣していない。この点どう思いますか。市の消防庁ガス会社の第一次爆発による出動を、きわめて手ぬるかった、こう非難しておるわけです。こういう点について首脳部として本気にどう反省なさっているんですか、そこをお聞きしたい。
  26. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 静岡駅前ガス爆発によると推定されます先日の災害に関しましては、警察消防双方相協力いたしまして、大災害になりますことを防ぎますために最大限の努力を払ったものと考えておりますけれども、御承知のとおりの大きな犠牲が出たわけでありまして、努力はしたことには間違いないと思いますけれども、今後現在のままでいいかどうか、御指摘いただきました点を含めまして、十分反省し善処しなければならぬと思います。あの施設が地下道と称するものの施設でありますけれども法律上どういう取り扱いをすべきものかというような点についても十分検討し、善処しなければなりませんし、またガスというものに対するあれこれ努力はしておりますけれどもガス爆発というようなものに本当に適切に対処できるだけの準備なり訓練というものを十分やっておったかどうか、必要な資機材等も本当に持っておったかどうか、大きな反省の点であろうと思います。いずれにいたしましても、ただ一日も早く原因究明をということは必要なわけでありますけれども、御承知のとおり、原因いかんによりましては刑事上あるいは民事上の大きな責任の所在の問題もありますので、いましばらく御猶予をお願い申し上げたいと思います。必ず原因究明しなければならぬと思っております。
  27. 勝又武一

    勝又武一君 大臣に重ねてお伺いしますが、大臣がいらっしゃる前、冒頭私は、個々のことよりもむしろ今後の教訓にどう生かすかという観点でお聞きをするということで言っておるわけです。  そういう意味で、実は、四十五年の四月十日衆議院の建設委員会で当時の根本龍太郎建設大臣は大阪の天六事故の審議に当たりましてこのように言っておりますね。地下爆発教訓として第一に避難させることだ、ガス漏れがある地区は警察がまず何よりも早く避難命令を出すことだ、こう言っておるわけです。かかる教訓がやっぱりそこの委員会の席上で大臣から言われただけでさっぱり生かされていない。これはもう十年前のことですけれども、昨年五月の静岡県の藤枝のこともある。そういう意味で、大臣避難させることが最も必要だったんだという十年前の反省がやっぱり生かされていなかった、この点についてはどう反省なさいますか。
  28. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 大阪の事故につきましては、当時の責任者から答弁がありましたとおり、消防なり警察努力したとは思いますけれども、結果といたしまして消防職員団員五名を含みます十四人という多数の死者が出ましたし、また二百名を超える負傷者が出た、結果的には大阪の事故が生かされていなかったと反省せざるを得ないと思います。今後注意したいと思います。
  29. 勝又武一

    勝又武一君 次に、消防の問題については御答弁まだありませんでしたが、静岡瓦斯が一次爆発から二次爆発までの間にたった一人しか検査員を出していない。この点についてはどういうように、通産大臣いませんけれども通産省なり消防なり責任ある答弁をしていただけませんか。
  30. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) ただいま静岡瓦斯のいわゆる初動の問題につきましての御質問でございますけれども、会社からの報告によりますと、九時三十二分ごろ消防からの最初の連絡を受けましてガス漏れということでございました。そこで、パトロール中の緊急車に無線連絡を行いまして職員一名を現場派遣したというわけでございます。  それで、その一名は現場に着きましてガス漏れの個所に参りましたが、地下において爆発が起こったということで、その地下爆発の地点に参りましてそこにおけるいわゆるガス漏れの検索をしたということでございます。そこではガス漏れを検知できませんで、そこでこれは一体どういう漏れなのかということについて自分では判断できませんので、直ちに営業所に対しまして上司にその応援を頼むというような処置をしておるわけでございます。  この一人ということが少ないのではないかという点につきましては、通常のいわゆるガス漏洩の調査ということにつきましていままでのガス漏洩の事故の対処にはこのパトロール一名ということで相当対処しておりますし、またその調査をする、それから応急処置をするというのが中心でございますので、一人ではいけないということは必ずしも言えないのではないかと思います。ただし、私個人としては、今回のようにそういう自分で判断できない場合に、直ちに応援を得ましてもっと多くの人間がもっと早く応援に駆けつけそして調査をするということがあればよりよかったのではないかと思うわけでございまして、その点につきましては、今度の事故教訓を踏まえまして、どういうような対処をすべきかにつきまして早急に対策を立てたいと考えております。
  31. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 消防といたしましては通報を受けて直ちに所定の手続をとったわけでございます。その時点において消防本部で最善と思われる措置をとったと私どもは信じております。ただ、四十三名出動しておりますが、そのうち三十数名が死亡あるいは重軽傷を現在負っておる状況でございまして、この三十分程度の期間にどういう事態になっておったかという点につきまして、現在いろいろ事情聴取等を行っておりまして速やかに真相を究明したいと思っております。いずれにいたしましても、私もガス会社からは一名しか来ていないというようなことも聞いております。どういった事情であったかをはっきりさせまして、今後再びこういう事故が起きないように教訓にしたいと思っています。
  32. 勝又武一

    勝又武一君 この静岡瓦斯は今回の事故の発生以前事故現場のいわゆるガス漏れ検査というのをいつやっているんですか、何年何月何日にやっているんですか。
  33. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 第一ビル地下街、それから第一ビルそのものにつきましても、これは非常にテナントが多いわけでございますので、いますべての個所につきまして申し上げるのはちょっとあれかと思いますが、地下街につきましては五十五年の一月十一日にやっておりますし、それから五十五年一月十四日にやっております。
  34. 勝又武一

    勝又武一君 三年に一回という、そのことでこれがちょうど三年に一回のうちの一度だったんですか。
  35. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) おっしゃるとおりでございます。
  36. 勝又武一

    勝又武一君 これは大臣にお聞きするんですけれども、この三年に一回というのはいかにも少ないじゃないですか。この期間を短縮するということは、かかる事故の今後の教訓としてどうしても必要じゃないでしょうか、どうでしょうか。
  37. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) 委員のおっしゃられるように、三年に一度というのはどうもいかにもこんな時代にのんびりしておると思いますので、もっと期間を短縮して正確に検査するように指示いたしたいと思っております。
  38. 勝又武一

    勝又武一君 具体的に、地下施設へのガス供給を地上からとめることのできるガス遮断装置、こういうものが実際ついていたのかどうかということが一つ。  それからもう一つは、柴田審議官が先ほどガス漏れ警報器やそういう意味での緊急遮断装置、これらを法的に義務づける方向で検討したいというような趣旨の——口頭でしたからよくわかりませんでしたけれども、そういう趣旨のことを先ほどおっしゃっていましたけれども、再度この点、そういう意味で義務づけを法的にやられるというふうに確認してよろしいかどうか、この点を二つ。
  39. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) 私が申し上げましたのは、資源エネルギー庁長官諮問機関であります調査会の下にガス専門委員会のようなものを置きまして、そこでの検討項目としていま御指摘がございました緊急遮断装置あるいはガス漏れ警報装置をどうするか、こういうことを検討する、検討項目にするという御報告を申し上げた次第でございます。
  40. 勝又武一

    勝又武一君 検討なさるということは、いままでのガスの配管や安全装置に相当問題があると、こういうように御理解されたからだと思いますけれども、今回の事故の場合の地階なり地上とも建築上こういうガス漏れということが十分予測できたんじゃないか。そういう意味ガスの配管や安全装置について、今回の事故そのものですよ、問題があったのかなかったのか。この点はいかがですか。
  41. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 地下街につきましては、ガスの供給の方法といたしましてガス工作物の技術上の基準を定める省令というのが定めてございますが、その中の七十二条第三項によりまして、地下街に供給する場合には地上で遮断できるバルブをつけなければならないというふうに定められておりまして、この地下街におきましてもその遮断弁はついております。
  42. 勝又武一

    勝又武一君 それで、これは一番新聞も取り上げているところでしょう、一体何時間かかったんですか、今度の場合に。三時間四十分とか四時間とか、ずいぶんとめるまでにかかっているわけでしょう、時間が。ですからそういう意味で、ガス漏れ通報から完全に供給ストップするまでにそういう長時間かかったことが今回の被害を大きくしたという結論を県警も下しているわけです。そういう意味でやっぱりガス会社の責任というのはきわめて大きいんじゃないですか。この点についてはどうなんですか。
  43. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 地下街に通じておりますガスバルブをとめるということにつきましては、これは事故発生消防の方からガスを停止しろという要請がございまして、その後停止すべくやったわけでございますけれども、第一ビルのちょうど前にこのバルブがございますので、第二次爆発の後で非常に路上が散乱しておりましてそれを直ちにとめるということがなかなかできなかった。したがいまして、地下供給バルブ停止を十一時と十一時十五分と二回にわたってやっておりますが、それだけ時間がかかってしまったということでございます。
  44. 勝又武一

    勝又武一君 四十七年の十二月八日、何か日が同じですね、通商産業省公益事業局長が「地下室、地下街事故防止について」という通達を出されておりますね。この四十七年十二月の地下街事故防止の通達を出されて、ガス使用者に対して換気、ガス漏れ等の処置や連絡方法などの徹底を図れ、こういう指示をしているわけですね。一体通産省は通達だけ出せばいいというお考えなんですか。こういう通達を出した後具体的にたとえば静岡瓦斯等についてどういう指導をされていたんですか。
  45. 安田佳三

    説明員安田佳三君) ただいま御指摘のような通達は出したわけでございます。その後の指導監督といたしましては、年に一回行うことになっております監査等の場におきまして気がついた点は指摘する等の措置をとっているということでございますが、具体的に地下室に対する問題について、そういうことについて指摘したことはたしかなかったというふうに記憶いたしております。
  46. 勝又武一

    勝又武一君 これは両大臣のどちらかにぜひお聞きしたいんですが、先ほど言いました一人しか行っていないということですね。私はこの基本は地下爆発地下ガス爆発の恐ろしさということに対する認識の度合い、このことがやっぱり非常に不徹底だ。だからガス爆発じゃなくてガス漏れだったというように言ってたから一人やったんだというようになっているわけですね、客観的には。  そこで、お聞きしたいのは、こういうガス会社の応対ぶりを見ますと、そういうガス漏れに対する厳しい対応の仕方というのが欠けているのじゃないか。一人しか現場にやらなかった、こういう意味でパトロールの問題なり、あるいは今後のガス会社に対する指導、こういう点について大臣としての御反省はいかがですか。
  47. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) ガス漏れ、そういう事故が起こっておるときに静岡瓦斯が一人しか派遣してなかったこと、まことに残念なことでございまして、こういう事態の認識もそう大したことでなかったと断ぜざるを得ないんで、その点については勝又委員と同様に考えますので、今後はもう少し御期待に沿うようにガス会社に対しても申し入れをいたしたいと思っております。
  48. 勝又武一

    勝又武一君 静岡瓦斯と、これは東京瓦斯でしょうか、この関係についてひとつお聞きしたいんですが、ガスの、何というんでしょうか、においづけというんですか、付臭というんでしょうか、においの問題、この問題はやや技術的になりますが、全国のガス会社等の状況も実はお聞きしたいんですけれども、東京瓦斯は基準の二十倍にしているというお話ですね。ところが、今回の静岡瓦斯は基準の三倍だと。そこで、この程度のにおいだとわからないというわけですよ、基準の三倍程度では。東京瓦斯のように二十倍ぐらいにしていると、におってくるからガス漏れがよくわかる、こういうことが指摘をされています。三倍程度では余りにおいがわからない。そういう意味で、安全性を重視いたしますと、そしてまたガス爆発の恐ろしさを考えれば、この三倍というのは余りにも低いので、これをさらに東京瓦斯並みに指導される、こういうことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  49. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) ガスの着臭につきましては、これもガス工作物の技術上の基準を定める省令に載っておりまして、ガス種類によってどういうような濃度のガス臭をつけるかということが決まっております。それに照らしましてここのガスの着臭が不十分であったとは言えないわけでございますが、ただいま先生おっしゃいましたように、地下街等ガスが使われるというようなことになりました場合に、事前にその誘爆を防ぐという意味で、どれぐらいの付臭にするかということについてさらに検討さしていただきたい、こう思います。
  50. 勝又武一

    勝又武一君 両大臣にお伺いいたしますが、昨年の藤枝の事故にかかわる関係です。昨年の五月でしたか、静岡県の藤枝の事故について通産省は通達文書を出されております。この通達文書を出されてから今回まで継続的にどういう指導をされていらっしゃるのか。やっぱり通達文書だけ出して二カ月、三カ月たったら、どうもみんな忘れてしまっていたんじゃないかというようにさえ指摘をしたいんですが、どういう具体的な指導をその後なさいましたか。
  51. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 藤枝のようなガス事故の再発を防止いたしますために保安規程というものがございます。これはガス事業法に基づきまして、ガス事業者がつくって通産大臣に届け出ることになっておりますが、その保安規程につきまして、これを改正するように指導いたしました。そして、その改正の内容といたしましては、保安に関します教育の拡充、訓練の実施、それから他の工事にかかわります協定の締結、それから他の工事にかかわります巡回、立ち会いの強化、ガス漏洩の通報があった場合におきます措置の強化といたしまして、ガス漏洩通報処理要領を定めるとかということを行っております。また、事故発生時の体制の強化といたしましては、導管事故緊急対策要領におきましてそういう措置をとるというようなことをいたしておる次第でございます。
  52. 勝又武一

    勝又武一君 通達文書の内容をお聞きしているんじゃなくて、通達文書を出された後継続的に今日までどうされてきたかということをお聞きしているんですよ。そのことをやっぱりやっていらっしゃらないんじゃないか。  そこで、お聞きしますが、藤枝の事故教訓といたしまして地元からの要望が幾つかあったはずです。その地元要望をどういうように実現されましたか。具体的にこれとこれはやった、これはできなかった、そのように具体的に列挙して答えてくれませんか。
  53. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 事故の後、県議会議長から地方自治法に基づきます意見書が提出されておりますが、その内容に関しましては、「地方公共団体に対し保安監視権を付与する等関係法令の改正をはじめとした都市ガス保安対策の一層の強化を図るよう強く要望する。」ということになっておるわけでございますが、そのほか「ガス導管埋設箇所での各種工事の安全適正化の推進等保安規制の強化を図る」というような要望がございます。  で、この要望に対しましては、先ほど申し上げました保安規程の改正を行う等の措置を講じますとともに、保安監視権等に関します地方公共団体との関係につきましては、緊急時におきます警察及び消防との緊密な連絡強化を図るように措置したわけでございます。
  54. 勝又武一

    勝又武一君 きのうお聞きしましたらこれだけ私のところによこしましたよ、いまの県議会の意見書というのを。しかし地元の県や市がどれだけ具体的な要望をされているか柴田審議官なんかよく御存じじゃないでしょうかね。  そこで、そういう点について、ただ県議会の意見書がこうだったからということだけじゃなくて、県なり地元の市なりが具体的に出した要望についてやってくださっていればもっと事態は違っていた。たとえば具体的に一つお聞きしますけれども、今回も出ております地方自治体への権限委譲問題、「保安監視権を付与する等関係法令の改正を」という問題がある。こういう問題は地方自治体への委譲ということを本気にどこまで検討されたんですか。
  55. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 地元におきましては、警察あるいは消防当局との話し合いの場を設けてそこでいろいろ協議いたしたというふうに聞いております。また私どもといたしましては、警察消防当局、ガス事業者等がより実際的な話で、実際的な考え方でそういう協議を進めていくよう各事業者にはお願いしておるところでございます。
  56. 勝又武一

    勝又武一君 重ねて大臣にお伺いいたしますが、これは一番おしまいで触れるつもりでおりますが、静岡県と静岡市から七項目にわたる要望書が出ておりますね。これは先ほど熊谷委員からお話があったとおりなんです。その第一は、やっぱり同じように地方公共団体へのガス事業者に対する指導監督権限の付与というのが第一項ですよ。大臣、そうですね。具体的に現地にもいらっしゃっているんですから石破大臣はよく御存じのとおりなんです。県・市からこれが昨年五月の藤枝のときに出ておったんです。だからいま地元で一番言われているのは、藤枝のときの事故反省、あれだけ言っていたことをどれだけ政府は本気に検討してくれたんだろうか、政府が本当にこのことをやってくれていればもっと事態は違っていたということです。こういう指摘もあるわけです。そういう意味では、昨年五月の藤枝にかかわる要望を実現しないでおいて、いまの程度検討をされておいて今回の事故の発生ということがあったわけですから、まさにこれはもう政府の責任だ、私はこう思います。そういう意味政府の責任をどう痛感していらっしゃるか大臣にお答えいただきたいと思います。
  57. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 御指摘のとおり、静岡駅前事故に当たりまして静岡県知事並びに静岡市長から口頭あるいは文書による要望が出されております。文書による要望につきましては、事故が起こりました翌々日の月曜日に一件書類を国土庁の方にお渡ししまして、国土庁設置されました関係省庁連絡会議の議題として早急に措置してくださるようにと私は依頼いたしました。  なお、その中に自治省として当然分担すべき事項が二、三含まれております。それにつきましては、きょうまでのところ最終決定はしておりませんけれども、およそめどが、御要望にこたえる方向でめどが立っております。
  58. 勝又武一

    勝又武一君 あとの六項目については後で少しお聞きしようと思っていますが、この要望書の第一項、監督権限付与の問題もいま大臣お答えになったように理解してよろしゅうございますね。
  59. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 私の御答弁、どうも明瞭を欠いたかと思いますので若干補足さしていただきたいと思います。  七項目文書による要望が出ましたが、その中に一、二自治省の所管にかかわる要望がございます。それにつきましては、最終決定はしませんけれども、およそ知事なり市長さんが御要望になっておる方向に従って解決するめどが立ちましたと申し上げたわけでありまして、御指摘のように第一点、第二点等につきましては、自治省の所管でございませんので、まだ各省庁連絡会議の結果を聞いておりませんので承知いたしておりません。
  60. 勝又武一

    勝又武一君 それでは政府として第一点についてはどういうように対処なさるのですか。
  61. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) この要望で出ておりますガス事業者に対する指導監督権限の付与の問題でございます。これにつきましては、各省連絡会議におきましてもいろいろと話題には出たのでございますけれども、事はそれぞれの権限の問題でございますので、いましばらく関係省庁間においていろいろ御議論をいただいた上その推移を見守って結論を出すようにいたしたい、そういうふうに考えておるところでございます。
  62. 勝又武一

    勝又武一君 ここですぐ柴田審議官が結論をどうこうということを言えないということはわかります。そこでその基本になるのは、先ほど大臣がお答えになっていらっしゃるように、藤枝の事故教訓として政府がもっと本気に検討していていただければ今回の事故というのは起きなかった、あるいはもっと様相が変わってきていたということもあり得るという観点で、第一項は地元要望がきわめて強い、そのことについては政府はきわめて責任を痛感されている、そういう立場に立って第一項の検討をなさる。これはもうあたりまえだと思いますけれども審議官、そういうように理解してよろしゅうございますね。
  63. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) 地域防災の見地あるいは保安対策の見地からどのような権限分配と申しますか、その姿ができているのが一番望ましいかという見地から検討すべきものと思います。
  64. 勝又武一

    勝又武一君 いよいよ与えられた時間がわずかになりましたので、先ほどの第一回爆発関係をした地下街建物の構造上の欠陥と違反の問題、これだけちょっとひとつお聞きしておきたい。  地下建物構造というのはきわめて今回の場合にも複雑になっておる。時間もありませんから特に指摘できませんけれども地下道と地下街の区別がなかったり、あるいは地下道と言っているけれども、あそこは道路でなくて西武というデパートが占有権と所有権を持つと。めちゃちゃですよ、そういう意味では、そういうところの問題点なり多くありますけれども、特に第一回の爆発原因推定されるような地下建物の構造上の欠陥あるいは違反、こういうことについていまの段階反省されている点はございませんか。
  65. 上田康二

