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1980-05-13 第91回国会 参議院 大蔵委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十五年五月十三日(火曜日)    午前十時一分開会     —————————————    委員異動  五月八日     辞任         補欠選任      丸谷 金保君     阿具根 登君      河田 賢治君     渡辺  武君  五月九日     辞任         補欠選任      小澤 太郎君     中村 太郎君      亀長 友義君     坂野 重信君      阿具根 登君     丸谷 金保君      小谷  守君     竹田 四郎君      大森  昭君     和田 静夫君      吉田 正雄君     福間 知之君      青島 幸男君     市川 房枝君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         世耕 政隆君     理 事                 浅野  拡君                 細川 護煕君                 矢追 秀彦君                 中村 利次君     委 員                 岩動 道行君                 梶木 又三君                 河本嘉久蔵君                 嶋崎  均君                 塚田十一郎君                 藤井 裕久君                 片岡 勝治君                 丸谷 金保君                 多田 省吾君                 佐藤 昭夫君                 市川 房枝君                 野末 陳平君    国務大臣        大 蔵 大 臣  竹下  登君    政府委員        大蔵省主計局次        長        禿河 徹映君        大蔵省理財局長  渡辺 喜一君        大蔵省銀行局長  米里  恕君        大蔵省銀行局保        険部長      松尾 直良君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  保君    説明員        自治省税務局固        定資産税課長   渡辺  功君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地震保険に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○筑波研究学園都市移転跡地の利用に関する請願  (第六一号外四件) ○一般消費税新設反対に関する請願(第六六号外  四〇件) ○一般消費税導入反対等に関する請願(第一八〇  号外一件) ○陸上公共輸送整備特別会計の創設に関する請願  (第一八二号) ○税理士法改正法案試験制度改正反対に関する  請願(第二九八号外七件) ○財務局の熊本市存置に関する請願(第三三四  号) ○税理士法改悪反対に関する請願(第三四〇号外  四六件) ○税理士法改正反対に関する請願(第三六四号外  一件) ○家具物品税撤廃に関する請願(第三九四号外三  件) ○税理士法の一部改正案反対に関する請願(第四  一一号外七一件) ○税理士法改正案反対に関する請願(第四九九号  外九六件) ○税理士法改正案の廃案に関する請願(第六九六  号外三四件) ○一般消費税実施反対等に関する請願(第八三三  号外一件) ○一般消費税導入反対に関する請願(第九二九号  外一件) ○医業税制改善に関する請願(第九四二号外三  件) ○一般消費税反対に関する請願(第一二三〇号) ○たばこ値上げ反対に関する請願(第一四二八  号) ○不公平税制改正等に関する請願(第一四二九号  外五件) ○台湾残置私有財産補償に関する請願(第一五六  二号外四件) ○身体障害者に対する地方道路税等免除に関する  請願(第一八七一号外一四件) ○一般消費税反対大幅減税に関する請願(第二  〇九九号外二件) ○一般消費税新設反対等に関する請願(第二三  四三号) ○公共事業用地等提供者に対する譲渡所得の控  除に関する請願(第二三八九号) ○合理的な医業税制確立に関する請願(第二八  二二号外二件) ○金融機関等の週休二日制実施に関する請願(第  二八八七号外一八件) ○公共用地取得推進に係る税制改正に関する請  願(第二九八〇号) ○ハイヤー、タクシーに対する自動車関係諸税減  免等に関する請願(第二九九〇号外一五件) ○中小清酒製造業者による日本酒生産振興に関  する請願(第三〇八四号外一件) ○在外財産補償法的措置に関する請願(第三四  一一号外七件) ○松本営林署庁舎改築に伴う跡地払下げに関する  請願(第三四二一号) ○医業税制確立等に関する請願(第三四二二号) ○公立高校用地確保のための筑波移転跡地払下げ  等に関する請願(第三九四五号) ○継続調査要求に関する件     —————————————
  2. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る八日、河田賢治君が委員辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。  また、九日、小谷守君、大森昭君、吉田正雄君、青島幸男君、小澤太郎君、亀長友義君が委員辞任され、その補欠として竹田四郎君、和田静夫君、福間知之君、市川房枝君、中村太郎君、坂野重信君が選任されました。     —————————————
  3. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 地震保険に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣
  4. 竹下登

    国務大臣竹下登君) ただいま議題となりました地震保険に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  地震保険制度は、昭和四十一年に発足したものでありますが、このたび政府は、地震等による被災者の生活の安定に寄与するため、てん補される損害範囲を拡大するとともに、付帯される損害保険契約保険金額に対する地震保険金額の割合を引き上げる等の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。  第一に、てん補される損害範囲につきまして、現行制度では全損のみをてん補することとしておりますのを政令で定める損害に改めることとし、てん補される損害範囲を拡大することといたしております。  第二に、地震保険金額につきまして、現行制度では付帯される損害保険契約保険金額の百分の三十に相当する額としておりますのを改め、百分の三十以上百分の五十以下の額に相当する金額とすることといたしております。  第三に、大規模地震対策特別措置法に基づく地震災害に関する警戒宣言が発せられたときは、原則として地震保険契約を新たに締結することができないことといたしております。  このほか、所要の規定の整備を図ることといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  5. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 丸谷金保

    丸谷金保君 今回の改正では、特に限度額が非常に大幅に上げられております。従来に比べて一挙に大きく上げた理由、これは物価が非常に上昇しているので、限度額が突如として合わなくなったというふうに理解してよろしゅうございますか。
  7. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 今回、限度額建物につきまして一千万、動産につきまして五百万と大幅に引き上げになっておりますが、今回の引き上げになりました背景といたしますのは、一つは、五十三年、御案内のとおり宮城沖地震というものが起こりまして、現行地震保険についてのいろいろな御批判、御不満というものがあったわけでございますが、その一つといたしまして、保険金額が小さ過ぎるではないかという御要望が非常に大きかったわけでございます。  やはり保険として機能するためには、建物なら建物というものが復旧されるに足るようなものでなければならないという御要望が強かったのでありまして、そういった点を勘案をいたしまして、最近におきます建物建築費等勘案をいたしまして一千万と五百万というものに引き上げをいたした、こういうことでございます。
  8. 丸谷金保

    丸谷金保君 四十一年の発足当時から、四十七年、五十年と限度額改定されております。しかし、大体五十年までの約十年間はおおよそ倍々ゲームで、何年に一回かの改定ということでございまして、十年かかって三倍くらいにしか限度額が上がっていない。それが五十年からことしの改正、この間では一気に四倍になった。ちょっと何か、現況に合わせてやったことはわかるのですが、従来の取り扱い方というのは、いかにも何か消極的過ぎたのではないか。審議会意見を踏まえて、その意見どおりに持っていくという提案が出てきているわけですけれど、審議会そのもの一体宮城沖地震があるまでの間には何回くらい開かれて、こういう限度額引き上げが行われたのですか。
  9. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 保険審議会はしばしば毎年のように開かれておりますが、お尋ね地震保険について従来どういう審議があったかという点につきましては、四十年に地震保険発足いたしますときに地震保険制度のあり方、組み立て方ということで十分な議論を尽くしていただきまして、それから特に地震保険についての審議を行ったということは、昨年と申しますか、一昨年の秋から昨年にかけてまでは特にございませんでした。  それから、従来の限度額引き上げに比べて今回非常に大幅ではないかという御指摘でございますが、地震保険制度発足いたしますときに、御案内のとおり限度額建物九十万円、動産六十万円でスタートしたわけでございますが、このときには国会審議におきましても少し低過ぎるのではないかという御意見もあったわけでございます。  この九十万、六十万を決めましたときのいろいろな考え方一つといたしまして、地震損害地震災害というものが、火災であるとか自動車といったようなほかの事故に比べまして、やはり地震損害というのは非常に異常、巨大であると。この限度額を決めます場合の一つ要素といたしまして、やはり担保能力と申しますか、保険金支払い能力というものも考えなければいけないという要素があるわけでございます。  九十万、六十万でスタートいたしまして、当時御審議の際に、これをやはり逐次引き上げていくことを考えるべきであるというような御意見、現に附帯決議もあったわけでございまして、そういった点を踏まえて、この担保能力充実等勘案しながら、倍々とまでまいりませんが、百五十万、二百四十万というふうに引き上げてきた。今回、宮城沖地震契機といたしまして、二百四十万というのがいかにも低いではないかという御批判が非常に強かったわけであります。  先ほど申しましたように、やはり地震一つ保険という中に組み込むからには、との保険金によって建物が修築されるに足るもの、そういったところのやはり限度額を考えるべきではないかという御意見が非常に強かったわけでございます。そういった世論と申しますか、一般の御要望を踏まえながら審議会におきましてもいろいろ御議論がございまして、やはり一千万、五百万というところが妥当ではないかと、こういう答申をいただきまして、そのように措置をいたしたということでございます。
  10. 丸谷金保

