○堀江正夫君 来年度以降の問題については、もっともっと私は具体的にお聞きしたいんですが、時間もありませんので残念ながらこのくらいにします。
これは長官に私直接お尋ねしたいんですが、と申しますのは、私、去年の六月になりますか、総理のところへ一人で行きまして、どうも総理、
防衛についていろいろシビリアンコントロールの最頂点、政府
関係のですね、に立つ総理が、
防衛問題について御理解というよりも認識が不足じゃないかというような感じで、私の現職時代知り得た知識で、現在の陸海空自衛隊の能力なり、あるいはそれから類推した中期
業務見積もり達成時の能力なりというものを御説明いたしました、私は総理に。しかし、その後のいろいろな御発言を見ましても、それを御理解いただいておるのか、御理解いただいておらないのか、ようわからないわけですね、さっぱり。頭の中にそういうことはないんじゃないかと、余り、というようなむなしい気持ちさえもするわけです。私一人がむなしい気持ちで済ませればいいんですけれ
ども、事は国の安全と独立に関する問題であります。
そこで、長官ももちろん長官になられてお忙しいのですけれ
ども、お勉強になったと思いますが、三自衛隊の実際現在の能力あるいは中期
業務見積もりの達成時の能力、こういったものはもうもちろん御承知だと思います。これを何とかして総理に
防衛庁の責任においてもっと理解をしてもらう努力というものは当然なされなきゃならないじゃないか、こう思うわけです。その辺長官はどうお考えなのか、今後どうしていただくのか、これが
一つであります。
それから二番目は、どこの国でも政治の最高の
ポストにある人はもう軍
事情勢、これを絶えず聴取をして、そして政治全般の中にこれらの上に立った施策を講じておく、これはもう常識化しておるわけですね。日本の場合は残念ながらそういうことが行われていない。去年わずかに、防大の卒業式の後で次官以下が行かれて、一時間ぐらい御進講されたということは聞いています。私は、少なくも軍
事情勢につきまして定期的に、あるいは必要の都度、随時総理が軍事専門家の最高
ポストである統幕議長を直接呼んで説明を聴取するといったような習慣をひとつ長官の手によってつくっていただきたい。あるいは今後安全保障特別
委員会も設置をされてやるということになりますと、総理自体が軍事のいろんな専門
事項について直接何もかもお知りいただくというわけにいかない。そうなると、やはり秘書官の中に制服を配置をする、そして総理をそういう面でもって補佐をする、こういうようなことも私は今後進めていただく必要があるのじゃないか、このように思うわけです。
さらに、今度四月には総理が訪米をされるわけです。この訪米は、
防衛問題が大きな問題になるのは明瞭だと思います。こちらが好むと好まざるとにかかわらずなると思います。こういう総理の訪米に対して、私は、日本政府の姿勢として総理の随行者の中に
防衛庁からしかるべき人を入れるということが大変大事なんだと思うんです。その辺をひとつ長官から承りたいと、こう思います。