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坂倉藤吾君 まあ
努力をしているということですから含まれておるとは思うんですがね。
総理府が五十一年から五十二年にかけて一年間かけてやった
意識実態についての
調査報告書がある。これは五十三年の九月に
発行されておりますね。これの「むすび」のところでこういうふうに記載していますよ。「特別対策として事業を行う場合には、その趣旨を地区住民だけでなく、地区外住民に対しても周知させる必要があろう。」と、こういうふうに結んでいますね。これは事業推進に当たっていろいろな問題が発生をするんで、そのことに触れてのまとめなんですがね。少なくとも
差別をなくしていくというこういう観点は、これは国民全体に常に
啓発を必要とするもので、そして
啓発の一端を受け持っている
法務当局は、もちろん発生した
差別事件について的確に
措置をしていく、この姿勢が必要である。ところが、そういう
事件を起こさせない防止の対策というものはこれまた
法務省として積極的に取り組んでいかなきゃならぬ分野だと、こう思うんですよね。そうなりますと、冒頭に申し上げましたように、
法務当局の姿勢というのはまだまだきわめて弱い。そうして、一般のところまで
啓発活動を広げていくというのは、これは実はうちの
所管じゃなくて
総理府ですよ、各
省庁ですよと、こういう姿勢が見受けられるんです、
現実の問題としましてね。したがって、私は
法務当局として人権を擁護するという大きな立場からいきますと、それに見合うような組織体制というものが、先ほ
ども言いましたが、当然
検討されて、そうしてそういう組織が充実していって、その充実と同時に
啓発活動というのが着実に地についてくる、こういうふうになっていかないといかぬと思うんです。
現実と照らしますときわめて大きな差があると私は思うんです。この差を、特措法の期間が三年延長になりましたが、もう一年間経過してきてあと二年残っている、事業の方はそれで何とかしていこうと、こうやって
努力をしている。その姿勢はわかるのですが、少なくとも総合的な観点からいくと、いまの
啓発は文部その他全般的にわたりまして社会を構成しているもろもろの問題に関してあるわけですから、したがってそういう組織づくりに向かって一層速度を速めてもらわなきゃならぬし、具体的にいま
検討検討で時間をかせいでおってもらったのではこれはとうてい先行きが心配でならぬ、私はこういうふうに思うのです。したがって、これはくどいようになりますけれ
ども、もっとその辺積極性をきちっと出してもらえるのかどうか。そして、それに見合ったような組織の充実ということについて、これは
関係する財布を握っている大蔵省の問題もありましょうし、あるいは
行政管理庁の問題等もありましょうし、幾つかあるでしょうけれ
ども、少なくとも同対審答申の報告に基づきまして、これを唯一の根拠にして主張する
法務当局の旗印ができ上がっていると思っているんです。その旗印は少なくとも実行していくのが国民的課題であり、
政府、地方自治体の責務だと、こうなっているわけですから、これやってもらわなきゃいかぬと思うんです。その辺の決意をもう一遍、
大臣、さらには
局長の方にも重ねてお聞きしたい。