    丸谷金保君 今回上げたということは、この審議会意見を踏まえて上げたということでわかるんですが、たとえば国会附帯決議というのは何なんだろうかと、実は記録を読みながらその感を深くしたんです。すでに法が発足した四十一年の附帯決議で分損を加えること、あるいは限度額引き上げ等が出ておるんです。そうすると、この分損を加えること一つをとってみましても、十五年ぶりですわね、十五年目に行われておる。それから、低いという論議は、その後何回も保険金支払いを行っておるわけです、各種保険で。しかも、四十七年まで引き上げられなかった。そうすると、国会附帯決議というふうなものはちっとも生かされていなかったという感を実は深くするんです。  大臣に特にお願いしたいんですが、大臣は必ず附帯決議がありますと、附帯決議を十分体して善処したいと、こういう発言をされるわけなんですけれど、実態はこういうことで分損そのものも十五年も投げられた、これでいいでしょうか。
  11. 竹下登

    国務大臣竹下登君) これでいいかと言われると大変これはむずかしい問題でございまして、確かに十五年もかかってこういうところまで行きついたわけでございますが、政府といたしましては御趣旨に沿って配意いたしますと、こういう決まり文句がございます。これは重要な意味を持つ決まり文句でございまして、決しておざなりなものであるなどとは考えておりません。  が、特に地震保険の場合、いささか私も保険を勉強さしていただいたことがございますけれども、要するに保険というものは、いわゆる生命に関する保険、あるいは損害に関する保険、あるいは投資保険輸出保険等々いろいろあって、先進国のバロメーターとは、各種保険制度が全部適用されたのが先進国だと言われるぐらいな基準があるわけでございますけれども、これが伝染病とか、いわゆる天変地変、あるいは戦争、そういうときにだけ一挙にして多額のものが保険金として支出されると。  したがって、それをどのようにカバーしていくかというのが、いわゆる国というようなものの持つ役割りであって、それが整備したところほど先進国だと、こういう議論がありますので、やはり地震保険というものになりますと、保険学体系の中においては異常の部類に属することでございますので、この程度の時間がかかったというのは御寛容をいただけるじゃないかと。しかし、趣旨は、丸谷委員趣旨に対しては私も賛成でございます。
  12. 丸谷金保

    丸谷金保君 地震保険のむずかしさという中で、なかなか改善に踏み切れなかったということもわからないではないんです。ただ、私はいま大臣一般論として、こういう状態はいけないんじゃないかということを御認識いただきたい。大変困るむずかしい問題だとおっしゃいましたけれど、これじゃいけないんだとおっしゃっていただけば、何も別に困る答弁にならないんです。そういう結論の話をしないで、こういろいろと持って歩こうとすると大変むずかしい話になるんですが、たとえば限度額引き上げども四十七年まで一回も行われていないということになりますと、その間四十七年までの間に、少なくても四回地震でもって保険の給付が行われておるわけです。  この間にこのことがどうして問題にならなかったかと、特に昭和四十三年には十勝沖地震というので、私たちもろにかぶった地震があった。これで庁舎もだめになりまして、役場庁舎を建てかえなきゃならないで、えらい苦労して庁舎の建てかえをいたしました。ですから、相当な地震だったんです。もうみんな飛び出して、後で入ってみたら、手がつけられないくらいのひび割れかなんか入っていましてね。自治体の場合には、これは災害として認定を受けまして、起債対象その他なったから、庁舎もりっぱなものを建てることができた。しかし、非常に当時でもこの保険に入っている人が少ないんです。  極端に言いますと、被害者の中でそういう保険があるということすらも知らない住民がたくさんいて、私の知る範囲でも被害を受けてから、ああそんな保険があったのかというふうなことで、どうもこの保険余り一般に知られていない面が非常に多うございました。これじゃいけないんじゃないかと思っておったんですけれど、住民の側にしますと、一回地震があればもうしばらくないんだからというふうなことで、なかなかやはり地震保険がなじまない。これはずっとこの発足から見てきますと、依然として余り加入者が現在までふえてなかった。そのPRの仕方に問題がありますが、それが今度の自動付帯というふうなことを進めていく原因の一つなんでございましょうか、どうなんですか。
  13. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 地震保険普及と申しますか、余り知られてないではないかという御指摘でございますが、最近は宮城沖地震というのも一つ契機になりましたし、また、東海地震というようなことがいろいろ言われておりますので、東海地方であるとか、あるいは関東地方であるとか、こういうところでは、地震保険に対する関心というのは非常に高いというふうに私ども認識をいたしております。  全体的な普及が非常に十分でないではないかという点でございますが、全国平均をいたしますと、現在普及率というものは一五%程度でございますが、南関東あるいは東海、近畿、こういった都市部におきましてはわりあい高い普及度を示しております。  その普及との関係において今度の付帯方法変更というのをどういうふうに考えたかということでございますが、現在この地震保険つけ方というのは三つ方法がございまして、住宅総合保険あるいは店舗総合保険というような、いろいろな住宅に関連します危険をパッケージにしております保険がございますが、これにつきましては、自動付帯、つまり地震保険がその中身の一つとして自動的にくっついております。それから、長期総合保険という長期物につきましては、原則自動付帯という方法をとっておりまして、これは契約者の方が地震保険は要らないよという意思表示をされますと落ちる。それから、通常の火災保険につきましては、全く任意により地震保険に入りたいという方がこれを付帯をする。この三通りの方法現行やってきておるわけでございますが、今回その原則自動付帯ということを一本にしようというふうに考えております。  これは発足当初におきましては、やはり地震保険というのがある程度普及をするということが必要であろうということで自動付帯、第一の方法のいわば選択の余地のないような形のもの、こういうものを中心に始めたわけでございますが、やはり事柄の性質からこれは強制にわたるという性格のものではないのでありまして、あくまでも契約者任意性というものを尊重しなければいけない。他方、それでは現在の任意付帯のような方法で全く任意だということになりますと、先生指摘のように、そういう保険があることさえ知らなかったと、後になって地震が起きて、いやそんないいものがあったのかというようなことになっても困りますので、いわば中間的なものといたしまして、原則自動付帯ということ一本で今後はやっていこうと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  14. 丸谷金保

    丸谷金保君 今度は、そうするとあれですね、火災保険等の場合には特に断らない限りは料金付加してやっていくと。今度は相当入ることになるかと思いますね、そうすれば。  ただ、そうしますと、現在の国の再保険、これの限度額が足りなくなってくるんじゃないですか。いま計算してみますと、おおよそこの支払い限度額加入者というふうなものを勘案して、再保険の国の持つべき責任金額が決められてきたというふうに感じるんです。しかし、こういう自動付帯の新しい制度に積極的に踏み込んでいくということになると、従来の考え方でこの限度額を一兆二千億程度のことでは、限度額そのものが今度の提案はちょっと整合性に欠けるところが出てくるのじゃないかという気がするんですが、どうなんでしょう。
  15. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) そのてん補内容改善をされるという面等を考えて、この限度額をなぜ今回変更しなかったかというお尋ねでございますが、まず、この新制度になって契約がどういうふうになるかという点で、原則自動付帯ということによってふえるのではないかというふうに御指摘になりましたが、私ども実はそこは反対に考えておりまして、先ほど申し上げましたように、現行制度というのは三つ付帯方法をとっておるわけでございますが、一番目の自動付帯という、強制と申しますか、パッケージになって自動的に組み込まれておるというもの、これが圧倒的に多いのが現状でございます。  で、内容がよくわからなかったという御不満がまた後で出てくるわけでございますので、先ほど申しましたように、契約者任意性を尊重いたしたいということでございますので、先ほど全体として普及率が一五%程度と申し上げましたが、この契約者任意性にある程度依存しております原則自動付帯任意付帯をとりますと、全国的な普及率はもっとずっと低くなってしまうわけでございます。したがいまして、今後、原則自動付帯中心になったときに契約者がどういう反応を示すかということ、まあこれはなかなか予測困難でございますが、非常に単純に考えれば、現在の原則自動付帯なり任意付帯という契約者任意性によっておるものと同じ率ではないかというのが単純に考えられるわけでございます。  ただ、一方、今回の制度改正によりまして、御案内のとおり半損まで担保をする、あるいは限度額引き上げると、こういうことは契約者のいわば要望にこたえたことになりますので、こういった面から、それではいままで地震保険余り魅力はなかったけれども今後はひとつ入ろうかという、そちらの方に働く要素というのがあろうかと思うのでございます。  それから、いま申しました付帯方法変更という点から申しますと、やはり契約者が自発的なみずからの意思によって入るということになりますと、私どもはむしろ件数は若干落ちるというふうに考えざるを得ない。ただ、限度額が、先ほど先生指摘ありましたように、今回大幅に引き上げになるということは、件数が落ちましても、一件当たりの保険金額、これは増加をしていくということになろうかと思うのでございます。  そこで、この一兆二千億を今回なぜ変えなかったか、変える必要がなかったかということでございますが、現在の一兆二千億という限度設定をいたしましたのは五十三年度でございます。当時、五十二年ごろから地震保険というのが急速に契約がふえておりまして、そうした伸び方というものを参考にいたしまして、五十三年度末、つまり五十四年の三月における契約額というものを想定をいたしまして、そのときは九兆余り契約額に達するであろうという推定をいたしまして、その契約のうち、その契約前提といたしまして、限度額というのは最大規模地震が起きたときに支払われるであろう保険金額はどのくらいになるかということを試算するわけでございます。  過去四百数十年の中におきまして、いままで一番損害の大きかった地震というのは関東大震災でございますので、この関東大震災規模のものが今日発生をした場合に、現在の契約状況から見て支払い保険金額がどのくらいになるかということを想定をいたしまして、それに若干の余裕を見て限度額設定をする、こういうことで従来からいたしておりまして、五十三年度一兆二千億を決めましたときには、そういった九兆何がしの契約前提といたしまして、関東大震災規模のものが起きた場合には九千億を若干上回る程度保険金支払いが見込まれる、そこに若干の余裕を見込みまして一兆二千億というものを設定したのでございます。  その後、契約伸びが当時想定しましたのとは非常に違ってまいりまして、特に、五十三年の宮城沖地震契機といたしまして、大変残念なことでございますが、逆に地震保険契約というものが減ってまいりまして、五十三年度末には、九兆何がしと見ておりました契約が七兆台にとどまったということでございまして、その契約額前提最大規模地震が起きたときの支払い保険額を推定いたしますと七千八百億ぐらいである。  今回改定をいたしまして、今国会で御承認いただきまして五十五年度中に新制度発足をするといたしまして、五十五年度末の契約額がどのくらいになるかという推計をいたしまして、これが七兆八千億程度ではないかというふうに考えておりますが、それを前提に、今回、分損まで担保をするということを計算をいたしました関東大震災規模の大地震におきます推定保険金支払い額、これは九千七百億程度であるというふうに推計をいたしまして、一兆二千億との間になお余裕がある、こういうことで今回改定をいたすまでもないということで一兆二千億をそのままにいたしておる、こういうことでございます。
  16. 丸谷金保