    説明員(上田康二君) 建築物の構造につきましては、この第一ビルが特別な構造になっていたというふうには考えられないわけでございます。私ども今日まで現場に立ち入りができないために、詳細な点につきましては今後原因究明と並行して立ち入りができ得る状態になって調査検討をしたいと思っておりますけれども、いわゆる汚水ピットと言われる部分には恐らく通気管があって、外気に対してそういう有害なガスが出る場合は放出できるようになっていたというふうに考えられますし、湧水ピットと言われる床下部分、この部分の構造自体は通常比較的ある形式でございますが、あるいはその使用上の問題、使用の仕方の問題等があったえではないかというふうな新聞紙上の指摘でございますし、そういうことも含めて今後対策検討していきたいと思います。
  66. 勝又武一

    勝又武一君 最後に一つだけ両大臣にお伺いいたしますが、先ほど私申し上げました県と市から出ております文書による七項目の要望書、これはもうすでにごらんになっていると思いますが、このうちの第一は先ほどのとおり。第二のガス保安対策の強化はいろいろお聞きをいたしております。  そこで、あと残っております弔慰金、被害補償、融資の問題、労災保険雇用保険等、昨日の衆議院の商工委員会で具体的に明らかにされている点もありますけれども、これらについて審議官の先ほどの報告にもありましたけれども、これらについてどう具体的に対処されているのか、最後にこのことをお聞きをして質問を終わります。
  67. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) 政府といたしましては、このたびの事故について大変遺憾に思っておりますので、できるだけの御希望に沿うように各省庁連絡してその対策を講じておりますから、恐らく最終的には御期待に沿う線になると考えております。
  68. 熊谷弘

    熊谷弘君 ただいま勝又委員から多方面にわたり今回の事故につきまして御質問があったわけですけれども、大体同じような質問でありますけれども、やや視点を変えてもう一度初めから事故原因についてまず御質問を申し上げたいと思います。  まず第一に、何といっても、自治大臣も御指摘になっておられたことでありますが、まだ推定による部分がかなり多い。したがって、今後の問題を考えますと、ともかく事故原因を一刻も早く究明してもらって、そして今後に対して対応策を適切に講じていくということが必要であろうと思うわけです。そういう意味で、この事故原因が現在究明中というふうなお話でありましたけれども、一体いつごろまでかかるのか、この点について警察庁消防庁等からお話を伺いたいと思います。
  69. 長尾良次

    説明員長尾良次君) お答えいたします。  私ども警察としましては、現在捜査本部を刑事部長を長といたしまして設置いたしまして、いろいろ原因究明、それに対する刑事責任の有無等について捜査をいたしております。  その捜査について、若干冗長にわたるかもしれませんが、詳しく御説明申し上げますと、その捜査方針といいますのは、事故現場付近におきます目撃者あるいは負傷者、消防職員ガス取り扱い業者、そういう関係者に対する事情聴取、これも数百名に上ると思います。それから先ほども触れましたが現場検証、これは御承知のとおり、現場が大型でありますし、かつ建物の構造あるいはガス管の配管等きわめて複雑でございますので、綿密かつ慎重にやるというようなことでやっております。そのため、先ほども触れましたように、科警研の専門家あるいは部外の専門家の立ち会いのもとに進めてまいっておるところでございます。それから遺体の解剖あるいは被害実態の把握、こういったものを捜査方針にいたしまして現在捜査を進めておるところでございます。  しかしながら事故原因究明ということになりますと、いま申しました関係者から幅広く事情を聴取いたしまして、さらに検証の結果これを踏まえ、さらにはこの検証の結果を踏まえての必要な鑑定事項、これを委嘱いたしまして、その結果等を総合的に検討してまいらねばならぬわけでございます。そうしなければ、事故原因の本当の究明というのはむつかしいわけでございますので、現在のところいつまでに終わりますということをはっきりした形でその見通しを申し上げることはやや困難であると思っております。むしろ相当長期にわたるということは、真相解明をいたす上ではそういうことになろうかというふうに思っております。  ただ、そうは言いましても、私ども鋭意努力をいたしておりまして、現在の段階では、先ほど申しましたように、第一ビル地下街の「ちゃっきり鮨」、喫茶店キャット周辺地下床下に滞留しました何らかの可燃性ガスに何らかの火元によりまして引火して爆発したのではないかということは、現場状況から見て推定されるということでございます。  それから第二の爆発は、第一回目の爆発によりまして地下の上層部——これは私も見てまいったわけでございますが、ガスの配管等もございます。これらに亀裂を生じあるいはガス漏れが生じ、それがどういうかっこうかで一階の部分に流入して、これも何らかの火源によりまして引火爆発したのではないかと推定されるわけでございます。ただ、この火元といいますと、当時はもうすでに一階では電気器具あるいはいろいろな火を使っておったやにも、そういう状況でもございますので、どこが火の元であったか、爆発原因になったかということについては、なかなかむつかしいんじゃないかなというふうに考えております。  そこで、今後の捜査といたしましては、現在まで判明しました検証の結果を踏まえまして、必要な事項を鑑定委嘱いたしまして、爆発原因究明に資するということが一つでございます。それから建物の設備の平素の状況、あるいは事故発生時の保全管理、あるいはガス漏れに際してのガス会社等の対応の仕方、こういったものを幅広く捜査を行いましてその実態を解明していく。これによりまして刑事責任の有無、あるいはあるとすればその程度、あるいはだれに責任があるかということ、鋭意そういうことで捜査努力していくという所存でございますので、先ほどの御質問で、くどいようでございますが、かなりの期間を要するというのが実態でございます。  以上です。     —————————————
  70. 広田幸一

    委員長広田幸一君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、勝又武一君が委員辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。     —————————————
  71. 熊谷弘

    熊谷弘君 事故原因究明中ではありますけれども、まず第一回の小爆発があって、それからその次に三十分程度してから第二回の大爆発があった。この第二回目の大爆発で大変な被害が出たことは、これはもう大体認められることではないかと思うんです。そこで問題は、この第二回目の大爆発がなぜこのような形で起こったのかということでありますけれども、この間にとりわけ各方面に少なくとも人為的なミスはなかったのか、その人為的なミスではなくてさらにそれが制度の欠陥に及ぶものなのか、この点の究明というのが今後の対策に大変大事なことだと思うんです。  そこで、先ほど来勝又委員も言っておられたことでありますが、静岡県におきましては藤枝で大変な惨事がありました。こうした点を踏まえて現地におきます消防本部警察署、静岡瓦斯株式会社あるいはプロパンガス協会、中部電力会社が「ガス爆発防止対策に関する申合せ」を行って、これに基づいて事故の発生及びそれが大きな災害になることを防ぐための行動をとってきたと伺っているわけでございます。私の手元にもこれがそうだと言われるものがあるんですけれども、この「申合せ」について消防庁及び通産省は承知しておられますか。
  72. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 承知いたしております。
  73. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 承知いたしております。
  74. 熊谷弘

    熊谷弘君 それでは、恐らく同じものだろうと思いますので、この申し合わせに沿って各機関が適切に行動したかどうかというものをお聞きしたいと思うんですけれども、この申し合わせによりますと、「目的」がございまして、「ガス爆発事故を未然に防止し被害を最少限に止めることを目的」としてこの申し合わせが行われているわけでございます。第二に連絡体制について書いてある。そして三番目に「出動」がございまして、「ガス漏れ事故を覚知したときは、各機関は直ちに出動するものとする。」、こうなっているわけでありますけれども、この「出動」の点について各機関においてこの申し合わせに反するようなことはなかったどうか。この点はいかがでしょうか。
  75. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 消防本部が一一九番の通報を受けまして、ただいま御指摘の申し合わせに基づきまして直ちに関係方面に連絡をとっております。それからポンプ自動車、化学車、救急車など十台、消防職員四十三人を出動させております。そして警察と協力しまして火災警戒区域を設定し、ガス検知器によりガス漏れ状況を把握しながら人命検索、立入規制等措置を講じたというふうに聞いております。
  76. 熊谷弘

    熊谷弘君 その次の第四項として、この申し合わせによりますと、「現場の協議」というのがございます。「出動した各機関の現場責任者は、消防設置した現場本部においてガス爆発防止対策を協議し、必要な処置を行うものとする。」と書いてございまして、「現場本部が設置されていないときは、消防現場最高指揮者と協議し、必要な処置を行うものとする。必要な協議事項は、情報の収集、電源のしゃ断、ガス供給停止」——これが実は非常に問題な点でありまして、先ほど来言われ、またわれわれが現地調査しましたときにも問題になった。供給停止に大分時間がかかっておる。「火災警戒区域の設定、住民に対する広報、換気及び屋内進入方法、その他必要な事項とする。」、こういうような申し合わせができておるわけです。  その次に第五として「初動時における各機関の行動基準」というのがあります。ここから先が非常に問題なわけですけれども、この行動基準には「電源のしゃ断」「ガス供給停止」「火災警戒区域の設定」「避難誘導」「情報の収集」となっているわけですけれども、まず第一に「電源のしゃ断」についてはどのように行われておったのか通産省から伺いたいと思います。
  77. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 事故発生と同時に中部電力におきましては二名現地に直ちに派遣をいたしまして、現場に参りましてその電源のしゃ断の必要性につきまして検討し、それからまた消防との協議をしたというふうに聞いております。細かいいつ遮断したか、それから現場へ行ったときには、ちょっと正確なことは覚えておりませんが……。  失礼しました。三十一分ごろ消防署から直通電話によりまして連絡が入りまして、西武デパート前ガス漏れ第一出動ということで出動しております。それでパトロール中の無線車が急行いたしまして現場に二名着いております。九時四十八分ごろ消防署員からその辺の電源を開放しろという依頼を受けまして、それでそれを開放すべく地上に出たわけでございます。班長が再び地下へ参りまして、通電器を用いまして電気が本当にきているかどうかというのをやったところ、すでに停電していたということを確認しております。それで電源を確認するために「菊正」の裏のトイレの横の配電盤へ行きまして、そこで切ろうと思ったわけでございますけれども、もしガスが漏れているといけないということでスイッチをそこでは切らないわけでございまして、もっと外のところで切ろうということで外へ出たところで爆発が起きまして、そしてこれは変電所の方で電気を切ったというかっこうになっております。
  78. 熊谷弘

    熊谷弘君 それで、そこにいう必要な作業が行われたかどうかということをいまのお話を聞いただけでは、判断が加わっておりませんからわからないんですけれども、「電源のしゃ断」については、第二回目の大爆発が起こる前にその当該地域においては遮断されておったかどうか、その点だけ伺いたいのです。
  79. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 第一ビル付近におきましてはまだ停電しておりません。
  80. 熊谷弘

    熊谷弘君 それでは、その次に第二番目として「ガス供給停止」という申し合わせ項目が行動基準の中にございます。「静岡ガス株式会社静岡営業所、静岡県プロパンガス協会中部支部静岡地区会出動隊は、当該室内等のガス供給を停止するための必要な作業を行うものとする。」、こういう申し合わせになっているわけですが、通産省では静岡瓦斯株式会社への立入検査をされたと伺っておりますけれども、この結果を踏まえてこのガス供給停止について十分適切な処置がなされておったのかどうか。先ほど勝又委員も言われたように、たった一人しか向かわなかったじゃないか、その向かった人が十分適切であったかどうか、こういう点は立入検査の結果どういう状況であったのか、この点を通産省から伺いたい。
  81. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 立入検査を八月二十日、二十一日実施したわけでございますが、その結果につきましてはただいま取りまとめ中でございまして、まだ報告されておりませんので、その立入検査の内容につきましてただいま御報告するわけにはまいらないわけでございます。しかしながら、その一人の駆けつけたパトロールの作業員がどういうことをやったかということにつきましては、この作業員も爆風によりまして重傷を負われて、実は顔面が火傷しておりまして、なかなかしゃべるのも大変だというふうに聞いております。そういうことで、いろいろと会社側から聞き出したところから若干類推して、これは権威あるものじゃございませんけれども、私たちの入れた情報だけを取りまとめて申し上げたいと思います。  その駆けつけた主任は、現場から、先ほど申し上げましたように、「ダイアナ」くつ店のガス漏れということでそこへ飛んで行ったわけです。地下爆発があったということを消防署員から聞かされまして爆発現場に行ったわけでございます。そこで、普通ガス爆発がございましてガス管が切れますと、そこからシューという相当大きな音がしてガスが漏れる、それからまた実際にガス爆発の後にはガスがそのガス管から漏れて火がついているというのが普通の状況と言えるそうでございます。ですけれども、そういう状況が一切見当たりません。それからまたガス臭はしない。それからガス検知器でもガス爆発限界よりもはるかに低いガスの検知をするにとどまるということで、これは都市ガスじゃないんじゃないか、しかし何かガスがあるので、そのガスをもっと正確にはからないとよくないということで、FIDまたはサーミスターという別の機械を直ちに持ってくるようにということで、自分自身の判断ではできないということで連絡をし応援を求めたという実態でございます。  そういうことで、彼自身といたしましては、そのガス漏れをみすみす見逃したとかいうようなことはいまのところないように私たちは聞いております。
  82. 熊谷弘

    熊谷弘君 現地視察をしたときにも静岡市の消防長の方から伺ったことでもありますし、また警備の担当の部長さんからもお話がありました。その後新聞等でも、私ども直接確認したわけではないですが、少なくともたった一人で検知に来るというのはおかしいじゃないかという議論があるわけですね。これも、新聞報道によりますと、ガス漏れ事故という通報で、ガスの小爆発があったという連絡は受けてないんで、だから一人を急行さしたと、こういうような弁明を会社側がしていると伝え聞くわけです。しかし少なくともこの申し合わせ事項によりますと、たとえガス漏れであっても、「ガス供給を停止するための必要な作業を行う」という申し合わせがされているわけですね。この点にやや緩みがなかったかどうか、私どもはその点を実は非常に疑問に思うわけであります。  この読み方、どういうふうに読んでいいかわかりませんが、「出動隊」となっておりまして、たった一人の検知員をやってこれだけのところのものを停止するために必要な作業を行うということに無理があるのじゃないだろうか。この点現地の声としては、静岡市におきましては大変関心を呼んでいることでありますから、この点について通産省は一体どういうふうに判断しておられるのか、いま一度だめ押しになりますけれども伺います。
  83. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 一人でその現場出動してやること、その人自身が一人でやり切れない仕事をやるわけじゃございませんので、その調査それからその報告というようなこと、それから応急処置ということが当面の問題でございまして、そのことにつきましては、まずスピードを速めて早く現場に行ってその状況を知らせるということが第一であろうかと思います。それから会社にはいわゆる工作車等々、それから作業員、器具が全部用意してありますので、どういう器具を持って駆けつければ何ができるかということがそこで判断されて、責任者が直ちに同道いたしまして作業をするというのが第二段の対策になっておるわけでございます。  私、いまから考えますと、現場に行きました主任が爆発事故が起こったということを直ちに報告する、それが誘爆につながるというようなことで報告があれは——また会社の幹部も、これも責任者として課長が駆けつけたわけでございますけれども、その状況がよくわからないので、課長自身がその現場状況を確かめに行く途中でまた爆発が起こってしまったわけでございますが、そういうことで、会社といたしましても、一体どういうガス漏れで、どういう器具を持っていけば対応できるのかということの判断に苦しんだんではないかと想像しておりますが、いずれにいたしましても、もうちょっと迅速な対応ということができたのでないかという点、反省しております。
  84. 熊谷弘

    熊谷弘君 ただいまの審議官のお話だけでは私どもなお、この事故が人為的なミスあるいは緩みというようなものによってこれほど大きな事故になったのか、そうじゃなくて現行の法体系を含めた制度そのものの欠陥によるのか見当がつかないわけでありますから、今後事故原因究明を通じてこうした点についてわれわれもわれわれなりの判断をしていきたいと思うんですけれども、いずれにしても、申し上げたいのは、この申し合わせ事項を厳密に理解をし、そしてもっと言えば、本気になって取り組んでおれば、相当のもう少し迅速な行動がとれたんではないだろうかなという感じをこの書類を見ただけでも私ども感ずるわけであります。この種の事故はまた何年先に来るというような話じゃなくて、あるいは場合によっては、きょうあしたにも来るかもしれないということでありますので、この点をひとつ十分踏まえて、いまある心構えだけでもずいぶん違うということを、ひとつガス会社関係機関通産省としても周知徹底を図っていただきたいと思うわけです。  次に、この申し合わせ事項の中に「火災警戒区域の設定」という項目がありまして、その次に「避難誘導」という項目がございます。「警察機関は、ガス漏れ現場附近の交通規制を行うとともに、住民等を安全な場所へ避難誘導するものとする。」。これもガス漏れがあった段階で「住民等を安全な場所へ避難誘導するものとする。」ということであって、ガス爆発が小さかろうが大きかろうが、ガス漏れがあればすぐ避難誘導するんだという申し合わせになっておるわけであります。  そこで、先ほど来この避難誘導については一応警備当局が努力されたとわれわれも現場で伺ってまいったわけでありますけれども死者十四名、重軽傷者百九十九名という人的な被害が出ているわけで、この中で避難誘導というものがうまく徹底しなかったためにこのような事故に遭遇したような方々もかなりいるんじゃないか、少なくともそういう新聞報道がなされているわけであります。それは被害を受けられた方の声として新聞で報道されている。私どもにもう少し大変だということを言っていただければ逃げたのにという声が新聞には報道されているわけですけれども、この点警備当局はどういう判断をされておられますでしょうか。
  85. 岡村健

    説明員岡村健君) 先ほど御報告いたしましたように、第一爆発がございました直後、十九名が現場に急行いたしまして、交通の遮断であるとかあるいは避難誘導の措置をとったわけでございます。その結果かなりの人命が死傷せずに済んだことかと思いますし、当時の静岡県警のとりました措置といたしましては、時間的な関係もございますし、やれる限りの努力はいたしたと思います。  ただ、今後の問題といたしまして、警察としてはこの種の事案にさらに有効に対処いたしますために、現場での立入規制の措置あるいは避難誘導の問題、特に避難誘導の警告に対しまして一般の方々の御協力をよりよく得られるためにどうしたらいいのかという効果的な方法を検討してまいりたいと思っております。
  86. 熊谷弘

    熊谷弘君 次に、質問を変えますけれども、先ほど国土庁長官は、勝又委員の質問に答えまして、今回の事故に遭われた方々に対する弔慰金を含めた万全の措置を講じたいということでございましたが、昨日の衆議院の商工委員会におきまして、今回の事故の中でもとりわけ、自然災害により支給されます災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律、こういう法律適用を受けない大変気の毒な方々についてできるだけ前向きの努力をするという回答が政府側からなされたようでありますけれども、この点についてもう一度、これは自治省でしょうか、どういう考え方で、具体的にはどういう対応策を講じようとお考えになっておられるのか御説明を願いたいと思います。
  87. 津田正

    説明員(津田正君) 自然災害と人為災害は本質的に異なる問題とも考えるわけでございますが、今回の事件原因あるいは責任の究明というものがなかなか困難である事態になった。そういうことになりますと、被害者あるいは遺族にとりましては、自然災害に準ずるような事態になるとも考えられるわけでございます。そういう意味におきまして、県・市の意向も聴取し、全般的な財政事情、あるいはこの弔慰金だけの問題ではなくて、消火救助活動災害関連に要した経費、そこいらの問題も含めまして特別交付税の配分において善処したい、かように考えております。
  88. 熊谷弘

    熊谷弘君 ぜひひとつそういう前向きな姿勢でやっていただきたいと思います。  次に、昨日のやはり衆議院の商工委員会におきまして、わが党の原田委員から、国としても今回の事故に遭われた方々に対して弔意を表してできるだけの努力をするということをやっていく、原因が確たるものではないにせよ、少なくとも第二回の爆発は明白にガス爆発である、都市ガスによる爆発であると推定されるわけでありますから、瓦斯協会全体として被害に遭われた方々に対してお見舞いをすべきじゃないかという質問があり、これに対して通産省から、業界に伝えよう、こういう御回答があったと伺っておりますが、この点について一体その後どのような形で展開しておられるのか通産省から伺いたいと思います。
  89. 安田佳三