    丸谷金保君 ちょっと問題は、減ってきたということ、何かいまの説明を聞いておりますと、減ってよかったんだというふうな感じにとれるんです、そうでないと思うんですが。これは大臣がもう退席なされるというので、大臣にひとつ、特にこの問題だけ見解をお聞きしておきたいと思うことがございます。  国土庁の方に地震対策の国土庁の基本計画というものがございまして、これらで指示を出すというふうなことが盛られてきております。このことは、後でまた大臣が退席されてからゆっくり聞きたいと思っているのですが、たまたまこういうことが発表になりまして、特に首都圏において、それに関連した避難計画というものがつい先日発表されております。大体一時間半とか二時間とか、都心の人口がほとんどなくなるという、これがえらいとんでもないことに町の中でうわさが飛んでいる。戦争が起きたときにどういうふうに東京都民を逃げ出させるかということがこの計画の裏なので、地震の計画じゃないんだと。私も、実は、この話を聞いて愕然としたんです。そういうばかなことはないということを、ここで大臣からひとつ伺っておきたいんです。
  17. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 国土庁におきましていわゆる災害時、なかんずく地震の際における避難訓練あるいは避難計画、そういうものが出され、そうしてまた、本日は議員立法の形で、東海地震のあの指定区域内におけるもろもろの施策の補助率とか、そういうこともいままさに詰め切った段階であるように聞いております。これらの総合的な施策は、すべて国民の安全を災害、なかんずく天災から守るということであって、戦争などというものを念頭に置いて考えられたものではないということは、やはり明確にしておくべきであると思います。
  18. 多田省吾

    ○多田省吾君 今回の地震保険法の改正で、地震保険金額限度が、建物が二百四十万円から一千万円に、動産が百五十万円から五百万円に、おのおの大幅に増額されたわけでありますが、支払い限度額昭和五十三年四月以降の一兆二千億円のままでありますが、この金額でよろしいのか、私は増額する必要があると思いますが、増額の必要はないのか、これを伺いたいと思います。  また、あわせて、民間保険会社の責任準備金の蓄積額は現在どの程度になっているか。聞くところによると、昭和五十二年ごろで六百六十七億円、現在は八百億円程度とは聞いておりますが、はっきりした金額をお教えいただきたいと思います。そして、責任負担限度額一千八百三十七億五千万円とのギャップについてどうするのか。特に、中小保険会社等の場合はやはり相当困るのではないかと思われますが、政府はその対策をどう考えているか。  この二点をまずお伺いしておきます。
  19. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 第一点の、総支払い限度額一兆二千億というものが今回の付保金額引き上げにもかかわらずそのままなので、改正する必要があるのではないかという御指摘でございますが、これは一兆二千億と申しますか、総支払い限度額というのは相当程度大きな地震、従来の経験からいいますと関東大震災というのが最大規模地震でございますが、そういったものが起きましても支払いに支障を来さないということをめどに設定をしてまいりまして、今回の改正を機に推計をいたしましたが、やはり一兆二千億との間になお余裕がある。五十五年度末におきます契約金額を推計をいたしまして、関東大震災級の大地震が起きたといたしましても、支払い保険金額は約九千八百億円程度であろうというふうに推計されましたので、なお一兆二千億との間に余裕があるということで据え置いておるわけでございます。  それから、御質問の第二点の民間の責任準備金と支払い限度との関係でございますが、五十五年三月末現在におきます民間におきます地震保険危険準備金の総額は九百五十億でございます。一方、御指摘のとおり、民間損害保険会社が一回の地震につきまして負っております支払い限度というのは千八百三十七億五千万円でございまして、その間に約九百億のギャップがあるということは御指摘のとおりでございます。  しからば、千八百三十七億を九百五十億しか準備金がないのにどうやって払えるのかという御質問かと思いますが、民間の保険会社は地震保険勘定のほかにいろいろな勘定、蓄積を持っておるわけでございます。もちろん、大規模な地震が発生いたしました場合には、地震保険以外にもいろいろな支払い要因というものが出てくるのでございますけれども、現在の民間損害保険会社の資産状況を考えてみますと、非常に流動性の高い資産だけをとりましても、たとえば最も流動性の高いコールローンというのは八百六十億ばかり持っております。それから、預貯金が一兆一千四百四十億円というような資産を持っておりますので、こういった資産を流用する。つまり、ほかの勘定から、一時立てかえのような形で九百億円を支払うということには支障はないというふうに考えております。  なお、地震保険法の第八条におきまして、保険金支払いのため特に必要があるときは政府が資金のあっせん等を行うこともできることになっておるわけでございまして、私ども千八百三十七億五千万という民間の責任限度額を果たす上におきまして、支障はないというふうに判断をいたしております。
  20. 多田省吾

    ○多田省吾君 この支払い限度額引き上げにつきましても、私はまだ納得のいかない点があります。というのは、発足時におきまして三千億円、それから四十七年の五月に四千億円、それから三年たった五十年の四月に八千億円、三年たった五十三年の四月に一兆二千億円と、それぞれ最近の三年ごとに四千億円ずつ増額しているわけですね。もうすでに二年ちょっとたっているわけです。それで、このまま地震保険金額引き上げをしないとしても、私はこの推移を見ればだれだって、昭和五十六年の四月ごろにはまた四千億円ぐらい上げるんじゃないかなと、こう見通すわけですね。それなのに、今度は地震保険金額限度建物で二四十万から一千万に、動産が百五十万から五百万にと大幅に増額されたにもかかわらず、この支払い限度額は相変わらず五十三年四月以降の一兆二千億円のままであるというのは、どう見てもこれは納得できないことであります。  関東大地震級の地震が起こっても九千八百億円程度だとは申しますけれども、今度は東海地震の危険性も言われておりますし、範囲も非常に広いわけでございます。また、東海地震が神奈川県にもかかっておりますが、東京にかかる危険性がないとも言えないわけでございます。そういうことから考えますと、やはり私は、いますぐとは言わないまでも、来年の四月ごろまでには相当引き上げるべきだと、このように思いますが、大臣、いかがでございますか。
  21. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この支払い限度額というのは、通常想定されるような最大規模地震が起きましても、保険金支払いに支障を来さないようにということをめどにいたしまして設定をしておるわけでございまして、御指摘になりましたように、当初の三千億から何回か引き上げになっております。これはその都度、そのときの契約状況から、そういう関東大震災規模地震が起きた場合にどの程度保険金支払いが必要であるか、それに若干の余裕を見込んだ形において設定をしてきてまいったわけでございますが、現在の一兆二千億、御指摘のとおり五十三年度から一兆二千億になっておりますが、このときに想定をいたしましたのは、五十二年ごろの状況を見まして、当時契約が急速に伸びておるという状況を反映いたしまして、五十三年度末には相当な契約金額というものを予想した。  具体的には、九兆台の契約金額になるということを前提といたしまして一兆二千億設定したのでありますが、実はその後契約伸びがとまり、さらに大変残念なことでございますが、宮城沖地震契機といたしまして、一般地震保険に対する不満というものが反映されたのではないかと思いますが、逆に契約金額が減ってくるというようなことで、当時想定されました九兆幾らということからはるかに契約金額は小さいということでございまして、一兆二千億というのが現行制度、現状におきまして非常に余裕のあるところでございまして、今回の制度改正によって改めて推算をいたしましたが、なお一兆二千億には余裕がある、こういうことで、先ほど申しましたように今回据え置いた。今後の契約状況、新制度実施後の契約状況等にらみながら、適切に対処してまいりたいと考えております。
  22. 竹下登

    国務大臣竹下登君) いま保険部長からお答えいたしました後段のところでございますね、これからの推移を見ながら適切に対処していくべき課題であると、現状においては一応計算上これで足りるという考え方であります。
  23. 多田省吾

    ○多田省吾君 それは強く要望しておきますけれども、昨年三月末現在で保険金額は七兆八千七百四十七億円、これは大蔵省資料でそのように言われておるわけです。特に東京の普及率が全国最高で三二・四%、全国平均で一五・四%でございますが、今後やはりこの地震保険改正につれましてこの金額が飛躍的に増加することも考えられますし、早急にやはり改正することを要望したいと思います。  時間もなくなりますので急いで質問しますが、ひとつ簡明にお答えいただきたいと思います。  現行地震保険が全損のみ担保であることなど、その内容保険契約者に十分説明されていなかったことが宮城沖地震の後で大問題になり、マスコミなどで厳しく批判されたわけでございます。従来、保険契約内容がわかりにくいのは、地震保険に限らずよく問題になるわけです。地震保険法の改正で、今後は契約者の選択にゆだねる事項が多くなるわけでありますけれども、特に全損、半損——全壊、半壊ですか、その内容については、契約時に十分納得を得るように文書等で説明することが大事であろうと思いますが、この場合、大蔵省は損保業界にどのような指導をされるのか、お伺いしたい。
  24. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 御指摘のとおり、この内容を的確に契約者に知らせるということが一番大事なわけでございまして、不幸にして宮城沖地震のとき、そういった当初における説明が十分でなかったというところからのトラブルもあったということを私どもも聞いております。今回は特に制度改正、この制度ができまして初めての大きな改正でございますし、それから分損まで担保をするとか、あるいは契約者が選択をする要素というものが従来と違いまして出てまいりますので、十分この内容について周知徹底させる必要があろうかということでございます。  そのためには、まず全体的なPRといたしましては、新聞等によりまして今回の改正内容を周知させるということが一つございますし、それから実際にこの契約の締結に当たります損保会社の社員であるとか、あるいは代理店につきましての教育を十分徹底して行う必要があるというふうに考えておりまして、新制度につきましては、損保会社の社員あるいは代理店を集めまして十分な教育をするということ、それから契約の募集に当たりましてはパンフレット等わかりやすく内容を十分に知らせると、こういったPRに万全を期したい、その方向で業界を指導してまいりたいと考えております。
  25. 多田省吾

    ○多田省吾君 大地震等が発生した場合に、損害の認定をめぐって契約者保険会社の間にトラブルが生ずることが十分予想されるわけでございますが、保険審議会の答申でも、公正な苦情処理機関を設置するように要望しておりますが、その機関の構成、準備状況はどのようになっているか、ひとつ簡明にお答えいただきたい。
  26. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 苦情処理が大変重要な点、御指摘を待つまでもなく、また、審議会の答申を受けまして、早速現在この苦情処理機関を設置すべく準備を進めておるところでございます。苦情処理機関といたしましては、やはり中立公正な第三者機関であるということが必要でございます。  次に、この設置の時期でございますが、地震が起きました場合に、機を失せずそういうものが設けられるということが必要でございまして、直ちに機能できるように、現在からあらかじめ委員になる方を予定をし、お願いをしておくというようなことが必要であろうと思うのであります。  それから、設置の場所でございますが、これは原則として各都道府県に設置をするという方向で準備を進めておりますが、当面は地震防災強化地域として指定された地域、こういったところに優先的に設置をするという方向で準備をいたしております。  なお、委員につきましては、中立公正な第三者機関という性格から、保険学者あるいは建築の専門家、不動産鑑定士あるいは関係地方公共団体の方、こういった方にいろいろ入っていただくということで具体的に人選をし、進めておるところでございます。
  27. 多田省吾

    ○多田省吾君 今回の改正で、現行の全損から全損及び半損に拡大されて国の被害認定基準によっててん補されるわけでございますが、特に半損の場合、四十二年に決められた災害被害認定統一基準というのがありまして、半壊のところにもいろいろその基準が載っておりますけれども、これだけでは非常にむずかしいと思うんです。警察の災害被害発表の際の認定なんかもありますが、その点どのように公正を期するのか、それが一点。  もう一つは、一部損の被害は将来ともにこれは対象としないのか、あるいは将来考えるのか。  その二点、簡明にお答え願いたい。
  28. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 全損なり半損の認定が非常にむずかしいではないかという御指摘でございますけれども、この地震損害につきましては、ほかの一般火災保険等と違って、一たん災害が起こりますと非常に大規模な広範囲にわたる損害の発生ということが予想されるわけでございまして、大量のものを迅速にかつ公平にというのが、この損害査定の不可欠の要請になろうかと思うのであります。そのためには、できる限り簡便な査定方法というものを考えまして、短期間に大雄にかつ公平にこれを処理するということで、現在査定基準と申しますか、査定要綱並びに査定基準をいろいろ詰めておるところでございまして、さらにまた、御指摘のとおりの公的な証明、国の災害認定、こういうものにもある程度依存をしていくということによって、短期間に大量の処理をいたしたいということで諸般の準備をいたしております。  なお、半損に至らないものについての問題でございますけれども、こういった大量に公平な査定をするということを考えますと、現在、半損につきましては国の災害認定基準というものがございますので、それにある程度依存することができると、こういうことから、今回半損まで担保範囲を広げるということにいたしたわけでございまして、こういった査定の点を考えますと、半損に至らないような一部損につきましては、やはりこの制度に乗せることが困難であるということで見送らせていただいておるわけでございます。
  29. 多田省吾

    ○多田省吾君 最後に一点だけ。  保険料率の決定は、全国を三区分した等地別の分け方でございますが、東海地域は大規模地震が予想されておりますけれども二等地、また、別の県では地震が多発していても一等地となっております。だれしも一等地の安い方に指定してもらいたいという希望はありましょうけれども、公平を期さなければならないと思いますが、現実に若干合わない点も出てきていると思いますけれども、この等地別の分け方に再考の余地がないか。これを簡明にお答えいただきたい。
  30. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 時間がありませんので、簡潔に御答弁願います。
  31. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 現在、一等地、二等地、三等地という三区分になっておりますが、今回は、審議会の答申を受けまして、危険度に応じまして、もう少しこれを広げるという方向でただいま準備中でございます。
  32. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 理事会でちょっと中座をしておりましたので、重複する部分があろうかと思いますけれども、若干お尋ねをいたしたいと思います。  地震災害は、言うまでもなく、個人の責めに帰せられない自然災害であるわけですけれども、現在、損害額四百五十億円以下は国の負担はゼロだと、こういうシステムになっておって、いろいろ調べてみますと、現在までの保険金支払いは約十五年間で十地震に対して三億六千万、しかし国の負担は全くゼロだという問題とか、加入者保険料掛け捨てによって、地震保険準備金の残高が昭和五十四年で千六百八十億に達しておる、あるいは保険料率の算定が四百六十七年間に三百二十回の地震発生を基礎に、言うならば四百六十七年間で収支を合わせる、こういう試算で料率が決められておるということになっておるわけですけれども、いずれにしましても、国民の保険料負担の軽減を目指して国費の大幅負担をもっとふやす、こういう方向を、これを機会にさらに前向きの検討がやられてしかるべきではないかというふうに思いますが、その点はどうですか。
  33. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この保険と国の関与の関係でございますけれども、通常の損害でございますと、これは民間の保険そのもので営まれるわけでございますが、地震損害というものが、通常の損害と違って幾つかの特徴がある。それはやはり非常に長期の期間で考えませんと、十年、二十年の期間だけをとりますと地震はほとんど起きない。ところが、何十年かに一遍非常に大きな地震が起き、しかもその損害額というのは非常に大きい、通常の保険に乗りにくい性格のものであるわけでございます。  したがいまして、これを民間の保険のままではなかなか地震というものを保険の仕組みの中に入れられないというところから、いろいろ考えられました結果、地震損害というものも非常に長期のレンジをとってみれば、やはりそこには一つの収支均等する点というのが必ずあるはずである。ただ、民間の保険会社におきまして、百年とか三百年とか、そういうレンジにおきまして収支を考えるということは不可能でございますので、そういう意味におきまして国がこれに関与をする、長期の期間をとるということが国が関与することによって可能になる、こういう考え方から国の再保険制度でスタートをしておるわけでございます。  その場合に、どんな場合にも国が損害の一部を支払うというような再保険——再保険には二通りあるわけでございまして、いわゆる比例式の再保険ですとそういう形のものがあるわけでございますけれども、小規模の地震でございますれば、民間の保険会社の担保力をもって十分に支払いが可能であるわけでございますので、そういったものにつきましては、民間の担保力の範囲において行うということから、現在のような仕組みになっておるわけでございます。  したがいまして、私どもこれは保険という一つのシステムの中に、民間ベースでは果たせないところを、国が再保険という形で、いわば支えをいたしておるというふうに理解をしておるわけでございまして、国が財政支出をするということではなく、国も再保険料という収入と保険金支払いということが長期間にわたってバランスをすると、こういう保険一つの仕組みとして、国も関与をしておるということであろうかというふうに考えております。
  34. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いろいろ説明をなさっていますけれども、しかし、それで現にこの再保険を発動をする、それが余りにも少ないというこの現状にあって、一遍この制度的な検討を加えてみるべきではないかということを指摘をしているわけです。  今回、その一件当たりの保険金限度額ですね、今後も物価値上げに伴って実情に即して政令で定めるわけですけれども、物価上昇に見合って見直しをしていくということは当然考えておるわけですね。
  35. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この付保金額限度額につきましてどう考えるかということでございますが、これは今回の一千万、五百万という金額限度を決めましたのは、保険の目的から申しまして、地震によって損害を受けた建物、家財の復旧に相当程度寄与するものでなければならないということが一つでございます。他方、それではどんな金額限度でもいいかというわけにもまいりませんで、きわめて高額な個人資産についてまで国が関与する保険で支えるということはいかがかという判断もあろうかと思うのでございますが、まあそういったバランス、さらには今後の契約事情、そういったものを総合勘案しながら適宜見直しと申しますか、適切に対処していく問題であるというふうに考えております。
  36. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 もう時間がありませんからあれですが、今回の法改正によって保険金を支払う対象を半損まで加えたということは確かに改善ではあるわけですけれども、しかし、なお残る圧倒的多数の一部損、この関係が、言うならば保険加入者保険金支払いから外されるということで、いわば掛け捨てということになるわけですけれども、たとえばそういう一部損に対しても一律に見舞い金を支給をするといったようなことは、技術的に必ずしも不可能ではないと思うんです。まあこれは一例ですけれども、そういう方法を含めて、でき得る限り保険料を払っておる人に対しては何がしかの災害を受けた場合の救済措置、これを検討してしかるべきじゃないかと思いますけれども、どうですか。
  37. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この一部損をどういうふうにどこまで保険の仕組みの中で見ていくかということが、今回保険審議会における検討の中心であったかと思うのであります。  その結論といたしまして、一部損害を含めますと損害件数が非常に多い、そういうものを短時間の間に大量に公平に処理をするというところの困難というものをなかなか解決がいかないということ、そこで国の災害算定基準では、全損と分損という二通りのものにつきまして基準があり、かつ地方公共団体がそういった証明を行っておるという点を踏まえまして、半損までのものはそういった査定が可能であるということから、半損までてん補をするということに結論を得たわけでございまして、半損に至らない一部損につきましては、現状においては不可能であるというのが、審議会の結論でございました。  なお、見舞い金というお話がございましたが、見舞い金というものを保険の中に組み込むならば、それはそういった一部損についての査定、さらにはそういったものを含めました保険料負担の問題ということになってまいりましょうし、また、保険の外の見舞い金ということになりますと、これはその財源を一体だれがどういう負担において負担をするのかというような問題もあろうかと思われますので、そういった見舞い金というものを制度化するということは、なかなか困難ではないかというふうに考えております。
  38. 丸谷金保