    説明員安田佳三君) ただいま先生が御指摘の点につきましては、昨日衆議院の商工委員会におきまして原田先生からの御提案を日本瓦斯協会の方に伝えました。協会では早速検討を進めたようでございまして、その結果、事故原因のいかんを問わず、この際他に救済策のない人々への見舞い金として金一千万円を拠出いたしまして微意を表したいと決定した旨の連絡があったということをけさ聞きました。本件につきましては、ただいま御指摘もありましたことでもあり、なるべく早く具体化するよう日本瓦斯協会にもその旨を伝えたいというふうに存じております。
  90. 熊谷弘

    熊谷弘君 次に、現場を見てまいりますと、全く自分には責任がないのに多数の被害者が出たわけですが、中でも商店街の方々は大変な事故に遭われたわけでございます。この大部分の中小企業の商店街の方々に対して、これも昨日衆議院商工委員会で、金融措置等を含めた措置実施するという回答があった由でございますけれども、この点具体的に一体どういう救済措置を講じようとしておられるのか、ここで御説明を願いたいと思います。
  91. 山口務

    説明員(山口務君) お答えします。  被災中小企業者に対します救済措置につきましては、現在静岡県と協議しておりまして、具体的には中小企業体質強化資金制度という制度がございます。これは国と県がタイアップいたしまして融資制度を設けるものでございます。この中の地域産業対策融資という融資枠を活用いたしまして、新たに国が一億円程度財源を確保いたしまして、全体で約八億円程度融資枠、こういうものを設けたいということでございます。金利につきましては、県当局から極力低利ということで御要望が出ておりますので、具体的には静岡市あるいは地元の金融機関といった方々の協力が必要でございますので、こういった方々も交えまして現在協議中でございまして、一般的な体質強化資金の金利七・三%を大幅に下回るような優遇策というものが講じられるように最終的な詰めを行っております。こういった協議を踏まえまして、一両日中に制度の細目を発表いたしまして、九月一日から融資の受け付けができるように措置をしたい、こういうことでございます。
  92. 熊谷弘

    熊谷弘君 次に、静岡市及び静岡県から強い要求がございます、ガス事業者に対する指導監督権限地方公共団体に必要な範囲で付与すべきじゃないか、こういう要請が寄せられているわけでありますけれども、これは勝又委員から再三御質問があり、御指摘があった点ですけれども通産省としては一体この問題をどう認識しておられるのか、どういうふうに今後進められるのか。先ほどの質疑、いろいろばらつきがあったようですけれども、もう一度確認の意味で現在の通産省の立場をここで御説明願いたいと思います。
  93. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 権限につきましてこれを地方自治体に移すべきであるというような御意見があることは承知いたしておるところでございますが、当省といたしましては、今回のような事故の再発を防止するということが最も重要であろうと考えております。そのような観点から、警察消防当局、そしてガス事業者など、関係者事故原因を十分に踏まえまして、相互に密接な連絡をとりながら、運用面で機動的かつ体系的な対応を行っていくことが最も重要であるというふうに考えており、またそれがより実際的であるというふう考えております。そういう観点から今後具体的な問題をどのようにしていくか等につきまして、さらに関係省庁と連携を図りながら保安の確保に努力してまいりたいと思っております。
  94. 熊谷弘

    熊谷弘君 今回の事故で特徴的なのは、地下街で第一次爆発が起こり、それから第一ビルといういわゆる雑居ビルで第二回の大爆発が誘発されたということなんです。非常に密閉された空間で大きな爆発になったということだと思いますが、それだけにこの雑居ビルあるいは地下街におけるガス保安対策というものは今後よほど強化をしてもらわなければいけないと思うんですけれども、こういう点について今回の事故反省として現在消防庁は一体どのように認識されておられるのか、建設省として今回の事故についてどういうような反省を今後の対応策という意味でしておられるのか、両省から御意見を伺いたいと思います。
  95. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 地下街というような密閉した場所におけるところのガス保安対策につきましては、基本的には関係各省で今後慎重に検討していかなければならないと思いますが、現在消防法上におきましても、御承知のように、火災に対する対策というのは私どもとしてはある程度とられておると思うわけでございますが、ガス漏れ及びガス爆発に対する措置というのは全然なされておらない現状でございます。少なくともガスが漏れた場合に早期に発見する、そしてガス管を遮断するといったようなことがどうしても必要になってくる。その場合、消防法の体系におきましては火災に対する熱、煙の感知器というのは義務づけております。しかしガス漏れの感知器というのはこれは現在認めておりません。少なくともガス漏れ感知器というものの設置、そして遮断弁の設置、これぐらいは規制する必要があるんじゃないかということで早急に検討を重ねております。  さらに、地下街のみならず一般の高層ビル等も危険性があるわけでございますけれども、基本的には先ほど来議論になっておりますように、今回も消防職員に非常に犠牲者を出しておりますけれども消防側がガスについては一切関与できないという現行法のたてまえというものはどういうものであろうか。結局、事故が起きますと、消防は第一線に立ってその事故を防止する、予防する義務があるわけでございます。そういう見地からいたしますと、消防としてはガス事業についても保安上の見地からする最小限の関与というのは必要なんじゃないかということで、この事故が起きましたこの機会に改めて強くエネルギー庁の方へも申し入れまして検討しておるところでございます。
  96. 上田康二

    説明員(上田康二君) 建築物の防災対策といたしましては、いわゆる防火、避難等につきましての規定はございますけれども、この種のガス爆発のような瞬間的に非常に大きな力のかかるような場合というのは予想しておりません。また構造的にもそれには対応できません。したがいまして、私どもとしましては、こういう事故を防ぐ対策としては、発生源、すなわちガス漏れ等の防止、これに万全を期すということが一番重要であるというふうに考えております。  その点に関しましては、今後地下街を含めましてガス漏れ防止対策を建築設備としてのガス配管等に義務づけていくかどうか、こういうことは通産省の方で総合的なガス保安対策を打ち出された中で建設省の守備範囲で協力すべきことがあれば当然協力してやっていかなければいけないというふうに考えております。
  97. 熊谷弘

    熊谷弘君 ただいま建設省からのお話がありましたように、通産省が中心になってひとつ総合的なガス保安対策の強化を図ってもらう。伺うところによりますと、地下街対策専門委員会というものが設置されたようでありますけれども、この検討の方向と——われわれとしては一刻も早く結論を出してほしいわけですけれども、どういう判断で今後これを進められるのか、この点通産省から御意見を伺いたいと思います。
  98. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) ただいま先生がおっしゃいました地下街対策専門委員会が八月の十九日に設置されまして、二十日の日に早速現地を視察していただいたわけでございます。そういうことで早急に、現在いろいろと問題になっておりますガス検知器の設置の問題、それからガス遮断の方法、またはその設置の方法の問題、それから点検回数の問題等々、考えられる限りにつきまして検討を進めていただきたいと思っています。それで、なるべく早くその結論を出しまして、各関係省庁にもお願いすべきところは早急にお願いをいたしましてその対策に万全を期したい、こう考えております。
  99. 熊谷弘

    熊谷弘君 ぜひそういうことでお願いいたします。  次に、今回の事故に遭われた中で、従業員といいますか、労働者の方々がたくさんおられるわけですけれども、この被災労働者に対する労働保険の適用状況、非常にお気の毒な方々でありますが、これについて一刻も早くこの適用を行うべきだと思うんですけれども、どういう形で進められておられるのか、労働省おられましたら答えていただきたいと思います。
  100. 小田切博文

    説明員小田切博文君) 私どもの方で扱っております労働者の災害に遭われた場合の補償関係法律労災保険法という法律があるわけでございますが、今回の静岡地下爆発ガス爆発被災者方々のうちに、これまでの調査労災保険法の適用のあると考えられる労働者の方々は百十八名ございます。この百十八名の方々につきまして、その災害が業務上の災害であるか、または通勤上の災害であるかということでございますと補償の対象になるわけでございますので、いまその調査を急いでおるところでございますが、とりあえず死亡した方々につきまして優先的に調査いたしまして、すでに四人の方々が業務上の死亡事故であるというようなことを私たち認定しております。  基本的な給付は、遺族の方の状態であるとか、遺族の方の人数であるとかによりまして、年金給付になるか一時金給付になるか、いろいろな点があるわけでございますが、とりあえずは、死亡された方でございますと一律に二百万円の一時金を出すという制度がございますものですから、二十三日にこれら四人の方々につきましては各二百万円の一時金は支給してございます。それから葬祭料も、各四人の方にそれぞれ所定の葬祭料を支給してございます。残余の方々につきましては、さっき申し上げましたような観点から鋭意調査を進めているという段階でございます。
  101. 熊谷弘

    熊谷弘君 消防職あるいは消防団の方々が今回も事故発生連絡を受けて真っ先に駆けつけて大変な被害に遭われたわけでございますが、絶えずこういう危険に消防方々がさらされるということであります。もちろん、いま現在非常に充実した形の災害補償制度があるとは伺っておりますけれども、しかしそれにしても、こんな一番危険なところへ業務として赴くわけでありますから、どれだけ充実してもし過ぎるということはないわけであります。物価も非常に高騰していることでもありますし、伺うところによりますと、大変に働き盛りの一家の中心方々が皆やられているわけでありまして、この災害補償制度充実について大変な強い要望があるということを踏まえて、今後消防庁の方としてはどういうふうに取り組まれるのか御意見を伺いたいと思います。
  102. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 今回の事故によりまして消防職員四名、団員一名の尊い犠牲者を出したわけでございまして、基本的には私どもこれらの方方の不幸に報いるために最大限の努力を払いたいと思っております。公務災害補償の面につきましては、消防職員は地方公務員でございますので、そしてまた消防団員につきましては消防職員に準ずる制度というのができておりますので、制度にのっとりまして一刻も早くそれが具体化するよう努力してまいりたいと思います。  一方、消防職団員につきましては賞じゅつ金の制度がございます。これにつきましても、現在いろいろな関係検討しつつ、できるだけの配慮をするということで関係方面と折衝を続けております。一日も早く具体化したいと思っております。
  103. 熊谷弘

    熊谷弘君 ぜひそういう方向で消防庁においても努力を積み重ねていただきたいと思います。  私ども現場を見まして、今回の事故の特徴は幾つかあるわけですけれども、中でも本当に目を背けるような思いをいたしましたのは、建築物が爆風によって粉砕いたしまして雨あられと落ちてきた、しかもそれが、大変強い爆風だったものですから、消防士のかぶっている金属性の帽子にも突き刺さっている。普通大きな石とか何かでたたいても傷もつかないようなものにぐさりという形で突き刺さっているわけですね。今度の負傷者等を見ても、ガラス飛散による被害が非常に多かったと伺っておりますけれども、このガラス飛散の被害の実態はどうであったのか。担当はどこなんでしょうか、消防庁でしょうか、それとも国土庁でしょうか。被害のあった中で新聞等では相当な数ということで報道されておりますけれども、事実確認された数字というのはどれぐらいですか。
  104. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) 負傷者のうちガラスの事故によるものがどれだけかという数字についてははっきりしたものをまだつかんでおりません。
  105. 熊谷弘

    熊谷弘君 われわれ現場を見ただけでも、このガラス飛散による人身被害というものは大変なものだったと確認してきているわけです。私自身も自動車事故に遭ったことがありまして、最近の車のフロントガラスというのは飛散をいたしましても、非常にぐるぐるっと丸くなって余り深くは突き刺さらないですね。ところが、建築物については格別の規制といいますか、法的な規制はされてないというふうに聞いてるんですが、一体これはどういうふうになっておるのか。今回の事故を踏まえて、これは建設省だと思うんですけれども窓ガラス飛散防止対策を私どもは今後強力に進めるべきではないかと思うんですけれども、法的な措置を含めてですね、この点建設省どういうふうに今後対応されるか伺いたいと思います。
  106. 上田康二

    説明員(上田康二君) 建築物窓ガラスにつきましては、先ほど建築物全体について申し上げましたように、この種のものに対抗できるような強度をガラス窓に要求するということはきわめて困難であると考えております。しかしいわゆる地震対策としてはきわめて重要な課題でございまして、過去の地震被害経験等から、脱落の危険性のあるものは一定の構造型式のものであるということが明らかになっておりますので、これらのものにつきましては飛散防止用のフィルムを使用したり、あるいは網入りガラスに入れかえるというような改修を行っていくように指導しております。  そういう意味で、ガス爆発対策としてのガラス飛散防止ということは対応策がございませんけれども、地震対策としてのこういった措置は、少し離れた場所では結果的にはかなり効果がございますので、地震対策という観点から今後ともこの対策を推進していきたいというふうに考えております。
  107. 熊谷弘

    熊谷弘君 私ども静岡県は、静岡県だけではないですけれども、東海大地震が予想されておりまして、地震対策を含めてガラス飛散防止対策というのは、今回こんな事故もありましたので、非常に強い関心を持っておるわけですけれども、いま飛散を防止するものというようなお話でしたけれども、現在一体どういうものが飛散防止対策として、窓ガラスの飛散を防止するものとして挙げられているのか、この点具体的に御説明願いたいと思います。
  108. 上田康二

    説明員(上田康二君) 具体的に申し上げますと、いわゆる網入りガラス、それから普通の窓ガラスに後から張りつける飛散防止用のフィルムがございます。これは省エネ対策にも非常に有効なものでございまして、われわれこれを推奨しておりますが、さらに一般の窓ガラスの場合、いわゆるはめ殺しのスチールサッシ、こういうものが非常に危険性が高いということがはっきりしておりますので、そういう場合、パテを硬化性のものからやわらかいものにかえて、サッシとガラスの間の変形の自由度を高めるとか、そういうふうな対策も非常に有効であるということで、この三つの対策を推進しているわけでございます。
  109. 熊谷弘

    熊谷弘君 時間が残り少なくなってきましたので、最後に国土庁長官に御意見を伺いたいわけでありますが、この質疑を通じてもわかりましたとおり、今回の事故は非常に反省する材料をたくさん持っているということ、しかも今後のその対応策が各方面非常に多岐にわたっているということ、こういうことがあるわけでして、今後国土庁中心に強力なリーダーシップで対策を講じてもらいたいとわれわれ切望するものでありますが、今後の対応策について基本的な心構え、政府としての心構えを長官からお示し願いたい、お願いいたします。
  110. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) 最前から熊谷先生その他からいろいろ御質問いただきまして、われわれも非常にいろんなことを教えられる点が多々ございました。また反省すべき点も数少なくございません。  それで、そういうようなことを踏まえまして、これからは事故の応急対策、また原因究明もやりまして、さらにわれわれとしては再びこういう災害の起こらざるよう万般の対策をやりたい。それで、今回の事故教訓として、同様の事故の再発防止のために関係省庁連絡して検討を進めていくことはもちろんのことでございます。その協力を得た上で、必要な法令の改正あるいは防災体制の整備等にまでわたって積極的にやって御期待にこたえたいと思っておりますから、よろしく御指導をお願い申し上げます。
  111. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後一時十二分開会
  112. 広田幸一

    委員長広田幸一君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、静岡駅前ガス爆発事故に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  113. 青木薪次

    青木薪次君 青木であります。  八月十六日の九時二十五分と推定されるのでありますけれども、第一次ガス爆発の結果が第二次のガス爆発を誘引いたしまして、その原因結果についてただいま警察消防庁におきましてその検証を急いでおられるわけでございまするけれども、何といいましても、第二次のガス爆発があのような死傷者を含む二百十三名という重大な結果をもたらしたのでありますから、第二次爆発がそのことをもたらしたということを考えてまいりますと、これはもう都市ガスであることは間違いないんです。それから先ほどからの御両所の質問に対する答弁を聞いておりましても、初動体制の甘さというものがこの結果をもたらしたこともこれまた間違いない。しかも静岡県の要望事項第一項目の都市ガスに対する指導監督権限についても、これを地方自治体に任してくれということを言ってもなかなか資源エネルギー庁はがんとして承知しそうもないというようなことが巷間伝わっているわけでありますが、それらの関係を見てみた場合に、先ほど申し上げましたように、保安の問題と指導監督の問題にその原因が求められているんじゃないかということが言われておりますので、きょうはその立場から、ガス爆発を起こしたところの供給者である静岡瓦斯の社長に対して、ぜひひとつこの会に出てきていただいてそのときの状況説明してもらいたかった。このことについて、自民党国対委員会の決議だそうでありますけれども、参考人としての出席をお断りするとのことですが、私はちょっとその立場は論拠を欠いていると思う。静岡県民も出席するだろうという立場に立ってきょうの新聞記事を見て、国会に参考人として出席していただくよう願っておったにもかかわらず、これが一つの政党の反対のために出席ができなくなったなんということについては、私ははなはだ残念に思います。もちろん、責任追及をするといったけちなことを言っているのじゃないのであります。私だってこの間まで災害対策委員長で皆さんと話し合いをやってきた。今日こんな状態になるということについてはなはだ残念に思うわけでありますけれども現地の視察後の災害対策委員会理事懇談会においては、私も傍聴しておりましたが、このことは決まったはずだというように考えておりますけれども委員長、この問題についてどうお考えになりますか。
  114. 広田幸一

    委員長広田幸一君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕
  115. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 速記を始めてください。  ただいまの青木君の発言の趣旨につきましては本委員会の開会の冒頭に経過として申し上げました。ガス会社の代表を参考人として呼ぶことについては理事会としても相当論議をしたわけでありますが、参考人を呼ぶ場合には全会一致という慣行になっておりまして、残念ながら一致しなかったということできょうの委員会にはガス会社を呼ぶことができない、こういうふうに報告したわけでありますが、ただいまの青木君の発言の趣旨に沿って今後ガス会社出席を求めるように善処してまいりたいと思います。御了承いただきたいと思います。
  116. 青木薪次

    青木薪次君 時間がありませんから次に進みたいと思います。  静岡市の唯一の繁華街である国鉄静岡駅前ゴールデン地下街ガス爆発が起こった。私は静岡市民ですから十時半にはもう現地におったわけでありまするけれども、まさに凄惨をきわめたと言っても差し支えないと思うのであります。死者十四名と重軽傷者百九十九名を含めて二百十三名という空前の惨事を起こしたことは、ちょうど勤めに行った後の状態であったということと、商店街がまだ店をあけてなかったというようなことがまだ不幸中の幸いだというのでありまするから、私は推して知ることができるというように考えているわけであります。しかもガス爆発でございますから、もし予想される震度六以上の東海大地震が来たら惨たんたるものであっただろうし、また隣には清水市という大都会もあるし、あるいはまた静岡県がすっぽり全部強化地域にはまっているわけでございますから、そういう意味では将来大変な惨事になるだろう、私はこう思うのでございます。したがって、先ほども意見が出ておったように、近隣都市の藤枝でガス事故が起きたばかりなのに、法改正を含めて行政の対応がなさ過ぎたのではないかというように考えるわけでありまするけれども、ちょうど国土庁長官と自治大臣——自治大臣は見えませんか、呼んでください。この問題についてどうお考えになりますか。
  117. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) ただいま青木先生からの御質問でございまして、私がこの静岡災害が起こったことについて直ちに考えたのは、静岡ガス爆発もまことに不幸であるが、これがまた予想されておるいわゆる静岡・関東大震災であった場合にどういうふうに影響があるかということをすぐ私も同様に考えさせられたところであります。これはガス爆発も大変でしたですが、震災となればまたこれに何百倍の大災害となるおそれなしとしないのでありますから、この静岡爆発をいい教訓として震災、地震の対策もこれからやっていきたいと考えております。  九月一日には、御承知のように、今度いよいよそういう予備訓練も大々的にやることにもなっております。大体五百万人ぐらいを動員して小学生から家庭から、もちろん政府機関、地方公共団体一丸となって、九月一白を期してこの大予行演習、震災対策の予行演習をやることになっております。いろいろそれについて細かいことも考えて万遺漏なきを期したいと、こう思っておるわけでございます。
  118. 青木薪次