    丸谷金保君 私たちが実際に体験したことなんですけれど、十勝沖地震というような場合に、必ず罹災証明というのを地方自治体へ出すんです。そのとき住民は、できるだけ被害が多かったというふうなことで要求が来ます。しかし、私たちは固定資産税の評価ということもやっておりまして、あくまで固定資産税で評価した評価基準に従って出せないと。ところが、その後、たとえば保険会社その他が調査しますと、固定資産税の評価よりはずっと高い評価をするんです。いままで限度額が低かったときは、それでもそのこと自体ではそうトラブルが起きてこないと思うんですが、一千万まで上がりますと、やはりそういう点での私、これからトラブルが起きてくる可能性が非常に出てくるんではないか。この場合の評価は、一体どういう方法でやるのか。  それと、先ほども同僚委員に対する御答弁の中で、地方自治体等も委員に出てやっていくというふうな話がございましたね、意見を聞いてというふうなことが。それは制度的にどういう形を考えておられるのか、ひとつ。
  39. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) まず、損害の具体的な査定をどうやるかということでございますが、通常の火災保険でございますと、具体的な損害額というものをはじくということでございますが、この地震保険は、そういった通常の損害査定よりはかなり思い切ったやり方を前提に考えておるわけでございまして、全損か半損かという認定でございます。その全損、半損の基準につきましては、国の災害認定基準とほぼ整合性をとって合わせると。  たとえば、全損と申しますのは、全部焼けたとか完全につぶれたというにとどまりませんで、私ども具体的には政令で書くことを予定いたしておりますけれども建物の主要構造部、柱とか、はりとか、こういったものが五〇%以上損害を受けた場合にはこれは全損である、最も簡単な基準といたしまして床面積の七〇%以上が焼失、流失したような場合、これも全壊であるということを具体的に政令に書く。同じように、半損につきましても、国の基準と合わせまして、建物の主要構造部が二〇%以上五〇%未満損害を受けたというような場合はこれは半損であるというふうに、これは国の認定基準と合わせたところで考えておるわけでございまして、従来の損害保険の査定に比べますと、かなり大ざっぱな割り切ったやり方で全損、半損というふうな区分をいたしていくと、こういうことでございます。  それから、地方公共団体の人がどういうふうにという第二点は苦情処理機関についてのお尋ねかと存じますけれども、苦情処理機関は、先ほど申し上げましたように、各都道府県単位に設置することを前提に準備を進めておりますが、それぞれ地方公共団体の職員の方に委員としてお入りいただくということで、各地に準備を進めさせておるということでございます。
  40. 丸谷金保

    丸谷金保君 これは損保の会社がやるわけですわね、そういう査定から支払いを。そうすると、その会社の委嘱を受けて、地方自治体職員なり何なりがそういう機関に入っていくということになりますか。
  41. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 契約と申しますか、法律的に申しますと、査定はあくまで損害保険会社が査定をしなければならないわけでございますが、大規模な地震の場合を考えますと、損害保険会社の要員を相当つぎ込んでも、これは短期間の間に全体の査定はとうてい行い得ないという事態も予想されるわけでございます。そこで、市町村等の公的な証明というものに依存をいたしまして、それをそのまま尊重するというような形で査定をせざるを得ないという場合が考えられると。  たとえば、百万戸というような大被害を短期間に査定するということは、損保会社の職員のみをもってしてはとうてい不可能でございますので、これは具体的に損保会社から市町村に御依頼をするということでなくて、罹災者の方がそういった市町村の証明書を持っておいでになれば、それによって事実上損害保険会社の査定にかえる、こういった措置をとることを前提としておるわけでございます。
  42. 丸谷金保

    丸谷金保君 結局、そういうことに大きな災害になるとせざるを得ないだろうということを私、念頭に置きながら質問しておるんですが、災害が起きますと、大体地方公共団体は地域内一斉に調査をして、災害がどれだけあったかということをまず取りまとめます。しかし、自治体がまず調査するのは、どちらかと言うと公共物中心なんです。それから、個人個人の場合は個人に申告させるというふうなことで、そして、取りまとめて被害額幾らというような総体の数字を中央に報告する、こういうふうな形をとることになるんです。  そうすると、今度は被害証明ということになりますと、恐らくやっぱりそのときの基準によって、個人申告でもちょっとこれは多過ぎるんでないかとか、いろいろチェックして数字をきちっと整理するわけです。そうすると、今度は国の方に災害報告をします。そういう金額から割り出して、個々の住宅なり家財なんかの被害というふうなものも割りがえしていくことになると思うんです。そして、それによって罹災証明というふうなものを出す、こういう順序になります。  そこで、その場合の罹災証明の金額の入れ方なんですが、自治省おいでになっておると思うんですけれど、一体この罹災証明の場合に、たとえば住宅をとってみて、固定資産税の評価の金額を全く無視した形で罹災証明を出せるでしょうか、自治体は。
  43. 渡辺功

    説明員渡辺功君) 罹災証明がどういう形で出されるか、市町村は全体としての作品対応をいろんな各部門でやっておりますから、それを総合的にやると思います。固定資産税の評価そのものは三年に一度評価替えをしますから、必ずしも先生いまおっしゃっておりますような意味で、災害が起きたときにすぐ固定資産税の評価替えをするというようなことはとうてい間に合わないと思いますので、それ自体が直に結びつくかどうかは別だと思います。ただ、全体として、被害があった場合に、被害が起きる前の状態というのはどういうものであったかということは、固定資産税の評価額が非常に重要な資料になるだろう、これだけははっきり申し上げられる、こういうふうに思います。
  44. 丸谷金保

    丸谷金保君 固定資産税の評価替えは三年に一度ですけれど、新しくできた固定資産税の評価はその都度やるわけです。ですから、災害発生の時点における固定資産税の評価というのは全部できているわけですね。これと罹災証明というふうなものは連動しないというふうに考えていいんですか、そうすると固定資産税の方の立場で。
  45. 渡辺功

    説明員渡辺功君) 固定資産税の評価と罹災証明がどういうふうに連結しているか、私ども、急なお尋ねだったものですから、よく調べておりません。したがいまして、私の経験から申し上げるわけですけれども、恐らく市町村としましてはほかに有力な資料はないのではないだろうか、固定資産税の評価というものが一つの大きな資料じゃないかと。ただ、固定資産税の評価というものが税制上の評価でありますから、それがある限界を持っておるということは、先生よく御承知のとおりでございます。
  46. 丸谷金保