    青木薪次君 静岡市のゴールデン地下街静岡駅から県庁方面に買い物に行き交う人でごった返すところでありますけれども、この地下道には屋内消火栓が四カ所ございます。それから防火戸が二カ所あって、ほとんど閉めたことがないんです。地下街の各ビルにも防火戸があり、屋内消火栓があり、避難器具などがあるんですけれども、防火戸などは手動式で手で動かす。現行の建築基準法では手動式の場合においては常時閉鎖しておくか、それから煙感知器と連動させるかにすべきであるとされているわけでありますから、これも違反していると思うんですね。  それから再三にわたって改善を勧告されておったんですけれども地下街の整備が各店ごとにばらばらに行われましてガス管の敷設も勝手に行われてきたんです。結局事故のもとにこれがなったと思うのでありますが、昭和五十四年度の「消防白書」によれば、特殊災害対策として高層建築物地下街を挙げているのでありますが、「公益上やむを得ないものの他、新築、増築は今後厳に抑制する」ということになっているんです。  で、各種の消防法令の基準が強化されておりますことも御案内のとおりでありますが、それには誘導灯やそれから放送設備の設置、大規模のものについてはスプリンクラーの義務づけがあるんです。しかしこの大惨事になったゴールデン地下街地下街ではないというんです。今日あのようなりっぱな地下街、それこそ公道の両側に設けられた地下のいわゆる繁華街、こういうものについて地下街ではないというんだけれども、これも七不思議の一つみたいになっているんですが、地下街でない理由をひとつ建設省に建築基準法の立場から簡単に説明してもらいたい。
  119. 上田康二

    説明員(上田康二君) 建築基準法には地下街について特に定義はしておりませんけれども、解釈といたしまして、公共施設の下に店舗がある場合だけを地下街と言っております。静岡ゴールデン街の場合は建築物地下部分地下道に面しているという特殊な形態をしているものでございまして、建築基準法で言っている狭い意味地下街には該当しないということでございます。
  120. 青木薪次

    青木薪次君 ただいまの建設省の御意見でありますけれども、これも実態とは相当遊離した議論だと思うんですよ。そういう議論だけで今後とも過ごすおつもりでいらっしゃいますか。
  121. 上田康二

    説明員(上田康二君) 建築基準法の体系では、建築物地下地下として防火、避難等の防災面で地上より相当厳しい規制がございますので、これらの建築物地下部分の規制の対象から外れる公共施設の下の部分は別の規制の仕方をしているということでこういうことが起こったわけでございますが、これに類似のいわゆる地下街に準ずる形態上は地下街と何ら変わりない、こういうものにつきましては、今後は地下街と同様な、地下街に準じた対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
  122. 青木薪次

    青木薪次君 地下街と規定する中で、ゴールデン地下街よりもまだ非常に程度の低いといいますか、金のかかっていないこれこそ地下道、地階と言った方がいいじゃないかと思われるものに沼津の地下街があるんですよ。これは地下街と認定されている。片方のゴールデン地下街は、これは地下なんですが、この地下というのも国鉄静岡駅に連動している。しかも国道一号線の下を通っている。しかも呉服町の繁華街の下、歩道の下、車道の下を通っているんですよ。そういう公道の両サイドにできた地下の繁華街を何で建築基準法の立場から地下街と言わなかったんですか、無理があったんじゃないですか。
  123. 上田康二

    説明員(上田康二君) この点は、先ほど御説明いたしましたように、建築基準法の体系の中では、従来から建築物地下部分地下部分として規制をやってきたということの関係公共施設の下だけを地下街というふうに考えて規定がつくられているということでございますが、この点につきましては、静岡ゴールデン街のような形態のもの、これは全国的に見ますと数は少ないと思いますけれども、しかし防災対策上は非常に重要なものでございまして、今後は地下街に準ずる対応をしていかなければいけないというふうに反省している次第でございます。
  124. 青木薪次

    青木薪次君 ですから当然地下街とすべきものであったというように何で言えないんですか。
  125. 上田康二

    説明員(上田康二君) これは地下街に準ずる形態のものというのはいろんな段階のものがあろうかと思います。たとえば地下鉄の駅からビル地下につながっている形態のもの、あるいは純粋の地下ビルであって一般の通行人がそこを通り抜けるようなもの、いろいろなものについて今後建築基準法の体系全体を含めましてそういうものをどういうふうに扱っていくべきか、先生御指摘のような地下街という概念でこのゴールデン地下街のようなものも含めるべきか。いずれにしても、私が申し上げているのは、対策面では建築物地下部分といわゆる地下街的なこういうゴールデン街のような場合とバランスがとれるような形で今後は考えていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
  126. 青木薪次

    青木薪次君 建築基準法施行令の「地下街」という中で、百二十八条の三に、「地下街の各構えは、次の各号に該当する地下道に二メートル以上接しなければならない。」ということで、一号から二号、三号、四号、五号、六号と以下ずっと細かく書いてあるわけです。これを見ましても、たとえば幅が五メートル以上あるかどうかというようなこととか、天井までの高さが三メートル以上あるかどうかとか、あるいはまた長さが六十メートルを超える地下道がどうだとかこうだとかということを見た場合においてもそれぞれ適合していると思うんですよ。ただ、指導課長のおっしゃるのは公共物の下にあるかないかなんです。そんな三百代言みたいなことを言っている時代ではない、私はそう思うんですよ。ですから、あなたがうなずいていらっしゃるように、この問題でそういう答弁だけ繰り返しているのは官僚型答弁である。消防庁どうですか、長官、このことについて答弁してください。
  127. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 地下街の定義につきましては、消防法の方でも建設省のいま申しましたような考え方と一応同じてございます。  ただ、現実問題といたしまして、地下街と全く類似しておるような形態のもの、たとえば静岡ゴールデン街もその種のものであろうと思いますが、そういったものにつきましては、当然地下街と同じような消防、防災上の予防措置を講じなければならないということで、消防法におきましては、地下街ではないために、その地下道の部分についてだけは消防法の規制が及んでおらないという面がございますけれどもゴールデン街の場合などはこれは全く一つのものとして対策を講ずべきであるという見地から、静岡消防局におきましても、その地下部分についてもたとえばスプリンクラーを設置するようにということで指導はしておりました。ただしかし、消防法の場合は、御承知のように、火災ということが中心でございましたので、今度のガス爆発には対応できなかったことは非常に残念に思います。
  128. 青木薪次

    青木薪次君 昭和四十九年に消防法が改正になりましたね。その後地下街の洗い直しがあったんですよ。その中で昭和五十一年から五十三年にかけて、静岡消防本部とそれから国、この場合消防庁ですね、消防庁との間で静岡ゴールデン地下街消防法に定める地下街にしようじゃないかという話が真剣に行われた事実を知っていますか。
  129. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 静岡消防本部消防庁との間におきましてこのゴールデン街地下街と認定するかどうかについていろいろ御相談したことは事実でございます。ただ、消防法の規定によりまして地下街というものが一応定義されております。これは繰り返しませんけれども、先ほど建設省から説明があったものと実質的には同様でございます。したがいまして、正面からこれには該当しないけれども実情から見ましてまさに地下街に類似するということで、このゴールデン街におけるところの消防、防火用の施設の整備、それから管理、そういったものについては地下街並みに取り扱うよう静岡市の消防局は指導しておりました。
  130. 青木薪次

    青木薪次君 そうしますと、全国でいわゆる地下街というものは幾つあるんですか。
  131. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 法律の規定にもろに該当するというか、全く適合する地下街というのは六十一でございますが、そのほかに地下街類似のものというのは相当あります。現在それにつきまして一斉調査実施中でございます。
  132. 青木薪次

    青木薪次君 法規制を受ける地下街というのについてこのごろになって急に準地下街なんていうものが出てきたんですけれども、いわゆる法規制を受ける地下街は幾つあるんですか。
  133. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) いわゆる準地下街と称するものにつきましては、実態が地下街に類似するものについては個々に消防本部がそれについて消防法上の規制に類似した措置をとるよう指導しておるわけでございますが、その実態を現在の段階では正確に把握しておりませんので今回一斉調査をしておるところでございます。
  134. 青木薪次

    青木薪次君 いや、それが問題なんですよ。先ほどちょっと申し上げたんだけれども静岡のこのゴールデン地下街だなんていうのは、県庁に行く通り、それから常にあかずのいわゆる地下道、そういうものの両方にこのゴールデン地下街があってそれが単なる地下ですよ。それから沼津の駅前の——駅前といってもずっと離れたところなんですけれども、ここは地下街になっているんですよ。  聞くところによりますと、私は消防の人に聞いたんですけれども、スプリンクラーつけたり、やれガス漏れ警報器をつけたり、やれ放送装置をつけたりなんかすると金がかかるから、実際この際地下街でない方がいいというような話が出て、まあそれならひとつ消防庁もこの際目をつぶろうかということで地下街でなくなったという話を聞いておりますけれども、この点いかがですか。
  135. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) ゴールデン街の場合には、その構造からいたしまして、まさにビル地下室を通路でもって結んでおるというような形で、消防法の体系からいたしますと、ビルはそれぞれのビルにつきまして地下地上部分を含めまして一つの防火対象物として防火対策を講ずるというたてまえになっております。したがいまして、法律で規定しておる地下街の定義にはあの場合には当てはまらないであろうという結論でございます。ただしかし現実は、特に静岡ゴールデン街の場合にはまさに地下街類似でございますので、地下街類似の措置を講ずべきであるということで指導をしたという経緯でございます。
  136. 青木薪次

    青木薪次君 公道の下に地下が並んでいる、したがってそのビルごとに地下をつくってそれが地下街という様相になった、しかし法律上はビルごとの道路に、公道に面してつくられたいわゆる各地下の連続した姿、まあこんなことでも言わなければこれは理屈が立たない。しかしそういうところにこそ法の強制力を発揮しませんと今回のような状態になるということを指摘せざるを得ないんですよ。したがいまして、この面については、消防庁並びに消防本部としては、勧告とか指導といっても、書面でお願いする程度になってしまって法の強制力なんてことはないと思うんですけれども、いかがですか、その点。
  137. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) まさに御指摘のとおりでございます。この事故を契機にいたしまして、そういったものについてもやはり地下街と同じように、あるいは地下街に含めて法規制すべきであるかどうかということを検討しております。その前提といたしまして、こういったものが全国どの程度にあるかということを先ほども申しましたように現在一斉調査しておるところでございます。
  138. 青木薪次

    青木薪次君 いま申し上げましたように、商店主とか地主さんが各ブロックごとにビルを建ててそしてその地下に商店と地下道をつくっている、こういうことなんですがね。実態としてはこれはすばらしい地下街であったというように私どもは考えているんですけれども、建築確認申請も地下街全体として行われていないために建築基準法上の地下街ではないと言うけれども、防災建築街区造成法に基づいて建てたと思うんであります。この点、建築指導課長、いかがですか。
  139. 上田康二

    説明員(上田康二君) 御指摘のとおり防災建築街区造成事業としてやった事業でございます。
  140. 青木薪次

    青木薪次君 そうしますと、これは国や県や市からも、その法律に基づいてつくられた地下街であるから、補助金をもらっていると思うんですけれども、幾らぐらい補助金を出しましたか。
  141. 上田康二

    説明員(上田康二君) その点につきましては資料を持っておりません。そういう補助金が出ていることは承知しておりますが、その詳細については現在資料がございませんので……。
  142. 青木薪次

    青木薪次君 それは資料として出してください。
  143. 上田康二

    説明員(上田康二君) 私どもの直接の担当でございませんので、そういうふうに計らうよう担当の方に伝えたいと思います。
  144. 青木薪次

    青木薪次君 これは昭和三十九年から建設が始まって昭和四十七年に完成しているというように理解してよろしゅうございますか。
  145. 上田康二

    説明員(上田康二君) 三十八年から建設が始まって全体としては四十五年に完成したというふうに私は記憶しておりますが、この点につきましても多少ずれがあるかもしれませんが、大体そのぐらいの期間に建設されているように承知いたしております。
  146. 青木薪次

    青木薪次君 建築基準法の政令改正は、昭和四十八年に二百四十二号として地下街の規制をし防災関係の規定を定めていると思うんですね。したがって、その時点で建てられたものであるとするならば、この建築基準法の政令二百四十二号によって規制されると思うんですけれども、いかがですか。
  147. 上田康二

    説明員(上田康二君) その点に関しましては、先ほど申し上げましたように、これは現行建築基準法では地下街に該当いたしませんので、地下街の規定がそのまま適用になるものではないというふうに考えております。
  148. 青木薪次

    青木薪次君 地下街関係について建築基準法上防災関係の規定を当てはめないとするならば、準用すべきであるというように考えておりますけれども、その点についてはいかがですか。
  149. 上田康二

    説明員(上田康二君) 一般的に申しまして、こういう防火、避難関係ビルの防災関係の規定が強化されましたのは、昭和四十四年、四十五年あたりからでございまして、それ以降のものにつきましては、こういうものが出ればそれなりに準じた行政指導が行われておると思いますけれども、その当時はそういう防災意識がそれほど強くなかったということで、そういう面は準じた措置は何もやっていないというふうに思います。  それからいまの御指摘、四十八年の改正時において準用すべきであったというお話でございますが、この点につきましても、そういう地下街ではないけれども地下街に準じた形態のものというものを特に意識して行政指導等を考えておりませんでしたので、今回そういうことについて反省しているわけでございまして、その当時は準用ということまで考えておらないということでございます。
  150. 青木薪次

    青木薪次君 地下街経過については、これは消防庁長官にお伺いしたいと思いますけれども、昭和四十三年の消防法八条の段階で防火管理者の規定なんかをした時点があったんでありますけれども、先ほどからあなたの御答弁にありましたように、火災ということを重視して、そしてガス爆発といったようなことや地下街の規定という問題についてはなかったわけですよ、私も調べてみたんです。「学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるもの」となって政令で定めているのでありますけれども、大規模な小売店舗とか、そういうものはあったんだけれども、遺憾ながら地下街の規定がない。昭和四十三年にやはり消防法八条の二が追加をされました。この中で地下街についての初めての規定ができまして、地下街に防火管理者を置く、消防計画の作成義務づけをする。ただし、このときも設備面での義務規定が特に地下街についてはないわけですね。それだけこの地下防災という関係について所管庁の対応が非常に甘かった。そこで、昭和四十九年に地下街について初めて防火管理者や設備面での規定ができたわけであります。この中で施行令別表一の(十六の二)にこれが該当されてきたわけですよ。したがって、この(十六の二)項というのは、それぞれ各対象のいま言った消防法八条に言うものについてその制限人数はどれだけにするとかなんとかいろいろな細かいことが載せられているわけです。  で、この問題について消防法の今日この問題に対する対応が非常に甘かったために、ある意味ではこういう結果というものが招来されているというように考えているわけでありますけれども、この点いかがですか。
  151. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) まさに先生御指摘のとおりでございます。世の中の移り変わりに従いまして災害の態様、形態等が変わってまいりますので、消防としてはそれに対応する義務があるわけでございます。地下街、高層建築物、こういったものがこの数年の間にわが国の都市に非常に普及してまいりました。それに対応して消防法も改正したわけでございますが、これも先ほど先生御指摘のように、消防法そのものが大体火災ということを重点にいたしております。なお、ガスにつきましては、ガス事業法そのものが消防等の関与というものを全部排除しておるというような関係もございまして、ただガス爆発によって被害を受ける、あるいはガス爆発を起因として火災が起きるというような場合には、当然消防出動してやらなければなりません。しかし防火対象物につきましてそういったことを想定しての設備がなされておったかということになりますと、まことに手抜かりであったと申し上げなければならないと思います。私どもといたしましては、こういった地下街その他必要なところがあると思いますけれどもガス漏れに対する防災用の設備の義務づけというものをこの際考えるべきではないかということで検討いたしております。
  152. 青木薪次

    青木薪次君 私の意見とそう違わないようでありますから、そういう意味では将来この地下防災という問題について真剣にひとつ考えてもらうようにしてもらいたいと思うのであります。  自治大臣、いま消防庁長官も言われたし、それから通産省の方も地下ガス爆発に対する対応については相当反省していらっしゃるように考えているわけであります。私は消防庁消防予一六一号と消防予一六五号、これをこの間見たのでありますけれども、実質的に地下街に相当するものと解釈していいと思うのでありますけれども、いかがですか。
  153. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 私どもの方で出しました通達の番号かと思います、一六一、一六五というのは。この通達におきましては、地下街のみならず地下街に類似する一切のものについての調査を行っておるところでございます。
  154. 青木薪次

    青木薪次君 ゴールデン地下街はいま仕事を停止しておりますが、生活権の問題もあるし、いろいろありますので、これから再開する条件が話し合われているようであります。実質的に地下街と同じような扱いをするということで相当話が進んでいるようでありますから、消防庁にもこのことについてひとつ関与してもらって、実質的に地下街ということになるように自治大臣にひとつ指導してもらいたい、こう思います。
  155. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 今回事故を起こしました静岡駅前のいわゆるゴールデン街地下相当部分、そこに消防法令上の地下街という規定が適用になるかどうか疑問でありまして、そのまま適用になるとは申せないと思います。地下街に関する規定が適用になりましても、このたびのようなガス爆発事故には対応できなかったかもしれません。しかも地下街適用もないということでありましたので、復興をお急ぎになる方にあれこれ法律上とやこう強制はできませんけれども国土庁の方の御尽力によりまして、現地で、県なり市、さらにガス会社関係者が御参加の上で、法令等はともかくとして、今回の復興だけについてはこういう方針でやろうということをお決め願ったようであります。応急の措置はそういうことで措置してまいりたいと考えておりますが、根本的にはよく通産省等にも消防上の見地からの要求を申し上げ、できるだけこのような災害が起こらないように配慮してまいりたいと考えております。
  156. 青木薪次

    青木薪次君 大臣、そういうことを私は聞いているのじゃないのです。あなたはいままでお見えにならなかったからあれなんですけれども地下街という問題については準地下街という名前さえ今日出てきているのですよ。いままでそういう名前はなかった。ところが、一六一号、一六五号というあなたの所管の消防庁長官の名前によって通達が出て、実質的にスプリンクラーからそれこそいろんなすべての問題について対応するような方向になってきて、調査が進んでいるというように解釈しているので、そういう方向でやってもらいたいということを言っているわけです。  それからガス関係については、審議官はさっき中部電力もすぐ来たということを言ったけれども、その後で第一ビル付近では停電していないというんですから、その辺はすぐ来たじゃないんですよ。これは私よく知っているけれどもね。  それから静岡瓦斯対応中心なんですけれども、これは一〇〇%感知したという。ガス漏れについてそういう事態もあるし、それから現実問題として、先ほど熊谷委員が六者会談の質問をしましたけれども、導管事故緊急対策要領、この中に静岡瓦斯会社が対応しなきゃならぬものを細かく書いてあるわけですよ。特に特別出動体制なんというものについてはこれはすばらしくよくできておる。これがたった一人だということではこれは解せないわけですよ。これはもう全く完璧です、ここに書いてあるものは。時間がないから読みません。  ただこの第二条に「緊急措置とは、事故に伴う二次災害防止のため、緊急に処置を要する作業をいう。」と書いてあるのですよ。これは一条が「目的」で二条が「定義」、「定義」の中にこれが書いてあるのですから、これは大変なことだと言わなきゃならぬと思うわけです。  それから保安規程をここに持ってきております。保安規程はガス漏れに対する静岡瓦斯の内部規程なんですよ。ですから、こういう問題について私は一々質問していく時間がございませんけれども、これを守ってないということについては認めますか。
  157. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) まず中部電力の件でございますけれども、中部電力といたしましては、通知後現場には実際に出ておりますし、行った者が第二次災害に実は遭っておりますので、現場に行ったことは間違いないと思います。そういうことで「ちゃっきり鮨」の第一次爆発現場の停電は検電器で確認したというのは記録に残っております。ただ、第一ビル全体を停電させるという作業をする前に倒れたと、そういうことでございます。  それからガス会社のいわゆる初動体制の問題でございますが、パトロールしている者がまず一人参りまして、現場調査と応急処置ということをまずやったわけでございますが、これは先ほど来お話申し上げましたようにガス漏れの初動捜査でございまして、大量のガス流出によるいわゆる二次災害防止といういま先生おっしゃいました導管事故緊急対策要領に基づく動作というふうにはとっておらなかったわけでありまして、そこのところが非常に問題で、私個人としてはその辺非常に問題にしております。大量流出が検知されれば恐らくその導管事故緊急対策に移ったのではないかというふうに思いまして、その辺の判断の仕方、それから実際の検知ができなかったという問題について、われわれももっとよい方法で検知できるような仕方、それからガス漏れの検知の仕方等々につきましてただいま反省しているところでございます。
  158. 青木薪次

    青木薪次君 先ほどのガスの供給管は確かに法律によって上からとめることになっているんです。とめることになっているんだけれども、私が問題にしておりますのは、いわゆる紺屋町のブロック全体なんですよ。だから元をとめておらないから、またストックバルブがないために、幾ら枝の方をとめてみても、元からガスが漏れておったんではガスなんかとまるわけないですよ。あなた、現実を私ども知っているんだからそういうような答弁をされては困るわけだ、内容をよく知っているんだから。だから、本管から漏れたのが地下へ行って、それから一階の方へ行った、それからいろんなパイプを通じて五階にも四階にも三階にもみんな行ったというように解すべきであって、第一爆発のメタンガスであるとかないとかという問題とはこれは違った問題だというように解釈しているわけですが、いかがですか。
  159. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 先生おっしゃるとおり、第二次災害の防止という点について申し上げているつもりでございますけれども、第一次の災害において第二次災害の遠因となったと推定されます都市ガスがどこから出ていたか、先ほど申し上げましたように、ガス爆発がございますと、ガス管が切れますと、大体そこから火が出る、それから大きな音がする、それから臭さが出るという三つの条件が大体あるわけでございますが、消防現地に行った担当者につきましても、そういうことがはっきり認知できなかった。よって大量の都市ガスの流出というのが検知できなかった。もしできれば当然その地下街用の遮断弁がございますので、遮断弁を閉止するという操作に入ったと思うわけでございます。そういうことで、なぜそれが検知できなかったかというところがちょっとわれわれとしても疑問に思っている点でございます。
  160. 青木薪次

    青木薪次君 ガスのにおいは、私は聞いたんだけれども、ナフサが原料であったり、LPGが原料であったりすればにおいはなくなるんですよ。だからにおいということだけで断定せずに、ガス検知器といったようなもの、それから警報装置というようなものを備えつけるようにひとつ指導してもらいたいということ。  それから静岡の県知事が県でも権限の問題については立入検査ができるような指導要綱をつくっていまやっているわけです、準備を急いでいるわけですよ。この点についてひとつ両大臣に、私はこのことは正しいと思うんでありますけれども、どうお考えになりますかお聞きしたいと思います。
  161. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) ただいま先生から御指摘がありました、県が指導要綱というものをつくりまして、とりあえず法令改正の前でも、保安上あるいは防災対策上の見地から、地方公共団体が関与し安全の万全を期するというようなことを考えておるというのは私ども新聞紙上等で承知をしております。こういった要綱による規制というのをどのように評価するかというのはなかなかむずかしい問題があると思いますけれども、何はともあれ、こういった事故の再発を防止するというのは非常に大事な問題でございますから、県の要綱等についてなお実情をいろいろ調べてみたいと、かように考えております。
  162. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) ただいま柴田審議官からお答え申し上げたとおり、私どもも県の方でそういった動きがあるということを存じております。ただ、私は基本的には、こういう問題、しかも消防職団員がこれだけ犠牲を出しておるという状況のもとで、消防としてははっきりと権限として与えられるということが必要なんじゃなかろうか、こういうガス事業について消防機関が発言することができるような体制に持っていくということが必要ではなかろうかと思っております。  なお、県の動きにつきましては今後とも県と十分連絡をとっていきたいと思います。
  163. 青木薪次

    青木薪次君 最後に、都市ガスに対する指導監督の権限を地方の県なり市に与えるということについては、これはもう議論の段階じゃないように実は考えているわけです。もちろんそうかといって、通産省が関与しなくてもいいんだということじゃないんですけれども資源エネルギー問題を広範にいろいろ指導監督をせにゃならぬということであるとするならば、それだけの理由でこの監督権限を放さないとするならば、これは間違いだ。静岡県の東海瓦斯なんというものは、むしろ売り上げについては静岡瓦斯よりも多いんですからね、LPGの関係で。したがって、その辺では私はもう今日議論の余地のないところであると考えますけれども、この問題については県民感情もあるし、また第二第三のこういう惨事を起こさないようにするためにはみんなで共同して為政者がこれに当たるということを確認し、このことを要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
  164. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 今回のガス爆発の大惨事によって事故に遭われた罹災者に対してはお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々に対しては心より冥福をお祈り申し上げる次第でございます。二度と再びこういう事故はあってはならないし、起こしてはならないと私は思います。  こうした意味を含めて関係省庁にお尋ねしますので、素直に答弁をお願いしたいわけでございます。また、先ほどもお話ありましたが、ガス爆発であのような大惨事になったわけでございますので、私としてもガス事業者にいろいろお聞きしたかったわけでございます。何も追及して傷めようとかなんとか、そういう意味じゃなくて、お聞きしたかったわけでございますけれども、きょう来られないということで非常に残念でございますが、監督官庁が公益事業部の方でございますので、ガス会社の方のお尋ねは公益事業部長にしたいと思います。  最初に、警察庁でございますけれども事故が起きてからもう十二日たっておりますけれども、早急に事故原因はこうであると断定するとかということはできないと思いますけれども、遠因と考えられるもの、推測してこうであると思われるもの、そういう点についてお話し願いたいと思います。
  165. 長尾良次

    説明員長尾良次君) お答えします。  いま先生、推定してこうだ、遠因としてどうだということでございますが、少なくとも私どもこの事故原因につきまして究明した上、刑事責任があるのかないのか、あるとすればどの程度だれにあるのかということを明らかにする立場でございますので、十分捜査をしました後はっきりしました段階で断定的なことは言わしていただきたいというふうに考えております。  ただ、現在の段階推定して申し上げることができますことは、先ほど言いましたように、第一回目の爆発は、通称第一ビル地下街の「ちゃっきり鮨」ですか、それと喫茶店キャット周辺地下床下に滞留した可燃性ガスに何らかのかげんにより引火、爆発したのではないかということが考えられる。それがまた第二の爆発につながっておるというふうなことは言えるんではないか。ただ、私どもも早く地下街が復申しましてできるだけ速やかに検証を終え、鑑定をした結果捜査を終結させねばならぬとは考えております。そのため鋭意努力はいたしております。
  166. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 ガス漏れ通報を受けて保安出動した静岡瓦斯関係者は一名と聞いておりますけれども、公益事業部長の方ではいろいろ聞いておられると思いますが、これは間違いないですか。
  167. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) パトロールに出ておりました一人が現場に到着してその対応に当たったと、こういうふうに聞いております。
  168. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 われわれ通常考えるのに、また常識的な対応策として、現場に駆けつけるのにパトロール一人で行くというのは、こは根本的に無理があるんじゃないか。誤りとは言いませんけれども無理があるんじゃないか、こういうように思いますけれども、この点どうですか。
  169. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) パトロールの業務がどういう業務をさせるものかということに関連があろうかと思いますが、通常のパトロールにおきまして、ガス漏れ対応もやっておるわけでございますけれども、器材を積んだ自動車によりまして通報ごとにまず現場に行き、一人で応急手当てをするということで、従来相当件数の実績を上げております。それからさらに一人では間に合わない場合には応援を求めて対処するということも年に二、三件あるように聞いております。そういう意味で、パトロールが一人であるということにつきましては、従来のガス漏れの防止の作業と対応の作業ということにつきましては、別に一人ではいけないということは言えないのではないかと思います。  ただ、今回の問題、いろいろな結果論的な感じでございますけれども、その対応につきましては、その後の担当者の営業所に対しての報告等々から察知いたしまして、もうちょっと早い行動、処置がとられればよかったのではないかと、私個人としては考えております。
  170. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それでは、ここに静岡瓦斯保安規程がありますけれども、その四十八条の二ですか、「事故発生時の体制」「事故発生時には、事故拡大の防止及び復旧のため、あらかじめ保安統括者が」——保安統括者というのはこれは所長ですね。「事故程度に応じて定めた体制(導管に係る事故の場合には、別に定める「導管事故緊急対策要領」)に基づき、可及的速やかに措置するものとする。」と、こういう規定があるわけです。こう規定されておりますけれども、ここで一人で行ったというのは検知も、報告もしなければならぬ。所長がどういう体制をとってどういうふうに指示を流すかは報告を聞かなければできないわけです。現実の問題として一人で行ったときにはもうすでに爆発をしているわけです。  そこでお聞きしたいのは、大体第一次爆発後二十数分あったけれども、その間にこの一人の人がどんな報告を、またいつどういうふうに報告したのか、その辺をお聞きしたいんです。
  171. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 現地に参りまして、その第一回目の爆発現場におきまして調査をいたしました後、無線で連絡した時刻ははっきりいたしませんけれども現場から直ちに無線で、ガス漏れではない、ただガス漏れではないようだがFID、これは精密なガス検知器でございますが、それからサーミスター、これは高濃度のガスを測定する機械でございますが、それを持って上司に来てほしいということで連絡が来ております。
  172. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 私は、今回の大惨事は、これは天災とか不慮の災害ではなくて、これはまさしく人災だと、こういうように思うんです。地下街ガスを使っていること自体非常に危険であり、これも問題ですけれども、それよりも、ゴールデン地下街にはガス本管と供給管との境に遮断用バルブがあったが、通報で駆けつけた静岡瓦斯の職員はいま言ったように一人、しかもガス漏れ個所の検知に手間取り、バルブを締めたのは二回目の大爆発のあった後。第一回目小爆発からその第二回目の、大爆発まで二十五分、さらに本格的作業が始まったのは通報から一時間以上もたった十時十四分、完全にとまったのは午後一時十五分。これでは私が考えれば非常にスローモーだと思うんです。  その上、これも静岡瓦斯で聞いたんですけれども静岡瓦斯株式会社の静岡営業所では、六月二日から事故前日の八月十五日まで、この間にガス漏れ通報の受け付け件数は六十五件だそうです。その内容はいろいろあると思いますけれども、六十五件というと大体一日に一件と、こういう勘定になるわけです。われわれ素人は、ガスに対して非常にこわいものだ、これは大変なものだと、こういう素人なりに強い恐怖感を私たちは持っておりますけれども、これは勘ぐりかもしれませんが、毎日取り扱う者としてガス会社のパトロールがガスに対して多少の気の緩みがあったんじゃないか、こういうふうに思われますし、また極端に言えばガス漏れに対して軽視をしていたんじゃないか、こういうふうにも思わざるを得ないわけです。  そこでお聞きしたいのは、この危険なガスの取り扱いについて監督官庁としてどういう指導をしているのか、また静岡瓦斯の方として訓練教育を会社自体としてどうやっているのか、この辺をお聞きしたいと思います。
  173. 安田佳三

    説明員安田佳三君) ガス会社に対します監督といたしましては、一つ保安規程の問題がございます。ガス事業法三十条の規定に基づきましてガス会社保安規程を定めまして、それを通産省に届け出るということになっておるわけでございます。この保安規程は、先生もお持ちのようでございますが、さらにガス漏れの場合にはどのように対処するか、あるいは導管の事故の場合にはどういうふうに対処するか、あるいは他工事を実施する場合にどのように対処するか等につきましては、別途要領を設けさしましてその要領に従って行動するようにしているわけでございます。  他方、ガス工作物の保安につきましては、消費者の所有に係るものを含めまして、それはガス事業者に一元的に保安責任を課しております。条文は引用いたしませんが、技術基準適合義務の付加をするとか、工事計画の認可、使用前検査、定期検査等々を規定いたしますとともに、必要に応じまして技術基準適合命令等も行うことにいたしているわけであります。  もう一つ消費機器の保安につきましては、これはガス用品の検定制度を設けまして、さらに技術基準適合状況について調査する義務、あるいは基準適合命令を出すなどの措置を講じて保安の確保に努めているところでございます。
  174. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 そういうことはわかっているんです。わかっているけれども、この危険ということに対する意識ですね、教育の面ではどういうふうに具体的にやっているのかということを聞いているわけです。
  175. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 先ほど申し忘れましたが、もう一つ保安に関する教育訓練がございます。この教育訓練の内容につきましても保安規程に定められているところでございますが、その内容といたしましては、ガス工作物の工事、維持、運用に関する知識技能の習得、ガス工作物の工事、維持、運用の業務に従事する者としての基本的心構え、それから保安意識の徹底強化ということ、さらには非常災害時の措置に関する事項等々につきまして教育訓練を実施しております。  そして、静岡瓦斯から聴取したところによりますと、これらの四項目の教育訓練の実施につきましては、年間計画を作成いたしまして、会社内部におきます講習、あるいは職業訓練校、瓦斯協会等が実施する講習会等への参加等を通じまして保安に関する教育訓練を実施しているということでございます。
  176. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 次に、ガス工作物の技術上の基準の細目を定める告示の八十七条、ここに導管のガス漏洩検査の方法が定めてられておりますけれども、埋設の場合の水柱ゲージ、露出部分の発泡液検査、その上検知器あるいは臭気での確認を十分やっておれば、私は少なくともあの第二次爆発は防ぐことができたんではないかとも考えられます。  加えて、先ほどもお話ありましたけれども、一人のパトロールが行った際に器材の備えはどうだったか。ちょっとお話ありましたけれども、あの優秀なFIDというんですか、そういう器械を持っていたのかどうなのか、その辺についてどうだったのか。
  177. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 緊急車には常時具備すべき積載工具が決まっております。バルブ開閉器とかガス検知器、ボーリングバー等々あるわけでございますけれども、それは常に積載しておりまして、いまおっしゃいましたFIDはつけておりません。したがいまして、このガス検知器はこれはハンディなものでございまして、それでもってまず検知をする、そういうことでございます。
  178. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それじゃ重ねてお伺いしますけれども、今回の静岡瓦斯会社の場合ですけれども、全体で十台のいわゆるパトロールカー、静岡営業所配属は私は三台だと聞いております。この保安車両があったと聞いておりますけれども静岡営業所のいわゆる需要家数ですか、これは六万五千。常識で考えてこの三台で、しかも保安要員というのは八人だそうです、それで緊急出動を業務とする立場から十分と言えるかどうか、これは通産省どうですか。
  179. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 緊急車三台、それから工作車が八台ということになっておりまして、当日その当番に当たっておりましたのは八人ということでございますが、緊急事態によりまして、その事態によって招集をいたしまして対応するということにしております。従来ガス漏れのいろいろな対応もございましたけれども、そういうことの体制で十分従来やってきた実績があるわけでございます。
  180. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 車だから故障するときもある。そういうときはどうするんですか。
  181. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 常時二台がパトロールすることになっておりまして、三台持っておりますので、一台予備ということにもなりますし、また工作車自身も無線を持っておりますのでその代用をすることができようかと思います。
  182. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それじゃそれで十分間に合うと、こういうふうに判断しているわけですか、そういうふうに理解していいですか。
  183. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 通常のガス漏れ対応工事についてはそれで十分対応できるというふうに考えております。
  184. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それでは先ほども話が出ましたけれども、次に、ガス事業法によると、三年に一回以上、配管からガスが漏れていないか、使用者が勝手に工作していないか、これを調べる内管検査を実施することになっている。これは御承知だと思いますけれども、この点について、先ほどの答弁では、あの第一ビル近辺で最近行ったのは五十五年の一月十一日と五十五年の一月十四日と、こういうふうに聞いておりますが、これは三年に一回のその一回だと、こういうふうに私は理解しているんですけれども、そうするとこの五十五年の一月十一日の前に行われたのはいつですか。
  185. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) その前の検査は五十二年の一月二十五日、それから二十六日、おのおのテナントによってちょっとその辺が違いますけれども、ちょうど三年前にやっております。
  186. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 この検査ですけれども、検査をしたという検査済みとか、また調査済みとか、そういう何か証拠を残すんですか。
  187. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 検査した後はその記録が残っております。
  188. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 どこに残っていますか。
  189. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) ガス会社に保存しております。
  190. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 ガス会社に残っているというのは日報で残っているのか、それとも現場でそこへ張りつけて残しておくのか、どうなんですか。
  191. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) その伝票の名前はちょっと正確にはわかりませんが、たしか検査票だと思いますが、検査票のようなものに検査した者が実際に書き込みまして、それでそれを持って責任者に報告し、責任者のたしか捺印もあったかと思います。
  192. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 私がお聞きしたいのは、三年に一回以上と、こうなっているわけです。これはおわかりですね。三年に一回以上で、いま数字から言えば五十二年から五十五年で三年に一回、これはいいんですけれども、それじゃこういう規定を決めて、それを通産省にガス事業者報告する義務があるのかないのか。
  193. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) それを通産省に報告する義務規定はございません。しかしながらガス漏れの発見されたような場合にはその件数を報告するということになっております。
  194. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 三年に一回以上検査をしなければならないと決めておいて、それで通産省の方では報告しなければならないというペナルティーも何もないということになると、これはつくりっ放し、言いっ放しということになりますね。極端に言えばやらなくても済むと、こういうことになってくる。なぜ三年に一回以上やらなければならないのか。こういうふうに決めたというのは、要するに事前防止のためにこういう事故があってはならないから検査をして、そしてそれに対応していこうということでつくったわけでしょう、これは。それがペナルティーもない、報告する義務もない。  先ほど国土庁長官が言っておりましたけれども、質問に対して、三年に一回というのは少ないからもっと頻繁にやると、こういうお話でしたね。三年に一回では少ないから頻繁にやるという国土庁長官のお話だったけれども、私は議事録を見たら、藤枝事故のときにも、このときは資源エネルギー庁の公益事業部長は豊島さんですか、この人がはっきりと国会で答弁しているんです。それは、いままで三年に一回だったけれども、もっと頻繁にやるように指導いたしますと。そういうことになると、けさからお話しになっているように、そういうことを決めておきながらそれが生かされていない、したがってこういう事故がまた起きてくる、こういうことに私はなると思います。国土庁長官にもう一遍念のために、三年に一回について、これを二回にするか三回にするか、頻繁にやるか、念を押しておきます。
  195. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) 念のためにもう一度しっかり御答弁申し上げます。  一回でははなはだ少ないと思いますので、関係省庁連絡して——いま幸いにこの対策関係省庁間の会議をもう二回やりましたし、また三回目も近くやりますから、そのときに私の趣旨を申し上げまして、そういうふうに実行することをここにお約束申し上げます。
  196. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 消防庁にお伺いしますけれども消防法第八条の二「防火管理の協議」の条文に言う「地下街」とはどのようなものか、具体的に消防庁
  197. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 第八条の二に規定がございますように、「地下の工作物内に設けられた店舗、事務所その他これらに類する施設で、連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたものをいう。」というふうに定義いたしております。したがいまして、公共の広場あるいは公道の下にあるたとえば東京の八重洲口のようなものはこれは地下街というふうに言っておりますけれども、飯野ビルであるとか有楽町のフードセンターであるとか、ああいったようなものは、形は地下街に似ておりますけれども、あれはビル地下であるということでこの地下街には含めておりません。ゴールデン街の場合はそういったビル地下地下道をもって連続しておるという概念でございますので、正確にはこの消防法第八条の二に言うところの地下街ではないということになっておるわけでございます。
  198. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 先ほど青木さんからお話ありましたけれども、それはわかります。わかるけれどもゴールデン地下街——名前もゴールデン地下街ですよ。名前もそうですし、形態からいったってもそうですし、機能的にいってもあれはもう地下街そのものなんです。  だから私が申し上げたいのは、そういう規定にはなっているけれども、この八条の二というものを適用できないのかどうなのか。まして地下道——あの前の地下道、あれは静岡市の管理だと、こういうふうに私は聞いております。そうすると、静岡市ではどういうふうに言っているか。これも新聞に出ておりましたけれども、安全な地下道をお通りください、こう書いてある。そう言っている。あれは安全な地下道じゃない、危険な地下道だ。そういうことで、防災の立場でその点、市長もしくは消防署はこれに対してこのようにした方がいい、またそうすべきではなかろうかと、こういうことを言ったのかどうなのか。その点どうなんですか。
  199. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、法律の第八条の二の地下街にはゴールデン街の場合は該当いたしませんけれども、形態からいきまして、実質から見まして、まさに地下街類似であるということで、静岡市の方も地下街としての消防法上のいろいろな規制をするように指導しておったところでございます。ただ、そういったことで今回の事故が起きましたので、このままでいいかということになりますと、先ほども申しましたように、現在全国のこうした地下街類似のものも含めて実態を調査しておりますので、それを踏まえまして必要があれば法的措置を講じたいと思っております。
  200. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 ですから、私が考えるのには、こういうゴールデン地下街に類した危険きわまりないといいますか、そういう地下街が全国で五十七カ所あると聞いておるわけです。だから建築基準法でそのようにつくったと、これは私もわかります。しかしでき上がった時点で先ほど言ったようにゴールデン地下街になっています。店舗が並んでおって、地下道があって、どこから見たって地下街なんです。ですから店舗一つ二つしかない場合は地下街とは言わないかもしれない。だから十店舗になったら、十五店舗になったらこれは地下街とみなして、そしてその時点で消防法適用するとか、そういうことをやる気があるのかどうか。
  201. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 先ほども申しましたように、実態をいま調べておるところでございますが、静岡ゴールデン街というようなああいう形のものは全国的には非常に数が少ないのじゃないかと思っておりますけれども消防の観点から申しますと、危険なことは変わりがないということでございますならば、やはり規制は地下街と同じようにすべきであると思いますので、そういったことを含めまして、法改正も含めて検討してまいりたいと思います。
  202. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 さらに、今回の消防署員四名、消防団員一名ですか、とうとい命を失ったこの殉職者の教訓を生かすために消防士の装備を含めて消防力の向上をこの際図らなきゃならないんじゃないか、私はこういうふうに考えますけれども、この点どうですか。
  203. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) まさに御指摘のとおりでございます。わが国の消防力というのはこの数年の間に非常によくなってきておるということは事実でございますけれども災害の態様が非常に変わってきておる、それらに対応するだけの抑止力を備える必要がある。そういった観点におきまして今後とも消防力の充実には努めていかなければならないと思っております。
  204. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それじゃ、これに関連して、消防庁の告示第二号の消防力の基準第一条の中に、「必要な最少限度の施設及び人員」と、こういうようにその基準が定められております。しかしその充足が各市町村においてまちまちじゃないかと思うんです。静岡市の場合はどうであるか、全国的には大変ですけれども、どうであるか。この充足率といいますか、程度といいますか、これはどうなんでしょう。
  205. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) この消防力の基準というものについてちょっと御説明していかなければなりませんのは、自治省におきましては、一応こういった消防力の基準というものを消防庁で定めておりまして、それぞれの地方団体におきましては、この消防庁の基準というものを前提にいたしまして、それぞれの団体においてそれぞれの団体の消防力の基準をつくっておるわけでございます。と申しますのは、全国の各市町村、御承知のように面積から人口から、またその分散状況とか、いろいろまちまちでございますので、それに対応した現実に即した消防力というものを持つ必要がありますので、先生のいまおっしゃる消防力の基準というのは、そうした市町村が現実につくっておるところの消防力の基準であろうと思います。  その場合におきまして、それぞれの市町村は大体五カ年ごとに見直しておりますけれども、五年後を想定いたしまして自分の町はこの程度消防力を持ちたい、持つべきであるということで計算しております。それを集計いたしましたものと現在の状況との比較を見てみますと、全国で申しますと、消防ポンプ自動車では八六%、小型動力ポンプでは六七%、消防水利では六三%、消防職員では七七・八%というような形になっております。  一方、静岡市の場合は、ここは相当充足率がよろしゅうございまして、市がつくっておるところの消防力の基準に対する市の現有消防力は、消防ポンプ自動車一〇二%、小型動力ポンプ九〇%、消防水利九一%、消防職員九四%などとなっております。静岡市は、ほかの市町村もそうでございますけれども、こういった目標値に向かって年々計画的に整備を進めておるという現状でございます。
  206. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それでは時間がありませんので、最後に何点か簡単にお聞きしますので答えてください。  第一点は、特に公共性の強い施設や地下街などについてガス漏れ警報器の設置ガス事業法などで義務づけること、これはどうか。  それから二つ目、密閉性の強い地下街については地上に通ずる通気孔を備えることを建築基準法で義務づける等の考えはどうか。  それから三つ目、今回の事故では負傷者は通行人より店員の方が多かったというふうな数が出ておりますけれども、その原因は、避難命令が出ても大したことないということでまた店に入ってしまったとか、それからもともと事故でなかったとか、中にはガス漏れがなしという誤った情報を聞いたために朝の店の準備中であったのでまたもとへ戻ってしまった、そういうことを聞いております。そこで、各テナントに全館に通ずる通報装置といいますか、連絡装置といいますか、そういうものをつくったらどうかと、こういうふうに思うんですよ。  この三点についてお聞きして終わりにします。
  207. 安田佳三