    丸谷金保君 実際にそうなんですよ、罹災証明を出す場合、損害をはじく場合でも。たとえば固定資産税の評価と時価との差はこれはあります、実際問題としてですね。それらは、倍率なら倍率でやはり平均にかけていきます。たとえば、この家は五百万だと、しかし時価からいうと一千万だろうということになれば、この家は二百万だとすれば、時価からいえば四百万だろうというふうなやはり基準は、多少そういう倍率は出てきますけれど、基礎になるのは固定資産税の私は評価だと思うんです。最後になってこれ以外ないんです、自治体がですね。特に関東大震災、先ほどから出ていますが、ああいうふうなことになりますと、現物がなくなってしまった。そうすると、これを幾らの罹災に見るか。  いま保険の方から言いますと、契約金額で全壊、半壊でもってばっばっと出すと、こう言うんですよ。言うんですけれど、たとえば一千万の保険契約をしておっても、実際にはそれだけのもう値打ちがないものかもしらないんです。そういうものでも、いまの取り扱いですと、とにかく契約優先で出してしまうということになると、固定資産税の評価とはきわめて不均衡な保険金額支払いが行われる可能性が私はあるんではないかと思うんです。  これは、自治体にとってはもう非常に困ることなんです。固定資産税というものを中心に自治体行政をやっていかなければならないのに、保険会社が勝手なことをされると。それから、保険客体が幾らまで加入できるかということを火災保険の段階で見る場合でも、固定資産税の評価というものを基準にしてもらわないと、もうばらばらになります。これじゃ、固定資産行政を中心にするそういう被災その他が、将来において混乱の起こる理由にもなってくると思うんですが、固定資産税の段階から、すべてのそういう財産評価は地方自治体の意見勘案し、固定資産税の評価というものを基準にすべきだというふうな強い態度を出せないんですか、自治省は。
  47. 渡辺功

    説明員渡辺功君) 固定資産税について、非常にこれを重要視した御意見をいただきまして、その点は非常にありがたいわけですが、現実問題を考えますというと、固定資産税には大きく分けても二つの点から、先生おっしゃったようなことにはとうてい現段階ではならないだろうと思います。  一つは、固定資産税の税負担の見地から、実は御承知のとおりですから申し上げませんけれども、在来分は原則据え置きということで全部来ているわけです。これは上げるなんということになりますと非常に大きな問題が生ずるだろう、これが第一点です。  それから、新設分も、三年に一度の評価替えですからそのたびに評価しますけれども、三年間は評価基準を据え置いておりますから、基準改定の年と二年目と三年目はおのずから建築費も上昇しますけれども、これはやはりその前の基準、改定の年の低い基準で評価をしますから、その辺もずれてまいると思います。そういう三年に一度の評価基準の改定というような技術的な問題も第二番目にありまして、これは必ずしも売買とか、そういったものの価格の基準をすべて固定資産税だけではこれはとうていいかないと、こう考えています。
  48. 丸谷金保

    丸谷金保君 大変何か自信のない御答弁で、ちょっとそれじゃやっぱり困るんですよ。困るというのは、土地の場合は確かに点数制で割りがえしますから現況と違う。違うというのは、実売買とは違います。しかし、それなりに倍率は公平にやれば、同じようにいくわけなんです。本来は、ですから先ほど申し上げましたように、五百万の土地が一千万に売れるのであれば、二百万の土地は四百万に売れなければいけないわけですよ。固定資産税の評価そのものが本当に公平であれば、そういうふうになるわけなんです。そういう公平に近づけなければならないわけです。建物についてもそうなんです。三年に一遍だから、その場合上がってきますよ、時価は。時価は上がってくるけれど、そういう倍率は逆になるようなことではいけないわけでしょう。百万の家が一千万であったり、五百万の家が六百万であったりするようなことは、そういうばかな評価をするわけがないんですから、そういうふうに自信を持って地方自治体はやっているわけです。  しかし、今度損害の査定、そういう実際の例があるんですが、これは保険会社の方の基準でばっばっとやっちゃうと、逆になるんですよ。逆になることがあるんです。私は、ここら辺をきちんとしてもらわないと、宮城に起きたようなトラブルというのはこれからも絶えないと思うので、特にこれは保険の方にお願いしておくんですが、保険会社の行政指導の面で、あくまでもそういう点で地方の実態、それは地域によって違いますよ。違うけれど、それぞれの地域社会の中では公平が保たれているわけです、評価というのは。これが十分生かされる形で——これは必ずしも保険ばかりの問題でないんです。公共事業の買収なんかのときでも本当に困ってしまうんです、それぞれの役所が勝手なことをやるので。  少なくとも、この機会に大蔵の方では、自治省の固定資産税というものをすべての評価の基準に考えていただく。そういう面で罹災証明に頼らなければならない場合を想定して、そういうことになる前から、固定資産税の評価というものが契約の時点から十分加味される、検討されるべきものであるということについて、ひとつ考えを新たにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  49. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この損害保険保険金額でございますが、これは保険会社がなかなか一方的に決めるというわけにいかない問題でございまして、そこは契約者の方が、たとえば固定資産税の評価では五百万になっておるけれども、おれの家は時価一千万だから一千万つけろと、こう言われたときに、いや固定資産税の評価以上のものは保険会社は引き受けないというわけにもなかなかいかない問題ではなかろうかというふうに考えます。  なお、今回の査定に関連して、先ほどの御指摘の点に若干補足して答えさせていただきたいのでございますが、先生指摘になりました市町村の被害証明、罹災証明と申しますか、つまり被害額幾らというような、これは統計上の必要、被害報告というようなものでいろいろあろうかと思うのでございますが、私どもこの地震保険の査定で考えておりますのは、全壊か半壊かという、これはどちらかというと物理的に近いわけでございまして、市町村の方から損害額が具体的に何百万であるというような証明を期待しておるわけではないということを、ちょっとつけ加えさせていただきます。
  50. 丸谷金保

    丸谷金保君 罹災証明は全壊か半壊かだけで、あとは保険金をばんばん払う、これは非常に困るんですよ。たとえば罹災証明の場合でも、全壊、半壊なんということになると、やっぱり大体金額を入れるんです、みんな。特に家財なんかの罹災、どれくらい損害があったなんというのは、皆大体本人のあれなんですがね。ところが、固定資産税の評価で払っている税金は二百万なのに、おれの家は一千万だから一千万の火災保険を掛けるこの契約の時点から問題があるんですよ、そういうことが。そうすると保険会社は、いや、いいでしょう、これは一千万の値打ちがありますわと、こういうことになるんです。  そうすると、その損害保険や何かでお金の入ってくる片方の方では高く主張しているわけですよね、うちの家は一千万の値打ちはあるんだと。税金を払う方にいくと、うちの家は二百万しか値打ちがないんだと。土地と違いまして家屋の場合は、ある程度本人の申告もありますからね。こういうばらばらな行政が行われるんです。保険会社の場合は、保険料金をたくさんもらえばいいからできるだけ高く値踏みするんです。だれが見たって五百万しかない家でも、一千万だって、ああそうかと、いま新しくすれば一千万で建たぬかもしらぬなというふうなことになりかねないんです。そして災害が起こって、特に関東大震災のような大きなあれになりますと、もうほとんど後から確認のしようがないですわね、その建物がどの程度の値打ちのものかと。いいですか。その確認のしようがないものを契約だけで行われる、それで半壊か全壊かということだけで考えられる、私はもうここに非常に問題がある。  問題があるというより、問題の起こる可能性があるので、やはり私はこういうものを地方自治体——どうしたって最後は地方自治体が、保険金支払いのための損害とかいろんなことになると、絶対にやらされるのですよ、自治体が。おれの仕事でないということにならないんですよ。そうすると、何だと、隣は保険金一千万もらった、家はだだくさで、固定資産税だってたった百万の家じゃないか。私のところは五百万の評価で五百万の固定資産税を払っていて、保険金五百万しか当たらないというのはおかしいじゃないかという文句が出てきた場合、どうしますか。起こるんですよ、これは必ず。  そういうことを考えて、もう少し固定資産税の評価というふうなものを、すべてについて言いたいんですが、特に今回は保険ですから、保険契約の段階から十分考慮するという配慮を、今度は地震保険というのは一般火災保険と違って公的な部分が入ってくるんですからね。しかも、こういうことになるんですよ、限度額一千万で一兆二千億を超える大被害が出たような場合には、結局、平均率でもって保険金額の足切りをすることになるでしょう。このときに、うんとトラブルが出ると思うんですよ。どう思います。そういうことは想定できませんか。
  51. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この保険金額の評価と申しますか、契約段階における保険金額つけ方の問題でございますが、損害保険というのは、御案内のとおり、実損てん補ということで超過保険というものは禁止されておるわけでございますね。ですから、五百万のものに一千万も保険を掛けるということは考えられませんし、仮に掛けてもそれは無効であるということで、おのずからその物件の価格というものに上限があるわけでございます。保険会社はできるだけ契約をたくさんとりたいという考え方は、もちろん営業である以上あると思うのでございますけれども、そういった超過保険自体は商法上も禁止されておるものでございますので、不当に高い契約をとるということは、これは本来できない仕組みにすでになっておるわけでございます。  そういう中でその時価を一体どうやって判定するかと、それに固定資産税評価額というものをそのまま使うかどうか、こういう問題であろうかと思うのでございますが、私も固定資産税につきまして素人でございますので、いま確信を持って申し上げる自信はございませんけれども、いわゆる時価というものと固定資産税の評価額というものの間には、かなり差があるのではないかという気がいたしております。といたしますと、個々の契約者にとりましては、自分の財産価値というものがそのままこの保険の対象にならないという御不満がいろいろ出てくるのではなかろうかと。そういった固定資産税の評価額と時価との関係というものをもう少し詰めてみませんと、御提案のような固定資産税の評価額を一律に保険金額とするということを、いま直ちに統一的にそういうことをいたすということは、いろいろ問題があるのではないかというふうに考える次第でございます。
  52. 丸谷金保