    説明員安田佳三君) ガス漏れ警報器をガス事業法において義務づけたらいかがかという御質問でございますが、ガス漏れ警報器のガス事業法に基づきます義務づけにつきましても、現在、すでに設けました専門委員会において検討の結果必要とあれば、そのような方向につきまして検討いたしたいと存じております。  なお、ガス事業法以外にもいろいろそれぞれの立場からの御議論もあろうかとも思いますが、その点につきましては、私どもまたいろいろ御相談してまいりたいというふうに考えております。
  208. 上田康二

    説明員(上田康二君) 建築基準法関連の問題を御説明いたします。  地下街に通気孔等を設けることを検討したらどうかという御指摘でございますが、爆発対策としての通気孔ということは、通気孔程度爆発が緩和されるということにはならないかと思いますけれども、一般的な防火対策あるいは避難対策の上では排煙を行う上で通気孔というのは非常に有効でございますし、あるいはガス漏れ等の問題に対する対応策の中でそういう問題も必要であればあわせて検討していきたいというふうに考えております。
  209. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 第一点のガス漏れ検知器につきましては、現在消防法上煙検知器、熱検知器といったようなものを義務づけておりますので、それと一連のものといたしまして防火対象物に設置してはどうかという考えを持っております。具体的には通産省とも相談してまいりたいと思います。
  210. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 もう一つ、全館に聞こえる通報装置はどうか。
  211. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) ビルなどあるいは地下街ということになりますれば、全館に連絡できるところの通報装置の設置が義務づけられております。
  212. 太田淳夫

    太田淳夫君 それでは最初に、いままで同僚議員からもお話がありましたとおり、今回のガス爆発事故に対しましてたくさんの犠牲者の方が出られたわけでございますが、死亡された方々には心からお悔やみ申し上げまするし、またおけがをされた方々が一日も早く回復されますことを心からお祈り申し上げる次第でございます。  先ほどからもいろいろ同僚議員から意見が出されておりまして、私も一番最初に取り上げたいことは、ガス事業者に対する指導監督権限の付与という問題でございます。これは静岡県としましては、昨年の藤枝の事故の後も主張し通してきた問題でございますし、先ほど大臣もいろいろ所感を述べられましたときに、この静岡ガス爆発をお聞きになったときに最初に地震ということが頭にのぼられたと、こういうお話もございましたとおり、やはり何といっても、この静岡県を中心とする東海地方は、東海大地震が予想されることもありますし、いろいろな災害というものを地震対策の中で考えていかなければだめなんじゃないかということで真剣に取り組んでおりますね。何とか一日も早く県民あるいは市民の皆さん方に安心をしていただけるような防災対策を樹立していきたいと、こういうことで真剣に考えてみえるんじゃないかと思うんです。通産省としましてはなかなかこの点について厳しい考えを持っているようでございますが、その点いかがですか。
  213. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 先年の藤枝事故の後におきまして、私どもガス漏洩対策を強化しなければならないということから、いろんな規程類の整備を行いますとともに関係諸機関との打ち合わせというものの強化を実行したわけでございます。ただいま御指摘の権限の問題に関しましては、私ども一般論といたしまして権限をこの際地方公共団体に移すべきであるという意見があることを承知しているところでございますが、どういう項目についてどういうような形にすればこういう事故が防げるかというような具体的な御意見はまだ伺っていないところでございます。  当省といたしましては、何と申しましても今回のような事故の再発を防止するということが最も肝心なことでございまして、しかもこのことについては一刻を争う緊急のことであるというふうに考えております。そういう観点から、警察消防当局及びガス事業者など関係者事故原因を十分に踏まえまして、そして相互に密接な連絡をとりながら、運用面で機動的体系的な対応を行っていくことが最も重要であり、かつまた実際的な考え方であるというふうに思いますので、今後も関係各省とそういう方向で連携を図ってまいりたいと考えております。  なお、一部のガス事業者はすでにそういう行動を起こしておりまして、具体的に消防当局とお話をいたして、遮断弁をどうするか、その際の道具をどうするか等々についても話し合いを開始いたしておるところでございます。
  214. 太田淳夫

    太田淳夫君 通産省の言われることもよくわかるんですけれども、特に静岡県としては、静岡市としてもこういう要望を出されておりますし、事業体が静岡瓦斯あるいは藤枝の事故は東海瓦斯ということでございまして、東京瓦斯とか大阪瓦斯あるいは東邦瓦斯という大手と比べまして、多少中手、小手というような関係になるんじゃないかとも思うわけでございますが、そういうところ、あるいはこういった地震強化地域に指定されているようなところのガス事業者に対する権限というものはもう少し地方自治体に与えてもいいんじゃないか。具体的にそれではこういうことでという協議の申し出がありそれぞれ協議をされて、そこで決まった部分については通産省としても認める考えがありますか。
  215. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 現行の規定におきましては不十分であり、かつそれをすることがどうしても必要な事態でございましたら、当然それはそういう方向で検討させていただきます。
  216. 太田淳夫

    太田淳夫君 それでは次に移りますが、先ほど警察庁からも現場検証の結果についてお話がございました。まだ推定段階でこれからいろいろと結論を出されるということでございます。何か床下の水槽にたまっていたガス一つの発火の起因になったんじゃないかということでございますが、そのとおりでよろしゅうございますか。
  217. 長尾良次

    説明員長尾良次君) 現場状況から見ますと、先ほども申し上げましたとおり、床下に滞留しておった可燃性ガスに何らかの火源により爆発したものというふうに現在の段階では推定いたしております。
  218. 太田淳夫

    太田淳夫君 そうすると、その推定される可燃性ガスというのは何が原因でたまったといま考えられますか。
  219. 長尾良次

    説明員長尾良次君) お答えします。  現在どういうかっこうでそのガスが発生し滞留したか、またその可燃性ガスがどういうものであるかということについて、床下にたまっております汚泥とか、あるいは水とか、あるいは空気というものを採取いたしまして科学的な分析を行っておる段階でございます。
  220. 太田淳夫

    太田淳夫君 そうしますと、その建物地下には一応水槽があったと推定されるんですけれども、その水槽というものの維持管理はどういうようになっているんですか。
  221. 山内豊徳

    説明員(山内豊徳君) いま警察庁御当局から御答弁がございましたように確定したものがまだ示されておりませんのですが、一応私ども二通りのものが想像されると思っております。一つは、地下でございますと、通常の場合地下水が湧出しますものをある程度ためますような水槽が設けられるということがあるかと思います。それからもう一つは、ああいう地下街でございますので、いろんな飲食物店などで排出します雑排水と申しますか、排水をためる槽があるわけでございますが、私どもの専門家に聞きましたところでは、単純に地下水だけをためている水槽であればガスが発生することはあり得ないわけでございますから、そうであるとすれば、もし警察庁御当局がいま推定なさっているようなことが該当するとすれば、何らかの形でその地下水だめに雑排水が入っていたということを想像するのが一つの仮定ではないかと思っております。
  222. 太田淳夫

    太田淳夫君 建築物における衛生的環境の確保に関する法律というのがございますね。この四条で、特定建築物の所有者、占有者が維持管理を行わなきゃならないと、こう規定されているわけですが、今回のこの爆心地のビルはこの特定建築物に該当するのかどうか、その点どうでしょうか。
  223. 山内豊徳

    説明員(山内豊徳君) 今回の事故の起きましたビルにつきましては、この法律で言いますところの特定建築物の面積には到達しておりません。  ただ、ちょっと先走った御答弁になるかと思いますが、この法律では特定建築物に該当しない建物でも多数の者の出入りする建物についてのある程度の義務が一部設けられておりますが、そのことは次の問題かと思うのでございます。
  224. 太田淳夫

    太田淳夫君 もう一度お伺いしたいんですが、そうするとこの維持管理は、そういう点についてはどこが責任を持ってやるんですか。
  225. 山内豊徳

    説明員(山内豊徳君) いま先生御指摘なさいました特定建築物にもし該当しますと、これは政令で決めてございますところの建築物の環境衛生管理基準をそのまま守る義務が出てまいるわけでございます。守る義務と申しましても、その内容は、いま先生が冒頭に御指摘なさいました排水槽関係では主として清掃の責任でございます。特定建築物であれば守る義務があると同時に、その守り方につきましても、一定の資格者を選任してビルのメンテナンスに当たるといったようなことが具体的に規定されておるわけでございます。もしこの特定建築物に該当しない場合でございましても、多数の者が利用し出入りする建築物についてはこの基準そのものをやはり守るように努力しなければならない義務が法律では設けられております。したがいまして、いずれにしましても、そういう排水設備の清掃をする、掃除をするという限度ではございますけれども、守る義務は建物の持ち主なり、場合によりましては建物の管理について権原を持っている者に一応清掃の義務がこの法律上課せられているというふうに考えております。
  226. 太田淳夫

    太田淳夫君 そうすると、特定建築物の場合ですと保健所の強制立入検査というのはできるわけですか、どうですか。
  227. 山内豊徳

    説明員(山内豊徳君) 御指摘のとおり特定建築物でございますと立入検査ができます。ただ、先ほど申しましたように、それに準ずる建物につきましても保健所に権限がこの法律で設けられております。強制的な立入検査じゃございませんが、立入指導することはできるようになっております。
  228. 太田淳夫

    太田淳夫君 今回こういった事件の、いま推定段階ですからまだあれでございますが、はっきりと原因が解明されたときには、もしもここから発生したということになれば、これはもう大変なことになるんじゃないかと思いますし、また同じようなこういった地下街にあるような商店街は各地に何カ所かあるわけですが、そういうものに対する検査というもの、総点検というものをやっぱりするべきじゃないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
  229. 山内豊徳

    説明員(山内豊徳君) 私どもも実は御指摘のとおり考えておりまして、特定建築物には該当しない建物でございましても、特に地下街において飲食店のような形での店舗が多数ございますような建物中心に、できるだけ早い機会に全国的に少なくとも実態を保健所が把握できるような調査を指導したいと思っておりますし、また警察庁での鑑識の結果いかんにかかわらず、清掃の行き届かない雑排水の処理のためにこういうことが起こらないような行政指導は十分してまいりたいと考えております。
  230. 太田淳夫

    太田淳夫君 じゃ時間がございませんので次に移ります。  県あるいは市の要望の中で災害弔慰金のことが要望されておるわけでございますが、この災害弔慰金の支給要件の中には今回の爆発事故というのは入っていないわけですけれども、これを改めてこういった爆発事故も含まれるようにすべきじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
  231. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律自然災害のみを対象にしているわけでございます。先生の御指摘は、それ以外にも都市災害というものも含めてはどうかと、こういう御指摘だと思うのでございますが、この法律の趣意とするところは、要するにどこへも、何というんですか、しりの持っていきようのない自然災害に限って弔慰金の支給という仕組みを設けたわけでございます。確かにいろいろな都市災害の中にも、原因がきわめて不明確である、あるいは究明に非常に時間がかかる、そのために被害者の方がいわばどこからも補償をもらえない、そういう事態のあることは十分にわかるのでございますけれども、そこまでこの対象にするということについては線の引き方が非常にむずかしい、こういう問題があるわけでございます。  ただ、この問題につきましては、引き続いて私どもの方でもいろいろ関係各省との間で検討は進めてまいりたい、さように思っておるわけでございます。
  232. 太田淳夫

    太田淳夫君 災害対策基本法の定義の中には「若しくは爆発」という文字もございますので、その点の検討を加えていただきたいと思います。  この災害弔慰金の制度は、参議院の災害対策特別委員会委員会検討されながらこの制度ができたものでございますし、また国会が開会されますときに、ぜひとも個人災害の小委員会等を設けていただきまして検討を加えていただきたいことを委員長要望して質問を終わります。
  233. 下田京子

    下田京子君 私は今回の静岡地下街ガス爆発事故の質問に入ります前に、まず十四名の亡くなられております方々、その遺族の方々にお悔やみを申し上げ、また二百名を超える重傷者の方々の一日も早い回復を願いたいと思います。  それから私は二十日の日と二十一日の日と現地に出向きまして実際に関係者からお話を伺いまして、都市災害におけるとりわけガス爆発事故というものの恐ろしさを身をもって痛感いたしました。それだけに行政サイド、関係者対応というものが、いま改めてということではなくって、過去の教訓に基づいて考えていかなければならないときではないかと、こう思うわけでございます。そういう点で、七項目にわたる県・市当局からの具体的な要望等も出されていることはもう御承知のとおりだと思いますし、先ほど来から鋭意検討しております、要望に沿いたいという御返事もいただいております。さらに瓦斯協会から見舞い金一千万円ほどの支給ということも先刻御通告いただいたというお話もございますけれども、いままでのお話を聞いておりますと、十分な対応がなされているというふうにはちょっと認識できない感じを受けるわけなんです。私は細かく要望する時間がございませんので、改めてこうした関係者から出されている御要望に沿ってさらに検討を強めていただきたいということを冒頭お願い申し上げたいと思うんです。  さらに、原因究明については、いま捜査中だと言いつつも、推定でもって何らかの可燃性ガス、こういうお話で、一説メタンガスという話が大分広がってきておるわけなんですが、このことについては原因調査結果を待たなければ私たちも何とも申し上げられません。一日も早い原因究明要望するわけですが、同時に地元の皆さん方はあたかも都市ガスの責任は免れたような形でやられている方向に怒りを感じているというお話、これもやはり冒頭伝えておきたいと思うんです。  私が質問のまず第一にお尋ねしたい点なんですけれども、今回の爆発事故は確かに第一次にガス漏れ、そして小爆発という通報が一一〇番、一一九番でそれぞれあるわけですね。それを受けてガス会社連絡が行っているわけですが、ガス会社ではとにかくガス漏れだと把握したと。この把握の仕方にいろいろ問題があります。通報上のことの問題もあります。そう思うんですが、いずれにしても、一次から二次までの間の初動時の捜査体制がどうだったのかということをいま一度考えなければならないのじゃないか。  この点で、本来でしたらガス事業法に基づいて、通産大臣が所管でございますから、通産大臣から保安規程等に基づいてどうだったのかというお話をお聞きしたいわけなんですけれども、残念ながらきょうおいでになっておりません。そこで、国土庁長官にもう連絡会議を二度ほどお持ちになっているということですからお尋ねしたいわけなんですが、一つは、ガス事業法に基づいて通産省に届けられている保安規程から見て、今回の初動時の対応、特にガス会社対応ですね、どうだったか、それをガス漏洩通報処理要領あるいは導管事故緊急対策要領、こういったものから見てどうだったかというふうな問題について御説明を受けているかどうか。御説明を受けていないとすれば、そういった問題も含めて、こういった災害についてどういう御認識をお持ちになっているか、まず大臣にお聞きしたいと思うわけです。
  234. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) ちょっと専門にわたりますので、審議官から答弁させます。
  235. 柴田啓次