    丸谷金保君 そのものずばりといかなくても、少なくともその場合でも固定資産税の評価額の何倍と、そうすると公平の原則は保たれるんです。逆転するようなことにはならないんです。それを保険会社の方の感覚で、いや、これは買ったとき五百万だけれどいま一千万するだろうというふうな調子でもってやって、しかもそれが公的な部分に関係してきて、そして罹災証明というふうなものを地方自治体が発行して、それが重要な要素になるというときになってきますと——それは全く地方自治体なんか関係させないんだというならいいですよ。最後に地方自治体に頼むということになるのであれば、最初からやっぱりちゃんとそういう意見を入れてもらわなきゃならぬ。  固定資産税の評価額が必ずしも実態に合わないと。しかし、私は合っていると思うんですよ。というのは、均衡をとっているということ自体では、必ず合っていると思うんです。全体としてそれは物価が上がっていくから、低いというようなことはあると思いますよ。そのために評価替えするんですが、しかし、少なくともAの家の評価が百万で時価が一千万、Bの家の評価が二百万で時価が四百万だというふうなことはないんですよ。それなりの均衡はとれているんです、その地域社会において。  それが均衡が破れると、後で必ず支払いの段階でトラブルが起きるので、やはり公的な地震保険というふうなもの、半ば公的なものが入ってくる、国費が入ってくるという段階では、どうしてもそういうことをある程度参考にして、固定資産税の評価というのは地域社会のすべてのそういう不動産を決めていく場合には一番大事なんだと、こういうルールを事あるごとに決めていきませんと、やはり入ったもののそのときの考え方、それから勧誘した保険会社の会社による物の考え方によって差がついてくると、こういうことになると、いわゆる公的な制度が大きく取り入れられる地震保険において画竜点睛を欠くことになるんでないか、こう思いますので、そういう点は、ひとつ今後の課題として十分配慮するように検討願いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  53. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この損害保険契約締結の際の保険価格と申しますか、評価が公正でなければいけないというのは、もう御指摘を待つまでもなく、公正な評価額というものを前提としなければ、隣接をした災害が起きたときにいろいろ問題が起きるであろうということであろうかと思うのでございまして、現在一般的にこの損害保険契約を締結する場合には、再築価格と申しますか、新しくそれを建てるとすればどのくらいかかるかということをベースにいたしまして、それから減価償却を差し引いて契約価格を決めるというのが一般的に行われておるわけでございまして、かつその契約に際しましては、損保会社としては十分物件を見るということが前提になっておるわけでございます。  そういった一つの損保会社は損保会社で統一的な評価の仕方で契約を締結をいたしておるということで、私は現在の損保会社のこの契約のとり方が、Aという人とBという人の場合に評価が違うというようなことはあり得ないのじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、そういったものの基準に固定資産税というものを勘案するということが望ましいか、あるいはそうすべきであるか、そういった点につきましては初めて私も伺ったわけでございますので、御指摘の点もいろいろ今後勉強してまいりたいというふうに考えております。
  54. 丸谷金保

    丸谷金保君 ちょっと時間だけれど、もう一点だけ、いまのことについて。
  55. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 簡潔に願います。
  56. 丸谷金保

    丸谷金保君 どうもやっぱりよくわかってないんですよね。  たとえば、自治体で家屋移転する場合の再建築の場合でも、基準というものを全部出して補償費を出したりしているんです。ですから、それらのすべてのことについて、最後に罹災証明という形で自治体にしわ寄せが行くのなら、やっぱりそのことを考えてもらわないとトラブルの原因になりかねないと思う。保険会社だけで、最後に自治体にしわ寄せが来ないんならいいですよ。われわれ現実に十勝沖地震のときも、そういう点でしりを持ち込まれるんです。ですから、よく考えてください。検討していただきたいということを申し上げて、終わります。
  57. 多田省吾

    ○多田省吾君 初めに、地震保険金額につきまして、現行制度では損害保険契約保険金額の百分の三十に相当する金額でございましたが、それが改められますと、百分の三十以上百分の五十以下の額に相当する金額となるわけでございますが、被保険者の要望によればこれは多額にしてもらいたいということで、そうなりますと百分の五十ということに自動的になるのか、それとも被保険者と保険会社との話し合いで、それが百分の四十五とか百分の四十とかに引き下げられるおそれがあるのか、その辺はどうなんでしょうか。
  58. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 現行制度は、御承知のとおり百分の三十、一本という非常に機械的なやり方になっておるわけでございまして、これを今回の改正では百分の五十まで引き上げると同時に、百分の三十から五十の間におきまして契約者が選択をできるということに改めたわけでございます。この百分の三十から五十の間でどういう選択をするかは、全く契約者の選択の問題でございまして、保険会社がどうこう言う問題ではございません。
  59. 多田省吾

    ○多田省吾君 それから、先ほども質問しましたが、支払い限度額が五十三年四月以降、今回も一兆二千億円のままに据え置かれているわけでございますが、地震の予想は慎むべきことではありましょうけれども、たとえば、大地震がもし発生しまして、しかもそのときに普及率が非常に高まっておりまして、そのために支払い額がたとえば倍の二兆四千億になってしまったと、こういった場合は、被保険者、契約者は全部一律に五〇%ずつしか支払いを受けることができないと、こういう計算になるんでしょうか。
  60. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) そのようになるわけでございますが、一兆二千億という総支払い限度額というのは、毎年度この地震保険特別会計の予算総則におきまして、国の債務負担限度ということで国会の御承認をいただいてきておるわけでございます。  で、五十五年度につきましては、先ほども申し上げましたように現在の契約状況、さらに今国会でこの改正を御承認いただきまして、今年度中に改正が行われるということを前提といたしまして、そういった内容改善に伴う契約の増加等見込みまして、五十六年三月時点におきます契約金額、そういうものを前提といたしまして、五十五年度中におきましては関東大震災規模の大地震が発生をいたしましても支払いに支障がないと、こういうふうに考えておるわけでございまして、何年か先にはどうかということでございますが、これは先ほど大臣の方からも答弁があったかと思うのでございますが、この限度額というものは、まあ適時、そのときの契約状況等を見ながら見直しをしていくという考え方でおるわけでございます。
  61. 多田省吾

    ○多田省吾君 ですから、私のお尋ねした第二点は、一律にたとえば何十%というように支給されるのかと、この点はどうですか。
  62. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) そのとおりでございます。
  63. 多田省吾

    ○多田省吾君 それから、現行の法案では、いわゆる百分の三十に相当する額という項目に、「ただし、特別の事情があるときは、政令で定めるところにより、これに代わるべき金額とすることができること。」とありますが、今回のにはこれがありませんが、これはどういう「政令の定めるところ」であり、これがどうして今回なくなったか。
  64. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) 従来この政令で決めておりますのは、非常に端数が出たような場合、きちっと一律百分の三十、一本でございますので、そのための調整規定でございまして、今度は三十から五十という範囲契約者が選択をいたしますので、たとえば三〇・五%とか三一%になりましてもむしろ保険金額の方を丸い金額契約することになろうということで、そうした規定を前提としてないということでございます。
  65. 多田省吾

    ○多田省吾君 それから、保険の引き受け方法についてお伺いしますが、地震保険の性格上、任意、独立の保険制度はとりにくいことは十分理解できますけれども、反面、保険制度は大数の法則の上にあるわけですから、そうしますと、保険料率との兼ね合いもありますが、原則自動付帯方式でよいかどうかという問題が残ると思いますが、これは将来ともに変更できないのかどうか。
  66. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) この契約方法として、現在は三つの方式、自動付帯という、まあそのまま自動的に地震保険火災保険についてしまうという方式と、原則自動付帯という方式と、全く任意という、三本立てになっておるわけでございます。  この制度発足いたしますときに、ある程度この地震保険というものの普及が急務であるということから、この自動付帯というものをむしろ中心に当初においては考えられたわけでございます。これは住宅総合保険というような、単純な火災にプラスいたしまして、いろいろな住宅の持つ危険、車が飛び込むとか、時には空から落下物があって家屋が破壊をされるとか、いろいろな損害パッケージにしておる保険がございますが、それについて、いわばそのパッケージ一つとして地震保険も入れるという形でこの自動付帯、これを中心地震保険普及をさせてくるということでまいったわけでございますが、ある程度普及をしてまいりましたし、今回のように内容が多様化してくるということでありますならば、やはり契約者任意の選択の余地というものを広げる必要があるのではないかということが一方の要請でございます。  それから、全くの任意性に依存した場合には、地震保険の持ちます性格から、いわゆる逆選択、地震の起こりやすい地域あるいは近々起こると予想される地域だけがこの地震保険に入るということでありますと、なかなか保険経理の上で問題があると。そこで、全くの任意性とそういう自動付帯というものの中間として、原則自動付帯というものを考えまして、これを中心に今後は考えるべきである、こういう点から原則自動付帯ということに今回改めると。  しからば、逆選択の心配はないかということでございますが、これは地震保険というものの性格から、およそ全国一律に同じように普及していくということはなかなかむずかしいわけでございまして、現実問題といたしまして、現行の相当程度自動付帯に依存しておりますもとにおきましても、北海道とか九州、沖繩といったところにおきましては地震保険の加入というのは非常に少ないわけでございまして、どうしても南関東あるいは近畿、東海、こういったところに集中しておるわけでございます。  今回は、この原則自動付帯という任意性契約方式に取り入れますとともに、審議会の答申におきまして、保険料率について現在の三段階、三等地区分というものをもう少し実情に合わせるようにしろという答申をいただいておりますので、こうした答申に沿いまして地域間の保険料率、できるだけ危険度を反映するような形におきまして現在の三等地区分を拡大をする。具体的には五等地ぐらいにすることを予定いたしておりますが、そういう形におきまして、極端に逆選択が働くということをある程度防止する働きというものも期待をいたしておるということでございます。
  67. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、大蔵省に、地震防災強化計画に基づきまして全銀協から警戒宣言時における対応策というものが発表されておりますが、その対応策について何点かお伺いしたいと思います。  まず、警戒宣言が発令された場合の普通預金の払い戻し業務をどの時点で停止するのかということでございます。大蔵省では、同地の日銀支店長と連絡をとりながら行うように指導していると聞いておりますが、具体的にどう連絡をとるのか、また、お客さんに対する周知徹底をどう図るのか、お伺いしたいと思います。
  68. 米里恕

    政府委員(米里恕君) 御指摘ございましたように、強化計画に基づきまして、民間金融機関全体の問題でございますが、警戒宣言が発せられました場合は、まず普通預金の払い戻し以外の業務、営業は停止ということになります。で、普通預金の払い戻しだけは暫時続けますが、その後顧客のふくそう状況などを勘案しながら、いまお話がございましたように、同地の日銀支店長などと連絡をとりながら平穏裏に普通預金の払い戻し業務を停止すると、こういうことになっております。  そこで、お尋ねの、まず普通預金払い戻し停止のタイミングあるいは日銀支店長などと連絡をとる具体的な方法というようなことでございますが、私ども地震臨時金融対策連絡協議会というものをつくることにいたしております。このメンバーといたしましては、同地区におきます財務局長、日銀支店長、県警本部長、金融団体代表者などで組織いたしまして、この協議会におきまして具体的に払い戻し停止のタイミングその他につきまして今後早急に決めていくという考え方でございます。  どういう決め方になるか、早速、今月下旬からでも会合を開始するという予定になっておりますが、たとえば考えられますことは、警戒宣言発令以後何時間とか、これもまた、都市部と農村部では時間も異なるというようなことも考えられますが、いずれもその内容はこれからの話でございますが、そういった払い戻し停止のタイミングを決めまして、あわせましてその周知徹底を行うわけでございます。  周知徹底の方法としていまいろいろ具体的に詰めておりますが、店頭のポスター掲示、あるいは顧客に窓口でチラシを配布するというようなことによりまして、具体的に警戒宣言が発せられました場合に普通預金の払い戻しのタイミング、方法などがどうなるかということを事前に周知徹底しておきたい、かように考えております。
  69. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、払い戻し金額ですが、郵便貯金の場合は状況によっては一人につき七、八万円程度に抑える場合もあるということでありますが、銀行の場合は払い戻し金額限度はどうなっておりますか。
  70. 米里恕

    政府委員(米里恕君) いま御指摘のございましたように、郵便局においては限度を設けるというふうに聞いておりますが、民間金融機関につきましては、払い戻し金額金額制限を行うことはやらないというふうに承知しております。いずれにいたしましても、具体的に決定いたしますのは今後の問題になろうかと思います。
  71. 多田省吾

    ○多田省吾君 それから、災害発生後の対応策でありますが、大蔵省によりますと、昭和三十年三月二十三日付の通達、「災害地に対する金融上の措置について」に準拠するということでありますが、現在銀行間はオンラインで結ばれております。地震発生により、オンラインが遮断される可能性もあるわけです。このオンラインの対応策はどうなっておりますか。
  72. 米里恕

    政府委員(米里恕君) 現在、民間金融機関の各店舗間を結んでおりますオンラインは、これはかなりわが国の各業種間のオンラインの中でもいろいろな面で機能の進んだものであるというふうに聞いておりますので、もし金融機関のオンラインの機能が地震によって停止するということになりますと、これは相当の地震であり、その他の業種のオンラインについても相当大きな影響が発生した場合だと思います。ただ、もしそういう状態になりましても、直ちにこれはオフラインに切りかえまして、オフライン処理体制に移行することになりますので、日常の銀行業務については即応できるという準備を進めております。
  73. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、警戒宣言解除に関してお伺いしますが、警戒宣言が短期日に解除されればそれほど問題はないと思いますが、場合によっては長期になる場合もあるわけですが、解除までの期間が長いと、さまざまな混乱が生ずるおそれがございます。こうした場合、どのような対応をとりますか。
  74. 米里恕

    政府委員(米里恕君) 警戒宣言のことにつきまして私からお答えするのが適当かどうか、あるいは適当でないかもしれませんが、私どもが承知しております警戒宣言というものは、そのときの情勢判断でございますけれども、場合によっては数時間、あるいはせいぜい二、三日という期間であるというように承っております。そういう意味合いで、そう長く警戒宣言が続くという状態を実はこの警戒宣言の性格として私どもは承知しておりません。もし警戒宣言が非常に長期に続くというような状態になりますと、これは金融機関の問題のみならず、全国的に非常にいろいろな面で混乱が起こるというようなことであろうかと思いますが、その辺は、警戒宣言の解除ということについて適切な措置がとられるものと期待されております。
  75. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、損害保険一般のことで一つお聞きしておきますが、国際緊張が高まっている中で、海運業界、損害保険業界では、船に掛ける戦争保険の一部を国が再保険の形で引き受けるよう求めていく方針だと、このようなことも聞いているわけですが、大蔵省はどのように対処するつもりですか。
  76. 松尾直良

    政府委員松尾直良君) いま一部中東地域におきまして、全くコマーシャルベースの、海上保険につきましての戦争割り増し料率というものが適用されておると聞いております。現在、支障なくそういった形で引き受けが行われ、かつそれが国際的な再保険という形で機能しておって、現実にそれによって支障が起きておるということは聞いておりません。  また、委員の御発言にございましたそういう戦争の危険に対応して、何か戦争保険というようなものをつくったらどうかというようなお話、ただいままでのところ、私ども承ったことがないわけでございます。
  77. 多田省吾

    ○多田省吾君 結構でございます。
  78. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  暫時休憩いたします。    午前十一時五十一分休憩      —————・—————    午後零時十分開会
  79. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  地震保険に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、討論はないものと認め、これより採決に入ります。  地震保険に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  80. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  片岡君から発言を求められておりますので、これを許します。片岡君。
  81. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 私は、ただいま可決されました地震保険に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ及び新自由クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     地震保険に関する法律の一部を改正する     法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項につい  て留意すべきである。  一、保険料率について、契約者の負担の軽減に資するため、可能な限り低率となるよう努めること。  二、保険料率の地域区分に当たっては、危険度を反映した合理的なものとするよう努めること。  三、付保金額限度額のあり方について、検討を加えること。  四、地震保険への加入、付保割合及び付保金額については、契約者意思を尊重し、強制にわたることのないよう指導に万全を期すること。  五、損害査定に当たっては、その迅速な処理に資するよう、査定基準の整備を図るとともに、苦情処理機関の設置について検討すること。  六、関係省庁は連携を密にし、実態に即した耐震体制の整備に努めること。   右、決議する。  以上でございます。
  82. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) ただいま片岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  83. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 全会一致と認めます。よって、片岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣
  84. 竹下登

    国務大臣竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。  なお、この際一言申し上げます。  本国会におきまして、政府より提案をいたしました大蔵省所管の法律案につきましては、これをもって全議案を議了していただくことになりました。委員長初め委員各位の御協力に対して、心からお礼を申し上げます。
  85. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  87. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) これより請願の審査を行います。  第六一号筑波研究学園都市移転跡地の利用に関する請願外四百七件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  理事会において協議いたしました結果を御報告いたします。  第六一号筑波研究学園都市移転跡地の利用に関する請願外四百七件は、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。  以上御報告いたしましたとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。     —————————————
  89. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会      —————・—————