    説明員柴田啓次君) 立入検査の結果についての報告をまだ私どもの方で受けておりませんので、いまお話しのような点についてお答えできる段階でございません。
  236. 下田京子

    下田京子君 お答えできないということですけれども保安規程を独自に見まして、いままで具体的に出されている点からどうだったかという御認識、そういった点での御答弁はいただきたかったと思うんです。時間ありませんから次に移ります。  それで、これも他の委員からちょっとお話がございましたけれども保安規程等では十分な対応ができないということでもって、静岡の場合には地震防災対策強化地域にも指定されているということがありまして、静岡市の消防本部静岡中央・南警察署、静岡瓦斯静岡県プロパンガス協界、それに中部電力、この五者によっての申し合わせ、これがなされていることを御承知だというのは先ほど他の委員に御答弁ございました。それでは、この申し合わせ事項から見まして——特に初動時における各機関の行動基準をきちんと設けているわけですね。その行動基準がどうかということでは、たとえば電源だったら中部電力だ、それからガス供給規程は静岡瓦斯だ、それから火災警戒区域の問題になれば消防、それから避難誘導となれば警察というふうにそれぞれ分担しているわけです。  私はここで一点だけ聞きたいんですけれどもガス会社がこうした申し合わせに基づいてガス供給停止というふうな対応をされたかどうかという問題なんです。これはなぜかと言いますと、さっきも御答弁ございましたけれども、十一時と十一時十五分に第一ビル前の地下に通ずる地上のバルブを閉めている。ガスストップバルブを閉めたわけですけれども、大爆発があってからなんですよ。おくれているわけですけれども、これがもしガス漏れガス爆発という御認識のもとでこういう申し合わせやなんかに応じて緊急対応がとれていたらどうなのか、また事態は違っていたんじゃないかと皆さん言われているわけなんです。そういう点から通産がどういう御認識をお持ちなのか。
  237. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいますように、第一次爆発の時点におきまして大量ガス流出という事実を検知いたしましたら、恐らくその地下に参りますガスを閉めるという動作は、いまここにございますようなガス爆発防止対策に関する申し合わせに基づきまして当然行われたであろうと、こういうふうに思います。
  238. 下田京子

    下田京子君 そうすると認識が甘かったために申し合わせに基づいた処置がとれなかっただろうというふうなことでしょうか。
  239. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) その辺の実際の職員がどういうような行動意識をしたかということについてはまだ調査中でございますし、また警察の方でもいろいろとお調べいただいているところでございますので、その辺の明らかなことはわかりませんけれども、これは全く私の類推として申し上げている次第でございますが、その現場におきまして消防署員もおられたわけですし、それから静岡瓦斯の担当者もおりまして、そしてそれ以外の方も大ぜいおりましたけれども、異常流出ということに気がついていなかったように思ったわけでございます。したがいまして、ここで気がつけば当然ガスの流出ということに対する対応策がとれたのではないかと、こう思います。
  240. 下田京子

    下田京子君 通産のそういう御認識はもう一度検討いただきたい、こう私はお願いしたいと思うんです。なぜならば、現地で私たちお聞きしましたところが、消防署の署長さんがこう言っているんですね。この申し合わせ事項をつくるのに消防署が中心になってつくった、ガス会社はなかなか腰を上げなかったというんですね。それでもってこういうものをつくった。消防署の考え方というのは、ガス漏れとなればガス爆発につながるだろう、だから第一次出動ということで四十名以上の出動体制をこの申し合わせを去年五十四年の二月につくって以来いつもとっていると、こういうわけなんですね。ところが、静岡瓦斯会社は最初は二、三人来たというんです。だんだん来なくなっちゃって今回のこの大災害のときに一名だったということなんです。さっきから論議になっているわけです。これははっきりしているわけなんですね。  ですから、こういう申し合わせというものについて通産がどういう態度をとられるか、あるいは関係省庁がどういう考えで臨むのかという問題が一つあるんじゃないか、こう思うわけなんです。そういう点で、まだ捜査中だとおっしゃっておりますけれども、もう一度申し合わせ事項等も含めて初動時の動作がどうだったかという点に留意された捜査あるいは独自のこれからの聞き取りなどを進めていただきたい、こう思いますが、決意のほどをお聞かせください。
  241. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 先生おっしゃいますように、この初動時の対応が結果的に見まして万全であったかどうかということについては私としては疑問もございます。したがいまして、先生おっしゃいますように、われわれといたしましても警察捜査等とはまた別に技術的な観点からも十分な検討をいたしたい、こう考えております。
  242. 下田京子

    下田京子君 私はここでいま御答弁されていること、それからまた他の委員にいろいろといままで答弁されてきました政府省庁のお答えというものが、何とまあ十年前にさかのぼったときのお話と同じで、むしろそれより後退している部分も感じられるわけなんです。過去の教訓がどう生かされたかということが今回の事故一つの大きな要因になるんじゃないのかと、こういうふうに考えるわけなんです。  なぜかと言いますと、十年前の事故といえば、御承知のように大阪の地下鉄工事に絡んでのガス爆発で、あそこでは一九七〇年四月八日に七十九名の方が死亡されておりますし、三百人の方が重軽傷を負われているわけですね。当時自治大臣——これは自治大臣にもお尋ねしたいわけなんですけれども消防庁長官がこういう御答弁をされているんです。これは四十五年の四月十六日の衆議院の災害対策特別委員会の議事録なんです。当時は松島消防庁長官ですね。いろいろ先にありまして、「単にガス漏れというので、直ちに出動はいたしておりますけれども、どの程度ガス漏れであったかという認識が十分でなかったという面もあるようでございまして、そういった点につきましては、御指摘のとおり、今後さらに、いやしくもガス漏れがある以上は爆発の危険につながるというふうに、同時的に考えて処置するように指導してまいりたい、かように考えております。」。つまりガス漏れガス爆発につながる。ですから、防止ということは爆発してからではもうだめなんです。漏れた時点でどう対応するかという御認識なんです。十年前に消防庁長官がそういう指摘をしているわけなんです。  それからもう一点は縦割りの問題です。いろいろと考え方が違うということなんですが、縦割り行政のことについても同じく松島消防庁長官がこう言っているんですね。「ただ、問題は、こういう緊急の場合におきます消防職員として何をなすべきか、警察として何をなすべきか、あるいは、工事現場にある人が何をなすべきか、ガス会社の職員が何をなすべきかというふうな問題につきましては、常日ころから——そういう事故が」起きないことが望ましいことですけれども、同時にそういう事故が起きた場合には、「それぞれどういう分担をしてどういう仕事をするかということをあらかじめきめておくことが、今後のためにも必要であろうというふうに考えられまして、私どももそのような方向で、消防機関その他の関係者の協力を得るように、消防機関の指導をしてまいりたい、かように考えております。」。十年前に縦割り行政を関係連絡省庁でもってきちんとして、そういう事故がもし起きてしまったときにはじゃどう対応するかということを具体的に検討するとおっしゃっているんです。それについては改めて御指摘の点は反省すべきであるので鋭意検討中ですのようなお話があるわけなんですけれども、これはまさに十年前の事故教訓を生かしていないということになると思うんです。  そういう点から見まして、消防庁長官が当時申されておることを受けまして自治大臣にお尋ねしたいことは、今後静岡市でつくられているようなそういう申し合わせ的なものを関係機関を入れて国の段階でもきちっとつくって責任を持って対応するというふうな御決意で臨んでいただけるかどうかということでお聞きしたいわけなんです。
  243. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 御指摘になりました件につきましては、御要望なり御意見に沿いまして必ず善処いたしたいと考えております。
  244. 下田京子

    下田京子君 私は具体的に聞いているんです。もう御要望や御意見ではない。意見をいま申し上げているわけです。つまり十年前にそういう緊急事態が起きたときには、どこで、何を、どうするかということをばらばらにやるのでなくて、統一した形でもって各省庁連絡会議等々の中で、どこで、どうやるかは別としましても、そういう一つの申し合わせ的なものを明確にして統一的な国の責任を明らかにしていくようにいわゆる自治大臣としてこれからおやりになっていただけるかということです。
  245. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 自治省の所管しまする行政につきましては御指摘のとおり善処いたします。
  246. 下田京子

    下田京子君 自治省の所管するところだけでは問題なんです。十年前の指摘というのは自治省の所管する分野だけじゃない。自治省が所管するというのは今回はっきりしているわけです。消防庁だけではどうにも手が打てなかったということになっているわけなんです。そこで警察はどうするか、ガス会社はどうするかと、こうなるわけなんです。そういう総合的な統一的な一つのものをつくっていくという点で自治大臣なりに働きかけてほしい、そしてまた実現を図ってほしい。その点での決意を聞いているわけです。
  247. 石破二朗

    国務大臣石破二朗君) 国土庁長官もいらっしゃっておるわけでありまして、御承知のとおり、静岡爆発事故の善後対策につきましては、もうすでに国土庁内に関係省庁連絡会議設置されまして、国土庁中心となっていただきまして検討していただいておるわけであります。  下田委員指摘の点につきましても、そういう意味で、私は自治省の所管行政につきましては善処します、総括的にはやっぱり国土庁で御担当願ったらどうかと考えてあえて先ほどの御答弁を申し上げた次第であります。
  248. 下田京子

    下田京子君 それじゃ国土庁長官
  249. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) いま御質問のありましたいろんなガス爆発対策について、国土庁中心となって各省庁の係官を集めまして、最前も申し上げましたように、二回すでにやりまして、今度三回目をやります。そして具体的にどういうふうに進めるか等々を研究いたす。これは閣議の了解も得ておりまして、またさらにもっと具体的にその話が進みましたら閣議に報告して了承を得ることになっております。  それからさらに九月一日には防災訓練をやる。いわゆる災害の日に当たっておりますし、その地震の防災訓練をやる場合、ガス爆発対策等々もあわせてその訓練もやって実質的にこういう対策を進めていきたい、こういうことも考えておるところであります。要するに御期待に沿うようにきわめて積極的に善処することを申し上げたいと存じます。
  250. 下田京子

    下田京子君 きわめて積極的に対応するということなんですが、私は十年前の問題を出しましたけれども、具体的なことでお尋ねします。  十年前のあの事故に基づきまして、当時の佐藤総理から閣議の中でも、こうした事故をもう二度と起こさないように善処したいというふうな話がございまして、四十五年の九月に行政管理庁がこういうものをお出しになっているんです。これは私お聞きしますよと言っておいたのでお調べいただいていると思うんです。「高圧ガス都市ガスの安全確保に関する行政監察結果に基づく勧告」。こういう勧告が出されれば、その勧告に応じてそれぞれの所管庁がどういう対応をされたのかということが当然あってしかるべきだと思うわけなんです。私はその中で特に一点にしぼりたいんですけれども、いろいろ申されまして、勧告の中身のその中に一つ、先ほどからいろいろ問題になっております、そしてまた消防の方で資源エネルギー庁公益事業部の方へ申し入れていると言われる内容、つまりどういうことかと言えば、ガス事業者に対する保安面から消防機関が指導監督をすることができる体制を整備する必要がある、それからガス漏れ警報器の設置等も含めたそういう点で消防機関ではガス事業に関する保安面の具体的な対応検討せよという申し入れをされておりますね。これは資料をいただいておりますから御答弁要りません。  そういうことで、現地に行っても、一番住民と密着している消防署やあるいは知事も申されておりましたけれども、防災だ防災だと言っても今回の教訓の中ではっきりしたことは、とにかくわれわれには指導権限というものは何もないんだ、ガス問題については。こういう話なんですね。細かい論議は抜きますけれども、そういう点で指導監督権を立入検査という点も含めて知事等に付与せよという申し入れが出ているわけです。  これを十年前の行管庁の勧告で出しているんです。具体的にお読みしたいと思います。「ガス導管の維持・保安について、都道府知事がガス事業者に対して監督権を的確に行使できるよう、必要な範囲報告徴収権および立入権査権を知事に付与すること。」、こうなっております。なぜかと言ったら、さっきいろいろありましたね。自治省にしても、建設にしても、通産にしても、地下街の規定一つとっても、どうこうだと調べていると言ってますけれども、これが出された経緯というのは、事ガスに関してはもう通産が指導してガス会社と、こうなっているものだからだめなんだといってこの勧告が出されたわけなんです。こういう重大な勧告に基づいてどういうふうな対応をされたのか。これはだれに聞いたらいいんでしょう。本来なら通産に聞きたいところなんですけれども、これまた大臣いないんですね。本当に重大なときに遺憾だと思いますが、この点でひとつそれじゃ最初に消防庁長官に聞きます。
  251. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) たしかこの行政監理委員会の勧告が出された当時はガス事業については通産大臣がすべての権限を持っておりましたが、導管についての保安維持は都道府県知事に権限が委任になっておったと思います。ただ、委任にはなっておりますけれども、立入権だとか報告徴収権、そういったものが与えられておらない、だから実質的にこれでは保安管理上責任が持てないということで、都道府県は強く報告徴収権及び立入権を要求しておったと思います。それが行政監理委員会の勧告になってあらわれておるわけでございますが、これに対しまして通産省の方ではガス事業法令の改正をその後行われまして、監督の一元化という意味におきましてすべての権限を通産大臣通産局長が行うということで、都道府県知事はすべての面から関与できないというたてまえになったわけでございます。  私どもその当時から地方公共団体の立場、特に私の場合は消防を所管する立場といたしましてでございますが、やはり保安上の責任というものはどうしても住民に身近な都道府県知事、あるいは市町村長、あるいは現実に被害が起きたら飛んでいかなければならない消防、そういった者が持つ必要があるんじゃないかということで、以来通産当局とも事あるごとにいろいろ折衝しておるところでございますけれども、現実問題といたしまして、現在の法体系は御承知のようになっております。その範囲内で消防がどうするかということになりますと、先ほど来御議論になっておりますところのガス会社あるいは電力会社、警察消防等との申し合わせというような形で具体的な事件対応するという形をとらざるを得ないわけでございます。静岡の場合におきましては、けさから御議論になっておりますように、ああいった申し合わせがございまして、消防はそれに基づいて直ちに適当な手を打ったわけでございますけれども、結果的にああいうような悲惨な事故になりました。こういった申し合わせというような形でいいのかどうかということを含めて真剣に検討しなければいけないと思っております。
  252. 下田京子

    下田京子君 いま結論づけられた問題が実は十年前指摘されているわけです。だから、十年間たったいまなおまた同じことが議論されているということを、今回のガス爆発事故に関して行政諸官庁の責任が多いという点でその点を深く反省をして、いま出されている意見の不一致点——さっきからいろいろ議論されてますが、通産サイドはやると言ってないんですよね。保安という体制から検討していくと、こういう発言が出ているわけですね。あるいはまた論議を見守っていきたいと、こういう話も出ているわけですね。これでは十年前の話がいまになっても結論できないわけなんです。どうするんですか。また事故が起きる。だれがそのときにどう対応するんですかという問題になります。  そこの点を踏まえて、本当は通産なんですが、ここらは国土庁長官になるのか、自治大臣は所管がとなっちゃうんでしょうけれども国土庁長官連絡調整機関だというだけじゃなくて、そういう点での意見の不一致を通産とよく詰めて行政の責任を明確にして対応いただきたいと思います。
  253. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) いわゆる災害防止の見地からいろいろ御高見を拝聴いたしておるところであります。十年間もそのままほうっておいてまた同じことを繰り返しておるという御意見、私ども深く反省させられる点でございます。これは消防庁通産省の間の意見が大分違っておるように拝聴しますので、ぜひひとつ消防庁通産省がひざを突き合わしてよく御相談いただいて、委譲していいのか悪いのか、委譲しても災害防止に役立たなければ困るので、災害防止に役立つという見解が出れば恐らく通産省もみこしを上げて委譲することになるであろうと思いますが、いずれにいたしましても、要するに災害防止の観点からこの問題、けさからずいぶん問題になります点について、国土庁も中に入りまして、消防庁通産省の間に立って、どちらかにもうまとめて再びこういう議論のないように、そして災害防止に役立つようにきわめて積極的に善処いたしたいと思いますから、よろしく御了承のほどを願います。
  254. 下田京子

    下田京子君 御了承ということですが、私は了承するというわけにはいかないんで、問題なのは、当時は佐藤内閣なんですけれども、ひとつまた別な観点からいけば、ガス漏れ探知器の問題なんか、警報器の問題なんかは、いまになって義務づけるの、どうのこうのと言っているんですが、十年前ちゃんと総理が責任を感じてこう言っているんですね。「ガス漏れ探知器が工事現場になかったことが指摘されておりますが、私も同感であります。政府としても適確な探知器の開発に努力したいと思います。」。先ほど聞けば家庭用でしたら一器七千円くらいで開発されたという話ですけれども、そういう体制全体を含めてそのときに国会で答弁されたごとが十年たってもいまなお改善されてない、こういうところにやっぱり事故が繰り返される問題があるんですよ。しかも行政管理庁がこういう勧告まで出されているわけです。ここはしっかり押さえて、通産大臣は来ていませんけれども、担当の皆さん方よく踏まえて——国土庁長官だけだとか自治大臣だけががんばるといってもできないわけです。関係省庁が今回の事故に最大の教訓をくむとしたならばここにあるんじゃないか、こう思うわけなんです。  で、最後になりますけれども、この地下街の規定そのものをめぐっても他の委員からもいろいろ議論がされておりました。非常に違うんです、通達そのものも。もう時間ですから一点だけお聞きしたいんですけれども地下街という規定はそれぞれやっているわけですよ。通産はそれに基づいて地下街に準ずるところまで広げて百三十五カ所ある、自治省は六十一カ所だ、建設省は七十八カ所だと、こう言っているわけです。それぞれ担当を呼びまして聞きましたら、あるいは午前中からの論議を聞きましても、みんな一致してないんですね。それでもって今回通産省がお出しになっているわけなんですが、消防法八条の二で定める地下街のうち百三十五カ所について今度もう一回点検の通知を出したと、こう言っているんです。とすれば、八条の二で定めるというのが百三十五カ所になるのか。こういうことになるんでもう通達そのものが全くあいまいなんですね。これは通産に聞きます。  同時に、建設省おいでだと思うんで、せっかくおいでなので一点だけお聞きしたいんですが、地下街中央連絡協議会というものをつくられておりますね。四十九年六月二十八日に都市計画局ですか、地下街に関する基本方針というものをお出しになっていると思うんです。その中でいろいろとやられておるんですけれども、この地下街連絡協議会の中には実は建設省、消防庁警察、それから運輸が入っているんですけれども、肝心の通産が入ってないです、ガスも入ってないですね。この通産を入れる、あるいはガスを入れるお考えがあると聞いているんですけれども、そういう方向でどういう対応をされているのか。  二点御質問してお答えをいただいて終わりたいと思うんです。
  255. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) いま御質問の通産省を入れるというのは当然であるという御議論でございますが、入れる考えでいま話をいたしております。
  256. 牧野徹

    説明員(牧野徹君) 国土庁長官からも御答弁ございましたが、私の方で庶務をやっておりますので若干お答えしたいと思います。  地下街中央連絡協議会と申しますのは、道路とか駅前広場等の公共施設地下に設けられる地下街につきまして、その新設、増設等の可否について連絡調整を行うために設置されたものでございます。おっしゃったとおりの四省庁がメンバーとなっておりますが、ガス、電気等の個別の供給施設等の安全性につきましては、建築設備の一部として建築及び消防の面でいままでは対応してきたつもりでございます。ただ、今回の事故を契機といたしまして、より一層の安全性を確保するため通商産業省に同協議会に関与していただく方向でメンバーの各省庁と協議をいたしたい。そのために明三十日に同協議会の幹事会を開催するつもりでおります。
  257. 安田佳三

    説明員安田佳三君) 通達の中身につきましては、八条の二に基づくというふうに書いてございませんが、八条の二によりますといろいろ指定その他の行為も伴っております。私どもの気持ちといたしましては、そういう指定の有無にかかわらず、あるいは八条の二の規定の精神を尊重して、それに厳密に該当するか否かを問わず、少なくとも今回の事故関係のあるいわゆる地下街につきましては、これをできるだけ広く拾い上げるという趣旨で選びましたのが百三十五でございます。このほかガスを使用していないのが六カ所あるというのが当方の調査でございます。
  258. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 私も質問の前に今回の事故犠牲になられました方々に心からお見舞いを申し上げておきたいと思います。  まず最初に事故原因究明の問題でございます。これは国土庁長官にお答えをいただきたいわけですが、先ほども質問がありお答えがあったわけでありますが、この事故原因究明についてはいつごろ結果が明らかになるかはっきり日は言えない、相当長期の時間を要するであろう、こういうような御答弁もあったわけでありますが、私はこの問題については早期に結論を出していただきたいと思いますし、めどをつけて督励もしていただきたい。このように考えておるわけでありますが、国土庁長官いかがでございますか。
  259. 原健三郎

    国務大臣(原健三郎君) われわれといたしましても早期にめどをつけたいという考えは全く同感でございます。しかし問題が問題でなかなかそう簡単に結論は出ませんのではなはだ遺憾に思っておるところであります。しかしそういう要望もございますので、なるべく早急に結論を出して皆さん方の御期待にこたえたいと、こう思っております。
  260. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 ひとつ鋭意努力をしていただきたい、重ねて要望しておきたいと思います。  そこで、この種の爆発事故につきましては、まず初動体制というものが被害を拡大させない、その体制の問題が一番重要だと考えているわけでございますけれども、そこでこの初動体制について今回の事故の場合、消防ガス会社警察のそれぞれの関係省庁に順次初動体制についてお伺いをしていきたいと思います。  まず消防関係でございますけれども消防警察からの連絡を受けて直ちに静岡瓦斯に緊急連絡をしているわけでありますが、その連絡内容はどういうものであったのか、これはもう事実関係だけ端的にお答えいただきたいのでありますが、どういう内容連絡をしたのか。静岡瓦斯は、消防署からの連絡は単なるガス漏れ程度と、こういうように受け取ったのだというように報道されているわけでありますけれども、事実はどうであったのか、この連絡内容は具体的にどういう連絡内容であったのかお答えをいただきたい。
  261. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 一一九番に、ガス臭い、火は出ていない、そういった趣旨の通報があったと聞いております。したがいまして、先ほど来問題になっておりますところの申し合わせによりまして、直ちにその旨をガス会社の方へ通報したというふうに聞いております。
  262. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 爆発は起きてないと、こういうことですね。
  263. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 最初の通報は、ガス爆発があった、ガス臭い、火は出ていない模様であるという通報がございまして、その旨をガス会社に伝えたというふうに聞いております。
  264. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 その点についてはまた後でもう一度確認をしたいと思うわけでありますが、消防警察は直ちに警戒区域を設定しておるわけでありますけれども、そして避難誘導の処置をとったと、こういうように御答弁があったわけですけれども、警戒区域はどの範囲であったか、これをまず第一点お伺いしておきます。
  265. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 地上四カ所、地下三カ所におきまして非常線みたいな線を張りまして、その区域内を警戒区域としたというふうに聞いております。
  266. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 そして誘導を開始した時点で一体どの程度の人が現場に、その警戒区域と設定された区域内にいたのか。これは地上地下両方だと思うわけでありますが、一体どの程度の人がいて、そしてどの程度の人が避難誘導に応じて危険区域外へ誘導されたのか、この事実関係をお伺いしておきたい。
  267. 岡村健

    説明員岡村健君) 当時かなりの方々がおられたかと思うのでございますけれども、どの程度の方が当時その区域内におられたかということにつきましては、現在のところつまびらかではございません。
  268. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 その辺に初動体制の甘さがあったというふうに思うわけでありますけれでも、報道によりますと、誘導に対しましてその誘導に応じなかった方もかなりおったようであります。あるいは爆発が起こった地下消防士と同時に一緒に入り込んでいったというような人もいたと、こういうように報道されているわけでありまして、その点において誘導が十分ではなかったんではないか、こういうように疑問を持っておるわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
  269. 岡村健

    説明員岡村健君) 私ども九時三十一分に通信指令室で一一〇番によります第一報を受けました直後に、十九名が、パトカーの要員、派出所員あるいは交通係員等が現場へ参りまして、直ちに避難誘導の措置消防職員方々と共同してとったわけでございますけれども、中には立入規制に応じていただいた方々もたくさんおられます。ただ、避難誘導の警告に対しまして必ずしも応じていただけなかった方々もおったようでございまして、今後の課題といたしまして、この警告をいかに効果的にやって避難誘導措置をとるかということを検討してまいりたいと思っております。
  270. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 誘導に応じない人が間々おるということはいままでの例でもあるわけでありますが、この点についてはさらに徹底をしてやっていただきたいと思うわけであります。  そこで、今度は問題を変えまして、この初動時に現場に駆けつけた消防車、これは何台であったのか、あるいはどの地点に消防車がまず駆けつけたのか、それをお伺いしておきたいと思います。
  271. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) ポンプ自動車、化学車、はしご車、救急車など十台が出動いたしました。それぞれ消防活動ができる有利な地点を選びましてそこへ停車し消防活動を行おうとしたわけでございます。図面ではお示しできますけれども消防活動上必要な地点に部署したということでございます。
  272. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 その第二爆発が起こった地点、「柴田薬局」、「ダイアナ」くつ店ですね、その現場の前に出て行った消防車は何台でしたでしょうか。
  273. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 部署位置の図面によりますと、第一ビルの前にありますのは、化学消防車一台、ポンプ車一台のようでございます。
  274. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 そうすると、第二の大爆発地点には二台の消防車が直接つけられていたと、こう判断をいたします。  そこで、そこに問題があるわけでありますけれども、一体自動車というのは、専門家に言わせますと、電気系統あるいは排気ガス、こういうものが点火原因になる要素を持っているんだ、きわめて危険な機械だと、こういうように言われているわけであります。ガス爆発があった、現場にとにかく危険を承知して直接乗り入れる、このことは私は非常に大切であるとは思うんですけれども、そういうような危険を冒してまで現場に乗り入れる——これが任務のようでもありますけれども、しかしガス漏れのような場合には、この点自動車の構造上からいって十分配慮すべきではないか。「柴田薬局」あるいは「ダイアナ」くつ店ですか、ここからもガス漏れがあったという通報が行っているわけですから、この地点でもガスが漏れているということを判断をすれば、そういうところへは直接はつけないという配慮をすべきではないかと思う。こういうように私は考えているわけでありますけれども、この点についてのお考えはいかがでございましょうか。
  275. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 何分第一出動いたしました四十三名のうちで三十二名でございますか、死亡あるいは重軽傷というような事態でございまして、現時点においてその当時の具体的な模様というのを完全に把握するに至っておりません。恐らくそのときの状態のもとにおいてはこのように配置するのが最も適当であるということでそういった配置がなされたものと思いますけれども、なお今後状況を十分分析いたしまして今後の参考にいたしたいと思います。
  276. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 今度は通産の方にお伺いをしたいわけでございますけれども、単なるガス漏れだと受け取ったガス会社の係官が現場に到着をしておるわけでございます。先ほどからの御質問にあったように一人の係官が現場に到着をしている。この到着時間は何時でしょう。
  277. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 九時四十一分ごろ到着という記録が残っております。
  278. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 私も九時四十一分というようにこれは聞いておるわけでございます。実際に小爆発が起こったのは恐らく九時二十分ごろだろうというように判断をされ、そして第一通報があったのが九時半、九時三十一分ですか、このように考えられるわけでございます。そこで静岡瓦斯ガス漏れ通報に対する受け付け体制、これについてお伺いをしておきたいわけであります。  静岡瓦斯保安規程の中の、先ほどからもいろいろ御答弁がありましたけれどもガス漏れ通報処理要領、こういうのの中身が私はわかりませんけれども、この中では現場派遣される係官は常に二人一組で行動するようにというようにはなっていないのかどうか。東京瓦斯のような場合にはそのように規定をされているというように聞いているわけでございます。二人一組ということは、常識的に言って、一人は現場の検査をやる、一人は事業所との連絡をとる、当然二人一組があたりまえだ、常識だと思うわけでありますけれども静岡瓦斯ガス漏れ通報処理要領にはそのことが載っていないのかどうかお伺いをしておきます。
  279. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 静岡瓦斯ガス漏れ通報処理要領にはパトロールカーに乗ります人員については特に定めがございません。
  280. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 先ほどからもこの種の質問に対しては、いままでも一人で対処をしてきた、これでよかったのだ、こういうように御答弁があったわけでありますけれども、今後の問題として二人一組が常識だからそのようにせよということで指導していく考えがあるかどうかお伺いしておきます。
  281. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) ただいま、ガス漏れ通報問題、さらに人が察知するということよりは機械的にそれを予知するとか等々、いろいろな方法も考えられますので、そういう初動的な、また予防すべきいろいろな方策につきまして、ただいま学識経験者を含めました委員会検討しておりますので、その中におきましてこういう問題についても十分検討したい、こう考えております。
  282. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 ぜひひとつ早く検討の結論を出して、そういう方向で対処していっていただきたいと要望しておきます。  次の問題は、今度の事故の場合は土曜日で会社は休日であったと、そういうように聞いておりますし、藤枝市の事故の場合は日曜日であったということであります。そして、今度の場合に静岡瓦斯は緊急要員と無線係員の十二人のみを勤務さしていたんだ、こういうように新聞報道がなされているわけでございますけれども、それは事実でしょうか。
  283. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 当日おりましたのは、先生おっしゃるとおり十二名おりました。そのうちの二人が緊急要員として一これはパトロール要員でございますが、二人が二台おのおのに乗りまして、二台がパトロール中であったということでございます。
  284. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 静岡瓦斯の需要者は六万五千戸だというように聞いておるわけでございますが、六万五千戸の需要者に対する保安の問題について、日曜休日で大変ではあるかと思いますけれども、一体十二人程度でいいとお考えでございましょうか。
  285. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) こういうトラブルの発生、事故の発生、または工事等のいわゆる立ち会い、そういうようなことでのパトロールの件数、業務件数というのがあるわけでございますけれども、そういう業務件数につきましては十分対処してまいってきておりますので、いまのところはこれで十分やってきたということでございます。
  286. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 十分にやっていけると言っておりましても、今度の場合にはまさにもう間に合わなくて、一人の係官が通報のあった十分後に着き、もう一人がまたそれから後で着いている、こういうことですから、必ずしも私は十分な体制ではないと思いますし、こういう事故を拡大させない意味におきましても、十分にこの点についても指導監督を強めていただきたい、このように思います。  次に、ガス漏れの検査地点は地下街の「菊正」というところ、あるいはその隣の「ちゃっきり鮨」ですか、この地点を最初に係官が行って検査をしている、こういうように聞いているわけでありますけれども、しかし地上の「柴田薬局」あるいは「ダイアナ」くつ店、こういうところからもガス漏れがあったというような通報があったわけでございます。どうしてこの地上の「柴田薬局」、それから「ダイアナ」くつ店の付近を調べなかったのかどうか、この点をお伺いしておきたい。
  287. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 第一番目の通報におきましては、「ダイアナ」くつ店付近ガス漏れということで、その「ダイアナ」くつ店の前に行ったわけでございますけれども地下爆発があったのでその爆発の誘因でまた何か起こるかもしれないということで、その爆発現場に飛んでいったということでございます。したがいまして、いまおっしゃいますように、地上一階の方もなぜ調べなかったのかということについては、いまのところ本人の行動についてよくわかりませんので、私たちも実はそこの辺は十分な情報を持っていないわけでございます。
  288. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 第二の大爆発の起こった地点がこの地上一階の地点であるわけでありまして、そこに事実上相当のガスが充満していただろうということは想像にかたくないわけであります。そこを検査していないということに初動体制で大変大きな欠陥が私はあったように思うわけでございまして、その点についての原因究明について一層御努力をいただきたい、こういうように考えます。  それからもう一つの問題でございますが、これは消防庁でございますけれども、九時三十五分に現場に到着した池ケ谷司令さんですか、この方は三十五分の時点において瞬間的にああもうガス爆発は終わったというように判断をした、こういうように新聞に報道されているわけです。この人の言うのには、過去の経験からしても、あの地下の通路からかなりの砂煙が出ていた、砂煙が出るのはガス爆発が完全に終わった証拠だ、経験上そのように判断をした、そしてもうガスが充満しないと見て消防士が地下の方へ入っていって、そしてその後に報道関係者も——報道関係者も負傷をされているわけでありますが、そして地下の「菊正」という店へ乗り込んでいった、ところがガスのにおいがぶんと鼻にきて、そこで報道陣に対して池ケ谷司令はフラッシュをたくなと叫んで避難命令を出した、こういうように報道されておりますけれども、これは事実でございましょうか。
  289. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) そうした事実は聞いておりません。
  290. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 時間がもうなくなってまいりましたので、ガス会社関係についてお伺いをしておきます。ガスの遮断装置の問題についてお伺いをしておきます。  ガス工作物の省令七十二条で遮断装置を設けなければならぬということになっていることはこれはもう明らかであります。問題点は、緊急時のガス漏れ防止遮断装置の取り扱いの問題であります。先ほどもございましたけれども現地の五者協定といいますか、五者の申し合わせで、消防署とガス会社との間で協定がある程度成り立っているというように私は聞いております。この協定によりますと、このような場合にはガス遮断装置はガス会社がとめるんだと、こういうようになっておる。だから、緊急出動でまず消防士が先に行く。しかしガスをとめなければならぬと思ってもガス会社の者が来なければこれをとめられない。そのようなところに重大な問題点が一つある。こういうように思いますが、いかがでございましょうか。
  291. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 現在の消防法上は火災警戒区域というのを設定することができ、そこへ立ち入りを禁止し、中におる人を排除するということはできますけれども、たとえばガス会社の職員に対してガス栓を締めろという命令権は与えられておりません。また消防士がみずからガスの栓を締めるという権限も与えられておりません。したがいまして、ガス協定というような五者によるああいった協定を静岡の場合は結びまして、ガス会社がそうした場合にはガス栓を締めるということになっておりますので、消防といたしましては締めるための用具等も準備いたしておりません。
  292. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 それでは実は困るわけでございまして、東京瓦斯の場合には消防士もこれを締めることができるようにいま検討し、それを実施しようとしているというように報道されておりますが、これはどういう法律に基づいてそういうような決定が行われてそういうようにしているとお考えでございましょうか。
  293. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 東京の場合に、そういうようなことがガス会社と東京消防庁との間で話し合いがなされつつあるということは聞いておりますけれども、恐らくこれは法律によらないで申し合わせでそういうふうにしようと言っているのかと思います。法律でどうこうということになるならば消防法あるいはガス事業法の改正が必要であろうかと思います。
  294. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 これは申し合わせ程度ではなくて、やっぱり消防士も現場でそういう取り扱いができるように法改正を必要としているのではないかと、私はこういうように思います。  それから第二の問題は、地上から地下へのガス地上から地下へのものはとめることができるけれども地下から地上へのものはとめることができるのか、あるいはそういうガス遮断装置というものが地下の場合には設けられているのかどうか、その点をお伺いしておきたいと思います。
  295. 児玉勝臣

    説明員(児玉勝臣君) 大体ガス管は地下七十センチのところに配置されておるわけでございますけれども、その本管から地下に行く分岐がございまして、その分岐のところにバルブがついているわけでございます。したがいまして、地上にそのバルブを操作するところがございまして、その後配管は地下へ入るというふうになっております。  いま先生おっしゃいますに、地下から地上へのガスをとめるというようなふうにはいまのところできておりませんで、第一ビルの場合にはおのおの本管から各テナントに引き込みが行われておりまして、その各テナントごとに地上にバルブがついておるというふうになっております。
  296. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 今後の問題として、地下から地上ガスが行かないようにとめるという、こういう処置を積極的に検討していただきいと思います。  もう時間がありませんので最後になりますけれども、お伺いをしておきたい点は、これは四十八年の次官クラス通達、あるいは四十九年の局長レベル通達で、これは中央地下街連絡協議会の結論に基づいたと思うわけでありますが、この結論によりまして、公益上やむを得ないもののほか地下街の新増設は今後厳に抑制をする、こういう通達が流れておるわけでありますけれども、その後一体新しい地下街というものが幾つ新設されたのか、そしていま申請中のものは幾つなのか。私の資料によりますと、十二カ所新設されているというように考えているわけでありますけれども、この十二カ所の新設を許可した理由は何か、そして現在新設申請があるとすれば、そのものに対する今後の扱いはどうか、このことをお伺いします。  もう一点。これらの通達を出す場合に、私の聞くところによると、一部専門家から地下街では今後一切ガスは使用すべきではないのではないか、こういうような強い意見があったと聞きますけれども、それが無理と考えた理由は何であろうか、このことをお伺いします。もうすでにアメリカその他の先進諸国においては、地下においてはガスは十数年前から使用を禁止しているわけでございますので、その点についてお伺いをして質問を終わりたいと思います。
  297. 牧野徹

    説明員(牧野徹君) ただいまお尋ねの四省庁通達が出た後の新たにオープンした件数でございますが、中央連絡協議会として意見調整しましてすでにオープンしたものは三件でございます。それから現在工事中でございまして間もなくオープンされる予定のものが二件ございます。件数だけ先に申し上げておきますと、現在中央連絡協議会の方に概要協議済みで詳細協議をしようと思っておりますのが二件ございまして、あとはいわゆる下打ち合わせと申しますか、事務的にお話のあるものも数件ございますが、これはまだ正規の手続を踏んだというふうなものではございません。  それから設置を認めた理由と申しますか、必要性というふうなことでございますが、おっしゃるとおり、この連絡協議会が対象とするものは、何せ上が公共の用に供する道路なり駅前広場という公共性の高いものでございますから、原則禁止ということはおっしゃるとおり書いてございます。ただ、世の中の諸般の情勢からして真に必要やむを得ないものは認めていく。その際には、一般的な基準としては、当然必要性があることはもちろんでございますが、それ以外に、地下街設置者が十分管理できるように地方公共団体等でありますとか、あるいは公的な法人であるとか、あるいは構造設備等につきまして特に防災に配慮したものはいい、あるいは営業する品種といいますか、業種につきまして危険物を置くものとか、そういうものはだめというぐあいにかなり厳しくしてございます。ただ、厳しくいたしまして、なお防災上について若干敷衍さしていただきますと、基準法とか消防法地下街につきましてはかなり厳しゅう決めてございますが、それ以上にこの四省庁の基本方針におきましては、たとえば地下歩道の幅員を最低六メートルとするとか、あるいは緊急時の避難の容易さというものを考慮した簡明な地下街の形態にするとか、あるいは店舗等は二百平方メートル以内ごとに防火区域を設けるとか等等、諸般の要件を付加した上で総合判断して必要なものは認めていくということにしておるわけでございます。  なお、その四十八年でございますが、なぜガスを全面禁止しなかったかというお尋ねでございますが、いろいろな社会の情勢あるいは営業されておる方の実態等も考えれば、それは恐らく今後議論していくことであろうかと思います。そのガスといいますか、裸火の使用につきましては、これも先ほど申し上げました要件と並びまして、原則として裸火は使用禁止、ただし都市ガス等を集中配管する場合で一定の要件を設けまして消防署長さんの方のオーケーが出ればそういうことはできるというふうなことにしておる次第でございます。
  298. 広田幸一

    委員長広田幸一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会